(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障害物検知手段は、床面との摩擦度を測定する摩擦度センサを含み、自動走行中の回転抵抗を検知して前記摩擦度を測定することで滑り易い歩行障害箇所を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自走型走行装置。
前記障害物検知手段は、空中障害物判定手段を含み、前記空中障害物判定手段は、走行中に取得した物体の画像から所定の高さの範囲に位置する物体を空中障害物として判定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の自走型走行装置。
前記障害物検知手段は、温度センサを含み、走行中の外気温を測定することで温度の低い歩行障害箇所を特定することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の自走型走行装置。
前記自走型走行装置は、前記障害物情報記憶手段が記憶した障害物の情報を居住者又は見守者に確認させる障害物確認手段を有し、前記確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は前記障害物情報記憶手段から削除することを特徴とする請求項7に記載の自走型走行装置。
室内を自動走行する自走型走行装置と、前記自走型走行装置と無線で通信を行い、前記室内における歩行障害箇所を通知する管理装置とを備える歩行障害箇所判定システムであって、
前記自走型走行装置は、
前記室内における自らの位置を検出する位置検出手段と、
居住者の特性情報に基づいて、前記室内における前記居住者にとって歩行障害となる可能性のある障害物を検知する障害物検知手段と、
自動走行中における周囲の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像と前記障害物検知手段により検知された前記障害物の情報を収集する障害物情報収集手段と、
を備え、
前記管理装置は、
前記障害物情報収集手段により収集された前記撮像画像と前記障害物の情報を画像処理して得られる歩行障害箇所を含む室内画像を生成する画像生成手段と、
を備えることを特徴とする歩行障害箇所判定システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と言う)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0026】
図1は、本実施形態に係る歩行障害箇所判定システムのイメージ図である。以下では上記のシステムを「本システム」と呼ぶことにする。ここで、「歩行障害箇所」とは、室内の歩行を妨げる可能性がある箇所(例えば、段差、傾斜、滑りやすい床や階段、出っ張った家具等)を意味する。
【0027】
本システムは、室内を自動走行する自走型走行装置と、自走型走行装置と無線で通信を行い、室内における歩行障害箇所を通知する管理装置とからなる。管理装置(管理サーバ)は、自走型走行装置と無線で通信し、自走型走行装置が検出する各種のデータを受信して、加工して保存する。
【0028】
図1は、住居内に持ち込まれた自走型走行装置が1階、2階を動き回り、住居内に存在する様々な「ひやりポイント」を検知する様子のイメージ図を表している。「ひやりポイント」とは、床面の段差や傾斜、急な階段や滑り易い床、暗がり、温度差が激しい場所又は温度が極端に低い場所、その他歩行障害となる可能性のある物体や環境を意味する。例えば、この図では、1階を走行する自走型走行装置が、通路の幅を測定し、テーブル横の狭いスペースを人間が歩行時にぶつかり易い「ひやりポイント」として検知している様子を示している。また、2階を走行する自走型走行装置が、床面の摩擦度を測定し、階段の降口を滑り易い「ひやりポイント」として検知している様子を示している。検知した箇所の位置情報を含むデータは、管理装置に送信されて加工され、集積されて、いつでもその住居の間取図と共に表示可能である。このとき、間取図に障害物の位置を重ねて表示するが、障害物の詳細情報として、さらに写真等の画像を含めることが望ましい。あるいは間取図自体を、床面を含む360度のパノラマ写真から生成した立体平面図としてもよい。平面間取図であっても、特に、後述する空中障害物の詳細を表示するために、障害物の写真を複数の箇所から撮影した立体画像を含めることが望ましい。なお、管理装置は、自走型走行装置と共に住居内に持ち込んでもよいが、遠隔地に管理サーバとして設けてもよい。
【0029】
図2は、自走型走行装置の外観の一例を示す図である。図示するように、自走型走行装置1aは、四角形状のボディの下側に駆動手段50としてキャタピラが設けられ、ボディの前後左右方向に撮像手段15としてカメラを備え、ボディの上方には、同じく撮像手段15として空中障害物を撮像するために伸縮自在なカメラが備えられている。空中障害物とは、自走型走行装置の上方にある物体で、自走型走行装置はその下を問題なく走行できるが、人間が歩行する際には障害物となる可能性が高い物体をいう。例えば、テーブルの天板、机やタンスの半開きの引出し、棚からはみ出した物品等が典型的な例である。それに対し、自走型走行装置自体の走行の障害となる物体を床面障害物ということにする。例えば、段差、階段、家具等が典型的な例である。
【0030】
なお、ボディの下側のキャタピラの内側には、キャタピラの走行を補助するために(例えば、横方向の移動も可能とするために)球体形状の数個の補助車輪51を備えることが望ましい。また、ボディ前面側には、他の自走型走行装置や管理装置等と通信を行うためのアンテナ11aと、ボディの各面には各種センサ(図示せず)とを備える。自走型走行装置が互いに通信することが可能なので、複数の自走型走行装置を住居内に配置した場合、お互いの探索領域が重さならないように制御することも可能である。なお、走行機構としては、キャタピラに限らず、車輪駆動であってもよい。また、階段を昇り降り可能な機構であってもよい。
【0031】
図3は、自走型走行装置の外観の別の一例を示す図である。
図3(a)は、自走型走行装置の空中障害物の測定に適した形状である。この図に示すように、自走型走行装置1bは、円筒形状のボディの下側に数個の車輪が設けられ、360°回転が容易に可能となっている。またボディの上部には、頭部が備えられ、頭部には、撮像手段15であるカメラが備えられている。頭部は、上下に伸縮可能であり、また360°回転可能な構造となっているため、また、頭部と首には、障害物との接触を検知する接触検知センサを内蔵しており、自走型走行装置の上方にある空中障害物の検出に適した構造となっている。
【0032】
また、別の実施形態として、自走型走行装置1cをペット型の形状(例えば、猫型ロボット)とすることも可能である。例えば、
図3(c)に示すように、撮像手段15を猫の目に形成し、しっぽをアンテナ11aとする。そして、キャタピラ又は車輪の代わりとして、4足歩行可能な駆動手段50を設けることによって、普段は居住者のペットとして、居住者に貸出し又は販売することも可能となる。ペット型ロボットは、居住者宅に長期間設置しても違和感がなく、ペットとして使用されていないときは、室内を巡回するようにプログラムされているので、「ひやりポイント」の判定を長期にわたって行うことができる。したがって、ストーブ、コタツ、扇風機といった季節によって出現する歩行障害物も検知して通知することができる。
【0033】
自走型走行装置は、室内を走行し、部屋の形状(輪郭)を検出するとともに、自らの室内における位置の基準となる基準点を定める(以降、室内の形状と基準点を含めて室内情報と呼ぶ)。例えば、電源投入時のスタート位置を基準点として定めてもよいし、自走型走行装置のバッテリを充電する位置を基準点としてもよい。そして、室内を巡回し、自走型走行装置に内蔵されているセンサとカメラによって、各種データと画像を取得し、これらのデータと画像によって歩行障害物となるか否かを判定する。障害物ではあっても人間の歩行には問題のない大きさ、位置にある物体は歩行障害物とは判定しない。ただし、歩行障害となる物体の大きさ、位置は、居住者により異なるため、パラメータとして設定変更可能とする。また、歩行障害箇所判定のために、例えば、室内の照度、温度、段差、床の滑りやすさ(摩擦度)、床面障害物、空中障害物の有無等を判定する。そして、自走型走行装置は、検知した物体が歩行障害の可能性があると判定すると、無線通信手段を用いて管理装置へ室内情報とともに判定した歩行障害箇所情報を送信する。
【0034】
管理装置は、室内情報及び歩行障害箇所情報を受信すると、それらの情報に基づいて、住宅の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。なお、住宅の間取図が既にある場合は、その間取図の情報と歩行障害箇所情報に基づいて、住宅の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。生成した画像は、公的機関や不動産会社の専用端末等に送信してその画面に表示させる。また、居住者等(居住者及び家族などの見守者)の端末に表示させることも可能である。
【0035】
このようにして、室内の「ひやりポイント」を特定し、公的機関や不動産会社等に、人間が調査に出向くことなく、自動的に通知することが可能となり、住居の危険箇所の把握やリフォームの提案に役立てることが可能になる。また、本システムを居住者等が利用することにより、「ひやりポイント」を事前に把握することができ、事故が起きる前に室内の安全性を高めることができる。「ひやりポイント」は、同じ住居であっても、居住者の状態、時期(季節、経年変化)、天候、室内の家具や物の置き方等によっても変化するものであるから、継続的に測定することが望ましい。なお、
図1では、住居の階ごとに自走型走行装置を設置することを例にして説明したが、例えば、駆動手段50であるキャタピラ又は車輪に階段を登り降りする機構を備え、1台で1階、2階の歩行障害箇所を自動検知するようにしてもよい。
【0036】
(歩行障害箇所判定システムの構成)
図4は、本実施形態に係る歩行障害箇所判定システムの構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように本システムは、既に説明したように、室内を自動走行する自走型走行装置10と、自走型走行装置10と無線で通信を行い、室内における歩行障害箇所情報を通知する管理装置20を備える。
【0037】
(自走型走行装置の構成)
自走型走行装置10は、一構成例として、通信手段(送信手段)11と、位置検出手段12と、障害物判定手段13と、自動走行手段14と、撮像手段15と、センサ群16と、障害物情報収集手段17と、充電式バッテリ18と、から構成される。また、障害物判定手段13とセンサ群16をまとめて障害物検知手段19と呼ぶ。
【0038】
通信手段11は、管理装置20と通信を行う際の通信インタフェース部となる。また、通信手段11は、障害物情報収集手段17が収集した撮影画像と走行状態情報を管理装置20に無線送信する。以下の説明では、センサ群16で検知された情報を総称して走行状態情報ということにする。
【0039】
位置検出手段12は、自らの室内における位置情報を検出する。この位置情報の検出手段は、屋内GPS等の公知の屋内測位技術を用いることとし、ここでは説明を省略する。また、自走型走行装置10は、室内を走行し、部屋の形状を検出し、自走型走行装置10の住居内での位置情報の基準点を定める。
【0040】
障害物検知手段19は、自動走行中に周囲の情報を検知するセンサ群16と、センサ群16から得られる情報と走行中の撮像画像を元に障害物であるかどうか判定する障害物判定手段13とを備える。また、障害物判定手段13は、室内における歩行障害となる可能性のある障害物を判定する。そのため、障害物判定手段13は、床面障害物判定手段13aと空中障害物判定手段13bを備えている。
【0041】
床面障害物判定手段13aは、例えば、レーザ光や超音波を前後左右水平に照射し、物体からの反射光や超音波から物体までの距離、大きさを計測して、床面障害物かどうかを判定する。床面障害物とは、自走型走行装置10が、床面を移動する際の進行を阻害する所定の大きさ以上の物体又は物体の形状のことである。例えば、壁、段差、敷居、階段、家具、電化製品等である。実際に自走型走行装置をその物体に接触させて床面障害物と判定してもよい。また、進行方向の床面を探査し、室内の物体の画像を撮像し、所定の高さ(例えば30cm)を超えた位置にある物体を空中障害物と判定する。ただし、所定の高さを超えた位置にある物体であっても通常の人間の身長を超える高さに位置する物体は空中障害物とは判定しない。すなわち、所定の高さの範囲(例えば、30cm〜180cm)に位置する物体を空中障害物と判定し、所定の高さ未満にある物体は床面障害物と判定する。また、床面の摩擦度(摩擦係数)を測定することで床面の滑り易さを検知し、所定の値を超えた箇所を床面障害物と判定する。もちろん、進行方向の物体と接触した場合、接触検知センサが作動することにより床面障害物と判定してもよい。これらの床面障害物の検知及び判定のための技術は、公知の技術を最大限活用するものとし、ここではその詳細は省略する。
【0042】
空中障害物判定手段13bは、走行中に得た情報から、既に述べたように、所定の高さの範囲の位置にあり、かつ走行経路の上部近辺にある物体を、歩行障害箇所となる可能性がある空中障害物として判定する。具体的には、撮像手段15が撮像した室内の画像(撮像画像)及び/又は撮像した地点のセンサ群16から取得される物体までの距離、高さ、大きさ等の情報に基づいて、その物体が歩行障害となるか否かを判定する。すなわち、撮像画像を画像解析して、画像内の物体を抽出し、その物体自体又はその物体の突起物が人間の歩行する高さにないかどうかを判定する。例えば、自走型走行装置10が走行する経路の上方に家具の半開きの引き出しを検知した場合は、床面障害物としては判定されないが、空中障害物と判定する。また、テーブルの下を走行できる場合はテーブルの天板は床面障害物ではないが、天板の出張り具合によっては空中障害物と判定される可能性がある。このための画像中の物体の抽出・解析技術は、公知の技術を利用する。なお、床面障害物と空中障害物との判別は、床面からの高さとする。例えば、床面障害物は床面から30cm以下とし、それを超えた位置にある物体を空中障害物とし、設定によって変更が可能である。
【0043】
自動走行手段14は、自走型走行装置10の駆動手段50として、電気で駆動するために必要な周知の構成(インバータ、モータ、ブレーキ等)を備え、自動走行制御を行う。また、障害物検知手段19によって検知された障害物を迂回し、又は乗り越えて、走行する。具体的には、障害物検知手段19によって段差を検知し、段差の高さに応じて迂回又は乗り越えて走行する。
【0044】
撮像手段15は、自動走行中における周囲の画像を撮像するカメラである。撮像手段15(カメラ)は、レンズを含む光学系、CMOSセンサ等の撮像素子、レンズを通して撮像素子により光電変換された信号を増幅し、輝度調整、ホワイトバランスやγ補正等、色調整後の撮像画像を生成して障害物情報収集手段17へ出力する制御系を含む。また、空中障害物を撮影するために光学系を含むヘッド部分を上下方向に移動自在の機構部品も含む。
【0045】
センサ群16は、走行中の室内の各種情報を検知し、障害物判定手段13に送る。具体的には、少なくとも、段差を検知する段差センサ31と、室内光の強度(照度)を検知する照度センサ32と、走行面(床面)とキャタピラ又は車輪との摩擦を測定する摩擦度センサ33と、障害物との接触を検知する接触検知センサ34と、自動走行時の環境温度(外気温)を検知する温度センサ35と、加速度を検知する2軸あるいは3軸の加速度センサ36と、電池残量を測定する電池センサ37と、装置の回転角度を検出するジャイロセンサ38と、を含む。
【0046】
なお、段差センサ31は、障害物判定手段13が段差を判定するために、その段差(幅、高さ等)を測定するが、例えば、検知した段差にレーザ光を投射しながら角度スキャンを行い、その反射光を検出することで対象物までの距離を測定する制御系も含む。
【0047】
また、摩擦度センサ33は、自動走行手段14による走行中のキャタピラの回転抵抗を検知して摩擦度(摩擦係数)を測定する。
【0048】
障害物情報収集手段17は、撮像手段15により撮像された撮像画像とセンサ群16により検知された走行状態情報を収集する。なお、収集するタイミングは自走型走行装置10が障害物と判定するたびに行ってもよいが、一定の走行距離又は走行時間ごとに行ってもよい。
【0049】
(管理装置の構成)
管理装置20は、典型的には、通信手段21と、画像処理手段22と、表示手段23と、画像生成手段24と、制御手段25と、歩行障害箇所情報DB100と、間取
図DB200と、から構成される。
【0050】
通信手段21は、自走型走行装置10及び管理装置20と無線通信を行う通信インタフェース部となる。自走型走行装置10同士の通信は、通常のWi−Fi(登録商標)を使って行なってもよいが、管理装置20が管理サーバとして遠隔地にある場合は、インターネット経由で通信する。
【0051】
画像処理手段22は、自走型走行装置10の障害物判定手段13が行う床面障害物又は空中障害物判定のための画像処理を行う。すなわち、自走型走行装置10が撮像した室内の画像を取得し、公知の画像解析技術を使って画像解析して、画像内の物体を抽出する処理を行う。抽出した物体の情報は、障害物判定手段13に送られ、歩行障害物かどうかが判定される。なお、画像処理手段22は、自走型走行装置10の障害物判定手段13の内部に備えてもよい。
【0052】
表示手段23は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro-Luminescence)等により構成され、画像生成手段24により生成された平面立体図又は360度のパノラマ写真から生成した立体平面図、さらには制御手段25により生成される情報を表示出力する。
【0053】
画像生成手段24は、画像処理して得られる歩行障害箇所と該当する室内情報に基づいて、床面障害物と空中障害物を間取図上に示した室内画像を生成する。なお、間取
図DB200に、該当する室内の間取図が登録されている場合は、その間取図の情報を利用して、障害物の位置と組み合わせて、室内の画像を生成する。間取図がない場合は、自走型走行装置10が室内を隈なく走行することによって得られる走行経路の情報及び走行不能箇所の情報を集め、走行した全領域の輪郭を簡易間取図として生成するようにしてもよい。このとき、生成した簡易間取図は、室内の撮像画像を参考に、人間が修正可能としてもよい。
【0054】
制御手段25は、CPU(マイクロプロセッサ)とメモリを内蔵し、CPUがメモリに記録されたプログラムを逐次読み出し実行することにより、上記した各機能ブロックを制御する役割を担う。
【0055】
歩行障害箇所情報DB100のデータ構造の一例が
図5に示されている。歩行障害箇所情報DB100は、制御手段25により生成される歩行障害箇所情報が格納されるデータベースであり、制御手段25は、自走型走行装置10の障害物情報収集手段17が収集し、通信手段11、通信手段21により送受信される走行状態情報に基づき歩行障害箇所情報を生成する。
【0056】
図5にそのデータ構造の一例が示されているように、少なくとも、住宅ごとに採番される住宅「No」、「住宅名」、「歩行障害箇所情報」のデータ項目を含む。データ項目「歩行障害箇所情報」には、各センサによって判定される歩行障害場所の基準点からの座標位置」、「障害内容」(歩行障害箇所であると判定した事由)、歩行障害箇所の「測定値」が登録される。
【0057】
図5によれば、No「00100」の採番が付された「総研太郎宅」では、歩行障害箇所として判定された場所が6箇所ある。そのうち、平面座標位置x(120),y(180)は、照度が10luxに満たない比較的暗い場所であり、平面座標位置x(130),y(50)は、温度が8℃であり、比較的低温の場所であることを示す。また、平面座標位置x(140),y(170)には、5cmの段差があり、転倒の危険性がある場所であり、平面座標位置x(150),y(82)は、摩擦度が3であり、比較的滑りやすい場所であり注意が必要であることを示す。また、平面座標位置x(160),y(145)には、25cmの高さの障害物があって衝突又は転倒の可能性のある場所であり、また、平面座標位置x(170),y(103)には、高さ120cmの位置に空中障害物があり、人間が歩行の際にぶつかる危険性がある場所であることを示す。なお、座標位置zは1階をゼロ(基準)とし、2階や階段の途中では、検知位置の高さの値が入る。
【0058】
間取
図DB200は、予め用意された間取図または管理装置20により生成される簡易間取図の情報が格納されている。通常、不動産賃貸等のアパート、マンション等であれば、間取図が存在するため、その情報を間取
図DB200で保存する。間取図が存在しない、例えば、古いアパートや一戸建ての住居等の場合、上述したように自走型走行装置10が室内の輪郭を検出することで、簡易間取図として間取
図DB200に保存される。
【0059】
上記の本システムの機能、及び構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インタフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベースは、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0060】
図6は、本システムの自走型走行装置の処理動作を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、必ずしもこのフローチャートで示した順で処理される必要はなく、各処理ブロックの入力データと出力データの関係が損なわれない限り、処理順序を変更してもよい。
【0061】
図6に示すように、自走型走行装置10は、起動命令を受信する(ステップS11)と、室内を走行することで室内の形状(室内情報)を測定する。(ステップS12)。具体的には、自走型走行装置10は、電源スイッチ、又は、管理装置20から起動命令を受信することによって起動する。起動した自走型走行装置10は、自動走行手段14によって、室内を自動走行することができ、障害物を迂回し、又は、障害物によっては乗り越えて走行することができるものとする。そして、位置検出手段12によって、常に走行経路の位置情報を取得する。また、間取図情報が管理装置20に登録されている場合は、該当する間取図情報を管理装置20から受信するため、ステップS12は省略される。
【0062】
そして、障害物情報収集手段17は、位置検出手段12が取得する位置情報のうち、所定の位置を座標の基準点として決定する(ステップS13)。なお、基準点は、例えば、自走型走行装置10が起動した位置、あるいは室内の角(隅)等としてもよい。
【0063】
室内情報を取得した自走型走行装置10の障害物判定手段13は、歩行障害箇所を判定するために、センサ群16の各センサ(段差センサ31,照度センサ32,摩擦度センサ33,接触検知センサ34,温度センサ35,加速度センサ36,電池センサ37)を起動させる(ステップS14)。次に、走行中になんらかの障害物を発見し、障害物判定手段13がその障害物が「所定の高さ」以上の位置にある空中障害物であると判定した場合(ステップS15“YES”)、空中障害物の位置の高さに応じて、自走型走行装置10が
図3(a)の形態の場合は、頭部を高さ方向に伸長する指示を送る。自走型走行装置10は、伸長指示を受信すると、撮像手段15の頭部を指示があった高さまで伸長する(ステップS17)。そして、障害物判定手段13は、空中障害物の高さを測定し、判定した空中障害物の詳細情報を取得(例えば空中障害物の画像を撮像)して、障害物情報収集手段17に受け渡す(ステップS18)。なお、このときの判定に用いる「所定の高さ」は、設定によって変更が可能であり、例えば、30cm以下の位置にある物体は床面障害物として判定し、それを超える位置にある物体を空中障害物として判定するようにする。
【0064】
また、障害物判定手段13が、障害物が空中障害物ではないと判定した場合(ステップS15“No”)、その障害物が床面障害物であるかどうかをさらに判定し、床面障害物であれば、その床面障害物の詳細情報を取得(例えば床面障害物の画像を撮像)して、障害物情報収集手段17に受け渡す(ステップS16)。
【0065】
障害物情報収集手段17は、歩行障害箇所を一定個数(予め定められた範囲)取得すると(ステップS19“YES”)、その都度、管理装置20へ収集した情報を通信手段11経由で無線送信する(ステップS20)。一方、障害物情報収集手段17は、歩行障害箇所及び室内情報を、一定個数取得していない場合(ステップS19“NO”)、ステップ14に戻り、障害物判定手段13は、判定が終わっていない場所を走行し、歩行障害箇所を判定する。なお、障害物情報収集手段17は、歩行障害箇所を取得するごとに管理装置20へ情報を無線送信するようにしてもよい。また、自走型走行装置10の停止命令を受信するまで、S14に戻り、歩行障害箇所を判定するために室内を走行する。なお、自走型走行装置10は、外部から停止命令を受けずとも探索の終了条件を内部で判断し、障害物の探索を自動的に終了することも可能である。
【0066】
次に、本システムの管理装置の処理動作について説明する。
図7に示すように、管理装置20の制御手段25は、歩行障害箇所情報及び室内情報を受信する(ステップS31)と、歩行障害箇所情報を歩行障害箇所情報DB100に保存し、室内情報を間取
図DB200に保存し、画像処理手段22に画像処理指令を送る。続いて、画像処理指令を受けた画像処理手段22は、歩行障害箇所情報及び室内情報に基づく画像処理を行う(ステップS32)。
【0067】
具体的には、画像処理手段22が平面画像処理(平面間取図に障害物の位置を重ね、その位置にその障害物の画像を関連付ける処理)を行う場合(ステップS32“平面画像”)、歩行障害箇所情報及び室内情報を歩行障害箇所情報DB100及び間取
図DB200から抽出し、二次元画像処理を行なう(ステップS33)。なお、管理装置20の間取
図DB200に間取図が登録されている住宅については、間取
図DB200からその情報を抽出し、歩行障害箇所情報に基づいて、平面画像処理を行なう。
【0068】
一方、立体画像処理(立体間取図上の障害物の位置に、その障害物の画像を関連付ける処理)を行う場合(ステップS32“立体画像”)、歩行障害箇所情報DB100から撮像情報と障害物判定手段13から障害物までの距離情報を得ることにより立体画像処理を行う(ステップS34)。なお、1つの障害物に対して、平面画像処理と立体画像処理を併用してもよい。
【0069】
次に画像生成手段24は、平面画像又は立体画像の画像処理を基に画像データを生成する(ステップS35)。続いて、制御手段25は、画像データを管理装置20の表示手段23又は通信手段21を介して外部の情報端末(例えば、顧客の端末)に送信することで、画像データを表示する(ステップS36)。
【0070】
例えば、
図8に画面例に示すように、既存の間取図データが存在する場合、画面上に住居の平面間取図が表示され、この画面の右側の部分で、表示したい歩行障害箇所の項目を指定する。既に述べたように、既存の間取図データがない場合は、自走型走行装置10が室内を隈なく走行し、得られた走行経路及び走行不能箇所の情報を集めて簡易間取図を生成する。間取図の生成には、撮像した室内の画像を利用してもよい。
図8の画面例では、段差位置と障害物の位置が指定されており、ここでは障害物として検知された段差は☆の印で示され、その他検知された障害物は★の印で示されている。また、家具等は網掛けで示されている。そして、☆又は★の印をマウス等でクリックすることによって、障害物の詳細情報が出力される。例えば、段差(敷居を含む)の☆の印をクリックすると、その段差の画像と高さが表示される。特に、符号90で示す★の印をクリックすると、
図8(b)に示すように、台所の空中障害物の画像が表示され、台所の引出しが半開きになっていることが画像上で確認できる。このときの画像は、
図8(a)の「A」の位置から撮像したものである。したがって、居住者等は、このような画面を随時確認することで、住宅環境における危険場所(「ひやりポイント」)を容易に把握できる。なお、図示していないが、床面障害物と空中障害物とを分けて間取図に表示することも可能である。
【0071】
図9は、自走型走行装置の別構成の機能ブロックを示す図である。本実施形態は、管理装置20の制御を介さずに、自走型走行装置10のみで、歩行障害箇所を自動検知し、居住者等に通知して住居内の歩行環境を把握させるものである。
【0072】
本実施形態における自走型走行装置60は、一構成例として、通信手段61と、位置検出手段62と、障害物判定手段63と、自動走行手段64と、撮像手段65と、センサ群66と、障害物情報記憶手段67と、充電式バッテリ68と、間取図取得手段70と、間取図生成手段71と、音声対話手段72と、画像生成手段73と、障害物確認手段74と、画像投影手段75と、制御手段76と、を備える。また、障害物判定手段63とセンサ群66をまとめて障害物検知手段69と呼ぶ。
【0073】
なお、通信手段61は、通信手段11と、位置検出手段62は、位置検出手段12と、自動走行手段64は、自動走行手段14と、撮像手段65は、撮像手段15と、センサ群66は、センサ群16と、充電式バッテリ68は、充電式バッテリ18と、障害物検知手段69は、障害物検知手段19と、
図4の機能ブロック図と同様の機能であるため、説明は省略する。
【0074】
間取図取得手段70は、居住者等が所持する携帯端末80から間取図データを取得して記憶する。ここで取得する間取図データは、ビットマップデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。
【0075】
間取図生成手段71は、間取図取得手段70に間取図データが存在しない場合、又は取得できる間取図データがどこにもない場合、該当する部屋全体を走行し、障害物にぶつかって走行不能となった位置を記憶し、かつ撮像手段65によって部屋全体の画像を撮像し、形状(輪郭)を収集して、簡易間取図を生成する機能を備える。
【0076】
音声対話手段72は、マイクとスピーカが内蔵されており、障害物検知手段69が新しい障害物を発見したときは、適宜、居住者等に音声で通知する。また、障害物判定手段63における居住者の特性情報を取得するための音声対話を行う機能を提供する。
【0077】
障害物判定手段63は、
図4に示される障害物判定手段13の役割の他、音声対話手段72から居住者の特性情報を取得し、その特性情報に基づいて、判定基準を設定する。なお、特性情報とは、居住者の歩行に関係する身体情報(年齢、身長、体重、視力、聴力等で、要支援レベル、介護レベルの情報を含む)のことであり、例えば、高齢による視力の低下や足腰が弱い等の要支援レベル又は介護レベルに応じて障害物に対する判定基準を設定する。また例えば、時間帯や季節別の室内の照度状態の判定を行う場合、視力が低い居住者においては、照度設定を低くすることで、少しでも照度の低い室内場所においても歩行障害箇所と判定する。また、足腰が弱い居住者においては、段差を検知した場合、段差の高さがたとえ1cmであっても歩行障害箇所と判定する。また、居住者の身長に応じて、空中障害物と判定する高さの基準を変更する。なお、特性情報の取得方法として、例えば、音声対話手段72によって、質問形式で居住者等に問合せを行うようにしてもよい。または、携帯端末80に予め特性情報を入力しておき、自走型走行装置60に送信するようにしてもよい。
【0078】
また、障害物判定手段63は、センサ等の検知手段の誤差も考慮し、同じ場所を複数回探索することが好ましい。このとき自走型走行装置10は、複数回の探索においては各回で異なる動きで探索するようにする。例えば、1回目は室内を縦方向で探索した場合、2回目は横方向で探索し、1回目は室内を右回りで探索した場合、2回目は左回りで探索するなど、探索の際の装置の動きを変化させる。また、同じ場所を複数回探索することによって、所定回数以上「ひやりポイント」と判定した箇所を「要注意ポイント」とし、所定回数未満「ひやりポイント」と判定された箇所は「注意ポイント」等として、「ひやりポイント」に危険度の軽重を付けてもよい。
【0079】
障害物情報記憶手段67は、撮像手段65により撮像された撮像画像と障害物検知手段69により検知された障害物の情報を日時情報と共に記録する。日時情報と共に記録するのは、時が経つに連れて、また季節等の時期によって、障害物であるかどうかを判定する基準も変化させる必要があるためである。例えば、65歳のときには問題がなかった小さな障害物でも、75歳になったときには障害物となり得るからである。また、冬場は日の陰りが早いので、夏場に照度の低い箇所を検知しなかったとしても、季節が変われば、照度が低い箇所を再調査する必要が生じるからである。また、後述の障害物確認手段74によって、障害物の情報と共に記録された日時情報に基づいて、新しく発見した箇所についてのみ居住者等にその箇所を確認させたり、前回の探索後一定時間経過後には再探索を自動的に開始するようにしてもよい。
【0080】
画像生成手段73は、室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を生成する。具体的には、間取図取得手段70又は間取図生成手段71から取得した室内情報に基づいて、床面障害物と空中障害物を間取図上に示した室内画像を生成する。なお、ここで扱うことができる間取図は、2次元の平面間取図だけでなく、パノラマ写真から生成した3次元の立体間取図であってもよい。
【0081】
障害物確認手段74は、障害物情報記憶手段67が記憶した障害物の情報(「ひやりポイント」)を居住者等に確認させ、確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は障害物情報記憶手段67から削除する。確認方法として具体的には、画像投影手段75から壁面等に投影される障害物の情報画像から確認させる方法、又は通信手段61を介して、居住者等が所持する携帯端末80に障害物の情報画像を送信して、居住者等に確認させる方法がある。ただし、障害物の情報の削除に関しては、現在は問題なくとも将来再び障害物となる可能性もあるため、少なくともその削除履歴は残すようにすることが望ましい。
【0082】
「ひやりポイント」を確認させる方法には、上記のように画像を壁面等に投影する方法や画像を携帯端末80に送信する方法だけでなく、音声で通知する方法を用いてもよい。例えば、発見した「ひやりポイント」に居住者が実際に近づいた場合、自走型走行装置が追随し、注意喚起の音声を発するようにしたり、装置が居住者等と一緒に室内を巡回し、発見した「ひやりポイント」を、その場で一つ一つ確認させるようにしたりしてもよい。このとき居住者等からの確認の意思表示は、音声で行ってもよいし、装置に対して所定の操作をすることで行ってもよい。このようにすることで、新たに発見した「ひやりポイント」を確実に居住者等に確認させることができる。発見した「ひやりポイント」が本当に危険個所であるかどうかは、居住者個人個人によって異なり、時間と共に変化するからである。このことは、個人の住宅だけでなく、老人ホームのような共同住宅においては特に重要である。
【0083】
画像投影手段75は、例えば、プロジェクタであり、室内の壁面に、画像生成手段73が生成した室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を投影する。このことにより居住者等は、壁面に投影された大きな間取図を見ながら障害物の位置やその詳細情報を確認することができる。
【0084】
なお、制御手段76は、CPU(マイクロプロセッサ)とメモリを内蔵し、CPUがメモリに記録されたプログラムを逐次読み出し実行することにより、上記した各機能ブロック65から75を制御する役割を担う。
【0085】
(実施形態の効果)
以上の説明のように本システムによれば、自走型走行装置を用い、居住空間を走行させることで、段差等、歩行障害箇所を自動検知し、管理装置が、画像処理して、居住者、あるいは家族に危険場所を通知して歩行環境を把握させて対処させる仕組みを構築することができ、安全性の向上はもとより、そのためにかける時間とコストを削減した歩行障害箇所判定システムを提供することができる。
【0086】
また、管理装置が、室内の間取図に歩行障害箇所を重ねた画像を生成する。このようにすることで、歩行障害箇所をビジュアルに表示することができる。
【0087】
また、自走型走行装置は、床面との摩擦度を測定する摩擦度センサを含むことで、自動走行手段による走行中の回転抵抗を検知して摩擦度を測定することで滑り易い歩行障害箇所を特定することができる。
【0088】
また、自走型走行装置は、走行中に取得した物体の画像から立体的な歩行障害箇所(空中障害物)を検知することで、例えば、平面視では確認がとれない空中障害物の検出が可能となる。
【0089】
また、自走型走行装置は、温度センサを含み、走行中の周囲の気温を測定することで温度の低い歩行障害箇所を特定することができる。
【0090】
また、自走型走行装置は、接触検知センサを含み、走行中に撮像手段又は接触検知センサによって、自走型走行装置が床面を走行しただけでは検知できないような高い位置にある物体を空中障害物として検知することができる。撮像手段が上下に伸縮可能であれば、高い位置から物体を撮像できるので、空中障害物の判定がよりやり易くなる。
【0091】
また、自走型走行装置は、障害物を検知する際、同じ場所を複数回異なる動きで探索することで検知精度をあげることができる。また、複数回の探索により、同じ場所で障害物を検知した回数に応じて、その場所の危険度に軽重をつけることもできる。
【0092】
また、自走型走行装置は、音声対話手段を備え、障害物検知手段が新しい障害物を発見したときは、居住者等に音声で通知することができる。このようにすることで、居住者等は、明確に障害物の位置が把握できる。
【0093】
また、自走型走行装置は、障害物判定手段を含み、障害物判定手段は、音声対話手段から居住者の特性情報を取得し、特性情報に基づいて、障害物判定手段の判定基準を設定することができる。このようにすることで、居住者の特性情報に応じて、障害物を判定することが可能になる。
【0094】
また、自走型走行装置は、画像投影手段(プロジェクタ)を備え、画像生成手段が生成した室内の間取図に障害物の位置を重ねた画像を投影することができる。このようにすることで、居住者等は、障害物の位置を把握でき易くなる。
【0095】
また、自走型走行装置は、障害物情報記憶手段が記憶した障害物の情報を居住者等に確認させる障害物確認手段を有し、確認の結果、問題がないとされる障害物の情報は障害物情報記憶手段から削除することができる。
【0096】
また、本システムは、自走型走行装置を室内用に限定して説明したが、屋外用にも応用が可能である。例えば、自走型走行装置10を、玄関までのアプローチ、庭、駐車場等を走行させることにより、樹木や池等の危険区域を自動で検知して、住宅の敷地内全体を管理装置20側で管理、表示することが可能である。また、居住区域に限らず工事現場等においても同様に応用が可能である。さらには、屋外型の自走型走行装置を街中を巡回させて、歩道の段差等を調査する街中危険個所調査システムとしても応用が可能である。
【0097】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。