(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電磁波の前記波長を調整するステップが調整済み電磁波を生成し、前記調整済み電磁波が、前記配線における前記障害を通って伝搬する場合に減衰に影響されにくいものである、請求項3に記載の方法。
前記第2の導波路システムが、前記配線に結合され、前記配線の前記障害の後段に配置され、前記第2の導波路システムが、前記導波路システムから受信された前記電磁波からコンテンツを取得し、該コンテンツを、異なる通信モードを用いる他の電磁波に基づく他の導波路システムに再送信する、請求項6に記載の方法。
前記障害が該障害の両端間のジャンパーの設置によって修正され、前記ジャンパーが、前記ジャンパーの表面を伝搬することによって前記電磁波が前記障害をバイパスすることを可能とする、請求項10に記載の方法。
前記障害が該障害の周囲のスリーブの設置によって修正され、前記スリーブが、前記スリーブの表面を伝搬することによって前記電磁波が前記障害をバイパスすることを可能とする、請求項10に記載の方法。
前記障害が該障害の絶縁又は導電材料の塗布物で修正され、前記絶縁又は導電材料が、前記絶縁又は導電材料の表面を伝搬することによって前記電磁波が前記障害をバイパスすることを可能とする、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面を参照して1以上の実施形態がここに記載され、全体を通じて同様の要素に言及するのに同様の符号が使用される。以降の説明において、説明の便宜上、種々の実施形態の完全な理解を与えるために多数の詳細を説明する。しかし、種々の実施形態がこれらの詳細なしに(そして何らかの特定のネットワーク化された環境又は標準を適用することなしに)実施され得ることは明らかである。
【0007】
ネットワーク接続を追加の基地局デバイスに与えるために、コアネットワークセル(例えば、マイクロセル及びマクロセル)をコアネットワークのネットワークデバイスにリンクさせるバックホールネットワークがそれに対応して拡張する。同様に、ネットワーク接続を分散アンテナシステムに与えるために、基地局デバイス及びそれらの分散アンテナをリンクする拡張された通信システムが望ましい。代替、増設又は追加のネットワーク接続を可能とするのに誘導波通信システムが提供されてもよいし、単一の配線伝送線(例えば、電線)として動作し、導波路として動作し、及び/あるいは電磁波の送信を誘導するように動作する配線などの配線上の誘導波(例えば、表面波)通信を送信及び/又は受信するのに導波路結合システムが提供されてもよい。
【0008】
一実施形態では、導波路結合システムにおいて利用される導波路カプラは誘電体材料又は他の低損失絶縁体(例えば、テフロン(登録商標)、ポリエチレンなど)から構成されていてもよいし、導体(例えば、金属、非金属など)材料又は前述の材料の任意の組合せで構成されていてもよい。詳細な説明全体を通じて「誘電体導波路」への言及は、説明の目的のためであり、実施形態が専ら誘電体材料で構成されることを限定するものではない。他の実施形態では、他の誘電体又は絶縁材料が可能である。例示の実施形態から逸脱することなく様々な伝送媒体が誘導波通信とともに利用され得ることが分かるはずである。そのような伝送媒体の例は、以下の:絶縁若しくは非絶縁及び単線撚り若しくは複線撚りの配線;配線束、ケーブル、ロッド、レール、配管を含む他の形状若しくは構成の導体;誘電体配管、ロッド、レール若しくは他の誘電体部材などの非導体;導体及び誘電体材料の組合せ;又は他の誘導波伝送媒体の1以上を、単独又は1以上の組合せにおいて含み得る。
【0009】
これら及び/又は他の考察について、1以上の実施形態では、装置は導波路表面での少なくともある程度の第1の電磁波の伝搬を促進する導波路を備え、導波路表面は配線の配線表面の全体又は大部分を囲んでおらず、導波路が配線に対して位置決めされると、第1の電磁波が配線表面に少なくともある程度結合し、少なくとも部分的に配線表面の周囲を第2の電磁波として伝搬し、第2の電磁波は配線に沿って長手方向に伝搬するための少なくとも1つの波動伝搬モードを有する。
【0010】
他の実施形態では、装置は、導波路の断面領域を画定する導波路表面を有する導波路を備え、配線は、配線表面を少なくともある程度配線に沿って伝搬する第1の電磁波が導波路表面に少なくともある程度結合して少なくとも部分的に導波路表面の周囲を第2の電磁波として伝搬するように、導波路の断面領域の外部で位置決めされる。
【0011】
一実施形態では、方法は、少なくともある程度導波路の導波路表面で伝搬する第1の電磁波を送信デバイスによって放射するステップを備え、導波路は配線に対して同軸には整列されない。その方法はまた、第1の電磁波の少なくとも一部の配線表面への結合を促進するように配線付近に導波路を構成するステップと、配線に沿って長手方向にかつ少なくとも部分的に配線表面の周囲に伝搬する第2の電磁波を形成するステップとを含む。
【0012】
他の実施形態では、装置は、1以上の実施形態において、平行でない対向スロット面によって形成されたスロットを有する導波路を備え、対向スロット面は、スロットへの配線の挿入を可能とする距離だけ離隔され、導波路は導波路表面での少なくともある程度の第1の電磁波の伝搬を促進し、導波路が配線に対して位置決めされると、第1の電磁波が配線の配線表面に少なくともある程度結合し、配線に沿って長手方向に伝搬するために配線表面の周囲を少なくとも部分的に第2の電磁波として伝搬し、第2の電磁波は少なくとも1つの波動伝搬モードを有する。
【0013】
他の実施形態では、装置は、1以上の実施形態において、導波路を備え、導波路は、導電性でありかつ電磁波を導波路の導波路表面で伝搬させるのに適した材料を備え、導波路は、導波路表面での少なくともある程度の第1の電磁波の伝搬を促進し、導波路が配線に対して位置決めされると、第1の電磁波が配線の配線表面に少なくともある程度結合し、配線表面の周囲を少なくとも部分的に第2の電磁波として伝搬し、第2の電磁波は配線に沿って長手方向に伝搬するための少なくとも1つの波動伝搬モードを有する。
【0014】
本開示の一実施形態は、デバイスへの電気エネルギーの送電も促進する電力グリッドの配線の表面に沿う電磁波の送信又は受信を促進する導波路を有する装置を含む。その装置は、導波路、配線、表面若しくは導波路表面沿って伝搬する電磁波の送信若しくは受信又はその任意の組合せに対して不利な外乱の検知を促進する1以上のセンサをさらに含み得る。
【0015】
本開示の一実施形態は、導波路及びセンサを有する装置によって、デバイスへの電気エネルギーの送電を促進する配線の表面に沿って伝搬する電磁波を送信し、センサによって、表面に沿って伝搬する電磁波に対して不利な外乱を検知するするための方法を含む。
【0016】
本開示の一実施形態は、プロセッサによって実行されると、導波路によって又はそれを介して、伝送媒体の表面に沿って誘導される電磁波を誘起すること、及び伝送媒体の表面に沿って誘導される電磁波に対して不利な外乱に関連する検知データをセンサから収集することを含む動作の実行を促進する実行可能な命令を有する機械可読(例えば、コンピュータ可読、プロセッサ可読など)記憶媒体を含む。
【0017】
本開示の一実施形態は、プロセッサ及びメモリを有する装置を含む。プロセッサは、センサに結合された導波路システムから遠隔測定情報を受信し、導波路システムの動作、配線表面若しくは導波路表面に沿う電磁波の送信若しくは受信又はその組合せの1つに対して不利な外乱を遠隔測定情報から検出し、その外乱を報告する動作を実行することができる。導波路システムは、デバイスへの電気エネルギーの送電を促進する電力グリッドの配線に対して位置決め可能な導波路を備えることができる。導波路はまた、配線の配線表面に沿う電磁波の送信又は受信を促進することができ、一方でセンサは電磁波に対して不利な外乱を検知することを促進することができる。
【0018】
本開示の一実施形態は、プロセッサを備えるネットワーク要素によって導波路システムから遠隔測定情報を受信し、ネットワーク要素によって、遠隔測定情報に含まれる検知データから外乱を特定し、ネットワーク要素によって、導波路システムに命令を送信して電磁波の経路を調整して上記特定された外乱を回避又は補償するための方法を含む。導波路システムは、電力グリッドの配線の表面に沿う電磁波の送信及び電磁波の送信又は受信に不利な外乱の検知を促進することができる。
【0019】
本開示の一実施形態は、プロセッサによって実行されると、電力グリッドに結合された受信者通信デバイスへの通信信号の配信のために電力グリッドの配線の表面の電磁波を誘起する装置から遠隔測定情報を受信すること、及び受信者通信デバイスへの通信信号の配信に不利な外乱を遠隔測定情報から検出することを含む動作の実行を促進する実行可能な命令を有する機械可読(例えば、コンピュータ可読、プロセッサ可読など)記憶媒体を含む。
【0020】
本開示の一実施形態は、第1の導波路、第2の導波路、及びプロセッサによって実行可能な命令を含むメモリを備える導波路システムを含む。第1の導波路は、デバイスへの電力の送電を促進する電力グリッドの第1の配線に対して位置決めされ得る。第1の導波路は、通信データを搬送するための第1の配線の第1の表面に沿って伝搬する電磁波の送信又は受信を促進する。第2の導波路は、第2の配線の第2の表面に沿って伝搬する電磁波の送信又は受信を促進するための電力グリッドの第2の配線に対して位置決めされ得る。例示に実施形態では、第1の配線は電力グリッドの主通信リンクに対応する一方で、第2の配線は電力グリッドの副通信リンクに対応する。プロセッサは、通信データを搬送する電磁波の送信又は受信に不利な主通信リンクにおける通信障害を検出すること、及び通信障害の検出に応じて、通信データを搬送する電磁波の送信又は受信を第2の導波路を介して副通信リンクに再方向付けすることを含む動作を実行することができる。
【0021】
本開示の一実施形態は、複数の導波路システム及びプロセッサによって実行可能な命令を含むメモリを備える通信システムを含む。複数の導波路システムの各々は、受信者デバイスに方向付けられた通信データを搬送して電力グリッドの第1の配線又は第2の配線の表面に沿って伝搬する電磁波の送信又は受信を促進することができる。例示の実施形態では、電力グリッドの第1の配線が主通信リンクとして使用される一方で、電力グリッドの第2の配線がバックアップ通信リンクとして使用される。プロセッサは、主通信リンクにおいて通信障害を検出したことに応じて、複数の導波路システムのうちの第1の導波路システムに、通信データを搬送する電磁波の送信又は受信をバックアップ通信リンクに再方向付けさせることを含む動作を実行することができる。
【0022】
本開示の一実施形態は、データを搬送して第1の配線の表面に沿って伝搬する電磁波の送信又は受信に影響を及ぼす電力グリッドの第1の配線における通信障害を検出し、選択基準に従って複数のバックアップ通信媒体からバックアップ通信媒体を選択し、データを搬送する電磁波の送信又は受信をバックアップ通信媒体に再方向付けして通信障害を迂回するための方法を含む。
【0023】
本開示の一実施形態は、配線の表面の電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす障害を検出し、配線の表面で電磁波を送信又は受信するための通信モードを調整して障害を緩和するための方法を含む。
【0024】
本開示の一実施形態は、配線の表面に沿って伝搬する電磁波の送信又は受信を促進する導波路、命令を記憶するメモリ、及びそれに結合されたプロセッサを含む導波路システムを含む。プロセッサは、配線の表面での電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす条件を検出すること、その条件によってもたらされる悪影響を軽減するように、導波路によって送信又は受信される電磁波の波動伝搬モードを調整することを含む動作を実行することができる。
【0025】
本開示の一実施形態は、命令を含む機械可読デバイスを含む。命令を実行することに応じて、プロセッサは、配線の表面上で導波路システムによって生成される電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす信号劣化配線のソースを検出すること、及び信号干渉のソースによってもたらされる悪影響を軽減するように導波路システムによって生成される電磁波の特性を調整することを含む動作を実行することができる。
【0026】
ここに記載される種々の実施形態は、配線からの誘導波(例えば、電磁波である表面誘導波通信)の送波を出射及び抽出するための導波路結合システムに関する。波長が機器の大きさと比較して小さくなり得るミリ波周波数(例えば、30〜300GHz)において、送波は、一片又は所定長の誘電体材料又は他のカプラのような導波路によって誘導される波動として伝搬し得る。誘導波の電磁界構造は、導波路の内部及び/又は外部に存在し得る。この導波路が配線(例えば、電線又は他の伝送線)に近接されると、誘導波の少なくとも一部が導波路から結合を解かれて配線に結合し、配線の表面に対する表面波のような誘導波として伝搬し続ける。
【0027】
例示の実施形態によると、表面波は、配線の表面によって誘導されるタイプの誘導波であり、配線の外部若しくは外側表面、又は異なる特性(例えば、誘電特性)を有する他のタイプの媒体に隣接若しくは露出した他の配線の表面を含み得る。実際に、例示の実施形態では、表面波を誘導する配線の表面は、2つの異なるタイプの媒体間の転移表面となり得る。例えば、裸配線又は非絶縁配線の場合、配線の表面は、空気又は自由空間に露出した裸配線又は非絶縁配線の外側又は外部導電表面となり得る。他の例として、配線の表面は、絶縁配線の場合、絶縁体、空気及び/又は導電体の特性(例えば、誘電特性)の相対差に応じて、さらに誘導波の周波数及び単数又は複数の伝搬モードに応じて、配線の絶縁体部分に対応する配線の導体部分であってもよいし、あるいは空気又は自由空間に露出した配線の絶縁体表面であってもよいし、あるいは配線の絶縁体表面と配線の絶縁体部分に対応する配線の導電部分との間の任意の材料領域であってもよい。
【0028】
例示の実施形態によると、表面波などの誘導波は、自由空間/空気を介した無線送波又は配線の導電体を介した電力若しくは信号の従来的な伝搬と対比され得る。実際に、例示の実施形態によると、ここに記載される表面波又は誘導波システムとともに、従来の電力又は信号は依然として配線の導電体を介して伝搬又は伝送可能であるものの、誘導波(表面波及び他の電磁波を含む)が配線の表面に対して伝搬又は伝送可能である。一実施形態では、表面波は、表面波を誘導するよう作用する線、配線又は伝送媒体の主に又は実質的に外部にある電場構造(例えば、電磁界構造)を有し得る。
【0029】
例示の実施形態によると、配線に沿って配線の外表面の周囲に伝搬する電磁波が、配線付近で導波路に沿って伝搬する他の電磁波によって誘起される。電磁波の誘起は、電気回路の部分としての配線を介して導入あるいは伝送される電位、電荷又は電流とは無関係なものとなり得る。配線に沿う電磁波の伝搬に応じて配線における小さな電流が形成され得るが、これは配線表面に沿う電磁波の伝搬に起因し得るものであり、電気回路の部分としての配線に導入される電位、電荷又は電流に応じては形成されないことが分かるはずである。したがって、配線を伝搬する電磁波は、配線表面に沿って伝搬する回路を必要としない。したがって、配線は、回路の一部ではない単一の有線伝送線である。また、ある実施形態では、配線は必要ではなく、電磁波は配線ではない単一線の伝送媒体に沿って伝搬し得る。
【0030】
例示の実施形態によると、誘導波(例えば、表面波)とともに使用される用語である配線に「対して」とは、基本波伝搬モード、及び配線又は他の伝送媒体の少なくとも部分的に周囲に円形又は略円形電場分布(例えば、電界、磁界、電磁界など)を有する他の誘導波を含み得る。さらに、誘導波が配線又は他の伝送媒体に「対して」伝搬する場合、それは、基本波伝搬モード(例えば、0次モード)だけでなく、追加的又は代替的に、高次誘導波モード(例えば、1次モード、2次モードなど)、配線若しくは他の伝送媒体周囲の非円形電場分布を有する非対称モード及び/又は他の誘導(例えば、表面)波などの非基本波伝搬モードを含む波動伝搬モードに従って伝搬することができる。
【0031】
例えば、そのような非円形電場分布は、比較的高い電場強度によって特徴付けられる1以上の軸ローブ及び/又は比較的低い電場強度、ゼロ電場強度若しくは実質的にゼロの電場強度によって特徴付けられる1以上のヌル若しくはヌル領域の片側又は両側となり得る。また、あるいは、例示の実施形態によると、配線の周囲の軸配向の1以上の領域が軸配向の1以上の他の領域よりも高い電界又は磁界強度(又はその組合せ)を有するように、電場分布が、配線の周囲の長手方向軸の向きの関数として変化し得る。誘導波が配線に沿って伝搬するにつれて波動の高次モード又は非対称モードの相対位置が変化し得ることが分かるはずである。
【0032】
ここで
図1に、誘導波通信システム100の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。誘導波通信システム100は、誘電体導波路結合システムが使用され得る例示の環境を示す。
【0033】
誘導波通信システム100は、中央局101及び/又はマクロセルサイト102に通信可能に結合された1以上の基地局デバイス(例えば、基地局デバイス104)を含む分散システム150の第1のインスタンスを備え得る。基地局デバイス104は、有線(例えば、ファイバ及び/又はケーブル)によって、又は無線(例えば、マイクロ波無線)接続によってマクロセルサイト102及び中央局101に接続されることができる。分散システム160の第2のインスタンスは、移動体デバイス122及び住宅及び/又は商業施設142(ここでは施設142という)に無線音声及びデータサービスを提供するのに使用され得る。システム100は、
図1に示すような移動体デバイス122〜124及び施設142に音声及び/又はデータサービスを提供するための分散システム150及び160の追加のインスタンスを有し得る。
【0034】
マクロセルサイト102などのマクロセルはモバイルネットワークへの専用接続を有していてもよく、基地局デバイス104はマクロセルサイト102の接続を共有及び/あるいは使用することができる。中央局101は、メディアコンテンツを配信し、並びに/又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)サービスを移動体デバイス122〜124及び施設142に提供するのに使用され得る。中央局101は、衛星130(そのうちの1つを
図1に示す)のコンステレーション又は他のコンテンツのソースからメディアコンテンツを受信し、そのようなコンテンツを分散システム150及び160の第1及び第2のインスタンスを介して移動体デバイス122〜124及び施設142に配信することができる。中央局101はまた、インターネットデータサービスを移動体デバイス122〜124及び施設142に提供するためにインターネット103に通信可能に結合され得る。
【0035】
基地局デバイス104は、電柱116に搭載され、又は取り付けられることができる。他の実施形態では、基地局デバイス104は、変圧器の付近及び/又は電力線付近の他の適した場所にあればよい。基地局デバイス104は、移動体デバイス122及び124に対するモバイルネットワークへの接続を促進することができる。電柱118及び120上又はその付近にそれぞれ搭載されたアンテナ112及び114は、基地局デバイス104からの信号を受信し、それらの信号を移動体デバイス122及び124に対して、アンテナ112及び114が基地局デバイス104又はその付近に位置していたとした場合よりも一層広い領域にわたって伝送することができる。
【0036】
なお、
図1は簡略化のために、分散システム150及び160の各インスタンスにおいて、1つの基地局デバイスを有する3本の電柱を示す。他の実施形態では、電柱116がより多くの基地局デバイス、分散アンテナとともに1以上の電柱及び/又は施設142に繋がれた接続を有していてもよい。
【0037】
誘電体導波路結合デバイス106は、信号を基地局デバイス104からアンテナ112及び114に、電柱116、118及び120を接続する電線又は電力線を介して伝送することができる。信号を伝送するために、無線源及び/又はカプラ106は、基地局デバイス104からの(周波数混合を介した)信号をアップコンバートし、あるいは基地局デバイス104からの信号をミリ波帯域信号に変換し、誘電体導波路結合デバイス106は、電線又は他の配線に沿って伝搬する誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)として伝搬するミリ波帯域波を出射する。電柱118において、他の誘電体導波路結合デバイス108は誘導波を受信し(選択的に、それを必要に応じて又は所望により増幅して、それを受信してそれを再生成するデジタル中継器として動作することができ)、それを誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)として電線又は他の配線に転送することができる。誘電体導波路結合デバイス108はまた、ミリ波帯域誘導波からの信号を抽出し、それを元のセルラ帯域周波数(例えば、1.9GHz又は他の規定セルラ周波数)又は他のセルラ(又は非セルラ)帯域周波数まで周波数低減あるいは変換することができる。アンテナ112は、低減された信号を移動体デバイス122に伝送することができる。処理は、必要に応じて又は所望により、誘電体導波路結合デバイス110、アンテナ114及び移動体デバイス124によって反復可能である。
【0038】
移動体デバイス122及び124からの送波はまた、それぞれアンテナ112及び114によって受信され得る。誘電体導波路結合デバイス108及び110上の中継器はセルラ帯域信号をミリ波帯域に周波数上昇し、あるいは変換し、その信号を誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)の送波として電力線を介して基地局デバイス104に伝送することができる。
【0039】
中央局101によって受信されたメディアコンテンツは、移動体デバイス122及び施設142への配信のために基地局デバイス104を介して分散システム160の第2のインスタンスに提供され得る。誘電体導波路結合デバイス110は、1以上の有線接続又は無線インターフェースによって施設142に繋がれ得る。1以上の有線接続は、限定することなく、電力線、同軸ケーブル、ファイバケーブル、撚線対ケーブル、又はメディアコンテンツの配信及び/若しくはインターネットサービスの提供に適する他の有線媒体を含み得る。例示の実施形態では、導波路結合デバイス110からの有線接続は、各SAIがサービスを施設142の一部に提供する1以上の対応するサービスエリアインターフェース(SAI−不図示)に位置する1以上の非常に高いビットレートのデジタル加入者線(VDSL)モデムに通信可能に結合され得る。VDSLモデムは、施設142に位置するゲートウェイ(不図示)に、メディアコンテンツを選択的に配信し、及び/又はインターネットサービスを提供するのに使用され得る。SAIはまた、電力線、同軸ケーブル、ファイバケーブル、撚線対ケーブル又は他の適切な有線媒体などの有線媒体を介して施設142に通信可能に結合され得る。他の例示の実施形態では、導波路結合デバイス110は、SAIのような中間インターフェースなしに施設142に通信可能に直接結合され得る。
【0040】
他の例示の実施形態では、システム100はダイバシティ経路を採用することができ、電柱116、118及び120の間に2以上の電線又は他の配線(例えば、電柱116と電柱120の間の2以上の配線)が架橋され、基地局104からの冗長送波が誘導波として電線又は他の配線の表面を伝送される。電線又は他の配線は絶縁されていても絶縁されていなくてもよく、結合デバイスは、伝送損失をもたらす環境条件に応じて絶縁若しくは非絶縁の電線又は他の配線から選択的に信号を受信することができる。選択は、配線の信号対ノイズ比の測定値に基づき、又は特定される気象/環境条件(例えば、湿度計、天気予報など)に基づいていればよい。システム100でのダイバシティ経路の使用によって、代替の経路付け能力、負荷バランス、増加した負荷の取扱い、同時双方向又は対称通信、拡散スペクトル通信などが可能となる(より詳細については
図8を参照)。
【0041】
なお、
図1における誘電体導波路結合デバイス106、108及び110の使用は例示のみのものであり、他の実施形態では他の使用が可能である。例えば、誘電体導波路結合デバイスは、バックホール通信システムにおいて使用され、基地局デバイスにネットワーク接続を与えることができる。誘電体導波路結合デバイスは、誘導波通信を絶縁又は非絶縁の配線上で伝送することが望ましい多くの環境で使用されることができる。誘電体導波路結合デバイスは、高電圧を搬送し得る配線との接触がなく、又は物理的及び/若しくは電気的接触が限られているため、他の結合デバイスよりも改善されたものとなる。誘電体導波路結合デバイスがあれば、装置は、それが配線に電気的に接触しない限り、配線から離して配置され(例えば、配線から離隔され)及び/又は配線上に配置されることができ、誘電体が絶縁体として作用し、安価、容易及び/又は簡素な設置が可能となる。一方、前述のように、例えば、配線が電話網、ケーブルテレビネットワーク、ブロードバンドデータサービス、ファイバ光通信システム、又は低電圧を採用し若しくは絶縁された伝送線を有する他のネットワークに対応する構成では、導電性又は非誘電カプラが採用され得る。
【0042】
また、一実施形態では基地局デバイス104及びマクロセルサイト102を示すが、他のネットワーク構成が同様に可能である。例えば、アクセスポイント又は他の無線ゲートウェイなどのデバイスが同様の態様で採用されて、無線ローカルエリアネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク、又は802.11プロトコル、WIMAXプロトコル、UltraWidebandプロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、Zigbeeプロトコル若しくは他の無線プロトコルなどの通信プロトコルによって動作する他の無線ネットワークなどの他のネットワークの範囲を拡張することができる。
【0043】
ここで
図2に、ここに開示される種々の形態による誘電体導波路結合システム200の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。システム200は、誘電体導波路204の導波路表面に対して誘導波として伝搬する波動206を有する誘電体導波路204を備える。一実施形態では、誘電体導波路204は湾曲しており、ここに記載するように導波路204と配線202の間の結合を促進するために導波路204の少なくとも一部分が配線202の付近に配置され得る。誘電体導波路204は、湾曲した誘電体導波路204の一部分が配線202に平行又は実質的に平行となるように配置され得る。配線に平行となる誘電体導波路204の部分が、曲線の頂点に、又は曲線の接線が配線202に平行となる任意の点となり得る。誘電体導波路204がそれにより位置決め又は配置される場合、誘電体導波路204に沿って伝搬する波動206は、配線202に少なくともある程度結合し、配線202の配線表面の周囲に又はそれを中心にかつ配線202に沿って長手方向に誘導波208として伝搬する。他のタイプの誘導波208も例示の実施形態を逸脱することなく同様に対応可能であるが、誘導波208は表面波又は他の電磁波として特徴付けられ得る。配線202に結合しない波動206の一部は、誘電体導波路204に沿って波動210として伝搬する。誘電体導波路204は、配線202に対する波動206の結合又は非結合の所望レベルを実現するように配線202に関して様々な位置において構成及び配置され得ることが分かるはずである。例えば、ワイヤ202に平行又は実質的に平行で誘電体導波路2014の曲率及び/又は長さ、そしてその離隔距離(実施形態では離隔距離なしを含み得る)は、例示の実施形態を逸脱することなく変化し得る。同様に、配線202に対する誘電体導波路204の配置は、配線202及び誘電体導波路204のそれぞれの内在的特性(例えば、厚さ、組成、電磁特性など)、そして波動206及び208の特性(例えば、周波数、エネルギーレベルなど)を考慮して変わり得る。
【0044】
誘導波208は、配線202が湾曲及び屈曲したとしても配線202に平行又は実質的に平行なままである。配線202における曲げによって伝送損失が増加し、それは配線径、周波数及び材料にも依存する。誘電体導波路204の寸法が有効な電力伝達のために選択される場合、電力は波動210にはほとんど残らずに、波動206の電力の大部分が配線202に伝達される。誘導波208は(ここに記載される)性質上それでも複数モードとなり、基本伝送モードを伴って又は伴わずに、配線202に平行又は実質的に平行な経路に沿って伝搬しつつ、非基本又は非対称となるモードを有することが分かるはずである。一実施形態では、非基本又は非対称のモードは、伝送損失を最小化させ、及び/又は増加した伝搬距離を得るのに利用され得る。
【0045】
なお、平行という用語は、一般に現実のシステムにおいて厳密に実現可能ではないこともある幾何学的構成概念である。したがって、本開示で利用される平行という用語は、本開示で開示される実施形態を説明するのに使用される場合に、厳密な構成ではなく、近似を表す。一実施形態では、実質的に平行とは、全ての寸法において真の平行の30度以内である近似を含み得る。
【0046】
一実施形態では、波動206は、1以上の波動伝搬モードを示し得る。誘電体導波路モードは、導波路204の形状及び/又は設計に依存し得る。波動206の1以上の誘電体導波路モードは、配線202に沿って伝搬する誘導波208の1以上の波動伝搬モードを生成し、それに影響を及ぼし、又はそれに悪影響を与え得る。一実施形態では、配線202上の波動伝搬モードは、波動206及び208の双方がそれぞれ誘電体導波路204及び配線202の外側に対して伝搬するので、誘電体導波路モードと同様となり得る。ある実施形態では、波動206が配線202に結合するので、誘電体導波路204と配線202の間の結合に起因して、モードが形態を変化させ、又は新たなモードが形成若しくは生成され得る。例えば、誘電体導波路204及び配線202のサイズ、材料及び/又はインピーダンスにおける相違が、誘電体導波路モードに存在しない追加のモードを形成し、及び/又は誘電体導波路モードの一部を抑制し得る。波動伝搬モードは、小さな電界及び/又は電磁界しか伝搬の方向に拡がらず、誘導波が配線に沿って伝搬しつつ電界及び磁界が放射状に外向きに拡がる基本横電磁モード(準TEM
00)を備え得る。この誘導波モードはドーナツ状となり、誘電体導波路204又は配線202内には少しの電磁界しか存在しない。
【0047】
波動206及び208は、電場が放射状に外向きに拡がる基本TEMモードを備え、他の非基本(例えば、非対称、高次レベルなどの)モードも備え得る。特定の波動伝搬モードを上述したが、採用される周波数、誘電体導波路204の設計、配線202の寸法及び組成、そしてその表面特性、その選択的絶縁、周囲環境の電磁特性などに基づいて、横電界(TE)及び縦磁界(TM)モードなどの他の波動伝搬モードも同様に可能である。なお、周波数、配線202の電気的及び物理的特性並びに生成される特定の波動伝搬モードに応じて、誘導波208は、酸化非絶縁配線、非酸化非絶縁配線、絶縁配線の導電表面に沿って、及び/又は絶縁配線の絶縁表面に沿って伝搬し得る。
【0048】
一実施形態では、誘電体導波路204の直径は、配線202の直径よりも小さい。使用されるミリ帯域波長について、誘電体導波路204は、波動206を構成する単一の導波路モードに対応する。この単一の導波路モードは、それが配線202に表面208として結合するにつれて変化し得る。誘電体導波路204がより大きいとした場合、2以上の導波路モードが支持され得るが、これら追加の導波路モードは配線202に効率的には結合することはなく、より高い結合損失が生じ得る。ただし、ある代替の実施形態では、例えば、より高い結合損失が望ましい場合、あるいは結合損失を低減する他の技術(例えば、テーパとのインピーダンス整合など)と併用される場合に、誘電体導波路204の直径は配線202の直径以上であってもよい。
【0049】
一実施形態では、波動206及び208の波長は、誘電体導波路204及び配線202の外周と同等かそれ未満である。一例において、配線202が0.5cmの直径及び対応する約1.5cmの外周を有する場合、送波の波長は約1.5cm以下であり、これは20GHz以上の周波数に対応する。他の実施形態では、送波及び搬送波信号の適切な周波数は、30〜100GHzの範囲、おそらくは約30〜60GHz、一例では約38GHzである。一実施形態では、誘電体導波路204及び配線202の外周が送波の波長と同等かそれより大きい場合、波動206及び208は、ここに記載する種々の通信システムに対応する充分な距離を介して伝搬する基本及び/又は非基本(対称及び/又は非対称)モードを含む複数の波動伝搬モードを示し得る。したがって、波動206及び208は、2以上のタイプの電界及び磁界構成を備え得る。一実施形態では、誘導波208が配線202を伝搬しても、電界及び磁界構成は配線202の端部から端部まで同じとなる。他の実施形態では、誘導波208が干渉に衝突し、又は伝送損失に起因してエネルギーを失うので、誘導波208が配線202を伝搬するにつれて電界及び磁界構成が変化し得る。
【0050】
一実施形態では、誘電体導波路204は、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリアミド又は他のプラスチックで構成され得る。他の実施形態では、他の誘電体材料が可能である。配線202の配線表面は、無被覆の金属表面による金属製であってもよいし、プラスチック、誘電体、絶縁体又は他のシースを用いて絶縁されていてもよい。一実施形態では、誘電体あるいは非導電性/絶縁導波路は、無被覆/金属製配線又は絶縁配線のいずれかと対とされていてもよい。他の実施形態では、金属製及び/又は導電性の導波路が、無被覆/金属製配線又は絶縁配線と対とされていてもよい。一実施形態では、配線202の無被覆金属表面上の(例えば、酸素/空気への無被覆金属表面の露出からもたらされる)酸化層はまた、絶縁体又はシースによって提供されるものと同様の絶縁又は誘電特性を与えることができる。
【0051】
なお、波動206、208及び210の図示は、例えば単一の有線伝送線として動作する配線202において波動206が誘導波208を誘起あるいは出射する原理を単に説明するために開示される。波動210は、誘導波208の生成後に誘電体導波路204に残る波動206の部分を示す。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電界及び磁界は、採用される周波数、特定の単一又は複数の波動伝搬モード、誘電体導波路204の設計、配線202の寸法及び組成、そしてその表面特性、その選択的絶縁、周囲環境の電磁特性などに応じて変化し得る。
【0052】
なお、誘電体導波路204は、誘電体導波路204の終端に、波動210からの残りの放射又はエネルギーを吸収することができる終端回路又はダンパー214を含み得る。終端回路又はダンパー214は、送信機回路212に反射して戻る波動210からの残存の放射又はエネルギーを防止及び/又は最小化することができる。一実施形態では、終端回路又はダンパー214は、インピーダンス整合を行って反射を減衰させる終端抵抗及び/又は他の構成要素を含み得る。ある実施形態では、結合効率が充分に高く及び/又は波動210が充分に小さい場合、終端回路又はダンパー214を使用しなくてもよい。簡略化のために、これらの送信機及び終端回路又はダンパー212及び214は他の図面には図示されていないが、それらの実施形態において、送信機及び終端回路又はダンパーがおそらくは使用され得る。
【0053】
また、単一の誘導波208を生成する単一の誘電体導波路204が提示されるが、配線202に沿う異なる点に及び/又は配線に対して異なる軸配向で配置された複数の誘電体導波路204が同一又は異なる周波数で、同一又は異なる位相で、同一又は異なる波動伝搬モードで複数の誘導波208を生成及び受信するのに採用され得る。単一又は複数の誘導波208は、位相シフトキーイング、周波数シフトキーイング、直交振幅変調、振幅変調、マルチキャリア変調などの変調技術を介して、及び周波数分割多重化、時分割多重化、符号分割多重化、波動伝搬モードを異ならせること並びに他の変調及びアクセス戦略を介する多重化などのマルチアクセス技術を介してデータを伝達するように変調され得る。
【0054】
ここで
図3に、ここに記載される種々の形態による誘電体導波路結合システム300の例示の非限定的な実施形態のブロックを示す。システム300は、誘電体導波路304、及び配線302の配線表面に対して誘導波として伝搬する波動306を有する配線302を備える。例示の実施形態では、波動306は、表面波又は他の電磁波として特徴付けられ得る。
【0055】
例示の実施形態では、誘電体導波路304は、湾曲し、あるいは曲率を有し、湾曲誘電体導波路304の一部分が配線302に平行又は実質的に平行となるように配線302付近に配置され得る。配線に平行な誘電体導波路304の一部分は、曲線の頂点又は曲線の接線が配線302に平行となる任意の点となり得る。誘電体導波路304が配線付近にある場合、配線302に沿って伝搬する誘導波306は誘電体導波路304に結合して誘電体導波路304に対して誘導波308として伝搬し得る。誘電体導波路304に結合しない誘導波306の一部は、配線302に沿って誘導波310(例えば、表面波又は他の電磁波)として伝搬する。
【0056】
配線302及び誘電体導波路304が湾曲及び屈曲したとしても、誘導波306及び308は、それぞれ配線302及び誘電体導波路304に平行なままである。曲げによって伝送損失が増加し、それは配線径、周波数及び材料にも依存する。誘電体導波路304の寸法が有効な電力伝達のために選択される場合、誘導波306のエネルギーの大部分が誘電体導波路304に結合され、誘導波310にほとんど残らない。
【0057】
一実施形態では、受信機回路は波動308を受信するために導波路304の端部に配置され得る。終端回路は、導波路304に結合する誘導波306と反対方向に伝搬する誘導波を受信するために、導波路304の対向端部に配置され得る。したがって、終端回路は、受信機回路によって受信される反射を防止及び/又は最小化することになる。反射が小さい場合には、終端回路はなくてもよい。
【0058】
なお、表面波306の選択された偏波が誘導波208として誘電体導波路304に結合されるように構成され得る。例えば、誘導波306がそれぞれの偏波とともに誘導波又は波動伝搬モードから構成される場合、誘電体導波路304は、選択された偏波の1以上の誘導波を受信するように構成され得る。したがって、誘電体導波路304に結合する誘導波308は、選択された偏波の1以上に対応する誘導波の組であり、さらに誘導波310は選択された偏波に一致しない誘導波を備え得る。
【0059】
誘電体導波路304は、誘電体導波路304が配置された配線302の周囲の角度/回転に基づいて特定の偏波の誘導波を受信するように構成され得る。例えば、誘導波306が水平に偏向される場合、誘導波306の大部分は波動308として誘電体導波路に伝達する。誘電体導波路304が配線302の周りに90度回転されると、誘導波306からのエネルギーの大部分は誘導波310として配線に結合されたままとなり、わずかな部分しか波動308として配線302に結合されないことになる。
【0060】
なお、波動306、308及び310は、明細書において
図3及び他の図面において3個の丸印を用いて示される。これらの印は、概略的な誘導波を示すのに使用され、波動306、308及び310が必ずしも円偏波あるいは円配向されることを示唆するものではない。実際に、波動306、308及び310は、電場が放射状に外向きに拡がる基本TEMモードを備えることも、他の非基本(例えば、高次レベルなどの)モードを備えることもある。これらのモードは、同様に性質上、非対称(例えば、放射状、左右対称、三角形、四角形)となり得る。
【0061】
また、配線を介した誘導波通信は全二重であってもよく、双方向に同時の通信が可能となる。一方向に伝搬する波動は、反対方向に伝搬する波動を通過し得る。電磁界は、波動に適用される重ね合せの原理によって特定の点で短時間に打ち消され得る。反対方向に伝搬する波動は、他方の波動がそこに存在しないかのように伝搬するが、観察者に対する合成効果は定在波パターンとなり得る。誘導波が相互に通過して重ね合せの状態ではなくなると、干渉が弱まる。誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)が導波路に結合して配線から離れるにつれて、他の誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)に起因するいずれの干渉も減少する。一実施形態では、誘導波306(例えば、表面波又は他の電磁波)が誘電体導波路304に近づくにつれて、配線302上を左から右に伝搬する他の誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)(不図示)が通過して局部的干渉をもたらす。誘導波306が波動308として誘電体導波路304に結合して配線302から離れるにつれて、通過する誘導波のいずれの干渉も弱まる。
【0062】
なお、波動306、308及び310の図示は、誘導波306が誘電体導波路304上に波動308を誘起あるいは出射する原理を単に示すように提示される。誘導波310は、波動308の生成後に配線302に残存する誘導波306の部分を示す。そのような誘導波伝搬の結果として生成される実際の電界及び磁界は、誘電体導波路の形状及び/又は設計、配線に対する誘電体導波路の相対位置、採用される周波数、誘電体導波路304の設計、配線302の寸法及び組成、そしてその表面特性、その選択的絶縁、周囲環境の電磁特性などの1つ以上に応じて変化し得る。
【0063】
ここで
図4に、ここに記載される種々の形態による誘電体導波路結合システム400の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。システム400は、誘電体導波路404の導波路表面に対して誘導波として伝搬する波動406を有する誘電体導波路404を備える。一実施形態では、誘電体導波路404は湾曲し、誘電体導波路404の一端は配線402に緊結、固定あるいは機械的に結合され得る。誘電体導波路404の端部が配線402に固定される場合、誘電体導波路404の端部は配線402に平行又は実質的に平行となる。代替的に、固定又は結合部が配線402に平行又は実質的に平行となるように、端部を超える誘電体導波路の他の部分が配線402に固定又は結合され得る。結合デバイス410は、誘電体導波路404から分離され、又は誘電体導波路404の一体化された構成要素として構成されるナイロンケーブル紐又は他のタイプの非導電性/誘電体材料であればよい。誘電体導波路404は、配線402を囲むことなく配線402に隣接し得る。
【0064】
誘電体導波路404が端部を配線402に平行にして配置される場合、誘電体導波路404に沿って伝搬する誘導波406は配線402に結合し、配線402の配線表面に対して誘導波408として伝搬する。例示の実施形態では、誘導波408は、表面波又は他の電磁波として特徴付けられ得る。
【0065】
なお、波動406及び408の図示は、波動406が、例えば単一の有線伝送線として動作する配線402上で誘導波408を誘起あるいは出射する原理を単に示すように提示される。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電界及び磁界は、誘電体導波路の形状及び/又は設計、配線に対する誘電体導波路の相対位置、採用される周波数、誘電体導波路404の設計、配線402の寸法及び組成、そしてその表面特性、その選択的絶縁、周囲環境の電磁特性などの1つ以上に応じて変化し得る。
【0066】
一実施形態では、結合効率を増加させるために、誘電体導波路404の端部は、配線402に向かってテーパ状となる。実際に、本開示の例示の実施形態によると、誘電体導波路404の端部のテーパ化は、インピーダンス整合を配線402に与えることができる。例えば、
図4に示すように波動406と波動408の間の所望のレベルの結合を得るために、誘電体導波路404の端部は徐々に先細りしていてもよい。誘電体導波路404の他の形状が使用され得ることが分かるはずである。例えば、誘電体導波路404は、先細りする端部を含んでいてもよいし、単純な傾斜とは異なる形状となる複雑なカットを含んでいてもよい。
【0067】
一実施形態では、結合デバイス410は、結合デバイス410と誘電体導波路404の端部との間に短い誘電体導波路404が存在するように配置され得る。最大結合効率は、結合デバイス410を超える誘電体導波路404の端部の長さが、どのような周波数が伝送されていても、少なくとも数波長分の長さである場合に実現される。
【0068】
ここで
図5に、ここに記載される種々の形態による誘電体導波路カプラ及び送信機システム500(ここではまとめてシステム500という)の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。システム500は、波動(例えば、誘電体導波路502への誘導波504)を出射及び受信する送信機/受信機デバイス506を備える。誘導波504は、通信インターフェース501によって基地局520、移動体デバイス522又は建造物524に対して送受信される信号を搬送するのに使用され得る。通信インターフェース501は、システム500の一体化部分となり得る。代替的に、通信インターフェース501は、システム500に繋ぎ留められてもよい。通信インターフェース501は、種々の無線シグナリングプロトコル(例えば、LTE,WiFi、WiMAX、IEEE802.xxなど)のいずれかを利用して基地局520、移動体デバイス522又は建造物524とインターフェースするための無線インターフェースを備え得る。通信インターフェース501はまた、基地局520又は建造物524に信号を送信するためのファイバ光学線、同軸ケーブル、撚線対又は他の適切な有線媒体などの有線インターフェースを備え得る。システム500が中継器として機能する実施形態については、通信インターフェース501はなくてもよい。
【0069】
通信インターフェース501の出力信号(例えば、Tax)は、周波数ミキサ510において局部発振器512によって生成されたミリ波搬送波に合成され得る。周波数ミキサ510は、ヘテロダイン技術又は通信インターフェース501からの出力信号を周波数シフトする他の周波数シフト技術を用いることができる。例えば、通信インターフェース501及びそこから送信される信号は、ロングタームエボリューション(LTE)無線プロトコル又は他の無線3G、4G、5G若しくはより高いレベルの音声及びデータプロトコル、Zigbee、WIMAX、UltraWideband若しくはIEEE802.11無線プロトコル又は他の無線プロトコルに従ってフォーマットされた直交周波数分割多重(OFDM)信号などの変調信号であればよい。例示の実施形態では、この周波数変換はアナログ領域で実行可能であり、結果として周波数シフトは、基地局520、移動体デバイス522又は建造物内デバイス524が用いる通信プロトコルのタイプにかかわらず実行可能である。新たな通信技術が開発されるにつれて、通信インターフェース501はアップグレード又は交換され、周波数シフト及び送信装置が残り、アップグレードを簡略化することができる。そして、搬送波は、電力増幅器(「PA」)514に送信され、ダイプレクサ516を介して送信機/受信機デバイス506を介して送出され得る。
【0070】
通信インターフェース501に向けられた送信機/受信機デバイス506からの受信信号は、ダイプレクサ516を介して他の信号から分離され得る。そして、送波は、増幅のための低ノイズ増幅器(「LNA」)518に送出され得る。周波数ミキサ521は、局部発振器512からの補助とともに、(ある実施形態ではミリ波帯域又は約38GHzである)送波を本来の周波数に低下させることができる。そして、通信インターフェース501は入力ポート(Rx)において送波を受信することができる。
【0071】
一実施形態では、送信機/受信機デバイス506は円筒形若しくは非円筒形金属(例えば、一実施形態では空洞であるが、必ずしも寸法通りに描かれていない)又は他の導電性若しくは非導電性導波路を含み、誘電体導波路502の端部は、送信機/受信機デバイス506が送波を生成する場合に誘導波が誘電体導波路502に結合して誘電体導波路502の導波路表面に対して誘導波504として伝搬するように、導波路又は送信機/受信機デバイス506内又はその付近に配置されていればよい。同様に、誘導波504が(配線から誘電体導波路502に結合されて)入来する場合には、誘導波504は送信機/受信機デバイス506に入射して円筒形導波路又は導電性導波路に結合する。送信機/受信機デバイス506は独立した導波路を含むものとして示されるが、独立した導波路なしに、導波路502上の誘導波を誘起するのに、アンテナ、キャビティ共振器、クライストロン、マグネトロン、進行波管又は他の照射要素が採用され得る。
【0072】
一実施形態では、誘電体導波路502は、そこに金属あるいは導電性材料を有することなく、全体として誘電体材料(又は他の適切な絶縁材料)で構成され得る。誘電体導波路502は、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリアミド、他のプラスチック、又は非導電性であってそのような材料の外表面上の電磁波の伝送を促進するのに適した他の材料で構成され得る。他の実施形態では、誘電体導波路502は、導電性/金属のコアを含み、外部誘電体表面を有し得る。同様に、誘電体導波路502によって誘起される電磁波を伝搬するために、又は誘電体導波路502に電磁波を供給するために誘電体導波路502に結合する伝送媒体は、全体としてそこに金属あるいは導電性材料を有しない誘電体材料(又は他の適切な絶縁材料)から構成され得る。
【0073】
なお、
図5は送信機/受信機デバイス506の開口が誘電体導波路502よりも非常に広いことを示すが、これは寸法通りではなく、他の実施形態では、誘電体導波路502の幅は空洞の導波路の開口と同等であるか又は若干小さい。また、図示していないが、一実施形態では、送信機/受信機デバイス506に挿入される導波路502の端部は、反射を減少させて結合効率を増加させるために先細りとなる。
【0074】
送信機/受信機デバイス506は通信インターフェース501に通信可能に結合されてもよいし、代替的に、送信機/受信機デバイス506は
図1に示す1以上の分散アンテナ112及び114に通信可能に結合されてもよい。他の実施形態では、送信機/受信機デバイス506は、バックホールネットワークのための中継器システムの部分を備え得る。
【0075】
誘電体導波路502への結合の前に、送信機/受信機デバイス506によって生成される誘導波の1以上の導波路モードは、誘導波504の1以上の波動伝搬モードに結合し得る。波動伝搬モードは、中空金属導波路と誘電体導波路との特性の相違に起因して中空金属導波路モードとは異なり得る。例えば、波動伝搬モードは基本横電磁モード(準TEM
00)を備え、小さな電界及び/又は磁界しか伝搬方向に拡がらず、誘導波は誘電体導波路502に沿って伝搬しながら電界及び磁界は誘電体導波路502から放射状に外向きに拡がる。基本横方向電磁モード波動伝搬モードは、中空の導波路内部には存在しない。したがって、送信機/受信機デバイス506によって用いられる中空金属導波路モードは、誘電体導波路502の波動伝搬モードに効果的かつ効率的に結合し得る導波路モードである。
【0076】
ここで
図6に、ここに記載される種々の形態によるデュアル誘電体導波路結合システム600の例示の非限定的な実施形態を示すブロック図を示す。一実施形態では、2以上の誘電体導波路(例えば、604及び606)が、誘導波608を受信するために配線602の周囲に位置決めされ得る。一実施形態では、誘導波608は、表面波又は他の電磁波として特徴付けられ得る。一実施形態では、誘導波608を受信するのに1つの誘電体導波路で充分である。その場合、誘導波608は、誘電体導波路604に結合し、誘導波610として伝搬する。誘導波608の電場構造が種々の外部要因に起因して配線602の周囲で振動又は波動する場合には、誘電体導波路606が、誘導波608が誘電体導波路606に結合するように配置され得る。ある実施形態では、配線602の周囲で振動又は回転し、異なる軸配向で誘起され、又は例えばローブ及び/若しくはヌル又は配向依存の他の非対称性を有する非基本モード若しくはより高次のモードを有する誘導波を受信するために、4本以上の誘電体導波路が配線602の一部分の周りに例えば90度で又は相互に他の間隔で配置され得る。ただし、例示の実施形態から逸脱することなく配線602の一部分の周囲に配置される4本未満の又は4本より多い誘電体導波路があってもよいことが分かるはずである。また、ある例示の実施形態は配線602の少なくとも一部分の周囲にある複数の誘電体導波路を提示したが、この複数の誘電体導波路は、複数の誘電体導波路の部分的構成要素を有する単一の誘電体導波路システムの一部としてみることもできる。例えば、2以上の誘電体導波路が、誘電体導波路が単一のシステムによって(手動的又は自動的に)相互に事前に位置決めされ、又は調整可能となるように、単一の設備において配線の周囲に設置され得る単一のシステムとして製造されてもよい。誘電体導波路606及び604に結合された受信機は、信号品質を最大化するために誘電体導波路606及び604の双方から受信される信号を合成するダイバシティ合成を用いることができる。他の実施形態では、誘電体導波路604及び606の一方又は他方が所定の閾値以上の送波を受信する場合、受信機は使用する信号を決定する際に選択ダイバシティを用いることができる。
【0077】
なお、波動608及び610の図示は、誘導波608が誘電体導波路604上で波動610を誘起あるいは出射する原理を単に示すように提示される。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電界及び磁界は、採用される周波数、誘電体導波路604の設計、配線602の寸法及び組成、そしてその表面特性、その選択的絶縁、周囲環境の電磁特性などに応じて変化し得る。
【0078】
ここで
図7に、ここに記載される種々の形態による双方向の誘電体導波路結合システム700の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。システム700において、2本の誘電体導波路704及び714が、配線702に沿って伝搬する誘導波(例えば、表面波又は他の電磁波)が波動706として誘電体導波路704に結合され、その後中継器デバイス710によって昇圧又は中継されて誘電体導波路714上に誘導波716として出射されるように配線702付近に配置され得る。そして、誘導波716は、配線702に結合して配線702に沿って伝搬し続けることができる。一実施形態では、中継デバイス710は、電力線となり得る配線702との磁気結合を介して昇圧又は中継のために利用される電力の少なくとも一部を受信し得る。
【0079】
ある実施形態では、中継器デバイス710は波動706に対応付けられた送波を中継することができ、他の実施形態では、中継器デバイス710は中継器デバイス710付近に配置された分散アンテナシステム及び/又は基地局デバイスに対応付けられ得る。受信機導波路708は誘電体導波路714から波動706を受信することができ、送信機導波路712は誘電体導波路704に誘導波716を出射することができる。受信機導波路708と送信機導波路712の間において、誘導波通信に関連する信号損失及び他の非効率性を補正するように、信号が増幅され、又はそこに含まれて送信用に再生成されるデータを抽出するように信号が受信及び処理され得る。一実施形態では、信号が、送波から抽出及び処理され、あるいは中継器デバイス710に通信可能に結合された分散アンテナを介して移動体デバイスの付近に放射され得る。同様に、分散アンテナによって受信される信号及び/又は通信が、送信機導波路712によって生成されて誘電体導波路714上に出射される送波に挿入され得る。したがって、
図7に図示する中継器システム700は、
図1における誘電体導波路結合デバイス108及び110と機能において同等となり得る。
【0080】
なお、
図7は、それぞれ左側から入射して右側から出射する誘導波の送波706及び716を示すが、これは単なる簡略化であって限定することを意図するものではない。他の実施形態では、受信機導波路708及び送信機導波路712はまた、それぞれ送信機及び受信機として機能することができ、これにより、中継器デバイス710が双方向のものとなる。
【0081】
一実施形態では、中継器デバイス710は、配線702上に不連続部又は障害物が存在する位置に配置され得る。これらの障害物は、変圧器、接続、電柱及び他のそのような電力線デバイスを含み得る。中継器デバイス710は、誘導(例えば、表面)波が線上のこれらの障害物を飛び越えて同時に送信電力を上昇させることを補助することができる。他の実施形態では、誘電体導波路は、中継器デバイスを使用することなく障害物を飛び越えるのに使用され得る。その実施形態では、誘電体導波路の両端が配線に緊結又は固定され、これにより誘導波が障害物に遮断されることなく伝搬するための経路が与えられる。
【0082】
ここで
図8に、ここに記載される種々の形態による双方向誘電体導波路カプラ800の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。双方向誘電体導波路カプラ800は、2以上の配線が電柱間に架橋される場合にダイバシティ経路を採用することができる。誘導波の送波は天候、降雨及び大気状態に基づいて絶縁配線及び非絶縁配線に対して異なる伝送効率及び結合効率を有するので、時に応じて絶縁配線又は非絶縁配線のいずれかで選択的に送信することが有利となり得る。
【0083】
図8に示す実施形態では、中継器デバイスは、非絶縁配線802に沿って伝搬する誘導波を受信するのに受信機導波路808を使用し、送信機導波路810を用いて送波を絶縁配線804に沿う誘導波として中継する。他の実施形態では、中継器デバイスは、絶縁配線804から非絶縁配線802に切り換えることができ、又は同じ経路に沿って送波を中継することができる。中継器デバイス806は、伝送に影響し得る条件を示すセンサを含み、又はセンサと通信状態となることができる。センサから受信されたフィードバックに基づいて、中継器デバイス806は、同じ配線に沿う送波を維持するのか、又は他の配線に送波を伝達するのかについての決定を下すことができる。
【0084】
ここで
図9に、双方向中継器システム900の例示の非限定的な実施形態を示すブロック図を示す。双方向中継器システム900は、分散アンテナシステム又はバックホールシステムに配置された他の結合デバイスと送波を受信及び送信する導波路結合デバイス902及び904を含む。
【0085】
種々の実施形態では、導波路結合デバイス902は、複数の副搬送波を有する送波を他の導波路結合デバイスから受信することができる。ダイプレクサ906は送波を他の送波から分離し、送波を低ノイズ増幅器(「LNA」)908に方向付けることができる。局部発振器912に補助され、周波数ミキサ928は(ミリ波帯域又はある実施形態では約38GHzの)送波を低い周波数に、それが分散アンテナシステムのためのセルラ帯域(1.9GHz以下)、本来の周波数又はバックホールシステムのための他の周波数であるかにかからわらず、低下させることができる。抽出器932は、アンテナ又は他の出力構成要素922に対応する副搬送波上の信号を抽出し、その信号を出力構成要素922に方向付けることができる。このアンテナ位置で抽出されていない信号については、抽出器932は、それらを他の周波数ミキサ936に再方向付けすることができ、その信号は局部発振器914によって生成される搬送波を変調するのに使用される。搬送波は、その副搬送波とともに、電力増幅器(「PA」)916に方向付けられ、導波路結合デバイス904によって他の中継器システムにダイプレクサ920を介して再送信される。
【0086】
出力デバイス922(分散アンテナシステムにおけるアンテナ)において、PA924は、移動体デバイスへの伝送のための信号を昇圧することができる。LNA926は、移動体デバイスから受信される弱い信号を増幅してから、その信号を、その信号と導波路結合デバイス904から受信された信号とを合流させるマルチプレクサ934に送信するのに使用され得る。結合デバイス904から受信された信号は、ダイプレクサ920によって分離されてから、LNA918を通過し、周波数ミキサ938によって周波数低減される。信号がマルチプレクサ934によって合成される場合、それらは周波数ミキサ930によって周波数上昇されて、PA910によって昇圧され、導波路結合デバイス902によって出射器又は他の中継器に返送される。一実施形態では、双方向中継器システム900は、アンテナ/出力デバイス922なしに単に中継器であってもよい。ある実施形態では双方向中継器システム900は、2つの別個かつ独立した一方向中継器を用いて実施されてもよいことが分かるはずである。代替の実施形態では、双方向中継器システム900は、ブースターであってもよいし、あるいは低下又は上昇なしに再送信を実行してもよい。実際に、例示の実施形態では、再送信は、信号若しくは誘導波の再送信前に、信号若しくは誘導波を受信すること、信号若しくは誘導波の処理若しくは再形成を実行すること、フィルタリング及び/又は増幅に基づくものとなり得る。
【0087】
ここで
図10A、10B及び10Cに、ここに記載される種々の形態によるスロット化導波路カプラシステム1000の例示の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
図10Aでは、導波路カプラシステムは、配線1004に関して長手方向に延びる導波路1002に形成されたスロット内又はその付近に配線1006が嵌るように、導波路1002に対して位置決めされる配線1006を備える。導波路1002の逆側端部1004a及び1004b及び導波路1002自体は、配線1006の配線表面の180度未満を囲む。
【0088】
図10Bでは、導波路カプラシステムは、配線1004に対して長手方向に延びる導波路1008に形成されたスロット内又はその付近に配線1014が嵌るように、導波路1008に対して位置決めされる配線1014を備える。導波路1008のスロット面は平行でなくてもよく、2つの異なる例示の実施形態が
図10Bには示されている。第1の実施形態では、スロット面1010a及び1010bは、平行ではなく外向きに配線1014の幅よりも若干広くなる。他方の実施形態では、スロット面1012a及び1012bもやはり平行でなくてもよいが、配線1014の幅よりも小さいスロット開口を形成するように狭い。これらが2つの例示の実施形態となるような任意の範囲の角度の平行でないスロット面が可能である。
【0089】
図10Cでは、導波路カプラシステムは、導波路1016に形成されたスロット内に嵌る配線1020を示す。この例示の実施形態におけるスロット面1018a及び1018bは平行であってもよいが、配線1020の軸1026は導波路1016の軸1024に対して整合される。したがって、導波路1016及び配線1020は、同軸には整合されない。他の実施形態では、図示するように、可能な位置1022にある配線はまた、誘導波路1016の軸1024と整合されない軸1028を有する。
【0090】
a)配線の180度未満を囲む導波路面、b)平行でないスロット面、及びc)同軸には整合されない配線及び導波路を示す3つの異なる実施形態が
図10A、10B及び10Cにおいて独立して示されたが、種々の実施形態において、列挙された構成の多様な組合せが可能であることが分かるはずである。
【0091】
ここで
図11に、ここに記載される種々の形態による導波路結合システム1100の例示の非限定的な実施形態を示す。
図11は、
図2、3、4などに示した導波路及び配線の実施形態の断面図を示す。1100から分かるように、配線1104は導波路1102に直接隣接して接触して位置決めされ得る。他の実施形態では、
図12における導波路結合システム1200に示すように、配線1204は、やはり導波路片1202付近に配置されるが実際にはそれに接触していなくてもよい。いずれの場合においても、導波路に沿って伝搬する電磁波が配線上に他の電磁波を誘起すること及びその逆が可能である。また、両実施形態において、配線1104及び1204は導波路1102及び1202の外面によって画定される断面積の外部に配置される。
【0092】
本開示の目的のため、断面で見た場合に、導波路が表面の180度を超える軸方向領域を囲まない場合に、導波路は配線の配線表面を大部分において囲まない。疑義を避けるため、断面で見た場合に、導波路が表面の180度以下の軸方向領域を囲む場合に、導波路は配線の表面を大部分において囲まない。
【0093】
図11及び12は円形の配線1104及び1204及び四角形の導波路1102及び1202を示すが、これは限定を意味するものではないことが分かるはずである。他の実施形態では、配線及び導波路は、様々な形状、サイズ及び構成を有し得る。形状は、以下に限定されないが、長円形若しくは他の楕円形、鋭角的若しくは丸みのある稜線を有する八角形、四角形若しくは他の多角形又は他の形状を含み得る。さらに、ある実施形態では、配線1104及び1204は、螺旋状の撚り線、単一の配線への個々の撚り線の組紐又は他の結合など、より小さい標準寸法配線を備える撚り配線であってもよい。本開示全体を通じて図示及び記載される配線及び導波路のいずれも、これらの実施形態の1以上を含み得る。
【0094】
図13は、上述したシステムとの関連における処理を示す。
図13における処理は、
図1〜9にそれぞれ示すシステム100、200、300、400、500、600、700、800及び900による例に対して実施され得る。説明の簡略化のため、処理を一連のブロックとして図示及び記載するが、あるブロックはここに図示及び記載されるものとは異なる順序で及び/又は他のブロックと同時に行われ得るので、特許請求の範囲に記載される事項はブロックの順序によっては限定されないことが理解及び把握されるべきである。さらに、以降に記載される方法を実施するのに、記載されたブロックがすべて必要とはならないこともある。
【0095】
図13は、ここに記載される誘電体導波路カプラを用いて送波を送信するための方法の例示の非限定的な実施形態のフロー図を示す。方法1300は、第1の電磁波が送信デバイスによって導波路の導波路表面を少なくともある程度伝搬する誘導波として放射される1302で始まり、導波路の導波路表面は配線の配線表面の全体又は大部分を囲んでいない。送信機によって生成される送波は、基地局デバイス、アクセスポイント、ネットワーク、移動体デバイス又は他の信号源から受信される信号に基づいていればよい。
【0096】
1304において、導波路を配線近傍に構成又は位置決めすることに基づいて、誘導波は第1の電磁波の少なくとも一部を配線表面に結合して、少なくとも部分的に配線表面の周囲に伝搬する第2の電磁波(例えば、表面波)を形成し、配線は導波路の近傍にある。これは、誘電体導波路の一部分(例えば、誘電体導波路の曲線の接線)を配線付近又はそれに平行に位置決めすることに応じて行われればよく、電磁波の波長は配線及び誘電体導波路の外周未満である。配線が湾曲又は屈曲しても、誘導波又は表面波は配線に対して平行なままである。曲げによって伝送損失が増加し、これは配線径、周波数及び材料にも依存する。配線と導波路の間の結合インターフェースはまた、ここに記載するように、所望のレベルの結合を実現するように構成されることができ、これは導波路と配線の間のインピーダンス整合を向上させる導波路の端部のテーパ化を含み得る。
【0097】
送信機によって放射される送波は、1以上の導波路モードを示し得る。誘導波モードは、導波路の形状及び/又は設計に依存し得る。配線上の伝搬モードは、導波路と配線との特性の相違に起因して導波路モードとは異なり得る。配線の外周が送波の波長と同等又はそれ以上の場合、誘導波は複数の波動伝搬モードを示す。したがって、誘導波は、2以上のタイプの電界及び磁界構成を備え得る。誘導波(例えば、表面波)が配線を伝搬する際に、電界及び磁界構成は配線の端部から端部まで実質的に同じであり、又は回転、分散、減衰又は他の効果によって送波が波動を移動するにつれて変化し得る。
【0098】
図14は、ここに記載される種々の形態による導波路システム1402の例示の非限定的な実施形態を示すブロック図である。導波路システム1402は、センサ1404、電力管理システム1405、導波路1406及び通信インターフェース1408を備え得る。
【0099】
導波路システム1402は、本開示において説明する実施形態によるデータ通信を促進するために電力線1410に結合され得る。例示の実施形態では、導波路1406は、本開示に記載される電力線1410の表面に沿って長手方向に伝搬する電力線1410の表面上の電磁波を誘起するために、
図5に示すようなシステム500の全部又は一部を備え得る。導波路1406を電力線1410に結合するための非限定的な技術を
図2〜4及び6に示す。導波路1406は、
図7〜8に示すように、同じ電力線1410で電磁波を再送信するため、又は電力線1410の間で電磁波を経路付けるための中継器としても作用し得る。
【0100】
通信インターフェース1408は、例示の実施形態において、
図5に示す通信インターフェース501を備え得る。通信インターフェース1408は、元の周波数で動作する信号を搬送周波数で動作する電磁波にアップコンバートするために導波路1406に結合し、電磁波は、
図5の誘電体502のような導波路1406の結合デバイスの表面を伝搬し、電力線1410の表面を伝搬する対応の電磁波を誘起する。電力線1410は、導電性表面又は絶縁表面を有する配線(例えば、単数撚り又は複数撚り)であればよい。通信インターフェース1408はまた、搬送周波数で動作する電磁波からその元の周波数での信号にダウンコンバートされた導波路1406から信号を受信することができる。
【0101】
アップコンバート用に通信インターフェース1408によって受信される信号は、限定することなく、通信インターフェース1408の有線又は無線インターフェースを介して中央局1411によって供給される信号、通信インターフェース1408の有線又は無線インターフェースを介して基地局1414によって供給される信号、通信インターフェース1408の有線又は無線インターフェースを介した配信のために移動体デバイス1420によって基地局1414に送信される無線信号、通信インターフェース1408の有線又は無線インターフェースを介して建造物内の通信デバイス1418によって供給される信号、及び/又は通信インターフェース1408の無線通信域でローミングする移動体デバイス1412によって通信インターフェース1408に供給される無線信号を含み得る。
図7〜8に示すように導波路システム1402が中継器として機能する実施形態では、通信インターフェース1408は、導波路システム1402に含まれなくてもよい。
【0102】
電力線1410の表面に沿って伝搬する電磁波は、データペイロードを含み、さらにネットワーク化情報(例えば、1以上の送信先導波路システム1402を識別するためのヘッダ情報など)を含むデータのパケット又はフレームを含むように変調及びフォーマットされ得る。ネットワーク化情報は、導波路システム1402、又は中央局1411、基地局1414、移動体デバイス1420若しくは建造物内デバイス1418又はその組合せなどの発信デバイスによって提供され得る。さらに、変調された電磁波は、信号の外乱を軽減するためのエラー訂正データを含み得る。ネットワーク化情報及びエラー訂正データは、それに向けられた送波を検出するため、並びに送信先導波路システム1402に通信可能に結合された受信者通信デバイスに向けられた音声及び/又はデータ信号を含む送波をエラー訂正データ送波とともにダウンコンバート及び処理するために、送信先導波路システム1402によって使用され得る。
【0103】
ここで導波路システム1402のセンサ1404を参照すると、センサ1404は、温度センサ1404a、外乱検出センサ1404b、エネルギー損失センサ1404c、ノイズセンサ1404d、振動センサ1404e、環境(例えば、気象)センサ1404f及び/又は画像センサ1404gの1以上を備え得る。温度センサ1404aは、周囲温度、導波路1406の温度、電力線1410の温度、温度差(例えば、1046と1410の間において設定点又は基準線と比較してなど)又はこの任意の組合せを測定するのに使用され得る。一実施形態では、温度メトリックが、基地局1414によって収集されてネットワーク管理システム1601に周期的に報告され得る。
【0104】
外乱検出センサ1404bは、電力線1410上で電磁波の伝搬を阻害し得るダウンストリームの外乱の存在を示し得る信号反射などの外乱を検出する測定を電力線1410上で実行することができる。信号の反射は、例えば、導波路1406からダウンストリームに位置する電力線1410における外乱から導波路1406に全体的に又はある程度反射して戻す導波路1406によって電力線1410から送信される電磁波から生じる歪となり得る。
【0105】
信号の反射は、電力線1410上の障害物によってもたらされ得る。例えば、木の枝が電力線1410にかかると、又はコロナ放電1502をもたらし得る電力線1410に近接すると、
図15Aに示す木の枝によって電磁波の反射が生じ得る。電磁波の反射をもたらし得る障害物の他の例示は、限定することなく、
図15(C)に示すような電力線1410上に延びた物体1506(例えば、布、靴紐とともに電力線1410の周囲に巻かれた靴など)、
図15(F)に示すような電力線1410上の腐食堆積物1512、又は
図15(G)に示すような氷の堆積物1514を含み得る。電力グリッドの構成要素も、電力線1410の表面の電磁波の伝送と干渉し得る。信号の反射をもたらし得る電力グリッドの構成要素の例示は、限定することなく、
図15(B)に示す変圧器1504及び
図15(E)に示すようなスプライス電力線を接続するための接合部1510を含む。
図15(D)に示すような電力線1410上の鋭角部1508によっても電磁波の反射が生じ得る。
【0106】
外乱検出センサ1404bは、電磁波反射の大きさを、導波路1406によって送信された元の電磁波の大きさと比較して電力線1410におけるダウンストリーム外乱がどれだけ送波を減衰させるかを特定する回路を備え得る。外乱検出センサ1404bは、反射波についてのスペクトル解析を実行するためのスペクトルアナライザ回路をさらに備えてもよい。スペクトルアナライザ回路によって生成されるスペクトルデータは、パターン認識、エキスパートシステム、カーブフィッティング、整合フィルタリング又は例えばスペクトルデータに最も近似して一致するスペクトルプロファイルに基づいて外乱のタイプを識別する他の人工知能、分類若しくは比較技術と比較され得る。スペクトルプロファイルは、外乱検出センサ1404bのメモリに記憶されてもよいし、外乱検出センサ1404bによって遠隔でアクセス可能であってもよい。プロファイルは、電力線1410において直面し得る異なる外乱をモデル化して外乱検出センサ1404bに外乱をローカルに識別可能とするスペクトルデータを備え得る。外乱の識別が、分かっている場合には、基地局1414によってネットワーク管理システム1601に報告され得る。外乱検出センサ1404bはまた、電磁波の反射についての往復時間を特定するテスト信号として電磁波を送信するのに導波路1406を利用することもできる。外乱検出センサ1404bによって測定される往復時間は、反射が起こる地点まで電磁波が伝搬する距離を計算するのに使用されてもよく、これにより、外乱検出センサ1404bは導波路1406から電力線1410におけるダウンストリームの外乱までの距離を計算することができる。
【0107】
計算された距離は、基地局1414によってネットワーク管理システム1601に報告され得る。一実施形態では、電力線1410上の導波路システム1402の位置がネットワーク管理システム1601に知られていてもよく、ネットワーク管理システム1601がそれを用いて、既知トポロジーの電力グリッドに基づいて電力線1410上の外乱の位置を特定することができる。他の実施形態では、導波路システム1402はその位置をネットワーク管理システム1601に提供して電力線1410上の外乱の位置の特定を補助することができる。導波路システム1402の位置は、導波路システム1402のメモリに記憶された導波路システム1402の事前にプログラムされた位置から導波路システム1402によって取得され、又は導波路システム1402は導波路システム1402に含まれるGPS受信機(不図示)を用いてその位置を特定することができる。
【0108】
電力管理システム1405は、導波路システム1402の上述の構成要素にエネルギーを供給する。電力管理システム1405は、太陽電池から若しくは電力線1410に結合された変圧器(不図示)から、又は電力線1410若しくは他の付近の電力線に誘導的に結合することによってエネルギーを受けることができる。電力管理システム1405はまた、導波路システム1402に瞬時電力を供給するためのバックアップバッテリ及び/又はスーパーコンデンサ若しくは他のコンデンサ回路を備えていてもよい。エネルギーセンサ1404cの損失は、導波路システム1402が電力条件の損失及び/又は他の何らかの不調の発生を有する場合を検出するのに使用され得る。例えば、エネルギー損失センサ1404cは、欠陥のある太陽電池に起因する電力の損失がある場合、太陽電池を誤作動させる太陽電池における障害物、電力線1410上の電力損失、及び/又はバックアップバッテリ切れ若しくはスーパーコンデンサの検出可能な欠陥に起因してバックアップ電力システムが誤作動する場合を検出することができる。電力の不調及び/又は損失が起こると、エネルギー損失センサ1404cは基地局1414によってネットワーク管理システム1601に通知することができる。
【0109】
ノイズセンサ1404dは、電力線1410上の電磁波の伝送に悪影響を及ぼし得る電力線1410におけるノイズを測定するのに使用され得る。ノイズセンサ1404dは、予期しない電磁干渉、ノイズバースト、又は電力線1410の表面の変調電磁波の送信を中断し得る他の外乱源を検知することができる。ノイズバーストは、例えば、コロナ放電又は他のノイズ源によってもたらされ得る。ノイズセンサ1404dは、測定ノイズを、ノイズプロファイルの内部データベースから、又はパターン認識、エキスパートシステム、カーブフィッティング、整合フィルタリング又は他の人工知能、分類若しくは比較技術を介してノイズプロファイルを記憶する遠隔配置されたデータベースから導波路システム1402によって取得されたノイズプロファイルと比較することができる。その比較から、ノイズセンサ1404dは、例えば、測定ノイズに最も近似する一致を与えるノイズプロファイルに基づいてノイズ源(例えば、コロナ放電又はその他)を特定し得る。ノイズセンサ1404dはまた、ビットエラーレート、パケット損失レート、ジッタ、パケット再送信要求などの伝送メトリックを測定することによってノイズがどれだけ伝送に影響を与えるかを検出することもできる。ノイズセンサ1404dは、とりわけノイズ源、それらの発生時間及び伝送メトリックのアイデンティティを基地局1414によってネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0110】
振動センサ1404eは、電力線1410における2D又は3D振動を検出する加速度計及び/又はジャイロスコープを含み得る。振動は、導波路システム1402においてローカルに記憶され、又はパターン認識、エキスパートシステム、カーブフィッティング、整合フィルタリング又は他の人工知能、分類若しくは比較技術を介して遠隔データベースから導波路システム1402によって取得され得る振動プロファイルと比較され得る。振動プロファイルは、例えば、測定された振動に最も近似する一致を与える振動プロファイルに基づいて、例えば、倒木を突風から区別するのに使用され得る。この解析の結果は、基地局1414によってネットワーク管理システム1601に対して振動センサ1404eによって報告され得る。
【0111】
環境センサ1404fは、とりわけ、気圧、周囲温度(温度センサ1404aによって提供され得る)、風速、湿度、風向き及び降雨を測定するためのバロメータを含み得る。環境センサ1404fは、元の情報を収集し、それを導波路システム1402のメモリ又は遠隔データベースから取得され得る環境プロファイルと比較することによってこの情報を処理して、それらがパターン認識、エキスパートシステム、知識に基づくシステム又は他の人工知能、分類若しくは他の気象モデル化及び予測技術を介して生じる前に気象条件を予測することができる。環境センサ1404fは、元のデータ、そしてその解析をネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0112】
画像センサ1404gは、導波路システム1402付近の画像を撮影するためのデジタルカメラ(例えば、電荷結合デバイスすなわちCCDイメージャ、赤外線カメラなど)であればよい。画像センサ1404gは、複数の全体像(例えば、上面、底面、左面、右面など)から電力線1410を検査するためのカメラの動き(例えば、実際の位置又は焦点/ズーム)を制御する電気機械的な機構を含み得る。代替的に、画像センサ1404gは、複数の全体像を取得するために電気機械的な機構を必要としないように設計されてもよい。画像センサ1404gによって生成される画像データの収集及び取得はネットワーク管理システム1601によって制御されてもよいし、又は画像センサ1404gによって自動的に収集されてネットワーク管理システム1601に報告されるようにしてもよい。
【0113】
電力線1410(又は他の任意の形態の電磁波の伝送媒体)の電磁波の伝送を阻害し得る外乱を検出、予測及び/又は軽減するための導波路システム1402及び/又は電力線1410に関連する遠隔測定情報を収集するのに適した他のセンサが、導波路システム1402によって利用され得る。
【0114】
図16は、ここに記載される種々の形態による、電力グリッド1603及びそこに組み込まれた通信システム1605を管理するためのシステム1600の例示の非限定的な実施形態を示すブロック図である。通信システム1605は、電力グリッド1603の電力線1410に結合された複数の導波路システム1402を備える。通信システム1605において使用される導波路システム1402の少なくとも一部分は、基地局1414及び/又はネットワーク管理システム1601との直接通信状態にある。基地局1414又はネットワーク管理システム1601に直接接続されていない導波路システム1402は、基地局1414又はネットワーク管理システム1601に接続された他のダウンストリーム導波路システム1402によって基地局1414又はネットワーク管理システム1601のいずれかとの通信セッションに加わることができる。
【0115】
ネットワーク管理システム1601は、電力グリッド1603及び通信システム1605に関連する状態情報を各エンティティに提供するために、それぞれ電力会社1602の機器及び通信サービスプロバイダ1604の機器に通信可能に結合され得る。ネットワーク管理システム1601、電力会社1602の機器及び通信サービスプロバイダ1604は、電力会社の職員1606によって利用される通信デバイス及び/又は通信サービスプロバイダの職員1608によって利用される通信デバイスに対して、状態情報を提供するため並びに/又はそのような職員を電力グリッド1603及び/若しくは通信システム1605の管理に向けるために、アクセスすることができる。
【0116】
図17Aは、
図16のシステム1600の通信ネットワークにおいて発生する外乱を検出及び軽減するための方法1700の例示の非限定的な実施形態のフロー図を示す。方法1700は、導波路システム1402が、電力線1410の表面に沿って伝搬する変調された電磁波又は他のタイプの電磁波に埋め込まれ、若しくはその部分を形成するメッセージを送信及び受信するステップ1702で開始する。メッセージは、ボイスメッセージ、ストリーミングビデオ、及び/又は通信システム1605に通信可能に結合された通信デバイス間で交換される他のデータ/情報であればよい。ステップ1704において、導波路システム1402のセンサ1404は、検知データを収集することができる。一実施形態では、ステップ1702におけるメッセージの送信及び/若しくは受信の前、その最中又はその後にステップ1704において、検知データが収集されてもよい。ステップ1706において、導波路システム1402(又はセンサ1404自体)が、導波路システム1402で発生し(例えば、それによって送信され)又はそれによって受信される通信に影響し得る通信システム1605における実際の又は予測された外乱の発生を検知データから特定することができる。導波路システム1402(又はセンサ1404)は、温度データ、信号反射データ、エネルギー損失データ、ノイズデータ、振動データ、環境データ又はその組合せを処理してこの決定を下すことができる。導波路システム1402(又はセンサ1404)はまた、外乱源及び/又は通信システム1605におけるその位置を検出、特定、推定又は予測し得る。外乱がステップ1708において検出/特定も予測/推定もされない場合、導波路システム1402は、電力線1410の表面に沿って伝搬する変調された電磁波に埋め込まれ、又はその部分を形成するメッセージを送信及び受信し続けるステップ1702に進む。
【0117】
ステップ1708において外乱が発生したと検出/特定又は予測/推定された場合、導波路システム1402は、外乱が通信システム1605におけるメッセージの送信又は受信に悪影響を与えるか(あるいは、悪影響を与える可能性があるか、又は悪影響を及ぼし得る程度)を判定するステップ1710に進む。一実施形態では、継続時間閾値及び発生頻度閾値がステップ1710において用いられて、外乱が通信システム1605における通信に悪影響を与える場合を特定することができる。説明の目的のみで、継続時間閾値が500msに設定され、発生頻度閾値が10秒の観測期間に5回の外乱の発生に設定されるものとする。したがって、500msよりも長い継続時間を有する外乱が、継続時間閾値をトリガすることになる。さらに、10秒の時間間隔において5回よりも多い何らかの外乱の発生が発生頻度閾値をトリガすることになる。
【0118】
一実施形態では、外乱は、継続時間閾値のみを超える場合に通信システム1605における信号の完全性に悪影響を与えるものとしてもよい。他の実施形態では、外乱は、継続時間閾値及び発生頻度閾値の双方を超える場合に通信システム1605における信号の完全性に悪影響を与えるものとしてもよい。したがって、通信システム1605における信号の完全性に悪影響を与える外乱を分類することについて、後者の実施形態は、前者の実施形態よりも保守的である。多数の他のアルゴリズム並びに関連のパラメータ及び閾値が、例示の実施形態によってステップ1710について利用され得ることが分かるはずである。
【0119】
方法1700に戻り、ステップ1710において、ステップ1708で検出された外乱が、悪影響を受ける通信の条件を満たさない(例えば、継続時間閾値も発生頻度閾値も超えない)場合、導波路システム1402はステップ1702に進み、メッセージの処理を継続し得る。例えば、ステップ1708において検出される外乱が10秒の期間に1回の発生で1msの継続時間を有する場合は、いずれの閾値も超えない。結果として、そのような外乱は通信システム1605における信号完全性にわずかな影響しか有さないとみなすことができ、したがって軽減を要する外乱としてフラグが立てられることはない。フラグは立てられないが、外乱の発生、その発生時間、その発生頻度、スペクトルデータ及び/又は他の有用な情報が、監視の目的で遠隔測定データとしてネットワーク管理システム1601に報告されてもよい。
【0120】
ステップ1710に戻り、一方で、悪影響を受ける通信の条件を外乱が満たす(例えば、閾値の一方又は両方を超える)場合、導波路システム1402はステップ1712に進み、その事象をネットワーク管理システム1601に報告し得る。報告は、センサ1404によって収集された元の検知データ、導波路システム1402によって既知の場合には外乱の説明、外乱の発生時間、外乱の発生頻度、外乱に対応付けられる位置、ビットエラーレート、パケット損失レート、再送信要求、ジッタ、待ち時間などのパラメータ読取り値などを含み得る。外乱が導波路システム1402の1以上のセンサによる予測に基づく場合、報告は、想定される外乱のタイプ、並びに予測可能な場合には、予測が導波路システム1402のセンサ1404によって収集された履歴上の検知データに基づく場合、外乱の予想発生時間、及び予測される外乱の予想発生頻度を含み得る。
【0121】
ステップ1714において、ネットワーク管理システム1601は、軽減、迂回又は補正技術を決定することができ、これは、外乱の位置が特定され得る場合に外乱を迂回するように導波路システム1402にトラフィックを経路変更させることを含み得る。一実施形態では、外乱を検出する導波路システム1402は、
図18Aに示すような中継器1802に、外乱の影響を受ける主電力線1804から副電力線1806に導波路システム1402を接続させて、導波路システム1402がトラフィックを異なる伝送媒体に経路変更し、外乱1801を回避することを可能とする。導波路システム1402が中継器1802などの中継器として構成される実施形態では、導波路システム1402はそれ自体で、主電力線1804から副電力線1806へのトラフィックの経路変更を実行することができる。また、双方向通信(例えば、全二重又は半二重通信)について、中継器1802は、導波路システム1402による処理のために、副電力線1806から主電力線1804にトラフィックを経路変更して戻すように構成され得る。
【0122】
他の実施形態では、導波路システム1402は、外乱のアップストリームに配置された第1の中継器1812及び外乱のダウンストリームに配置された第2の中継器1814に指示することによってトラフィックを再方向付けして、
図18Bに示すように外乱1801を回避する態様で主電力線1804から一時的に副電力線1806にトラフィックを再方向付けしてから主電力線1804に戻す。また、双方向通信(例えば、全二重又は半二重通信)について、中継器1812及び1814が、副電力線1806から主電力線1804にトラフィックを経路変更して戻すように構成され得る。
【0123】
副電力線1806で発生している既存の通信セッションを中断することを回避するために、ネットワーク管理システム1601は、データ及び/又は音声トラフィックを主電力線1804から離れるように再方向付けて外乱1801を迂回するために、(
図18A〜18Bの実施形態における)導波路システム1402に、副電力線1806の未使用のタイムスロット及び/又は周波数帯を利用するように中継器に指示させる。
【0124】
ステップ1716において、トラフィックが経路変更されて外乱を回避する間に、ネットワーク管理システム1601は電力会社1602の機器及び/又は通信サービスプロバイダ1604の機器に通知することができ、それは同様に、検出された外乱及び分かる場合にはその位置を電力会社1606の職員及び/又は通信サービスプロバイダ1608の職員に通知することができる。いずれかの団体からの現場要員が出向いて、特定された外乱位置において外乱を解消させることができる。電力会社の職員及び/又は通信サービスプロバイダの職員によって外乱が除去され、あるいは軽減されると、その職員は、ネットワーク管理システム1601に通信可能に結合された現場機器(例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォンなど)並びに/又は電力会社の及び/若しくは通信サービスプロバイダの機器を利用して、彼らのそれぞれの会社及び/又はネットワーク管理システム1601に通知することができる。通知は、外乱がどのように軽減されたかの説明、及び通信システム1605のトポロジーを変化させ得る電力線1410への何らかの変化を含み得る。
【0125】
外乱が解消されると、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1720において導波路システム1402に、導波路システム1402に使用された以前の経路構成を回復させ、又は外乱を軽減するのに使用された回復戦略が通信システム1605の新たなネットワークトポロジーをもたらす場合に新たな経路構成に従ってトラフィックを経路付けさせることができる。他の実施形態では、導波路システム1402は、いつ外乱が除去されたかを特定するように電力線1410にテスト信号を送信することによって外乱の軽減を監視するように構成され得る。外乱がないことを導波路1402が検出すると、それは、通信システム1605のネットワークトポロジーが変化していないと判定した場合に、ネットワーク管理システム1601の補助なしにその経路構成を自律的に回復することができ、又は検出された新たなネットワークトポロジーに適合する新たな経路構成を利用することができる。
【0126】
図17Bは、
図16のシステム1600の通信ネットワークにおいて発生している外乱を検出及び軽減するための方法1750の例示の非限定的な実施形態のフロー図を示す。一実施形態では、方法1750は、ネットワーク管理システム1601が電力会社1602の機器又は通信サービスプロバイダ1604の機器から保守計画に関連する保守情報を受信するステップ1752で始まる。ネットワーク管理システム1601は、ステップ1754において、保守情報から保守計画中に実行される保守活動を特定することができる。これらの活動から、ネットワーク管理システム1601は、保守(例えば、電力線1410の計画された交換、電力線1410上の導波路システム1402の計画された交換、電力グリッド1603における電力線1410の計画された再構成など)から生じる外乱を検出することができる。
【0127】
他の実施形態では、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1755において、1以上の導波路システム1402からの遠隔測定情報を受信することができる。遠隔測定情報は、とりわけ、遠隔測定情報を提出する各導波路システム1402のアイデンティティ、各導波路システム1402のセンサ1404によって取得される測定値、予測され、推定され、又は各導波路システム1402のセンサ1404によって検出された実際の外乱、各導波路システム1402に関連する位置情報、検出された外乱の推定位置、外乱の特定などを含み得る。ネットワーク管理システム1601が、導波路の動作、配線表面に沿う電磁波の送信又はその両方に不利となり得る外乱のタイプを遠隔測定情報から特定することができる。ネットワーク管理システム1601はまた、複数の導波路システム1402からの遠隔測定情報を用いて外乱を遮断及び特定することができる。さらに、ネットワーク管理システム1601は、影響される導波路システム1402付近の導波路システム1402に遠隔測定情報を要求して、他の導波路システム1402から同様の遠隔測定情報を受信することによって外乱の位置を三角測量し、及び/又は外乱の特定を認証することができる。
【0128】
さらに他の実施形態では、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1756において、保守現場要員から計画外の活動報告を受信することができる。計画外の保守は、計画されていない現場の要求の結果として、又は現場の要求若しくは計画された保守活動中に発見された予想外の現場での問題の結果として発生し得る。活動報告は、通信システム1605及び/又は電力グリッド1603において発見された問題に対処する現場要員によってもたらされる電力グリッド1603のトポロジー構成に対する変化、1以上の導波路システム1402(その交換又は修理など)への変化、もしあれば実行された外乱の軽減などを特定することができる。
【0129】
ステップ1758において、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1752から1756に従って受信された報告から、保守計画に基づいて外乱が発生するのか、遠隔測定データに基づいて外乱が発生したのか若しくは発生することが予測されるのか、又は現場活動報告において特定された計画外保守に起因して外乱が発生したのかを判定することができる。これらの報告のいずれからも、ネットワーク管理システム1601は、検出又は予測された外乱が、影響された導波路システム1402又は通信システム1605の他の導波路システム1402によるトラフィックの経路付けを要するかを判定することができる。
【0130】
ステップ1758において外乱が検出又は予測された場合に、ネットワーク管理システム1601は、1以上の導波路システム1402に、トラフィックを経路変更させて
図18A又は18Bの説明と同様の外乱を迂回するステップ1760に進む。電力グリッド1603の恒久的なトポロジー変化に起因して外乱が恒久的である場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1770に進み、ステップ1762、1764、1766及び1772を飛ばす。ステップ1770において、ネットワーク管理システム1601は、1以上の導波路システム1402に、新たなトポロジーに適合する新たな経路構成を使用させることができる。一方、1以上の導波路システム1402によって供給される遠隔測定情報から外乱が検出された場合、ネットワーク管理システム1601は電力会社1606又は通信サービスプロバイダ1608の保守要員に外乱の位置、分かる場合には外乱のタイプ、及びその職員が外乱を軽減するのに役立ち得る関連の情報を通知することができる。外乱が保守活動に起因すると予想される場合、ネットワーク管理システム1601は、1以上の導波路システム1402に(保守計画に従う)所与の計画でトラフィック経路を再構成させて、保守期間中の保守活動によって生じる外乱を回避することができる。
【0131】
ステップ1760に戻り、それが完了すると、処理はステップ1762を継続し得る。ステップ1762において、ネットワーク管理システム1601は、外乱が現場要員によって軽減された時を監視することができる。外乱の軽減は、現場機器(例えば、ラップトップコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ/デバイス)を利用して通信ネットワーク(例えば、セルラ通信システム)を介して現場要員によってネットワーク管理システム1601に提出された現場報告を解析することによってステップ1762において検出され得る。外乱が軽減されたことを現場要員が報告した場合、ネットワーク管理システム1601はステップS1764に進んで外乱を軽減するのにトポロジーの変化を要したかを現場報告から判定することができる。トポロジーの変化は、電力線1410を経路付けすること、導波路システム1402を再構成して異なる電力線1410を利用すること、あるいは代替のリンクを利用して外乱を迂回することなどを含み得る。トポロジーの変化が起こった場合、ステップ1770において、ネットワーク管理システム1601は、1以上の導波路システム1402に、新たなトポロジーに適合する新たな経路構成を使用させることができる。
【0132】
一方、トポロジーの変化が現場要員によって報告されなかった場合、ネットワーク管理システム1601は、1以上の導波路システム1402にテスト信号を送信させて、検出された外乱以前に使用されていた経路構成をテストするステップ1766に進む。テスト信号は、外乱の付近において影響を受けた導波路システム1402に送信され得る。テスト信号は、信号の外乱(例えば、電磁波の反射)が導波路システム1402のいずれかによって検出されたのかを判定するのに使用され得る。以前の経路構成が以前に検出された外乱を受けなくなったことがテスト信号によって確認される場合には、ステップ1772において、ネットワーク管理システム1601は、影響を受けた導波路システム1402に以前の経路構成を回復させる。一方、1以上の導波路システム1402によって解析されてネットワーク管理システム1601に報告されたテスト信号が外乱又は新たな外乱が存在することを示す場合には、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1768に進み、現場要員にこの情報を報告して現場での問題にさらに対処することになる。ネットワーク管理システム1601は、この状況において、ステップ1762において外乱の軽減を監視し続ける。
【0133】
前述の実施形態では、導波路システム1402は、電力グリッド1603における変化及び/又は外乱の軽減に自己適合するように構成され得る。すなわち、1以上の影響を受けた導波路システム1402は、外乱の軽減を自己監視し、ネットワーク管理システム1601によって命令がそれらに送信されることを要さずにトラフィック経路を再構成するように構成され得る。この実施形態では、自己構成可能な1以上の導波路システム1402が、ネットワーク管理システム1601が通信システム1605の通信トポロジーのマクロレベルの視点を維持することができるように、その経路選択をネットワーク管理システム1601に通知することができる。
【0134】
図17A及び17Bにおいては説明の簡略化のためにそれぞれの処理を一連のブロックとしてそれぞれ図示及び記載したが、あるブロックはここに図示及び記載されるものとは異なる順序で及び/又は他のブロックと同時に行われ得るため、請求項に記載される事項はブロックの順序によっては限定されないことが理解及び把握される。さらに、ここに記載される方法を実施するのに、記載されるすべてのブロックが必要となるわけではない。
【0135】
図19は、
図20の通信システムにおける障害を緩和するための方法1900の例示の非限定的な実施形態のフロー図を示す。方法1900は、ステップ1902において始まり、
図14に示すような導波路システムが、
図20の符号2030によって図示される主通信リンク(ここでは主通信リンク2030という)における障害を検出する。ロングホール通信について、主通信リンク2030は、電力グリッドの高圧電線(例えば、100kV〜138kV)、極高圧電線(例えば、230kV〜800kV)又は超高圧電線(例えば、800kV超)を表す。一般に、そのような電力線は、一実施形態では安全上の理由から電柱の高い場所に配置され、木の枝からの障害の可能性を低減する。ショートホール通信(例えば、都会、郊外又は田舎の地域)について、主通信リンク2030は、中圧電線(例えば、4kV〜69kV)を表し、一般に低圧電線、電話線及び/又は同軸ケーブル線の上部に位置する。したがって、主通信リンク2030は例示の実施形態から逸脱することなく同様に電柱上の種々の位置にある非高圧(例えば、中圧又は低圧)電線を含み得ることが分かるはずである。
【0136】
しかし、木の枝からの障害はそのような電線で起こり得るものであり、それは前述したように
図14に示す導波路システムのセンサによって検知され得る。一般に、障害は、データを搬送して主通信リンク2030の表面を伝搬する電磁波の送信又は受信に悪影響を及ぼし得る導波路システムのセンサによって検知又は検出される何らかの外乱であり得る。データの非限定的な説明は、音声通信サービス、インターネットサービス、ブロードキャストビデオサービス、コンテンツの配信を制御するため及び/又は音声及び/若しくはデータ通信セッションを確立するための制御データ、他のネットワークからの音声若しくはデータ通信、又はその任意の組合せにおける他のタイプのデータサービスを含み得る。
【0137】
ステップ1904において、導波路システム1402は、
図14及び16に示すようなネットワーク管理システム1601に障害又はそれに関連する情報を報告することができる。例えば、導波路システム1402は、障害のタイプ、障害の位置、品質メトリクス(ここに記載される)及び/又は信号強度、信号損失、遅延時間、パケット損失などを含む障害に関連する他の通信パラメータ情報を識別し得る。一実施形態では、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1906において、主通信リンク2030における障害の場合にバックアップ通信サービスを提供する1以上のバックアップ通信媒体又はリンクを導波路システム1402に選択させることによって退避アクションをとることができる。他の実施形態では、導波路システム1402は、ステップ1906において1以上のバックアップ通信媒体又はリンクを選択することによって通信サービスをアクティブに維持するように退避アクションを自律的にとることができる。導波路システム1402は、選択基準に基づいてバックアップ通信媒体又はリンクを選択するように構成され得る。選択基準は、バックアップ通信媒体がバックアップ通信サービスに適することを検証するのに使用され得る品質メトリクスを含み得る。品質メトリクスは、限定することなく、所望の通信帯域幅、所望のサービス品質(QoS)、所望の信号対ノイズ比、所望のビットエラーレート性能、所望のパケット損失性能、所望のデータスループット、所望のジッタ性能、所望の遅延時間性能などを含み得る。
【0138】
図20の符号2006、2008又は2010のいずれかによって示され得る導波路システム(ここでは、導波路システム2006、2008又は2010という)は、バックアップ通信サービスを開始するための複数の選択肢を有し得る。例えば、導波路システム2006は、
図14の符号1408などの通信インターフェースに結合され得るアンテナ2012を有して、基地局2002、基地局2004、又はアンテナ2012との無線通信インターフェースを展開する導波路システム2008などの他の導波路システムとの無線通信(例えば、LTE、WiFi、4/5G又はその他)に導波路システム2006が関与することを可能とすることができる。したがって、導波路システム2006は、第1の無線リンクを介して基地局2002にデータを再方向付けることができる。基地局2002は、同様に、第2の無線リンクを介して導波路システム2008にデータを再方向付けることができる。そして、導波路システム2008は、主リンク2030を伝搬する電磁波を用いてデータを再送信することができる。
【0139】
同様に、導波路システム2006は、第1の無線リンクを介して第1の基地局2004にデータを再方向付けることができる。基地局2004は、同様に、高速有線リンク2013(例えば、ファイバ)を介して地上線ネットワーク2020にデータを再方向付けすることができる。地上線2020はまた、他の高速リンク2013を介してローカル基地局2014(例えば、マイクロセル)にデータを再方向付けすることができる。そして、ローカル基地局2014は、主通信リンク2030を伝搬する電磁波を用いてデータを再送信する導波路システム2010にデータを供給することができる。さらに、導波路システム2006は、無線リンクを介して導波路システム2008にデータを再方向付けすることができる。そして、導波路システム2008は、主通信リンク2030を伝搬する電磁波を用いてデータを再送信することができる。
【0140】
上記例示の実施形態の各々では、データは導波路システム2006によってバックアップ通信媒体又はリンクに送信され、それにより、障害によって影響を受けていない主通信リンク2030の一部分にデータが再方向付けされて戻る。主通信リンク2030の影響を受けていない部分は、ネットワーク管理システム1601によって識別され得る。ネットワーク管理システム1601は、同様に、導波路システム2006によって選択されたバックアップ通信媒体の通信ノードでトラフィックのフローを調整して、主通信リンク2030の影響を受けていない部分にデータを再方向付けして戻すことができる。
【0141】
しかし、バックアップ通信媒体又はリンクのいずれかに接続するのに無線リンクを用いると、実施形態によっては、影響を受けた主通信リンク2030の元の帯域幅容量よりも少ない帯域幅がもたらされてしまう。そのような実施形態では、導波路システム2006は、方法1900によってステップ1920、1922及び1924で対処されるように、選択されたバックアップ通信媒体を介して再送信を適合させるのにデータの帯域幅を調整することが必要となり得る。帯域幅調整の必要性を減少させ、又はなくすために、導波路システム2006は、複数の無線バックアップ通信媒体を選択して、選択されたバックアップ通信媒体間でデータの部分を分散することによって、データの帯域幅を調整する必要性を緩和することができる。
【0142】
導波路システム2006は、無線バックアップリンクに加えて、線2040など、その付近にある影響を受けていない線に結合され得る(導波路システム2006に取り込まれた)導波路2005を用いることができ、それは、バックアップ通信サービスを提供するための副通信リンク(ここでは副通信リンク2040という)として作用し得る。ロングホール通信について、副通信リンク2040は、2以上の高圧電線が利用可能である場合には他の高圧電線、又は利用可能であれば中圧電線を表し得る。ショートホール通信(例えば、都会、郊外又は田舎の地域)について、副通信リンク2040は、電力を商用及び/若しくは住宅用施設に流通するための低圧電線(例えば、240Vなど、1000ボルト未満)、電話線又は同軸ケーブル線を表し得る。説明の便宜上、線2040は、電力線であるものとし、したがって電力線2040という。なお、ただし、線2040は、導波路システム2006にアクセス可能な電話線又は同軸ケーブルなどの非電力線であってもよい。なお、低圧電線、電話線又は同軸ケーブル線は、一般に中圧電線の下に配置されるので、副通信リンク2040の表面上の電磁波の送信又は受信に悪影響を及ぼす外乱の原因となり得る木の枝などの障害物に対してより影響されやすくなる。
【0143】
副通信リンク2040によって導波路システム2006が導波路システム2008と通信することが可能となり、これはまた、そこに取り込まれて副通信リンク2040に結合される導波路2009を有する。この構成では、副通信リンク2040が、導波路システム2006と導波路システム2008の間に発生し得る主通信リンク2030における障害を迂回するのに使用され得る。この説明では、導波路システム2008は、導波路システム2006によって検出された障害によって影響を受けていない主通信リンク2030の一部分に通信サービスを再確立して戻すことができる。ただし、主通信リンク2030での障害が導波路システム2006及び導波路システム2008の双方に影響を及ぼす場合、導波路システム2006は副通信リンク2040を用いてローカル基地局2014と通信することができ、それは、
図14に示すようなそれ自体の導波路システムとともに、データを搬送して副通信リンク2040の表面を伝搬する電磁波を受信及び送信するように構成され得る。ローカル基地局2014は、同様に、主通信リンク2030へのその送信をダウンストリームの導波路システム(不図示)に再方向付けすることができる導波路システム2010にデータを供給することができる。
【0144】
また、データは、副通信リンク2040にいくつかの態様で再方向付けされ得る。一実施形態では、主通信リンク2030を伝搬する電磁波は、副通信リンク2040に再方向付けされ得る。これは、導波路2005の一端を副通信リンク2040に接続し、導波路2005の他端を主通信リンク2030の影響を受けていない部分に接続することによって実現され得る。この構成では、主通信リンク2030を流れる電磁波が導波路2005によって副通信リンク2040に再方向付けされ、副通信リンク2030を流れる電磁波が導波路2005によって主通信リンク2040に再方向付けされ得る。
【0145】
一実施形態では、主通信リンク2030の方向又は副通信リンク2040の方向に導波路2005を介して伝搬する電磁波が増幅されることはない。例えば、導波路2005は、いずれの方向でも導波路2005を介して流れる電磁波を修正するための能動回路がない主及び副通信リンク2030及び2040の両端にそれぞれ結合された受動誘電体導波路デバイスとなり得る。代替的に、1以上の増幅器が、主通信リンク2030の方向及び/又は副通信リンク2040の方向に導波路2005を介して伝搬する電磁波を増幅するように導波路2005に付加されてもよい。例えば、導波路2005は、主通信リンク2030の方向に伝搬する電磁波を増幅する能動回路及び/又は副通信リンク2040の方向に伝搬する電磁波を増幅する能動回路を含み得る。
【0146】
さらに他の実施形態では、導波路デバイス2005は、
図9に示すような能動回路を利用して、主通信リンク2030において伝搬する電磁波に含まれるデータを抽出して副通信リンク2040に送信される新たな電磁波で同じデータを再送信することができる
図8に示すような中継器によって表され得る。同様に、
図9の回路が、副通信リンク2040において伝搬する電磁波に含まれるデータを抽出して、主通信リンク2030に送信される新たな電磁波で同じデータを再送信するのに使用され得る。
【0147】
さらに他の実施形態では、導波路システム2006はまた、導波路システム2006をローカル基地局2015(例えば、マイクロセル)に結合するリンク2007を含み得る。リンク2007は、導波路システム2006がデータをローカル基地局2015に再方向付けすることを可能とするファイバリンクなどの高速通信リンクであればよく、それは、同様に、主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すためにそのような信号を導波路システム2010に示すことができる他のローカル基地局2014にデータを同様に供給する地上線ネットワーク2020にデータを方向付けることができる。
【0148】
上記説明に基づいて、導波路システム2006は、ステップ1906において、その帯域幅の必要性に応じて1以上のバックアップ通信媒体又はリンクを選択するためのいくつかの選択肢を有し、それは(1)導波路システム2006が導波路システム2010を介して主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことを可能とする高速リンク2007を介したローカル基地局2015への有線接続、(2)導波路システム2006が導波路システム2008を介して主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことを可能とする導波路システム2006の導波路2005を介した副通信リンク2040への接続、(3)導波路システム2006がローカル基地局2014を用いて導波路システム2010を介して主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことも可能とする導波路システム2006の導波路2005を介した副通信リンク2040への接続、(4)導波路システム2006が導波路システム2008を介して主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことを可能とする基地局2002への無線リンク、(5)導波路システム2006がローカル基地局2014を用いて導波路システム2010を介して主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことを可能とする基地局2004への無線リンク、及び(6)主通信リンク2030にデータを再方向付けして戻すことができる導波路システム2008への無線リンクを含む。
【0149】
導波路システム2006が1以上のバックアップ通信リンクを選択すると、ステップ1908に進み、特定のバックアップ通信リンクが電力グリッドの部分であるか、その他(例えば、ローカル基地局への無線リンク又は有線リンク)であるのかを判定することができる。2以上のバックアップ通信リンクが導波路システム2006によって選択されることが可能であるため、ステップ1910及び1914は、電力グリッドのバックアップリンク、バックアップ無線リンク及び/又はローカル基地局へのバックアップ有線リンクの各インスタンスに対して同時に又は順次発動され得る。
【0150】
電力グリッドのバックアップリンクについて、導波路システム2006は、副通信リンク2040の電磁波テスト信号を送信するように構成され得る。電磁波テスト信号は、導波路システム2008及び/又はローカル基地局2014(集積導波路システムを有するものとする)によって受信され得る。テスト信号は、導波路システム2008及び/又はローカル基地局2014によって解析され得る。テスト信号は、例えば、信号対ノイズ比、データスループット、ビットエラーレート、パケット損失レート、ジッタ、遅延時間、及び導波路システム2006によって選択基準と比較され得る他のメトリックについて測定され得る。テスト結果は、ステップ1912において導波路システム2008及び/又はローカル基地局2014によって副通信リンク2040を介して、又は導波路システム2008の場合には無線リンクを介して、並びにローカル基地局2014の場合には有線リンク2013及び2011を介して導波路システム2006に返信され得る。選択基準によって導波路システム2008及び/又はローカル基地局2014から返信されたテスト結果を解析することに加えて、導波路システム2006はまた、信号反射測定値及び本開示で説明した他の測定値などの副通信リンク2040に対して自律的なテストを実行することもできる。
【0151】
非電力系グリッドバックアップリンクについて、導波路システム2006は、使用される伝送媒体のタイプに適したテスト信号を送信することができる。無線リンクの場合、導波路システム2006は、無線テスト信号を基地局2002、基地局2004及び/又は導波路システム2008に送信することができる。導波路システム2006は、各無線リンクについての受信信号強度表示(RSSI)、各無線リンクについての信号対ノイズ比、データスループット、ビットエラーレート、パケット損失レート、及び各無線リンクの適性を判定するための選択基準に適用可能な他の測定値を判定することができる。テスト結果はまた、ステップ1912において、基地局2002及び2004から導波路システム2006によって並びに/又は無線リンクを介して導波路システム2008によって受信され得る。リンク2007などの有線(非電力系グリッド)リンクの場合、導波路2006は、導波路システム2010との通信をテストするためのテスト信号を送信することができる。同様に、テスト結果は、選択基準との比較のために、導波路システム2010及び/又は中間ノード(例えば、地上線ネットワーク2020及び/又はローカル基地局2015)から戻されて受信され得る。
【0152】
ステップ1916では、導波路システム2006は、導波路システム2006によって使用される選択基準に応じて、バックアップリンクがバックアップ通信サービスに適するか否かを評価することができる。バックアップリンクがバックアップ通信サービスに利用可能でないか適さない場合、導波路システム2006はステップ1918に進み、この問題を利用可能なバックアップリンクを介してネットワーク管理システム1601に報告し、ステップ1906において他のバックアップリンク(利用可能な場合)を選択することに進む。他のバックアップリンクが選択された場合、導波路システム2006は、前述したようなステップ1908〜1912を実行することができる。ステップ1916において1以上のバックアップリンクがバックアップ通信サービスに適するものと検証された場合には、導波路システム2006はステップ1920に進み、主通信リンク2030において使用される帯域幅をサポートしてデータを搬送するのにバックアップリンクが充分な帯域幅を提供するかを判定する。
【0153】
バックアップリンクが主通信リンク2030でのデータの送信に当初使用された帯域幅をサポートすることができない場合、導波路システム2006はステップ1922に進み、データの帯域幅を、それがバックアップリンクに適するように調整することができる。リアルタイム送波、例えば、リアルタイムオーディオ又はビデオ信号が存在する場合、トランスコーダは、調整された帯域幅に従うようにこれらのリアルタイム信号をコード変換してビットレートを低減することができる。他の実施形態では、非リアルタイム信号の送信レートは、データに含まれるリアルタイム信号に関連するサービスの品質を維持するように低減され得る。このステップでは、導波路システム2006は、データの帯域幅が調整されることを、利用可能なバックアップリンクを介してネットワーク管理システム1601に通知することができる。ネットワーク管理システム1601は、一実施形態では、通信帯域幅がバックアップサービスを適合させるために調整されなければならないことを、障害によって影響を受けたデバイスに(例えばバックアップリンクを介して)通知することができる。代替的に、導波路システム2006は、帯域幅の変化を影響されたデバイスにバックアップリンクを介して通知してもよい。
【0154】
ステップ1922において帯域幅が調整されると、導波路システム2006は、ステップ1924に進み、バックアップリンクを介してデータを再方向付けすることを開始することができる。帯域幅の調整が必要でない場合、導波路システム2006はステップ1926に進み、その元の帯域幅に従ってデータを再方向付けすることができる。他の実施形態では、バックアップリンクの帯域幅容量が主通信リンク2030でのデータの送信に当初使用された帯域幅に対応しない場合、導波路システム2006はステップ1906に進み、異なるバックアップリンクを選択することができる。
【0155】
一実施形態では、バックアップリンク(すなわち、副通信リンク)は、他の通信デバイス(例えば、導波路システム又は他の通信ノード)と共有され得る。一実施形態では、導波路システム2006は、他の通信デバイスによって使用される動作周波数とは異なるバックアップリンクを介してデータを送信及び受信するための動作周波数を選択するように構成され得る。他の実施形態では、導波路システム2006は、他の通信デバイスによって使用されるタイムスロット割当てとは異なるバックアップリンクを介してデータを送信及び受信するためのタイムスロット割当てを選択するように構成され得る。さらに他の実施形態では、導波路システム2006は、他の通信デバイスによって使用される1以上の動作周波数及び1以上のタイムスロット割当てとは異なるバックアップリンクを介してデータを送信及び受信するための1以上動作周波数及び1以上のタイムスロット割当ての組合せを選択するように構成され得る。
【0156】
バックアップリンクが、主通信リンク2030が障害によって影響を受けていない地点の電力グリッドへの通信アクセスを有する事例では、ステップ1928において、導波路システム2006は、導波路システム2006によって特定された電力グリッドにおける影響を受けていない位置において、又はネットワーク管理システム1601によって識別され、導波路システム2006に伝達された影響を受けていない位置において、バックアップリンクにおける1以上の通信ノードに、データを主通信リンク2030に再方向付けして戻させ、それによって障害を迂回させることができる。
【0157】
バックアップリンクの使用中に、ネットワーク管理システム1601は、本開示において前述したように電力又は通信会社の職員を向かわせて障害を解消することができる。ステップ1930において障害が解消されると、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1932において、導波路システム2006(及びバックアップリンクにおける他の通信ノード)に、障害を解消するのに使用される緩和戦略に従ってデータのルーティングを回復又は再構成させることができる。代替的に、導波路システム2006は、障害の緩和のために電力グリッドを監視し、以前のルーティング構成を再使用できるか、又は電力グリッドのネットワークトポロジーの検出可能な変化に基づいて新たなルーティング構成を使用しなければならないかを自律的に判定する。1以上の導波路システム2006によって検出された障害は、気象条件を原因とする断線した電力線、正常に動作していない変圧器又はその他に起因する停電の結果であり得ることが分かるはずである。ネットワーク管理システム1601はまた、1以上の導波路システム2006によってネットワーク管理システム1601に送信される障害通知に基づいて停電の緩和を調整するように使用され得る。副通信リンク(例えば、バックアップリンク)は、暗渠、地下電力線などのような地下伝送媒体であってもよいことが分かるはずである。
【0158】
説明の簡明化のためにそれぞれの処理が
図19における一連のブロックとして図示及び記載されたが、あるブロックは異なる順序で及び/又はここに図示及び記載されるものとは異なるブロックと同時に行われ得るので、特許請求の範囲に記載される事項はそのブロックの順序に限定されないことが理解及び把握されるべきである。さらに、ここに記載される方法を実施するのにすべての説明されるブロックが必要となるわけではない。なお、
図19の処理は、本開示に記載される実施形態のいずれか、例えば、
図18A及び18Bに示すような電力グリッドにおける外乱を迂回することに関する実施形態などを実行するように修正され得る。
【0159】
図21は、
図16の通信システム1605などの通信システムにおいて通信モードを調整するための方法2100の例示の非限定的な実施形態のフロー図を示す。方法2100は、電力線1410における、電力線1410上の電磁波通信に悪影響を及ぼす条件が導波路システム1402によって検出されるステップ2102で開始する。電力線1410上の電磁(EM)波通信に悪影響を及し得る条件は、限定ではなく、
図15に示す障害物など、導波路システム1402のセンサ1404によって検出可能な障害、現場職員による電力線1410の予定された保守、現場職員によって行われるアドホック保守、又は導波路システム1402及び/若しくはネットワーク管理システム1601によって検出可能若しくは特定可能な他の条件を含み得る。不利な条件が導波路システム1402によって検出又は特定される場合(ここでは、影響を受けた導波路システム1402という)、ステップ2104において、それらは影響を受けたネットワーク管理システム1402によって、及びおそらくは同じ条件を検出又は特定する他の隣接導波路システムによって、ネットワーク管理システム1601に報告され得る。
【0160】
ステップ2106において、通信モードは、ステップ2102において検出又は特定された不利な条件に従って、影響を受けた導波路システム1402によって自律的に選択され、又は影響を受けた導波路システム1402はネットワーク管理システム1601によって与えられる命令に従って基づく通信モードを選択し得る。不利な条件が現場職員による修復なしには軽減できず、影響を受けた導波路システム1402と他の導波路システム(例えば、落ちた電力線)との間の通信に条件が深刻に又は著しく通信に影響を及ぼす事例では、ステップ2108において選択される通信モードのタイプは、影響を受けた電力線1410又はその部分をまとめて回避するバイパスモードとなり得る。バイパスモードは
図19の方法1900に従って実施可能であり、ステップ2102において検出された不利な条件をバイパスするように副通信リンク(すなわち、バックアップリンク)が使用される。一方、バイパスモード(例えば、EM調整モード)なしに、影響を受けた導波路システム1402によって不利な条件が少なくともある程度軽減され得る場合には、導波路システム1402は、影響を受けた導波路システム1402によって送信又は受信される電磁波の特性を調整することを伴う(送信又は受信を実行する導波路システム1402の特性を調整することを含む)ステップ2106において、通信モードを選択することができる。
【0161】
図22Aは、例として、電力線1410の外表面を伝搬する電磁波2208の送信又は受信を劣化又は損傷させ得る障害物2210(例えば、スプライスされた電力線を接続するためのジョイント)を示す。ここに記載するように、導波路システム1402が、電磁波を送信することを伴う動作モードにある場合、それは、電磁波2208を形成するように電力線1410の外表面上に同様に結合する導波路2204の外表面を伝搬する電磁波2206の生成で開始する。一方、導波路システム1402が電磁波を受信するための動作モードにある場合、電力線1410を伝搬する電磁波2208は、ここにも記載される電磁波2206を形成する導波路2204の外表面に結合する。
【0162】
動作の各モードにおいて、
図22Aに示す障害物2210は、伝搬損失、又は
図16の通信システム1605における通信サービスの品質を低減し得る他の有害な影響をもたらし得る態様で、電磁波を減衰させ、電磁波の反射をもたらし、あるいは電磁波を劣化、減損又は変更することによって電磁波の伝搬に悪影響を及ぼし得る。これらの影響を軽減するために、影響を受けた導波路システム1402は、それによって送信又は受信される電磁波の特性を調整するように構成され得る。例えば、影響を受けた導波路システム1402は、それによって送信又は受信される電磁波の波動伝搬モードを調整することができる。一実施形態では、影響を受けた導波路システム1402は、電力線2202の外表面に同様に結合する導波路2204上の調整済み電磁波2216を同様の波長を有する電磁波2218として生成するように、電磁波の波長(及びしたがって対応の周波数)を調整することによって波動伝搬モードを調整することができる。例えば、影響を受けた導波路システム1402は、電力線1410を伝搬する電磁波が
図22Bに図示するような障害2210による減衰の影響を受けにくくなるようにするように、電磁波の波長を増加させることができる。
【0163】
障害2210によってもたらされる多数の影響に起因して、電磁波の波長を減少させることによって障害2210を通る電磁波の伝搬が改善する状況があり得ることが分かるはずである。したがって、影響を受けた導波路システム1410は、電磁波の波長を増加又は減少させることによって通信が改善するかをテストすることに関与し得る。
【0164】
影響を受けた導波路システム1402は、電磁波の基本モード、電磁波の1以上の非対称モード、電磁波の1以上の非対称モード(例えば、非基本モード)の空間方位、又はその任意の組合せを調整することによって、電磁波の波動伝搬モードを調整するように構成されてもよいことがさらに分かるはずである。基本モード、非対称モード又は非対称モードの空間方位を調整することは、これらのモードの波長を調整することをさらに含む。さらに、例えば、振幅、位相、エネルギーレベル、キャリア周波数、変調方式など、電磁波の他の特性が、影響を受けた導波路システム1402によって調整され得る。同様に、電磁波によって搬送されるデータとの関連で使用されるエラー訂正方式は、障害2210によって乱れたデータの部分を再構築する能力を改善するように、影響を受けた導波路システム1402によって調整され得る。したがって、前述した電磁波の調整及びエラー訂正手法における調整の任意の組合せが、ステップ2102において検出された不利な条件を緩和、消失及び/又は軽減するように、影響を受けた導波路システム1402によって実行され得る。
【0165】
上記調整のいずれかを有効化するために、影響を受けた導波路システム1402は、電力線1410に電磁波テスト信号を送信して、例えば、電磁波の波長を増加又は減少させること、基本及び/若しくは非対称モードを調整すること、エラー訂正手法を調整すること、並びに/又は他の波動/信号特性を調整することによって、影響を受けた電力線1410の通信が改善されるかを特定するように構成され得る。テストは、ループバック方式を用いてダウンストリームの導波路システムとの協働において実行されてもよく、それによって、例えば、ダウンストリームの導波路システムは、影響を受けた導波路システム1402がこれらの信号を解析することができるように、影響を受けた導波路システム1402によって送信されるテスト信号をループバックする。代替的に、ダウンストリームの導波路システムは、その終端インピーダンスを変化させてテスト信号の信号反射を故意に発生させ、導波路システム1402がその信号を解析できるようにする。さらに他の実施形態では、ダウンストリームの導波路システムは、測定を実行し、影響を受けた導波路システム1402にその測定値を解析のためのフィードバックデータとして通信して戻すようにしてもよい。他の実施形態では、解析はまた、テスト信号の未受信又はそれに関連する損失を解析することに基づいていてもよい。さらに、予測的解析又は推定的解析が、テスト信号の受信若しくは未受信又はそれに関連する情報を解析する際に利用されてもよい。
【0166】
ここで
図21に戻ると、導波路システム1402が上記テストに基づいて電磁波を調整するための緩和戦略を選択すると、ステップ2110において、影響を受けた導波路システム1402は、どのようにしてそれが信号を送信しようとしているのかをダウンストリームの導波路システムに通知することができる。ダウンストリームの導波路システムに提供される通知(例えば、構成、プロトコル及び/又はハンドシェイク信号)は、影響を受けた導波路システム1402によって調整されている電磁波のパラメータに関連する情報(例えば、波長、基本モード、非対称モード、非対称モードの空間方位、キャリア周波数、大きさ、位相、エラー訂正などに対する変更)を含み得る。この情報がダウンストリームの導波路システムと通信され、あるいは調整されると、影響を受けた導波路システム1402はステップ2112で開始して、調整された電磁波を送信又は受信し、それにより、ステップ2114においてダウンストリームの導波路システムとの通信を再開する。
【0167】
一実施形態では、ダウンストリームの導波路システムが障害2210の後段に位置する場合、ダウンストリームの導波路システムは、影響を受けた導波路システム1402からの調整済み電磁波を受信し、その後、他の導波路システムと電磁波を送信又は受信するために、調整済み電磁波から取得されたデータを異なる通信モードで再送信することができる。他の導波路システムと通信するのにダウンストリームの導波路システムによって選択される通信モードは、影響を受けた導波路システム1402によって以前に使用された通信モードと類似又は同一であってもよい。代替の実施形態では、ダウンストリームの導波路システムは、調整済み電磁波とともに受信されるものと同じ通信モードを用いて他の導波路システムにデータを再送信してもよいことが分かるはずである。もちろん、ステップ2110における調整は、例示の実施形態から逸脱することなく、複数のダウンストリームの導波路システム又は隣接する導波路システムに当てはまる。
【0168】
影響を受けた導波路システム1402がステップ2102で検出された不利な条件を緩和するのに新たな通信モードを使用している間に、影響を受けた導波路システム1402は、ステップ2116において、ステップ2102で検出された不利な条件が緩和されたかを周期的に監視してもよい。このステップは、ネットワーク管理システム1601が、条件が対処、消去、除去、修正あるいは緩和されたことの情報を現場職員から受信し、影響を受けた導波路システム1402にこの変化を通知する結果であってもよい。代替的に、又は組合せにおいて、影響を受けた導波路システム1402は、不利な条件が対処、消去、除去、修正あるいは緩和されたかを判定するテストを(それによって送信されるテスト信号を介して)実行してもよい。影響を受けた導波路システム1402によって使用される調整済み通信モードがネットワーク管理システム1601によって満足なものとみなされる通信サービスの品質を回復する場合には、ステップ2116〜2118は必要ではなく、影響を受けた導波路システム1402によってもたらされるいずれかの警告条件がローカルに及びネットワーク管理システム1601において除去され得る。
【0169】
障害2210のような電力線1410上の劣化、中断又は障害のソースが修理を要する場合、現場職員は、障害2210の影響に対処及び補修する能動回路(例えば、誘電体材料の円筒又は矩形ストリップ)を有さない受動導波路を利用することができる。受動導波路の対向端は、電磁波に障害2210をバイパスさせることによって受動導波路の外表面を伝搬するように、障害2210の対向端に配置された電力線1410の、影響を受けていない部分に結合され得る。代替的に、
図7及び9に示すような能動回路を有する中継器710は、障害をバイパスするように障害2210の対向端に設置され得る。さらに他の実施形態では、誘電体スリーブが、電磁波がスリーブの外表面を伝搬するように、障害2210の周囲に設置され得る。他の実施形態では、現場職員が、障害2210に接着する誘電体材料を吐出するスプレーで、又は障害2210に接着する誘電体材料の化合物を手動で塗布することによって、誘電体材料を障害2210上に塗布してもよい。障害2210を介した移行が使用され得る場合に、伝搬損失又は電磁波の反射を低減するのに他の材料が障害2210に塗布されてもよいことが分かるはずである。例えば、バインダにおける導電粒子の懸濁液を有する材料が使用されてもよい。また、障害は金属ジャンパーを用いて現場職員によって修理されてもよいことが分かるはずである。倒木の枝又は他の障害物など、影響を受けた導波路システム1410によって障害がもたらされる場合には、障害物の除去が現場職員によって選択されやすくなる緩和戦略となる。
【0170】
ステップ2102において検出された不利な条件が本開示に記載される技術のいずれかによって対処、消去、除去、修正あるいは緩和されると、影響を受けた導波路システム1402は、ステップ2118において、電磁波を送信及び受信するための影響を受けた導波路システム1402によって使用される元の通信モード、又は電磁波特性及び/若しくは電力グリッド1603における通信のルートの修正を要求する緩和戦略の結果として影響を受けた導波路システム1402によって選択され得る新たな通信モードを回復し得る。通信モードの変更は、影響を受けた導波路システム1402によって、及び/又は影響を受けた導波路システム1402にネットワーク管理システム1601によって提供された命令に応じて実行されたテストによって決定され得る。
【0171】
他の条件が電力線などの伝送媒体上の電磁波通信に悪影響を及ぼし得ることが分かるはずである。例えば、雨及び/又は過度の湿度に起因して水滴が非絶縁電力線(すなわち、裸線)に堆積し得る。水滴は、非絶縁電力線の外表面の上側又は下側に存在し得る。堆積した水滴は、同様に、非絶縁電力線の外表面を伝搬する電磁波の減衰をもたらし、並びに/又は伝搬損失及び/若しくは信号歪をもたらし得る他の歪をもたらし得る。
図21の方法2100の実施形態は、例えば、電磁波の波長を調整することなどによって、水滴の悪影響を軽減するのに使用され得る。影響を受けた導波路システム1402はまた、電磁波の位相及び/又は大きさを、単独で又は波長の調整との組合せにおいて調整してもよい。
【0172】
一般に、非絶縁電力線の電磁波は、基本モードに従って動作する対称電磁波である。一方、水滴は非対称モードを発生させ得る。影響を受けた導波路システム1402は、非対称モードを利用し、異なる空間位置(例えば、北東、南東、南西及び北西)を有する誘電体導波路2204の複数のインスタンスを用いて、非絶縁電力線の上側及び/又は下側に位置する水滴を回避できる態様で、同様に非対称モードの空間位置をもたらすことができる。影響を受けた導波路システム1402は、一度に1つの誘電体導波路2204を、又は同時に複数の誘電体導波路2204をテストしてもよい。影響を受けた導波路システム1402はまた、例えば、非絶縁電力線に対して複数の誘電体導波路2204を回転させることができるリニアモータを有する電気機械システムを利用してもよい。さらに、ダウンストリームの導波路システムは、影響を受けた導波路システム1402と同一又は類似の構成(例えば、複数の回転可能な誘電体導波路2204)を有することができる。影響を受けた導波路システム1402は、ダウンストリームの導波路システムと通信し、(可能であれば)影響を受けた電力線1410の制御チャネルを介して、
図20に示す導波路システム間の無線リンクを介して、又は基地局2002によってメッセージを交換することによって上記テストのいずれかを調整することができる。
【0173】
本開示に記載される他の又は類似の技術は、限定でなく、絶縁又は非絶縁配線、地下配線、誘電体表面を有する地上又は地下導管などのような伝送媒体の表面を伝搬する電磁波の送信及び/又は受信に不利となり得る条件を緩和するのに使用され得る。検出可能な条件、障害又は劣化は伝送媒体の表面の電磁波の送信又は受信における悪影響となり得ることが分かるはずである。しかし、本開示で利用する条件、障害及び劣化という用語は、ある実施形態では相互に異なり得るものであり、他の事例では同じ結果をもたらし得る。
【0174】
例えば、条件は、将来の保守計画、気象条件の予測される変化、又は伝送媒体の表面における電磁波の送信若しくは受信に悪影響を及ぼすと予想されるものを識別する条件が検出され得る。したがって、条件は、必ずしも現在の時間とは限らずに将来の時間に、伝送媒体の表面における電磁波の送信又は受信に悪影響を及ぼし得る。一方、障害は、伝送媒体の表面における電磁波の送信又は受信に連続的に(又は周期的若しくはランダムな間隔で)悪影響を及ぼす外乱源によってもたらされ得る。劣化は障害をもたらし得るが、必ずしもそれを始点とする障害とは限らない。例えば、伝送媒体上の絶縁体の劣化、水滴の遅い堆積などは、伝送媒体の表面における電磁波の送信又は受信に関連する性能ファクタを劣化させ得る。一方、データ及び/又は音声通信サービスが影響されていないか、わずかにしか影響されていない場合、そのような劣化は、障害として分類されるには不十分であるとみなされ得る。
【0175】
ここで
図23に、ここに記載される種々の形態によるコンピューティング環境のブロック図を示す。ここに記載される実施形態の種々の実施形態に追加的な関連事項を与えるために、
図23及び以降の説明は、本開示の種々の実施形態が実施され得る適切なコンピューティング環境2300の簡単な概略説明を与えることを意図するものである。1以上のコンピュータで稼働することができるコンピュータ実行可能な命令の一般的文脈で実施形態が上述されてきたが、当業者であれば、実施形態は他のプログラムモジュールとの組合せにおいて、及び/又はハードウェアとソフトウェアの組合せとしても実施され得ることを認識するはずである。
【0176】
概略として、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造体などを備える。さらに、当業者であれば、発明の方法が、各々が1以上の関連のデバイスに動作可能に結合され得る単一プロセッサ又は複数プロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、その他パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、マイクロプロセッサに基づく又はプログラム可能な民生電子機器などを備える他のコンピュータシステム構成で実施され得ることが分かるはずである。
【0177】
特許請求の範囲で使用される用語「第1」、「第2」、「第3」などは、文脈からそうでないことが明らかでない限り、明瞭化のみを目的とするものであり、そうでない場合に時間的に何らかの順序を指示又は示唆するものではない。例えば、「第1の判定」、「第2の判定」及び「第3の判定」は、第1の判定が第2の判定よりも前に行われるべきこと、又はその逆などを指示又は示唆するものではない。
【0178】
ここでの実施形態のうちの説明した実施形態はまた、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによって特定のタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイス及びリモートメモリ記憶デバイスの双方に位置し得る。
【0179】
コンピューティングデバイスは、通常は様々な媒体を備え、それはコンピュータ可読記憶媒体及び/又は通信媒体を備え、これらの2つの用語は、以下に示すように相互に異なるものとして用いられる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な記憶媒体であればよく、揮発性及び不揮発性媒体、取り外し可能及び非取り外し可能媒体を備える。例示として、限定ではなく、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、プログラムモジュール、構造化データ又は非構造化データなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術との関係で実施され得る。
【0180】
コンピュータ可読記憶媒体は、以下に限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、電子的に消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するのに使用され得る他の有体及び/若しくは非一時的媒体を備え得る。これに関して、ストレージ、メモリ又はコンピュータ可読媒体に対してここで適用される用語「有体」又は「非一時的」は、修飾子として、伝搬している一時的な信号自体のみを除外するものとして理解されるべきであり、伝搬している一時的な信号自体のみではない全ての標準的なストレージ、メモリ又はコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄するものではない。
【0181】
コンピュータ可読記憶媒体は、1以上のローカル又はリモートコンピューティングデバイスによって、媒体に記憶された情報に関する様々な動作について、例えば、アクセス要求、照会、又は他のデータ取得プロトコルを介してアクセス可能である。
【0182】
通信媒体は、通常はコンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、又は変調データ信号、例えば、搬送波若しくは他の搬送機構などのデータ信号における他の構造化若しくは非構造化データを具現し、任意の情報配信又は搬送媒体を備える。用語「変調データ信号」又は信号とは、情報を1以上の信号に符号化するような態様で設定又は変更されたその特性の1以上を有する信号のことをいう。例示として、限定ではなく、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、並びに音響、RF、赤外線及び他の無線媒体などの無線媒体を備える。
【0183】
図23を再度参照すると、基地局(例えば、基地局デバイス102、104又は520)又は中央局(例えば、中央局101、1411又は2000)を介して信号を送信及び受信し、又は基地局の少なくとも一部を構成するための例示の環境2300を示す。例示の環境2300の少なくとも一部分はまた、中継器デバイス(例えば、中継器デバイス710又は806)に使用され得る。例示の環境はコンピュータ2302を備えることができ、コンピュータ2302は処理装置2104、システムメモリ2306及びシステムバス2308を含む。システムバス2308は、以下に限定されないが、システムメモリ2306を含むシステムコンポーネントを処理装置2304に結合する。処理装置2304は、種々の市販のプロセッサのいずれかであればよい。デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャが処理装置2304として利用されてもよい。
【0184】
システムバス2308は、様々な市販のバスアーキテクチャのいずれかを用いて(メモリコントローラ付きの、又はメモリコントローラなしの)メモリバス、周辺バス及びローカルバスにさらに相互接続可能な幾つかの種類のバス構造のいずれかであればよい。システムメモリ2306は、ROM2310及びRAM2312を備える。基本入力/出力システム(BIOS)は、ROM、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、EEPROMのような不揮発性メモリに記憶可能であり、起動中などにコンピュータ2302内の要素間で情報を転送することを補助する基本ルーチンを含む。RAM2312は、データをキャッシュするためのスタティックRAMなどの高速RAMを備えることもできる。
【0185】
コンピュータ2302は内部ハードディスクドライブ(HDD)2314(例えば、EIDE、SATA)をさらに備え、内部ハードディスクドライブ2314はまた、適切なシャーシ(不図示)、(例えば、取り外し可能ディスケット2318から読み出し、又はそこに書き込む)磁気フロッピディスクドライブ(FDD)2316及び(例えば、CD−ROMディスク2322を読み、又はDVDのような他の高容量光学媒体から読み出し、若しくはそこに書き込む)光学ディスクドライブ2320における外部的使用のために構成されることもできる。ハードディスクドライブ2314、磁気ディスクドライブ2316及び光学ディスクドライブ2320は、それぞれハードディスクドライブインターフェース2324、磁気ディスクドライブインターフェース2326及び光学ドライブインターフェース2328によってシステムバス2308に接続されることができる。外部ドライブ実装のためのインターフェース2324は、ユニバーサルシリアルバス(USB)及び電気電子技術協会(IEEE)2394インターフェース技術の少なくとも一方又は両方を備える。他の外部ドライブ接続技術が、ここに記載される実施形態の検討事項内にある。
【0186】
ドライブ及びそれらの関連のコンピュータ可読記憶媒体は、データ、データ構造体、コンピュータ実行可能な命令などの不揮発性の記憶を与える。コンピュータ2302について、ドライブ及び記憶媒体は、適切なデジタル形式で任意のデータのストレージを格納する。上記のコンピュータ可読記憶媒体の説明はハードディスクドライブ(HDD)、取り外し可能磁気ディスケット及びCD又はDVDなどの取り外し可能光学媒体について言及するが、当業者であれば、ジップドライバ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、カートリッジなど、コンピュータによって読取り可能な他の種類の記憶媒体も例示の動作環境において使用され得ること、また、そのような記憶媒体のいずれもここに記載される方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含み得ることが分かるはずである。
【0187】
オペレーティングシステム2330、1以上のアプリケーションプログラム2332、他のプログラムモジュール2334及びプログラムデータ2336を備える多数のプログラムモジュールが、ドライブ及びRAM2312に記憶され得る。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの全部又は一部は、RAM2312においてキャッシュされてもよい。ここに記載されるシステム及び方法は、種々の市販のオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組合せを利用して実施可能である。処理装置2304によって実施及びあるいは実行され得るアプリケーションプログラム2332の例は、中継器デバイス806によって実行されるダイバシティ選択決定を含む。
図5に示す基地局デバイス508はまた、この例示的コンピューティング環境2300において処理装置2304によって実行され得る多数のアプリケーション及びプログラムをメモリに記憶している。
【0188】
ユーザは、例えばキーボード2338などの1以上の有線/無線入力デバイス及びマウス2340などのポインティングデバイスを介してコマンド及び情報をコンピュータ2302に入力することができる。他の入力デバイス(不図示)として、マイクロフォン、赤外線(IR)リモートコントロール、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチパネルなどを備えることができる。これら及び他の入力デバイスは、システムバス2308に結合され得るが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IRインターフェースなどの他のインターフェースによって接続され得る入力デバイスインターフェース2342を介して処理装置2304に接続されることが多い。
【0189】
モニタ2344又は他の種類の表示デバイスも、ビデオアダプタ2346などのインターフェースを介してシステムバス2308に接続され得る。代替の実施形態では、モニタ2344は、インターネット及びクラウドベースのネットワークを介することを含む任意の通信手段を介してコンピュータ2302に関連する表示情報を受信するための任意のディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイを有する他のコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータなど)であってもよいことも分かるはずである。モニタ2344に加えて、コンピュータは、通常はスピーカ、プリンタなどの他の周辺出力デバイス(不図示)を備える。
【0190】
コンピュータ2302は、リモートコンピュータ2348などの1以上のリモートコンピュータへの有線通信及び/又は無線通信を介した論理接続を用いてネットワーク化環境で動作することができる。リモートコンピュータ2148は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、可搬コンピュータ、マイクロプロセッサに基づくエンターテイメント機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードであればよく、標準的には、コンピュータ2302に関して記載した要素の多く又は全てを備えるが、簡略化のために、メモリ/記憶デバイス2350のみを図示する。図示される論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)2352及び/又はより大きなネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)2354への有線/無線接続を備える。そのようなLAN及びWANネットワーキング環境は、オフィス及び会社では一般的であり、その全てがインターネットなどのグローバル通信ネットワークに接続することができるイントラネットなどの企業全体のコンピュータネットワークを促進する。
【0191】
LANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ2302は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェースアダプタ2356を介してローカルネットワーク2352に接続されることができる。アダプタ2356は、LAN2352に対する有線又は無線通信を促進することができ、それは、無線アダプタ2356と通信するためにそこに配置される無線APを備えることもできる。
【0192】
WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ2302は、モデム2358を備えることができ、WAN2354上の通信サーバに接続されることができ、又はインターネットなどによってWAN2354上で通信を確立するための他の手段を有する。モデム2358は、内部又は外部及び有線又は無線のデバイスであればよく、入力デバイスインターフェース2342を介したシステムバス2308に接続され得る。ネットワーク化された環境では、コンピュータ2302又はその部分に関して図示されるプログラムモジュールは、リモートメモリ/記憶デバイス2350に記憶され得る。図示されるネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用され得ることが分かるはずである。
【0193】
コンピュータ2302は、無線通信において動作可能に配置される任意の無線デバイス又はエンティティ、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又は可搬コンピュータ、可搬データアシスタント、通信衛星、無線検出可能なタグに関連する任意の機器若しくは場所(例えば、キオスク、売店、休憩室)並びに電話機と通信するように動作可能である。これは、Wireless Fidelity(Wi−Fi)及びBLUETOOTH(登録商標)無線技術を備え得る。したがって、通信は、従来のネットワークにあるような所定構造のものであってもよいし、単に少なくとも2つのデバイス間のアドホック通信であってもよい。
【0194】
Wi−Fiによって、自宅におけるソファー、ホテルの部屋のベッド又は職場の会議室から配線なしにインターネットへの接続が可能となる。Wi−Fiは、そのようなデバイス、例えばコンピュータがデータを屋内及び屋外、基地局の範囲内のいずれかの場所と送受信することを可能とする、携帯電話で使用されるものと同様の無線技術である。Wi−Fiネットワークは、IEEE802.11(a、b、g、n、acなど)といわれる無線技術を用いて安全で信頼性のある速い無線接続を提供する。Wi−Fiネットワークは、コンピュータを相互に、インターネットに、及び(IEEE802.3又はイーサネット(登録商標)を用いることができる)有線ネットワークに接続するのに使用可能である。Wi−Fiネットワークは、例えば、無認可の2.4及び5GHz無線帯域において、又は両帯域(デュアルバンド)を含む製品とともに動作するので、ネットワークは多くのオフィスで使用される基本10BaseT有線イーサネット(登録商標)ネットワークと同様の実世界性能を提供することができる。
【0195】
図24は、ここに記載される開示事項の1以上の形態を実施及び利用することができるモバイルネットワークプラットフォーム2410の例示の実施形態2400を表す。1以上の実施形態において、モバイルネットワークプラットフォーム2410は、本開示事項に関連する基地局(例えば、基地局デバイス102、104及び520)、中央局(例えば、中央局101、1141又は2000)又は中継器デバイス(例えば、中継器デバイス710又は806)によって送信及び受信される信号を生成及び受信することができる。概略として、無線ネットワークプラットフォーム2410は、パケット交換(PS)トラフィック(例えば、インターネットプロトコル(IP)、フレームリレー、非対称転送モード(ATM))及び回路交換(CS)トラフィック(例えば、音声及びデータ)の双方を促進し、ネットワーク化された無線電気通信の生成を制御するコンポーネント、例えば、ノード、ゲートウェイ、インターフェース、サーバ又は異種のプラットフォームを備え得る。非限定的な例として、無線ネットワークプラットフォーム2410は、電気通信搬送ネットワークに含まれることができ、他の箇所で述べたような搬送側コンポーネントとみなされ得る。モバイルネットワークプラットフォーム2410は、電話網2440(例えば、公衆電話交換網(PSTN)又は公衆携帯電話網(PLMN))又はシグナリングシステム#7(SS7)ネットワーク2470のような旧来のネットワークから受信されたCSトラフィックをインターフェースすることができるCSゲートウェイノード2412を備える。回路交換ゲートウェイノード2412は、そのようなネットワークからの起こるトラフィック(例えば、音声)を許可及び認証することができる。さらに、CSゲートウェイノード2412は、SS7ネットワーク2470を介して生成された移動性データ又はローミングデータ、例えば、メモリ2430に常駐できる訪問ロケーションレジスタ(VLR)に記憶された移動性データにアクセスできる。さらに、CSゲートウェイノード2412は、CSに基づくトラフィック及びシグナリングとPSゲートウェイノード2418とをインターフェースする。一例として、3GPP UMTSネットワークでは、CSゲートウェイノード2412は、少なくともある程度ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)において実現され得る。CSゲートウェイノード2412、PSゲートウェイノード2418及びサービングノード2416の機能及び具体的動作は、電気通信のためにモバイルネットワークプラットフォーム2410によって利用される無線技術によって提供及び支配されることが分かるはずである。
【0196】
CS交換トラフィック及びシグナリングを受信及び処理することに加えて、PSゲートウェイノード2418は、サービスされる移動体デバイスとのPSに基づくデータセッションを許可及び認証することができる。データセッションは、ローカルエリアネットワーク(LAN)で具現されるとともにPSゲートウェイノード2418を介してモバイルネットワークプラットフォーム2410とインターフェースされることができるワイドエリアネットワーク(WAN)2450、企業ネットワーク2470及びサービスネットワーク2480のような、無線ネットワークプラットフォーム2410の外部のネットワークと交換されるトラフィック又はコンテンツを備えることができる。なお、WAN2450及び企業ネットワーク2460は、少なくともある程度IPマルチメディアサブシステム(IMS)のようなサービスネットワークを具現することができる。技術リソース2417で利用可能な無線技術レイヤに基づいて、パケット交換ゲートウェイノード2418は、データセッションが確立される場合にパケットデータプロトコルのコンテキストを生成することができ、パケット化されたデータのルーティングを促進する他のデータ構造体も生成され得る。その目的のため、一形態では、PSゲートウェイノード2418は、Wi−Fiネットワークなどの異種無線ネットワークとのパケット化通信を促進することができるトンネルインターフェース(3GPP UMTSネットワーク(不図示)において、例えばトンネル終端ゲートウェイ(TTG))を備えることができる。
【0197】
実施形態2400では、無線ネットワークプラットフォーム2410はまた、技術リソース2417内の利用可能な無線技術レイヤに基づいて、PSゲートウェイノード2418を介して受信されるデータストリームの種々のパケット化フローを伝達するサービングノード2416を備える。なお、CS通信に主に依存する技術リソース2417に対して、サーバノードはPSゲートウェイノード2418に依存することなくトラフィックを配信することができ、例えば、サーバノードは、少なくともある程度モバイル交換センタを具現することができる。一例として、3GPP UMTSネットワークにおいて、サービングノード2416は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)で具現され得る。
【0198】
パケット化通信を利用する無線技術について、無線ネットワークプラットフォーム2410におけるサーバ2414は、複数の異種のパケット化データストリーム又はフローを生成する多数のアプリケーションを実行し、そのようなフローを管理(例えば、スケジューリング、待ち行列処理、フォーマット・・・)することができる。そのようなアプリケーションは、無線ネットワークプラットフォーム2410によって提供される標準サービス(例えば、プロビジョニング、課金、カスタマーサポート・・・)に対するアドオン構成を備えることができる。データストリーム(例えば、音声呼又はデータセッションの部分であるコンテンツ)は、データセッションの許可/認証及び開始のためのPSゲートウェイノード2418へ、及びその後の通信のためのサービングノード2416に伝達されることができる。アプリケーションサーバに加えて、サーバ2414はユーティリティサーバを含み、ユーティリティサーバはプロビジョニングサーバ、運用及び保守サーバ、少なくともある程度、認証局及びファイアーフォールその他のセキュリティ機構を実装することができるセキュリティサーバなどを備えることができる。一形態では、セキュリティサーバは、無線ネットワークプラットフォーム2410を介してサービングされる通信を安全化して、CSゲートウェイノード2412及びPSゲートウェイノード2418が規定することができる許可及び認証手順に加えてネットワークの動作及びデータ完全性を確実にする。さらに、プロビジョニングサーバは、WAN2450又は全地球測位システム(GPS)ネットワーク(不図示)など、異種のサービスプロバイダによって運用されるネットワークのような外部ネットワークからのサービスをプロビジョンすることができる。プロビジョニングサーバはまた、より多くのネットワークカバレッジを提供することによって無線サービスカバレッジを強化する
図1に示す分散アンテナネットワークのような(例えば、同じサービスプロバイダによって配備及び運用される)無線ネットワークプラットフォーム2410に関連するネットワークを介してカバレッジをプロビジョンすることができる。
図7、8及び9に示すような中継器デバイスはまた、UE2475によって加入者サービス体験を向上するためにネットワークカバレッジを改善する。
【0199】
なお、サーバ2414は、マクロネットワークプラットフォーム2410の機能を少なくともある程度与えるように構成された1以上のプロセッサを備えることができる。この目的のため、1以上のプロセッサは、例えば、メモリ2430に記憶されたコード命令を実行することができる。サーバ2414は、前述したのと実質的に同様の態様で動作するコンテンツマネージャ2415を備え得ることが分かるはずである。
【0200】
例示の実施形態2400では、メモリ2430は、無線ネットワークプラットフォーム2410の動作に関連した情報を記憶することができる。他の動作情報が、無線プラットフォームネットワーク2410を介してサービスされる移動体デバイスのプロビジョニング情報、加入者データベース、アプリケーションインテリジェンス、例えば、販促料金、定額プログラム、クーポンキャンペーンなどの価格付け手法、異種無線の動作のための電気通信プロトコルに準拠する技術仕様、又は無線技術レイヤなどを備え得る。メモリ2430はまた、電話網2440の少なくとも1つ、WAN2450、企業ネットワーク2460又はSS7ネットワーク2470からの情報を記憶することができる。一形態では、メモリ2430は、例えば、データストアコンポーネントの部分として、又は遠隔的に接続されたメモリストアとしてアクセスされ得る。
【0201】
開示事項の種々の形態に対する関連を与えるために、
図24及び以降の説明は、開示事項の種々の形態が実施され得る適切な環境の簡単な概略説明を与えることを意図するものである。1つのコンピュータ及び/又は複数のコンピュータで稼働するコンピュータプログラムのコンピュータ実行可能命令の一般的文脈で主題が上述されてきたが、当業者であれば、開示事項は他のプログラムモジュールとの組合せにおいても実施され得ることを認識するはずである。概略として、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、及び/又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造体などを備える。
【0202】
図25は、通信デバイス2500の例示の実施形態を示す。通信デバイス2500は、本開示によって(
図1及び14において)言及される移動体デバイス及び建造物内デバイスなどのデバイスの例示的実施形態となり得る。
【0203】
通信デバイス2500は、有線及び/又は無線送受信機2502(ここでは、送受信機2502)、ユーザインターフェース(UI)2504、電源2514、位置決定受信機2516、移動センサ2518、方角センサ2520、及びこれらの動作を管理するためのコントローラ2506を備え得る。送受信機2502は、数例を挙げると、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、WiFi、DECT又はセルラ通信技術などの短距離又は長距離無線アクセス技術に対応することができる(Bluetooth(登録商標)及びZigbee(登録商標)は、Bluetooth(登録商標)Special Interest Group及びZigbee(登録商標)Allianceによってそれぞれ商標登録されている)。セルラ技術は、例えば、CDMA−IX、UMTS/HSDPA、GSM(登録商標)/GPRS、TDMA/EDGE、EV/DO、WiMAX、SDR、LTE、そして出現する場合の他の次世代無線通信技術を含み得る。送受信機2502はまた、回路交換有線アクセス技術(PSTNなど)、パケット交換有線アクセス技術(TCP/IP、VoIPなど)及びその組合せに対応するように適合され得る。
【0204】
UI2504は、通信デバイス2500の動作を操作するローラボール、ジョイスティック、マウス又はナビゲーションディスクなどのナビゲーションメカニズム付きの押下げ式又はタッチ感応式キーパッド2508を含み得る。キーパッド2508は、通信デバイス2500のハウジングアセンブリの一体化部分であってもよいし、繋がれた有線インターフェース(USBケーブルなど)又は例示のBluetooth(登録商標)に対応した無線インターフェースによってそれに動作可能に結合された独立したデバイスであってもよい。キーパッド2508は、電話機で一般的に使用される数字キーパッド及び/又はアルファベットキーのQWERTYキーパッドであってもよい。UI2504は、白黒若しくはカラーLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)又は通信デバイス2500のエンドユーザに画像を伝達するための他の適切な表示技術などのディスプレイ2510をさらに含み得る。ディスプレイ2510がタッチ感応式である一実施形態では、キーパッド2508の一部又は全部がナビゲーション構成とともにディスプレイ2310によって提示されてもよい。
【0205】
ディスプレイ2510は、ユーザ入力を検出するためのユーザインターフェースとしても作用するタッチスクリーン技術を用いてもよい。タッチスクリーンディスプレイとして、通信デバイス2500は、指の接触でユーザによって選択され得るグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を有するユーザインターフェースを提示するように構成されてもよい。タッチスクリーンディスプレイ2510では、ユーザの指のどれだけの表面積がタッチスクリーンディスプレイの一部分に置かれたかを検出する容量性、抵抗性又は他の形態の検知技術が装備され得る。この検知情報は、GUI要素の操作又はユーザインターフェースの他の機能を制御するのに使用され得る。ディスプレイ2510は、通信デバイス2500のハウジングアセンブリの一体化部分であってもよいし、繋がれた有線インターフェース(ケーブルなど)又は無線インターフェースによってそれに通信可能に結合された独立したデバイスであってもよい。
【0206】
UI2504はまた、低音量オーディオ(人間の耳の付近で聞き取られるオーディオ)及び高音量オーディオ(ハンズフリー操作に対するスピーカフォンなど)を伝達するためのオーディオ技術を利用するオーディオシステム2512を含み得る。オーディオシステム2512は、エンドユーザの可聴信号を受信するためのマイクロフォンをさらに含み得る。オーディオシステム2512はまた、音声認識アプリケーションに使用されてもよい。UI2504は、静止画又は動画を撮影するための電荷結合デバイス(CCD)カメラなどの画像センサ2513をさらに含み得る。
【0207】
電源2514は、通信デバイス2500のコンポーネントにエネルギーを供給して長距離又は短距離の可搬通信を促進するために、交換可能及び再充電可能なバッテリのような一般的な電力管理技術、給電調整技術及び/又は充電システム技術を利用することができる。代替的に又は組合せにおいて、充電システムは、USBポート又は他の適切なテザリング技術のような物理インターフェースを介して供給されるDC電力などの外部電源を利用してもよい。
【0208】
位置決定受信機2516は、GPS衛星コンステレーションによって生成された信号に基づいて通信デバイス2500の位置を特定するためのアシスト型GPSの能力がある全地球測位システム(GPS)受信機などの位置決定技術を利用することができ、これはナビゲーションなどの位置決定サービスを促進するために使用され得る。移動センサ2518は、加速度計、ジャイロスコープ、又は三次元空間における通信デバイス2500の動きを検出する他の適切な移動検知技術を利用することができる。方角センサ2520は、通信デバイス2500の方角(北、南、西及び東、そして度、分又は他の適切な方角メトリックにおける合成方角)を検出する磁気計などの方角検知技術を利用することができる。
【0209】
通信デバイス2500は、送受信機2502を用いて、受信信号強度インジケータ(RSSI)及び/又は信号到来時間(TOA)若しくは飛行時間(TOF)測定値を利用することなどの検知技術によってセルラ、WiFi、Bluetooth(登録商標)又は他の無線アクセスポイントの近接を判定することもできる。コントローラ2506は、コンピュータ命令を実行し、通信デバイス2500の前述のコンポーネントによって供給されるデータを制御及び処理するためのFlash、ROM、RAM、SRAM、DRAM又は他のストレージ技術などの関連するストレージメモリとともに、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路及び/又はビデオプロセッサなどのコンピューティング技術を利用することができる。
【0210】
図25に示さない他のコンポーネントが、本開示の1以上の実施形態において使用され得る。例えば、通信デバイス2500は、加入者識別モジュール(SIM)カード又はユニバーサル集積回路カード(UICC)などの識別モジュールを追加又は除去するためのスロットを含み得る。SIM又はUICCカードは、加入者サービスを識別し、プログラムを実行し、加入者データを記憶するなどのために使用され得る。
【0211】
本明細書において、「記憶する」、「ストレージ」、「データストア」、「データストレージ」、「データベース」並びに実質的にコンポーネントの動作及び機能に関する他の何らかの情報記憶コンポーネントなどの用語は、「メモリコンポーネント」、「メモリ」において具現されるエンティティ、又はメモリを備えるコンポーネントについて言及するものである。ここに記載されるメモリコンポーネントは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであればよく、又は揮発及び不揮発性メモリ、例示として、限定ではなく、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ディスクストレージ及びメモリストレージを備え得ることが分かるはずである。また、不揮発性メモリは、読出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)又はフラッシュメモリに含まれ得る。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして作用するランダムアクセスメモリ(RAM)を備え得る。例示として、限定ではなく、RAMは、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、enhancedSDRAM(ESDRAM)、SynchlinkDRAM(SLDRAM)及び直接RambusRAM(DRRAM(登録商標))など多数の形態で入手可能である。さらに、ここでのシステム又は方法の開示のメモリコンポーネントは、これら及び他の適切な種類のメモリを、それを備えることに限定されずに、備えるものである。
【0212】
さらに、開示事項は、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサのコンピュータシステム、ミニコンピューティングデバイス、メインフレームコンピュータ、その他パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、電話機、時計、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータなど)、マイクロプロセッサに基づく又はプログラマブル民生用若しくは業務用電子機器などを備える他のコンピュータシステム構成で実施され得る。説明した形態はまた、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施可能であるが、開示事項の全部でない場合には一部の形態がスタンドアロンコンピュータで実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートメモリ記憶デバイスの双方に配置され得る。
【0213】
ここに記載される実施形態の一部は、人工知能(AI)を採用してここに記載される1以上の構成の自動化を促進することもできる。例えば、伝達効率を最大化するために誘電体導波路604及び606が配置されるべき配線周囲の位置を決定するのに人工知能が用いられてもよい。実施形態は(例えば、既存の通信ネットワークへの付加の後に最大値/利益を与える取得セルサイトを自動的に識別することとの関係において)、その種々の実施形態を実施するための種々のAIに基づく手法を採用することができる。さらに、分類子が、取得ネットワークの各セルサイトの順位又は優先度を特定するのに採用され得る。分類子は、入力属性ベクトルx=(x1、x2、x3、x4、・・・、xn)を、入力がクラスに属する信頼度、すなわちf(x)=信頼度(クラス)にマッピングする。そのような分類は、自動的に実行されることをユーザが望むアクションを予測又は推測するのに、確率的及び/又は統計に基づく解析(例えば、解析ユーティリティ及びコストを考慮に入れる)を利用することができる。サポートベクトル機械(SVM)は、利用され得る分類子の一例である。SVMは、可能な入力の空間における超曲面を見出すことによって動作し、超曲面は非トリガイベントからトリガ基準を分離することを試行する。直感的に、これは、トレーニングデータに近いが同一ではないテストデータに対して分類を正す。他の有向及び無向モデル分類アプローチは、例えば、様々なパターンの独立性を提供するnaive Bayes、Bayesianネットワーク、決定ツリー、ニューラルネットワーク、ファジー論理モデル及び確率的分類モデルを備える。ここで使用される分類はまた、優先度のモデルを展開するのに利用される統計的逆行を含む。
【0214】
容易に分かるように、実施形態の1以上は、明示的に(例えば、包括的なトレーニングデータを介して)トレーニングされ、また、暗示的に(例えば、UEの挙動を観察すること、操作者の選好、履歴情報、外部からの情報を受信することを介して)トレーニングされる分類子を採用することができる。例えば、SVMは、分類子コンストラクタ及び構成選択モジュール内の学習又はトレーニング段階を介して構成され得る。したがって、分類子は、以下に限定されないが、取得セルサイトのどれが最大数の加入者に利益をもたらすか、及び/又は取得セルサイトのどれが既存の通信ネットワークカバレッジに最小値を付加するのかなどの所定の基準に従う決定を含む多数の機能を自動的に学習及び実行するように使用され得る。
【0215】
本願におけるいくつかの文脈で使用するように、ある実施形態では、用語「コンポーネント」、「システム」などは、コンピュータ関連エンティティ、又は1以上の具体的機能を有する操作可能なデバイスに関連するエンティティのことをいい、又はそれを備え、エンティティは、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、又は実行中ソフトウェアのいずれかであればよい。一例として、コンポーネントは、以下に限られないが、プロセッサ上で稼働している処理、プロセッサ、オブジェクト、実行可能なもの、実行のスレッド、コンピュータ実行可能命令、プログラム及び/又はコンピュータであればよい。例示であって限定ではなく、サーバ上で稼働しているアプリケーション及びサーバの双方はコンポーネントとなり得る。1以上のコンポーネントは、処理及び/又は実行のスレッド内に存在し、コンポーネントは1つのコンピュータに局所化され、及び/又は2以上のコンピュータ間で分散され得る。さらに、これらのコンポーネントは、そこに記憶された種々のデータ構造体を有する種々のコンピュータ可読媒体から実行可能である。コンポーネントは、1以上のデータパケットを有する信号によるなどして(例えば、ローカルシステムにおいて、分散システムにおいて、及び/又は信号を介して他のシステムとインターネットなどのネットワークを介して他のコンポーネントと相互作用する1つのコンポーネントからのデータ)、ローカル及び/又はリモートな処理を介して通信し得る。他の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェア又はファームウェアアプリケーションによって作動される電気又は電子回路によって作動される機械部品によって提供される特定の機能を有するデバイスであればよく、プロセッサはデバイスの内部又は外部にあればよく、ソフトウェア又はファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行する。さらに他の例として、コンポーネントは、機械的部品なしに電子コンポーネントを介して特定の機能を提供するデバイスであればよく、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能を少なくともある程度与えるソフトウェア又はファームウェアを実行するプロセッサをそこに備えことができる。種々のコンポーネントを別個のコンポーネントとして示したが、例示の実施形態から逸脱することなく、複数のコンポーネントが単一のコンポーネントとして実装され得ること、又は単一のコンポーネントが複数のコンポーネントとして実装され得ることが分かるはずである。
【0216】
また、種々の実施形態が、方法、標準プログラミング及び/又はエンジニアリング技術を用いるデバイス又は製造物品として実施されて、開示事項を実施するようにコンピュータを制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組合せを生成することができる。ここで使用される用語「製造物品」は、コンピュータ可読デバイス又はコンピュータ可読記憶/通信媒体にアクセス可能な任意のコンピュータプログラムを包含するものである。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、以下に限定されないが、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピディスク、磁気ストリップ)、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、及びフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)を含み得る。もちろん、当業者であれば、種々の実施形態の範囲又は趣旨を逸脱することなく、この構成に対して多数の変形がなされ得ることを認識するはずである。
【0217】
さらに、単語「例」及び「例示」は、例又は例示として作用することを意味するようにここで用いられる。「例」又は「例示」としてここに記載されるいずれの実施形態又は設計も、必ずしも他の実施形態又は設計に対して好適又は有利なものとして解釈されるわけではない。逆に、例又は例示という用語の使用は、具体的態様でコンセプトを提示することが意図されている。本願で使用されるように、用語「又は/若しくは」は、排他的な「又は/若しくは」ではなく、包含的な「又は/若しくは」を意味するものである。すなわち、特に断りがない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XがA又はBを採用する」は、自然な包含的順列のいずれかを意味するものである。すなわち、XがAを採用する場合、XがBを採用する場合、又はXがA及びBの双方を採用する場合、「XがA又はBを採用する」は、前述の例のいずれかの下で満足される。さらに、本願及び付属の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、特に断りがない限り、又は文脈から単数形が指示されていることが明らかでない限り、「1以上の」を意味するものと一般に解釈されるべきである。
【0218】
さらに、「ユーザ機器」、「移動局」、「移動体」、「加入者局」、「アクセス端末」、「端末」、「ハンドセット」、「移動体デバイス」(及び/又は同様の語を表す用語)などの用語は、データ、制御、音声、映像、音、ゲーム又は実質的にあらゆるデータストリーム若しくはシグナリングストリームを受信又は伝達する無線通信サービスの加入者又はユーザによって利用される無線デバイスをいうものである。上述の用語は、ここで及び関係する図面を参照して互換可能に利用される。
【0219】
またさらに、用語「ユーザ」、「加入者」、「顧客/カスタマー」、「消費者」などは、文脈が用語間の特定の区別を保証しない限り、全体を通して相互に互換可能に採用される。そのような用語は、人間のエンティティ、又は模擬された視界、音認識などを提供できる人工知能(例えば、少なくとも複雑な数学的な式に基づいて推測を行う能力)によって援助される自動化されたコンポーネントのことをいうことが理解されるべきである。
【0220】
ここに採用されるように、用語「プロセッサ」とは、単一コアプロセッサ、ソフトウェアでマルチスレッド化された実行能力を有する単一プロセッサ、マルチコアプロセッサ、ソフトウェアでマルチスレッド化された実行能力を有するマルチコアプロセッサ、ハードウェアでマルチスレッド化された技術を有するマルチコアプロセッサ、並列プラットフォーム、及び分散共有メモリを有する並列プラットフォームを、備えることに限定されないが、備える実質的にあらゆるコンピューティング処理装置又はコンピューティング装置のことをいう。さらに、プロセッサは、ここに記載される機能を実行するように設計された集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・コントローラ(CPLD)、個々のゲート又はトランジスタロジック、個々のハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組合せのことをいう。プロセッサは、スペース使用率を最適化し、又はユーザ機器の性能を高めるために、以下に限定されないが、分子及び量子ドットに基づくトランジスタ、スイッチ及びゲートなどのナノスケールアーキテクチャを利用することができる。プロセッサはまた、コンピューティング処理装置の組合せとして実施され得る。
【0221】
ここで使用される「データストレージ」、「データストレージ」、「データベース」及びコンポーネントの動作及び機能に関係する実質的にあらゆる他の情報記憶コンポーネントなどの用語は、「メモリコンポーネント」、「メモリ」において具現されるエンティティ、又はメモリを備えるコンポーネントについて言及するものである。ここに記載されるメモリコンポーネント又はコンピュータ可読記憶媒体は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであればよく、又は揮発性及び不揮発性メモリを含み得ることが分かるはずである。
【0222】
上述したものは、種々の実施形態の単なる例を含む。もちろん、これらの例を記載する目的のため、構成要素又は方法の全ての可能な組合せを記載することは可能ではないが、当業者であれば、本実施形態の多数の更なる組合せ及び順列が可能であることを認識することができる。したがって、ここに開示及び/又は特許請求される実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内のものとなる全てのそのような変更例、変形例及びバリエーションを包含するものである。またさらに、用語「含む」が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用されるという点で、そのような用語は、特許請求の範囲において転換語として利用される場合に「備える」が解釈されるように、用語「備える」と同様に包含的であるものとする。