(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エネルギー発生装置(10)のためのインバータ(12)において、前記インバータ(12)は、入力側DC−DCコンバータ(14)と、出力側インバータブリッジ(16)と、制御信号(18)を用いて前記DC−DCコンバータ(14)および前記インバータブリッジ(16)を駆動するための制御デバイス(17)と、前記DC−DCコンバータ(14)および前記インバータブリッジ(16)に個々に対応付けられた温度センサ(19)と、を備え、前記制御デバイス(17)が、請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法を実行するように構成されることを特徴とするインバータ(12)。
請求項13に記載のインバータ(12)において、発電機(11)、特に、太陽光発電機が、前記インバータ(12)に前記入力側において接続可能であることを特徴とするインバータ(12)。
請求項13乃至15の何れか1項に記載のインバータにおいて、前記DC−DCコンバータ(14)が少なくとも1つの半導体スイッチを含み、前記インバータブリッジ(16)が少なくとも2つの半導体スイッチを含むことを特徴とするインバータ。
請求項13または16に記載のインバータにおいて、前記インバータブリッジ(16)が、前記出力側に配置されるフィルタインダクタンスを含むことを特徴とするインバータ。
【背景技術】
【0002】
インバータは、発電機によって発生された電力、例えば、太陽光発電機によって電気DC電流の形態で発生された電力を、AC電圧グリッド内へ供給するべくAC電流に変換するための役目を果たす。この目的のために、インバータは、入力側DC−DCコンバータおよび出力側インバータブリッジを備え、それらの内部で使用されるパワー半導体を用いて、発電機がその最大電力点(maximum power point、MPP)において動作されることによって、発電機から最大可能電力が引き出されるように、インバータの入力電圧を設定する。入力電圧は、起こり得るMPPの変化に追従させられる(MPP追従(tracking)、略してMPPT)。この場合には、インバータの構成要素内で生じる損失の結果、特に、パワー半導体内におけるスイッチング損失の結果、他の構成要素内におけるオーム損失の結果、および特にインダクタ内で生じる磁化反転損失の結果、インバータ内において、インバータの構成要素の加熱、特に、パワー半導体およびインダクタの加熱が生じ、過度の加熱のゆえに構成要素が破損する場合がある。
【0003】
したがって、インバータ内の温度を監視し、前記温度に対応付けられた制限値を超過すると、特に、発電機の電力、およびそれゆえ、同様に、インバータによって変換される電力を低減することによって、構成要素内で生じる電力損失を低減することが必要である。
【0004】
独国特許出願公開第102011007929 A1号明細書は、インバータを下方調節するための方法であって、インバータブリッジ内の温度を表す第1の測定変数、AC電圧グリッド内に供給される電力を表す第2の測定変数、およびさらなる測定変数が検出され、さらなる測定変数は、インバータの発電機端子における電圧、即ち、インバータの入力電圧を含んでもよい、方法を開示している。前記測定変数に応じて、低減された電力値が決定される。AC電圧グリッド内へ供給される電力はその電力値へ低減される。それは、特に、DC発電機によって発生される電流が最大発電機電流値へ低減されることによって、低減される。太陽光発電機の場合には、発電機によって発生されるDC電流のこの低減は、インバータの入力電圧の増大に基づいて実行される。
【0005】
欧州特許出願公開第0827254 A1号明細書は、太陽光発電機のためのインバータの出力を制御するための方法を開示している。この方法では、最大可能電力が、インバータによって処理される電力のための制限値を下回るならば、太陽光発電機から最大可能電力が引き出されるように、インバータの入力電圧が調節される。太陽光発電機の最大可能電力が制限値を超過する場合には、インバータの入力電圧は増大され、その後、太陽光発電機から引き出される電力が制限値に対応するように、調節される。その結果、インバータは過熱から保護される。
【0006】
米国特許出願公開第20130077372 A1号明細書は、入力側DC−DCコンバータを有する太陽光発電機のためのインバータを、低減された出力を有する動作点において動作させるための方法を開示している。この方法では、太陽光発電機のMPP出力が、インバータのために指定された最大許容電力を超過する場合には、太陽光発電機のMPP電圧を下回るか、または上回るインバータの入力電圧がDC−DCコンバータにより設定されることによって、低減された出力を有する動作点が設定される。この場合、太陽光発電機の開回路電圧がインバータの最大許容入力電圧を上回り、太陽光発電機の短絡電流が最大許容入力側DC電流を下回る場合には、MPP電圧を下回る入力電圧を有する動作点が選ばれ、さもなければ、MPP電圧を上回る入力電圧を有する動作点が選ばれる。本方法は、特に、過度に高い入力電圧による、および/または過度に高いDC電流による、インバータの過負荷、および同時に、インバータのスイッチオフを防止することを可能にする。
【0007】
米国特許出願公開第20090285998号明細書は、インバータを動作させるための方法を開示している。インバータはDC−DCコンバータを介して入力側で発電機に接続され、インバータの入力電圧は、MPP追従を用いて、発電機が最大電力を出力するMPP電圧に対応する。DC−DCコンバータ内の温度値が判定され、DC−DCコンバータ内の温度値が最大許容制限値を超過する場合には、MPP追従は中止される。
【0008】
本発明は、MPP電圧に対してインバータの入力電圧を変更することによって、インバータを熱過負荷から保護する問題に対処する。一方では、インバータの構成要素において生じる損失は正確に十分に低減され、他方では、入力側に接続された発電機の電力、およびそれゆえ、同様に、インバータの出力電力は最小限に低減されるのみである。
【0009】
解決策
問題は、独立特許請求項1の特徴を有するインバータを動作させるための方法、および特許請求項13の特徴を有するインバータによって解決される。好ましい実施形態は従属特許請求項において定義される。
【発明の概要】
【0010】
インバータを動作させるための本発明に係る方法では、インバータの入力電圧が入力側DC−DCコンバータおよび/または出力側インバータブリッジによって設定される。通常動作時には、入力電圧は、入力側において接続可能な発電機が最大電力を出力するMPP電圧に対応する。DC−DCコンバータ内の第1の温度値およびインバータブリッジ内の第2の温度値が判定される。判定された温度値のうちの少なくとも一方が、それに対応付けられた制限値を超過する場合には、インバータの入力電圧はMPP電圧に対して変更される。
【0011】
本発明に係る方法では、DC−DCコンバータ内の第1の温度値のための制限値の超過が判定され、および/またはMPP電圧が規定の制限電圧を下回る場合には、入力電圧はMPP電圧に対して増大される。さもなければ、入力電圧はMPP電圧に対して低減される。
【0012】
本発明は、インバータ内における過温度の場合に、インバータの個々の構成要素内で生じる電力損失を最適に低減し、その一方で同時に、発生されて送り込まれる電力を最大化する目的のために、発電機によって出力される電力が全面的に低減されることは十分でないという見識に基づく。むしろ、特に、インバータの出力電力が依然として最大化されるという点で最適である動作方法は、インバータのどの構成要素に過温度が特異的に存在しているのかを考慮しなければならない。過温度がDC−DCコンバータ内で判定された場合には、いずれにせよ、入力電圧を低減することができる。対照的に、過温度が、もっぱらDC−DCコンバータの外部、即ち、特に、インバータブリッジ内で判定された場合には、入力電圧の変更の方向はMPP電圧と制限電圧との比に依存する。制限電圧は、インバータの許容入力電圧範囲内、および特に、インバータによって設定可能なMPP電圧範囲内にある。
【0013】
具体的には、これは、例えば、インバータのDC−DCコンバータ内に過温度が存在し、DC−DCコンバータがクロック制御方式で動作される場合には、入力電圧を低下させることは有利でないことを意味する。なぜなら、発電機によって発生されるDC電流、並びにそれゆえ、特に、その結果、DC−DCコンバータ内におけるスイッチング損失およびオーム損失が上昇し得るからである。この場合には、むしろ、入力電圧の増大によって、DC−DCコンバータ内における電力損失の最適な低減がもたらされる。他方で、インバータブリッジ内に過温度が存在する場合には、例えば、インバータブリッジに入力側において存在する電圧を増大させることは有利でない。なぜなら、インバータブリッジ内におけるスイッチング損失は、インバータブリッジに入力側において存在する電圧に依存し、同様に増大し得るからである。この場合には、インバータブリッジに入力側において存在する電圧の低減によって、入力電圧の低減の結果として電力損失の最適な低減がもたらされる。
【0014】
それゆえ、本発明の1つの態様は、一方で、DC−DCコンバータ内における過温度の場合には、入力電圧を増大させ、他方で、インバータブリッジ内における過温度の場合には、制限電圧に対するMPP電圧の位置を考慮しつつ、特定の動作状況において、電力損失の最適な低減をもたらすのは、入力電圧の増大であるのか、それとも低減であるのかを判断することを含む。
【0015】
本発明の一実施形態では、制限電圧は、インバータのDC電圧リンク回路の最小電圧の50%〜150%、好ましくは80%〜120%である。この場合、DC電圧リンク回路の最小電圧は、AC電流をAC電圧グリッド内へ供給するための最小必要リンク回路電圧に対応してもよい。
【0016】
制限電圧は、固定して規定されてもよいか、または任意選択的に、最大可能電力を用いた通常動作の間に判定された温度値に応じて定義される。その結果として達成され得ることは、特に、DC−DCコンバータ内の第1の温度値およびインバータブリッジ内の第2の温度値が両方ともそれらのそれぞれの制限値に近いか、またはそれを上回る状況において、入力電圧を一方の方向または他方に変更する結果、逆効果が生じなくなることである。
【0017】
例として、MPP電圧が制限電圧を下回っている間に、インバータブリッジ内における過温度のゆえに入力電圧の低減が実行されると、発電機によって発生されるDC電流の増大がもたらされ、それゆえ、特に、DC−DCコンバータがクロック制御方式で動作される場合には、DC−DCコンバータ内における電力損失の増大がもたらされる。DC−DCコンバータ内における電力損失のこの増大の結果、DC−DCコンバータ内において過温度が生じるという影響が生じ得る。したがって、DC−DCコンバータ内の第1の温度値が、それに対応付けられた制限値に近いほど、ますますより高い制限電圧を優先して選択するべきである。特に、制限電圧は、この場合には、最小必要リンク回路電圧を上回ってもよい。
【0018】
他方で、DC−DCコンバータ内の第1の温度値が、それに対応付けられた制限値を大幅に下回る場合には、入力電圧の低減によって生じる、DC−DCコンバータ内における電力損失のこのような増大は容認されてもよい。したがって、DC−DCコンバータ内の第1の温度値が低いほど、ますますより低い制限電圧を優先して選択するべきである。この場合には、制限電圧は最小必要リンク回路電圧を下回ってもよい。
【0019】
要約すれば、これは、制限電圧は、DC−DCコンバータ内の温度値に応じて設定されてもよく、それにより、インバータブリッジ内において過温度が発生した場合に望ましい入力電圧の低減が、この低減に関連付けられるDC−DCコンバータ内における電力損失の増大が容認され得る場合には、いずれにしても実行されることを意味する。
【0020】
本発明の一実施形態では、温度値は、各々の場合において繰り返し判定され、それらに個々に対応付けられた制限値と比較される。結果的に、インバータの構成要素は過温度の発生に関して継続的に監視されてもよい。過温度が判定された場合、−これによって開始された−MPP電圧に対する入力電圧の変更の後に、その後、判定された温度値のうちの少なくとも一方が、それに個々に対応付けられた制限値を依然として超過する場合には、入力電圧とMPP電圧との差は増大されてもよい。その結果、構成要素が永続的な過温度のために破損しないことを確実にするべく、構成要素内で生じる電力損失はさらに低減され得る。特に、発電機がもはや電力を供給せず、その結果、電力損失がこれ以上インバータ内で全く生じなくなる入力電圧に達するまで、入力電圧とMPP電圧との差は繰り返し増大されてもよい。
【0021】
本発明のさらなる実施形態では、判定された温度値が全て、それらに個々に対応付けられた制限値を下回る場合には、インバータの入力電圧は、通常動作におけるMPP追従方法に基づいて設定される。判定された温度値のうちの一方が、それに対応付けられた制限値を超過する場合には、即ち、インバータ内における過温度が判定された場合には、インバータの入力電圧はDC−DCコンバータ内の第1の温度値に応じて、および/またはインバータブリッジ内の第2の温度値に応じて設定される。特に、判定された温度値のうちの一方が、それに対応付けられた制限値を超過する場合には、温度値に応じてインバータの入力電圧を設定するための温度依存調節が作動されてもよい。判定された温度値が全て、それらに個々に対応付けられた制限値を下回れば、温度依存調節は再び作動停止される。このような温度依存調節は、一方では、入力電圧の変更によってもたらされる、構成要素内で生じる電力損失の低減が、温度値を、それらに個々に対応付けられた制限値が永続的に超過されないように、低下または制限するのに十分であり、他方では、インバータの熱動作パラメータを考慮して発電機の電力を最大化するべく、入力電圧とMPP電圧との差、およびそれゆえ、同様に、発電機の瞬間電力と最大可能電力との差が最小化されることを確実にする。言うまでもなく、本実施形態では、温度値に対応付けられた制限値のうちの一方の超過およびアンダーシュートが交互に起こる場合に、例えば、固定した制限値の代わりに、温度値の対応するフィルタリング、またはヒステリシス帯を利用することによって、MPP追従と温度依存調節とが行ったり来たり切り替わることを防止するための方策が提供されることになる。
【0022】
本発明の一実施形態では、判定された温度値のうちの一方による制限値のうちの一方の超過のゆえに入力電圧が増大され、入力電圧がインバータの入力電圧のための制限値および/またはリンク回路電圧のための制限値を超過する場合には、入力電圧は、特に、発電機がDC−DCコンバータまたは外部スイッチング要素により短絡されることによって、0へ低減されてもよい。その結果達成されることは、入力電圧はインバータのための許容量を超えて増大されず、同時に、インバータの構成要素は、永続的な過温度の結果生じる破損から保護されることである。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、インバータブリッジ内の第2の温度値のための制限値の超過のゆえに、入力電圧が低減され、最小必要リンク回路電圧を下回る間に、DC−DCコンバータ内における第1の温度値のための制限値の超過が判定された場合には、入力電圧は発電機の開回路電圧へ増大されてもよい。これは、まずインバータブリッジ内の過温度が確認され、入力電圧が低減された場合のために、特に有利である。特に、入力電圧の低減、ならびに関連する、DC−DCコンバータの作動、および/または発電機によって発生されるDC電流の増大の結果、追加的な過温度がインバータブリッジ内に生じ得る。この過温度は、入力電圧を開回路電圧へ増大させることによって便宜的に抑制されてもよい。その理由は、特に、入力電圧をさらに低減すると、発電機によって発生されるDC電流の関連する増大のゆえに、DC−DCコンバータ内で生じる電力損失はむしろさらに増大するであろうからである。代替的に、発電機の開回路電圧が、インバータの入力電圧のための制限値および/またはリンク回路電圧のための制限値を上回る場合には、入力電圧は、特に、発電機がDC−DCコンバータにより短絡されることによって、0へ低減されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態では、DC−DCコンバータおよび/またはインバータブリッジ内の温度値は温度モデルに基づいて判定されてもよい。この場合には、温度モデルは、DC−DCコンバータおよび/またはインバータブリッジに対応付けられた温度センサの測定値を処理してもよい。この場合には、温度値は好ましくは、DC−DCコンバータおよび/またはインバータブリッジの半導体スイッチまたはそれらの内部における温度を表す。前記半導体スイッチは一般的に、最も高い電力損失が生じる構成要素であるとともに、温度が決定的に影響するインバータの構成要素でもあり、したがって、特に監視されなければならない。
【0025】
エネルギー発生装置のための本発明に係るインバータは、入力側DC−DCコンバータと、出力側インバータブリッジと、制御信号を用いてDC−DCコンバータおよびインバータブリッジを駆動するための制御デバイスと、を備える。さらに、インバータは、DC−DCコンバータおよびインバータブリッジに個々に対応付けられた温度センサを備える。本発明に係るインバータは、温度センサと連結した制御デバイスが、過温度が発生した場合に、インバータの入力電圧を変更するための本発明に係る方法を実行するように設計されるという事実によって特徴付けられる。
【0026】
本発明に係るインバータの1つの好ましい実施形態では、インバータに接続可能な発電機は太陽光発電機であり、および/またはDC−DCコンバータは昇圧コンバータである。昇圧コンバータは、発電機のMPP電圧が最小必要リンク回路電圧を下回る場合にのみ、作動される、即ち、クロック制御方式で動作されるため、昇圧コンバータはとりわけ本発明の利点から恩恵を受ける。この場合には、DC−DCコンバータは少なくとも1つの半導体スイッチを含んでもよく、インバータブリッジは少なくとも2つの半導体スイッチを含んでもよい。さらに、インバータブリッジは、出力側において配置されるフィルタインダクタンスを含んでもよい。フィルタインダクタンスのために、温度モデルに基づいてフィルタインダクタンスの温度値が判定される。フィルタインダクタンスの温度値はフィルタインダクタンス内の温度に固有のものであり、したがって、フィルタインダクタンスの温度値と、それに対応付けられた制限値との間の比較に基づいて、フィルタインダクタンスを過温度に関して監視することができる。本発明に係る、入力電圧の変更の方向の選択に関しては、この場合のフィルタインダクタンス内における過温度がインバータブリッジ内における過温度に対応する。
【0027】
以下において、図に示される好ましい例示的な実施形態に基づき、本発明をさらに説明し、記載する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、太陽光発電機11(PV発電機)によって提供された電力がインバータ12によってAC電圧グリッド13内に供給される、エネルギー発生装置10を示す。インバータ12は、DC−DCコンバータ14と、DC電圧リンク回路15(リンク回路)と、インバータブリッジ16(DC−ACブリッジ)と、出力側において、フィルタインダクタンスと、フィルタキャパシタンスと、切断デバイスと、を備える。DC−DCコンバータ14は、クロック制御方式で動作されてもよく、特に、DC−DCコンバータ14内に配置されるインダクタンスと併せて、PV発電機11における電圧U
PVに対応する、入力電圧U
PVと、リンク回路15におけるリンク回路電圧U
ZWKとの間の変圧をもたらす、少なくとも1つのスイッチング要素、特に、半導体スイッチを含む。インバータブリッジは、クロック制御方式で動作されてもよく、リンク回路15において存在するDC電圧U
ZWKの、出力側AC電圧U
ACへの変換をもたらす、少なくとも2つのスイッチング要素、特に、半導体スイッチを含む。それにより、入力側においてPV発電機11によって発生されたDC電流I
DCは、出力側AC電流I
ACに変換される。
【0030】
DC−DCコンバータ14およびインバータブリッジ16のスイッチング要素は制御デバイス17によってスイッチングパルス18を用いて駆動され、それにより、PV発電機11によって入力側において発生されたDC電流I
DCは、出力側においてAC電圧グリッド13内に供給されることができるAC電流I
ACに最適に変換される。この目的のために、制御デバイス17は、特に、リンク回路電圧U
ZWK、およびPV発電機11によって発生される電力P
PV=U
PV×I
DCを評価し、一方では、AC電圧グリッド13内に電力を供給するために十分なリンク回路電圧U
ZWKがリンク回路15において存在し、他方では、PV発電機11において存在する入力電圧U
PVが、PV発電機11が最大可能電力P
MPPを供給する、即ち、PV発電機11における電圧U
PVと、PV発電機11によって発生されるDC電流I
DCとの積が最大になる電圧U
MPPに対応するように、スイッチングパルス18に基づくDC−DCコンバータ14のスイッチング要素のクロッキング、およびそれゆえ、U
PVとU
ZWKとの間の変圧を設定する。このように設定された動作点は一般的に最大電力点(MPP)と呼ばれ、照射および周囲温度などの変化する周囲条件のゆえに、時間とともに変動し得る。したがって、制御デバイス17は、入力電圧U
PVをPV発電機11のMPP電圧U
MPPに設定するための、特に、それをMPP電圧U
MPPに追従させる(いわゆるMPP追従、略してMPPT)ための好適なMPP追従方法を備える。
【0031】
インバータ12は、DC−DCコンバータ14内、インバータブリッジ16内、および任意選択的に、例えば、出力側フィルタインダクタンスなどのさらなる構成要素内の温度を検出するための温度センサ19をさらに含む。この場合には、検出された温度から、DC−DCコンバータ14および/またはインバータブリッジ16の個々の構成要素のさらなる温度値T、特に、そこで用いられるスイッチング要素またはその内部における温度値Tが、温度モデルに基づいて判定されてもよい。これは、温度モデルは、測定された電圧、測定された電流、および/またはスイッチング要素のための駆動信号の規定の特性などのさらなるパラメータを考慮して、スイッチング要素の位置に対応しない位置において検出されるこのような温度を評価し、それらから、スイッチング要素またはその内部における温度を表す温度値を算出するという事実に基づく。しかし、原理上は、特に、温度センサ19がスイッチング要素またはさらにその内部に直接配置されることによって、温度センサ19はまた、検出された温度そのものを当該温度値Tとして用い得るように配置されてもよい。
【0032】
判定された温度値Tは、例えば、制御デバイス17によって監視され、過熱の結果生じるインバータの構成要素に対する損傷を回避するために、それらに個々に対応付けられた制限値と比較される。判定された温度値Tのうちの1つが、それに対応付けられた制限値を超過する場合、即ち、インバータ12の構成要素のうちの1つにおいて過温度が存在する場合には、影響を受けた構成要素における電力損失を低減するか、またはこれで十分でない場合には、インバータの動作を少なくとも一時的に止めるために、好適な対応策が取られなければならない。
【0033】
構成要素において生じる電力損失はさまざまな因子に依存し得る。DC−DCコンバータ14および/またはインバータブリッジ16内のスイッチング要素としてのクロック制御半導体スイッチの場合には、電力損失は、スイッチング損失、即ち、スイッチングプロセスの間の損失、および導通損失、即ち、スイッチを流れる電流の導通の間の損失から構成される。スイッチング損失は、オフ状態では、スイッチを横切って降下する電圧に、オン状態では、スイッチを流れる電流に実質的に比例する。オン状態における導通損失は、スイッチを横切って降下する電圧(残留電圧もしくは順電圧)、およびスイッチを流れる電流に実質的に比例する。
【0034】
DC−DCコンバータ14の少なくとも1つのスイッチング要素は、特に、降圧コンバータの場合には、PV発電機11の端子とリンク回路15の端子との間に直列に配置されるか、あるいは、特に、昇圧コンバータの場合には、PV発電機11およびリンク回路15のそれぞれの端子と並列に配置されてもよい。特に、リンク回路15へのスイッチング要素の並列接続を含むDC−DCコンバータ14としての昇圧コンバータの場合には、オフ状態においてスイッチング要素を横切って降下する電圧はリンク回路電圧U
ZWKに対応する。
【0035】
オフ状態では、リンク回路15の端子のうちの一方の電位と、AC電圧グリッド13への接続のための端子のうちの一方の電位との瞬間的な差に対応する電圧は、インバータブリッジのスイッチング要素を横切って、特に、単相Hブリッジおよび三相B6もしくはNPCブリッジのものを横切って降下する。この場合には、インバータ12がAC電圧グリッド13内へ電力を供給することができるよう、リンク回路15の電圧は、グリッドピーク電圧よりも高いか、またはAC電圧グリッド13の個々の相の電位間の最大差よりも高くなければならない。
【0036】
図2は、左側の図では、電流−電圧特性曲線20の単純化した例示的な図を示し、右側の図では、PV発電機11の電力−電圧特性曲線21の単純化した例示的な図を示す。PV発電機11は、例えば、昇圧コンバータの永続的にオンになったスイッチング要素のゆえに、その端子が短絡された場合、即ち、U
PVが0に等しい場合に、最大短絡電流I
Kを発生する。このとき、PV発電機11の出力P
PVは0に等しい。電圧U
PVが上がると、電流I
PVはまず下がり、その一方で、PV発電機11の出力P
PVは上がる。電圧U
PV=U
MPPにおいて、電流I
MPPが流れ、電圧U
PVと電流I
PVとの積はこの動作点において最大になる。即ち、PV発電機は最大電力点(MPP)において動作される。電圧U
PVがさらに増大した場合には、このとき、電流I
PVはさらに下がり、電圧U
PVがPV発電機の開回路電圧U
0に対応する場合には、0に等しくなる。このとき、PV発電機11の出力P
PVは同様に0に等しい。
【0037】
原理上、PV発電機11上に入射する放射パワーを最適に利用するためのインバータ12は、発電機のMPP電圧U
MPPに対応する入力電圧U
PVがその入力において存在し、それゆえ、PV発電機11において存在するように、動作される。その結果、最大可能電力がPV発電機11からインバータ12内へ流れ、インバータ12によってAC電流に変換され、インバータ12内で生じる損失を差し引いて、ACグリッド13内へ供給される。MPPから、入力電圧U
PVに対して左または右へ逸脱したどの他の動作点においても、PV発電機11が発生する電力は低下する。インバータ12の構成要素の切迫した過熱の場合には、入力電圧U
PVに関してMPPから逸脱した動作点を設定することが、従来技術から知られている。ここでは、インバータ12によって変換される電力の低減のゆえに、インバータ12の構成要素内における電力損失も同様に低減されることが前提とされている。
【0038】
図3は、特に、
図1に係るインバータ12を動作させるための、本発明に係る方法の一実施形態をフロー図の形で示す。まず、ステップS1は、インバータ12内の温度および電圧を測定することを含む。この場合には、温度は、例えば、温度センサ19を用いて検出される。測定される電圧は、特に、リンク回路15の電圧U
ZWK、および入力電圧U
PVを含む。インバータ12が、MPP追従が実行される通常動作状態になっている限り、入力電圧U
PVは初め、MPP電圧U
MPPに対応する。ステップS2は、ステップS1において測定された温度から、インバータ12の個々の構成要素内の温度を表し、特に、DC−DCコンバータ14の温度値T
DCDCおよびインバータブリッジ16の温度値T
DCACを含む温度値Tを判定することを含む。前記温度値Tを判定するために、ステップS1において検出されたデータと一緒にさらなる測定値が処理される温度モデルを用いることが可能である。
【0039】
ステップS3は、ステップS2において判定された温度値Tを、それらに個々に対応付けられた制限値T
maxと比較すること、即ち、インバータ12内に過温度が存在するかどうかをチェックすることを含む。この場合には、特に、異なる種類のスイッチング要素がインバータ内で用いられる場合、例えば、DC−DCコンバータ14内ではIGBTが用いられ、インバータブリッジ16内ではMOSFETが用いられる場合、またはその逆の場合には、判定される異なる温度値Tのため、およびそれゆえ、インバータ12の異なる構成要素のための制限値T
maxは異なり得る。また、特に、異なる設計のスイッチング要素がインバータブリッジ16の個々のブリッジ分岐線内で用いられる場合には、インバータブリッジ16のスイッチング要素のための異なる制限値T
maxを用いることも可能である。
【0040】
ステップS3は、判定された温度値Tのうちのいずれかが、それに個々に対応付けられた制限値T
maxを超過するかどうかを判断することを含む。そうでない場合には、本方法はステップS4へ分岐し、インバータは通常動作状態で引き続き動作され、PV発電機11はMPPにおいて引き続き動作され、PV発電機の入力電圧U
PVは依然としてMPP電圧U
MPPに対応する。その後、本方法はステップS1より継続される。即ち、本方法は、ステップS3において過温度が判定されない限り、ステップS1、S2、S3およびS4を循環的に、または準連続的に進む。
【0041】
しかし、ステップS3において、判定された温度値Tのうちのいずれかが、それに個々に対応付けられた制限値T
maxを超過すると判定された場合には、このとき、本方法はステップS5へ分岐する。ステップS5は、特に、DC−DCコンバータ14のスイッチング要素またはその内部の温度を表してもよい、DC−DCコンバータ14に対応付けられた温度値T
DCDCが、それに対応付けられた制限値T
max,DCDCを超過するかどうかをチェックすることを含む。そうである場合には、このとき、本方法はステップS6へ分岐する。ステップS6は、MPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ増大された入力電圧U
PVを設定することを含む。この目的のために、インバータ12は、特に、制御デバイス17によって、例えば、DC−DCコンバータ14が、U
ZWKとU
PVとの間の変圧比が低減される変更された制御信号18を受信するような仕方で、動作されてもよい。代替的に、または加えて、例えば、インバータブリッジ16が、低減された電力をACグリッド13内へ供給することによって、リンク回路15の電圧U
ZWK、およびそれゆえ、特に、DC−DCコンバータ14が作動停止された状態では、同様に入力電圧U
PVが増大されてもよい。
【0042】
しかし、ステップS5において、DC−DCコンバータ14に対応付けられた温度値T
DCDCは、それに対応付けられた制限値T
max,DCDCを超過しないと判定された場合、これは、逆に言えば、異なる温度値T、特に、インバータブリッジ16に対応付けられ、インバータブリッジ16のスイッチング要素内またはスイッチング要素の温度を表す温度値T
DCACは、それに個々に対応付けられた制限値T
maxを超過することを意味するが、その場合には、このとき、本方法はステップS7へ分岐する。
【0043】
ステップS7は、MPP電圧U
MPPは制限電圧U
limitを下回るかどうかをチェックすることを含む。そうである場合には、本方法はステップS6へ分岐する。ステップS6では、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ増大される。しかし、ステップS7において、MPP電圧U
MPPは制限電圧U
limitを上回ると判定された場合には、このとき、本方法はステップS8へ分岐する。ステップS8は、MPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ低減された入力電圧U
PVを設定することを含む。この目的のために、インバータ12は、特に、制御デバイス17に基づいて、例えば、DC−DCコンバータ14が、U
ZWKとU
PVとの間の変圧比が増大される変更された制御信号18を受信するような仕方で、動作されてもよい。代替的に、または追加的に、インバータブリッジ16は、一瞬の間増大した電力をACグリッド13内へ供給してもよい。その結果、リンク回路15の電圧U
ZWK、およびそれゆえ、特に、DC−DCコンバータ14が作動停止された状態では、同様に入力電圧U
PVは減少し、インバータブリッジ16は、リンク回路15の電圧U
ZWKが十分に減少した後には、MPP出力に対して低減され、PV発電機11によって発生された低減した電力に対応する電力をACグリッド13内へ供給する。
【0044】
以下のステップS6およびS8に関して、本方法はステップS1より継続される。即ち、本方法は、ステップS1、S2、S3、ならびに、適切な場合には、S5およびS7を循環的に、または準連続的に進む。ステップS4およびS6においてそれぞれ実行されるMPP電圧U
MPPに対する入力電圧U
PVの変更、ならびにその結果得られる、インバータ12の構成要素内で生じる電力損失の低減が、温度値Tを、後者がもはや、それらに対応付けられた制限値T
limitを超過しない程度にまで減少させるのに十分である場合には、本方法は再びステップS3からステップS4へ分岐することになり、それにより、インバータは通常動作状態で動作され、PV発電機11は、MPP電圧U
MPPに対応する入力電圧U
PVを用いてMPPにおいて動作される。この場合には、確認された過温度のゆえに、いったん上方または下方への入力電圧U
PVの変更の方向が採用されれば、過温度がインバータ12内に存在する限り、その方向を維持することが勧められる。
【0045】
図4aおよび
図4bは、
図2に係る特性曲線の単純化した例示的な図に基づいて、
図3に係る方法の一実施形態を説明する。
【0046】
図4aは、
図3に係るステップS6の実行を示す。インバータ12の通常動作状態では、PV発電機11は、MPP電圧U
MPPに対応する入力電圧U
PVにおいて動作される。MPP電圧U
MPPは制限電圧U
limitを下回る。次に、ステップS3において過温度が判定された場合には、このとき、ステップS5においてDC−DCコンバータ14内に見つけられた過温度、またはステップS7において判定されたU
MPPとU
limitとの間の関係のどちらかのゆえに、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ増大される。
【0047】
図4bは、MPP電圧U
MPPが制限電圧U
limitを上回る、PV発電機11の特性曲線を示す。過温度の発生時におけるこの場合に、
図3に係るステップS6またはS8のどちらが実行されるのかは、インバータ12内のどこで過温度が発生したのかに依存する。過温度がDC−DCコンバータ14内で発生した場合には(T
DCDC>T
max,DCDC)、このとき、
図3に係る本方法はステップS5からS6へ分岐し、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ増大される。しかし、過温度は、DC−DCコンバータ14内で生じるのではなく、それゆえ、特に、インバータブリッジ16内で生じた場合には、このとき、
図3に係る本方法は、ステップS6から、制限電圧U
limitに対するMPP電圧U
MPPの位置がチェックされるステップS7を経て、ステップS8へ分岐し、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して絶対値ΔU
PVだけ低減される。
【0048】
図5は、本発明に係る方法のさらなる実施形態をフロー図の形で示す。
図3に係る実施形態と比較すると、ステップS4、S6およびS8がステップS4’、S6’およびS8’によって置き換えられている。この場合には、インバータ12内において過温度が判定されなければ、ステップS4’は、インバータにおいてMPP追従を作動させることを含む。この場合には、MPP追従と同じ周期的タイミングを用いて、即ち、各々の新たなMPP追従ステップの前に、ステップS1〜S3を進み、ステップS3に従って、温度値Tを、それらに個々に対応付けられた制限値T
maxと比較し、その後、次のMPP追従ステップ(ステップS4’)を実行するか、または過温度が判定された場合には、ステップS5へ分岐することが適当である。
【0049】
ステップS3において過温度が判定され、ステップS5またはステップS7に係る条件が満たされたために、本方法がステップS6’へ分岐した場合には、MPP追従の代わりにT
DCDC調節が作動される。この場合には、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して低減され、それゆえ、インバータ12内で生じる電力損失は低減される。DC−DCコンバータ14に対応付けられた温度値T
DCDCを調節変数として用い、ステップS6’では、入力電圧U
PVは、実際値としてのDC−DCコンバータ14内におけるそれぞれの現在の温度値T
DCDCが設定点値T
max,DCDCへ調節されるように、設定される。この調節はロックされ、そのため、ステップS3において過温度が判定される限り、それは作動されたままとなる。ステップS3におけるヒステリシスの利用によって、温度値Tの全ての制限値T
maxのほんの一瞬のアンダーシュートが発生した場合に、S4’に係るMPP追従とステップS6’に係るT
DCDC調節とが行ったり来たり切り替わることが防止される。
【0050】
ステップS3において過温度が判定され、ステップS5またはS7に係る条件がいずれも満たされず、それにより、本方法がステップS8’へ分岐した場合には、MPP追従の代わりにT
DCAC調節が作動される。この場合には、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して増大され、それにより、PV発電機11によって発生される電力、およびそれゆえ、また、インバータ12内で生じる電力損失は低減される。インバータブリッジ16に対応付けられた温度値T
DCACを調節変数として用い、ステップS6’では、PV発電機11における電圧U
PVは、実際値としてのインバータブリッジ16内におけるそれぞれの現在の温度値T
DCACが設定点値T
max,DCACへ調節されるように、設定される。この調節はロックされ、そのため、ステップS3において過温度が判定される限り、それは作動されたままとなる。ここでもまた、検出された温度もしくは判定された温度値Tの時間的平均化もしくはフィルタリング、またはステップS3におけるヒステリシスの利用によって、温度値Tの全ての制限値T
maxのほんの一瞬のアンダーシュートが発生した場合に、S4’に係るMPP追従とステップS6’に係るT
DCAC調節とが行ったり来たり切り替わることが防止される。
【0051】
図6は、上の図では、DC−DCコンバータ14内の温度値T
DCDCの例示的な時間プロファイル60を示し、下の図では、
図1に係るエネルギー発生装置のインバータ12の入力電圧U
PVの例示的な時間プロファイル61を示す。期間t=0〜t=t1内では、温度値T
DCDCは、それらに対応付けられた制限値T
max,DCDCを下回り、そのため、
図3または
図5に係るステップS3において他の過温度は確認されないと仮定すると、入力電圧U
PVは、MPP追従に基づいてMPP電圧U
MPPに設定される。インバータ12は通常動作モードで動作する。
【0052】
時点t1において、例えば、1日のうちに上昇したインバータ12の外部の周囲温度のゆえに、ならびに/あるいはPV発電機11によって、およびインバータ12内で変換される電力の増大のゆえに、温度値T
DCDCは、それに対応付けられた制限値T
max,DCDCを超過する。そのため、
図3に係るステップS6または
図5に係るステップS6’において、入力電圧U
PVはMPP電圧U
MPPに対して増大され、適切な場合には、T
DCDC調節が作動される。その結果、DC−DCコンバータ14内で生じる電力損失は低減され、温度T
DCDCの上昇は減速する。温度値T
DCDCがT
max,DCDCを上回る限り、特に、ステップS6’に係るT
DCDC調節の状況では、DC−DCコンバータ14内で生じる電力損失がある程度低減され、それにより、温度値T
DCDCが再び制限値T
max,DCDCへ下がるまで、電圧U
PVはさらに増大される。DC−DCコンバータ14に対応付けられた温度値T
DCDCを調節変数として有し、電圧U
PVを操作変数として有し、制限値T
max,DCDCを設定点値として有する調節制御ループ内において、次に、電圧U
PVは、DC−DCコンバータ14内のそれぞれの現在の温度値T
DCDCが制限値T
max,DCDCに実質的に対応するように、設定される。ハッチングして示したヒステリシス帯内への制限値T
max,DCDCの若干のアンダーシュートは許容され、T
DCDC調節のゆえに、入力電圧U
PVの、例えば比例した減少をもたらす。
図5に係るフロー図では、ヒステリシス帯は、−ステップS6’においてT
DCDC調節を作動させた後に−ステップS3における制限値T
maxまたはステップS5におけるT
max,DCDCを、ヒステリシス帯の幅の分だけ低減された制限値T
max’によって置き換えることによって、実現することができる。
【0053】
時点t2を起点として、例えば、インバータ12の構成要素内で生じる電力損失の十分な消散が熱放射によって確実にされるような程度まで下がった、インバータの外部の周囲温度のゆえに、温度値T
DCDCは制限値T
max,DCDC未満へ下がり、ヒステリシス帯から下方へ出た。したがって、ステップS3において過温度はもはや判定されず、
図3に係るステップS4において、MPP電圧U
MPPに対応する入力電圧U
PVが設定されるか、または
図5に係る方法はステップS4’へ分岐し、それにより、MPP追従が再び作動される。したがって、入力電圧U
PVは再び最大電力の方向に導かれる。即ち、例えば、
図4aによれば、低減される。MPP電圧U
MPPに達するとすぐに、インバータ12は再び通常動作モードで動作する。
【0054】
本発明の有利な発展が、特許請求項、明細書および図面から明らかである。明細書の導入部において述べられている、特徴、および複数の特徴の組み合わせの利点は、単なる例示であり、代替的または累加的な効果を生じてもよく、利点は、必ずしも本発明に係る実施形態によって達成される必要はない。さらなる特徴を図面から収集することができる。本発明の異なる実施形態の特徴または異なる特許請求項の特徴の組み合わせが、特許請求項の選択された従属性の参照から離れ、同様に可能であり、ここで示唆される。これはまた、個別の図面に示されているか、またはそれらの説明において述べられているこうした特徴にも関係する。これらの特徴はまた、異なる特許請求項の特徴と組み合わせられてもよい。同様に、特許請求項において提示されている特徴は、本発明のさらなる実施形態のために省かれてもよい。