(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393422
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物およびそれを利用した製品。
(51)【国際特許分類】
C08L 33/12 20060101AFI20180910BHJP
C08L 69/00 20060101ALI20180910BHJP
C08L 25/12 20060101ALI20180910BHJP
C08L 25/08 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
C08L33/12
C08L69/00
C08L25/12
C08L25/08
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-525825(P2017-525825)
(86)(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公表番号】特表2017-533989(P2017-533989A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】KR2015006493
(87)【国際公開番号】WO2016076503
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年5月12日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0158474
(32)【優先日】2014年11月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511123485
【氏名又は名称】ロッテ ケミカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベク ウンソン
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンテ
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョンウク
【審査官】
藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−185340(JP,A)
【文献】
特開平09−118804(JP,A)
【文献】
特開平11−060930(JP,A)
【文献】
特開2000−264979(JP,A)
【文献】
韓国特許第2010−1440732(KR,B1)
【文献】
特表2011−516682(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2013−0015282(KR,A)
【文献】
特表2014−533763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 33/00 − 33/26
C08L 69/00
C08L 25/00 − 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート熱可塑性樹脂12〜18重量%と、
ポリメチルメタクリレート共重合体62〜68重量%と、
スチレン−アクリロニトリル共重合体7〜13重量%と、
スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体7〜13重量%と、
を含み、
前記ポリカーボネート熱可塑性樹脂は、質量平均分子量が33,000〜40,000であり、
鉛筆硬度が2H以上を示し、
IZOD衝撃強度が6.4kg・cm/cm以上を示す、自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物。
【請求項2】
前記ポリメチルメタクリレート共重合体は、樹脂流動性(MFR、230℃、3.8kgf)が0.1〜25g/10minであることを特徴とする請求項1に記載の自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物。
【請求項3】
前記スチレン−アクリロニトリル共重合体は、アクリロニトリルの含量が15〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物。
【請求項4】
前記スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体は、ブチル−アクリレートの含量が10〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載の自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項による自動車無塗装外装材用ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を含む製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物及びそれを利用した製品に関するものであり、より詳しくは、耐スクラッチ性に優れたポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物及びそれを利用した製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート(Polycarbonate;PC)樹脂は、耐衝撃性及び機械的物性が優秀で、高い透明性、優秀な寸法安定性、幅広い着色性などを示すため、電気、電子製品の筐体や自動車の部品として広く使用されている。
【0003】
自動車の外装としては、最近高光沢の質感を有する製品を開発するために主に塗装工程を経ているが、様々なステップの工程を伴う必要があり、不良率、及び有害揮発成分の発生率が高くコスト上昇などの問題があり、無塗装用の素材が開発されている。
【0004】
しかし、これまで自動車の外装に無塗装適用の高衝撃熱可塑性樹脂を適用した例はなく、一部のポリメチルメタクリレート(以下、「PMMA」ともいう)やPMMA/IR(impact rubber)製品が外装部品に適用されているが、PMMAの特性上、衝撃強度が非常に低いため、自動車メーカーでは、耐候性、高光沢性、及び高衝撃性を有する熱可塑性樹脂の開発が求められているのが実情である。
【0005】
特許文献1は、エチレンプロピレン系ゴム重合体(EPR、EPDM)、及びスチレン系とアクリロニトリル系モノマーが溶解された混合溶液の一定量をグラフト共重合して製造する耐候性樹脂(AES樹脂)を開示しているが、実際にポリカーボネート樹脂に適用すると剛性及び耐スクラッチ性が低下して、無塗装適用に適していない問題がある。
【0006】
特許文献2は、アクリレート−スチレン−アクリロニトリル(ASA)樹脂、及びPMMAを含む樹脂造成物を自動車の外装材に適用した技術を開示しているが、開示された樹脂造成物は耐熱性及び衝撃強度が低く、機械的物性がよくない問題がある。
【0007】
特許文献3は、ポリカーボネート及びポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体にポリアルキルアリールシロキサンを添加したポリカーボネート樹脂造成物を開示しているが、自動車の外装用の耐候性テストを通るには足りず、耐スクラッチ性も弱い側面がある。
【0008】
特許文献4は、スチレンコアとアクリレートゴムシェルを含む架橋ゴム基材を含むグラフトされたゴムと、これにグラフトされたグラフト相と、スチレン/アクリロニトリルのような共重合体を含む共重合体マトリックスと、芳香族(コ)ポリカーボネート樹脂のブレンドと、を含む熱可塑性成形造成物を開示しているが、光沢度及び耐スクラッチ性が落ちる問題がある。
【0009】
一方、本出願人は特許文献5にて、上述した問題を解決し得るポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提示したが、衝撃強度が過度で、実際に製品に適用する際に要求される耐スクラッチ性を十分に満足しないとの問題が提起されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第2006−0086194号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2009−0110129号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2012−0055277号公報
【特許文献4】韓国公開特許第2001−0108464号公報
【特許文献5】韓国特許第10−2013−0095189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ポリカーボネートとポリメチルメタクリレートは透明な熱可塑性樹脂であるが、屈折率が異なり、混合の際に相溶性が落ちて、射出製品にウェルドライン(weld line)及びフローマーク(flow mark)が大きく発生する。よって、従来は相溶性を上げるためにアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(以下、「ABS」という)を適用してウェルドライン及びフローマークによる不良を改善しようとしたが、ABSの特性上、耐候性が急激に落ちるため、無塗装の外装材には適用することができない問題があった。
【0012】
そこで、本発明は特定相溶化剤の組み合わせを介して耐候性、高光沢及び高衝撃特性を満足し、ウェルドラインとフローマークが発生せず、更に適切な衝撃強度を有しながら、実際に製品に適用する際に要求される耐スクラッチ性を十分に満足する熱可塑性樹脂造成物及びそれを利用した製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は、ポリカーボネート熱可塑性樹脂5〜28重量%と、ポリメチルメタクリレート共重合体55〜80重量%と、スチレン−アクリロニトリル共重合体1〜20重量%と、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体1〜20重量%と、を含むポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供する。
【0014】
また、前記ポリカーボネート系熱可塑性樹脂は、質量平均分子量が25,000〜40,000であることを特徴とするポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供する。
【0015】
また、前記ポリメチルメタクリレート共重合体は、樹脂流動性(MFR、230℃、3.8kgf)が0.1〜25g/10minであることを特徴とするポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供する。
【0016】
また、前記スチレン−アクリロニトリル共重合体は、アクリロニトリルの含量が15〜40重量%であることを特徴とするポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供する。
【0017】
また、前記スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体は、ブチル−アクリレートの含量が10〜60重量%であることを特徴とするポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供する。
【0018】
前記他の課題を解決するために、本発明は、前記ポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を含む製品を提供する。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明によるポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物及びそれを利用した製品は、従来の相溶化剤としてABSに代わって耐候性のよいスチレン−アクリロニトリル共重合体を提供して、耐候性、高光沢及び高衝撃を満足し、ウェルドラインとフローマークが発生しないポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を提供することで、自動車の外装材、特に、無塗装の外装材に有用に使用される。
【0020】
また、本出願人が特許文献5で提示したポリカーボネート系熱可塑性樹脂とポリメチルメタクリレート共重合体の含量を全く異なるように適用することで上述した問題を解決すると共に、特に、適切な衝撃強度を有し、実際に製品に適用する際に要求される鉛筆硬度2H以上を有する耐スクラッチ性が更に向上されたポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物及びそれを利用した製品を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明を説明するに当たって、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。明細書全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に含むことを意味する。
【0022】
本発明者らは、ポリカーボネート熱可塑性樹脂とポリメチルメタクリレート共重合体を含む熱可塑性樹脂造成物において、従来相溶性を向上するために適用されていたABS樹脂の場合、耐候性が急激に低下して無塗装の外装材には適用不可能となる問題を直視し、鋭意研究を積み重ねた結果、相溶化剤としてスチレン−アクリロニトリル共重合体とスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体を適用する場合、ウェルドラインとフローマークが発生せずに、耐候性、高光沢及び高衝撃を満足するポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を製造することができ、一方、特定含量範囲のポリカーボネート熱可塑性樹脂とポリメチルメタクリレート共重合体を適用することで、適切な衝撃強度を有し、実際に製品に適用する際に要求される鉛筆硬度2H以上を満足するポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を製造することができることを発見し、本発明に至った。
【0023】
よって、本発明は、ポリカーボネート熱可塑性樹脂5〜28重量%と、ポリメチルメタクリレート共重合体55〜80重量%と、スチレン−アクリロニトリル共重合体1〜20重量%と、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体1〜20重量%と、を含むポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物を開示する。以下、本発明によるポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物の各構成成分をより詳細に説明する。
【0024】
(A)ポリカーボネート系熱可塑性樹脂
本発明に使用されるポリカーボネート熱可塑性樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、自己消火性、柔軟性、加工性及び透明性に優れ、耐候性が優秀で長時間高い物性を維持し、耐熱性及び耐寒性が優秀で酷な温度変化であっても性能を維持する。本発明で最終の熱可塑性樹脂造成物の耐衝撃性、耐熱性、耐候性及び加工性の物性バランスを満足し、特に適切な衝撃強度を有し、実際に製品に適用する際に要求される鉛筆硬度2H以上を有するようにして耐スクラッチ性を更に向上するために、5〜28重量%の含量で含まれるが、好ましくは10〜20重量%、より好ましくは12〜18重量%の含量で含まれる。つまり、ポリカーボネートが過量に含まれた樹脂造成物は、実際の製品に適用するためには鉛筆硬度2H以上の表面硬度を有するべきであるが、厚さが薄くなるほど衝撃強度値が過度に高い傾向を示すため、これを満足することができなくなる。
【0025】
また、本発明の一実施例によるポリカーボネート熱可塑性樹脂は、質量平均分子量(Mw)が25,000〜40,000であるが、好ましくは30,000〜35,000である。また、分枝鎖のものが使用されるが、好ましくは重合に使用されるジフェノール全量に対して0.05〜2モル%のトリまたはそれ以上の多官能化合物、例えば、3価またはそれ以上のフェノール基を有する化合物を添加して製造されたポリカーボネート熱可塑性樹脂が使用される。
【0026】
一方、本発明で使用されるポリカーボネート熱可塑性樹脂の製造は通常的に使用される製造方法によってもよいが、一例として、分子量調節剤及び触媒の存在下でジヒドロキシフェノール(dihydroxy phenol)とホスゲン(phosgen)を反応させて製造するか、ジヒドロキシフェノールとジフェニルカーボネート(diphenyl carbonate)によって得られる前駆体のエステル相互交換反応を利用して製造してもよい。
【0027】
(B)ポリメチルメタクリレート共重合体
本発明に使用されるポリメチルメタクリレート共重合体は、通常的な塊状、柔化及び縣濁重合法によって製造されたものが使用されるが、例えば、重合開始剤によるメチルメタクリレート単量体の付加反応から得られる高分子量のポリメチルメタクリレートが使用されてもよい。
【0028】
前記ポリメチルメタクリレート共重合体は、樹脂流動性(MFR、230℃、3.8kgf)が0.1〜25g/10minであるものが使用されるが、好ましくは0.5〜10g/10min、より好ましくは1〜5g/10minであるものが使用される。前記樹脂流動性が低ければ流動性低下によって製品の表面及び大きさに応じた良好な製品を得ることが難しく、過度であれば流動性はよくなるが衝撃特性が低下する恐れがある。
【0029】
また、前記ポリメチルメタクリレート共重合体は、成形性及び衝撃強度を更に考慮して高流動性を有するポリメチルメタクリレート共重合体を使用するが、好ましくは質量平均分子量が50,000〜150,000、より好ましくは80,000〜120,000であるポリメチルメタクリレート共重合体を使用してもよい。
【0030】
本発明において、前記ポリメチルメタクリレート共重合体は前記ポリカーボネート熱可塑性樹脂の含量に対応して55〜80重量%の多少高い含量で含まれるが、好ましくは61〜70重量%、より好ましくは62〜68重量%で含まれる。前記ポリメチルメタクリレート共重合体の含量が前記範囲を逸脱すれば適切な衝撃強度と要求される2H以上の鉛筆硬度を満足することが難しく、また、その含量が80重量%を超過すれば耐衝撃性が悪く不良が発生する恐れがある。
【0031】
(C)スチレン−アクリロニトリル共重合体
本発明において、相溶化剤の一つとして使用されるスチレン−アクリロニトリル共重合体は、バルク重合(bulk polymerization)方法による造成成分の含量調節を介して剛性、耐候性などを調節するが、ポリカーボネートの脆弱な加工特性を補完し耐化学性を向上するために使用されるよう、アクリロニトリルの含量が15〜40重量%、質量平均分子量が100,000〜200,000である高分子量の共重合体を使用することが好ましく、機械的強度、最適物性維持のために、より好ましくはアクリロニトリルの含量が20〜30重量%、質量平均分子量が120,000〜150,000である共重合体を使用してもよい。
【0032】
前記スチレン−アクリロニトリル共重合体は1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜13重量%で含まれるが、前記含量が1重量%未満であれば剛性が低下し、20重量%以上を超過すれば衝撃強度が低下する恐れがある。
【0033】
(D)スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体
前記スチレン−アクリロニトリル共重合体と共に相溶化剤として組み合わせられて使用されるスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体は、最終樹脂造成物に1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜13重量%の含量で含まれてウェルドライン及びフローマークの発生を防止し、特に、従来ABSの使用による耐候性の低下を根源的に防止することができる。
【0034】
前記スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体は、ブチル−アクリレートを主原料とする多層構造のパウダー状のものが使用され、ブチル−アクリレートが10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の含量で含まれたものを使用する。
【0035】
本発明によるポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物は、その目的を逸脱しない範囲内でそれぞれの用途に応じて添加剤を更に含んでもよい。添加剤としては、酸化防止剤、衝撃補強剤、熱安定剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、無機添加剤、紫外線安定剤、染料、顔料などが一般的に使用される範囲で単独または2種以上混合されて追加に添加され、前記ポリカーボネート系熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部で添加される。
【0036】
以下、本発明による具体的な実施例を挙げて説明する。
【0037】
まず、本発明の実施例及び比較例において使用されたポリカーボネート樹脂をはじめとする成分の仕様は以下のようである。
【0038】
1)ポリカーボネート(PC)熱可塑性樹脂
質量平均分子量が33,000であるポリカーボネート熱可塑性樹脂(3030PJ、サムヤン化成)を使用した。
2)ポリメチルメタクリレート(PMMA)共重合体
樹脂流動性(MFR、230℃、3.8kgf)が2g/10minであるポリメチルメタクリレート共重合体(VH、デサンMMA)を使用した。
3)スチレン−アクリロニトリル(SAN)共重合体
アクリロニトリルの含量が26重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN326、クムホ石油化学)を使用した。
4)スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体
相溶化された製品であるMCR社のIR−441を使用した。
【0039】
実施例1
ポリカーボネート熱可塑性樹脂15重量%、ポリメチルメタクリレート樹脂65重量%、スチレン−アクリロニトリル共重合体10重量%、及びスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体10重量%の割合で定量して混合し、280℃に加熱された二軸圧出機(TEM−26SS、Toshiba社)を利用して溶融温度300℃、注入速度12kg/hr、スクリュー回転速度200rpmの条件で混合物をチップ状に製造した後、射出器(170MT、ウジンセレクス)及びASTM試片状を有する金型を製造して、試片を製作した。
【0040】
比較例1
実施例1において、ポリメチルメタクリレート樹脂を混合せず、ポリカーボネート樹脂を80重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0041】
比較例2
実施例1において、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体を混合せず、ポリカーボネート熱可塑性樹脂を60重量%、及びスチレン−アクリロニトリル共重合体を30重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0042】
比較例3
実施例1において、スチレン−アクリロニトリル共重合体を混合せず、ポリカーボネート熱可塑性樹脂を60重量%、及びポリメチルメタクリレート共重合体を30重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0043】
比較例4
実施例1において、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体及びポリメチルメタクリレート共重合体を混合せず、ポリカーボネート熱可塑性樹脂を90重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0044】
比較例6
実施例1において、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレート共重合体を混合せず、ポリカーボネート樹脂を90重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0045】
比較例6
実施例1において、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体を混合せず、ポリカーボネート熱可塑性樹脂を70重量%、及びポリメチルメタクリレート共重合体を30重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0046】
比較例7
実施例1において、ポリカーボネート熱可塑性樹脂を50重量%、及びポリメチルメタクリレート共重合体を30重量%の割合で定量したことを除いては、実施例1と同じ方法で試片を製作した。
【0047】
前記実施例及び比較例による成分及び造成(単位:重量%)を下記表1にまとめた。
【0049】
試験例
本発明によって製造されたポリカーボネート系熱可塑性樹脂造成物の物性を評価するために、前記実施例及び比較例による試片に対して下記方法によって機械的物性、衝撃強度、光沢特性などを測定し、その結果を下記表2に示した。
【0050】
[測定方法]
(1)樹脂流動性(MFR):ASTM D1238によって230℃で3.8kg荷重条件下で測定した。
(2)密度:ASTM D792によって測定した。
(3)IZOD衝撃強度:ASTM D256によって測定した。
(4)熱変形温度(HDT):ATSM D648によって1.82MPa、120℃/hrの条件下で測定した。
(5)収縮率(MD):ISO 294−4試験規格に準じて測定した。
(6)引張強度、破断応力、破断点伸率:ATSM D638によって50mm/minの条件下で測定した。
(7)屈曲弾性率、屈曲強度:ATSM D790によって10mm/minの条件下で測定した。
(8)鉛筆硬度:JIS K−6301によって10mm/20秒の条件下で測定した。
(12)ロックウェル硬度:ASTM D785によって測定した。
(13)光沢度:試片に対してDRLANGE社のREFO60光沢度測定装備を利用して測定した。
(14)射出試片の表面:成形品のフローマーク及びウェルドラインを観察した。
(15)耐光性:試片に対しATLAS UV cone装備を利用し、UV光線に露出させて基準試片と時間帯別露出試片とのcolor bを測定した。
【0052】
表2を参照すると、本発明によってポリカーボネート熱可塑性樹脂、ポリメチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、及びスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体を最適含量で含む熱可塑性樹脂を、造成物を利用して製造する場合、高い光沢度、優秀な耐光性、及び射出試片の表面を有し、特にIZOD衝撃強度が6.4kg・cm/cmの水準であって、自動車の外装材として適用するに十分な強度を有しながら、鉛筆硬度2H以上の優秀な耐スクラッチ性を具現することを確認した。
【0053】
これに対し、ポリメチルメタクリレート樹脂を含まない場合(比較例1)、屈曲弾性率、硬度、光沢度など物性低下現象が発生することが分かり、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体またはスチレン−アクリロニトリル共重合体を含まない場合(比較例2及び3)、外観にフローマーク及びウェルドラインが発生することが分かる。また、スチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体及びポリメチルメタクリレート共重合体を含まない場合(比較例4)、光沢度及び硬度低下現象が発生し、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレート共重合体を含まない場合(比較例5)、熱的特性、機械的強度及び光沢度が低下し、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びスチレン−メチルメタクリレート−ブチル−アクリレート共重合体を含まない場合(比較例6)、外観不良が発生することが分かる。
一方、ポリカーボネート熱可塑性樹脂の含量が一定範囲を超過し、ポリメチルメタクリレート共重合体の含量が一定範囲に及ばない場合(比較例7)、衝撃強度が高すぎながらも鉛筆硬度がHの水準に留まることが分かる。
【0054】
これまで本発明の好ましい実施例を詳細に説明した。本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変更することができることを理解できるはずである。
【0055】
よって、本発明の範囲は、上述した詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲及びその均等概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解析すべきである。