特許第6393403号(P6393403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393403
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】発光装置及び投影システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20180910BHJP
   H01S 5/02 20060101ALI20180910BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   H01S5/02
   G03B21/00 D
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-503111(P2017-503111)
(86)(22)【出願日】2015年7月8日
(65)【公表番号】特表2017-524154(P2017-524154A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】CN2015083505
(87)【国際公開番号】WO2016015552
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年1月19日
(31)【優先権主張番号】201410364651.9
(32)【優先日】2014年7月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514090979
【氏名又は名称】深▲せん▼市光峰光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】APPOTRONICS CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】胡 飛
(72)【発明者】
【氏名】楊 佳翼
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103913936(CN,A)
【文献】 特開2013−122930(JP,A)
【文献】 特開2012−123180(JP,A)
【文献】 特開2012−004009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00 − 21/64
H01S 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する光源と、
前記励起光の出射光路に位置し、前記励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分ける分光部位を有する分光光合成シートと、
前記第1励起光の出射光路に位置し、前記第1励起光を吸収して第1被励起光を生成し、前記第1被励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第1波長変換層を有する第1波長変換装置と、
前記第2励起光の出射光路に位置し、前記第2励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第2波長変換装置とを備え、
前記分光光合成シートは、前記分光部位の周りに位置する、前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光と第2励起光とを一筋の光に合成する光合成部位をさらに有し、
前記分光部位は前記分光光合成シートの中心領域に位置し、且つ、前記分光部位は半透過半反射膜シートであることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第2波長変換装置は、前記第2励起光を吸収して第2被励起光を生成し、前記第2被励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第2波長変換層をさらに有することを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2波長変換装置が前記第2波長変換層を有する場合、前記光合成部位は、前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光、第2被励起光及び第2励起光とを一筋の光に合成する光合成部位であることを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項4】
前記光合成部位は、前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光と第2励起光を透過するフィルタであり、又は、前記光合成部位は、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光と第2励起光を反射するフィルタであることを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記分光部位は、前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光を透過するフィルタであり、又は、前記分光部位は前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光を反射するフィルタであることを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1波長変換層又は第2波長変換層は赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、前記赤色光蛍光体が励起光を吸収して生成する被励起光には近赤外光が含まれていることを特徴とする、請求項又はに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2波長変換層が赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、且つ前記赤色光蛍光体が生成する被励起光に近赤外光が含まれている場合、前記第1波長変換層は黄色光蛍光体を有する波長変換層であることを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が480nmより小さい光線及び650nmより大きい光線を透過し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有することを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第2励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が480nmより小さい光線及び650nmより大きい光線を反射し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有することを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1波長変換層が赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、且つ前記赤色光蛍光体が生成する被励起光に近赤外光が含まれている場合、前記第2波長変換層は黄色光蛍光体を有する波長変換層であることを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第2励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が650nmより小さい光線を反射するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有することを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が650nmより小さい光線を透過するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有することを特徴とする、請求項10に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1波長変換装置と前記分光光合成シートとの間に位置し、且つ前記第1励起光と前記第1被励起光の出射光路に位置する第1集光レンズと、
前記第2波長変換装置と前記分光光合成シートとの間に位置し、且つ前記第2励起光と前記第2被励起光の出射光路に位置する第2集光レンズと、をさらに備えることを特徴とする、請求項11又は12のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする投影システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ光表示の技術分野に関し、特に発光装置及び投影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の投影システムでは、異なる光源から出射された励起光が異なる波長変換装置に入射し、異なる色の被励起光、例えば赤色の被励起光、緑色の被励起光及び青色の被励起光を生成し、そして、これらの異なる色の被励起光を一筋の白色光に合成し、投影画像の表示を行う。
【0003】
図1に示すように、従来技術に開示された投影システムが、青色光を発するレーザ光モジュール31、32、及び33と、緑色/黄色光蛍光体を有する波長変換装置11と、赤色/黄色光蛍光体を有する波長変換装置12と、散乱光カラーホイール13と、波長変換装置11、12にそれぞれ対応する、コリメート光線を集光するための集光レンズ21、22と、青色光を透過し、その他の光を反射するフィルタ41と、青色光を透過し、赤色光を反射するフィルタ42と、赤色光を透過し、その他の光を反射するフィルタ40と、青色光を反射し、その他の光を透過するフィルタ43とを備える。
【0004】
ここで、レーザ光モジュール31が発する青色光がフィルタ41及び集光レンズ21を通り、波長変換装置11に入射して緑色光を生成し、この緑色光がフィルタ41及びフィルタ40に反射された後、フィルタ43に入射する。レーザ光モジュール32が発する青色光がフィルタ42及び集光レンズ22を通り、波長変換装置12に入射して赤色光を生成し、この赤色光がフィルタ42に反射され、そしてフィルタ40を透過し、フィルタ43に入射する。レーザモジュール33が発する青色光が散乱光カラーホイール13に散乱された後、フィルタ43に入射する。フィルタ43を透過した緑色光及び赤色光と、フィルタ43に反射された青色光が、一筋の光に合成され、投影画像の表示を行うことが可能な白色光となる。
【0005】
しかしながら、この投影システムは、異なる光源により異なる被励起光を励起させ、また、異なるフィルタにより異なる被励起光をフィルタリングし、又は合成するため、当該投影システムは体積が大きく、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものである。従来技術における投影システムの体積が大きく、コストが高いという問題を解決するために、本発明は発光装置及び投影システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を提供する。
【0008】
本発明によれば、発光装置が提供され、当該発光装置は、
励起光を出射する光源と、
前記励起光の出射光路に位置し、前記励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分ける分光部位を有する分光光合成シートと、
前記第1励起光の出射光路に位置し、前記第1励起光を吸収して第1被励起光を生成し、前記第1被励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第1波長変換層を有する第1波長変換装置と、
前記第2励起光の出射光路に位置し、前記第2励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第2波長変換装置とを備え、
前記分光光合成シートが、前記分光部位の周りに位置する、前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光と第2励起光とを一筋の光に合成する光合成部位をさらに有する発光装置である。
【0009】
好ましくは、前記分光部位は前記分光光合成シートの中心領域に位置し、且つ、前記分光部位は半透過半反射膜シートである。
【0010】
好ましくは、前記第2波長変換装置は、前記第2励起光を吸収して第2被励起光を生成し、前記第2被励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第2波長変換層をさらに有する。
【0011】
好ましくは、前記第2波長変換装置が前記第2波長変換層を有する場合、前記光合成部位は前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光、第2被励起光及び第2励起光を一筋の光に合成する光合成部位である。
【0012】
好ましくは、前記光合成部位は前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光と第2励起光を透過するフィルタであり、又は、前記光合成部位は前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光と第2励起光を反射するフィルタである。
【0013】
好ましくは、前記分光部位は前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光を透過するフィルタであり、又は、前記分光部位は前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光を反射するフィルタである。
【0014】
好ましくは、前記第1波長変換層又は第2波長変換層は赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、前記赤色光蛍光体が励起光を吸収して生成する被励起光には近赤外光が含まれている。
【0015】
好ましくは、前記第2波長変換層が赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、且つ前記赤色光蛍光体が生成する被励起光に近赤外光が含まれている場合、前記第1波長変換層は黄色光蛍光体を有する波長変換層である。
【0016】
好ましくは、前記第1励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が480nmより小さい光線及び波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有する。
【0017】
好ましくは、前記第2励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が480nmより小さい光線及び波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有する。
【0018】
好ましくは、前記第1波長変換層が赤色光蛍光体を有する波長変換層であり、且つ前記赤色光蛍光体が生成する被励起光に近赤外光が含まれている場合、前記第2波長変換層は黄色光蛍光体を有する波長変換層である。
【0019】
好ましくは、前記第2励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が650nmより小さい光線を反射するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有する。
【0020】
好ましくは、前記第1励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである場合、前記光合成部位は、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が650nmより小さい光線を透過するフィルタであり、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nmより小さい光線を部分的に透過し部分的に反射するフィルタをさらに有する。
【0021】
好ましくは、当該発光装置は、
前記第1波長変換装置と前記分光光合成シートとの間に位置し、且つ前記第1励起光と前記第1被励起光の出射光路に位置する第1集光レンズと、
前記第2波長変換装置と前記分光光合成シートとの間に位置し、且つ前記第2励起光と前記第2被励起光の出射光路に位置する第2集光レンズと、をさらに備える。
【0022】
投影システムであって、当該投影システムは上記いずれか1項に記載の発光装置を備える投影システムである。
【発明の効果】
【0023】
従来技術に比べ、本発明により提供された技術案は以下の利点を有する。
【0024】
本発明により提供された発光装置及び投影システムは、分光光合成シートの分光部位により、同一の光源が出射する励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分けることで、異なる被励起光を励起させ、光源の数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストを低減させることができる。また、本発明により提供された発光装置及び投影システムは、分光部位の周りに位置する光合成部位により第1被励起光と反射された第2励起光とを一筋の光に合成するようになっており、光合成部位と分光部位は同一の分光光合成シートに位置するため、フィルタの数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストをさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、当然ながら、以下に説明する図面は本発明のいつくかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的労力を要しない前提で、これらの図面に基づき他の図面を得ることも可能になる。
【0026】
図1】従来技術における投影システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例1における発光装置の構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施例1における分光光合成シートの領域分布を示す模式図である。
図4】本発明の実施例2における発光装置の構造を示す模式図である。
図5】本発明の実施例3における発光装置の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
背景技術に説明したように、従来の投影システムは、複数の光源で被励起光を励起させ、複数のフィルタで異なる被励起光をフィルタリングし、合成していたため、投影システムの体積が大きくなり、コストが高くなった。
【0028】
これに鑑みて、従来技術に存在していた上記課題を解決するために、本発明は、発光装置を提供する。
当該発光装置は、励起光を出射する光源と、前記励起光の出射光路に位置し、前記励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分ける分光部位を有する分光光合成シートと、前記第1励起光の出射光路に位置し、前記第1励起光を吸収して第1被励起光を生成し、前記第1被励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第1波長変換層を有する第1波長変換装置と、前記第2励起光の出射光路に位置し、前記第2励起光を前記分光光合成シートに反射し戻す第2波長変換装置とを備える。ここで、前記分光光合成シートは、前記分光部位の周りに位置する、前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光と第2励起光とを一筋の光に合成する光合成部位をさらに有する。
【0029】
本発明は、上述した発光装置を備える投影システムをさらに提供する。
【0030】
本発明により提供された発光装置及び投影システムは、分光光合成シートの分光部位により、同一の光源が出射する励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分けることで、異なる被励起光を励起させ、光源の数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストを低減させることができる。また、本発明により提供された発光装置及び投影システムは、前記分光部位の周りに位置する光合成部位により第1被励起光と反射された第2励起光とを一筋の光に合成するようになっており、光合成部位と分光部位は同一の分光光合成シートに位置するため、フィルタの数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストをさらに低減させることができる。
【0031】
以上は本発明の要旨であり、本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に且つ分かりやすくするために、以下、本発明の具体的な実施形態について、図面に合わせて詳細に説明する。
【0032】
本発明を十分に理解できるようにするために、以下の説明において具体的な説明を多く記載するが、本発明は、ここで説明する形態と異なる他の形態で実施することも可能であり、当業者は本発明の要旨に反しない限り、類似な展開を行うことが可能であるため、本発明は以下に説明する具体的な実施例に限定されるものではない。
【0033】
次に、模式図に合わせて本発明を詳細に説明するが、本発明の実施例を詳しく説明する時、説明の便宜上、部品の構成を示す断面図は、一般的な比例に従わず一部を拡大することある。また、前記模式図は例示に過ぎず、ここで、本発明が保護する範囲を制限するものではない。なお、実際の作成においては、長さ、幅及び高さの三次元空間寸法が含まれているべきである。
【0034】
以下、いくつかの実施例により詳細に説明する。
【0035】
実施例1
【0036】
本実施例は発光装置を提供し、図2に示すように、当該発光装置は、励起光λ21を出射する光源201と、励起光λ21の出射光路に位置し、励起光λ21を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光λ211と第2励起光λ212に分ける分光部位2021を有する分光光合成シート202と、第1励起光λ211の出射光路に位置し、第1励起光λ211を吸収して第1被励起光λ22を生成し、第1被励起光λ22を前記分光光合成シート202に反射し戻す第1波長変換層を有する第1波長変換装置203と、第2励起光λ212の出射光路に位置し、第2励起光λ212を前記分光光合成シート202に反射し戻す第2波長変換装置204とを備え、前記分光光合成シート202は、分光部位2021の周りに位置する、分光光合成シート202に反射された第1被励起光λ22と第2励起光λ212とを一筋の光に合成する光合成部位2022をさらに有する。ここで、分光部位2021と光合成部位2022は同一の分光光合成シート202に位置し、また、その分布領域は、図3に示すように、分光部位2021は分光光合成シート202の中心領域に位置し、光合成部位2022は分光部位2021の周りに位置する。
【0037】
本実施例において、光源201は青色光を出射するレーザ光源であり、第1波長変換装置203における第1波長変換層は黄色光蛍光体であり、分光部位2021は半透過半反射膜シートであり、透過又は反射により励起光λ21を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光λ211と第2励起光λ212に分ける。光合成部位2022は第1被励起光λ22を反射し、第2励起光λ212を透過するフィルタである。
【0038】
図2に示すように、分光部位2021を透過する励起光λ21は第1励起光λ211となり、分光部位2021に反射された励起光λ21は第2励起光λ212となるが、当然ながら、本発明はこれに限られない。ここで、分光部位2021を透過光線又は分光部位2021に反射される光線の割合は実際の需要に応じて調整されてもよく、好ましくは、透過と反射との割合は7:3より小さく又は7:3に等しい。
【0039】
また、透過した第1励起光λ211の伝搬経路は変わっておらず、依然として励起光λ21の伝搬経路と同じであるが、反射された第2励起光λ212の伝搬経路は変わっており、具体的に、第2励起光λ212の伝搬方向と伝搬角度は分光光合成シート202と励起光λ21との間のなす角と関係し、実際の需要に応じてこのなす角を調整することができる。
【0040】
本実施例において、第2波長変換装置204は、第2励起光λ212を分光光合成シート202に反射し戻す反射シートのみを有するが、その他の実施例において、第2波長変換装置204は、さらに第2励起光λ212を吸収して第2被励起光を生成する第2波長変換層を有する。第2波長変換装置204が反射シートと第2波長変換層を同時に有するため、反射された第2励起光と第2被励起光の光出射角度をより小さくし、光出射の均一性をより良くすることができる。
【0041】
第2波長変換装置204が第2波長変換層を有する場合、第2波長変換層は黄色光蛍光体又は赤色光蛍光体であってもよく、ここで、前記赤色光蛍光体は励起光を吸収して生成する被励起光には近赤外光が含まれている。第2波長変換層が黄色光蛍光体である場合、第1波長変換層は赤色光蛍光体であり、第2波長変換層が赤色光蛍光体である場合、第1波長変換層は黄色光蛍光体である。この時、光合成部位2022は前記分光光合成シートに反射し戻された前記第1被励起光、第2被励起光及び第2励起光を一筋の光に合成する。
【0042】
本実施例又はその他の実施例における発光装置は、第1波長変換装置203と分光光合成シート202との間に位置し、且つ第1励起光λ211と第1被励起光λ22の出射光路に位置し、コリメート光線を集光するための第1集光レンズ205と、第2波長変換装置204と分光光合成シート202との間に位置し、且つ第2励起光λ212又は第2励起光λ212と第2被励起光λ23の出射光路に位置する第2集光レンズ206とをさらに備える。
【0043】
本実施例において、光源201が出射する青色光は分光光合成シート202の分光部位2021を通り、第1青色光λ211と第2青色光λ212に分けられる。第1青色光λ211は第1集光レンズ205を通り、第1波長変換装置203に入射して第1被励起光、即ち黄色光λ22を生成し、この黄色光λ22は第1集光レンズ205に集光され、コリメートされて、分光光合成シート202の光合成部位2022に入射してから、光合成部位2022に反射される。第2青色光λ212は第2波長変換装置204に反射され、分光光合成シート202の光合成部位2022に入射してから、光合成部位2022を透過する。光合成部位2022に反射された黄色光λ22と光合成部位2022を透過した第2青色光λ212は一筋の白色光に合成され、後続の光均一化装置等の装置を通り、投影画像の表示を行う。
【0044】
本実施例により提供された発光装置及び投影システムは、分光光合成シートの分光部位により同一の光源が出射する励起光を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光と第2励起光に分けることで、異なる被励起光を励起させ、光源の数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストを低減させることができる。また、本実施例により提供された発光装置及び投影システムは、分光部位の周りに位置する光合成部位により第1被励起光と反射された第2励起光とを一筋の光に合成するようになっており、光合成部位と分光部位は同一の分光光合成シートに位置するため、フィルタの数を減少させ、発光装置及び投影システムの体積とコストをさらに低減させることができる。
【0045】
実施例2
本実施例は発光装置を提供する。図4に示すように、当該発光装置は、励起光λ41を出射する光源401と、励起光λ41の出射光路に位置し、且つ分光部位4021と光合成部位4022を有する分光光合成シート402と、第1集光レンズ403と、第1波長変換層を有する第1波長変換装置404と、反射シートと第2波長変換層を有する第2波長変換装置405と、第2集光レンズ406と、を備える。
【0046】
ここで、分光部位4021は、励起光λ41を異なる経路に沿って伝搬される第1励起光λ411と第2励起光λ412に分ける半透過半反射膜シートであり、また、図4に示すように、第1励起光λ411の伝搬経路は励起光λ41の伝搬経路と同じである。光合成部位4022は、第2励起光λ412と第2被励起光λ43と第1被励起光λ42とを一筋の光に合成するフィルタであり、また、分光部位4021と光合成部位4022は同一の分光光合成シート402に位置し、分光部位4021は分光光合成シート402の中心領域に位置し、且つ光合成部位4022は分光部位4021の周りに位置する。
【0047】
本実施例において、分光部位4021は、前記励起光λ41を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光λ42を反射し、前記第2被励起光λ43を透過するフィルタであり、光合成部位4022は第1被励起光λ42を反射し、前記第2被励起光λ43と第2励起光λ412を透過するフィルタである。
【0048】
第1被励起光λ42、第2被励起光λ43及び第2励起光λ412は波長範囲がそれぞれ異なるため、光合成部位4022は、第1被励起光λ42、第2被励起光λ43及び反射された第2励起光λ412を一筋の光に合成することができる。
【0049】
発明者は、研究により、下記問題を発見した。図1に示すように、従来の方式で青色光、緑色光及び赤色光を一筋の光に合成する時、光を合成するフィルタは波長が590nmより大きい光をフィルタリング除去し、赤色光の主波長が620nm付近にあるため、光を合成する時、大部分の赤色光と黄色光をフィルタリング除去し、これによって、合成された光束における波長が650nmを超える近赤外光が非常に少なくなり、特殊な投影装置の需要を満足することができない。
【0050】
これに鑑みて、本実施例において、光源401が出射する励起光は青色光であり、第1波長変換装置404における第1波長変換層は黄色光蛍光体であり、青色光による励起で、黄色光が生成され、第2波長変換装置405における第2波長変換層は赤色光蛍光体であり、青色光による励起で生成された被励起光は近赤外光を含む赤色光である。また、従来技術における合成された光束に近赤外光が非常に少ないという問題を解決するために、本実施例により提供された光合成部位は、特定の波長域の光線を反射し又は透過することで、光をシームレスに一筋の光に合成することができる。
【0051】
具体的に、光合成部位4022は波長が480nmより小さい光線及び波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射するフィルタであり、分光部位4021は波長が480nmより小さい光線を半透過・半反射する半透過半反射膜シートであり、また、前記分光部位4021は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過するフィルタをさらに有する。
【0052】
図4に示すように、光源401が出射する青色光λ41が分光光合成シート402の分光部位4021に分光された後、波長が480nmより小さい青色光は、異なる経路に沿って伝搬される第1青色光λ411と第2青色光λ412に形成され、ここで、第1青色光λ411の伝搬経路は青色光λ41の伝搬経路と同じである。
【0053】
第1青色光λ411は第1集光レンズ403を通り、第1波長変換装置404に入射して第1被励起光、即ち黄色光λ42を生成し、この黄色光λ42は第1集光レンズ403に集光され、コリメートされて、分光光合成シート402の光合成部位4022に入射する。ここで、黄色光λ42における波長が480nmより大きく且つ650nmより小さい光線は光合成部位4022に反射される。
【0054】
第2青色光λ412は第2集光レンズ406を通り、第2波長変換装置405に入射し、一部の第2青色光λ412は反射シートに分光光合成シート402の光合成部位4022に反射し戻され、一部の第2青色光λ412は第2波長変換層に吸収されて第2被励起光、即ち近赤外光を含む赤色光λ43を生成し、この赤色光λ43は第2集光レンズ406に集光され、コリメートされて、分光光合成シート402の光合成部位4022に入射する。ここで、波長が480nmより小さい第2青色光λ412と赤色光λ43における波長が650nmより大きい光線は光合成部位4022を透過する。
【0055】
光合成部位4022を透過した波長が480nmより小さい光線、光合成部位4022に反射された波長が480nmより大きく且つ650nmより小さい光線、光合成部位4022を透過した波長が650nmより大きい光線は、シームレスに一筋の光に合成され、この光は各波長帯の光線、特に近赤外光を含む白色光であり、各種の投影装置の需要を満足することが可能である。
【0056】
ここで、本実施例において、650nmを例として波長域を区画しているが、これは、黄色光の650nmにおける光損失を10%以内にすることができるとともに、主波長が690nm付近にある近赤外光の650nmにおける光損失を10%以内にすることもできるからである。当然ながら、その他の実施例において、実際の状況に応じて波長域を区画してもよい。
【0057】
その他の実施例において、第2青色光λ412の伝搬経路が青色光λ41の伝搬経路と同じである場合、第1波長変換装置404と第2波長変換装置405の位置は互いに入れ替えている。この時、分光部位は前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光を反射するフィルタであり、光合成部位は前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光と第2励起光を反射するフィルタである。また、第1被励起光、第2被励起光及び第2励起光は波長範囲が異なるため、光合成部位を通った第1被励起光、第2被励起光及び第2励起光は一筋の光に合成されることが可能である。
【0058】
具体的に、この実施例により提供された光合成部位は、波長が480nmより小さい光線及び波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過するフィルタであってもよく、同様に、分光部位は、波長が480nmより小さい光線を半透過・半反射する半透過半反射膜シートであってもよく、且つ前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射するフィルタをさらに有する。その光合成の原理は本実施例と同様であるため、ここで繰り返し述べない。
【0059】
本実施例により提供された発光装置では、励起光が波長変換装置に入射する前の光スポットと角度がいずれも小さいため、分光光合成シートの分光部位において分光を行うことができ、励起光が波長変換装置に入射した後、出射された被励起光の光スポットと角度がいずれもある程度大きくなったため、被励起光が分光光合成シートに入射する時に全体の領域を充填することができるが、分光部位が波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し又は透過し、波長が650nmより大きい光線を透過し又は反射するフィルタをさらに有するため、分光光合成シートに反射し戻された光線が分光部位に投射ても、前記分光部位のフィルタは依然として光合成を行うことができ、光線の分光部位における損失を無視することができる。
【0060】
本実施例において、光源に必要な赤色光の割合が小さく、また、赤色光蛍光体は低出力、低温度の時に効率が高いため、赤色光蛍光体を励起するための第2青色光λ412の割合が小さく、即ち、第1青色光λ411と第2青色光λ412の割合は7:3より大きく又は7:3に等しい。
【0061】
本実施例により提供された発光装置は、光源とフィルタの数を減少させることにより体積とコストを低減させるとともに、分光光合成シートにより異なる波長域の光束を透過し又は反射することにより、重複することなく光をシームレスに連結して波長の連続する白色光を形成し、光合成時の光損失を低減させるとともに、光束における近赤外光を残し、光合成された光束及びそれに含まれた近赤外光のエネルギーを向上させる。
【0062】
実施例3
【0063】
本実施例は発光装置を提供する。当該発光装置が実施例2における発光装置と異なる点は主に以下のとおりである。本実施例の第1波長変換装置における第1波長変換層が赤色光蛍光体であり、また、前記赤色光蛍光体が生成する被励起光に近赤外光が含まれており、反射シートを有する第2波長変換装置における第2波長変換層が黄色光蛍光体であり、また、第2励起光の伝搬経路が前記励起光の伝搬経路と同じである。よって、本実施例により提供された発光装置は図5に示されている。
【0064】
ここで、分光光合成シートの分光部位は、前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光を反射するフィルタであり、光合成部位は、前記第1被励起光を透過し、前記第2被励起光と第2励起光を反射するフィルタである。
【0065】
本実施例により提供された分光部位は波長が480nmより小さい光線を半透過・半反射する半透過半反射膜シートであってもよく、且つ、前記分光部位は波長が480nm〜650nmの間にある光線を反射し、波長が650nmより大きい光線を透過するフィルタをさらに有し、分光光合成シートの光合成部位は波長が650nmより大きい光線を透過し、波長が650nmより小さい光線を反射するフィルタであってもよい。
【0066】
光源501が出射する青色光λ51が分光光合成シート502の分光部位5021により分光された後、波長が480nmより小さい青色光は異なる経路に沿って伝搬される第1青色光λ511と第2青色光λ512に形成され、ここで、第2青色光λ512の伝搬経路が青色光λ51の伝搬経路と同じであり、第2波長変換装置504が第2青色光512の出射光路に位置するため、図5に示すように、第2波長変換装置504は青色光λ51の出射光路に位置する。
【0067】
第2青色光λ512が第1集光レンズ503を通り、第2波長変換装置504に入射し、一部の第2青色光λ512が直接に分光光合成シート502に反射し戻され、もう一部の第2青色光λ512が吸収されて第2被励起光、即ち黄色光λ52を生成し、この黄色光λ52は第2集光レンズ503に集光され、コリメートされて、分光光合成シート502に入射する。ここで、黄色光λ52における波長が650nmより小さい光線は光合成部位5022に反射される。
【0068】
第1青色光λ511が第1集光レンズ506を通り、第1波長変換装置505に入射し、第1青色光λ511が第1波長変換層に吸収されて第1被励起光、即ち近赤外光を含む赤色光λ53を生成し、この赤色光λ53は第1集光レンズ506に集光され、コリメートされて、分光光合成シート502の光合成部位5022に入射する。ここで、赤色光λ53における波長が650nmより大きい光線は光合成部位5022を透過する。
【0069】
光合成部位5022に反射された波長が650nmより小さい光線と、光合成部位5022を透過した波長が650nmより大きい光線とは、シームレスに一筋の光に合成され、この光は各波長帯の光線、特に近赤外光を含む白色光であり、各種の投影装置の需要を満足すことが可能である。
【0070】
同様に、その他の実施例において、第1励起光λ511の伝搬経路が前記励起光λ51の伝搬経路と同じである場合、第1波長変換装置505の位置と第2波長変換装置504の位置は互いに入れ替えている。この時、分光部位は前記励起光を部分的に透過し部分的に反射し、前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光を透過するフィルタであり、光合成部位は前記第1被励起光を反射し、前記第2被励起光と第2励起光を透過するフィルタである。
【0071】
この実施例により提供された分光部位は波長が480nmより小さい光線を半透過・半反射する半透過半反射膜シートであってもよく、且つ、前記分光部位は、波長が480nm〜650nmの間にある光線を透過し、波長が650nmより大きい光線を反射するフィルタをさらに有する。分光光合成シートの光合成部位は波長が650nmより大きい光線を反射し、波長が650nmより小さい光線を透過するフィルタであってもよく、その光合成の原理は本実施例と同様であるため、ここで繰り返し述べない。
【0072】
本実施例により提供された発光装置は、光源とフィルタの数を減少させることにより体積とコストを低減させるとともに、分光光合成シートにより異なる波長域の光束を透過し又は反射することにより、重複することなく光をシームレスに連結して波長の連続する白色光を形成し、光合成時の光損失を低減させるとともに、光束における近赤外光を残し、光合成された光束及びそれに含まれた近赤外光のエネルギーを向上させる。
【0073】
実施例4
【0074】
本実施例は発光装置を提供する。当該発光装置が上述した実施例における発光装置と異なる点は主に以下のとおりである。光源が出射する励起光に青色光と紫外光が含まれており、この時、光源における紫外光をフィルタリング除去するように、分光光合成シートの分光部位は波長が420nmより大きく且つ480nmより小さい励起光を反射し又は透過する。光合成部位も、透過し又は反射する光線の波長に対して対応的に調整する必要がある。
【0075】
例えば、励起光が分光光合成シートの分光部位を通り、波長が420nm〜480nmの間にある励起光は二筋の光に分けられ、それぞれ第1波長変換装置と第2波長変換装置に入射し、生成する第1被励起光、第2被励起光と第2励起光が分光光合成シートの光合成部位に反射されると、波長が420nm〜480nmの間にある励起光が透過し、波長が480nm〜650nmの間にある第1被励起光が反射され、波長が650nmより大きい第2被励起光が透過し、一筋の光に合成され、後続の光均一化装置等の装置を通り、投影画像の表示を行う。
【0076】
本実施例により提供された発光装置は、光源とフィルタの数を減少させることにより体積とコストを低減させるとともに、分光光合成シートにより異なる波長域の光束を透過し又は反射することにより、重複することなく光をシームレスに連結して波長の連続する白色光を形成し、光合成時の光損失を低減させるとともに、光束における近赤外光を残し、光合成された光束及びそれに含まれた近赤外光のエネルギーを向上させる。
【0077】
実施例5
【0078】
本実施例は、投影システムを提供する。当該投影システムは、上述したいずれか一つの実施例により提供された発光装置を備える。分光を行ってから光合成を行うことにより、光源とフィルタの数を減少させ、投影システムの体積とコストを低減させることができる。また、分光光合成シートにより異なる波長域の光束を透過し又は反射することにより、重複することなく光をシームレスに連結して波長の連続する白色光を形成し、光合成時の光損失を低減させるとともに、光束における近赤外光を残し、光合成された光束及びそれに含まれた近赤外光のエネルギーを向上させる。
【0079】
本明細書における各々の実施例は漸進して述べられたものであり、それぞれの実施例はその他の実施例との相違点についての説明に重点を置き、各々の実施例の間の類似部分は互いに参照すればよい。開示された実施例に対する上記説明によれば、当業者は本発明を実現又は使用可能になる。これらの実施例に対する種々の変更は当業者にとっては明らかなものであり、本願において定義された一般原理は、本発明の精神や範囲から逸脱することなく、その他の実施例で実現されることができる。このため、本発明は本願に示されるこれらの実施例に制限されず、本願に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に合致するようになっている。
図1
図2
図3
図4
図5