(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ情報は前記来店者の会員登録情報に基づき作成され、前記ロボットはさらに、前記会員登録情報の入力を受け付ける入力部を備える、請求項5又は6に記載のロボット。
複数の来店者が存在すると判定した場合であって前記複数の来店者のうち身長が所定範囲内の来店者が存在すると判定した場合、当該身長が所定範囲内の来店者を認証して得られた認証結果に基づき、前記認証結果に対応する広告情報を出力する、請求項1乃至11の何れか一項に記載のロボット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来提案されているシステムでは、ロボットが店舗等内の所定場所に移動したときに当該所定場所の近傍の商品のCMを表示するものであるため、当該商品にあまり興味のない来店者に対しては、必ずしも効果的な宣伝広告を行えているとは言えなかった。
【0005】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、来店者に応じた広告情報を出力することができる、ロボット、情報提供方法及び情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の一実施形態に係るロボットは、
自律移動可能な移動手段と、
来店者の映像を撮影する撮影部と、
前記映像により前記来店者を認証して得られた認証結果に基づき、前記認証結果に対応する広告情報を出力する出力部と、
を備える。
【0007】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記広告情報をサーバから受信する。
【0008】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記撮影部により撮影した映像を前記サーバに送信し、前記サーバが前記映像に基づき前記来店者を認証する。
【0009】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記広告情報が、前記ロボットの現在位置に関連する。
【0010】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記広告情報が、前記認証結果に基づき特定された前記来店者のユーザ情報に関連する。
【0011】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記ユーザ情報が、前記来店者の購買履歴又は嗜好情報の少なくとも一方を含む。
【0012】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記ユーザ情報が前記来店者の会員登録情報に基づき作成され、前記ロボットはさらに、前記会員登録情報の入力を受け付ける入力部を備える。
【0013】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記撮影部により、会員登録時において前記来店者の顔画像を撮影する。
【0014】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
撮影した前記来店者の現在位置に基づき該来店者の嗜好情報を推定する。
【0015】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
所定回数以上出力した広告情報の出力を停止する。
【0016】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記撮影部により前記来店者の所定のジェスチャーを認識した場合、前記広告情報の出力を停止する。
【0017】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
複数の来店者が存在すると判定した場合、複数の来店者用の広告情報を出力する。
【0018】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
複数の来店者が存在すると判定した場合、前記複数の来店者のうち、身長が所定範囲内の来店者を認証して得られた認証結果に基づき、前記認証結果に対応する広告情報を出力する。
【0019】
また本発明の一実施形態に係るロボットは、
前記映像を撮影する際に、前記ロボットの移動速度を所定速度以下にする。
【0020】
また本発明の一実施形態に係る情報提供方法は、
自律移動するロボットによる情報提供方法であって、
前記ロボットが、
来店者の映像を撮影するステップと、
前記映像により前記来店者を認証して得られた認証結果に基づき、前記認証結果に対応する広告情報を出力するステップと、
を含む。
【0021】
また本発明の一実施形態に係る情報提供システムは、
自律移動するロボットとサーバとを含む情報提供システムであって、
前記ロボットは、
来店者の映像を撮影する撮影部と、
前記映像により前記来店者を認証して得られた認証結果に基づき、前記認証結果に対応する広告情報を出力する出力部と、
を備え、
前記サーバは、
前記広告情報を前記ロボットに送信するサーバ送信部を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明におけるロボット、情報提供方法及び情報提供システムによれば、来店者に応じた広告情報を出力することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施形態に係る情報提供システム10の概要図である。情報提供システム10は書店、コンビニエンスストア、ドラッグストア等の店舗や、ショッピングモール等において用いることが可能であり、以下では書店にて用いられる場合について説明する。本発明の一実施形態に係る情報提供システム10は、自律移動するロボット1と、サーバ2とを備える。ロボット1とサーバ2とは、例えばインターネット等のネットワークNにより接続される。
図1では、サーバ2を5台示しているが、サーバ2の台数はこれに限られず、任意の台数のサーバ2が備えられてもよく、1台であってもよい。
【0026】
概略として本実施形態に係る情報提供システム10は、ロボット1が書店内を巡回しながら映像を常時撮影し、ロボット1が撮影した映像をサーバ2へ送信する。サーバ2は、例えば情報提供システム10の運営者等が管理するサーバ装置等の情報処理装置であって、ロボット1から受信した映像により、来店者の認証処理を行う。サーバ2は、認証処理の結果(以下、認証結果という。)をロボット1に送信し、ロボット1は認証結果に対応する広告情報を提供する。このようにロボット1及びサーバ2が協働して、来店者に応じた広告情報を提供可能な情報提供システム10が実現される。以下、情報提供システム10の各構成要素について具体的に説明する。
【0027】
(ロボット1の構成)
まず、ロボット1について説明する。好適にはロボット1は人型のロボットであり、顔を含む頭部、胴体部、腕部を備える。
図2に、ロボット1のブロック図を示す。ロボット1は、通信部11と、移動手段12と、撮影部13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、制御部17とを備える。通信部11と、移動手段12と、撮影部13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、制御部17とは、バス18によりそれぞれ接続されている。
【0028】
通信部11は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、通信部11は、ネットワークNを介して、サーバ2との間で情報を相互に送受信可能である。なお通信部11は、サーバ2と通信する際に、ロボット1の固体認証の処理(ログイン処理等)を適宜行う。これにより複数のロボット1が存在する場合、どのロボット1からのアクセスであるかをサーバ2が把握する。また正規のログインで無い場合は、サーバ2へのアクセスを適切に遮断する。
【0029】
移動手段12は、ロボット1本体を全方向(前後左右)に移動及び回転させるものであり、例えばオムニホイールである。オムニホイールは全方向に移動可能なタイヤであり、複数個の回転可能なローラを有している。当該ローラの回転を制御することにより、任意の方向に移動することが可能であり、また回転動作をすることも可能である。ロボット1は店舗にて用いられるため、来店者等と衝突しないように、ゆっくりと移動することが好ましい。例えば移動手段12による移動速度の最大値を2km/hとする。なお移動手段12はオムニホイールに限らず、任意の移動手段を採用することができる。
【0030】
撮影部13は、来店者等を撮影するものであり、例えば少なくとも1つの2Dカメラを含み、所定の画面解像度及びフレームレートにて映像を撮影する。画面解像度は例えばフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)である。またフレームレートは例えば30fpsである。例えば2Dカメラの台数は2台であり、ロボット1の顔部の異なる位置(例えば額の位置及び口元)にそれぞれ設けられる。異なる位置に2Dカメラを配置することで、片方の2Dカメラが来店者等を撮影できない場合(例えば額のすぐ前に遮蔽物が存在し、遮蔽物により撮影範囲の一部又は全部が遮られる場合)においても、もう一方の2Dカメラにより来店者等を撮影することができる。撮影部13は、来店者の他にロボット1が店内を巡回するためのマーカ(以下、巡回マーカという。)も撮影する。巡回マーカの撮影及び巡回に係る処理については後述する。
【0031】
ロボット1は、2Dカメラで撮影した映像に基づき、来店者の存在を検知する。具体的には2Dカメラにより店内の映像を常時撮影し、撮影した映像を通信部11によりサーバ2に送信する。なお映像は静止画でも動画であってもよい。撮影した映像に来店者が含まれることをサーバ2が検知した場合、サーバ2はロボット1に移動指示を送信する。ロボット1は通信部11を介して移動指示を受信した場合、移動手段12により来店者に近づくように自律移動する。好適には撮影部13は、圧縮した映像をサーバ2に送信する。例えば映像の縦横を各々1/4に圧縮し、出力映像を480×270ピクセルとする。またフレームレートを1/2に圧縮し、15fpsにする。これにより映像送信に係る通信リソース及びサーバ2の記憶容量の効率化を図ることができる。
【0032】
ここで移動手段12により来店者に近づくように自律移動した後、撮影部13が来店者を撮影する際に、ロボット1は移動速度を所定速度以下(例えば0.5km/h)にする。なお所定速度は0であってもよく、この場合はロボット1が停止する。このよう撮影部13により撮影する際に、移動速度を緩め、又は停止することにより、撮影部13が撮影する画像のブレを抑制し、撮影画像の品質の低下を防止することができる。ロボット1の首ふり動作等が可能である場合(顔部を上下左右に動かせる場合)、撮影部13による撮影時に当該動作を停止するようにしてもよい。このようにした場合も同様に、撮影部13が撮影する画像のブレを抑制し、撮影画像の品質の低下を防止することができる。
【0033】
さらに撮影部13により、対象物までの距離を計測可能である。例えば撮影部13は、少なくとも1つの3Dカメラを含んでもよい。3Dカメラは、赤外視線を照射して反射光を検出することにより、対象物までの距離を取得することができる。3Dカメラは、所定の画面解像度(例えば320×240ピクセル)及び所定フレームレート(例えば20fps)にて3Dの映像(距離情報を含む映像)を取得する。例えば3Dカメラの台数は2台であり、ロボット1の顔部の異なる位置(例えば両目の位置)にそれぞれ設けられる。異なる位置に3Dカメラを配置することで、片方の3Dカメラが来店者を撮影できない場合(例えば右目の前に遮蔽物が存在し、撮影範囲が遮蔽物により遮られる場合)においても、もう一方の3Dカメラ(左目の位置に設けられた3Dカメラ)により来店者を撮影することができる。ロボット1は、3Dカメラにより対象物までの距離を検知し、検知した距離に基づいて、移動手段12により自律移動する。
【0034】
入力部14は、音声入力及び操作入力を受け付けるデバイスである。例えば入力部14は、来店者の会話の音声を集音する。また入力部14は、来店者によるタッチ等の入力操作を受け付ける。例えば入力部14は、マイクと、タッチセンサ等の入力センサとを含んで構成される。
【0035】
出力部15は、音声出力及び画面、画像、映像等を表示するデバイスである。例えば出力部15は、スピーカと、ディスプレイとを含んで構成される。ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。出力部15は、サーバ2から通信部11を介して受信した広告情報を出力する。広告情報は、商品CM、商品説明、告知情報等である。広告情報の対象商品は、ロボット1が配置された書店で取り扱う商品を含む。また対象商品はこれに限らず、他店舗の商品又はサービスであってもよい。例えば、書店に隣接する別の店舗の商品・サービスに関するものであってもよく、書店に隣接して喫茶店が併設されている場合、当該喫茶店のメニューやサービスを広告情報の対象としてもよい。このようにすることで、異なる店舗間、業種間等におけるサービスの連携を図ることもできる。
【0036】
本実施の形態では、ロボット1の胸部にタッチパネルが備えられている。タッチパネルは、来店者の入力操作を受け付ける入力デバイスであり、かつ、多様な画面、画像、映像等を表示する出力デバイスである。本実施の形態では、タッチパネル及びマイクにより入力部14の機能を実現し、当該タッチパネルとスピーカにより出力部15の機能を実現している。したがって本実施の形態では、ロボット1は、タッチパネル及びスピーカの少なくとも一方により広告情報を出力する。
【0037】
記憶部16は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含み、サーバ2から提供される種々の情報及び情報処理に必要なプログラムを記憶する。例えば、記憶部16は、情報提供システム10のロボット用のアプリケーション(以下、ロボ用アプリという。)を記憶する。ロボ用アプリは、例えばネットワークNを介して所定の配信サーバから取得可能である。ロボ用アプリが実行(起動)された状態で、ロボット1の本実施形態に係る動作が実現される。
【0038】
制御部17は、専用又は汎用のプロセッサを含む。制御部17は、ロボット1全体の動作をロボ用アプリにより制御する。例えば制御部17は、通信部11により情報の送受信を行う。具体的には例えば制御部17は、撮影部13により撮影した映像を、通信部11によりサーバ2に送信する。また制御部17は、入力部14により集音した来店者の音声をサーバ2に送信する。また制御部17は、来店者を検知した場合(サーバ2から移動指示を受信した場合)、移動手段12により来店者に近づくように自律移動する。また制御部17は、移動手段12により来店者に近づき、撮影部13により来店者を撮影する。つまりロボット1はより近い距離で来店者を撮影する。このようにすることで来店者の顔をより鮮明に撮影することができる。
【0039】
また制御部17は、ロボット1の巡回移動の処理を制御する。
図3に、ロボット1が店内の所定の位置に配置されている様子を示す。
図3に示すように、書店内にはレジ4及び複数の書棚5a〜5hが配置され、ロボット1は通常、入り口6付近のホームポジションに位置している。
図3では2名の店員7a、7bがレジに配備しており、ロボット1は入り口6から入店した来店者8を撮影している。ホームポジションを
図8に示す位置にすることで、入り口6から入ってくる来店者8を確実に撮影することができる。また書店内には、上述の巡回マーカが配置されている。複数の巡回マーカM1〜M31(以下、これらを区別しないときは巡回マーカMという。)は、ロボット1が巡回する順路に沿って配置される。なお
図3の配置は一例に過ぎず、巡回マーカMは任意の場所に任意の個数、配置してよい。
図4に巡回マーカMの拡大図を示す。
図4に示すように、巡回マーカMは、動物の足あとを模した形状を採用している。また巡回マーカMの色は例えば黒色とし、また10cm四方の範囲内に収まるサイズとする。当該形状及びサイズを採用することにより、店内の床への違和感も生じることも低減でき、ロボットの巡回路を示すことができる。なお巡回マーカの色彩、サイズはこれに限られず、床面の色、店内の大きさ等に応じて適宜変更してもよい。
【0040】
ここで巡回マーカMは、巡回する方向を一意に特定可能な形状とする。
図4に示す巡回マーカMでは、足あとの踵の部位から、足指への方向を巡回する方向、すなわちy軸の正方向を巡回する方向としている。なお巡回マーカMは動物の足あとに限らず、巡回する方向が識別可能な形状であれば、如何なる形状であってもよい。
図5は、巡回マーカの他の一例として矢印形状を用いる場合を示す。この場合も同様に、y軸の正方向が巡回する方向に対応する。
【0041】
ロボット1は、撮影部13により巡回マーカMを含む映像を撮影し、当該映像から巡回マーカMを画像認識する。そしてロボット1は、撮影した巡回マーカMに基づき、移動手段12により店内を巡回する。ロボット1に搭載されている2Dカメラの台数が2台であり、ロボット1の顔部の異なる位置(例えば額の位置及び口元)にそれぞれ設けられる場合、口元に設けられたカメラにより斜め下方を撮影し、これにより巡回マーカMを撮影する。ロボット1の制御部17は、撮影した映像に含まれる巡回マーカMを認識する。制御部17は、巡回マーカMに基づき巡回する方向を判定する。制御部17は、判定結果に基づき、移動手段12により巡回移動する。なおロボット1は、撮影した巡回マーカMにより現在位置を判定可能である。ロボット1は現在位置情報を、サーバ2に送信する。これによりサーバ2はロボット1の現在位置の情報を把握可能である。
【0042】
ここで、ホームポジションを示すマーカM0を、巡回マーカMと統一感を持たせるようにしてもよい。
図6に、ホームポジションを示すマーカM0を示す。
図6に示すように、マーカM0は、巡回マーカMを2つ組み合わせた形状である。ロボット1は、撮影部13によりマーカM0を撮影し、マーカM0によりホームポジションの位置を認識することができる。このようにマーカM0と巡回マーカMとに統一感を持たせることで、より床への違和感を低減しながらマーカ(マーカM0及び巡回マーカM)を設置することができる。
【0043】
巡回マーカMが来店者により遮られていた場合、巡回マーカMを撮影できない可能性がある。この場合、ロボット1は前後左右に所定距離移動する。そしていずれかの巡回マーカMが撮影できた場合に、当該巡回マーカMに基づき巡回する方向を判定し、移動手段12により巡回移動する。
【0044】
(サーバ2の構成)
図7は、本発明の一実施形態に係るサーバのブロック図である。サーバ2は、サーバ通信部21と、サーバ記憶部22と、サーバ制御部23とを備える。サーバ通信部21と、サーバ記憶部22と、サーバ制御部23とは、バス24によりそれぞれ接続されている。
【0045】
サーバ通信部21は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、サーバ通信部21は、ネットワークNを介してロボット1との間で情報を相互に送受信可能である。
【0046】
サーバ記憶部22は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含み、情報提供システム10の提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。
【0047】
サーバ制御部23は、専用又は汎用のプロセッサを含み、種々の処理を行う。サーバ制御部23は、サーバ2全体の動作を制御する。例えばサーバ制御部23は、サーバ通信部21により情報の送受信を行う。具体的には例えばサーバ制御部23は、ロボット1から送信された映像及び音声を、サーバ通信部21により受信する。またサーバ制御部23は、受信した情報(映像及び音声)をサーバ記憶部22に記憶させる。記憶した情報は、記憶してから一定期間保存し、その後削除する。一定期間は例えば1ヶ月である。1ヶ月間でのデータ保存量は、1台のロボット1からの映像を記憶する場合、約1TBである(10時間/日、30日の稼動の場合)。サーバ記憶部22は必要な記憶容量を備える。
【0048】
またサーバ制御部23は、受信した映像に基づき、来店者の認証を行う。以下、来店者の認証処理について具体的に説明する。
【0049】
受信した映像に基づき来店者を認証する場合、サーバ制御部23は、映像に含まれる来店者の顔画像を抽出して、人物認証データベース221に基づく顔認証を行う。顔認証には人工知能の技術を適宜用い、機械学習により認証の精度を向上させる。人物認証データベースとは、来店者に係る情報(以下、ユーザ情報ともいう。)を格納するデータベースであり、サーバ記憶部22に記憶されている。
図8に人物認証データベース221の一例を示す。
図8に示す人物認証データベース221は、ユーザID、氏名、顔画像、性別、年齢、会員カードID、嗜好等のユーザ情報を含む。ユーザIDとは、来店者を一意に特定するための識別子である。人物認証データベース221には、ユーザIDに対応付けて、当該IDに係る来店者の氏名、顔画像、性別、年齢、会員カードID、嗜好等のユーザ情報が格納されている。ユーザ情報には他の情報が含まれてもよく、例えば携帯電話の電話番号を含んでもよい。また携帯電話の情報に基づき他の店の購入履歴等の情報を適宜関連付けてもよく、この場合、他店舗における購入履歴等、来店者に関する各種情報を用いることが可能となる。サーバ制御部23は、サーバ記憶部22にアクセスして、ロボット1から受信した映像に含まれる来店者の顔画像に一致又は類似するレコードがあるか否かを検索し、顔認証を行なう。
【0050】
またサーバ制御部23は、得られた認証結果に対応する広告情報を、広告情報データベース222に基づき選定する。広告情報データベース222とは、ロボット1により提供する広告情報を格納するデータベースであり、サーバ記憶部22に記憶されている。
【0051】
図9に広告情報データベース222の一例を示す。
図9に示す広告情報データベース222は、広告ID、商品名、広告コンテンツ、場所等の情報を含む。広告IDとは、広告を一意に特定するための識別子である。広告情報データベース222には、広告IDに対応付けて、当該IDに係る商品名(ここでは書籍名)、広告コンテンツ、場所等の情報が格納されている。
【0052】
広告コンテンツの情報は、広告に関する動画、画像、音声等のコンテンツのデータである。場所の情報は、対応する商品が存在する場所を表す。広告情報データベース222において場所情報は、各巡回マーカMの位置により特定している。すなわち、例えば商品名A及びBの商品は、巡回マーカM1の近傍に存在している。また例えば商品名C、D及びEの商品は、巡回マーカM2の近傍に存在している。
【0053】
サーバ制御部23は、認証結果に基づき、広告情報を選定する。認証結果に対応する広告情報の選定基準は、当該広告情報が来店者の興味を引く可能性があるかどうかである。そのため選定される広告情報は、認証結果に基づき特定された来店者のユーザ情報に関連するものとする。選定の際に用いる該ユーザ情報は、来店者の購買履歴又は嗜好情報の少なくとも一方を含む。例えば、購買履歴に関連する広告情報は、ユーザが最近購入した商品、これに関連する商品、定期的に購入している商品等の広告情報である。なお定期的に購入している商品の広告情報として、前回購入から所定期間経過した商品の広告情報としてもよい。例えば来店者が月に1度発行される雑誌を定期的に購入している場合であって、前回購入から1ヶ月経過しているときに、当該雑誌に関連する広告情報を選定するようにしてもよい。
【0054】
また選定される広告情報は、ロボット1の現在位置に関連するものとしてもよい。すなわち、広告情報データベース222の場所情報がロボット1の現在位置と一致又は現在位置から近傍の広告情報の中から、広告情報が選定される。このようにすることで、ロボット1の近傍、すなわち来店者の近傍の商品に関する広告情報が提供されることになり、宣伝広告効果を高めることができる。
【0055】
サーバ制御部23は、選定した広告情報を、サーバ通信部21によりロボット1に送信する。ロボット1は、受信した広告情報を出力部15により出力し、来店者に広告情報を提供する。
【0056】
好適には、人物認証データベース221及び広告情報データベース222は暗号化される。暗号化することにより、外部に情報が万一漏れても顔画像や指名、年齢等の情報が実質的に復元不可能とすることができ、プライバシーを適切に保護することができる。
【0057】
図10に、ロボット1が店内の所定の位置から移動し、サーバ2から受信した広告情報を提供している一例を示している。ここではロボット1は、店内を巡回し、巡回マーカM26の近傍に位置している。書棚5hは、例えば「スポーツ・アウトドア」に関する書棚であるとする。来店者8は、書棚5hの領域5haの近傍に存在している。領域5haには、「スポーツ・アウトドア」のうち、「釣り」及び「登山」に関する書籍が配置されているとする。また来店者8は、「釣り」に興味があり、人物認証データベース221の嗜好情報として「釣り」が記録されているとする。この場合、ロボット1は、現在位置である巡回マーカM26に関連している広告情報のうち、来店者8の認証結果により得られた嗜好情報に基づき、「釣り」に関する書籍の広告情報を提供する。
【0058】
次に、本発明の実施の形態1に係る情報提供システム10について、
図11に示すフローチャートによりその動作を説明する。
【0059】
はじめにロボット1は、撮影部13により巡回マーカMを撮影する(ステップS10)。次にロボット1は、撮影部13により撮影した巡回マーカMに基づき、移動手段12により巡回する(ステップS20)。具体的にはロボット1の制御部17は、巡回マーカMに基づき巡回する方向を判定し、判定結果に基づき、移動手段12により巡回移動する。
【0060】
続いて来店者の検知処理を行う(ステップS30)。具体的には、ロボット1は、撮影部13により店内の映像を常時撮影し、撮影した映像を通信部11によりサーバ2に送信する。サーバ2は当該映像により来店者の有無を検知する。来店者を検知した場合、ステップS40に進む。検知しない場合は巡回マーカMに基づき書店内を巡回する。
【0061】
ステップS30において来店者を検知した場合、ロボット1は来店者に近づくように自律移動する(ステップS40)。具体的にはサーバ2が映像に来店者が含まれることを検知した場合、サーバ2はロボット1に移動指示を送信する。ロボット1は移動指示を受信すると、移動手段12により来店者に近づくように自律移動する。
【0062】
続いてロボット1は、移動速度を所定速度以下にする(ステップS50)。所定速度は0であってもよく、この場合はロボット1が停止する。
【0063】
続いてロボット1は、撮影部13により来店者を撮影する(ステップS60)。つまりロボット1はより近い距離で来店者を撮影する。ロボット1は、撮影した映像を通信部11によりサーバ2に送信する。
【0064】
続いて来店者の認証処理を行う(ステップS70)。具体的には、ロボット1が撮影した映像に基づき、サーバ2が来店者の認証を行う。サーバ2は、来店者を認証して得られた認証結果に基づき、認証結果に対応する広告情報を、広告情報データベース222に基づき選定し、選定した広告情報を、サーバ通信部21によりロボット1に送信する。ロボット1はサーバ2から広告情報を受信する。
【0065】
続いてロボット1は出力部15により、受信した広告情報、すなわち認証結果に対応する広告情報を出力する(ステップS80)。そして処理を終了する。
【0066】
このように実施の形態1に係る情報提供システム10によれば、来店者を認証した認証結果に対応する広告情報をロボット1が出力するため、来店者に応じた広告情報を出力することができる。これにより、例えば来店者の嗜好、購買履歴等、様々な要因を考慮して、効果的に宣伝広告を行うことができる。
【0067】
また実施の形態1に係る情報提供システム10によれば、ロボット1が店内を巡回し、自律移動して来店者の映像を撮影するため、来店者がいずれの位置に存在しても、来店者に対して広告情報を提供することができる。このため、来店者はロボット1に近づく等、特段の行為を行う必要なく、情報の提供を受けることができる。
【0068】
また、実施の形態1に係る情報提供システム10によれば、ステップS50において映像を撮影する際に、ロボット1の移動速度を所定速度以下にする。そのため、撮影部13が撮影する来店者の画像のブレを抑制し、撮影画像の品質の低下を防止することができる。
【0069】
なお撮影部13の性能に応じて、所定速度は適宜変更可能である。また例えば撮影部13が高性能である場合や店内の明るさ等により、通常の移動速度でも十分な品質の映像が撮影できる場合には、ロボット1の移動速度を制限しなくてもよい。この場合はステップS50をスキップするようにしてもよい。さらに、ステップS30において撮影した映像に基づき、来店者の認証を行ってもよく、この場合はステップS40からステップS60までをスキップしてもよい。すなわち、ロボット1が、検知した来店者に近づく処理、移動速度を所定速度以下にする処理については任意の処理であり、当該処理を行わなくてもよい。
【0070】
また、実施の形態1に係る情報提供システム10によれば、人物認証データベース221及び広告情報データベース222がサーバ2に記憶されている。そのため、ロボット1に大容量の記憶部を備える必要がない。また人物認証データベース221及び広告情報データベース222のレコードの追加、更新及び削除もサーバ2にて行なえばよく、ロボット1の設定変更等を行う必要が無い。
【0071】
なお、本実施の形態では、来店者の認証処理をサーバ2において実行する例を示したがこれに限られない。サーバ2により来店者の認証を行う代わりに、ロボット1が来店者の認証を行ってもよい。この場合、ロボット1は、来店者を撮影した映像をサーバ2に送信する必要はない。この場合において人物認証データベース221はロボット1が記憶していてもよく、あるいはサーバ2に記憶されている人物認証データベース221をロボット1が照会するようにしてもよい。
【0072】
ロボット1が認証処理を行う場合、認証結果に対応する広告情報をロボット1が選定してもよい。この場合において広告情報データベース222はロボット1が記憶していてもよく、あるいはサーバ2に記憶されている広告情報データベース222をロボット1が照会するようにしてもよい。
【0073】
上記同様に来店者の検知処理は、サーバ2で行う代わりにロボット1が実行してもよい。この場合、ステップS30において、ロボット1は撮影した映像をサーバ2に送信する必要はない。
【0074】
なお、本実施形態では、ロボット1の現在位置に関連するものの中から広告情報を選定する例を示したがこれに限られない。すなわちロボット1が提供する広告情報は、現在位置に関連しないものであってもよい。この場合、ロボット1は、ロボット1の現在位置にかかわらず、来店者の認証結果に基づく広告情報を出力する。
【0075】
なお、人物認証データベース221のユーザ情報は、来店者の会員登録情報に基づき作成してもよい。また、ロボット1が会員登録に係る処理を行ってもよい。この場合、ロボット1の入力部14が会員登録情報の入力を受け付ける。すなわちロボット1は、タッチパネルにより、来店者から、指名、性別、年齢、嗜好等の情報の入力を受け付ける。会員カード情報は、当該来店者に発行予定の会員カードの情報が予め入力されていることが好ましい。なお会員カードは、物理的なカードでも、来店者の携帯電話にインストールする形式のものであってもよい。ロボット1は、受け付けた会員登録情報を、サーバ2に送信する。サーバ2は、人物認証データベース221に、新規会員に係るレコードを追加する。ロボットによる接客はまだそれ程普及しておらず、物珍しさがあるため、ロボット1による会員登録数の増加、及びユーザ情報の効率的な収集が期待できる。
【0076】
さらに、ロボット1の入力部14が会員登録情報の入力を受け付ける場合、会員登録時においてロボット1の撮影部13により、来店者の顔画像を撮影してもよい。ロボット1の撮影部13で撮影された顔画像は、ロボット1のタッチパネル上に表示されてもよい。この場合、顔画像をユーザ情報として登録するか否かの確認を来店者に求めてもよい。例えばロボット1はタッチパネルに、入力された情報、撮影した顔画像、及び承認ボタンを表示し、承認ボタンへの入力があった場合、入力された情報及び撮影した顔画像を、サーバ2に送信するようにしてもよい。そしてサーバ2は、人物認証データベース221に、当該顔画像に係る情報を追加する。会員登録時において来店者は、タッチパネル上での操作をするため、撮影部13に対して正面を向いている。そのため自然に来店者の正面画像を撮影することができる。このようにして来店者の正面画像を得ることで、来店者の認証の精度を高めることができる。
【0077】
なお、ロボット1は、撮影した来店者の現在位置に基づき該来店者の嗜好情報を推定するようにしてもよい。ロボット1は、推定した嗜好情報を、サーバ2に送信する。サーバ2は、人物認証データベース221に、当該嗜好情報を追加する。書店への来店者は、自己の興味に合った書棚の近傍にいる可能性が、他の場所にいる可能性よりも高い。したがって撮影した来店者の場所により、当該来店者の嗜好情報を推定することができる。当該情報を人物認証データベース221に格納することにより、来店者に対して効果的に宣伝広告を行うことができる。
【0078】
なお、ロボット1は、来店者が探している商品(ここでは書籍名)の入力を入力部14により受け付け、該当商品に係る情報を出力部15により出力してもよい。具体的にはロボット1は、タッチパネルにより来店者の入力操作を受け付け、書籍の検索アプリケーションのメニュー画面をタッチパネル上に表示する。そして来店者によるタッチ操作に基づき、書籍名、著者名、ジャンル、キーワード等により該当する書籍をリスト表示する。またリスト中のいずれかの書籍に対するタッチ操作(選択操作)を検知した場合、当該書籍に関する情報(書籍名、著者名、書棚位置、在庫数等)を表示する。ロボット1は適宜サーバ2(又は書籍データベース用のサーバ)と通信することで、上記の検索アプリケーションの実行を行なう。なお、タッチパネルにより入力操作を受け付ける代わりに、来店者が探している書籍名をマイクにより音声入力で受け付けてもよい。また、タッチパネルにより結果を表示する代わりに、該当書籍に係る情報をスピーカにより出力してもよい。
【0079】
またこの場合、来店者が探している商品の情報を、広告情報の選定に用いてもよい。例えば来店者がタッチパネルにより入力、又はマイクにより音声入力した商品に関する検索履歴情報を、人物認証データベース221においてユーザ情報として記録してもよい。そして検索履歴情報に基づき、広告情報を選定するようにしてもよい。また来店者が自己の興味のある商品を明示的にロボット1に示すようにしてもよい。例えば来店者が好きな著者の書籍をロボット1の撮影部13により撮影させる。ロボット1又はサーバ2は、撮影された商品画像に基づき、著者名、タイトルなどを適宜OCRにより認識する。そして得られた情報を、人物認証データベース221においてユーザ情報として記録してもよい。当該情報に基づき、例えば来店者の好きな著者の新刊情報等を、ロボット1が当該来店者に提供することができる。
【0080】
なお、ロボット1は、各広告情報を出力した回数(以下、広告提供回数という。)をカウントしてもよい。そしてロボット1は、広告提供回数に基づき、所定回数以上出力した広告情報の出力を停止するようにしてもよい。所定回数は例えば20回である。このようにすることで、ロボット1が同一の広告情報を何度も提供することを避け、ロボット1による広告提供に対する興味の低下を抑制することができる。なお広告提供回数は、場所毎又は来店者毎にカウントしてもよい。場所毎にカウントする場合、ある場所において同一の広告情報が何度も提供されることを防止できる。また来店者毎にカウントする場合は、同一の来店者に対して同一の広告情報が何度も提供されることを防止することができる。なお、ロボット1は、広告提供回数の代わりに、各広告情報を出力した対象の来店者数をカウントしてもよい。そしてロボット1は、当該来店者数に基づき、所定人数以上に対し出力した広告情報の出力を停止するようにしてもよい。
【0081】
なお、ロボット1は、撮影部13により来店者の所定のジェスチャーを認識した場合、広告情報の出力を停止するようにしてもよい。所定のジェスチャーは任意のものを採用することができ、例えば、「手を左右に2回振る」、「上下に2回振る」、「両手をクロスさせる」等である。所定のジェスチャーを認識した場合、ロボット1は、広告情報の出力を停止する。この場合、ロボット1は、異なる広告情報を出力するようにしてもよい。ロボット1の出力部15は、当該ジェスチャーについてのガイダンスが表示されていてもよい。来店者はガイダンスに基づき、所定のジェスチャーを行い、広告情報の出力を停止することができる。このようにすることで、来店者が提供を希望しない広告情報を変更、停止することができる。例えば周囲に複数の来店者が存在し、来店者が自身の嗜好等のユーザ情報が知られる可能性がある場合で、当該広告が他の人に見られることを望まないときは、当該広告情報の提供を停止することができる。
【0082】
またロボット1は、複数の来店者が存在すると判定した場合、複数の来店者用の広告情報を出力するようにしてもよい。複数の来店者用の広告情報は、例えば新商品の広告である。あるいはロボット1の現在位置に関連した商品の最新の広告情報であってもよい。このように、複数の来店者が存在する場合に、ある特定の来店者のユーザ情報に基づく広告情報は提供する代わりに、比較的多数の来店者が興味を抱くと考えられる広告情報を提供する。このようにすることで、複数の来店者に対して効率的に広告情報を提供することができる。また、複数の来店者が存在する場合に、来店者が自身の嗜好等のユーザ情報が知られる可能性を防止することができる。なおロボット1は、来店者の認証ができない場合にも同様に、複数の来店者用の広告情報を提供してもよい。このようにすることで、認証ができなかった来店者に対しても、効率的に広告情報を提供することができる。
【0083】
ここで複数の来店者が、家族である可能性もある。ロボット1は、複数の来店者が存在すると判定した場合において、複数の来店者のうち、身長が所定範囲内の来店者が存在する場合、当該来店者を認証して得られた認証結果に基づき、認証結果に対応する広告情報を出力するようにしてもよい。所定範囲内は、例えば110cm以上150cm以下である。当該範囲は、概ね小学生の身長の範囲である。所定範囲を当該範囲に設定することにより、ロボット1は、小学生の来店者を認証して得られた認証結果に基づき、小学生のユーザ情報に適合した広告情報を出力する。家族の中では、小学生の子供が最もロボット1に対して興味を抱く傾向にある。また、家族の中では、小学生の子供のために商品購入する機会が多い傾向がある。そこで小学生の来店者に焦点を当てた広告情報を提供することで、家族に対して必要な情報を提供することができる。なお小学生の来店者に係るユーザ情報のうち、会員カードID及び嗜好情報は、適宜設定することができる。小学生の来店者が会員登録していない場合、保護者の会員カードIDにより代替してもよい。この場合ロボット1は、保護者の購入履歴のうち、子供向けの商品購入履歴(例えば児童書、学習参考書、コミック等)を参照することにより、認証結果に対応する広告情報を選定してもよい。なお小学生自身が会員登録している場合は、自身の会員カードIDの情報を対応付けてもよい。なおロボット1の身長も上記所定範囲内としてもよい。このようにすることで、小学生の目線に合わせた情報提供ができ、ロボット1に対する親近感も向上させることができる。
【0084】
なお、ロボット1は店内を常時撮影しているため、店舗における万引き防止のための機能も果たす。ここで人物認証データベース221に記録されている来店者は、万引き犯である可能性が低い。そこで人物認証データベース221をホワイトリストとして用いてもよい。すなわちロボット1は、人物認証データベース221にリストされている来店者を、万引き防止の監視対象から除くようにしてもよい。
【0085】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2について説明をする。実施の形態2に係る情報提供システム10bは、実施の形態1にかかる構成と比較して、複数のロボットが配置される点が相違する。その他、各構成要素及び処理は実施の形態1に係る構成と同一である。
【0086】
実施の形態2に係る情報提供システム10bは、ロボット1に加えてロボット1bを備える。ロボット1bの構成は、ロボット1と同一である。ロボット1bは、ネットワークN及びサーバ2を介してロボット1と相互に通信可能である。なおここでは、2台のロボットが配置される例を示すがロボットの台数はこれに限られず、3台以上のロボットが配置されてもよい。
【0087】
ロボットが複数配置される場合、例えばロボット間に通信により、ロボット1とロボット1bとは、ロボット間の距離が所定以上となるように自律移動する。このようにすることで、各ロボットの撮影範囲が重複することを防止し、常時撮影するエリアを拡大することができる。
【0088】
また、ロボットが2台の場合には、ホームポジションもロボットの台数に応じて2つ設けられる。また当該複数のホームポジションには優先度が設定されてもよい。例えば一方のホームポジションの優先度が他方のホームポジションの優先度よりも高い。そのため、片方のロボットがホームポジションを離れた場合、もう一方のロボットがより優先度の高いホームポジションに自律移動する。このようにすることで、優先度の高いホームポジションにいずれかのロボットが存在する確率を高めることができる。これにより、適切に入店する来店者を撮影することができる。また、ホームポジションのロボットの方がより頻繁に来店者を検知する可能性が高いため、ロボット間の処理負荷の平準化ができる。なお優先度の高いホームポジションにロボットが不在であることは、ロボットの撮影部13により撮影した映像により判断してもよく、あるいは各ロボットの現在値に基づき判断してもよい。
【0089】
以上、本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【解決手段】自律移動可能な移動手段12と、来店者の映像を撮影する撮影部13と、映像により来店者を認証して得られた認証結果に基づき、認証結果に対応する広告情報を出力する出力部15と、を備える。