特許第6393435号(P6393435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6393435
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】文字列等入力システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20180910BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20180910BHJP
【FI】
   G06F3/0482
   G06F3/0481 170
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-26735(P2018-26735)
(22)【出願日】2018年2月19日
【審査請求日】2018年2月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514293477
【氏名又は名称】株式会社WindyLab
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【弁理士】
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】中村 行延
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−282380(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0289337(US,A1)
【文献】 特開2000−181608(JP,A)
【文献】 特開2014−175689(JP,A)
【文献】 特許第6267379(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、
前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される前記所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、
或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、
前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部と
を含む文字列等入力システム。
【請求項2】
介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、
前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、
或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、
前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部と
を含む文字列等入力システム。
【請求項3】
仕事の分野を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示された種別の仕事に含まれる作業もしくは業務内容であって互いに異なる作業もしくは業務内容を示す絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、
前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、
或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形が表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、
前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部と
を含む文字列等入力システム。
【請求項4】
仕事の分野を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示された種別の仕事に含まれる作業もしくは業務内容であって互いに異なる作業もしくは業務内容を示す絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、
前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンに表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、
ユーザーが画面上で複数の中央ボタンから任意の一つの中央ボタンを選択できるようにした中央ボタン選択部と、
前記中央ボタン選択部により選択された中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、
前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部と
を含む文字列等入力システム。
【請求項5】
前記関連周辺ボタン表示部は、前記中央ボタンから十字方向の、例えば上側、下側、左側及び右側などの近傍の各位置、前記中央ボタンから扇状に周辺に向かう近傍の各位置、又は前記中央ボタンから放射状に周辺に向かう近傍の各位置に、前記中央ボタンと関連する複数の各周辺ボタンをそれぞれ表示するものである、請求項1から4までのいずかに記載の文字列等入力システム。
【請求項6】
前記関連文字列表示部は、ユーザーが画面上で前記中央ボタンから1つの周辺ボタンに向けて指を滑らせるフリック操作を行ったとき、前記フリック操作された特定の周辺ボタンと対応する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力するものである、請求項1から5までのいずかに記載の文字列等入力システム。
【請求項7】
介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される前記所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部とを備えておき、
或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示ステップと、
前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示ステップと
を含む文字列等入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型情報端末において文字列等を極めて簡単な操作により入力することができるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型情報端末での文字の入力操作、特にタッチパネルでの文字の入力操作を簡易化する方法が種々提案され、また実用化されている。例えば、図6(a)〜(d)に示すように、平仮名の例えば「な」を指でタッチすると、「な」の周辺(十字状の上下左右に連接する位置)に、「な行」に含まれる「に」、「ぬ」、「ね」及び「の」が表示され、その状態で、さらに指を「な」から「に」、「ぬ」、「ね」及び「の」のいずれか、例えば「ね」の方にフリックする(滑らせる)と当該フリックした先の「ね」が入力されるというフリック入力方式が知られている(特許文献1参照)。このフリック入力によるときは、前記の例では、「な」をタッチし、さらに「ね」の方にフリックするという2回の短い操作だけで「ね」を入力することができるメリットがある。なお、図6(a)〜(d)に示す例は、「な」の周辺である上下左右に「に」、「ぬ」、「ね」及び「の」を表示する方式であるが、図6(e)のように、例えば「あ」の周辺である上方に扇状に「い」、「う」、「え」及び「お」を表示する方式も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−182228号公報
【特許文献2】特許5210471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のような従来より提案されているフリック入力は、例えば図6(a)〜(d)の例では、「な」をタッチして「ね」の方にフリックするという2回の短い操作により、「ね」という一文字を入力するか、又は「ね」を文頭とする文字列の候補(例えば、端末内部の日本語辞書を参照して得られる「ね」から始まる文字列候補である、「寝る」、「練る」、「眠る」、「眠り」、「値段」及び「年」などの文字列候補)を提示できるというだけであり、ユーザーが操作したボタン又はそこに表示された文字やアイコンを構成する絵若しくは図形と内容的に関連する文字列又は文章(又はその候補)を表示したり入力したりすることは全く想定されていなかった。
【0005】
本発明はこのような従来技術の課題に着目して為されたものであって、ユーザーが極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、画面上のボタン又は当該ボタンに表示されたアイコン又は文字列を構成する絵若しくは図形と内容的に関連する文字列又は文章を入力用データとして表示したり入力したりすることができる文字列等入力システム及び方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず最初に本明細書中で使用する用語について説明する。本明細書中において「介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列」とは、介護又は医療分野における仕事の種類、例えば処置、服薬、又は巡回などの言葉で示されている仕事の種類を示す(意味する)文字列、である。また、本明細書中において「仕事の分野を示す文字列」とは、例えば介護又は医療などのような、仕事の分野を示す(意味する)文字列、である。
本発明による文字列等入力システムは、介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される前記所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部とを含むものである。
【0007】
また、本発明による文字列等入力システムは、介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部とを含むものである。
【0008】
また、本発明による文字列等入力システムは、仕事の分野を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示された種別の仕事に含まれる作業もしくは業務内容であって互いに異なる作業もしくは業務内容を示す絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形が表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部とを含むものである。
【0009】
また、本発明による文字列等入力システムは、仕事の分野を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示された種別の仕事に含まれる作業もしくは業務内容であって互いに異なる作業もしくは業務内容を示す絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される所定の意味を有する絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンに表示される絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部と、ユーザーが画面上で複数の中央ボタンから任意の一つの中央ボタンを選択できるようにした中央ボタン選択部と、前記中央ボタン選択部により選択された中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示部と、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示部とを含むものである。
【0010】
また、本発明による文字列等入力システムにおいては、前記関連周辺ボタン表示部は、前記中央ボタンから十字方向の、例えば上側、下側、左側及び右側などの近傍の各位置、前記中央ボタンから扇状に周辺に向かう近傍の各位置、又は前記中央ボタンから放射状に周辺に向かう近傍の各位置に、前記中央ボタンと関連する複数の各周辺ボタンをそれぞれ表示するものであってもよい。
【0011】
また、本発明による文字列等入力システムにおいては、前記関連文字列表示部は、ユーザーが画面上で前記中央ボタンから1つの周辺ボタンに向けて指を滑らせるフリック操作を行ったとき、前記フリック操作された特定の周辺ボタンと対応する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力するものであってもよい。
【0012】
さらに、本発明による文字列等入力方法は、介護又は医療の分野における仕事の種類を示す文字列(「文字列」は複数の文字(文字は記号を含む)からなる言葉又は文章をいう。)又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の中央ボタンと、前記各中央ボタンに表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示される複数の周辺ボタンとを、互いに内容的に関連付けて記録する中央ボタン関連記録部と、前記複数の各周辺ボタンにそれぞれ表示される前記所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形と、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示される文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味とそれぞれ内容的に関連する所定の意味を有する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部とを備えておき、或る中央ボタンが画面に表示されているとき又は操作されたとき、当該中央ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する意味であって互いに異なる所定の意味を有する文字列又は絵もしくは図形がそれぞれ表示された複数の周辺ボタンを、当該中央ボタンの周辺の位置であって少なくとも前記中央ボタンを介して互いに対向する2つの位置を含む複数の位置にそれぞれ表示する関連周辺ボタン表示ステップと、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作又は選択された周辺ボタンに表示された文字列又は絵もしくは図形が有する所定の意味と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示又は入力する関連文字列表示ステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明による文字列等入力システムにおいては、中央ボタンが画面に表示されているとき、前記中央ボタンと関連する複数の周辺ボタンを、前記中央ボタンの周辺に又は前記中央ボタンと関連付けて表示し、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作等された周辺ボタン、当該各周辺ボタンにそれぞれ表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形、又は文字列と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーは、極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、特定の周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連する文字列又は文章を、入力用データとして表示したり入力したりすることができる。
【0014】
また、本発明による文字列等入力システムにおいては、中央ボタンが画面に表示されているとき、前記中央ボタンと関連する複数の周辺ボタンを、前記中央ボタンの周辺に又は前記中央ボタンと関連付けて表示し、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作等された周辺ボタンに表示されたアイコン中の絵又は図形と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーは、極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、且つ前記アイコン中の絵又は図形を見ながら直感的に、特定の周辺ボタンに表示されたアイコン中の絵又は図形と内容的に関連する文字列又は文章を、入力用データとして表示したり入力したりすることができる。
【0015】
また、本発明による文字列等入力システムにおいては、特定の仕事を示すアイコン又は文字列が表示された中央ボタンが画面に表示されているとき、前記中央ボタンと関連する前記複数の周辺ボタンを、前記中央ボタンの周辺に又は前記中央ボタンと関連付けて表示し、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作等された周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形に示された特定の作業内容と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーは、極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、且つ前記アイコン中の作業内容を示す絵若しくは図形を見ながら直感的に、特定の周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形に示された特定の作業内容と内容的に関連する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示したり入力したりすることができる。
【0016】
また、本発明による文字列等入力システムにおいては、介護又は医療分野で行われる特定の仕事を示すアイコン又は文字列が表示された中央ボタンが画面に表示されているとき、前記中央ボタンと関連する複数の周辺ボタンを、前記中央ボタンの周辺に又は前記中央ボタンと関連付けて表示し、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作等された周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形に示された前記介護又は医療分野での特定の仕事に含まれる特定の作業内容を記述した、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーは、極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、且つ前記アイコン中の介護又は医療分野での特定の仕事に含まれる各種の作業内容を示す絵又は図形を見ながら直感的に、特定の周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形に示された介護又は医療分野での特定の仕事に含まれる特定の作業内容と内容的に関連する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示したり入力したりすることができる。
【0017】
また、本発明において、前記関連周辺ボタン表示部が、前記中央ボタンから十字方向の、例えば上側、下側、左側及び右側などの近傍(周辺)の各位置、前記中央ボタンから扇状に周辺に向かう近傍の各位置、又は前記中央ボタンから放射状に周辺に向かう近傍の各位置に、前記中央ボタンと関連する複数の各周辺ボタンを表示するようにしたときは、ユーザーは、前記中央ボタンを操作した状態又は位置から、前記複数の各周辺ボタンへの操作又はその選択のための動作を、極めて容易に且つスムーズに、行うことができる。
【0018】
また、本発明において、前記関連文字列等表示が、ユーザーが画面上で前記中央ボタンから1つの周辺ボタンに向けて指を滑らせるフリック操作を行ったとき、前記フリック操作された特定の周辺ボタンと対応する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしたときは、ユーザーは、前記フリック操作を行うだけで、簡単に入力用データの表示を行うことができるようになる。
【0019】
さらに、本発明に係るによる文字列等入力方法においては、中央ボタンが画面に表示されているとき、前記中央ボタンと関連する複数の周辺ボタンを、前記中央ボタンの周辺に又は前記中央ボタンと関連付けて表示し、前記複数の周辺ボタン中のいずれかが操作又は選択されたとき、前記操作等された周辺ボタン又は当該各周辺ボタンにそれぞれ表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連する、1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーは、極めて簡単な操作(少ない回数の操作)を行うだけで、特定の周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連する文字列又は文章を、入力用データとして表示したり入力したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る文字列等入力システムの構成の概略を示す概念ブロック図である。
図2】本実施形態において、高齢者用介護施設の職員がスマートフォン又はタブレット端末を使用して介護作業記録を入力するときの仕事選択画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態において、高齢者用介護施設の職員がスマートフォン又はタブレット端末を使用して介護作業記録を入力するときの作業内容選択画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態において、高齢者用介護施設の職員がスマートフォン又はタブレット端末を使用して介護作業記録を入力するときの作業内容選択画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態において、高齢者用介護施設の職員がスマートフォン又はタブレット端末を使用して介護作業記録を入力するときの作業内容選択画面の一例を示す図である。
図6】本発明の従来技術に係る、フリック入力方式を採用した文字入力システムの一動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態は、高齢者用介護施設において介護を担当する職員が使用するのに適した、スマートフォン又はタブレット端末用の文字列又は文章の入力機能(文字列等入力方法)を実現するための文字列等入力システムに係るものである。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る文字列等入力システムの構成を示す図である。図1において、1は例えばスマートフォン又はタブレット端末などの携帯型情報端末に使用されるタッチパネル機能付き表示部(タッチパネルを兼ねるディスプレイ部)、2は前記表示部1に表示されたボタン(ボタンスイッチ)等に対するユーザーのタッチ操作等の操作を検出する操作検出部、3は前記表示部1に表示される中央ボタン(後述)と当該中央ボタンと関連する複数の周辺ボタン(後述)とを互いに関連付けて記録しておく中央ボタン関連記録部、4は前記表示部1に表示される1つ又は複数の周辺ボタン(後述)又は当該各周辺ボタンにそれぞれ表示されるアイコン又は文字列と関連する1つ又は複数の文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録する周辺ボタン関連記録部である。
【0023】
また、図1において、5は、前記中央ボタン関連記録部3及び前記周辺ボタン関連記録部4からの情報に基づいて前記表示部1(タッチパネルをかねるディスプレイ部)上に前記の中央ボタン、周辺ボタン、及びその他の情報を表示させる制御部である。また、前記制御部5は、前記操作検出部2からの情報(ユーザーによる画面上でのタッチ操作等の操作に関する情報)を受信して、前記ユーザーの操作に対する対応として、前記表示部1上に、前記の中央ボタン、周辺ボタン、及びその他の情報を、表示させる。また、前記制御部5は、前記画面上での前記周辺ボタンに対応するユーザーのタッチ操作等の操作に対する対応として、前記操作された周辺ボタンに対応する文字列又は文章を、前記表示部1に表示すると共に、入力文字列等受付部6に出力する。
【0024】
前記入力文字列等受付部6は、前記制御部5からの情報に基づいて(又は前記周辺ボタン関連記録部4からの情報を参照して)、前記ユーザーによる操作(選択操作等)に対応する文字列又は文章を、入力情報として受け付けて確定する。
【0025】
次に本実施形態の動作例を図2〜5を参照して説明する。図2は、高齢者用介護施設において介護を担当する職員がスマートフォン又はタブレット端末を使用して介護作業記録を入力するときの画面、特にユーザーが介護作業記録(特に作業内容)を入力するときの最初のメニュー画面としての仕事選択画面の一例を示す図である。図2において、8は前記スマートフォン又はタブレット端末の画面(図1の前記表示部1の画面)である。この画面8中の図示左側部分は日勤の職員が使用する介護作業の記録用の画面、図示右側部分は夜勤の職員が使用する介護作業の記録用の画面である。図2の例では、前記画面8の図示左側部分中に、日勤の職員が入力した「15:30 散歩をした」という作業内容を示す文章(図2の符号9参照)が表示、記録されている。
【0026】
また図2において、10は介護作業を担当する職員が各種の作業を行った度に当該作業内容の記録を介護作業記録の一部として入力するときに使用する介護作業記録用の、最初のメニュー画面としての仕事選択画面である。この仕事選択画面10には、例えば、「処置」、「服薬」、及び「巡回」などのような、介護分野での一般的な分類分けにより区別(類別)された複数種類(種別)の仕事を示す文字列が、それぞれ表示された各中央ボタン11,12,13・・・が表示されている。
【0027】
本実施形態においては、前記中央ボタン関連記録部3(図1参照)により、図2の前記仕事選択画面10中の「処置」という作業内容を示す文字列が表示された中央ボタン11には、後述する各周辺ボタン11a〜11h(又は、当該各周辺ボタン11a〜11hにそれぞれ表示される各種のアイコン又は文字列)が関連付けられて記録されている。また、同様に、前記中央ボタン関連記録部3(図1参照)により、図2の前記仕事選択画面10中の「服薬」という作業内容を示す文字列が表示された中央ボタン12には、前記中央ボタン関連記録部3(図1参照)により、後述する各周辺ボタン12a〜12h(又は、当該各周辺ボタン12a〜12hにそれぞれ表示される各種のアイコン又は文字列)が関連付けられて記録されている。さらに、同様に、前記中央ボタン関連記録部3(図1参照)により、図2の前記仕事選択画面10中の「巡回」という作業内容を示す文字列が表示された中央ボタン13には、後述する各周辺ボタン13a〜13h(又は、当該各周辺ボタン13a〜13hにそれぞれ表示される各種のアイコン又は文字列)が関連付けられて記録されている。
【0028】
また、本実施形態において、前記周辺ボタン関連記録部4(図1参照)は、前記「処置」という文字列を有する中央ボタン11の周囲に表示される各周辺ボタン11a〜11hと、「服薬の時間」、「食事の時間」、「リハビリ」、「散歩」、「入浴」、「背中を拭く」、「トイレ介助」、及び「ベッドを起こす」などの前記「処置」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)をそれぞれ示す文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録している。また、本実施形態において、前記周辺ボタン関連記録部4(図1参照)は、前記「服薬」という文字列を有する中央ボタン12の周囲に表示される各周辺ボタン12a〜12hと、「鼻にさす」、「お尻から入れる」、「耳にさす」、「皮膚などに塗る」、「目にさす」、「カプセルはパッケージから取り出す」、「うがいをする」、及び「舌でとかす」という前記「服薬」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録している。また、本実施形態においては、前記周辺ボタン関連記録部4(図1参照)は、前記「巡回」という文字列を有する中央ボタン13の周囲に表示される各周辺ボタン13a〜13hと、「認知症の患者です」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「起きている」、「大声で呼出があった」、及び「ベッドを離れている」という前記「巡回」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す文字列又は文章とを、互いに関連付けて記録している。
【0029】
〔「処置」ボタンが押されたときの動作〕
次に、図2の前記仕事選択画面10中において、「処置」という仕事種別を示す文字列が表示された中央ボタン11がタッチ操作されたときの動作を、図3に基づいて説明する。前記職員が、図2の前記仕事選択画面10中の「処置」という文字列が表示された中央ボタン11をタッチ操作すると、図3(a)及び(b)に示すように、前記「処置」という文字列を有する中央ボタン11、周辺ボタン11a〜11h、並びに、「服薬の時間」、「食事の時間」、「リハビリ」、「散歩」、「入浴」、「背中を拭く」、「トイレ介助」、及び「ベッドを起こす」という前記「処置」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す文字列が、一緒に表示される。
【0030】
本実施形態では、図3に示す画面中において、前記中央ボタン11は、図2に示す仕事選択画面10中の「処置」という前記中央ボタン11と同じ位置(前記表示部1上における同じ座標位置)に表示され、前記各周辺ボタン11a〜11hは前記中央ボタン11の周辺に表示される。すなわち、本実施形態では、図2に示す仕事選択画面10から図3に示す次画面(作業内容選択画面)に移行するとき、ユーザーである前記職員の指は、図2の「処置」の中央ボタン11をタッチ操作した状態から全く移動しないままで、図3における「処置」の中央ボタン11の上をタッチした状態となる(ユーザーである前記職員にとっては、前記中央ボタン11を1回だけタッチ操作しただけで、それから指は全く動かさないままで、図2の仕事選択画面から図3の作業内容選択画面へと画面が遷移する)。
【0031】
前記周辺ボタン11a〜11hは、前記中央ボタン11の周辺の各位置、すなわち前記中央ボタン11から放射状に隣接する(又は放射状に近傍に存在する)8個の各位置にそれぞれ表示される。また、前記周辺ボタン11a〜11hには、それぞれ、「服薬の時間」、「食事の時間」、「リハビリ」、「散歩」、「入浴」、「背中を拭く」、「トイレ介助」、及び「ベッドを起こす」という前記「処置」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す絵又は図形が表示されている。
【0032】
次に、前記職員(ユーザー)が、前記中央ボタン11から前記周辺ボタン11a〜11hのいずれかの方にフリック操作(指を滑らせる操作)をすると、図3の画面上で、前記「服薬の時間」、「食事の時間」、「リハビリ」、「散歩」、「入浴」、「背中を拭く」、「トイレ介助」、及び「ベッドを起こす」という文字列中の、前記フリック操作が為された特定の周辺ボタンに対応する文字列だけが、反転又は強調表示される。例えば、前記職員が図3の画面上において、前記中央ボタン11の上から前記周辺ボタン11bへと指先をフリック(スライド移動)させると、前記複数の文字列中、「食事の時間」という特定の作業内容を示す文字列だけが、入力用データとして(この場合は入力文字列の候補として)、反転又は強調表示される。
【0033】
このように、本実施形態では、ユーザーは、(i)図2に示す仕事選択画面10において「処置」のボタン11をタッチし、その後(ii)図3に示す次画面(作業内容選択画面)において「食事の時間」という文字列に対応する絵又は図形を含むアイコンが表示された周辺ボタン11bの方に指先をフリックする(滑らせる)という「2つの操作」を行うだけで、前記「食事の時間」という前記職員が行った特定の作業内容を示す文字列を、画面上に入力用データとして表示することができる。
【0034】
その後、前記職員は、前記反転又は強調表示された文字列を確認した上で、図3の画面中の「確定」という文字列が表示されたボタン14をタッチ操作して、前記「食事の時間」という文字列を確定し入力させる。すると、前記「食事の時間」という文字列が、例えば図2の左側部分中に(当該入力時の時刻を示す文字列と共に)表示される。
【0035】
その後、前記職員は、この「食事の時間」という文字列に続けて、「になったので食事を介助した。」などと文字入力して、当該作業の入力及び記録を完成させる。なお、本発明では、前記周辺ボタン11bに、「食事の時間」という文字列ではなく、「食事の時間になったので食事を介助した」という文章を予め関連付けて記録しておき且つ図3に示す次画面(作業内容選択画面)に表示するようにし、前記職員が前記周辺ボタン11bをタッチしたら、「食事の時間になったので食事を介助した。」という文章が反転又は強調表示され、前記職員が前記「確定」ボタン14をタッチしたら、当該文章が確定して入力、記録、及び表示されるようにしてもよい。
【0036】
〔「服薬」ボタンが押されたときの動作〕
次に、図2の前記仕事選択画面10中において、「服薬」という仕事種別を示す文字列が表示された中央ボタン12がタッチ操作されたときの動作を、図4に基づいて説明する。前記職員が、図2の前記仕事選択画面10中の「服薬」という文字列が表示された中央ボタン12をタッチ操作すると、図4(a)及び(b)に示すように、前記「服薬」という文字列を有する中央ボタン12、周辺ボタン12a〜12h、並びに、「鼻にさす」、「お尻から入れる」、「耳にさす」、「皮膚などに塗る」、「目にさす」、「カプセルはパッケージから取り出す」、「うがいをする」、及び「舌でとかす」という前記「服薬」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す文字列が、一緒に表示される。
【0037】
本実施形態では、図4に示す次画面(作業内容選択画面)中の前記中央ボタン12は、図2に示す仕事選択画面10中の「服薬」という中央ボタン12と同じ位置(前記表示部1上における同じ座標位置)に表示され、前記各周辺ボタン12a〜12hは前記中央ボタン12の周辺に表示される。すなわち、本実施形態では、図2に示す仕事選択画面10から図4に示す次画面(作業内容選択画面)に移行するとき、ユーザーである前記職員の指は、図2の「服薬」の中央ボタン12をタッチ操作した状態から全く移動しないままで、図4における「服薬」の中央ボタン12の上をタッチした状態となる(ユーザーである前記職員にとっては、前記中央ボタン12を1回だけタッチ操作しただけで、それから指は全く動かさないままで、図2の仕事選択画面から図4の作業内容選択画面へと画面が遷移する)。
【0038】
前記周辺ボタン12a〜12hは、前記中央ボタン12の周辺の各位置、すなわち前記中央ボタン12から放射状に隣接する(又は放射状に近傍に存在する)8個の各位置にそれぞれ表示される。また、前記各周辺ボタン12a〜12hには、それぞれ、「鼻にさす」、「お尻から入れる」、「耳にさす」、「皮膚などに塗る」、「目にさす」、「カプセルはパッケージから取り出す」、「うがいをする」、及び「舌でとかす」という前記「服薬」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す絵又は図形が表示されている。
【0039】
次に、前記職員(ユーザー)が、前記中央ボタン12から前記周辺ボタン12a〜12hのいずれかの方にフリック操作(指を滑らせる操作)をすると、図4の画面上で、前記「鼻にさす」、「お尻から入れる」、「耳にさす」、「皮膚などに塗る」、「目にさす」、「カプセルはパッケージから取り出す」、「うがいをする」、及び「舌でとかす」の文字列中の、前記フリック操作が為された特定の周辺ボタンに対応する文字列だけが、入力用データとして反転又は強調表示される。例えば、前記職員が図4の画面上において、前記中央ボタン12の上から前記周辺ボタン12dへと指先をフリック(スライド移動)させると、前記複数の文字列中、「皮膚などに塗る」という特定の作業内容を示す文章だけが、反転又は強調表示される。
【0040】
このように、本実施形態では、ユーザーは、(i)図2に示す仕事選択画面10において「服薬」のボタン12をタッチし、その後(ii)図4に示す次画面(作業内容選択画面)において「皮膚などに塗る」という文章に対応する絵又は図形を含むアイコンが表示された特定の周辺ボタン12dの方に指先をフリックする(滑らせる)という「2つの操作」を行うだけで、前記「皮膚などに塗る」という前記職員が行った特定の作業内容を示す文章を、画面上に入力用データとして表示することができる。
【0041】
その後、前記職員は、前記反転又は強調表示された文字列を確認してから、図4の画面中の「確定」という文字列が表示されたボタン14をタッチ操作して、前記「皮膚などに塗る」という文字列又は文章を確定し入力させる。すると、前記「皮膚などに塗る」という文字列が例えば図2の左側部分中に表示される。
【0042】
〔「巡回」ボタンが押されたときの動作〕
次に、図2に示す前記仕事選択画面10中において、「巡回」という仕事種別を示す文字列が表示された中央ボタン13がタッチ操作されたときの動作を、図5に基づいて説明する。前記職員が、前記仕事選択画面10中の「巡回」という文字列が表示された中央ボタン13をタッチ操作すると、図5(a)及び(b)に示すように、前記「巡回」という文字列を有する中央ボタン13、周辺ボタン13a〜13h、並びに、「認知症の患者です」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「起きている」、「大声で呼出があった」、及び「ベッドを離れている」という前記「巡回」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す文字列が、一緒に表示される。
【0043】
本実施形態では、図5に示す作業内容選択画面中の前記中央ボタン13は、図2に示す仕事選択画面10中の「巡回」という中央ボタン13と同じ位置(前記表示部1上における同じ座標位置)に表示され、前記各周辺ボタン13a〜13hは前記中央ボタン13の周辺に表示される。すなわち、本実施形態では、図2に示す仕事選択画面10から図5に示す次画面(作業内容選択画面)に移行するとき、ユーザーである前記職員の指は、図2の「巡回」の中央ボタン13をタッチ操作した状態から全く移動しないまま、図5における「巡回」の中央ボタン13の上をタッチした状態となる(ユーザーである前記職員にとっては、前記中央ボタン13を1回だけタッチ操作しただけで、それから指は全く動かさないままで、図2の仕事選択画面から図5の作業内容選択画面へと画面が遷移する)。
【0044】
前記周辺ボタン13a〜13hは、前記中央ボタン13の周辺の各位置、すなわち前記中央ボタン13から放射状に隣接する(又は放射状に近傍に存在する)8個の各位置にそれぞれ表示される。また、前記周辺ボタン13a〜13hには、それぞれ、「認知症の患者です」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「起きている」、「大声で呼出があった」、及び「ベッドを離れている」という前記「巡回」という種別の仕事の中に含まれる複数種類の作業の内容(意味)を示す絵又は図形が表示されている。
【0045】
次に、前記職員(ユーザー)が、前記中央ボタン13から前記周辺ボタン13a〜13hのいずれかの方にフリック操作(指を滑らせる操作)をすると、図5の画面上で、前記「認知症の患者です」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「特になし」、「起きている」、「大声で呼出があった」、及び「ベッドを離れている」という文字列中の、前記フリック操作が為された特定の周辺ボタンに対応する文字列だけが、入力用データとして反転又は強調表示される。例えば、前記職員が図5の画面上において、前記中央ボタン13の上から前記周辺ボタン13gへと指先をフリック(スライド移動)させると、前記複数の文字列中、「大声で呼出があった」という特定の作業内容に関連する文章だけが、反転又は強調表示される。
【0046】
このように、本実施形態では、ユーザーは、(i)図2に示す仕事選択画面10において「巡回」のボタン13をタッチし、その後(ii)図5に示す次画面(作業内容選択画面)において「大声で呼出があった」という文章に対応する絵又は図形を含むアイコンが表示された特定の周辺ボタン13gの方に指先をフリックする(滑らせる)という「2つの操作」を行うだけで、前記「大声で呼出があった」という前記職員が行った特定の作業内容に関連する文章を、画面上に入力用データとして表示することができる。
【0047】
その後、前記職員は、前記反転又は強調表示された文章を確認した上で、図5の画面中の「確定」という文字列が表示されたボタン14をタッチ操作して、前記「大声で呼出があった」という文章を確定し入力させる。すると、前記「大声で呼出があった」という文章が例えば図2の左側部分中に表示される。
【0048】
以上のように、本実施形態においては、図2に示す仕事選択画面10中の前記中央ボタン11〜13が画面に表示されているとき、ユーザーが前記中央ボタン11〜13のいずれかをタッチ操作するだけで、前記中央ボタン11,12,又は13、及びそれと関連する複数の周辺ボタン11a〜11h、12a〜12h、又は13a〜13hを、前記中央ボタン11,12,又は13と関連付けて、前記中央ボタン11,12,又は13の周辺に表示し、さらに、その後、ユーザーは、前記各周辺ボタンにそれぞれ表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列を見て、それらが示す作業内容を直感的に認識、把握しながら、自分(ユーザーである職員)が行った特定の作業内容を示す絵若しくは図形又は文字列を含むアイコン(アイコンに代わる文字列でもよい)を表示する周辺ボタンに向けてフリック操作するだけで、前記操作等された周辺ボタンに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連する、特定の作業内容を示す文字列又は文章を、入力用データとして表示するようにしている。よって、本実施形態によれば、ユーザーである職員は、極めて簡単な操作(本実施形態では、ユーザーは、(i)図2に示す仕事選択画面10での特定の中央ボタンへのタッチ操作と(ii)図3〜5に示す作業内容選択画面での前記中央ボタンから特定の周辺ボタンへ向かうフリック操作との計2回の操作)を行うだけで、ユーザーである職員が行った特定作業の内容を示す文字列又は文章を入力用データ(図3〜5の場合は入力候補)として表示することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、前述のように、(i)図2に示す仕事選択画面10での前記中央ボタン11〜13のいずれかのタッチ操作と、(ii)図3〜5に示す作業内容選択画面での前記中央ボタンから特定の周辺ボタンへのフリック操作との計2回の操作を行うだけで、ユーザーである職員が行った「巡回」の仕事中に含まれる特定の作業の内容を示す文字列又は文章を入力用データ(入力候補)として表示することができ、さらに、前記「確定」という文字列が表示されたボタン14(図3〜5参照)を押すことだけで、ユーザーが図3〜5の作業内容選択画面上でそれぞれ選択操作(フリック操作)した特定の作業内容を示す文字列又は文章を効率的に入力することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、図3〜5に示すように、中央ボタンから放射状に向かう計8個の近傍(周辺)位置にそれぞれ各周辺ボタンを配置、表示するようにしたが、本発明においてはこれに限られるものではなく、中央ボタンから十字方向、例えば上側、下側、左側及び右側などの方向の近傍の位置に各周辺ボタンを表示することも、また中央ボタンから扇状に周辺に向かう方向の近傍の位置(例えば図6(e)参照)に各周辺ボタンを表示することなども可能である。
【0051】
また、前記実施形態においては、ユーザーである職員が、(i)図2に示す仕事選択画面10での前記中央ボタンのいずれかのタッチ操作と、(ii)図3〜5に示す作業内容選択画面での中央ボタンから周辺ボタンへのフリック操作との計2回の操作を行うだけで、ユーザーである職員が行った介護分野での仕事に含まれる複数の作業中の特定の作業の内容を示す文字列又は文章を入力用データの「候補」として表示させ、その後に、(iii)「確定」という文字列が表示されたボタン14(図3〜5参照)を押すことにより前記文字列又は文章の入力を確定するようにしたが、本発明ではこれに限られるものではなく、(i)図2に示す仕事選択画面10での前記中央ボタン11〜13のいずれかのタッチ操作と、(ii)図3〜5に示す作業内容選択画面での中央ボタンから周辺ボタンへのフリック操作との計2回の操作を行うことだけで、直ちに、前記文字列又は文章の入力を確定させ、当該入力を記録させるようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施形態においては、前記各周辺ボタンにそれぞれ対応する特定の作業内容を示す文字列又は文章を一種類だけとしているが、本発明では、前記各周辺ボタンにそれぞれ対応する特定の作業内容を示す文字列又は文章を複数種類としてもよい。すなわち、前記実施形態では、例えば、図4の「服薬」ボタン12の周辺に表示される各周辺ボタン12a〜12h中の例えば周辺ボタン12dが操作されたとき、周辺ボタン12dに対応する特定の作業内容を示す文字列又は文章として「皮膚などに塗る」だけを入力用データ(入力用候補)として表示するようにしたが、本発明では、例えば「顔の皮膚などに塗る」、「背中の皮膚などに塗る」、「お腹の皮膚などに塗る」、及び「手足の皮膚などに塗る」などの複数の入力用のデータを、入力用候補としてまず表示し、その後、ユーザーに、前記複数の入力用データ候補の中のいずれかを選択させるようにし、このいずれかの選択により入力データとして確定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 表示部
2 操作検出部
3 中央ボタン関連記録部
4 周辺ボタン関連記録部
5 制御部
6 入力文字列等受付部
8 画面
11〜13 中央ボタン
11a〜11h,12a〜12h,13a〜13h, 周辺ボタン
10 仕事選択画面
14 確定ボタン
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーが簡単な操作を行うだけで画面上のボタン又は当該ボタンに表示されたアイコン又は文字列と内容的に関連する文字列又は文章を入力することができる文字列等入力システム及び方法を提供する。
【解決手段】文字列等入力システムは、中央ボタン11が画面に表示等されているとき、中央ボタン11に表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連するアイコン又は文字列が表示された複数の周辺ボタン11a〜11hを中央ボタンの周辺に表示し、複数の周辺ボタン中のいずれかが操作等されたとき、操作された周辺ボタン11a〜11hに表示されたアイコンを構成する絵若しくは図形又は文字列と内容的に関連する1つ又は複数の文字列又は文章を、入力用データとして表示する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6