特許第6393224号(P6393224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393224
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】コンテナ荷役車両
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20180910BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20180910BHJP
   B60P 1/48 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   B65F3/00 L
   B60P3/00 Q
   B60P1/48 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-68916(P2015-68916)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-188134(P2016-188134A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊之
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−009643(JP,A)
【文献】 特許第3767738(JP,B2)
【文献】 特開2010−137967(JP,A)
【文献】 実公平07−012728(JP,Y2)
【文献】 特開平06−136793(JP,A)
【文献】 特開2000−335306(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0247359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00
B60P 1/48
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテナ側油圧アクチュエータを有する第1のコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能に構成されるとともに、第2コンテナ側油圧アクチュエータを有しかつ前記第1のコンテナと仕様の異なる第2のコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能に構成されたキャリアを備え、
前記キャリアは、第1カプラ、第2カプラ、および第3カプラを有するキャリア側油圧回路を備え、
前記第1のコンテナは、第4カプラを有する第1コンテナ側油圧回路を備え、
前記第2のコンテナは、第5カプラを有する第2コンテナ側油圧回路を備え、
前記キャリアに前記第1のコンテナを積み込んだときには、前記第1カプラと前記第4カプラとが接続されるとともに、前記第2カプラと前記第3カプラとが接続され、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときには、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続されるコンテナ荷役車両であって、
前記第1カプラが接続されているか否かを検出する第1接続検出手段と、
前記第3カプラが接続されているか否かを検出する第2接続検出手段と、
前記第5カプラが接続されているか否かを検出する第3接続検出手段と、
前記キャリアに前記第1のコンテナを積み込んだときに前記第1カプラおよび前記第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止し、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときに前記第1カプラおよび前記第5カプラの両方が接続されていることが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止する禁止手段とを備えている、コンテナ荷役車両。
【請求項2】
前記禁止手段は、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときに前記第5カプラが接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている、請求項1に記載のコンテナ荷役車両。
【請求項3】
前記キャリア側油圧回路は、油を貯留する第1リザーバ、前記第1リザーバの油を吐出する第1油圧ポンプ、および前記第1油圧ポンプから吐出される油により駆動される第1油圧アクチュエータを有する第1回路と、第2油圧ポンプを有する第2回路と、前記第1リザーバに接続された第3回路と、を備え、
前記第1カプラ、前記第2カプラ、前記第3カプラは、それぞれ前記第1回路、前記第2回路、前記第3回路に設けられ、
前記禁止手段は、少なくとも前記第2油圧ポンプの駆動を禁止することにより前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている、請求項1または2に記載のコンテナ荷役車両。
【請求項4】
前記第1コンテナ側油圧回路は、前記第1コンテナ側油圧アクチュエータを備え、
前記第1コンテナ側油圧アクチュエータは、前記第1カプラと前記第4カプラとが接続された場合に前記第1油圧ポンプから吐出される油により駆動されるように構成され、
前記第2コンテナ側油圧回路は、油を貯留する第2リザーバと、前記第2リザーバの油を吐出する電動式の油圧ポンプと、前記第2コンテナ側油圧アクチュエータとを備え、
前記第2コンテナ側油圧アクチュエータは、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続された場合には前記第2油圧ポンプから吐出される油により駆動され、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続されていない場合には前記電動式の油圧ポンプから吐出される油により駆動されるように構成されている、請求項3に記載のコンテナ荷役車両。
【請求項5】
前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプとは、同一の駆動源により同時に駆動されるように構成されている、請求項3または4に記載のコンテナ荷役車両。
【請求項6】
前記駆動源は、動力取出装置を介して前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプに連結された前記キャリアの走行用エンジンであり、
前記禁止手段は、前記動力取出装置と前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプとの連結を解除することによって前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプの駆動を禁止するように構成されている、請求項5に記載のコンテナ荷役車両。
【請求項7】
前記キャリアに前記第1のコンテナおよび前記第2のコンテナのいずれが積み込まれているかを検出するコンテナ検出手段を備え、
前記禁止手段は、前記キャリアに前記第1のコンテナが積み込まれていることが前記コンテナ検出手段により検出されたときに、前記第1カプラおよび前記第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止し、前記キャリアに前記第2のコンテナが積み込まれていることが前記コンテナ検出手段により検出されたときに、前記第5カプラが接続されていないこと、または、前記第1カプラおよび前記第5カプラの両方が接続されていることが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載のコンテナ荷役車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧回路を有するコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能なコンテナ荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、油圧回路を有するコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能なコンテナ荷役車両が知られている。例えば、このようなコンテナ荷役車両の一例として、キャリアと、キャリアに積み込みおよび積み下ろし可能なコンテナとを備えた塵芥収集車が知られている。キャリアには、コンテナの積み込みおよび積み下ろしを行う油圧シリンダ等の油圧アクチュエータが設けられている。コンテナには、油圧アクチュエータによって駆動される塵芥積込装置等が設けられている。
【0003】
特許文献1に、そのような塵芥収集車が開示されている。特許文献1に開示された塵芥収集車のコンテナは、キャリアに積み込まれた状態とキャリアから積み下ろされた状態との両方で駆動可能に構成されている。コンテナがキャリアに積み込まれた状態では、コンテナの油圧回路をキャリアの油圧回路に接続し、キャリアに設けられた油圧ポンプを利用してコンテナの油圧アクチュエータを駆動する。コンテナがキャリアから積み下ろされて工場等に設置された状態では、工場等の電源を利用して、コンテナの油圧回路に設けられた電動式の油圧ポンプを駆動する。この電動式の油圧ポンプを利用して、コンテナの油圧アクチュエータを駆動する。
【0004】
キャリアの油圧回路は、油圧ポンプに向けて油を吸入する吸入管、油圧ポンプから油を吐出する吐出管、リザーバから油を供給する供給管、およびリザーバに油を戻す戻り管を備えている。上記の油圧回路の接続を実現するために、吸入管および吐出管には第1カプラが接続され、供給管および戻り管には第2カプラが接続され、コンテナにはコンテナ側カプラが設けられている。コンテナがキャリアに積み込まれた状態では、キャリアの第1カプラとコンテナ側カプラとが接続される。一方、コンテナがキャリアから積み下ろされた状態では、油圧ポンプから吐出した油をリザーバに戻すべく、キャリアの第1カプラは第2カプラに接続される。
【0005】
コンテナをキャリアに積み込む際には、キャリアの第1カプラをコンテナ側カプラから取り外し、第2カプラに取り付ける。ところが、コンテナをキャリアに積み込んだ後、第1カプラを第2カプラに接続し忘れる場合がある。すなわち、第1カプラがコンテナ側カプラおよび第2カプラのいずれにも接続されていない場合がある。その場合、第1カプラは閉鎖されているため、油圧ポンプを駆動してしまうと、油圧ポンプに過大な負荷が加わったり、油圧回路の配管から油が漏れるおそれがある。そこで、特許文献1に開示された塵芥収集車では、第1カプラが他のカプラと接続されているか否かを検出し、第1カプラが他のカプラと接続されていないときには油圧ポンプの駆動を禁止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3767738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、油圧アクチュエータを有するコンテナには、様々な仕様のものが存在する。例えば、特許文献1に記載されたコンテナのように、電動式の油圧ポンプを備えたコンテナ(以下、電動ユニット式コンテナという)の他に、油圧ポンプを備えていないコンテナ(以下、油圧ユニット式コンテナという)等が存在する。仕様の異なる複数のコンテナを積み込み可能なコンテナ荷役車両にあっては、電動ユニット式コンテナおよび油圧ユニット式コンテナの油圧回路は、いずれもキャリアの油圧回路に接続されるが、それらの接続箇所は異なっている。そのため、キャリアの油圧回路には、油圧ユニット式コンテナに接続されるカプラと、電動ユニット式コンテナの油圧回路に接続されるカプラとが設けられている。
【0008】
ところが、複数のカプラを備えていると接続形態が複雑となり、作業者がカプラを誤って接続してしまう場合がある。例えば、電動ユニット式コンテナのカプラを油圧ユニット式コンテナ用のカプラに誤って接続したり、油圧ユニット式コンテナのカプラを電動ユニット式コンテナ用のカプラに誤って接続してしまう場合がある。しかし、そのように接続を誤ったままキャリアの油圧回路を運転してしまうと、油圧ポンプに過大な負荷が加わったり、配管からの油漏れなどが生じるおそれがある。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、それぞれ油圧アクチュエータを有する仕様の異なる複数のコンテナを搭載可能なコンテナ荷役車両において、キャリア側の油圧回路とコンテナ側の油圧回路との接続を誤ったまま運転を行ってしまうことを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るコンテナ荷役車両は、第1コンテナ側油圧アクチュエータを有する第1のコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能に構成されるとともに、第2コンテナ側油圧アクチュエータを有しかつ前記第1のコンテナと仕様の異なる第2のコンテナを積み込みおよび積み下ろし可能に構成されたキャリアを備え、前記キャリアは、第1カプラ、第2カプラ、および第3カプラを有するキャリア側油圧回路を備え、前記第1のコンテナは、第4カプラを有する第1コンテナ側油圧回路を備え、前記第2のコンテナは、第5カプラを有する第2コンテナ側油圧回路を備え、前記キャリアに前記第1のコンテナを積み込んだときには、前記第1カプラと前記第4カプラとが接続されるとともに、前記第2カプラと前記第3カプラとが接続され、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときには、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続されるコンテナ荷役車両である。前記コンテナ荷役車両は、前記第1カプラが接続されているか否かを検出する第1接続検出手段と、前記第3カプラが接続されているか否かを検出する第2接続検出手段と、前記第5カプラが接続されているか否かを検出する第3接続検出手段と、前記キャリアに前記第1のコンテナを積み込んだときに前記第1カプラおよび前記第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止し、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときに前記第1カプラおよび前記第5カプラの両方が接続されていることが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止する禁止手段と、を備えている。
【0011】
上記コンテナ荷役車両によれば、キャリアに第1のコンテナを積み込んだときに、作業者が第1のコンテナを第2のコンテナと誤認し、誤って第4カプラを第2カプラに接続してしまった場合、第1接続検出手段または第2検出手段によって、第1カプラおよび第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出される。その結果、禁止手段により、キャリア側油圧回路の運転が禁止される。キャリアに第2のコンテナを積み込んだときに、作業者が第2のコンテナを第1のコンテナと誤認し、誤って第5カプラを第1カプラに接続してしまった場合、第1接続検出手段および第3接続検出手段によって、第1カプラおよび第5カプラの両方が接続されていることが検出される。その結果、禁止手段により、キャリア側油圧回路の運転が禁止される。したがって、上記コンテナ荷役車両によれば、キャリア側の油圧回路とコンテナ側の油圧回路との接続を誤ったまま運転を行ってしまうことを防止することができる。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、前記禁止手段は、前記キャリアに前記第2のコンテナを積み込んだときに前記第5カプラが接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている。
【0013】
上記態様によれば、キャリアに第2のコンテナを積み込んだときに、作業者が第5カプラを第2カプラに接続し忘れてしまった場合、第3接続検出手段によって、第5カプラが接続されていないことが検出される。その結果、禁止手段により、キャリア側油圧回路の運転が禁止される。したがって、上記コンテナ荷役車両によれば、キャリアに第2のコンテナを積み込んだときに、キャリア側の油圧回路とコンテナ側の油圧回路とを接続し忘れたまま運転を行ってしまうことを防止することができる。
【0014】
本発明の好ましい一態様によれば、前記キャリア側油圧回路は、油を貯留する第1リザーバ、前記第1リザーバの油を吐出する第1油圧ポンプ、および前記第1油圧ポンプから吐出される油により駆動される第1油圧アクチュエータを有する第1回路と、第2油圧ポンプを有する第2回路と、前記第1リザーバに接続された第3回路と、を備える。前記第1カプラ、前記第2カプラ、前記第3カプラは、それぞれ前記第1回路、前記第2回路、前記第3回路に設けられる。前記禁止手段は、少なくとも前記第2油圧ポンプの駆動を禁止することにより前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている。
【0015】
上記態様によれば、キャリア側の油圧回路とコンテナ側の油圧回路との接続を誤った場合に、第2油圧ポンプに過大な負荷がかかってしまうことを防止することができる。
【0016】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1コンテナ側油圧回路は前記第1コンテナ側油圧アクチュエータを備え、前記第1コンテナ側油圧アクチュエータは、前記第1カプラと前記第4カプラとが接続された場合に前記第1油圧ポンプから吐出される油により駆動されるように構成されている。前記第2コンテナ側油圧回路は、油を貯留する第2リザーバと、前記第2リザーバの油を吐出する電動式の油圧ポンプと、前記第2コンテナ側油圧アクチュエータとを備え、前記第2コンテナ側油圧アクチュエータは、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続された場合には前記第2油圧ポンプから吐出される油により駆動され、前記第2カプラと前記第5カプラとが接続されていない場合には前記電動式の油圧ポンプから吐出される油により駆動されるように構成されている。
【0017】
上記態様によれば、油圧ユニット式コンテナおよび電動ユニット式コンテナの積み込みおよび積み下ろしが可能なコンテナ荷役車両において、前述の効果を得ることができる。
【0018】
前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプの構成等は特に限定されないが、本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプとは、同一の駆動源により同時に駆動されるように構成されている。
【0019】
禁止手段の構成等は特に限定されないが、本発明の好ましい他の一態様によれば、前記駆動源は、動力取出装置を介して前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプに連結された前記キャリアの走行用エンジンであり、前記禁止手段は、前記動力取出装置と前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプとの連結を解除することによって前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプの駆動を禁止するように構成されている。
【0020】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記キャリアに前記第1のコンテナおよび前記第2のコンテナのいずれが積み込まれているかを検出するコンテナ検出手段を備える。前記禁止手段は、前記キャリアに前記第1のコンテナが積み込まれていることが前記コンテナ検出手段により検出されたときに、前記第1カプラおよび前記第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止し、前記キャリアに前記第2のコンテナが積み込まれていることが前記コンテナ検出手段により検出されたときに、前記第5カプラが接続されていないこと、または、前記第1カプラおよび前記第5カプラの両方が接続されていることが検出されると、前記キャリア側油圧回路の運転を禁止するように構成されている。
【0021】
上記態様によれば、コンテナ検出手段により、キャリアに積み込まれたコンテナが第1のコンテナか第2のコンテナかを容易かつ正確に把握することができる。よって、禁止手段の前述の動作を正確に行いやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、それぞれ油圧アクチュエータを有する仕様の異なる複数のコンテナを搭載可能なコンテナ荷役車両において、キャリア側の油圧回路とコンテナ側の油圧回路との接続を誤ったまま運転を行ってしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の一形態に係る塵芥収集車の側面図である。
図2】コンテナに設けられた塵芥積込装置の主要部の側面図である。
図3】キャリアの油圧回路および油圧ユニット式コンテナの油圧回路の回路図である。
図4】キャリアの油圧回路および電動ユニット式コンテナの油圧回路の回路図である。
図5】カバーに設けられた接続センサの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態に係るコンテナ荷役車両について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るコンテナ荷役車両は、塵芥収集車10である。塵芥収集車10は、キャリア9と、キャリア9に積み込みおよび積み下ろし可能な塵芥収集用のコンテナ3とを備えている。キャリア9は、キャブ1と、車台2と、コンテナ3の積み込みおよび積み下ろしを行う荷役手段4とを備えている。
【0025】
コンテナ3は、後部に開口5B(図2参照)が形成された塵芥収容箱5と、塵芥収容箱5の後部の上端に揺動可能に接続された塵芥投入箱6とを備えている。図2に示すように、塵芥投入箱6の内部には、投入された塵芥55を塵芥収容箱5に積み込むための塵芥積込装置6Aが設けられている。図示は省略するが、塵芥収容箱5の内部には、収容された塵芥55を開口5Bから排出する排出プレートが設けられている。コンテナ3には、塵芥積込装置6Aを駆動する油圧アクチュエータ6B、塵芥収容箱5の開口5Bを開放するように塵芥投入箱6を後斜め上方に揺動させる油圧アクチュエータ(図示せず)、上記排出プレートを後方に駆動する油圧アクチュエータ(図示せず)等が設けられている。なお、油圧アクチュエータの種類は特に限定されず、例えば、油圧シリンダ、油圧モータ等を好適に用いることができる。図1に示すように、コンテナ3は、塵芥収容箱5の前部の下端に設けられた脚7と、塵芥投入箱6の後部の下端に設けられたキャスター8とにより地上に定置される。
【0026】
荷役手段4は、L字状の荷役アーム11を備えている。荷役アーム11の水平部の後端部は、車台2に回転可能に支持されている。荷役アーム11の垂直部の上端部には、コンテナ3の前端部に係止するフック12が設けられている。荷役アーム11の水平部と車台2の前部とには、荷役アーム11を後方へ回転させるための油圧シリンダ13が連結されている。荷役アーム11の水平部は、油圧シリンダ14によって伸縮可能に構成されている。
【0027】
本実施形態に係る塵芥収集車10のキャリア9は、仕様の異なる複数のコンテナ3を積み込むことができる。キャリア9は、油圧アクチュエータを備えかつ油圧ポンプを備えていないコンテナ(油圧ユニット式コンテナ)と、油圧アクチュエータを備えかつ電動の油圧ポンプを備えるコンテナ(電動ユニット式コンテナ)とを積み込みおよび積み下ろし可能に構成されている。キャリア9、油圧ユニット式コンテナ、電動ユニット式コンテナは、それぞれ油圧回路を備えている。次に、図3および図4を参照しながら、それぞれの油圧回路の構成を説明する。
【0028】
キャリア9は複数の油圧アクチュエータ(前述の油圧シリンダ13,14含む)を備えているが、図3では1つの油圧アクチュエータ25のみを図示し、他の油圧アクチュエータの図示は省略している。図3に示すように、キャリア9の油圧回路20は、第1油圧ポンプ21、第2油圧ポンプ22、および第1リザーバ24を備えている。第1油圧ポンプ21および第2油圧ポンプ22は、キャリア9の走行用エンジン(図示せず)から動力を取り出す動力取出装置(PTO)15に連結されたタンデムポンプによって構成されている。第1油圧ポンプ21および第2油圧ポンプ22は、動力取出装置15により同時に駆動されるように構成されている。
【0029】
キャリア9の油圧回路20は、第1回路20A、第2回路20B、および第3回路20Cを備えている。
【0030】
第1回路20Aには、第1リザーバ24と、第1油圧ポンプ21と、第1アクチュエータ25とが設けられている。また、第1回路20Aには、第1油圧ポンプ21から吐出される油を各油圧アクチュエータ25に供給するコントロールバルブ23が設けられている。第1リザーバ24の油は第1油圧ポンプ21に吸入され、第1油圧ポンプ21からコントロールバルブ23に供給される。コントロールバルブ23に供給された油の一部は、第1リザーバ24に戻る。コントロールバルブ23に供給された油の他の一部は、油圧アクチュエータ25に供給される。それにより、油圧アクチュエータ25が駆動する。また、第1回路20Aには、油を第1回路20Aから外部に流出させる流出管26と、油を外部から第1回路20Aに流入させる流入管27とが設けられている。本実施形態では、流出管26の一端はコントロールバルブ23に接続され、流出管26の他端にはカプラ(管継手)28が取り付けられている。流入管27の一端はコントロールバルブ23に接続され、流入管27の他端にはカプラ29が取り付けられている。以下では、これら一対のカプラ28,29を第1カプラ31と称することとする。
【0031】
第2回路20Bには、第2油圧ポンプ22が設けられている。第2回路20Bは、流出管41および流入管42を備えている。流出管41の一端は第2油圧ポンプ22の吐出部に接続され、流出管41の他端にはカプラ43が取り付けられている。流入管42の一端は第2油圧ポンプ22の吸入部に接続され、流入管42の他端にはカプラ44が接続されている。以下では、これら一対のカプラ43,44を第2カプラ32と称することとする。流出管41には逆止弁45が設けられている。流出管41と流入管42との間には、リリーフ弁46およびオリフィス47が設けられている。第2回路20Bは、流入管42から流入した油を第2油圧ポンプ22から吐出し、その油が流出管41から流出するように構成されている。
【0032】
第3回路20Cは、流出管48および流入管49を備えている。流出管48の一端は第1リザーバ24に接続され、流出管48の他端にはカプラ50が取り付けられている。流入管49の一端は第1リザーバ24に接続され、流入管49の他端にはカプラ51が取り付けられている。以下では、これら一対のカプラ50,51を第3カプラ33と称することとする。第3回路20Cは、流出管48を通じて第1リザーバ24の油を外部に流出させ、流入管49を通じて外部の油を第1リザーバ24に流入させるように構成されている。以上がキャリア9の油圧回路20の構成である。
【0033】
次に、油圧ユニット式コンテナの油圧回路60について説明する。油圧ユニット式コンテナは複数の油圧アクチュエータを備えるが、図3では1つの油圧アクチュエータ61のみを図示し、他の油圧アクチュエータの図示は省略している。油圧ユニット式コンテナの油圧回路60は、流入管62および流出管63を備えている。流入管62と流出管63との間には、コントロールバルブ66が設けられている。流入管62の一端はコントロールバルブ66に接続され、流入管62の他端にはカプラ64が取り付けられている。流出管63の一端はコントロールバルブ66に接続され、流出管63の他端にはカプラ65が取り付けられている。以下では、これら一対のカプラ64,65を第4カプラ34と称することとする。油圧回路60は、流入管62に流入した油がコントロールバルブ66を経て流出管63から流出するように構成されている。油圧アクチュエータ61にはコントロールバルブ66から油が供給され、それにより油圧アクチュエータ61が駆動する。
【0034】
次に、図4を参照しながら、電動ユニット式コンテナの油圧回路70について説明する。電動ユニット式コンテナも複数の油圧アクチュエータを備えるが、図4では1つの油圧アクチュエータ71のみを図示し、他の油圧アクチュエータの図示は省略している。電動ユニット式コンテナの油圧回路70には、電動モータ72により駆動される第3油圧ポンプ73が設けられている。油圧回路70は、油圧アクチュエータ71に対して油を供給するコントロールバルブ74と、油を蓄える第2リザーバ75とを備えている。第3油圧ポンプ73とコントロールバルブ74との間には、逆止弁76が設けられている。油圧回路70は、電動モータ72を駆動すると、第2リザーバ75の油が第3油圧ポンプ73から吐出され、その油がコントロールバルブ74を経て第2リザーバ75に戻るように構成されている。油圧アクチュエータ71にはコントロールバルブ74から油が供給され、それにより油圧アクチュエータ71が駆動する。また、油圧回路70は、第3油圧ポンプ73とコントロールバルブ74との間の部分から分岐した流入管77と、第3油圧ポンプ73と第2リザーバ75との間の部分から分岐した流出管78とを備えている。流入管77には逆止弁81が設けられている。流入管77の先端にはカプラ79が取り付けられ、流出管78の先端にはカプラ80が取り付けられている。以下では、これら一対のカプラ79,80を第5カプラ35と称することとする。油圧回路70は、流入管77から油が流入した場合には、その油がコントロールバルブ74を経て第2リザーバ75に流入し、第2リザーバ75の油が流出管78を経て外部に流出するように構成されている。
【0035】
キャリア9には、第1カプラ31が他のカプラと接続されているか否かを検出する第1接続センサ91と、第3カプラ33が他のカプラと接続されているか否かを検出する第2接続センサ92とが設けられている。電動ユニット式コンテナには、第5カプラ35が他のカプラと接続されているか否かを検出する第3接続センサ93が設けられている。ただし、第1〜第3接続センサ91〜93の上記設置箇所は一例に過ぎず、それらの設置箇所は特に限定される訳ではない。
【0036】
第1接続センサ91には、例えば、図5(a)および(b)に示すように、第1カプラ31のカバー102の開閉を検出するリミットスイッチ100を用いることができる。カバー102は、回転軸101を中心として回転可能に構成され、ばね103により上方に付勢されている。図5(a)に示すように、第1カプラ31に他のカプラが接続されていないときには、カバー102の水平部102aは水平な状態となる。そのため、リミットスイッチ100はカバー102と接触し、OFFとなる。一方、図5(b)に示すように、例えば第1カプラ31に第4カプラ34が接続されると(例えば、カプラ29にカプラ65が接続されると)、カバー102の垂直部102bが流出管63と接触する。カバー102はばね103により上方に付勢されているが、カバー102の上方への回転は流出管63により規制される。そのため、リミットスイッチ100はカバー102から離反し、ONとなる。このように、例えばカバー102の開閉を検出するリミットスイッチ100により、第1カプラ31に他のカプラが接続されているか否かを検出することができる。
【0037】
なお、上記の例では、リミットスイッチ100は、カバー102に接触するとOFFとなり、カバー102から離反するとONとなるように構成されている。ただし、リミットスイッチ100の構成は何ら限定されない。リミットスイッチ100は、カバー102に接触するとONとなり、カバー102から離反するとOFFとなるように構成されていてもよい。この場合であっても、カバー102の開閉状態に基づいて、第1カプラ31が他のカプラと接続されているか否かを検出することができる。また、リミットスイッチ100はカバー102に直接接触するように構成されていてもよく、他の部材を介して間接的に接触するように構成されていてもよい。
【0038】
リミットスイッチ100は接触式のセンサであるが、第1接続センサ91は、カバー102の開閉を検出する光学センサ、磁気センサ等であってもよい。また、第1接続センサ91は、第1カプラ31が他のカプラと接続されているか否かをカバー102の開閉状態に基づいて検出するものに限られない。第1接続センサ91として、第1カプラ31が他のカプラと接続されているか否かを検出し得る任意のセンサを用いることができる。
【0039】
第2接続センサ92および第3接続センサ93として、第1接続センサ91と同様のセンサを用いることができる。また、第2接続センサ92または第3接続センサ93として、第1接続センサ91と異なるセンサを用いてもよい。第2接続センサ92として、第3カプラ33が他のカプラと接続されているか否かを検出し得る任意のセンサを用いることができ、第3接続センサ93として、第5カプラ35が他のカプラと接続されているか否かを検出し得る任意のセンサを用いることができる。
【0040】
次に、図3を参照しながら、キャリア9に油圧ユニット式コンテナを積み込んだときの塵芥収集車10の動作について説明する。キャリア9に油圧ユニット式コンテナを積み込んだときには、第1カプラ31と第4カプラ34とが接続され、第2カプラ32と第3カプラ33とが接続される。これにより、キャリア9の油圧回路20と油圧ユニット式コンテナの油圧回路60とが接続される。詳しくは、油圧回路20の第1回路20Aと油圧回路60とが接続され、第2回路20Bと第3回路20Cとが接続される。
【0041】
第1回路20Aにおいて、第1リザーバ24の油は第1油圧ポンプ21から吐出され、キャリア側のコントロールバルブ23に供給される。コントロールバルブ23から油圧アクチュエータ25に油を供給することにより、油圧アクチュエータ25を駆動することができる。また、コントロールバルブ23に供給された油の一部は、流出管26および流入管62を経て、コンテナ側のコントロールバルブ66に供給される。コントロールバルブ66から油圧アクチュエータ61に油を供給することにより、油圧アクチュエータ61を駆動することができる。コンテナ側のコントロールバルブ66に供給された油は、流出管63、流入管27、およびキャリア側のコントロールバルブ23を経て、第1リザーバ24に戻される。
【0042】
第2回路20Bおよび第3回路20Cでは、第1リザーバ24の油が流出管48および流入管42を経て、第2油圧ポンプ22に吸入される。吸入された油は第2油圧ポンプ22から吐出され、流出管41および流入管49を経て、第1リザーバ24に戻される。
【0043】
次に、図4を参照しながら、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときの塵芥収集車10の動作について説明する。キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときには、第2カプラ32と第5カプラ35とが接続される。これにより、キャリア9の油圧回路20と電動ユニット式コンテナの油圧回路70とが接続される。詳しくは、油圧回路20の第2回路20Bと油圧回路70とが接続される。
【0044】
第1回路20Aでは、第1リザーバ24の油が第1油圧ポンプ21に吸入され、第1油圧ポンプ21から吐出された後、コントロールバルブ23を経て、第1リザーバ24に戻る。コントロールバルブ23から油圧アクチュエータ25に油を供給することにより、油圧アクチュエータ25を駆動することができる。
【0045】
第2回路20Bおよび油圧回路70では、第2リザーバ75の油が流出管78および流入管42を経て、第2油圧ポンプ22に吸入される。吸入された油は、第2油圧ポンプ22から吐出され、流出管41および流入管77を流れた後、コンテナ側のコントロールバルブ74を経て、第2リザーバ75に戻る。コントロールバルブ74から油圧アクチュエータ71に油を供給することにより、油圧アクチュエータ71を駆動することができる。
【0046】
ところで、キャリア9に油圧ユニット式コンテナを積み込んだときに(図3参照)、作業者が油圧ユニット式コンテナを電動ユニット式コンテナと誤認し、第4カプラ34を第2カプラ32に誤って接続してしまう場合がある。しかし、その場合には、第1カプラ31および第3カプラ33には他のカプラが接続されない。そのため、第1カプラ31および第3カプラ33の少なくとも一方が接続されていないことに基づいて、接続の誤りを検出することができる。
【0047】
また、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに(図4参照)、作業者が電動ユニット式コンテナを油圧ユニット式コンテナと誤認し、第5カプラ35を第1カプラ31に誤って接続してしまう場合がある。しかし、その場合には、第1カプラ31および第5カプラ35の両方が接続された状態となる。そのため、第1カプラ31および第5カプラ35の両方が接続されていることに基づいて、接続の誤りを検出することができる。
【0048】
また、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに(図4参照)、作業者が第5カプラ35を第2カプラ32に接続し忘れる場合がある。しかし、その場合には、第5カプラ32に他のカプラが接続されない。そのため、第5カプラ35が接続されていないことに基づいて、接続忘れを検出することができる。
【0049】
本実施形態に係る塵芥収集車10には、上述の接続の誤りおよび接続忘れがあった場合に油圧回路20の運転を禁止する禁止装置17が設けられている。本実施形態では、禁止装置17はキャリア9に設けられている。ただし、禁止装置17の設置箇所は特に限定されない。
【0050】
禁止装置17は、キャリア9に油圧ユニット式コンテナを積み込んだときに、第1接続センサ91および第2接続センサ92からの信号を受け、第1カプラ31および第3カプラの少なくとも一方が接続されていないことが検出されると、油圧回路20の運転を禁止する。また、禁止装置17は、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに、第1接続センサ91および第3接続センサ93からの信号を受け、第1カプラ31および第5カプラ35の両方が接続されていることが検出されると、油圧回路20の運転を禁止する。さらに、禁止装置17は、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに、第3接続センサ93からの信号を受け、第5カプラ35が接続されていないことが検出されると、油圧回路20の運転を禁止する。
【0051】
油圧回路20の運転を禁止する方法は特に限定されないが、本実施形態では禁止装置17は、動力取出装置15と第1油圧ポンプ21および第2油圧ポンプ22との連結を切り離すことにより、第1油圧ポンプ21および第2油圧ポンプ22の駆動を禁止する。なお、第1油圧ポンプ21と第2油圧ポンプ22とが互いに独立して運転可能な実施の形態の場合には、禁止装置17は第2油圧ポンプ22の駆動のみを禁止するようにしてもよい。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る塵芥収集車10によれば、キャリア9に油圧ユニット式コンテナを積み込んだときに、作業者が油圧ユニット式コンテナを電動ユニット式コンテナと誤認し、キャリア側の油圧回路20とコンテナ側の油圧回路60とを誤って接続した場合に、接続を誤ったまま油圧ポンプ21,22を駆動してしまうことを避けることができる。また、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに、作業者が電動ユニット式コンテナを油圧ユニット式コンテナと誤認し、キャリア側の油圧回路20とコンテナ側の油圧回路70とを誤って接続した場合に、接続を誤ったまま油圧ポンプ21,22を駆動してしまうことを避けることができる。したがって、油圧ポンプ21,22に過大な負荷が加わったり、油圧回路20等において油漏れが生じることを防止することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る塵芥収集車10によれば、キャリア9に電動ユニット式コンテナを積み込んだときに、作業者がキャリア側の油圧回路20とコンテナ側の油圧回路70とを接続し忘れた場合に、油圧ポンプ21,22を駆動してしまうことを避けることができる。この場合にも、油圧ポンプ21,22に過大な負荷が加わったり、油圧回路20等において油漏れが生じることを防止することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限らず、他に種々の形態にて実施することができる。また、上記実施形態には種々の変形例が考えられる。
【0055】
上記実施形態において、キャリア9に積み込まれたコンテナが油圧ユニット式コンテナか電動ユニット式コンテナかを特定する手法は何ら限定されない。上記特定は、自動的に行われてもよく、作業者が手動で行ってもよい。例えば、作業者がキャリア9に積み込まれたコンテナを目視で特定し、その情報を禁止装置17に入力してもよい。例えば、図3に示すように油圧ユニット式コンテナに識別手段160が設けられ、図4に示すように電動ユニット式コンテナに識別手段170が設けられ、キャリア9にそれら識別手段160,170を識別可能なコンテナ検出手段120が設けられていてもよい。このような構成によれば、禁止装置17は、コンテナ検出手段120が識別手段160を識別することにより、キャリア9に積み込まれたコンテナが油圧ユニット式コンテナであることを自動的に特定することができる。また、禁止装置17は、コンテナ検出手段120が識別手段170を識別することにより、キャリア9に積み込まれたコンテナが電動ユニット式コンテナであることを自動的に特定することができる。
【0056】
上記実施形態では、キャリア9に積み込まれるコンテナは、油圧ユニット式コンテナおよび電動ユニット式コンテナであった。しかし、キャリア9に積み込まれるコンテナは、その他のコンテナであってもよい。
【0057】
上記実施形態に係るコンテナ荷役車両は、塵芥収集車10であった。しかし、本発明に係るコンテナ荷役車両は塵芥収集車10に限らず、他の車両であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
3 コンテナ
9 キャリア
10 塵芥収集車(コンテナ荷役車両)
17 禁止装置(禁止手段)
20 キャリア側油圧回路
31 第1カプラ
32 第2カプラ
33 第3カプラ
34 第4カプラ
35 第5カプラ
60 油圧ユニット式コンテナの油圧回路(第1コンテナ側油圧回路)
70 電動ユニット式コンテナの油圧回路(第2コンテナ側油圧回路)
91 第1接続センサ(第1接続検出手段)
92 第2接続センサ(第2接続検出手段)
93 第3接続センサ(第3接続検出手段)
図1
図2
図3
図4
図5