(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のマルチバンドパスフィルタの各マルチバンドパスフィルタが、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光が選択的に前記対応するフォトセンサまで通過するよう構成されており、
前記2つの個別スペクトルバンドの第一が、第一スペクトル範囲にあるが第二スペクトル範囲でない第一スペクトルバンドに対応し、
前記2つの個別スペクトルバンドの第二が、第二スペクトル範囲にあるが第一スペクトル範囲でない第二スペクトルバンドに対応する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタが、光反射に対する光透過の比率が約50:50であり、波長非依存型ビームスプリッタである、請求項9に記載の撮像装置。
【発明の概要】
【0007】
添付の特許請求の範囲にあるシステム、方法及び装置の多様な実施態様には複数の態様があり、いずれも本明細書で記述する属性が唯一好適な態様ではない。本明細書では顕著な特徴を記述し、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。本検討を考察すれば、特に、「発明を実施するための形態」の項を読めば、多様な実施態様における特徴をいかに利用し、様々な用途、特に医用に適した複数のフォトセンサチップ(例えば、CDD,CMOSなど)を使用した3次元ハイパースペクトルデータキューブの作成が可能なハイパースペクトル撮像装置を作動させるかが理解されるであろう。
【0008】
第一態様
本開示の多様な態様は撮像装置であり、当該撮像装置は、光軸に沿って配置され光源から発光されて対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、複数のデュアルバンドパスフィルタ、ならびに、レンズ及び複数のフォトセンサと光通信する複数のビームスプリッタを備え、各デュアルバンドパスフィルタは、複数のフォトセンサの各フォトセンサを覆い各フォトセンサにより受光される光をフィルタリングするよう構成され、各デュアルバンドパスフィルタは、異なる各スペクトルバンドが各デュアルバンドパスフィルタを通過するよう構成される。各ビームスプリッタは、レンズにより受光された光を少なくとも2つの光路に分光するよう構成される。複数のビームスプリッタのうち第一ビームスプリッタはレンズと直接的に光通信し、複数のビームスプリッタのうち第二ビームスプリッタは、第一ビームスプリッタを介してレンズと間接的に光通信する。複数のビームスプリッタ全体で、レンズにより受光された光を複数の光路に分光する。複数の光路の各光路は、各フォトセンサに対応するデュアルバンドパスフィルタを介して、複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサに光を向けるよう構成される。
【0009】
いくつかの実施形態において、撮像装置は、少なくとも第一動作モード及び第二動作モードを備えた少なくとも1つの光源をさらに備える。第一動作モードでは少なくとも1つの光源が実質的に第一スペクトル範囲で発光し、第二動作モードでは少なくとも1つの光源が実質的に第二スペクトル範囲で発光する。
【0010】
いくつかの実施形態において、複数のバンドパスフィルタの各バンドパスフィルタは、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光がフィルタを通過するよう構成される。いくつかの実施形態において、2つの個別スペクトルバンドのうち一方は、第一スペクトル範囲にあるが第二スペクトル範囲ではない第一スペクトルバンドに対応し、2つの個別スペクトルバンドのうち他方は、第二スペクトル範囲にあるが第一スペクトル範囲ではない第二スペクトルバンドに対応する。
【0011】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は第二スペクトル範囲と実質的に重ならない。いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は第二スペクトル範囲と実質的に隣接する。
【0012】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタからの少なくとも2つの光路は、実質的に同一平面上にある。
【0013】
いくつかの実施形態において、撮像装置は複数のビームステアリングエレメントをさらに備え、各ビームステアリングエレメントは、各光路に対応する各フォトセンサへの各光路に光を向けるよう構成される。いくつかの実施形態において、複数のビームステアリングエレメントの少なくとも1つは、レンズの光軸に垂直に光を向けるよう構成される。いくつかの実施形態において、複数のビームステアリングエレメントの第一サブセットのそれぞれは、レンズの光軸に垂直な第一方向に光を向けるよう構成され、複数のビームステアリングエレメントの第二サブセットのそれぞれは、レンズの光軸に垂直で第一方向に反対の第二方向に光を向けるよう構成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、複数のフォトセンサの各フォトセンサのセンシング面は、レンズの光軸に実質的に垂直である。
【0015】
いくつかの実施形態において、撮像装置はさらに、少なくとも1つの光源と光通信する偏光子、及び、偏光回転子を備える。偏光子は、少なくとも1つの光源から光を受光し、少なくとも1つの光源からの光の第一部を対象に投射するよう構成される。光の第一部は第一状態に偏向される。偏光子はさらに、少なくとも1つの光源からの光の第二部を偏光回転子に投射するよう構成される。光の第二部は、第一状態とは異なる第二状態に偏向される。いくつかの実施形態において、偏光回転子は、光の第二部の偏向を第二状態から第一状態に回転させ、第一状態に偏向された光の第二部を対象に投射するよう構成される。いくつかの実施形態において、第一状態はp偏光であり、第二状態はs偏光である。いくつかの実施形態において、第一状態はs偏光であり、第二状態はp偏光である。
【0016】
いくつかの実施形態において、撮像装置は、方法の実施により複数のフォトセンサから複数画像を取り込むよう構成されたコントローラをさらに備え、当該方法では、少なくとも1つの光源を用いて第一スペクトル範囲の光で対象を照明し、複数のフォトセンサで第一画像セットを取り込む。そのような実施形態において、第一画像セットは、各フォトセンサに対し、対応するデュアルバンドパスフィルタが通過させる第一スペクトルバンドに対応する画像を備え、第一スペクトル範囲の光は、各デュアルバンドパスフィルタの第一スペクトルバンドの光を備える。当該方法ではさらに、少なくとも1つの光源を用いて第二スペクトル範囲の光で対象を照明し、複数のフォトセンサを用いて第二画像セットを取り込む。そのような実施形態において、第二画像セットは、各フォトセンサに対し、対応するデュアルバンドパスフィルタが通過させる第二スペクトルバンドに対応する画像を備え、第二スペクトル範囲の光は、各デュアルバンドパスフィルタの第二スペクトルバンドの光を備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、レンズの集束距離は固定であり、撮像装置はさらに、ある形状の第一部を対象に投影するよう構成された第一プロジェクタ、及び、形状の第二部を対象に投影するよう構成された第二プロジェクタを備え、形状の第一部及び形状の第二部は、レンズの位置が対象から所定距離にある場合、あわせて形状を形成するよう構成される。当該所定距離は、レンズの焦点距離に対応する。いくつかの実施形態において、撮像装置で画像を取り込む場合、形状は、複数のフォトセンサにより撮像される対象部分を示す。いくつかの実施形態において、形状は、長方形、正方形、円形及び楕円形を備えるグループから選択される。いくつかの実施形態において、形状は任意の2次元閉鎖形状である。いくつかの実施形態において、形状の第一部は直角を形成する第一ペア線であり、形状の第二部は直角を形成する第二ペア線であり、形状の第一部及び形状の第二部は、撮像装置の位置が対象から所定距離にある場合、対象上に長方形を形成するよう構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタは、光反射に対する光透過の比率が約50:50である。
【0019】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタのうち少なくとも1つのビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0020】
いくつかの実施形態において、少なくとも第一ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0021】
いくつかの実施形態において、第一動作モードでは、少なくとも1つの光源が、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲で実質的に発光し、第二動作モードでは、少なくとも1つの光源が、実質的に第二スペクトル範囲で発光する。
【0022】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、第三スペクトル範囲の光を通過させ、第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタは、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含む。いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第四スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0024】
いくつかの実施形態において、第二及び第三ビームスプリッタは波長非依存型ビームスプリッタである。
【0025】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−550nmの第一スペクトルサブレンジ、及び、約615−650nmの第二スペクトルサブレンジを備え、第二スペクトル範囲は約550−615nmである。
【0026】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲は約585−650nmであり、第四スペクトル範囲は約450−585nmである。
【0027】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲は、両第一及び第二スペクトル範囲の光を備え、第四スペクトル範囲は、両第一及び第二スペクトル範囲の光を備える。
【0028】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタはプレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである。
【0029】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0030】
いくつかの実施形態において、第一動作モードでは、少なくとも1つの光源が、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲で実質的に発光し、第二動作モードでは、少なくとも1つの光源が、実質的に第二スペクトル範囲で発光する。
【0031】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第三スペクトル範囲の光を通過させ、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備える第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成される。
【0032】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタは、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第四スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0034】
いくつかの実施形態において、第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第五スペクトル範囲の光を反射させ、第五スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0035】
いくつかの実施形態において、第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第六スペクトル範囲の光を反射させ、第六スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−530nmの第一スペクトルサブレンジ、及び、約600−650nmの第二スペクトルサブレンジを備え、第二スペクトル範囲は約530−600nmである。
【0037】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約570−600nmの第三スペクトルサブレンジ、及び、約615−650nmの第四スペクトルサブレンジを備え、第四スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−570nmの第五スペクトルサブレンジ、及び、約600−615nmの第六スペクトルサブレンジを備える。
【0038】
いくつかの実施形態において、第五スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約585−595nmの第七スペクトルサブレンジ、及び、約615−625nmの第八スペクトルサブレンジを備える。
【0039】
いくつかの実施形態において、第六スペクトル範囲の少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約515−525nmの第九スペクトルサブレンジ、及び、約555−565nmの第十スペクトルサブレンジを備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはそれぞれ、プレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである。
【0041】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光源は、第一発光ダイオード(LED)セット及び第二LEDセットを備え、第一LEDセットの各LEDは、第一スペクトル範囲外の光をブロックし第一スペクトル範囲の光を通過させるよう構成された第一バンドパスフィルタを介して光を通過させ、第二LEDセットの各LEDは、第二スペクトル範囲外の光をブロックし第二スペクトル範囲の光を通過させるよう構成された第二バンドパスフィルタを介して光を通過させる。
【0042】
いくつかの実施形態において、第一LEDセットは第一照明アセンブリ内にあり、第二LEDは第一照明アセンブリとは別の第二照明アセンブリ内にある。
【0043】
いくつかの実施形態において、第一LEDセット及び第二LEDセットは共通の照明アセンブリ内にある。
【0044】
第二態様
本開示の他の態様は撮像装置用(例えば、ハイパースペクトル/マルチスペクトル)光アセンブリであり、当該光アセンブリは、光軸に沿って配置されたレンズ、レンズからの光を受光するよう構成された光路アセンブリ、光路アセンブリの第一側部に設置された第一回路板、及び、第一側部の反対にある光路アセンブリの第二側部に設置された第二回路板を備える。第二回路板は第一回路板と略平行である。光路アセンブリは、レンズからの光を第一光路及び第二光路に分光するよう構成された第一ビームスプリッタを備える。第一光路は光軸と略同一線上にある。第二光路は光軸に略垂直である。第二ビームスプリッタは、第一ビームスプリッタに隣接する。第二ビームスプリッタは、第一光路からの光を第三光路及び第四光路に分光するよう構成される。第三光路は第一光路と略同一線上にあり、第四光路は光軸に略垂直である。第三ビームスプリッタは、第一ビームスプリッタに隣接する。第三ビームスプリッタは、第二光路からの光を第五光路及び第六光路に分光するよう構成される。第五光路は第二光路と略同一線上にあり、第六光路は第二光路に略垂直である。第一ビームステアリングエレメントは、第二ビームスプリッタに隣接し、第三光路からの光を第一回路板に接続された第一フォトセンサへ第三光路に垂直に偏向するよう構成される。第二ビームステアリングエレメントは、第二ビームスプリッタに隣接し、第四光路からの光を第二回路板に接続された第二フォトセンサへ第四光路に垂直に偏向するよう構成される。第三ビームステアリングエレメントは、第三ビームスプリッタに隣接し、第五光路からの光を第一回路板に接続された第三フォトセンサへ第五光路に垂直に偏向するよう構成される。第四ビームステアリングエレメントは、第三ビームスプリッタに隣接し、第六光路からの光を第二回路板に接続された第四フォトセンサへ第六光路に垂直に偏向するよう構成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、光アセンブリはさらに複数のバンドパスフィルタを備える。複数のバンドパスフィルタには、第二ビームスプリッタと第一フォトセンサとの間で第三光路に設置された第一バンドパスフィルタ、第二ビームスプリッタと第二フォトセンサとの間で第四光路に設置された第二バンドパスフィルタ、第三ビームスプリッタと第三フォトセンサとの間で第五光路に設置された第三バンドパスフィルタ、及び、第三ビームスプリッタと第四フォトセンサとの間で第六光路に設置された第四バンドパスフィルタがある。各バンドパスフィルタは、異なる対応スペクトルバンドが各バンドパスフィルタを通過するよう構成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、複数のバンドパスフィルタのうち少なくとも1つの各バンドパスフィルタはデュアルバンドパスフィルタである。
【0047】
いくつかの実施形態において、光アセンブリはさらに、光軸に沿って配置された偏光フィルタを備える。いくつかの実施形態において、偏光フィルタは、レンズに隣接し、光軸に沿って第一ビームスプリッタの手前に配置される。
【0048】
いくつかの実施形態において、各ビームステアリングエレメントは鏡またはプリズムである。いくつかの実施形態において、各ビームステアリングエレメントは折り畳み式プリズムである。
【0049】
いくつかの実施形態において、各ビームスプリッタ及び各ビームステアリングエレメントは、実質的に同一平面に沿って方向付けを行う。
【0050】
いくつかの実施形態において、各フォトセンサは対応する回路板に可撓的に接続される。
【0051】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはそれぞれ、光反射に対する光透過の比率が約50:50である。
【0052】
いくつかの実施形態において、少なくとも第一ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0053】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、第一スペクトル範囲の光を通過させ、第二スペクトル範囲の光を反射するよう構成される。
【0054】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第二スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0055】
いくつかの実施形態において、第二及び第三ビームスプリッタは波長非依存型ビームスプリッタである。
【0056】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0057】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲の光を通過させ、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第二スペクトル範囲の光を反射させるよう構成される。
【0058】
いくつかの実施形態において、第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第三スペクトル範囲の光を反射させ、第三スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0059】
いくつかの実施形態において、第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第四スペクトル範囲の光を反射させ、第四スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0060】
第三態様
本開示の他の態様は撮像(例えば、ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像)装置用照明アセンブリであり、当該照明アセンブリは、少なくとも1つの光源、少なくとも1つの光源と光通信する偏光子、及び、偏光回転子を備える。偏光子は、少なくとも1つの光源から光を受光し、少なくとも1つの光源からの光の第一部を対象に照射し、少なくとも1つの光源からの光の第二部を偏光回転子に照射するよう構成され、光の第一部は第一偏向型であり、光の第二部は第二偏向型である。偏光回転子は、光の第二部の偏向を第二偏向型から第一偏向型に回転させ、第一偏向型光を対象に照射するよう構成される。
【0061】
いくつかの実施形態において、第一偏向型はp偏光であり、第二偏向型はs偏光である。いくつかの実施形態において、第一偏向型はs偏光であり、第二偏向型はp偏光である。
【0062】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光源は1以上の発光ダイオード(LED)である。
【0063】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光源は2以上の動作モードを備え、2以上の動作モードの各動作モードでは、光を個別スペクトル範囲で発光し、動作モードに対応する光のスペクトル範囲はいずれも、別の動作モードに対応する光の他のどのスペクトル範囲とも完全には重ならない。
【0064】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光源から偏光子により受光された全ての光のうち少なくとも95%は、対象を照らす。
【0065】
第四態様
本開示の別の態様は、対象についての画像(例えば、ハイパースペクトル/マルチスペクトル画像)の取り込み方法に関し、当該方法において撮像装置は、少なくとも1つの光源、少なくとも1つの光源から発光され対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、及び、複数のバンドパスフィルタを備える。各バンドパスフィルタは、複数のフォトセンサの各フォトセンサを覆い、各フォトセンサにより受光される光をフィルタリングするよう構成される。各バンドパスフィルタは、異なる各スペクトルバンドが各バンドパスフィルタを通過させるよう構成される。少なくとも1つの光源の第一動作モードに従い少なくとも1つの光源で対象を照明し、それぞれが複数のフォトセンサのそれぞれに取り込まれる第一複数画像を取り込み、第一複数画像の各画像は、異なる各スペクトルバンドの光を備える。
【0066】
複数バンドパスフィルタのそれぞれは、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光がフィルタを通過させるよう構成される。当該方法ではさらに、第一複数画像の取り込み後、少なくとも1つの光源の第二動作モードに従い少なくとも1つの光源で対象を照明し、それぞれが複数のフォトセンサのそれぞれにより取り込まれる第二複数画像を取り込み、第二複数画像の各画像は異なる各スペクトルバンドの光を備え、第二複数画像により取り込まれたスペクトルバンドは第一複数画像により取り込まれたスペクトルバンドとは異なる。
【0067】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光源は複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0068】
いくつかの実施形態において、第一波長光フィルタは、複数のLEDのうち第一LEDサブセットと対象との間で照明光路に沿って配置され、第二波長光フィルタは、複数のLEDのうち第二LEDサブセットと対象との間で照明光路に沿って配置される。第一波長光フィルタ及び第二波長光フィルタは、異なるスペクトルバンドに対応する光が各フィルタを通過するよう構成される。
【0069】
いくつかの実施形態において、複数のLEDは白色光を発するLEDを含む。いくつかの実施形態において、複数のLEDは、光の第一スペクトルバンドに対応する光を発光するよう構成された第一LEDサブセット、及び、光の第二スペクトルバンドに対応する光を発光するよう構成された第二LEDサブセットを備え、第一LEDサブセットから発光された光で対象を照明する第一動作モードに従い少なくとも1つの光源で対象を照明し、第二LEDサブセットから発光された光で対象を照明する第二動作モードに従い少なくとも1つの光源で対象を照明し、光の第一スペクトルバンドの波長及び光の第二スペクトルバンドの波長は、完全には重ならないか、全く重ならない。
【0070】
第五態様
本開示の別の態様は撮像装置(例えば、ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像装置)に関し、当該撮像装置は、少なくとも2つの動作モードを有する少なくとも1つの光源、光軸に沿って配置され少なくとも1つの光源から発光されて対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、及び、複数のバンドパスフィルタを備え、各バンドパスフィルタは、複数のフォトセンサの各フォトセンサを覆い、各フォトセンサにより受光される光をフィルタリングするよう構成される。各バンドパスフィルタは、異なる各スペクトルバンドが各バンドパスフィルタを通過させるよう構成される。当該装置はさらに、レンズ及び複数のフォトセンサと光通信する1以上のビームスプリッタを備える。各ビームスプリッタは、レンズにより受光された光を複数の光路に分光するよう構成される。各光路は、各フォトセンサに対応するバンドパスフィルタを介して各フォトセンサに光を向けるよう構成される。
【0071】
第六態様
本開示の別の態様は撮像装置に関し、当該撮像装置は、光軸に沿って配置され受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、レンズ及び複数のフォトセンサと光通信する複数のビームスプリッタを備えた光路アセンブリ、ならびに、複数のマルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ、トリプルバンドパスフィルタ、クウォッドバンドパスフィルタ)を備える。複数のマルチバンドパスフィルタの各マルチバンドパスフィルタは、複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサを覆い、それにより、対応する光の異なる各スペクトルバンドが、レンズにより受光され複数のビームスプリッタにより分光された光から選択的に、対応フォトセンサを通過する。複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタは、レンズにより受光された光を少なくとも2つの光路に分光するよう構成される。複数のビームスプリッタのうち第一ビームスプリッタは、レンズと直接的に光通信する。複数のビームスプリッタのうち第二ビームスプリッタは、第一ビームスプリッタを介してレンズと間接的に光通信する。複数のビームスプリッタは全体で、レンズにより受光された光を複数の光路に分光し、複数の光路の各光路は、各フォトセンサに対応するマルチバンドパスフィルタを介して、複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサに光を向けるよう構成される。
【0072】
特定の実施形態において、マルチバンドパスフィルタは、デュアルバンドパスフィルタである。いくつかの実施形態において、複数の光検知器(例えば、光検知器112)の各光検知器は、デュアルバンドパスフィルタ(例えば、フィルタ114)で覆われる。
【0073】
いくつかの実施形態において、各光検知器はトリプルバンドパスフィルタで覆われ、第三光源が使用でき、固有のスペクトルバンドでの画像3セットの収集が可能となる。例えば、4つの光検知器の各検知器がトリプルバンドパスフィルタで覆われている場合、最大12の固有スペクトルバンドでの画像収集が可能である。
【0074】
いくつかの実施形態において、各光検知器は、クウォッドバンドパスフィルタで覆われ、第四光源が使用でき、固有のスペクトルバンドでの画像4セットの収集が可能となる。例えば、4つの光検知器の各光検知器がクウォッドバンドパスフィルタで覆われている場合、最大16のスペクトルバンドでの画像収集が可能である。また別の実施態様において、5、6、7またはそれ以上のバンドを通過させるバンドパスフィルタをそれぞれ使用することで、より多くの固有スペクトルバンドセットでの収集が可能となる。
【0075】
いくつかの実施形態において、また、撮像装置は第一光源及び第二光源を備え、第一光源及び第二光源が光を投射し、光の一部が対象で後方散乱されレンズで受光されるよう構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、第一光源は、実質的に第一スペクトル範囲に限定された光を発光し、第二光源は、実質的に第二スペクトル範囲に限定された光を発光する。
【0077】
いくつかの実施形態において、第一光源は、第一バンドパスフィルタで覆われた第一マルチスペクトル光源であり、第一バンドパスフィルタが第一光源により発光された第一スペクトル範囲外の全ての光を実質的にブロックし、第二光源は、第二バンドパスフィルタで覆われた第二マルチスペクトル光源であり、第二バンドパスフィルタが第二光源により発光された第二スペクトル範囲外の全ての光を実質的にブロックする。
【0078】
いくつかの実施形態において、第一マルチスペクトル光源は第一白色発光ダイオードであり、第二マルチスペクトル光源は第二白色発光ダイオードである。
【0079】
いくつかの実施形態において、複数のデュアルバンドパスフィルタの各デュアルバンドパスフィルタは、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光が選択的に対応フォトセンサまで通過するよう構成される。いくつかの実施形態において、2つの個別スペクトルバンドの一方は、第一スペクトル範囲にあるが第二スペクトル範囲でない第一スペクトルバンドに対応し、2つの個別スペクトルバンドの他方は、第二スペクトル範囲にあるが第一スペクトル範囲でない第二スペクトルバンドに対応する。
【0080】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は第二スペクトル範囲と実質的に重ならない。
【0081】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は第二スペクトル範囲と実質的に隣接する。
【0082】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は520nm、540nm、560nm及び640nmの波長光を備え、第二スペクトル範囲は580nm、590nm、610nm及び620nmの波長光を備える。
【0083】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタからの少なくとも2つの光路は実質的に同一平面上にある。
【0084】
いくつかの実施形態において、撮像装置はさらに複数のビームステアリングエレメントを備え、各ビームステアリングエレメントは、複数のフォトセンサのうち、各光路に対応する各フォトセンサへの各光路に光を向けるよう構成される。いくつかの実施形態において、複数のビームステアリングエレメントのうち少なくとも1つは、レンズの光軸に垂直に光を向けるよう構成される。いくつかの実施形態において、複数のビームステアリングエレメントの第一サブセットのそれぞれは、光軸に垂直な第一方向に光を向けるよう構成され、複数のビームステアリングエレメントの第二サブセットのそれぞれは、光軸に垂直で第一方向に反対の第二方向に光を向けるよう構成される。
【0085】
いくつかの実施形態において、複数のフォトセンサの各フォトセンサのセンシング面は、光軸に実質的に垂直である。
【0086】
いくつかの実施形態において、撮像装置は、方法の実施により複数のフォトセンサから複数の画像を取り込むよう構成されたコントローラをさらに備え、当該方法では、第一光源一度目として使用し対象を照明し、照明時複数のフォトセンサを用いて第一画像セットを取り込む。第一画像セットは、複数のフォトセンサの各フォトセンサに対し、対応マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)が通過させる第一スペクトルバンドに対応する画像を備え、第一スペクトル範囲の光は、各マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)の第一スペクトルバンドの光を備える。当該方法ではさらに、第一光源を消灯し、次に、第二光源を二度目として使用し対象を照明する。当該方法では、二度目の照明時に複数のフォトセンサを用いて第二画像セットを取り込む。第二画像セットは、複数のフォトセンサの各フォトセンサに対し、対応マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)が通過させる第二スペクトルバンドに対応する画像を備え、第二スペクトル範囲の光は、各マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)の第二スペクトルバンドの光を備える。
【0087】
いくつかの実施形態において、複数のフォトセンサの各フォトセンサは、各フォトセンサの撮像積算時間を判断する対応シャッタ機構により制御される画素アレイである。複数のフォトセンサのうち第一フォトセンサは、第一画像取り込みに要する第一積算時間、及び、第二画像取り込みに要する第二積算時間に独立して関連する。第一積算時間は第二積算時間とは無関係である。つまり、当該装置は、画像を取り込むスペクトルバンド毎にそれぞれ積算時間を判断する。
【0088】
いくつかの実施形態において、複数のフォトセンサの各フォトセンサは、各フォトセンサの撮像積算時間を判断する対応シャッタ機構により制御される画素アレイである。第一照明時間は、第一画像取り込み時の複数のフォトセンサと関連する第一最大積算時間で判断され、複数のフォトセンサのうち第一フォトセンサの積算時間は、第一画像取り込み時の複数のフォトセンサのうち第二フォトセンサの積算時間とは異なる。第二照明時間は、第二画像取り込み時の複数のフォトセンサと関連する第二最大積算時間で判断され、第一フォトセンサの積算時間は、第二画像取り込み時の第二フォトセンサの積算時間とは異なる。いくつかの実施態様において、第一最大積算時間は、第二最大積算時間とは異なる。
【0089】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタは、光反射に対する光透過の比率が約50:50である。
【0090】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタのうち少なくとも1つのビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0091】
いくつかの実施形態において、少なくとも第一ビームスプリッタ(例えば、レンズと直接的に光通信する)はダイクロイックビームスプリッタである。
【0092】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタのうち少なくとも1つのビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタであり、第一スペクトル範囲は少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備え、複数のビームスプリッタはそれぞれ光反射に対する光透過の比率が約50:50であり、第一ビームスプリッタは、第三スペクトル範囲の光を通過させ、第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成される。
【0093】
いくつかの実施形態において、複数のビームスプリッタは、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第四スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0095】
いくつかの実施形態において、第二及び第三ビームスプリッタは波長非依存型ビームスプリッタである。
【0096】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲は、両第一及び第二スペクトル範囲の光を含み、第四スペクトル範囲は、両第一及び第二スペクトル範囲の光を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタはプレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである。いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0098】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備え、複数のビームスプリッタはそれぞれ光反射に対する光透過の比率が約50:50であり、第一ビームスプリッタは、第三スペクトル範囲の光を通過させ、第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成され、複数のビームスプリッタは、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含み、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0099】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲は少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備え、第四スペクトル範囲は少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備える。
【0100】
いくつかの実施形態において、第三スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第四スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0101】
いくつかの実施形態において、第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備える第五スペクトル範囲の光を反射させ、第五スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0102】
いくつかの実施形態において、第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備える第六スペクトル範囲の光を反射させ、第六スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0103】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはそれぞれ、プレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである。
【0104】
いくつかの実施形態において、第一光源は第一照明アセンブリ内にあり、第二光源は第一照明アセンブリとは別の第二照明アセンブリ内にある。
【0105】
いくつかの実施形態において、複数画像の各画像は、対象の1つの位置での多画素画像であり、また、コントローラが実施する方法では、複数画像の各画像を画素ごとに合成して合成画像を形成することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態(例えば、トリプルバンドパスフィルタまたはクウォッドバンドパスフィルタを採用した実施形態)において、撮像装置は2を超える光源を備える。1つの実施形態において、撮像装置は少なくとも3つの光源を備える。1つの実施形態において、撮像装置は少なくとも4つの光源を備える。1つの実施形態において、撮像装置は少なくとも5つの光源を備える。
【0107】
いくつかの実施形態において、撮像装置は、携帯可能で、第一照明及び第二照明時は電力グリッドから独立して給電される。第一光源は、第一照明時少なくとも80ワットの光力を提供する。第二光源は、第二照明時少なくとも80ワットの光力を提供する。撮像装置はさらに第一光源及び第二光源と電気通信するコンデンサバンクを備え、コンデンサバンクのコンデンサの電圧定格は少なくとも2ボルトであり、コンデンサ定格は少なくとも80ファラドである。
【0108】
いくつかの実施形態において、第一及び第二波長は、それぞれの照明時少なくとも20ワットから少なくとも400ワットの間でそれぞれ独立して選択された光力を提供する。いくつかの実施形態において、光力は、少なくとも20ワット、少なくとも30ワット、少なくとも40ワット、少なくとも50ワット、少なくとも60ワット、少なくとも70ワット、少なくとも80ワット、少なくとも90ワット、少なくとも100ワット、少なくとも110ワット、少なくとも120ワット、少なくとも130ワット、少なくとも140ワット、少なくとも150ワット、少なくとも160ワット、少なくとも170ワット、少なくとも180ワット、少なくとも190ワット、少なくとも200ワット、少なくとも225ワット、少なくとも250ワット、少なくとも275ワット、少なくとも300ワット、少なくとも325ワット、少なくとも350ワット、少なくとも375ワット、及び、少なくとも400ワットから独立して選択される。
【0109】
いくつかの実施形態において、マルチバンドパスフィルタの個別バンドは互いに少なくとも60nm離れている。特定の実施形態において、複数のデュアルバンドパスフィルタのうち1つのデュアルバンドパスフィルタの2つの個別バンドは少なくとも60nm離れている。
【0110】
いくつかの実施形態において、撮像装置は携帯可能で、第一照明及び第二照明時(または、2を超える照明が採用されている場合全てによる照明時)は電力グリッドから電気的に独立している。いくつかの実施形態において、第一及び第二照明を500ミリセカンド未満照明する(または、2を超える照明が採用されている場合、全ての照明を500ミリセカンド未満照明する)。いくつかの実施形態において、第一及び第二照明を300ミリセカンド未満照明する(または、2を超える照明が採用されている場合、全ての照明を300ミリセカンド未満照明する)。いくつかの実施形態において、第一及び第二照明を250ミリセカンド未満照明する(または、2を超える照明が採用されている場合、全ての照明を250ミリセカンド未満照明する)。
【0111】
いくつかの実施形態において、また、撮像装置は、光路アセンブリの第一側部に配置された第一回路板を備え、複数のフォトセンサのうち第一フォトセンサ及び第三フォトセンサが第一回路板に接続されている。第二回路板は、第一側部と反対にある光路アセンブリの第二側部に配置され、第二回路板は、第一回路板と略平行にあり、複数のフォトセンサのうち第二フォトセンサ及び第四フォトセンサが第二回路板に接続される。第一ビームスプリッタは、レンズからの光を第一光路及び第二光路に分光するよう構成され、第一光路は光軸と略同一線上にあり、第二光路は光軸に略垂直である。第二ビームスプリッタは、第一光路からの光を第三光路及び第四光路に分光するよう構成され、第三光路は第一光路と略同一線上にあり、第四光路は光軸に略垂直である。複数のビームスプリッタのうち第三ビームスプリッタは、第二光路からの光を第五光路及び第六光路に分光するよう構成され、第五光路は第二光路と略同一線上にあり、第六光路は第二光路に略垂直である。また、光路アセンブリは、第三光路からの光を、第一回路板に接続された第一フォトセンサへ第三光路に垂直に偏向するよう構成された第一ビームステアリングエレメント、第四光路からの光を、第二回路板に接続された第二フォトセンサへ第四光路に垂直に偏向するよう構成された第二ビームステアリングエレメント、第五光路からの光を、第一回路板に接続された第三フォトセンサへ第五光路に垂直に偏向するよう構成された第三ビームステアリングエレメント、及び、第六光路からの光を、第二回路板に接続された第四フォトセンサへ第六光路に垂直に偏向するよう構成された第四ビームステアリングエレメントを備える。
【0112】
いくつかの実施形態において、第一マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)は、第一ビームスプリッタと第一フォトセンサとの間で第三光路に配置される。第二マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)は、第二ビームスプリッタと第二フォトセンサとの間で第四光路に配置される。第三マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)は、第三ビームスプリッタと第三フォトセンサとの間で第五光路に配置される。第四マルチバンドパスフィルタ(例えば、デュアルバンドパスフィルタ)は、第四ビームスプリッタと第四フォトセンサとの間で第六光路に配置される。
【0113】
いくつかの実施形態において、また、撮像装置は、光軸に沿って配置される偏光フィルタを備える。いくつかの実施形態において、偏光フィルタは、レンズに隣接し光軸に沿って第一ビームスプリッタの手前に配置される。
【0114】
いくつかの実施形態において、第一ビームステアリングエレメントは鏡またはプリズムである。
【0115】
いくつかの実施形態において、第一ビームステアリングエレメントは折り畳み式プリズムである。
【0116】
いくつかの実施形態において、各ビームスプリッタ及び各ビームステアリングエレメントは、実質的に同一平面に沿って方向付けを行う。
【0117】
いくつかの実施形態において、各フォトセンサは対応する回路板に可撓的に接続される。
【0118】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはそれぞれ、光反射に対する光透過の比率が約50:50である。
【0119】
いくつかの実施形態において、少なくとも第一ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0120】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、第一スペクトル範囲の光を通過させ、第二スペクトル範囲の光を反射するよう構成される。
【0121】
いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲の光を第二ビームスプリッタに向け通過させ、第二スペクトル範囲の光を第三ビームスプリッタに向け反射させる。
【0122】
いくつかの実施形態において、第二及び第三ビームスプリッタは波長非依存型ビームスプリッタである。
【0123】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタ、第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタはダイクロイックビームスプリッタである。
【0124】
いくつかの実施形態において、第一ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲の光を通過させ、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第二スペクトル範囲の光を反射させるよう構成される。
【0125】
いくつかの実施形態において、第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第三スペクトル範囲の光を反射させ、第三スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0126】
いくつかの実施形態において、第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第四スペクトル範囲の光を反射させ、第四スペクトルサブレンジの少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成される。
【0127】
本開示をより詳細に理解されるよう、多様な実施態様の特徴を参考にし、一部を添付図で示して、具体的に説明する。しかし、添付図は単に本開示の該当特徴を表しているだけであって、本説明に限定するものと見なさず、他の有効な特徴及び配置を認めてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0130】
本明細書において、添付図に示す例示的な実施態様が十分理解されるよう詳述する。しかし、具体的に詳述されていなくても、本発明を実施してもよい。本明細書で説明する実施態様の多数の適切な態様が不必要に不明瞭にならないよう、周知の方法、構成要素及び回路については、細部にわたり詳述していない。
【0131】
ハイパースペクトル撮像は一般的に複数画像の取得に関連し、各画像は連続したスペクトル範囲で収集された狭スペクトルバンドを表す。例えば、ハイパースペクトル撮像システムでは15個の画像を取得し、各画像は異なるスペクトルバンド内の光を表す。これらの画像の取得では一般的に、所望の対象の一連の写真を撮像した後、所望のハイパースペクトル画像を生成するよう複数画像を処理する。しかし、画像が使用可能であるためには、画像の構成や向きが実質的に同じでなければならない。例えば、有効なハイパースペクトル画像への合成が可能な画像であるためには、画像の被写体の位置が各フレームで実質的に同じでなければならない。連続して(例えば、次々に)撮像するので、確実に画像全てを適切に整列させることはかなり困難であるかもしれない。特に医療分野では難しく、臨床医は患者を撮像するが、患者が動く可能性があり、または、患者の部位の位置が撮像には難しく若しくは厄介であるかもしれない。
【0132】
本明細書で説明するように、ハイパースペクトル撮像装置は、同時に複数の画像が取り込まれ、各画像は所望のスペクトルバンドで取り込まれる。具体的には、本開示の撮像装置及び関連方法では、複数のフォトセンサを使用して、同時に複数の画像を取り込む。このため、ユーザは、複数画像のそれぞれの取り込み時、撮像装置と被写体との位置あわせを完璧に維持する必要がなく、一度撮像装置の位置決めをするだけで、一度の撮像装置の操作で(例えば、1、2または3枚撮りで)必要な画像の全てを取り込むことができる。それゆえ、ハイパースペクトル画像の取り込みが、より速く簡単にかつより正確に実施できる。
【0133】
また、従来の撮像システムでは高い電力量が必要で、動作するにはシステムを電源(例えば、交流コンセント)に接続する必要がある。これは、光可変フィルタエレメント、高出力光源などを使用することによる。本明細書で説明するハイパースペクトル撮像装置における光アーキテクチャではシステムの電力量及び全体サイズが縮小されており、真に携帯可能な装置を生産できる点が、有利である。
【0134】
1つの実施態様において、本明細書で説明するハイパースペクトル撮像装置の設計では、対象(例えば、患者の組織)の像を異なるスペクトルバンドで同時に取り込むよう構成された複数のフォトセンサを採用し、これらの課題を解決する。各フォトセンサは、限られた数のスペクトルバンド(例えば、1または2スペクトルバンド)を検出するよう構成されるが、複数のフォトセンサによりあわせて、特定のハイパースペクトルデータキューブ(例えば、特定の医療診断の作成、監視、農業調査、工業的評価などの実施に有用なハイパースペクトルデータキューブ)の構成に必要なスペクトルバンドの全てで撮像する。
【0135】
いくつかの実施態様において、これらの利点を実現するため、撮像装置の光アセンブリ内で分光して配向し、限定スペクトルバンドの光だけが各フォトセンサに照射されるようにする。
図11は、そのような実施態様の光アセンブリ内に作られた光路の実施例を示しており、当該光路では、スペクトル成分バンドに分光し(例えば、ダイクロイックビームスプリッタ及び/またはビーム分割板を使用して)、適切なスペクトルバンドの光を対応フォトセンサに向けている。
【0136】
いくつかの実施態様において、これらの利点を実現するため、光アセンブリ内で光を各フォトセンサに均等に配分し、各フォトセンサでの検出前に、不要な波長を除去する。
図10は、そのような実施態様の光アセンブリ内に作られた光路の実施例を示しており、本実施例では、光エレメント(例えば、50:50ビームスプリッタ)を用いて、各フォトセンサを覆うフィルタエレメントに向けて光を均等に配分している。
【0137】
また別の実施態様において、これらの利点を実現するため、これら2つの戦略を混合して採用する。例えば、光アセンブリを用いて、まず分光し(例えば、ダイクロイックビームスプリッタまたはビーム分割板を使用して)、所望のスペクトルパスバンドを有するフィルタで覆われた各フォトセンサにスペクトル成分バンドを均等配分する。
【0138】
いくつかの実施態様において、1以上のこれらの利点を実現するため、ハイパースペクトル撮像装置で2つの照明源を使用する。第一照明源は、第一スペクトルバンドサブセットで対象を照らすよう構成され、第二照明源は、第二スペクトルバンドサブセットを用いて対象を照らすよう構成される。第一及び第二スペクトルバンドサブセットは重なっておらず、両セットをあわせて、特定のハイパースペクトルデータキューブの構成に必要な全スペクトルバンドを備える。対象を第一光源で照明した第一画像セット、及び、対象を第二光源で照明した第二画像セットの2セットの画像をあわせるよう、光アセンブリを構成する。例えば、各フォトセンサは、第一スペクトルバンドサブセットに含まれる第一スペクトルバンドで第一画像を、第二スペクトルバンドサブセットに含まれる第二スペクトルバンドで第二画像をそれぞれ取り込む。
【0139】
いくつかの実施態様において、画像の取り込み及びその処理では、撮像装置が被写体上の関心領域の複数の画像(例えば、第一スペクトルバンドバンドで取り込まれた第一画像、及び、第二スペクトルバンドバンドで撮像された第二画像)を収集する。撮像装置は、各メモリ位置で各画像を保存する(例えば、メモリの第一位置で第一画像を保存し、メモリの第二位置で第二画像を保存する)。その後、撮像装置は、各画像の各画素を画素ごとに例えばプロセッサ210で比較し、被写体の関心領域のハイパースペクトル画像を生成する。いくつかの実施態様において、画素別分析の前に各画素値をビニング、平均化、または演算処理するが、例えば、画素別比較では、ビニング、平均化または演算処理後の画素値を比較することを含む。
【0140】
典型的な実施態様
図1Aは、多様な実施態様によるハイパースペクトル撮像装置100を示す。ハイパースペクトル撮像装置100は、対象の表面(例えば、患者の肌)を照らす少なくとも1つの光源106、及び、対象からの反射光及び/または後方散乱光を収集するレンズアセンブリ104を有する、光アセンブリ102を備える。光アセンブリ102はドッキングステーション110に取り付けられる。
【0141】
多様な実施態様において、光アセンブリ102はドッキングステーション110に本固定される(例えば、光アセンブリ102を、ドッキングステーション110の下部構造で光アセンブリ102を部分的に包みこむよう固定し、溶接、ねじ止めなどの方法で締結する)。別の実施態様において、光アセンブリ102はドッキングステーション110に本固定されない(例えば、光アセンブリ102を、ドッキングステーション110の下部構造に嵌合させる)。
【0142】
多様な任意の実施態様において、
図1Aによれば、ドッキングステーション110は、対象物からのハイパースペクトル撮像装置100の位置が合焦画像の取得に適した距離にあることを示す光を対象に投光するよう構成された第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2を備える。レンズアセンブリ104の焦点距離が固定で、レンズアセンブリを操作して画像の焦点をあわせることができない場合、これが特に有効であってもよい。
【0143】
さらに、
図8A及び
図9Cによると、多様な実施態様において、
図1Aの第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2は、適正位置にある撮像対象上に第一部902−1及び第二部902−2を含みあわせて形状902が形成される(例えば、
図8A及び
図9Cを参照のこと)パターン光を、撮像対象に投光するよう構成される。例えば、第一形状部902−1及び第二形状部902−1は、対象からのレンズ104の位置がレンズアセンブリ104の焦点距離である所定距離にある場合、集束して形状902を形成するよう構成される。
【0144】
多様な実施態様において、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2はそれぞれ、対象にスポットを投射し、対象からのレンズ104の位置がレンズの集束距離である所定距離にある場合に当該スポットが集束するよう構成される(例えば、
図8B及び
図9Eを参照のこと)。他の形状、レチクル、画像、十字線などを含む、他の照射も考えられる。
【0145】
多様な実施態様において、ドッキングステーション110は、光源106と撮像対象物との間に位置するよう構成された光学窓114を備える。また、窓114は、レンズアセンブリ104と撮像対象との間に位置するよう構成される。光学窓114は、レンズアセンブリ104に達する環境光を制限するだけでなく、光源106及びレンズアセンブリ104を保護する。多様な実施態様において、光学窓114は、光源106から放出される光の波長に対し光学的に透明(または、本質的に光学的に透明)な材料で構成される。多様な実施態様において、光学窓114は、光源106からの放出によらない光の1以上の波長に対し部分的にまたは完全に不透明な材料で構成される。多様な実施態様において、光学窓114は偏光レンズである。多様な実施態様において、光学窓114は外環境に開放されている(例えば、搭載レンズも他の光学的に透明な材料も備えていない)。
【0146】
多様な実施態様において、ドッキングステーション110は、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、専用情報端末、タブレットコンピュータ、IPOD、デジタルカメラ、ポータブルミュージックプレイヤ、及び/または、他の携帯電子デバイスといったモバイルデバイス120を受信し、ハイパースペクトル撮像装置100にモバイルデバイスを効果的に搭載するよう構成される。多様な実施態様において、ドッキングステーション110は、光アセンブリ102とモバイルデバイス120との間で容易に電子通信できるよう構成される。多様な実施態様において、モバイルデバイス120は、光アセンブリ102用ディスプレイとして(例えば、光アセンブリ102を操作するタッチスクリーンディスプレイとして、及び/または、光アセンブリ102が収集したハイパースペクトル画像のディスプレイとして)動作するよう構成されたディスプレイ122を備える。多様な実施態様において、モバイルデバイス120は、光アセンブリ102により収集された1以上の画像を処理するプロセッサとして構成される。多様な実施態様において、モバイルデバイス120は、光アセンブリ102により収集された1以上の画像を外部コンピュータデバイスに送信する(例えば、有線通信または無線通信により)よう構成される。
【0147】
図1Bは別のハイパースペクトル撮像装置100を示しており、多様な実施態様により、
図1Aに示すハイパースペクトル撮像装置100に類似するが、本体に前向きのレンズアセンブリ104及び後向きのディスプレイ122を備える一眼レフ(DSLR)カメラに類似した集積体101を備える。DSLR型筐体であるため、ユーザにはハイパースペクトル撮像装置100が持ちやすく、患者及び関心領域(例えば、患者の肌)に装置を向け、患者から適切な距離に装置を配置できる。
図1Bの実施態様が、
図1Aの装置について上記及び以下で記載する多様な特徴を包含してもよいことは、理解されるであろう。
【0148】
多様な実施態様において、上記の装置に類似した、
図1Bに示すハイパースペクトル撮像装置100は、対象の表面(例えば、患者の肌)を照らす光源106及び107、ならびに、対象からの反射光及び/または後方散乱光を収集するレンズアセンブリ104を備える光アセンブリを備える。
【0149】
多様な実施態様において、また、上記の装置に類似した
図1Bのハイパースペクトル撮像装置は、対象からのハイパースペクトル撮像装置100の位置が合焦画像の取得に適した距離にあることを示す光を対象に投光するよう構成された第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2を備える。上記のように、レンズアセンブリ104の集束距離が固定で、レンズアセンブリを操作して画像の焦点をあわせることができない場合、これが特に有効であってもよい。
図1Bに示すように、プロジェクタは本体101の前側に搭載される。
【0150】
多様な実施態様において、本体101は実質的に、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2、ならびにディスプレイ122とともに、光アセンブリの光源106及び107ならびにレンズアセンブリ104を包み支える。
【0151】
上記装置とは対照的に、
図1Bのハイパースペクトル撮像装置の多様な実施態様は、略垂直に配向された回路板に搭載されたフォトセンサ(例えば、フォトセンサ210−1及び210−3を参照のこと)を備える。多様な実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置は、ライブビューカメラ103及び遠隔温度計105を備える。ライブビューカメラ103では、DSLRのライブプレビュー機能と同様に、ディスプレイ122をファインダとして使用できる。温度計105は、関心領域内の患者の組織表面の温度を測定するよう構成される。
【0152】
図2Aは、多様な実施態様によるハイパースペクトル撮像装置100用の光アセンブリ102の断面図である。光アセンブリ102はより大型のアセンブリ(本明細書で論じるように)に包含されるか、他の任意の装置やアセンブリと関係無く使用されてもよい。
【0153】
図2Aで示すように、光アセンブリ102はケーシング202を備える。また、
図3の分解組立図に示すように、光アセンブリ102は、レンズアセンブリ104、少なくとも1つの光源(例えば、光源106)、光路アセンブリ204、1以上の回路板(例えば、回路板206及び回路板208)、ならびに、複数のフォトセンサ210(例えば、フォトセンサ210−1〜210−4)も備える。撮像装置100が1以上のプロセッサ及び1つのメモリを備えることは、理解されるであろう。例えば、そのようなプロセッサは1以上の回路板と一体化されるか、動作可能に接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、1以上の浮動小数点ゲートアレイに接続されたAT32UC3A364(ATMEL社、San Jose California)マイクロコントローラまたは同等のものを用いて、フォトセンサから画像を収集する。2つの回路板206及び208を図示しているが、いくつかの実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置は1つの回路板(例えば、206か208のいずれか)を備え、各フォトセンサ210は当該1つの回路板に搭載されるかまたは接続される(例えば、フレックス回路または有線で)。
【0154】
光アセンブリ102の構成要素はケーシング202内に収容及び/または搭載される。多様な実施態様において、ケーシング202自体も、
図1Aで示すように、別のアセンブリに収容及び/または搭載されるように構成される。
【0155】
レンズアセンブリ104(本明細書では「レンズ」として同じ意味で称する)は、対象で反射した光を取り込み、光を集中させ、光を光路アセンブリ204に向けるよう構成された撮像レンズである。多様な実施態様において、レンズアセンブリ104は、固定焦点距離、固定集束距離を有する多素子レンズ及び/または固定焦点レンズである。
【0156】
少なくとも1つの光源は、光アセンブリ102による撮像対象に光を向けるよう構成される。具体的には、少なくとも1つの光源は、所望のスペクトルコンテンツを有する光で対象を照らすよう構成される。少なくとも1つの光源からの光は、対象で反射及び/または後方散乱され、レンズアセンブリ104で受光され、光アセンブリ102の複数のフォトセンサにより取り込まれる。
【0157】
多様な実施態様において、本明細書で論じるように、少なくとも1つの光源は、複数の動作モードに従い動作するよう構成され、各動作モードでは、異なるスペクトルコンテンツを有する光で対象を照らす。例えば、第一動作モードでは、少なくとも1つの光源が500nmから600nmのスペクトル範囲(または、その他任意のスペクトル範囲)で発光し、第二動作モードでは、少なくとも1つの光源が600nmから700nmのスペクトル範囲(または、その他任意のスペクトル範囲)で発光する。
【0158】
多様な実施態様において、光源には、1つの広帯域光源、複数の広帯域光源、1つの狭帯域光源、複数の狭帯域光源、または、1以上の広帯域光源及び1以上の狭帯域光源の組合せが含まれる。同様に、多様な実施形態において、光源には、複数のコヒーレント光源、1つのインコヒーレント光源、複数のインコヒーレント光源、または、1以上のコヒーレント光源及び1以上のインコヒーレント光源の組合せが含まれる。
【0159】
1つの実施態様において、光源が複数のスペクトル範囲で発光するよう構成される場合、光源は複数の発光装置(例えば、発光ダイオード)セット(例えば、各セットは、同一のスペクトルバンドで発光するよう構成された1以上の光源を備える)を備え、各セットは、複数のスペクトル範囲のうちの1つの範囲でのみ発光するよう構成される。
【0160】
いくつかの実施形態において、
図1Bによると、光源が複数のスペクトル範囲で発光するよう構成される場合、光源は複数の発光装置(例えば、発光ダイオード)セットを備え、各セットを個々のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)でフィルタリングする。具体的な実施例として、
図1Bによると、光源106は、第一スペクトル範囲で発光するよう構成され、光源107は第二スペクトル範囲で発光するよう構成される。いくつかの実施形態において、光源106は、第一スペクトル範囲に対応する第一バンドパスフィルタでフィルタリングする第一発光装置セットを備え、光源107は、第二スペクトル範囲に対応する第二バンドパスフィルタでフィルタリングする第二発光装置セットを備える。典型的な実施形態において、第一スペクトル範囲は、第一第二スペクトル範囲とは異なり、重なっていない。いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は、第二スペクトル範囲とは異なるが、重なっている。いくつかの実施形態において、第一スペクトル範囲は、第二スペクトル範囲と同一である。いくつかの実施形態において、第一発光装置セットは1つの第一発光ダイオード(LED)を備え、第二発光装置セットは1つの第二発光ダイオードを備える。そのような実施形態において、1つの第一発光ダイオード及び1つの第二発光ダイオードとして使用に適した発光ダイオードの実施例に、LUMINUS CBT−140 Whtie LED(Luminus Devices社、Billerica、MA)がある。いくつかの実施形態において、第一発光装置セットは複数の第一発光ダイオードを備え、第二発光装置セットは複数の第二発光ダイオードを備える。
【0161】
いくつかの実施形態において、光源106はバンドパスフィルタで覆われておらず、本来第一スペクトル範囲でしか発光しない。いくつかの実施形態において、第二光源107はバンドパスフィルタで覆われておらず、本来第二スペクトル範囲でしか発光しない。
【0162】
いくつかの実施形態において、光源106は少なくとも80ワットの光力で発光し、第二光源は少なくとも80ワットの光力で発光する。いくつかの実施形態において、光源106は単独で、少なくとも80ワット、少なくとも85ワット、少なくとも90ワット、少なくとも95ワット、少なくとも100ワット、少なくとも105ワット、または少なくとも110ワットの光力で発光する。いくつかの実施形態において、光源107は単独で、少なくとも80ワット、少なくとも85ワット、少なくとも90ワット、少なくとも95ワット、少なくとも100ワット、少なくとも105ワット、または少なくとも110ワットの光力で発光する。
【0163】
いくつかの実施形態において、スペクトルイメージャ100は、照明時は主電源(例えば、電力グリッド)に接続されていない。つまり、いくつかの実施形態において、スペクトルイメージャは、少なくとも照明状態において、独立して、例えばバッテリから給電される。いくつかの実施形態において、光源106及び/または光源107で必要な照明用電力量(例えば、いくつかの実施形態において、100ワットを超える光力)を確保するため、光源は高容量バンク(図示せず)を介してバッテリと電気的に接続される。1つのその実施例において、コンデンサバンクは、基板実装可能なコンデンサを備える。1つのそのような実施例において、コンデンサバンクは、定格が少なくとも80ファラド(F)、ピーク電流が少なくとも80アンペア(A)のコンデンサを備え、照明時少なくとも0.7ワット時(Whr)のエネルギ送達が可能である。1つのそのような実施例において、コンデンサバンクは、定格が少なくとも90F、ピーク電流が少なくとも85Aのコンデンサを備え、照明時少なくとも0.8Whrのエネルギ送達が可能である。1つのそのような実施例において、コンデンサバンクは、定格が少なくとも95F、ピーク電流が少なくとも90Aのコンデンサを備え、照明時少なくとも0.9Whrのエネルギ送達が可能である。1つのそのような実施例において、コンデンサバンクは、定格が100F、ピーク電流が95AのRSC2R7107SRコンデンサ(IOXUS社、Oneonta、New York)を備え、照明時0.1Whrのエネルギ送達が可能である。
【0164】
1つの実施例において、スペクトルイメージャへの給電に使用するバッテリはコンデンサバンクを備えており、電圧が少なくとも6ボルト、容量が少なくとも5000mAHである。1つのそのような実施例において、バッテリは、定格7.4V、容量6600mAH、重さ10.72オンスのTENERGY社製(Fremont、California)のバッテリである。
【0165】
いくつかの実施形態において、コンデンサバンクは、光源106及び光源107の両方と電気的に接続された1つのコンデンサを備え、当該1つのコンデンサの定格は少なくとも80F、ピーク電流は少なくとも80Aであり、照明時少なくとも0.7Whrのエネルギ送達が可能である。いくつかの実施形態において、コンデンサバンクは、光源106に電気的に接続された第一コンデンサ、及び、光源107に電気的に接続された第二コンデンサを備え、当該第一コンデンサ及び第二コンデンサではそれぞれ、定格が少なくとも80F、ピーク電流が少なくとも80Aであり、照明時それぞれ少なくとも0.7Whrのエネルギ送達が可能である。
【0166】
1つの実施態様において、光源は複数のスペクトル範囲で発光するよう構成され、第一動作モードでは、第一発光装置セットのみ使用し、第二動作モードでは、第二発光装置セットのみ使用する。この場合、いくつかの実施形態において、第一発光装置セットは1つの第一LEDであり、第二発光装置セットは1つの第二LEDであると理解されよう。撮像装置100の別の光源で、発光装置及びバンドパスフィルタを同一または同様に配置し使用してもよい。発光装置セットを追加し、及び/または、別のスペクトル範囲に対応するバンドパスフィルタを追加することにより、動作モードを追加する(例えば、第三動作モード、及び/または、第四動作モードなど)ことも可能である。
【0167】
多様な実施態様において、
図2Bに示すように、光アセンブリ102は、光源106及び光源107を含む2つの光源を有する。多様な実施態様において、両光源は、実質的に重ならない2つのスペクトル範囲で発光するよう構成される。例えば、第一動作モードにおいて、両光源106及び107は、スペクトル範囲500nmから600nm(または他の任意のスペクトル範囲)で発光し、第二動作モードにおいて、両光源106及び107は、スペクトル範囲600nmから700nm(または他の任意のスペクトル範囲)で発光する。
【0168】
いくつかの実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置が2つの光源(例えば、光源106及び107)を備える場合、各光源は、実質的に重ならない2つのスペクトル範囲のうちの一方でしか発光しないよう構成される。例えば、第一動作モードにおいて、光源106は第一スペクトル範囲(例えば、500nmから600nm、または他の任意のスペクトル範囲)で発光し、第二動作モードにおいて、光源107は第二スペクトル範囲(例えば、600nmから700nm、または他の任意のスペクトル範囲)で発光する。
【0169】
いくつかの実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置が2つの光源(例えば、光源106及び107)を備える場合、各光源は、対応する所定のスペクトル範囲で発光するよう構成される。例えば、第一動作モードにおいて、光源106は第一スペクトル範囲で発光し(例えば、520nm、540nm、560nm及び640nm光を含む)、第二動作モードにおいて、光源107は、第二スペクトル範囲で発光する(例えば、580nm、590nm、610nm及び620nm光を含む)。
【0170】
いくつかの実施形態において、第一光動作モード及び第二光動作モードを光源ペアに適用する。つまり、各光源は、それぞれ1つのスペクトル範囲でのみ発光し、光源ペアであわせて上記の第一動作モード及び第二動作モードに従い動作する。
【0171】
多様な実施態様において、実質的に重ならない2つのスペクトル範囲の一方または両方は、連続しないスペクトル範囲である。例えば、第一光源は、断続的な490nmから580nmの範囲(例えば、490−510nm及び520−580nmのスペクトルバンド)の波長で発光してもよく、第二光源は、連続した575nmから640nmの範囲(例えば、575−640nmの1つのスペクトルバンド)の波長で発光してもよい。別の実施例において、第一光源は、断続的な510nmから650nmの範囲(例えば、510−570nm及び630−650nmのスペクトルバンド)の波長で発光してもよく、第二光源は、連続した570nmから630nmの範囲(例えば、570−630nmの1つのスペクトルバンド)の波長で発光してもよい。また別の実施例において、光源106は、断続的な515nmから645nmの範囲(例えば、515−565nm及び635−645nmのスペクトルバンド)の波長で発光してもよく、光源107は、連続した575nmから625nmの範囲(例えば、575−625nmの1つのスペクトルバンド)の波長で発光してもよい。
【0172】
いくつかの実施態様において、光源106及び107は、パスバンドが実質的に重なる対応第一波長フィルタ及び第二波長フィルタで覆われた広帯域光源(例えば、白色LED)である。いくつかの実施態様において、光源106及び107は、パスバンドが実質的に重ならない対応第一波長フィルタ及び第二波長フィルタで覆われた広帯域光源(例えば、白色LED)である。そのような実施態様で使用するフィルタのパスバンドは、ハイパースペクトルデータキューブを作成するために画像化するスペクトルバンドを基にする。
【0173】
1つの実施態様において、収集するスペクトルバンドは2つのグループに分けられる。第一グループは、スペクトルバンドが所定波長未満の波長であり、第二グループは、スペクトルバンドが所定波長超の波長である。例えば、8つのスペクトルバンド分の画像が特定のハイパースペクトルデータキューブの作成に必要な場合、最短波長を含む4つのスペクトルバンドを第一グループとし、残る4つのスペクトルバンドを第二グループとする。次に、第一パスバンドを選択し、第一フィルタにより第一グループに該当する波長の光を通過させるが、第二グループに該当する波長の光を実質的に全てブロックするようにする。同様に、第二パスバンドを選択し、第二フィルタにより第二グループに該当する波長の光を通過させるが、第一グループに該当する波長の光を実質的に全てブロックするようにする。
【0174】
別の実施態様において、収集するスペクトルバンドを2つのグループに分ける。第一グループは第一スペクトルバンドサブセットを備え、第二グループは第二スペクトルバンドサブセットを備える。本実施態様において、2つのサブセットへの分離方法として、第一サブセットのスペクトルバンドと第二サブセットのスペクトルバンドをペアにする場合に、確実に最小所定バンド分離れるようにする。例えば、1つの実施形態において、第一サブセットは520、540、560、及び640を備え、第二サブセットは、580、590、510及び620を備える。さらに、波長を4ペア形成し、各ペアは第一サブセットの1バンド及び第二サブセットの1バンドを備え、ペアバンド間が少なくとも50nm離れる。例えば、1つの実施形態において、ペア(i)520nm/590nm、ペア(ii)540nm/610nm、ペア(iii)560nm/620nm、及びペア(iv)580nm/640nm、のペアを形成する。ペアにおける各バンドの中心が少なくとも50nm離れたペアバンドでは、いくつかの実施形態において、フォトセンサを覆って使用するデュアルバンドパスフィルタの効果を高めることができることは、利点である。これは、各バンドパスフィルタが通過させる2つの波長範囲が、相互に十分離れ効果的にフィルタリングを実施できることによる。よって、いくつかの実施態様において、第一グループの1つのスペクトルバンド及び第二グループの1つのスペクトルバンドを通過させるデュアルパスバンドフィルタを各フォトセンサの手前に配置し、第一グループに属するスペクトルバンドで1画像を取り込み(例えば、光源106が対象を照明して)、第二グループに属するスペクトルバンドで1画像を取り込む(例えば、光源107が対象を照明して)。
【0175】
1つの実施態様において、ハイパースペクトルデータキューブを組織のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビン成分判断に使用する場合、第一フィルタのパスバンドは430から510nm間で始まり570nmから590nm間で終わり、第二フィルタのパスバンドは570nmから580nm間で始まり645nmから700nm間で終わる。
【0176】
第一実施態様において、撮像装置100は画像セットを収集するよう構成され、画像セットの各画像は個々のスペクトルバンドで収集され、画像セットは、中心波長が{510±5nm、530±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、620±5nm、及び660±5nm}である個別スペクトルバンドのセットのうちいずれか4つ以上、いずれか5つ以上、いずれか6つ以上、いずれか7つ以上、または全てで収集された画像を備え、当該セットの個別スペクトルバンドは15nm未満、10nm未満、または5nm以下の半値全幅を有する。本第一実施態様のいくつかの実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長500±5−550±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長650±5−670±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長550±5nm−630±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。本第一実施態様の他のそのような実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長505±5−545±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長655±5−665±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長555±5nm−625±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。
【0177】
第二実施態様において、撮像装置100は画像セットを収集するよう構成され、画像セットの各画像は個々のスペクトルバンドで収集され、画像セットは、中心波長が{520±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、610±5nm、620±5nm、及び640±5nm}である個別スペクトルバンドのセットのうちいずれか4つ以上、いずれか5つ以上、いずれか6つ以上、いずれか7つ以上、または全てで収集された画像を備え、当該セットの個別スペクトルバンドは15nm未満、10nm未満、または5nm以下の半値全幅を有する。本第二実施態様のいくつかの実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長510±5−570±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長630±5−650±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長570±5nm−630±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。本第二実施態様の他のそのような実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長515±5−565±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長635±5−645±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長575±5nm−625±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。
【0178】
第三実施態様において、撮像装置100は画像セットを収集するよう構成され、画像セットの各画像は個々のスペクトルバンドで収集され、画像セットは、中心波長が{500±5nm、530±5nm、545±5nm、570±5nm、585±5nm、600±5nm、615±5nm、及び640±5nm}である個別スペクトルバンドのセットのうちいずれか4つ以上、いずれか5つ以上、いずれか6つ以上、いずれか7つ以上、または全てで収集された画像を備え、当該セットの個別スペクトルバンドは15nm未満、10nm未満、または5nm以下の半値全幅を有する。本第三実施態様のいくつかの実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長490±5−555±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長630±5−650±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長560±5nm−625±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。本第三実施態様の他のそのような実施形態において、光源106を覆う第一バンドパスフィルタは、第一パスバンドで波長495±5−550±5nmを通過させ、第二パスバンドで波長635±5−645±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックし、光源107を覆う第二バンドパスフィルタは、1つのパスバンドで波長565±5nm−620±5nmを通過させるが、その他全ての波長をブロックする。
【0179】
いくつかの実施態様において、光源106及び107は、広帯域光源(例えば、白色LED)である。第一光源106は短波長フィルタ(例えば、波長がカットオフ波長未満である光を通過させるが、波長がカットオフ波長を超える光をブロックするフィルタ)で処理され、第二光源107は長波長フィルタ(例えば、波長がカットオン波長を超える光を通過させるが、波長がカットオン波長未満である光をブロックするフィルタ)で処理される。短波長または長波長パスフィルタでのカットオフ波長及びカットオン波長は、撮像システムが取り込むスペクトルバンドセットを基に判断される。一般的に、各カットオフ及びカットオン波長は、第一画像セットで取り込まれる最長波長より長く、第二画像セットで取り込まれる最短波長より短くなるよう選択される(例えば、第一及び第二画像セットを組みあわせて、ハイパースペクトルデータセットを形成する)。
【0180】
例えば、
図2B及び
図3によると、1つの実施態様において、フォトセンサ210はそれぞれ、デュアルパスバンドフィルタ216で覆われている。各デュアルパスバンドフィルタ216は、第一及び第二スペクトルバンドの光を各フォトセンサ210まで通過させる。光源106及び107に対応するフィルタでのカットオフ及びカットオン波長の選択では、各フィルタ216から1つのパスバンドのみ光源106を覆うフィルタのカットオフ波長未満で、各フィルタ216からの他のバスバンドが光源107を覆うフィルタのカットオン波長を超えるようにする。
【0181】
1つの実施態様において、ハイパースペクトルデータキューブを用いて、組織のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビン成分を判断する場合、光源106を覆う短波長パスフィルタのカットオフ波長、及び、光源107を覆う長波長パスフィルタのカットオン波長は、565nmから585nmまでである。
【0182】
第一実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置は、中心波長が510±5nm、530±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、620±5nm、及び660±5nmであるスペクトルバンドで画像を収集するよう構成され、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有し、光源106を覆う短波長パスフィルタのカットオフ波長、及び、光源107を覆う長波長パスフィルタのカットオン波長は、それぞれ独立して570±5nmである。
【0183】
第二実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置は、中心波長が520±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、610±5nm、620±5nm、及び640±5nmであるスペクトルバンドで画像を収集するよう構成され、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有し、光源106を覆う短波長パスフィルタのカットオフ波長、及び、光源107を覆う長波長パスフィルタのカットオン波長は、それぞれ独立して585±5nmである。
第三実施態様において、ハイパースペクトル撮像装置は、中心波長が500±5nm、530±5nm、545±5nm、570±5nm、585±5nm、600±5nm、615±5nm、及び640±5nmであるスペクトルバンドで画像を収集するよう構成され、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有し、光源106を覆う短波長パスフィルタのカットオフ波長、及び、光源107を覆う長波長パスフィルタのカットオン波長は、それぞれ独立して577.5±5nmである。
【0184】
多様な実施態様において、撮像装置100は、3つ以上の光源(例えば、光源数が2、3、4、5、6、またはそれ以上)を備える。その場合、スペクトル範囲(または、他の所望の特性)を3つ以上の光源に任意に割り当ててもよい。例えば、所望の各動作モードに従い発光するよう、各光源を構成することができる。このため、例えば、4つの光源から実質的に重ならない4つのスペクトル範囲が必要である場合、各光源は4つの各スペクトル範囲で発光するよう構成されてもよい。あるいは、各光源は4つのスペクトル範囲のうちそれぞれ異なる1つで発光するよう構成されてもよい。あるいは、光源のうち2つの光源が、4つのスペクトル範囲のうち各2つで発光するよう構成され、残り2つの光源は残る2つのスペクトル範囲のそれぞれで発光するよう構成されてもよい。各光源へのスペクトルバンドの割当ては、他も考えられる。
【0185】
図4によると、光アセンブリ102は、レンズアセンブリ104で受光した光を、第一回路板206及び第二回路板208に接続された複数のフォトセンサ210(例えば、210−1〜210−4)に向ける光路アセンブリ204も備える。具体的には、本明細書で記載するように、光路アセンブリ204は複数のビームスプリッタ212(例えば、212−1〜212−3)及び複数のビームステアリングエレメント214(例えば、214−2、214−4)を備える。ビームスプリッタ212及びビームステアリングエレメント214はレンズアセンブリ104が受けた光を複数の光路に分光し、当該光路を光アセンブリ102の複数のフォトセンサ210に向けるよう構成される。
【0186】
多様な実施態様において、多様なタイプのビームスプリッタを光アセンブリ102で使用してもよい。多様な実施態様において使用する1つのビームスプリッタタイプは、1本の光線をそれぞれに略同一のスペクトルコンテンツを有する2つの個別光路に分けるよう構成される。例えば、ビームスプリッタへの入射光の約50%を第一方向に向け、残り約50%を第二方向(例えば、第一方向に垂直)に向ける。多様な実施態様において、他の割合で、2方向に分光してもよい。参照の便宜上、本明細書では、ビームスプリッタの型を50:50ビームスプリッタとし、1本の光線を個々に異なるスペクトルコンテンツを有する2つの個別光路に分けるダイクロイックビームスプリッタとは区別する。例えば、スペクトル範囲が450−650nm(またはそれ以上)の光を受けるダイクロイックビームスプリッタは、第一方向に450−550nmのスペクトル範囲の光を向け、第二方向(例えば、第一方向に垂直)に550−650nmのスペクトル範囲の光を向けてもよい。
【0187】
さらに、断続的なスペクトルサブレンジを含む他の範囲を使用してもよいが、これに限定されない。例えば、第一スペクトル範囲は、約450−550nmの第一スペクトルサブレンジ及び約615−650nmの第二スペクトルサブレンジを含み、第二、第三、及び第四スペクトル範囲はそれぞれ、約550−615nm、585−650nm、及び、450−585nmであってもよい。あるいは、多様なビームスプリッタを用いて、約450−530nmの第一スペクトルサブレンジ及び約600−650nmの第二スペクトルサブレンジを有する第一スペクトル範囲、約530−600nmの第二スペクトル範囲、約570−600nmの第三スペクトルサブレンジ及び約615−650nmの第四スペクトルサブレンジを含む少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを有する第三スペクトル範囲、約450−570nmの第五スペクトルサブレンジ及び約600−615nmの第六スペクトルサブレンジを含む少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを有する第四スペクトル範囲、約585−595nmの第七スペクトルサブレンジ及び約615−625nmの第八スペクトルサブレンジを含む少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを有する第五スペクトル範囲、及び、約515−525nmの第九スペクトルサブレンジ及び約555−565nmの第十スペクトルサブレンジを含む少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを有する第六スペクトル範囲に、分光してもよい。
【0188】
多様な実施態様において、ビームスプリッタ212は、50:50ビームスプリッタである。多様な実施態様において、ビームスプリッタ212は、ダイクロイックビームスプリッタ(例えば、1本の光線を、それぞれが異なるスペクトルコンテンツを有するいくつかの光路に分光するビームスプリッタ)である。多様な実施態様において、ビームスプリッタ212は、50:50ビームスプリッタ及びダイクロイックビームスプリッタの組みあわせを含む。本明細書では、多様なタイプのビームスプリッタを採用した光アセンブリ102の具体的な実施例をいくつか考察する。
【0189】
光路アセンブリ204は、各フォトセンサ(具体的には、フォトセンサを覆うフィルタ)に提供される画像が実質的に同じ(例えば、同一画像を各フォトセンサに提供する)になるよう構成される。全てのフォトセンサ210が同時に動作可能であるので、光アセンブリ102は略同時に同一対象の画像を複数取り込む(つまり、対象への照明条件が同一な複数の画像を取り込む)ことが出来る。さらに、パスバンドが異なるバンドパスフィルタ216−nで各フォトセンサ210−nが覆われるため、各フォトセンサ210−nは、スペクトル成分が異なる画像を取り込む。それぞれが異なるスペクトル成分を表す複数の画像を、ハイパースペクトルデータキューブに組み込み、分析にかける。
【0190】
いくつかの実施形態において、各フォトセンサ210−nは画素アレイである。いくつかの実施形態において、各フォトセンサ210−nは、500,000画素、1,000,000画素、1,100,000画素、1,200,000画素、または、1,300,000画素超を備える。典型的な実施形態において、複数フォトセンサのうちの1つのフォトセンサは、MT9M001C12STMモノクロセンサ(Aptina Imaging社、San Jose、California)などの1/2インチメガピクセルのCMOSデジタル画像センサである。
【0191】
図3は、多様な実施態様による光アセンブリ102の概略分解組立図である。また、
図3は光アセンブリの多様な構成要素の配置を示す。具体的には、光アセンブリ102は、第一回路板206及び第二回路板208を備え、当該第一回路板206及び第二回路板208は互いに略平行で、光路アセンブリ204の対向する両側部に配置される。多様な実施態様において、回路板206及び208はリジッド回路板である。
【0192】
第一フォトセンサ210−1及び第三フォトセンサ210−3は、第一回路板206に接続される。第二フォトセンサ210−2及び第四フォトセンサ210−4は、第二回路板208に接続される。多様な実施態様において、フォトセンサ210は各回路板に直結される(例えば、フォトセンサを回路板に強固に取り付ける)。多様な実施態様において、光路アセンブリ204に対しフォトセンサ210を精密に配置するため、フォトセンサ210を各回路板に可撓的に接続する。例えば、場合により、フォトセンサ210をフレキシブル回路(例えば、ポリアミド、PEEK、ポリエステル、または他の任意の金属を含むフレキシブル基板を含む)に搭載する。その後、フレキシブル回路を回路板206及び208に電気接続する。多様な実施態様において、次にフレキシブル相互接続(例えば、フレキシブルボード、フレキシブルワイヤアレイ、フレキシブルPCB、フレキシブル平型ケーブル、リボンケーブルなど)で回路板206及び208のいずれかにそれぞれ接続されたリジッド板に、フォトセンサ210を搭載する。
【0193】
上記のように、光アセンブリ102は、複数のバンドパスフィルタ216(例えば、216−1〜216−4)を備える。バンドパスフィルタ216は、フォトセンサ210と光路アセンブリ204の各光出口との間に配置される。このため、バンドパスフィルタ216は、フォトセンサ210への最終的な入射光をフィルタリングするよう構成される。いくつかの実施形態において、各バンドパスフィルタ216は、デュアルバンドパスフィルタである。
【0194】
多様な実施態様において、各バンドパスフィルタ216は、パスバンドが異なるよう構成される。よって、光路アセンブリ204が各フォトセンサに(具体的には、フォトセンサを覆うフィルタに)同一画像を提供しても、各フォトセンサは実際にはスペクトル成分が異なる画像を取り込む。例えば、本明細書で詳述するように、第一バンドパスフィルタ216−1の中心パスバンドは約520nmであり、第二バンドパスフィルタ216−2の中心パスバンドは約540nmであってもよい。このため、撮像装置100が露光を取り込む際、第一フォトセンサ210−1(第一バンドパスフィルタ216−1にフィルタリングされる)は、中心波長が約520nmである入射光部を表す画像を取り込み、第二フォトセンサ210−2(第二バンドパスフィルタ216−2にフィルタリングされる)は、中心波長が約540nmである入射光部を表す画像を取り込む。(本明細書で使用するとき、用語露光とは、同時にまたは略同時に複数のフォトセンサで複数の画像を取り込む1度の撮像動作をいう。)これらの画像は、第三フォトセンサ210−3及び第四フォトセンサ210−4に取り込まれる(それぞれが異なるスペクトルバンドを取り込む)他の画像とあわせ、ハイパースペクトルデータキューブに組み込み、また別の分析にかける。
【0195】
多様な実施態様において、バンドパスフィルタ216の少なくとも1つのサブセットは、2つ(またはそれ以上)の個別スペクトルバンドに対応する光がフィルタを通過できるよう構成される。本明細書では、そういったフィルタをデュアルバンドパスフィルタと称してもよく、この用語は2つの個別パスバンドを有するバンドパスフィルタ、及び、2つ超の個別パスバンドを有するバンドパスフィルタ(例えば、トリプルバンドバンドパスフィルタ、クォッドルプルバンドバンドパスフィルタなど)を包含することを意図する。複数パスバンドを有するバンドパスフィルタを使用するため、各フォトセンサを用いて複数の異なるスペクトルバンドを表す画像を取り込むことが出来る。例えば、ハイパースペクトル撮像装置100はまず、各バンドパスフィルタのパスバンドのいずれか1つにのみ該当するスペクトル範囲の光で対象を照明し、第一点灯条件で露光を取り込む。次に、ハイパースペクトル撮像装置100は、各バンドパスフィルタの別の1つのパスバンドに該当するスペクトル範囲の光で対象を照明し、次いで第二点灯条件で露光を取り込む。このため、第一照明条件には、第二パスバンドで搬送されるスペクトルコンテンツが含まれないため、第一露光では、各フォトセンサが1つのスペクトル成分の画像しか取り込まない。また、第二照明条件には、第一パスバンドで搬送されるスペクトルコンテンツが含まれないため、第二露光では、各フォトセンサが1つのスペクトル成分の画像しか取り込まない。
【0196】
より具体的な実施例として、多様な実施態様において、バンドパスフィルタ216−1から216−4はそれぞれ、下表(1)に示すように、500−585nmの範囲の1つのパスバンド、及び、585−650nmの範囲の第二パスバンドを備える。
【表1】
【0197】
1つの実施態様において、光源106には2つの動作モードがある。第一動作モードでは、光源106は第一スペクトルバンドセットに従った波長(例えば、500nmから585nmまでなど、585nm未満)で発光する。第二動作モードでは、光源106は第二スペクトルバンドセットに従った波長(例えば、585nmから650nmまでなど、585nm超)で発光する。このため、第一照明モードを用いて第一露光を取り込むと、4つの画像が取り込まれ、各画像は入射光の1スペクトル成分に対応する。具体的には、第一センサ210−1で取り込まれた画像は実質的に第一パスバンド(例えば、中心が約520nm)の入射光部のみを含み、第二センサ210−2で取り込まれた画像は実質的に第二パスバンド(例えば、中心が約540nm)の入射光部のみ含むといったことである。第二照明モードを用いて第二露光を取り込むと、別の4つの画像が取り込まれ、各画像は入射光の1スペクトル成分に対応する。具体的には、第一センサ210−1で取り込まれた画像は、デュアルバンドフィルタ216−1で通過する他のパスバンド(例えば、中心が約590nm)の入射光部のみを実質的に含み、第二センサ210−2で取り込まれた画像は、デュアルバンドフィルタ216−2で通過する他のパスバンド(例えば、中心が約610nm)の入射光部のみ実質的に含むといったことである。上記の2度の露光で得られた8つの画像を、ハイパースペクトルデータキューブに組み込み、また別の分析にかける。
【0198】
別の実施態様において、
図2Bに示すように、ハイパースペクトル撮像装置は2つの光源106及び107を有し、各光源は異なるスペクトルバンドセットで対象を照らすよう構成される。ハイパースペクトル撮像装置には二つの動作モードがある。第一動作モードでは、光源106が第一スペクトルバンドセットに従った波長で発光する。第二動作モードでは、光源107が第二スペクトルバンドセットに従った波長で発光する。これにより、第一照明モードを用いて第一露光を取り込むと、4つの画像が取り込まれ、各画像は入射光の1スペクトル成分に対応する。具体的には、第一動作モード時に第一センサ210−1で取り込まれた画像は、第一パスバンド(例えば、中心が約520nm)の入射光部のみを実質的に含み、第一動作モード時に第二センサ210−2で取り込まれた画像は、第二パスバンド(例えば、中心が約540nm)の入射光部のみを実質的に含むといったことである。第二照明モードを用いて第二露光を取り込むと、別の4つの画像が取り込まれ、各画像は入射光の1スペクトル成分に対応する。具体的には、第一センサ210−1で取り込まれた画像は、デュアルバンドフィルタ216−1で通過する他のパスバンド(例えば、中心が約590nm)の入射光部のみを実質的に含み、第二センサ210−2で取り込まれた画像は、デュアルバンドフィルタ216−2で通過する他のパスバンド(例えば、中心が約610nm)の入射光部のみを実質的に含むといったことである。上記の2度の露光で得られた8つの画像を、ハイパースペクトルデータキューブに組み込み、また別の分析にかける。典型的な実施形態において、そのような各画像は多画素画像である。いくつかの実施形態において、本アセンブリでは、複数画像の各画像を画素ベースで合成し、合成画像を作成する。
【0199】
上記の実施例において、各フィルタ216−nは2つのパスバンドを有する。しかし、多様な実施態様において、フィルタは必ずしも同数のパスバンドを有していない。例えば、スペクトルバンドの取り込み数が少なくてよい場合、フィルタ216−nのうち1以上は1つのパスバンドのみ有してもよい。同様に、フィルタ216−nのうち1以上はパスバンド数が多くてもよい。後者の場合、光源104ではより多くの動作モードがあり、各動作モードでは、各センサの1つ(またはいずれでもない)のパスバンドの光で対象を照らす。
【0200】
図4は、多様な実施態様における光アセンブリ102の部分的な概略分解組立図であり、光路アセンブリ204により形成される光路を示す。光路アセンブリ204は、レンズアセンブリ104で受光した光を光アセンブリ102の複数のフォトセンサ210に向ける。
【0201】
図4にうつると、光アセンブリ102は第一ビームスプリッタ212−1、第二ビームスプリッタ212−2、及び、第三ビームスプリッタ212−3を備える。各ビームスプリッタは、ビームスプリッタで受けた光を少なくとも2つの光路に分光するよう構成される。例えば、光路アセンブリ204で使用されるビームスプリッタは、一本の入射ビームを、入力ビームと同一直線上の一本の出力ビーム、及び、入力ビームと垂直な別の出力ビームに分光してもよい。
【0202】
具体的には、第一ビームスプリッタ212−1は、レンズアセンブリ104と直接的に光通信し、
図10に示すように、入射光(矢印400で示す)を第一光路401及び第二光路402に分光する。第一光路401は、第一ビームスプリッタ212−1に入射する光と略同一直線上にあり、第二ビームスプリッタ212−2に達する。第二光路402は第一ビームスプリッタ212−1に入射する光と略垂直であり、第三ビームスプリッタ212−3に達する。多様な実施態様において、第一ビームスプリッタ212−1は、50:50ビームスプリッタである。他の実施態様において、第一ビームスプリッタ212−1はダイクロイックビームスプリッタである。
【0203】
引き続き
図10を参照すると、第二ビームスプリッタ212−2は、第一ビームスプリッタ212−1に隣接し(かつ、第一ビームスプリッタ212−1と直接的に光通信し)、第一ビームスプリッタ212−1からの入射光を第三光路403及び第四光路404に分光する。第三光路403は第二ビームスプリッタ212−2に入射する光と略同一線上にあり、第一ビームステアリングエレメント214−1まで達する(
図4を参照のこと)。第四光路は、第二ビームスプリッタ212−2に入射する光に略垂直であり、第二ビームステアリングエレメント214−2まで達する。多様な実施態様において、第二ビームスプリッタ212−2は50:50ビームスプリッタである。他の実施態様において、第二ビームスプリッタ212−2はダイクロイックビームスプリッタである。
【0204】
ビームステアリングエレメント214(例えば、
図4に示す214−1〜214−4)は、ビームステアリングエレメントの1つの面に入射する光の方向を変えるよう構成される。ビームステアリングエレメント214は、光方向の変更に適した任意の光デバイスである。例えば、多様な実施態様において、ビームステアリングエレメント214は、プリズム(例えば、折り畳み式プリズム、屈曲式プリズムなど)である。多様な実施態様において、ビームステアリングエレメント214は鏡である。多様な実施態様において、ビームステアリングエレメント214は他の適切な光デバイスまたは組合せデバイスである。
【0205】
図4に戻ると、第一ビームステアリングエレメント214−1は第二ビームスプリッタ212−2に隣接して直接的に光通信し、第三光路から光(例えば、第二ビームスプリッタ212−2への入力と同一線上にある第二ビームスプリッタ212−2の出力)を受ける。第一ビームステアリングエレメント214−1は、光を第四光路と略垂直な方向(かつ、多様な実施態様において、ビームスプリッタ212の光路で定まる平面(例えば、x−y面)に垂直)に偏向させ、第一回路板206に接続された第一フォトセンサ210−1にあてる(
図3)。第一ビームステアリングエレメント214−1の出力を矢印411で示す(
図4を参照のこと)。
【0206】
第二ビームステアリングエレメント214−2は、第二ビームスプリッタ212−2に隣接して直接的に光通信し、第四光路から光(例えば、第二ビームスプリッタ212−2の垂直出力)を受ける。第二ビームステアリングエレメント214−2は、光を第三光路と略垂直な方向(かつ、多様な実施態様において、ビームスプリッタ212の光路で定まる平面(例えば、x−y面)に垂直)に偏向させ、第二回路板208に接続された第二フォトセンサ210−2にあてる(
図3)。第二ビームステアリングエレメント214−2の出力を矢印412で示す(
図4を参照のこと)。
【0207】
上記のように、第一ビームスプリッタ212−1は、第一光路に沿って第二ビームスプリッタ212−2に(上記のように)、第二光路に沿って第三ビームスプリッタ212−3に光を通過させる。
【0208】
図10を参照して、第三ビームスプリッタ212−3は第一ビームスプリッタ212−1に隣接し(かつ、第一ビームスプリッタ212−1と直接的に光通信し)、第一ビームスプリッタ212−1からの入射光を第五光路405及び第六光路406に分光する。第五光路405は、第三ビームスプリッタ212−3に入射する光と略同一線上にあり、第三ビームステアリングエレメント214−3まで達する(
図4を参照のこと)。第六光路は、第三ビームスプリッタ212−3に入射する光と略垂直であり、第四ビームステアリングエレメント214−4まで達する。多様な実施態様において、第三ビームスプリッタ212−3は、50:50ビームスプリッタである。他の実施態様において、第三ビームスプリッタ212−3はダイクロイックビームスプリッタである。
【0209】
第三ビームステアリングエレメント214−3(
図4を参照のこと)は、第三ビームスプリッタ212−3に隣接して直接的に光通信し、第五光路から光(例えば、第三ビームスプリッタ212−3への入力と同一線上にある第三ビームスプリッタ212−3の出力)を受ける。第三ビームステアリングエレメント214−3は、光を第三光路と略垂直な方向(かつ、多様な実施態様において、ビームスプリッタ212の光路で定まる平面(例えば、x−y面)に垂直)に偏向させ、第一回路板206に接続された第三フォトセンサ210−3にあてる(
図3)。第三ビームステアリングエレメント214−3の出力を矢印413で示す(
図4を参照のこと)。
【0210】
第四ビームステアリングエレメント214−4は、第三ビームスプリッタ212−3に隣接して直接的に光通信し、第六光路から光(例えば、第三ビームスプリッタ212−3の垂直出力)を受ける。第四ビームステアリングエレメント214−4は、光を第六光路と略垂直な方向(かつ、多様な実施態様において、ビームスプリッタ212の光路で定まる平面(例えば、x−y面)に垂直)に偏向させ、第二回路板208に接続された第四フォトセンサ210−4にあてる(
図3)。第四ビームステアリングエレメント214−4の出力を矢印414で示す(
図4を参照のこと)。
【0211】
図4に示すように、第一ビームステアリングエレメント214−1及び第三ビームステアリングエレメント214−3の出力路は、第二ビームステアリングエレメント214−2及び第四ビームステアリングエレメント214−4の出力路と反対方向である。このため、レンズアセンブリ104で取り込まれる画像は、画像アセンブリ102の両側に取り付けられたフォトセンサに投影される。しかし、ビームステアリングエレメント212の向きを当該方向にする必要はない。むしろ、各ビームステアリングエレメント212の出力路の方向が任意の方向になるよう、いずれのビームステアリングエレメント212も配置することができる。例えば、多様な実施態様において、全てのビームステアリングエレメント212は同一方向に光を向ける。この場合、全てのフォトセンサを一つの回路板(例えば、
図3の回路板206または第二回路板208)に取り付けてもよい。あるいは、多様な実施態様において、ビームステアリングエレメント212の1以上は、入射光に略垂直ではあるが、ビームスプリッタ212の光路で定まる平面(例えば、x−y面)と略同平面に光を向けてもよい。また別の実施態様において、1以上のビームステアリングエレメント214を撮像装置から無くし、対応するフォトセンサ210を光路400−1〜400−6で定まる平面に直交して配置する。
【0212】
図5Aは、多様な実施態様における光アセンブリ102及び光路アセンブリ204の上面概略図であり、
図10は、光路アセンブリ204での光路の2次元概略図である。1つの光源106を図示しているが、
図5Cで示すように、第二光源107も用いて当該光路アセンブリを実施してもよい。レンズアセンブリ104からの光は、矢印400で示すように第一ビームスプリッタ210−1に入る。第一ビームスプリッタ210−1は、入射光(矢印400)を入射光(矢印400)の同一直線上にある第一光路(矢印401)に分光する。第一光路(矢印401)に沿った光は、第二ビームスプリッタ210−2まで進められる。また、第一ビームスプリッタ210−1は、入射光(矢印400)を入射光(矢印400)と垂直な第二光路(矢印402)にも分光する。第二光路(矢印402)に沿った光は、第三ビームスプリッタ210−3まで進められる。
【0213】
第二ビームスプリッタ210−2に入射する光(矢印402)はさらに、入射光(矢印400及び/または矢印402)の同一直線上にある第三光路(矢印403)に分光される。第三光路(矢印403)に沿った光は、光を第一フォトセンサ210−1に向ける第一ビームステアリングエレメント214−1に進められる(例えば、
図4を参考のこと)。上述したように、多様な実施態様において、第一ビームステアリングエレメント214−1は、第二ビームスプリッタに入射する光の垂直方向にビームスプリッタで定まる平面から外れて(例えば、
図5での+Z方向、または
図5のページから突き出る方向に)光を偏向する。
【0214】
第二ビームスプリッタ210−2(矢印402)に入射する光はさらに、入射光(矢印400及び/または矢印402)と垂直な第四光路(矢印404)に分光される。第四光路(矢印404)に沿った光は、光を第二フォトセンサ210−2に向ける第二ビームステアリングエレメント214−2に進められる。上述したように、多様な実施態様において、第二ビームステアリングエレメント214−2は、第二ビームスプリッタに入射する光の垂直方向にビームスプリッタで定まる平面から外れて(例えば、
図5での−Z方向、または
図5のページ奥に沈む方向に)光を偏向する。
【0215】
第三ビームスプリッタ210−3(矢印402)に入射する光はさらに、第三ビームスプリッタ210−3(矢印402)に入射する光と同一直線上にある第五光路(矢印405)に分光される。第五光路(矢印405)に沿った光は、光を第三フォトセンサ210−3に向ける第三ビームステアリングエレメント214−3に進められる(例えば、
図4を参照のこと)。上述したように、多様な実施態様において、第三ビームステアリングエレメント214−3は、第三ビームスプリッタに入射する光の垂直方向にビームスプリッタで定まる平面から外れて(例えば、
図5での+Z方向、または
図5のページから突き出る方向に)光を偏向する。
【0216】
第三ビームスプリッタ210−3(矢印402)に入射する光はさらに、第三ビームスプリッタ210−3に入射する光(矢印402)と垂直な第六光路(矢印406)に分光される。第六光路(矢印406)に沿った光は、光を第四フォトセンサ210−4に向ける第四ビームステアリングエレメント214−4に進められる。上述したように、多様な実施態様において、第四ビームステアリングエレメント214−4は、第三ビームスプリッタに入射する光の垂直方向にビームスプリッタで定まる平面から外れて(例えば、
図5での−Z方向、または
図5のページ奥に沈む方向に)光を偏向する。
【0217】
図5Bは、多様な実施態様における光アセンブリ102及び光路アセンブリ204の上面概略図であり、
図12は、光路アセンブリ204での光路の2次元概略図である。2つの光源106及び107を図示しているが、1以上の動作モード(例えば、本明細書で説明する2つの動作モード)で動作するよう構成された光源1つを用いて当該光路を実施してもよい。
【0218】
レンズアセンブリ104からの光は、矢印600で示すように第一ビームスプリッタ220−1に進む。第一ビームスプリッタ220−1は、入射光(矢印600)を、入射光(矢印600)に垂直な第一光路(矢印601)、及び、入射光(矢印600)の同一直線上にある第二光路(矢印602)に分光する。第一光路(矢印601)に沿った光は、上記と同様に、第三フォトセンサ210−3に光を向けるビームステアリングエレメントに進められる。上述したように、多様な実施態様において、ステアリングエレメントは、第一光路(矢印601)の垂直方向に平面から外れて(例えば、+Z方向、またはページから突き出る方向に)、第三フォトセンサ210−3に向け光を偏向する。第二光路(矢印602)に沿った光は、第二ビームスプリッタ220−2に進められる。
【0219】
第二ビームスプリッタ220−2は、入射光(矢印602)を、入射光(矢印602)に垂直な第三光路(矢印603)、及び、入射光(矢印602)の同一直線上にある第四光路(矢印604)に分光する。第三光路(矢印603)に沿った光は、上記と同様に、第二フォトセンサ210−2に光を向ける別のビームステアリングエレメントに進められる。上述したように、多様な実施態様において、ステアリングエレメントは、第三光路(矢印603)の垂直方向に平面から外れて(例えば、−Z方向、またはページの奥に沈む方向に)、第二フォトセンサ210−2に向け光を偏向する。第四光路(矢印604)に沿った光は、第三ビームスプリッタ220−3に進められる。
【0220】
第三ビームスプリッタ220−3は、入射光(矢印604)に垂直な第五光路(矢印605)、及び、入射光(矢印604)の同一直線上にある第六光路(矢印606)に入射光(矢印604)を分光する。第五光路(矢印605)に沿った光は、第四フォトセンサ210−4に光を向ける別のビームステアリングエレメントに進められる。上述したように、多様な実施態様において、ステアリングエレメントは、第五光路(矢印605)の垂直方向に平面から外れ(例えば、−Z方向、またはページの奥に沈む方向に)、第四フォトセンサ210−4に向け光を偏向する。第六光路(矢印606)に沿った光は、第一フォトセンサ210−1に光を向ける別のビームステアリングエレメントに進められる。上述したように、多様な実施態様において、ステアリングエレメントは、第六光路(矢印606)の垂直方向に平面から外れ(例えば、+Z方向、またはページから突き出る方向に)、第一フォトセンサ210−1に向け光を偏向する。
【0221】
図6は、多様な実施態様における光アセンブリ102の正面概略図である。明確にするため、レンズアセンブリ104及び光源106を図示していない。ビームスプリッタ212及びビームステレアリングエレメント214内部の線は、本明細書で説明する光路をさらに描写している。例えば、矢印404で指定された線は、ビームスレテアリングエレメント214−2がビームスプリッタ212−2から受けた光をどのようにフォトセンサ210−2へと偏向するかを描写している。さらに、矢印402で指定された線は、ビームステアリングエレメント214−3がビームスプリッタ212−3から受けた光をどのようにフォトセンサ210−3へと偏向するかを描写している。さらに、矢印411−414(
図4での光路に対応する)は、ビームステアリングエレメント214がどのように各フォトセンサ210に光を向けるかをさらに描写している。
【0222】
本願において、並行、垂直、直交、同一平面上、同一直線上などの幾何学用語が使用された場合、実質的な幾何学的関係性での方向及び/または配置を包含するものと理解される。例えば、ビームステアリングエレメントが垂直に光を偏向する場合、ビームステアリングエレメントによる略垂直な偏光であってもよいと理解される。より具体的な実施例としては、光が入力路から90+/−1度偏向している場合でも、光は垂直(または略垂直)であると判断することもある。正確な幾何学的関係性から外れた値も考えられる。
【0223】
上記のように、光アセンブリ102では、50:50ビームスプリッタ及びダイクロイックビームスプリッタを様々に組みあわせて使用できる。第一実施例において、第一ビームスプリッタ212−1、第二ビームスプリッタ212−2、及び、第三ビームスプリッタ212−3は全て、50:50ビームスプリッタである。当該ビームスプリッタを採用した例示的な光アセンブリ102を
図10に示す。
【0224】
第二実施例において、第一ビームスプリッタ212−1はダイクロイックビームスプリッタであり、第二ビームスプリッタ212−2及び第三ビームスプリッタ212−3はどちらも50:50ビームスプリッタである。当該ビームスプリッタを採用した例示的な光アセンブリ102を
図11に示す。
【0225】
第三実施例において、第一ビームスプリッタ212−1、第二ビームスプリッタ212−2及び第三ビームスプリッタ212−3は全てダイクロイックビームスプリッタである。当該ビームスプリッタを採用した例示的な光アセンブリ102を
図12に示す。
【0226】
図7は、撮像装置100の実施形態の断面図であり、対象で後方散乱した光に該当する光路400、ならびに、光源106から発光され撮像する対象を照らす光に該当する光路410及び411も描いている。
【0227】
偏光照明を使用すると、肌での表面反射が排除され、オフアクシス撮像方向からの迷光反射を排除するのを助けるため、有利である。そのため、多様な実施態様において、偏光照明を用いて撮像対象を照らす。多様な実施態様において、光(例えば、光源106が発する光)の伝播方向により形成される入射面、及び、反射面(例えば、撮像対象)に垂直なベクトルに関する座標系に対し、光を偏向する。入射面に平行な電界成分をp成分と称し、当該面に垂直な成分をs成分と称する。そこで、電場が入射面に沿った偏光を「p偏光」とし、電場が当該面に垂直な偏光を「s偏光」とする。
【0228】
光路に偏向フィルタを配置して、光を偏向することができる。偏光子は、同じ偏向型(例えば、p偏光またはs偏光)の光を通過させるが、逆偏向型の光を反射させる。偏光子が入射ビームを受動的にフィルタリングするため、偏光フィルタでの反射により無偏光の50%が減少する。そのため、実際に、無偏向光源ではこの損失を考慮して、所望する倍の偏光照明光量を倍の電力消費で生成する必要がある。多様な実施態様において、本撮像装置が、偏光回転子(例えば、偏光回転ミラー)を用いて、偏光フィルタで反射された偏光を再度取り込み回転させることは、利点である。多様な実施態様において、少なくとも1つの光源から偏光子が受けた全光の少なくとも95%を、対象に照射してもよい。
【0229】
図7に戻ると、1つの実施態様において、光路410に沿った光源106からの光を偏光子700で受ける。偏光子700と同じ偏向型(例えば、s偏光またはp偏光)光部は、偏光子700を通過し、光学窓114を通過して対象の表面に向けられる。偏光子700とは逆の偏向型の光部は、光路411に沿って垂直に反射し、偏光回転子702に向けられる。偏光回転子700は、光の偏向型を回転させ(例えば、偏光子700を通過した偏向型に合致するよう偏向型を回転させる)、光を反射させて光学窓114を通過させ対象表面に向ける。対照で後方散乱した偏光は、光路400に沿って戻り、上記のように、レンズアセンブリ104で取り込まれ、光アセンブリ102の内部に向けられる。
【0230】
このようにして光路に沿って光の入射損失を考慮し、光源106からの光の実質的に全てを、偏向して撮像対象の表面に投射する。これにより、光源106が所望量の倍の照明光を生成する必要は無くなり、照明用に消費する電力を効果的に50%削減する。
【0231】
図9A−9Cは、撮像装置100の実施態様により収集される画像を合焦させるため、対象表面に投影するフレーミングガイドを示す。
【0232】
上記のように、多様な実施態様において、レンズアセンブリ104の焦点距離は固定である。このため、撮像装置110が撮像対象から適切な距離を維持している場合、撮像装置100で取り込まれた画像は全て焦点が合っている。多様な実施態様において、レンズアセンブリ104は、当該範囲にある対象に適切に焦点が合うように、所定範囲の被写界深度を有する。例えば、多様な実施態様において、レンズアセンブリ104の集束距離は24インチであり、被写界深度は3インチである。これにより、レンズアセンブリ104から21から27インチ離れた範囲にある対象に適切に焦点が合う。これらの値は単に典型例であり、他の集束距離や被写界深度も考えられる。
【0233】
図8A−8Bを参照し、撮像対象に対し撮像装置100を正確に配置しやすいよう、ドッキングステーション110は、対象からの撮像装置100の位置が合焦画像の取得に適した距離にあることを示す光(例えば、
図8Aにおいて光901、
図8Bにおいて光903)を対象に投光するよう構成された第一及び第二プロジェクタ112(例えば、112−1、112−2)を備える。多様な実施態様において、
図9A−9Cを参照すると、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2はそれぞれ、対象上に形状902の第一部902−1及び第二部902−2(
図9A−9C)を投光するよう構成される。対象からのレンズ104の位置がレンズの集束距離に相当する所定距離にある場合、第一形状部902−1及び第二形状部902−1は集束して形状902を形成するよう構成される。
【0234】
1つの実施態様において、対象からの撮像装置100の位置がレンズの集束距離に相当する所定距離にある場合、フレーミングガイドは集束して対象表面に閉じた長方形を形成する(
図9C)。対象からの撮像装置100のレンズの位置が所定距離より短い距離にある場合、フレーミングガイドは離れたままである(
図9A)。対象からの撮像装置100のレンズの位置が所定距離より長い距離にある場合、フレーミングガイドは交差する(
図9B)。
【0235】
多様な実施態様において、フレーミングガイドは撮像装置100が取り込む対象の全エリアまたは実質的に全エリアを表す。多様な実施態様において、フレーミングガイド内に入る少なくとも対象の全部分を撮像装置100が取り込む。
【0236】
多様な実施態様において、
図8Bに示すように、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2はそれぞれ、対象上に1点(例えば、
図9Dに示す点904−1及び点904−2)を投光し、対象からのレンズ104の位置がレンズの集束距離に相当する所定距離にある場合には、両点が集束する(例えば、
図9Eの点904で)よう構成される。対象からの撮像装置100のレンズの位置が所定距離より短いまたは長い距離にある場合、投影点は互いに離れている(
図9D)。
【0237】
図1Bは別の撮像装置100を示しており、多様な実施態様により
図1Aに示す装置に類似するが、本体に前向きのレンズアセンブリ104及び後向きディスプレイ122を備える一眼レフ(DSLR)カメラに類似した集積体101を備える。DSLR型筐体であるため、ユーザは撮像装置100を持ちやすく、患者及び関心領域(例えば、患者の肌)に装置を向け、患者から適した距離に装置を配置できる。
図1Bの実施態様が、
図1Aの装置について上記及び以下に記載する多様な特徴を包含してもよいことは、理解されるであろう。
【0238】
多様な実施態様において、上記の装置に類似するが、
図1Bに示す撮像装置100は、対象の表面(例えば、患者の肌)を照らす光源106及び107、ならびに、対象からの反射光及び/または後方散乱光を収集するレンズアセンブリ104を備える光アセンブリを備える。
【0239】
多様な実施態様において、また上記の装置に類似した
図1Bの撮像装置は、対象からの撮像装置100の位置が合焦画像の取得に適した距離にあることを示す光を対象に投光するよう構成された第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2を備える。上記のように、レンズアセンブリ104の焦点距離が固定で、レンズアセンブリを操作して画像の焦点をあわせることができない場合、これが特に有効であってもよい。
図1Bに示すように、プロジェクタは本体101の前側に搭載される。
【0240】
多様な実施態様において、本体101は実質的に、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2、ならびにディスプレイ122とともに、光アセンブリの光源106及び107、ならびにレンズアセンブリ104を包み支える。
【0241】
図13及び14は、
図1Bに示す装置に類似した多様な実施態様における撮像装置100の別の構成を一体化して示しており、集積体101の実施形態、ならびに、前向きレンズアセンブリ104及び後向きディスプレイ122についてより詳細に示す。筐体101は、ユーザが撮像装置100を持ちやすくし、患者及び関心領域(例えば、患者の肌)に装置を向け、患者から適した距離に装置を配置できるようにする。
図13及び14の実施態様が、
図1A及び1Bの装置に関連して本明細書で記載する多様な特徴を包含してもよいことは、理解されるであろう。
【0242】
多様な実施態様において、上記の装置に類似した
図13及び14に示す撮像装置100は、対象の表面(例えば、患者の肌)を照らす光源106及び107、ならびに、対象からの反射光及び/または後方散乱光を収集するレンズアセンブリ104を備える光アセンブリを備える。
【0243】
多様な実施態様において、
図1A及び1Bの装置にも類似した
図13の撮像装置は、対象からの撮像装置100の位置が合焦画像の取得に適した距離にあることを示す光を対象に投光するよう構成された第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2を備える。上記のように、レンズアセンブリ104の集束距離が固定で、レンズアセンブリを操作して画像の焦点をあわせることができない場合、これが特に有効であってもよい。
図13に示すように、プロジェクタは本体101の前側に取り付けられる。
【0244】
多様な実施態様において、本体101は実質的に、第一プロジェクタ112−1及び第二プロジェクタ112−2と共に、光アセンブリの光源106及び107ならびにレンズアセンブリ104を包み支える。多様な実施態様において、
図13の撮像装置101は、ライブビューカメラ103及び遠隔温度計105を備える。
【0245】
典型的な光学構成
1つの実施態様において、撮像装置100は、組織中のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビン分布の判断に適したスペクトルバンドセットを検出するよう構成される。特定の実施態様において、異なる8つのスペクトルバンドで関心組織画像を取り込むことで、本検出が可能となる。4つのフォトセンサ210で2度の露光において画像を取り込むが、各フォトセンサは、個別のデュアルバンドパスフィルタ216で覆われている。1つの実施態様において、撮像装置100は、8つのスペクトルバンドのうち正確に4つのスペクトルバンドの光で関心組織を照らすよう構成された第一光源106を有しており、各デュアルバンドパスフィルタ216には、光源106からの4つのスペクトルバンドのうち1つのスペクトルバンドと正確に合致するパスバンドが1つある。撮像装置は、8つのスペクトルバンドのセットのうち残る4つのスペクトルバンド(例えば、最初の4スペクトルバンドを除く)の光で関心組織を照らすよう構成された第二光源107を有しており、各デュアルバンドパスフィルタ216には、光源107からの4つのスペクトルバンドのうち1つのスペクトルバンドと正確に合致するパスバンドが1つある。
【0246】
1つの実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510±5nm、530±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、620±5nm、及び660±5nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510±4nm、530±4nm、540±4nm、560±4nm、580±4nm、590±4nm、620±4nm、及び660±4nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510±3nm、530±3nm、540±3nm、560±3nm、580±3nm、590±3nm、620±3nm、及び660±3nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510±2nm、530±2nm、540±2nm、560±2nm、580±2nm、590±2nm、620±2nm、及び660±2nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510±1nm、530±1nm、540±1nm、560±1nm、580±1nm、590±1nm、620±1nm、及び660±1nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が510nm、530nm、540nm、560nm、580nm、590nm、620nm、及び660nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは約10nmの半値全幅を有する。
【0247】
1つの実施態様において、中心が(i)520±5及び590±5、(ii)540±5及び610±5、(iii)560±5及び620±5、ならびに(iv)580±5及び640±5であるスペクトルパスバンドを有するデュアルバンドフィルタを、当該波長セットを検出するよう構成されたフォトセンサの前に配置する。1つの実施態様において、撮像装置は、第一動作モードでは450−585nmの波長の光、及び、第二動作モードでは585−650nmの波長の光で、関心組織を照らすよう構成された光源106を有する。1つの実施態様において、撮像装置は、450−585nmの波長の光で関心組織を照らすよう構成された光源106、及び、585−650nmの波長の光で関心組織を照らすよう構成された第二光源107を有する。また別の実施態様において、撮像装置は、580、590、610及び620の波長を除いた520、540、560、及び640の波長の光で関心組織を照らすよう構成された光源106、及び、520、540、560及び640の波長を除いた580、590、610及び620の波長の光で関心組織を照らすよう構成された第二光源107を有する。
【0248】
1つの実施態様において、中心が(i)520±5及び560±5、(ii)540±5及び580±5、(iii)590±5及び620±5、ならびに(iv)610±5及び640±5であるスペクトルパスバンドを有するデュアルバンドフィルタを、当該波長セットを検出するよう構成されたフォトセンサの前に配置する。1つの実施態様において、撮像装置は、第一動作モードでは450−550nm及び615−650nmの波長の光、ならびに、第二動作モードでは550−615nmの波長の光で、関心組織を照らすよう構成された光源106を有する。1つの実施態様において、撮像装置は、450−550nm及び615−650nmの波長の光で関心組織を照らすよう構成された光源106、ならびに、585−650nmの波長の光で関心組織を照らすよう構成された第二光源107を有する。
【0249】
1つの実施態様において、中心が(i)520±5及び560±5、(ii)540±5及び610±5、(iii)590±5及び620±5、ならびに(iv)580及び640±5であるスペクトルパスバンドを有するデュアルバンドフィルタを、当該波長セットを検出するよう構成されたフォトセンサの前に配置する。1つの実施態様において、撮像装置は、第一動作モードでは450−530nm及び600−650nmの波長の光、及び、第二動作モードでは530−600nmの波長の光で、関心組織を照らすよう構成された光源106を有する。1つの実施態様において、撮像装置は、450−530nm及び600−650nmの波長の光で関心組織を照らすよう構成された光源106、及び、530−600の波長の光で関心組織を照らすよう構成された第二光源107を有する。
【0250】
1つの実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520±5nm、540±5nm、560±5nm、580±5nm、590±5nm、610±5nm、620±5nm、及び640±5nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520±4nm、540±4nm、560±4nm、580±4nm、590±4nm、610±4nm、620±4nm、及び640±4nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520±3nm、540±3nm、560±3nm、580±3nm、590±3nm、610±3nm、620±3nm、及び640±3nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520±2nm、540±2nm、560±2nm、580±2nm、590±2nm、610±2nm、620±2nm、及び640±2nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520±1nm、540±1nm、560±1nm、580±1nm、590±1nm、610±1nm、620±1nm、及び640±1nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が520nm、540nm、560nm、580nm、590nm、610nm、620nm、及び640nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは約10nmの半値全幅を有する。
【0251】
1つの実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500±5nm、530±5nm、545±5nm、570±5nm、585±5nm、600±5nm、615±5nm、及び640±5nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500±4nm、530±4nm、545±4nm、570±4nm、585±4nm、600±4nm、615±4nm、及び640±4nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500±3nm、530±3nm、545±3nm、570±3nm、585±3nm、600±3nm、615±3nm、及び640±3nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500±2nm、530±2nm、545±2nm、570±2nm、585±2nm、600±2nm、615±2nm、及び640±2nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500±1nm、530±1nm、545±1nm、570±1nm、585±1nm、600±1nm、615±1nm、及び640±1nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは15nm未満の半値全幅を有する。関連する実施態様において、8つのスペクトルバンドのセットは、中心波長が500nm、530nm、545nm、570nm、585nm、600nm、615nm、及び640nmであるスペクトルバンドを備え、各スペクトルバンドは約10nmの半値全幅を有する。
【0252】
他の実施態様において、本明細書で説明する撮像装置は、スペクトルバンド数が8超または8未満で撮像するよう構成される。例えば、いくつかの実施態様において、撮像装置は、スペクトルバンド数が3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24またはそれ以上で撮像するよう構成される。例えば、7つのビームスプリッタ及び8つのフォトセンサを備える撮像装置を、本明細書で説明する原理に従い、同時に8つの画像、2度の露光で16の画像(例えば、各フォトセンサの前にデュアルバンドパスフィルタを配置して)、及び、3度の露光で24の画像(例えば、各フォトセンサの前にトリプルバンドパスフィルタを配置して)を取り込むよう、構成できる。実際、本明細書で説明する原理を用いて撮像可能なスペクトルバンドパス数は、所望のイメージャサイズ、所望の露光回数、及び使用する光源によってのみ制約される。当然、任意の露光において1以上のフォトセンサを使用しなくてもよい。例えば、4つのフォトセンサ及び3つのビームスプリッタを搭載する撮像装置において、露光のうち1回でフォトセンサの1つを使わずに、2度の露光で7つの画像を取り込むことも可能である。このように、光源(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上)、ビームスプリッタ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上)、及びフォトセンサ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上)を任意に組合せた撮像装置も考えられる。
【0253】
露光時間の最適化
少なくとも、バンド内照明及び複数のスペクトルバンドに渡る検出を実施することで、本明細書で説明する撮像システム及び方法に多くの利点がもたらされる。例えば、バンド内照明を実施すれば、信号対雑音比が高まり露光時間が短縮され、その結果、電力消費が低減し、被写体が動くことによる位置不良が減少し、結果得られるハイパースペクトルデータキューブを処理する際の演算負担が軽減する。
【0254】
撮像する各波長において適切な信号対雑音比を得るのに必要な露光時間(例えば、シャッタ速度)を最小にすることで、これらの利点がさらに活かされる。各波長に適した画像を解像するのに必要な最短露光時間は、少なくとも、特定波長での光検知器の感度、画像取得時に存在する環境光の特性及び強度、ならびに、撮像する肌/組織のメラニン濃度による。
【0255】
1つの実施形態において、本明細書で説明する撮像システムの利点に、画像系列の各サブ画像の解像に必要な特定の露光時間を判断することで、全画像系列の収集に要する総時間が短縮できることがある。画像系列の各画像を異なるスペクトルバンドで集めるため、各サブ画像の解像に必要な時間は、波長の関数として変化する。いくつかの実施形態において、この変動を有利に考慮し、波長または波長バンドの取得が短時間で済む画像に短い露光時間を割り当て、波長または波長バンドの取得により長く時間がかかる画像に短い露光時間を割り当てる。この改良された新規性により、画像系列の各画像を「すべてに当てはまる単一の」露光時間ではなく、全露光に必要な時間だけ割当てることで、全体の露光時間が短くなる。また、これにより、多くの電力を必要とする照明時間が短くなるため、撮像装置が要する電力を削減する。特定の実施形態において、イメージャでコード化される非一時的メモリ内の非一時的命令は、撮像システムが取得する各スペクトルバンドでの画像取得に必要な最短露光時間を判断する。
【0256】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明する方法及びシステムは、複数の基準露光時間を識別する実行可能な命令を備え、複数ある基準露光時間の各基準露光時間は、収集する組織の画像系列の各画像を解像する露光時間を表す。複数画像において、第一画像の第一基準露光時間は、第二画像の第二基準露光時間とは異なる。
【0257】
1つの実施形態において、患者組織の画像系列の取得方法を提供し、当該方法では、組織の画像系列を取得する複数のスペクトルバンドを選択し、各スペクトルバンドでの組織画像の解像に必要な最小露光時間を識別し、1以上の最小露光時間に影響を与える少なくとも1つの要因を識別し、識別した要因を基に最小露光時間を調整し、調整した最小露光時間を用いて組織の画像系列を取得する。
【0258】
いくつかの実施形態において、最小露光時間は、組織の基準照明及び/または画像を得する光検知器の感度に基づく。
【0259】
いくつかの実施形態において、最小露光時間に影響を与える要因には、画像系列の取得に使用する装置が提供する1以上の照明、環境光、及び組織のメラニン濃度がある。
【0260】
ハイパースペクトル撮像
ハイパースペクトル及びマルチスペクトル撮像は、大分類では俗にスペクトル撮像またはスペクトル分析といわれる分光法に関連する技術である。一般的に、ハイパーパスペクトル撮像は複数画像の取得に関連し、各画像は狭スペクトルバンドを表し、合わさり連続スペクトル範囲に渡り、例えば、それぞれのスペクトルバンドにおけるFWHMバンド幅は1nm以上(例えば、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、10nm、20nm、またはそれを超える)であり、5以上(例えば、5、10、15、20、25、30、40、50、またはそれを超える)のスペクトルバンドのスペクトル範囲が切れ目なく連続する(例えば、400nmから800nm)。一方、マルチスペクトル撮像は複数画像の取得に関連し、各画像は狭スペクトルバンドを表し、合わさり断続的なスペクトル範囲に渡る。
【0261】
本開示の目的上、用語「ハイパースペクトル」及び「マルチスペクトル」は実質的に同じ意味で使われ複数画像を意味し、いずれの各画像も狭スペクトルバンド(FWHMバンド幅が、10nmから30nm、5nmから15nm、5nmから50nm、100nm未満、1から100nmなど)を表すが、合わさり連続スペクトル範囲となるか断続的なスペクトル範囲となるかの違いである。例えば、多様な実施態様において、ハイパースペクトルデータキューブ1336−1の波長1−Nは、切れ目のない波長、または、切れ目のないスペクトル範囲(例えば、400nmから800nm)に対応するスペクトルバンドである。他の実施態様において、ハイパースペクトルデータキューブ1336−1の波長1−Nは、不連続波長、または、不連続スペクトル範囲(例えば、400nmから440nm、500nmから540nm、600nmから680nm、及び900nmから950nm)を包含するスペクトルバンドである。
【0262】
本明細書で使用するように、「狭スペクトル範囲」は、一般的に、約100nm以下のFWHMスペクトルバンドを備える連続波長スパンを意味する。ある実施形態において、狭帯域照射では、FWHMスペクトルバンドが約75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、またはそれ以下である。多様な実施態様において、本開示の方法及び装置で撮像する波長は、可視スペクトル、近赤外線スペクトル、短波長赤外線スペクトル、中波長赤外線スペクトル、長波長赤外線スペクトル、及び、紫外線(UV)スペクトルの1以上から選択される。
【0263】
「広帯域」での光とは、例えば、バンドの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、またはバンド全体といった、少なくとも1バンドの実質的部分に渡る波長成分を含み、1以上の他バンドに渡る波長成分を適宜含む光を意味する。「白色光源」は、少なくとも可視バンドの実質的部分に広がるため、広帯域であるとみなす。ある実施形態において、広帯域光は、少なくとも100nmに渡る電磁スペクトル波長成分を含む。他の実施形態において、広帯域光は、少なくとも150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、またはそれを超えて広がる電磁スペクトル波長成分を含む。
【0264】
「狭帯域」での光とは、例えば、1バンドの20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、または0.5%未満といった、狭いスペクトル範囲でしか成分を含まない光を意味する。狭帯域光源は、必ずしも1バンドに限定しなくてもよく、複数バンドに波長を含むことも可能である。複数の狭帯域光源は、それぞれ1バンドの狭い部分でしか発光しないが、あわせて1以上のバンドの実質的部分に広がる光を生成し、例えば、あわせて広帯域光源を構成してもよい。ある実施形態において、広帯域光は100nm以下の電磁スペクトル成分波長を含む(例えば、スペクトルバンド幅が100nm以下である)。他の実施形態において、狭帯域光は、電磁スペクトルのスペクトルバンド幅が90nm以下、80nm以下、75nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、またはそれ以下である。
【0265】
本明細書で使用するとき、光源の「スペクトルバンド幅」とは、強度が最大強度の少なくとも半分である波長成分のスパンを意味し、「半値幅」(FWHM)のスペクトルバンド幅としても知られる。発光ダイオード(LED)の多くは2以上の波長で発光し、狭帯域エミッタである。よって、狭帯域光源は、例えば、特性波長の少なくとも半分の強度で放出される波長スパンなど、特性スペクトルバンド幅だけでなく、例えば、最大強度で放出される波長など、「特性波長」または「中心波長」を有するとされる。
【0266】
「コヒーレント光源」とは、位相が揃った波長での電磁放射線を放出する光源を意味する。このため、コヒーレント光源は、スペクトルバンド幅が1nm未満の狭帯域光源の1種である。コヒーレント光源の非限定的実施例には、レーザ及びレーザ型LEDがある。同様に、インコヒーレント光源は、スペクトルバンド幅が1nm超の電磁放射線を放出し、及び/または、位相は揃っていない。この点で、インコヒーレント光は、光のスペクトルバンド幅次第で、狭帯域光でも広帯域光でもあり得る。
【0267】
好適な広帯域光源106の実施例には、ハロゲンランプ、キセノンランプ、ヨウ化水銀ミディアムアークランプ、及び、広帯域発光ダイオード(LED)があるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、標準フィルタまたはカスタマイズフィルタを用いて、様々な波長で光強度を調整し、所定波長の信号レベルを上げたり狭帯域波長を選択したりする。被写体への広帯域照明は、被写体のカラー画像を取り込む場合、または、ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像システムの焦点をあわせる場合、特に有用である。
【0268】
好適な狭帯域インコヒーレント光源106の実施例には、狭帯域発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)(Redding,B.らによる「Speckle−free laser imaging」、arVix:1110.6860(2011)を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む)、ランダムレーザ、及び、狭帯域バンドパスフィルタで覆われた広帯域光源があるが、これらに限定されない。好適な狭帯域コヒーレント光源104の実施例には、レーザやレーザ型発光ダイオードがあるが、これらに限定されない。コヒーレント及びインコヒーレントのどちらの狭帯域光源104も本明細書で説明する撮像システムで使用可能であるが、コヒーレント照明は、画像形成を乱すスペックルアーティファクトのため、フルフィールド撮像には適さない(Oliver,B.M.、「Sparkling Spots and random diffraction」、Proc IEEE 51、220−221(1963)を参照のこと)。
【0269】
医用ハイパースペクトル撮像
本開示の多様な実施態様では、医用ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像(HSMI)に役立つシステム及び方法を提供する。HSMIは、様々な波長での光と人体成分(具体的には、皮膚中または皮膚直下の成分)との相互作用を識別することで行う。例えば、デオキシヘモグロビンは700nmで水より多く光を吸収し、水は、1200nmでデオキシヘモグロビンと比較するとはるかに大量の光を吸収する。700nm及び1200nmでデオキシヘモグロビン及び水を含む二成分系の吸光度を測定すれば、当該系の吸光度に対するデオキシヘモグロビン及び水それぞれの寄与度、及び、両成分の濃度を容易に判断できる。ひいては、当該系での反射光または後方散乱光の様々な波長における吸光度を測定すれば、より複雑な系(例えば、人の肌)での個々の成分を判断できる。
【0270】
ハイパースペクトル/マルチスペクトルデータキューブにデータ構成する場合、ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像で測定された様々な光の波長と系(例えば、肌)の各成分との特定の相互作用により、ハイパースペクトル/マルチスペクトルシグネチャが作成される。具体的には、例えば、部位における病気の有無、部位における生理的構造、及び/または、部位における化学物質の有無に依って、様々な部位(例えば、1つの被写体の様々な関心部位若しくはROI、または、様々な被写体から複数のROI)は、光と様々に相互作用を起こす。例えば、脂肪、肌、血液、及び筋肉組織は全て、様々な光の波長とそれぞれ違った相互作用を起こす。ある種の癌病変は、正常肌、非癌性病変、及び、他種の癌病変とは異なる多様な光の波長と相互作用する。同様に、存在する(例えば、血液中、または肌上に)所定の化学物質は、他種の化学物質とは異なる様々な光の波長と相互作用する。このため、照明された被写体の各部位から得た光は、その部位の特性に基づくスペクトルシグネチャを有し、当該シグネチャは当該部位の医学情報を含む。
【0271】
肌構造は複雑であるが、表皮及び真皮と呼ばれる2つの構造的に異なる層に大別することができる。成分が違うため、これら2層の光散乱性及び吸光性は大いに異なる。表皮は、肌の外層である。表皮は、メラノサイトと呼ばれるメラニン色素を作る特殊な細胞を有する。光は主に表皮で吸収され、表皮の光散乱性は極小さいと言える。詳細は、G.H.Findlay、「Blue Skin」、British Journal of Dermatology 83(1)、127−134(1970)を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む。
【0272】
真皮にはコラーゲン繊維及び血管が密集しており、真皮の光特性は表皮の光特性と大きく異なる。血液のない真皮の吸光性は極わずかである。しかし、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンといった血液由来の色素、ならびに水は、真皮における主要な光吸収物質である。真皮におけるコラーゲン繊維による光散乱性、及び、発色団による吸光性により、肌を通過する光の侵入深度が決まる。
【0273】
被写体の表面を照明するのに用いる光は肌に侵入する。光の侵入範囲は、特定放射波長に依存する。例えば、可視光では、波長が長いほど光はより深く肌に侵入する。例えば、400nmの紫色光は約32%しか人間の肌の真皮に侵入しないが、700nmの赤色光では85%超が真皮またはそれ以上まで侵入する(Capinera J.L.、「Photodynamic Action in Pest Control and Medicine」、Encyclopedia of Entomology、第二版、Springer Science、2008、pp.2850−2862を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む)。本開示の目的上、「組織への照射」、「表面での光の反射」などと記載した場合、検出に適した波長の放射線は、光が進む被写体内部の距離に関係なく、被写体の組織で後方散乱される。例えば、赤外線の所定波長は、肌表面下まで侵入し、被写体の表面下の組織を照らす。
【0274】
概して、本明細書で説明するシステムのイルミネータからの光は、被写体の表面組織に侵入し、光子が組織内で散乱し、何度も組織内部で弾む。光子の一部は、既知の光スペクトルで酸素化ヘモグロビン分子に吸収される。同様に、光子は、脱酸素化ヘモグロビン分子に吸収される。光検知器が解像する画像は、散乱し肌を通過してレンズサブシステムに戻る光の光子を含む。このように、画像は、組織内の多様な発色団に吸収されず、組織内部で散乱する光を表す。いくつかの実施形態において、組織表面を通過しないイルミネータからの光を、偏光子を用いて除去する。光子の中には、湖で反射する日光のように、肌表面で空中へと跳ねる。
【0275】
異なる光の波長を用いて、患者の肌組織の様々な深さを調査してもよい。一般的に、高周波短波長可視光は、表皮に存在する成分の調査に有用であり、低周波長波長可視光は、表皮及び真皮の両調査に有用である。また、所定の赤外波長は、表皮、真皮及び皮下組織の調査に有用である。
【0276】
可視近赤外(VNIR)スペクトル範囲において、照射強度が低く熱効果が極わずかな場合、光−組織相互作用には主に、反射、屈折、散乱、及び吸光がある。一般的な平行入射放射では、空中−組織の境界面である肌での正反射は、一般的に250−3000ナノメータ(nm)の波長範囲の約4%−7%でしかない。詳細は、Anderson,R.R.らの「The Optics of Human Skin」、Journal of Investigative Dermatology、77、pp.13−19、1981を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む。空中−組織の境界面での反射を考慮せず、角質層下での入射光の総分散量を推定する場合、定常状態のVNIRの肌反射を、まず表皮で吸収されずに残存し、次に真皮層での等方散乱により表皮層に向かって反射し、最後に、再び表皮層を通過した後に肌から脱する光としてモデル化する。
【0277】
それに応じて、本明細書で記載のシステム及び方法を用いて、多種多様な病気を診断し特性を把握できる。1つの実施形態において、患者の病状を判断するために、1以上の肌または血液成分の濃度を判断する。医療的評価に有用な非限定的成分例には、デオキシヘモグロビンレベル、オキシヘモグロビンレベル、総ヘモグロビンレベル、酸素飽和度、酸素灌流、水和レベル、総ヘマトクリットレベル、メラニンレベル、コラーゲンレベル、及び、ビリルビンレベルがある。同様に、肌または血液成分のパターン、段階変化、または経時変化を用いて、患者の病状についての情報提供が可能である。
【0278】
ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像で評価可能な非限定的症状例には、組織虚血、潰瘍の発生、潰瘍の進行、褥瘡性潰瘍の発生、褥瘡性潰瘍の進行、糖尿病性足部潰瘍の発生、糖尿病性足部潰瘍の進行、静脈うっ血、静脈性潰瘍疾患、末梢動脈疾患、アンテローム性動脈硬化、感染症、ショック状態、心不全、呼吸不全、血液量減少、糖尿病の進行、うっ血性心不全、敗血症、脱水、出血、出血性ショック、高血圧、癌(例えば、腫瘍または皮膚病変の検出、診断、または型判定)、網膜異常(例えば、糖尿病性網膜症、黄斑変性、または角膜ジストロフィー)、皮膚創傷、火傷、化学物質または生物剤への暴露、及び、炎症反応がある。
【0279】
多様な実施形態において、本明細書で説明するシステム及び方法を用いて、組織の酸素測定を実施し、その上で、表在血管系での酸素測定から得られる患者の健康状態に関する病状を評価する。所定の実施形態において、本明細書で説明するシステム及び方法により、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、酸素飽和度、及び、酸素灌流の測定が可能である。これらのデータを処理して情報を医師に提供し、医師は、例えば、重症虚血肢、糖尿病性足部潰瘍、褥瘡性潰瘍、末梢血管疾患、外科的組織状態などの症状に対し、例えば、診断、予後、治療法の決定、外科的処置決定、外科的処置の実行に役立てる。
【0280】
多様な実施形態において、本明細書で説明するシステム及び方法を用いて、糖尿病性及び褥瘡性潰瘍を評価する。糖尿病性足部潰瘍は、一般的に、歩行運動中の足への衝撃を緩和する皮下脂肪と肌の真皮の間の障壁が破裂したことに起因する。この破裂によって、真皮がより圧迫され、組織虚血や結果として組織死が起こり、最終的には潰瘍が形成される(Frykberg R.G.らの、「Role of neuropathy and high foot pressures in diabetic foot ulceration」、Diabetes Care、21(10)、1998:1714−1719)。ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像でオキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、及び/または酸素飽和度の測定では、例えば、ROIでの潰瘍発生の可能性、潰瘍の診断、潰瘍の境界の識別、潰瘍発生の進行または退縮、潰瘍の治癒に関する予後、潰瘍がもたらす切断の可能性など、に関する医学情報の提供が可能である。例えば糖尿病性足部潰瘍といった潰瘍の検出及び特徴付けに関するハイパースペクトル/マルチスペクトル方法のさらなる情報は、米国特許出願公開第2007/0038042号、及び、Nouvong,A.らの「Evaluation of diabetic foot ulcer healing with hyperspectral imaging of oxyhemoglobin and deoxyhemoglobin」、Diabetes Care.2009 Nov;32(11):2056−2061に記載され、当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む。
【0281】
他の病状の例には、組織の生存可能性(例えば、組織が死滅するか生存するか、及び/または、継続して生存すると予測されるかどうか)、組織虚血、悪性細胞または組織(例えば、悪性腫瘍を、良性腫瘍、異形成、前がん組織、転移と分けて線引きする)、組織感染及び/若しくは炎症、ならびに/または、病原体の存在(例えば、細菌若しくはウイルス数)があるが、これらに限定されない。多様な実施形態では、例えば、筋肉組織、肌、及び/または、血管系と骨の区別など、様々な組織をそれぞれ区別してもよい。多様な実施形態では、血管系の特徴付けを実施しなくてもよい。
【0282】
多様な実施形態において、本明細書で提供するシステム及び方法を外科的処置で使用し、例えば、サージカルマージンの判断、摘出前後でのサージカルマージンの適切性評価、リアルタイムまたは準リアルタイムでの組織の生存可能性の評価若しくはモニタリング、または、画像誘導手術の補助を行う。ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像の外科的処置での使用に関する詳細は、Holzer M.S.らの「Assessment of renal oxygenation during partial nephrectomy using hyperspectral imaging」、J Urol.2011 Aug;186(2):400−4、Gibbs−Strauss S.L.らの「Nerve−highlighting fluorescent contrast agents for image−guided surgery」、Mol Imaging.2011 Apr;10(2):91−101、及び、Panasyuk S.V.らの「Medical hyperspectral imaging to facilitate residual tumor identification during surgery」、Cancer Biol Ther.2007 Mar;6(3):439−46を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む。
【0283】
ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像の医学的調査での使用に関する詳細は、例えば、Chin J.A.らのJ Vase Surg.2011 Dec;54(6):1679−88、Khaodhiar L.らのDiabetes Care 2007;30:903−910、Zuzak K.J.らのAnal Chem.2002 May 1;74(9):2021−8、Uhr J.W.らのTransl Res.2012 May;159(5):366−75、Chin M.S.らのJ Biomed Opt.2012 Feb;17(2):026010、Liu Z.らのSensors(Basel).2012;12(1):162−74、Zuzak K.J.らのAnal Chem.2011 Oct l;83(19):7424−30、Palmer G.M.らのJ Biomed Opt.2010 Nov−Dec;15(6):066021、Jafari−Saraf及びGordonのAnn Vase Surg.2010 Aug;24(6):741−6、Akbari H.らのIEEE Trans Biomed Eng.2010 Aug;57(8):2011−7、Akbari H.らのConf Proc IEEE Eng Med Biol Soc.2009:1461−4、Akbari H.らのConf Proc IEEE Eng Med Biol Soc.2008:1238−41、Chang S.K.らのClin Cancer Res.2008 Jul 1;14(13):4146−53、Siddiqi A.M.らのCancer.2008 Feb 25;114(1):13−21、Liu Z.らのAppl Opt.2007 Dec l;46(34):8328−34、Zhi L.らのComput Med Imaging Graph.2007 Dec;31(8):672−8、Khaodhiar L.らのDiabetes Care.2007 Apr;30(4):903−10、Ferris D.G.らのJ Low Genit Tract Dis.2001 Apr;5(2):65−72、Greenman R.L.らのLancet.2005 Nov 12;366(9498):1711−7、Sorg B.S.らのJ Biomed Opt.2005 Jul−Aug;10(4):44004、Gillies R.らの Diabetes Technol Ther.2003;5(5):847−55を参照のこと。当該内容は、その全体をあらゆる目的において参照により本明細書に組み込む。
典型的な実施形態
【0284】
本項では、本開示による非限定的で典型的な実施形態を示す。
【0285】
実施形態1
撮像装置であって、光軸に沿って配置され光源から発光されて対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、複数のバンドパスフィルタ、ならびに、前記レンズ及び前記複数のフォトセンサと光通信する複数のビームスプリッタを備え、各バンドパスフィルタは、前記複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサを覆い、前記各フォトセンサにより受光される光をフィルタリングするよう構成され、各バンドパスフィルタは、それぞれ対応するスペクトルバンドが前記各バンドパスフィルタを通過するよう構成され、前記複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタは、前記レンズにより受光された前記光を少なくとも2つの光路に分光するよう構成され、前記複数のビームスプリッタのうち第一ビームスプリッタは、前記レンズと直接的に光通信し、前記複数のビームスプリッタのうち第二ビームスプリッタは、前記第一ビームスプリッタを介して前記レンズと間接的に光通信し、前記複数のビームスプリッタは全体で、前記レンズにより受光された前記光を複数の光路に分光し、前記複数の光路の各光路は、前記各フォトセンサに対応する前記バンドパスフィルタを介して、前記複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサに光を向けるよう構成された、前記撮像装置。
【0286】
実施形態2
少なくとも第一動作モード及び第二動作モードを備えた少なくとも1つの光源をさらに備えた、実施形態1の撮像装置。
【0287】
実施形態3
前記第一動作モードにおいて前記少なくとも1つの光源が実質的に第一スペクトル範囲で発光し、前記第二動作モードにおいて前記少なくとも1つの光源が実質的に第二スペクトル範囲で発光する、実施形態2の撮像装置。
【0288】
実施形態4
前記複数のバンドパスフィルタの各バンドパスフィルタは、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光が前記各バンドパスフィルタを通過するよう構成された、実施形態3の撮像装置。
【0289】
実施形態5
前記2つの個別スペクトルバンドのうち一方は、前記第一スペクトル範囲にあるが前記第二スペクトル範囲ではない第一スペクトルバンドに対応し、前記2つの個別スペクトルバンドのうち他方は、前記第二スペクトル範囲にあるが前記第一スペクトル範囲ではない第二スペクトルバンドに対応する、実施形態4の撮像装置。
【0290】
実施形態6
前記第一スペクトル範囲は前記第二スペクトル範囲と実質的に重ならない、実施形態3−5のいずれか1つの撮像装置。
【0291】
実施形態7
前記第一スペクトル範囲は前記第二スペクトル範囲と実質的に隣接する、実施形態3−6のいずれか1つの撮像装置。
【0292】
実施形態8
前記第一スペクトル範囲は500nmから570nmの波長光を備え、前記第二スペクトル範囲は570nmから640nmの波長光を備える、実施形態3の撮像装置。
【0293】
実施形態9
前記複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタからの前記少なくとも2つの光路は実質的に同一平面上にある、実施形態1の撮像装置。
【0294】
実施形態10
複数のビームステアリングエレメントをさらに備え、各ビームステアリングエレメントは、前記複数のフォトセンサのうち前記各光路に対応する各フォトセンサへの各光路に光を向けるよう構成された、実施形態1の撮像装置。
【0295】
実施形態11
前記複数のビームステアリングエレメントの少なくとも1つは前記レンズの前記光軸に垂直に光を向けるよう構成された、実施形態10の撮像装置。
【0296】
実施形態12
前記複数のビームステアリングエレメントの第一サブセットのそれぞれは、前記光軸に垂直な第一方向に光を向けるよう構成され、前記複数のビームステアリングエレメントの第二サブセットのそれぞれは、前記光軸に垂直で前記第一方向と反対の第二方向に光を向けるよう構成された、実施形態10の撮像装置。
【0297】
実施形態13
前記複数のフォトセンサの各フォトセンサのセンシング面は、前記光軸に実質的に垂直である、実施形態10−12のいずれかの撮像装置。
【0298】
実施形態14
前記少なくとも1つの光源と光通信する偏光子、及び、偏光回転子をさらに備え、前記偏光子は、前記少なくとも1つの光源から光を受光し、前記少なくとも1つの光源からの前記光の第一部を前記対象に投射し、前記少なくとも1つの光源からの前記光の第二部を前記偏光回転子に投射するよう構成され、前記光の前記第一部は第一状態に偏向され、前記光の前記第二部は前記第一状態とは異なる第二状態に偏向され、前記偏光回転子は、前記光の前記第二部の前記偏向を前記第二状態から前記第一状態に回転させ、前記第一状態に偏向された前記光の前記第二部を前記対象に投射するよう構成された、実施形態2−8のいずれか1つの撮像装置。
【0299】
実施形態15
前記第一状態がp偏光であり、前記第二状態がs偏光である、実施形態14の撮像装置。
【0300】
実施形態16
前記第一状態がs偏光であり、前記第二状態がp偏光である、実施形態14の撮像装置。
【0301】
実施形態17
方法の実施により前記複数のフォトセンサから複数画像を取り込むよう構成されたコントローラをさらに備え、前記方法では、前記少なくとも1つの第一光源を用いて前記第一スペクトル範囲の光で前記対象を照明し、前記複数のフォトセンサで第一画像セットを取り込み、前記少なくとも1つの光源を用いて前記第二スペクトル範囲の光で前記対象を照明し、前記複数のフォトセンサを用いて第二画像セットを取り込み、前記第一画像セットは、各フォトセンサに対し、前記各バンドパスフィルタが通過させる第一スペクトルバンドに対応する画像を備え、前記第一スペクトル範囲の前記光は、各バンドパスフィルタの前記第一スペクトルバンドの光を備え、前記第二画像セットは、各フォトセンサに対し、前記各バンドパスフィルタが通過させる第二スペクトルバンドに対応する画像を備え、前記第二スペクトル範囲の前記光は、各バンドパスフィルタの前記第二スペクトルバンドの光を備えた、実施形態3−8のいずれかの撮像装置。
【0302】
実施形態18
前記レンズの集束距離は固定であり、前記撮像装置は、形状の第一部を前記対象に投影するよう構成された第一プロジェクタ、及び、前記形状の第二部を前記対象に投影するよう構成された第二プロジェクタをさらに備え、前記形状の前記第一部及び前記形状の前記第二部は、前記レンズが前記集束距離に対応する前記対象からの所定距離に位置する場合、あわせて前記形状を形成するよう構成された、実施形態1−17のいずれかの撮像装置。
【0303】
実施形態19
前記撮像装置で画像を取り込む場合、前記形状が、前記複数のフォトセンサにより撮像される前記対象の部分を示す、実施形態18の撮像装置。
【0304】
実施形態20
前記形状は、長方形、正方形、丸及び楕円形を備えるグループから選択される、実施形態19の撮像装置。
【0305】
実施形態21
前記形状の前記第一部は直角を形成する第一ペア線であり、前記形状の前記第二部は直角を形成する第二ペア線であり、前記形状の前記第一部及び前記形状の前記第二部は、前記撮像装置が前記対象から所定距離に位置する場合、前記対象上に長方形を形成するよう構成される、実施形態18−20のいずれかの撮像装置。
【0306】
実施形態22
前記複数のビームスプリッタの各ビームスプリッタは、光反射に対する光透過の比率が約50:50である、実施形態1−21のいずれかの撮像装置。
【0307】
実施形態23
前記複数のビームスプリッタのうち少なくとも1つの前記ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタである、実施形態22の撮像装置。
【0308】
実施形態24
少なくとも前記第一ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタである、実施形態23の撮像装置。
【0309】
実施形態25
少なくとも第一動作モード及び第二動作モードを備えた少なくとも1つの光源をさらに備え、前記複数のビームスプリッタはそれぞれ、光反射に対する光透過の比率が約50:50であり、前記複数のビームスプリッタのうち少なくとも1つの前記ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタであり、前記第一動作モードにおいて、前記少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲で実質的に発光し、前記第二動作モードにおいて、前記少なくとも1つの光源は実質的に第二スペクトル範囲で発光する、実施形態1の撮像装置。
【0310】
実施形態26
前記第一ビームスプリッタは、第三スペクトル範囲の光を通過させ、第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成された、実施形態25の撮像装置。
【0311】
実施形態27
前記複数のビームスプリッタは、前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含む、実施形態26の撮像装置。
【0312】
実施形態28
前記第三スペクトル範囲の前記光を前記第二ビームスプリッタに向け通過させ、前記第四スペクトル範囲の前記光を前記第三ビームスプリッタに向け反射させる、実施形態27の撮像装置。
【0313】
実施形態29
前記第二及び前記第三ビームスプリッタが波長非依存型ビームスプリッタである、実施形態28の撮像装置。
【0314】
実施形態30
前記第一スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−550nmの第一スペクトルサブレンジ、及び、約615−650nmの第二スペクトルサブレンジを備え、前記第二スペクトル範囲は約550−615nmである、実施形態25−29のいずれかの撮像装置。
【0315】
実施形態31
前記第三スペクトル範囲は約585−650nmであり、前記第四スペクトル範囲は約450−585nmである、実施形態26−30のいずれかの撮像装置。
【0316】
実施形態32
前記第三スペクトル範囲は、両前記第一及び前記第二スペクトル範囲の光を備え、前記第四スペクトル範囲は、両前記第一及び前記第二スペクトル範囲の光を備えた、実施形態26−31のいずれか1つの撮像装置。
【0317】
実施形態33
前記第一ビームスプリッタがプレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである、実施形態24−32のいずれか1つの撮像装置。
【0318】
実施形態34
前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、前記第三ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタである、実施形態23の撮像装置。
【0319】
実施形態35
前記第一動作モードにおいて、前記少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲で実質的に発光し、前記第二動作モードにおいて、前記少なくとも1つの光源は実質的に第二スペクトル範囲で発光する、実施形態34の撮像装置。
【0320】
実施形態36
前記第一ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第三スペクトル範囲の光を通過させ、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備える第四スペクトル範囲の光を反射するよう構成された、実施形態35の撮像装置。
【0321】
実施形態37
前記複数のビームスプリッタは、前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、第三ビームスプリッタを含む、実施形態36の撮像装置。
【0322】
実施形態38
前記第三スペクトル範囲の前記光を前記第二ビームスプリッタに向け通過させ、前記第四スペクトル範囲の前記光を前記第三ビームスプリッタに向け反射させる、実施形態37の撮像装置。
【0323】
実施形態39
前記第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第五スペクトル範囲の光を反射させ、前記第五スペクトルサブレンジの前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成された、実施形態38の撮像装置。
【0324】
実施形態40
前記第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第六スペクトル範囲の光を反射させ、前記第六スペクトルサブレンジの前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成された、実施形態38または実施形態39の撮像装置。
【0325】
実施形態41
前記第一スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−530nmの第一スペクトルサブレンジ、及び、約600−650nmの第二スペクトルサブレンジを備え、前記第二スペクトル範囲は約530−600nmである、実施形態35−40のいずれかの撮像装置。
【0326】
実施形態42
前記第三スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約570−600nmの第三スペクトルサブレンジ、及び、約615−650nmの第四スペクトルサブレンジを備え、前記第四スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約450−570nmの第五スペクトルサブレンジ、及び、約600−615nmの第六スペクトルサブレンジを備えた、実施形態36−41のいずれかの撮像装置。
【0327】
実施形態43
前記第五スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約585−595nmの第七スペクトルサブレンジ、及び、約615−625nmの第八スペクトルサブレンジを備えた、実施形態39−42のいずれかの撮像装置。
【0328】
実施形態44
前記第六スペクトル範囲の前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジは、約515−525nmの第九スペクトルサブレンジ、及び、約555−565nmの第十スペクトルサブレンジを備えた、実施形態40−43のいずれかの撮像装置。
【0329】
実施形態45
前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、前記第三ビームスプリッタがそれぞれ、プレート型ダイクロイックビームスプリッタまたはブロック型ダイクロイックビームスプリッタである、実施形態34−44のいずれかの撮像装置。
【0330】
実施形態46
前記少なくとも1つの光源は、第一発光ダイオード(LED)セット及び第二LEDセットを備え、前記第一LEDセットの各LEDは、前記複数のバンドパスフィルタのうち、前記第一スペクトル範囲外の光をブロックし前記第一スペクトル範囲の光を通過させるよう構成された第一バンドパスフィルタを介して光を通過させ、前記第二LEDセットの各LEDは、前記複数のバンドパスフィルタのうち、前記第二スペクトル範囲外の光をブロックし前記第二スペクトル範囲の光を通過させるよう構成された第二バンドパスフィルタを介して光を通過させる、実施形態3−7のいずれかの撮像装置。
【0331】
実施形態47
前記第一LEDセットは第一照明アセンブリ内にあり、第二LEDは前記第一照明アセンブリとは別の第二照明アセンブリ内にある、実施形態46の撮像装置。
【0332】
実施形態48
前記第一LEDセット及び前記第二LEDセットは共通の照明アセンブリ内にある、実施形態46の撮像装置。
【0333】
実施形態49
撮像装置用光アセンブリは、光軸に沿って配置されたレンズ、前記レンズからの光を受光するよう構成された光路アセンブリ、前記光路アセンブリの第一側部に設置された第一回路板、及び、前記第一側部の反対にある前記光路アセンブリの第二側部に設置された第二回路板を備え、前記第二回路板は前記第一回路板と略平行であり、前記光路アセンブリは、前記レンズからの光を第一光路及び第二光路に分光するよう構成された第一ビームスプリッタ、前記第一光路からの光を第三光路及び第四光路に分光するよう構成された第二ビームスプリッタ、前記第二光路からの光を第五光路及び第六光路に分光するよう構成された第三ビームスプリッタ、前記第三光路からの光を前記第一回路板に接続された第一フォトセンサへ前記第三光路に垂直に偏向するよう構成された第一ビームステアリングエレメント、前記第四光路からの光を前記第二回路板に接続された第二フォトセンサへ前記第四光路に垂直に偏向するよう構成された第二ビームステアリングエレメント、前記第五光路からの光を前記第一回路板に接続された第三フォトセンサへ前記第五光路に垂直に偏向するよう構成された第三ビームステアリングエレメント、及び、前記第六光路からの光を前記第二回路板に接続された第四フォトセンサへ前記第六光路に垂直に偏向するよう構成された第四ビームステアリングエレメントを備え、前記第一光路は前記光軸と略同一線上にあり、前記第二光路は前記光軸に略垂直であり、前記第三光路は前記第一光路と略同一線上にあり、前記第四光路は前記光軸に略垂直であり、前記第五光路は前記第二光路と略同一線上にあり、前記第六光路は前記第二光路に略垂直である、前記光アセンブリ。
【0334】
実施形態50
複数のバンドパスフィルタをさらに備え、前記複数のバンドパスフィルタは、前記第一ビームスプリッタと前記第一フォトセンサとの間で前記第三光路に設置された第一バンドパスフィルタ、前記第二ビームスプリッタと前記第二フォトセンサとの間で前記第四光路に設置された第二バンドパスフィルタ、前記第三ビームスプリッタと前記第三フォトセンサとの間で前記第五光路に設置された第三バンドパスフィルタ、及び、前記第四ビームスプリッタと前記第四フォトセンサとの間で前記第六光路に設置された第四バンドパスフィルタを備え、前記複数のバンドパスフィルタの各バンドパスフィルタは、それぞれ別のスペクトルバンドが前記各バンドパスフィルタを通過するよう構成された、実施形態49の光アセンブリ。
【0335】
実施形態51
前記複数のバンドパスフィルタのうち少なくとも1つのバンドパスフィルタがデュアルバンドパスフィルタである、実施形態50の光アセンブリ。
【0336】
実施形態52
前記光軸に沿って配置された偏光フィルタをさらに備える、実施形態49−51のいずれか1つの光アセンブリ。
【0337】
実施形態53
前記偏光フィルタは、前記レンズに隣接し、前記光軸に沿って前記第一ビームスプリッタの手前にある、実施形態52の光アセンブリ。
【0338】
実施形態54
前記第一ビームステアリングエレメントが鏡またはプリズムである、実施形態49−53のいずれか1つの光アセンブリ。
【0339】
実施形態55
前記第一ビームステアリングエレメントが折り畳み式プリズムである、実施形態49−53のいずれかの光アセンブリ。
【0340】
実施形態56
各ビームスプリッタ及び各ビームステアリングエレメントは、実質的に前記同一平面に沿って方向付けを行う、実施形態49−55のいずれか1つの光アセンブリ。
【0341】
実施形態57
各フォトセンサは対応する回路板に可撓的に接続された、実施形態49−56のいずれかの光アセンブリ。
【0342】
実施形態58
前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、前記第三ビームスプリッタはそれぞれ、光反射に対する光透過の比率が約50:50である、実施形態49−57のいずれか1つの光アセンブリ。
【0343】
実施形態59
少なくとも前記第一ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタである、実施形態49−57のいずれか1つの光アセンブリ。
【0344】
実施形態60
前記第一ビームスプリッタは、第一スペクトル範囲の光を通過させ、第二スペクトル範囲の光を反射するよう構成された、実施形態59の光アセンブリ。
【0345】
実施形態61
前記第一スペクトル範囲の前記光を前記第二ビームスプリッタに向け通過させ、前記第二スペクトル範囲の前記光を前記第三ビームスプリッタに向け反射させる、実施形態60の光アセンブリ。
【0346】
実施形態62
前記第二及び前記第三ビームスプリッタが波長非依存型ビームスプリッタである、実施形態61の光アセンブリ。
【0347】
実施形態63
前記第一ビームスプリッタ、前記第二ビームスプリッタ、及び、前記第三ビームスプリッタがダイクロイックビームスプリッタである、実施形態49−57のいずれか1つの光アセンブリ。
【0348】
実施形態64
前記第一ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第一スペクトル範囲の光を通過させ、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第二スペクトル範囲の光を反射させるよう構成された、実施形態63の光アセンブリ。
【0349】
実施形態65
前記第二ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第三スペクトル範囲の光を反射させ、前記第三スペクトルサブレンジの前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成された、実施形態63−64のいずれか1つの光アセンブリ。
【0350】
実施形態66
前記第三ビームスプリッタは、少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジを備えた第四スペクトル範囲の光を反射させ、前記第四スペクトルサブレンジの前記少なくとも2つの断続的なスペクトルサブレンジのどちらでもない光を通過させるよう構成された、実施形態63−65のいずれか1つの光アセンブリ。
【0351】
実施形態67
撮像装置用照明アセンブリは、少なくとも1つの光源、前記少なくとも1つの光源と光通信する偏光子、及び、偏光回転子を備え、前記偏光子は、前記少なくとも1つの光源から光を受光し、前記少なくとも1つの光源からの前記光の第一部を対象に照射し、前記少なくとも1つの光源からの前記光の第二部を前記偏光回転子に照射するよう構成され、前記光の前記第一部は第一偏向型であり、前記光の前記第二部は第二偏向型であり、前記偏光回転子は、前記光の前記第二部の前記偏向を前記第二偏向型から前記第一偏向型に回転させ、前記第一偏向型の前記光を前記対象に照射するよう構成された、前記照明アセンブリ。
【0352】
実施形態68
前記第一偏向型がp偏光であり、前記第二偏向型がs偏光である、実施形態67の照明アセンブリ。
【0353】
実施形態69
前記第一偏向型がs偏光であり、前記第二偏向型がp偏光である、実施形態67の照明アセンブリ。
【0354】
実施形態70
前記少なくとも1つの光源が1以上の発光ダイオード(LED)である、実施形態67−69のいずれかの照明アセンブリ。
【0355】
実施形態71
前記少なくとも1つの光源は2以上の動作モードを備え、前記2以上の動作モードの各動作モードは、光を個別スペクトル範囲で発光し、動作モードに対応する光の前記スペクトル範囲はいずれも、別の動作モードに対応する光の他のどのスペクトル範囲とも完全には重ならない、実施形態67−70のいずれかの照明アセンブリ。
【0356】
実施形態72
前記偏光子により受光された前記少なくとも1つの光源からの前記光の全体のうち少なくとも95%は前記対象を照らす、実施形態67−71のいずれかの照明アセンブリ。
【0357】
実施形態73
対象についてのハイパースペクトル/マルチスペクトル画像の取込方法では、少なくとも1つの光源、前記少なくとも1つの光源から発光され対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、及び、複数のバンドパスフィルタを備えた撮像システムであって、前記複数のバンドパスフィルタの各バンドパスフィルタは、前記複数のフォトセンサの各フォトセンサを覆い、前記各フォトセンサにより受光された光をフィルタリングするよう構成され、各バンドパスフィルタは、それぞれスペクトルバンドが前記各バンドパスフィルタを通過するよう構成された、前記撮像システムにおいて、前記少なくとも1つの光源の第一動作モードに従い前記少なくとも1つの光源で前記対象を照明し、それぞれが前記複数のフォトセンサの1つにより取り込まれる第一複数画像を取り込み、前記第一複数画像の各画像は、異なる各スペクトルバンドの光を備える、前記方法。
【0358】
実施形態74
前記複数バンドパスフィルタのそれぞれは、2つの個別スペクトルバンドのいずれかに対応する光が前記フィルタを通過するよう構成され、前記方法ではさらに前記第一複数画像の取り込み後に、前記少なくとも1つの光源の第二動作モードに従い前記少なくとも1つの光源で前記対象を照明し、それぞれが前記複数のフォトセンサの1つにより取り込まれる第二複数画像を取り込み、前記第二複数画像の各画像は異なる各スペクトルバンドの光を備え、前記第二複数画像により取り込まれた前記スペクトルバンドは前記第一複数画像により取り込まれた前記スペクトルバンドとは異なる、実施形態73の方法。
【0359】
実施形態75
前記少なくとも1つの光源が複数の発光ダイオード(LED)を備える、実施形態73−74のいずれかの方法。
【0360】
実施形態76
第一波長光フィルタは、前記複数のLEDのうち第一LEDサブセットと前記対象との間で照明光路に沿って配置され、第二波長光フィルタは、前記複数のLEDのうち第二LEDサブセットと前記対象との間で照明光路に沿って配置され、前記第一波長光フィルタ及び前記第二波長光フィルタは、異なるスペクトルバンドに対応する光が前記各フィルタを通過するよう構成された、実施形態75の方法。
【0361】
実施形態77
前記複数のLEDは白色光を発するLEDを備えた、実施形態76の方法。
【0362】
実施形態78
前記複数のLEDは、光の第一スペクトルバンドに対応する光を発光するよう構成された第一LEDサブセット、及び、光の第二スペクトルバンドに対応する光を発光するよう構成された第二LEDサブセットを備え、前記第一LEDサブセットから発光された光で前記対象を照明する第一動作モードに従い、前記少なくとも1つの光源で前記対象を照明し、前記第二LEDサブセットから発光された光で前記対象を照明する第二動作モードに従い前記少なくとも1つの光源で前記対象を照明し、光の前記第一スペクトルバンドの前記波長、及び、光の前記第二スペクトルバンドの前記波長は完全に重なるものではない、実施形態75の方法。
【0363】
実施形態79
撮像装置は、少なくとも2つの動作モードを有する少なくとも1つの光源、光軸に沿って配置され前記少なくとも1つの光源から発光されて対象で後方散乱された光を受光するよう構成されたレンズ、複数のフォトセンサ、複数のバンドパスフィルタ、ならびに、前記レンズ及び前記複数のフォトセンサと光通信する1以上のビームスプリッタを備え、各バンドパスフィルタは、前記複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサを覆い、前記対応フォトセンサにより受光された光をフィルタリングするよう構成され、各バンドパスフィルタは異なる各スペクトルバンドが前記各バンドパスフィルタを通過するよう構成され、各ビームスプリッタは、前記レンズにより受光された前記光を複数の光路に分光するよう構成され、各光路は、前記対応フォトセンサに対応する前記バンドパスフィルタを介して前記複数のフォトセンサのうち対応するフォトセンサに光を向けるよう構成された、前記撮像装置。
【0364】
本明細書において、用語「first」、「second」などを用いて様々な要素を説明してもよいが、これらの要素はこれらの用語に限定されないものと理解する。これらの用語は、単に要素同士を区別するために使用される。例えば、「firstコンタクト」とした全名称を一貫して付け替え、secondコンタクトとした全名称を一貫して付け替えた場合に限り、本記述での意味を変更して、firstコンタクトをsecondコンタクトとしてもよく、同様に、secondコンタクトをfirstコンタクトとしてもよい。firstコンタクト及びsecondコンタクトはどちらもコンタクトであるが、同じコンタクトではない。
【0365】
本明細書で使用する用語は具体的な実施形態を単に記述するために使用するものであり、本請求項を限定する意図は無い。本実施形態及び添付の請求項の記述で使用するように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、明らかに文脈上当てはまらない場合を除き、その複数形も含むことを意図する。また、本明細書で使用する用語「and/or」は、列挙した関連項目の1以上でのあらゆる可能性のある組合せを意味し包含するものと理解する。さらに、用語「comprises」及び/または「comprising」は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、完全体、段階、操作、要素、及び/または、成分の有無を指定するが、他の1以上の特徴、完全体、段階、操作、要素、成分、及び/または、それらのグループの有無または追加を排除するものではないと理解する。
【0366】
本明細書で使用するように、用語「if」は、文脈に従い、言及した先例が真であることを意味する「when」、「upon」、「in response to determining」、「in accordance with a determination」または「in response to detecting」を意味するものと解釈してもよい。同様に、「if it is determined[言及した先例が真である]」、「if[言及した先例が真である]」、または、「when[言及した先例が真である]」といった言い回しは、文脈に従い、言及した先例が真であることを意味する「upon determining」、「in response to determining」、「in accordance with a determination」、「upon detecting」、または、「in response to detecting」を意味するものと解釈してもよい。
【0367】
ここまで、具体的な実施形態を参考に記述し、説明に供した。しかし、例を挙げた検討によってすべてを網羅する意図は無く、本発明を開示通りの形態に限定する意図も無い。上記の教示では多くの変更や変形が可能である。本発明の原理及び本発明の適用の説明が最良となるよう、本実施形態を選択し記述したものであり、当業者であれば、本発明及び多様な実施形態を最適に利用し、多様に変更して想定される具体的な用途に合うようすることができる。
【解決手段】ハイパースペクトル/マルチスペクトル撮像装置100は、対象で後方散乱した光を受光するよう構成されたレンズ104、複数のフォトセンサ、各フォトセンサを覆う複数のバンドパスフィルタ、ならびに、レンズ及びフォトセンサと光通信する複数のビームスプリッタを備え、各バンドパスフィルタは、異なる各スペクトルバンドがフィルタを通過するよう構成され、各ビームスプリッタはレンズで受光された光を複数の光路に分光し、各光路は、各フォトセンサに対応するバンドパスフィルタを介して、対応するフォトセンサに光を向けるよう構成される。