(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393348
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】炭素繊維の表面の油剤の交換方法
(51)【国際特許分類】
D06M 15/21 20060101AFI20180910BHJP
D06L 1/06 20060101ALI20180910BHJP
D06M 15/564 20060101ALI20180910BHJP
D06M 15/263 20060101ALI20180910BHJP
D06M 10/02 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
D06M15/21
D06L1/06
D06M15/564
D06M15/263
D06M10/02 C
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-4804(P2017-4804)
(22)【出願日】2017年1月16日
(65)【公開番号】特開2018-115396(P2018-115396A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】517015100
【氏名又は名称】永虹先進材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】王智永
【審査官】
春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−509503(JP,A)
【文献】
特開2005−097388(JP,A)
【文献】
特開2016−169469(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/093250(WO,A1)
【文献】
特開2013−7136(JP,A)
【文献】
特開2002−180369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M10/00−16/00
19/00−23/18
D06L1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維の表面の油剤の交換方法であって、順次に少なくとも下記の工程を含み、すなわち
第1種の油剤が被覆される炭素繊維を提供する原料供給工程と、
前記第1種の油剤を除去する糊抜き工程と、
プラズマガス流を提供して前記炭素繊維に作用させるプラズマ表面処理工程と、
前記第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆する糊付け工程とを含み、
前記第2種の油剤が、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はアクリル(Acrylic)系のいずれか1つである、
ことを特徴とする、炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項2】
前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるプラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項3】
前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)である大気プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項4】
前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)である低圧プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項5】
前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるマイクロ波プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項6】
前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるグロ−プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項7】
前記糊抜き工程において、温度250〜650℃及び時間1〜60秒の条件下で糊抜きを行うことを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項8】
前記糊抜き工程において、有機溶剤で前記第1種の油剤を除去することを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項9】
前記有機溶剤が、アセトン又はクロロホルムであることを特徴とする、請求項8に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項10】
前記糊付け工程において、浸漬方式を用いて前記第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項11】
前記糊付け工程において、パディング方式を用いて前記第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項12】
前記第1種の油剤が、熱硬化型樹脂油剤であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項13】
前記第2種の油剤が、熱硬化型樹脂油剤であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項14】
前記第2種の油剤が、熱可塑型樹脂油剤であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【請求項15】
前記糊付け工程の後、少なくとも1つの乾燥工程を施すことで、前記第2種の油剤を前記炭素繊維に固着させることを特徴とする、請求項1に記載の炭素繊維の表面の油剤の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維の表面処理技術に係り、炭素繊維の表面の油剤を効果的に交換できる、炭素繊維の表面の油剤の交換方法を提供することを旨とする。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、炭化繊維とも称し、それは優れた力学特性及び電気特性を有するため、各種の用途に広汎に応用することができる。現在、坊間によく見られる炭素繊維の多くはポリアクリロニトリル系繊維などの炭素繊維の前駆体繊維(precursor fiber)を束にしてなる炭素繊維前駆体繊維束にか焼を行って得られたものである。
【0003】
処理を経ていない炭素繊維の表面は、粘着性が不足し、しかもそれは不良な横方向性質を有し、例えば、分離強度及び剪断強度などを有するため、直接に利用するものは比較的に少ないことが分かり、通常、用途に従って基質樹脂と組み合わせる炭素繊維複合材料を成形する一方、炭素繊維及び石墨繊維が特別に硬くて脆いので、接着可能性、曲げ力や耐摩耗性を欠き、それが工場から出庫する前に大抵表面に1層の油剤(糊付け剤)を塗布しておくことで、繊維が摩擦による断裂してしまうことがないように保護できるようになっている。
【0004】
従来、炭素繊維複合材料では、炭素繊維の優れた機械特性を完全に利用して、その基質樹脂として熱硬化型樹脂材料を採用することが多く、いわゆる熱硬化型炭素繊維複合材料になり、熱可塑型炭素繊維複合材料との最大の差異性は、伝統的な熱硬化型炭素繊維複合材料の成形時間が長いので、金型の使用率が比較的に低くなり、生産能力も相対的に比較的に低くなることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在、市販の炭素繊維原料の表面の油剤は、依然として大多数が熱硬化型樹脂の湿潤性に基づいて設計した熱硬化型樹脂油剤であり、もしさらにこの類の炭素繊維原料を熱可塑型炭素繊維複合材料になるように作製するには、その炭素繊維原料と樹脂との間では界面が不整合になるため、健全な接合界面を形成できないことが、射出成形を主要な加工手段とする各種の電気、電子部品、機械部品や自動車部品などの製品に応用することができない主因となっていた。
【0006】
これに鑑みて、本発明は、つまり炭素繊維の表面の油剤を効果的に交換できる、炭素繊維の表面の油剤の交換方法を提供することを主要な目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、基本的に順次に少なくとも下記の工程を含み、すなわち第1種の油剤が被覆される炭素繊維を提供する原料供給工程と、前記第1種の油剤を除去する糊抜き工程と、プラズマガス流を提供して前記炭素繊維に作用させるプラズマ表面処理工程と、第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆する糊付け工程とを含む。
【0008】
上記の技術的特徴を利用して、本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、相対的により積極的で信頼性のある手段で、炭素繊維の表面の油剤を所期の油剤に置き換えることができる。特に、プラズマ表面処理を介して炭素繊維の表面を粗面化すると同時に、炭素繊維の表面の官能基を増加させることにより、炭素繊維の後続の糊付け過程において、炭素繊維と所期の油剤との良好な界面接合を図ることに寄与することから、後続の工芸で形成した炭素繊維複合材料の特性表現を向上させることができる。
【0009】
上記の技術的特徴によれば、かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるプラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させる。
【0010】
上記の技術的特徴によれば、かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)である大気プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させる。
【0011】
上記の技術的特徴によれば、かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)である低圧プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させる。
【0012】
上記の技術的特徴によれば、かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるマイクロ波プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させる。
【0013】
上記の技術的特徴によれば、かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記プラズマ表面処理工程において、パワーが100〜10000ワット(W)であるグロ−プラズマガス流を前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させる。
【0014】
かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記糊抜き工程において、250〜650℃の高温及び時間1〜60秒(sec)の条件下で糊抜きを行う。
【0015】
かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記糊抜き工程において、有機溶剤で前記第1種の油剤を除去する。
【0016】
上記の前記有機溶剤が、アセトン又はクロロホルムである。
【0017】
かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記糊付け工程において、浸漬方式を用いて前記第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆させる。
【0018】
かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記糊付け工程において、パディング方式を用いて前記第2種の油剤を前記炭素繊維に被覆させる。
【0019】
かかる前記第1種の油剤が、熱硬化型樹脂油剤である。
【0020】
かかる前記第2種の油剤が、熱硬化型樹脂油剤である。
【0021】
かかる前記第2種の油剤が、熱可塑型樹脂油剤である。
【0022】
かかる前記第2種の油剤が、ポリウレタン(Polyurethane,PU)、ポリエチレン(Polyethylene,PE)、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)又はアクリル(Acrylic)系のいずれか1つであってもよい。
【0023】
かかる前記炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、前記糊付け工程の後、前記第2種の油剤を有する炭素繊維原料に対して少なくとも1つの乾燥工程を施すことで、前記第2種の油剤を前記炭素繊維に固着させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明で開示した炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、とりわけ市販の炭素繊維原料の表面に既に有する熱硬化型樹脂油剤から熱可塑型樹脂油剤への置き換えに適していることにより、射出成形を主要な加工手段とする各種の電気、電子部品、機械部品や自動車部品などの製品に応用することができる。特に、プラズマ表面処理を介して炭素繊維の表面を粗面化すると同時に、炭素繊維の表面の官能基を増加させることができ、炭素繊維の後続の糊付け過程において、炭素繊維と熱可塑型樹脂油剤との良好な界面接合を図ることに寄与することから、後続の工芸で形成した炭素繊維複合材料の特性表現を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施例の炭素繊維の表面の油剤の交換方法の基本的流れ図である。
【
図2】本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法を利用して原料供給工程における炭素繊維原料を示す断面構造図である。
【
図3】本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法を利用して糊抜き工程を完了した後の炭素繊維を示す断面構造図である。
【
図4】本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法を利用してプラズマ表面処理工程を完了した後の炭素繊維を示す断面構造図である。
【
図5】本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法を利用して糊付け工程を完了した後の炭素繊維原料を示す断面構造図である。
【
図6】本発明の第2実施例の炭素繊維の表面の油剤の交換方法の基本的流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本考案の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明は、主に炭素繊維の表面の油剤を効果的に交換できる、炭素繊維の表面の油剤の交換方法を提供し、
図1に示すように、本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、基本的に順次に下記の工程を含み、すなわち原料供給工程、糊抜き工程、プラズマ表面処理工程及び糊付け工程などの工程を含む。なお、
図2〜
図5を参照しながら、さらに各工程の実施可能な形態について以下のように説明する。
【0028】
前記原料供給工程において、主に炭素繊維11の表面に第1種の油剤12が被覆される炭素繊維原料10を提供する。かかる前記炭素繊維11は、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile,PAN)、ピッチ(pitch)などの前駆体繊維を束にしてなる炭素繊維前駆体繊維束にか焼を行って得られたものである。実施時、かかる前記第1種の油剤12が、熱硬化型樹脂油剤であってもよい。
【0029】
前記糊抜き工程において、前記炭素繊維原料10の表面の前記第1種の油剤12を除去する(
図3参照)。実施時、250〜650℃の高温、時間1〜60秒(sec)の条件下で糊抜きを行うことができ、あるいは有機溶剤で前記炭素繊維原料10の表面を洗浄する方式を用いて糊抜きを行うことができる。前記有機溶剤で炭素繊維原料10の表面を洗浄する方式を用いて糊抜きを行う実施形態において、かかる前記有機溶剤が、アセトン又はクロロホルムであってもよい。
【0030】
前記プラズマ表面処理工程において、予め設定されたパワーのプラズマガス流を前記第1種の油剤12を除去した炭素繊維11に予め設定された時間作用させることにより、前記炭素繊維11の表面に相対的に粗面化したプラズマ改質構造111を形成する(
図4参照)。
【0031】
前記糊付け工程において、前記表面に形成された前記プラズマ改質構造111の炭素繊維11の表面に第2種の油剤13を被覆することによって、表面に前記第2種の油剤13を有する炭素繊維原料10が得られる(
図5参照)。実施時、浸漬やパディングなどの方式を採用して前記第2種の油剤13を前記炭素繊維11の表面に被覆することができる。かかる前記第2種の油剤13に至っては熱硬化型樹脂油剤、又は熱可塑型樹脂油剤であってもよい。かかる前記第2種の油剤13が熱可塑型樹脂油剤である実施形態において、かかる前記第2種の油剤13が、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はアクリル(Acrylic)系のいずれか1つであってもよい。
【0032】
これによれば、本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、相対的により積極的で信頼性のある手段で、炭素繊維の表面の油剤を所期の油剤に置き換えることができる。とりわけ、市販の炭素繊維原料10の表面に既に有する熱硬化型樹脂油剤から熱可塑型樹脂油剤への置き換えに適していることにより、射出成形を主要な加工手段とする各種の電気、電子部品、機械部品や自動車部品などの製品に応用することができる。
【0033】
プラズマ表面処理過程において、パワーが100〜10000ワット(W)である大気プラズマガス流、低圧プラズマガス流、マイクロ波プラズマガス流やグロ−プラズマガス流などを使用して、前記炭素繊維に10〜1000ミリ秒(msec)作用させることができる。プラズマガス流にエネルギーを有する粒子を含むので、プラズマガス流の物理反応(衝撃)及び化学反応作用を介して本来炭素繊維11の表面に付着した不純物が分子化され、ひいては吹き飛ばされることにより、炭素繊維11の表面を粗面化すると同時に、炭素繊維11の表面の官能基を増加させ、炭素繊維11の後続の糊付け過程において、炭素繊維11と熱可塑型樹脂油剤との良好な界面接合を図ることに寄与することから、後続の工芸で形成した炭素繊維複合材料の特性表現を向上させることができる。
【実施例2】
【0034】
さらに、本発明におけるプラズマ表面処理は、乾式に属する表面処理技術であるため、炭素繊維11に付加的な不純物や沈澱物を生成するのを回避できるのみならず、相対的に炭化繊維11のプラズマ表面処理工程を完了した後の乾燥工数、作業手順を低減することもできる。勿論、本発明の炭素繊維の表面の油剤の交換方法も、
図6に示すように、前記糊付け工程の後、前記第2種の油剤13を有する炭素繊維原料10に対して少なくとも1つの乾燥工程を施し、例えば、焼成や風乾などの方式を介して前記第2種の油剤13を前記炭素繊維11の表面に強固に付着させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
具体的に言えば、本発明で開示した炭素繊維の表面の油剤の交換方法は、とりわけ市販の炭素繊維原料の表面に既に有する熱硬化型樹脂油剤から熱可塑型樹脂油剤への置き換えに適していることにより、射出成形を主要な加工手段とする各種の電気、電子部品、機械部品や自動車部品などの製品に応用することができる。特に、プラズマ表面処理を介して炭素繊維の表面を粗面化すると同時に、炭素繊維の表面の官能基を増加させることができ、炭素繊維の後続の糊付け過程において、炭素繊維と熱可塑型樹脂油剤との良好な界面接合を図ることに寄与することから、後続の工芸で形成した炭素繊維複合材料の特性表現を向上させることができる。
【0036】
上記の実施例は、本発明の技術思想及び特長を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許範囲を限定するものではない。従って、本発明で開示した精神を逸脱せずに完成した同等の変更や修正は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
10:炭素繊維原料
11:炭素繊維
111:プラズマ改質構造
12:第1種の油剤
13:第2種の油剤