(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザーにより指定された実在する地点を基準点として特定するために必要な基準点データと、前記基準点の周辺に存在する各種の施設に関する施設データと、前記基準点と前記施設との間の距離に関する距離データとを少なくとも記憶した記憶手段と、
情報を表示するための表示手段と、
前記基準点の指定に関する情報を含む各種の情報を入力するための入力手段と、
前記記憶手段、前記表示手段、前記入力手段を制御する制御手段と、を備えた施設位置情報表示システムであって、
前記制御手段は、
前記入力手段から入力された前記基準点の指定に関する情報に基づいて、前記基準点となる複数の地点を設定する基準点設定手段と、
前記入力手段から入力された表示対象施設の指定又は前記表示対象施設のジャンルあるいはグループの指定に関する情報に基いて、表示対象の施設又は該施設のジャンルあるいはグループを設定する表示対象施設設定手段と、
前記記憶手段に記憶された前記施設データから、前記基準点設定手段で設定された複数の基準点それぞれの周辺に存在する施設のうち前記表示対象施設設定手段で設定された表示対象の施設を検索する施設検索手段と、
前記記憶手段に記憶された前記距離データに基づいて、前記基準点設定手段で設定された複数の基準点それぞれから前記施設検索手段で検索した各施設までの距離を算出する施設距離算出手段と、
前記施設検索手段による検索結果と前記施設距離算出手段による算出結果とに基いて前記各基準点それぞれの周辺に存在する前記各施設を前記各基準点から延びる直線上に並べて前記表示手段に表示させる施設情報表示制御手段と、を備え、
前記施設情報表示制御手段は、前記複数の基準点それぞれの周辺に存在する同一の施設又は同一ジャンルあるいはグループに属する施設を前記各基準点からの実際の距離に対応する位置に配置したものを比較表示する
ことを特徴とする施設位置情報表示システム。
ユーザーにより指定された実在する地点を基準点として特定するために必要な基準点データと、前記基準点の周辺に存在する各種の施設に関する施設データと、前記基準点から前記施設まで同一条件で移動するために要する時間に関する所要時間データとを少なくとも記憶した記憶手段と、
情報を表示するための表示手段と、
前記基準点の指定に関する情報を含む各種の情報を入力するための入力手段と、
前記記憶手段、前記表示手段、前記入力手段を制御する制御手段と、を備えた施設位置情報表示システムであって、
前記制御手段は、
前記入力手段から入力された前記基準点の指定に関する情報に基づいて、前記基準点となる複数の地点を設定する基準点設定手段と、
前記入力手段から入力された表示対象施設の指定又は前記表示対象施設のジャンルあるいはグループの指定に関する情報に基いて、表示対象の施設又は該施設のジャンルあるいはグループを設定する表示対象施設設定手段と、
前記記憶手段に記憶された前記施設データから、前記基準点設定手段で設定された複数の基準点それぞれの周辺に存在する施設のうち前記表示対象施設設定手段で設定された表示対象の施設を検索する施設検索手段と、
前記記憶手段に記憶された前記所要時間データに基づいて、前記基準点設定手段で設定された複数の基準点それぞれから前記施設検索手段で検索した各施設までの移動に要する所要時間を算出する所要時間算出手段と、
前記施設検索手段による検索結果と前記所要時間算出手段による算出結果とに基いて前記各基準点それぞれの周辺に存在する前記各施設を前記各基準点から延びる直線上に並べて前記表示手段に表示させる施設情報表示制御手段と、を備え、
前記施設情報表示制御手段は、前記複数の基準点それぞれの周辺に存在する同一の施設又は同一ジャンルあるいはグループに属する施設を前記各基準点から前記各施設までの移動に要する所要時間に対応する位置に配置したものを比較表示する
ことを特徴とする施設位置情報表示システム。
【背景技術】
【0002】
例えば、分譲又は賃貸マンションなどの不動産物件の購入又は賃借希望者は、物件に入居後の生活において、当該物件の近隣にある商業施設や公共施設など各種の施設を利用することとなる。そのため、それら施設の利用環境を考慮して物件の選定を行うのが一般的である。ここでいう施設には、例えば、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高等学校などの各種教育施設、病院、公園、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、郵便局、銀行、図書館、映画館、レストラン、駅、バス停、クリーニング店、遊園地など様々な施設が含まれる。
【0003】
例えば、住居用の不動産物件の希望者にとっては、通勤又は通学における利便性のために、対象物件から最寄駅までの距離が重要となる。また、日常生活で利用するスーパーマーケットやコンビニエンスストア、銀行などの商業施設や、病院、各種学校、図書館などの公共施設が対象物件の近くに有るか否か、また、対象物件からどの程度の距離に有るかということを事前に知ったうえで物件を選択する必要がある。
【0004】
また、比較対象である複数の物件それぞれの周辺に同種類の施設が有る場合でも、それが徒歩圏や自転車でアクセス可能な圏内にあるか否かによって利便性が大きく変わるという実態がある。また、例えば、対象物件が住居用の不動産物件である場合には、ユーザーの年齢、家族構成、性別などによって、実際に利用する施設の種類が異なるという実態もある。
【0005】
さらに、店舗や会社等の商業用物件の選択においても、物件から取引先の会社や他店舗など特定の施設までの距離や所要時間を考慮して商圏を検討する必要がある。
【0006】
このように、対象物件の周辺に存在する各種施設の種類や数にする情報、及び対象物件から各施設までの距離や所要時間に関する情報は、複数の物件を比較する際、及び複数の物件から一の物件を選択する際に重要な要素となる。
【0007】
上記のような事情から、複数の対象物件を比較するユーザーが各対象物件の周辺に存在する施設を当該物件からの距離とともに一覧で比較できるようにすることが望まれる。しかしながら、従来は、そのような比較が可能なシステムは無かった。そのため、ユーザーは、複数の物件について、それらの周辺に存在する施設の種類及び各物件からの距離を比較したい場合には、複数の物件(基準点)それぞれの周辺の地図を見て、当該地図から同一種類の施設を見つけ出して基準点からの距離を比較したり、各基準点について周辺にある施設に関する情報が掲載された資料などがあればそれを参照したりすることで、各対象物件の周辺施設の状況を比較しているのが現状である。また、周辺施設の位置に関する適切な資料を入手できない場合や、物件の下見を行う際には、実際に現地に赴いて周辺にある施設の調査を行うことが一般的である。
【0008】
なお、基準点の周辺にある施設に関する情報を提示可能なシステムの従来例として、特許文献1には、営業施設の場所を検索するシステムが記載されている。このシステムによれば、ユーザーの移動経路に関連付けて営業施設の場所を検索することで、比較的近隣ではあるがユーザーの移動経路から大きく外れた位置にある営業場所を選択肢のリストから除外することができる。しかしながら、当該システムは、複数の基準点それぞれの周辺に存在する施設の位置を比較表示することができるシステムではない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる施設位置情報表示システム1の構成例を示すブロック図である。同図に示す施設位置情報表示システム1は、制御部(制御手段)10、記憶部(記憶手段)11、ディスプレイ(表示手段)12、GPS受信部13、入力装置(入力手段)14、及びデータ送受信部15を備える。なお、GPS受信部13は、任意の構成要素であり、必ずしも備えていなくてよい。
【0018】
制御部10は、施設位置情報表示システム1を動作させるための各種処理を実行するための部分であり、マイクロプロセッサ、各種周辺回路、RAM、ROM等の記憶装置等によって構成される。一般的には、市販のPC、携帯端末等の制御部に、ソフトウエアやアプリケーションをインストールしたものであり、記憶部11等もこれらの機器に一体的に構成されている。制御部10により実行される処理には、基準点設定処理、表示対象施設設定処理、施設検索処理、施設距離算出処理、表示位置決定処理、施設情報表示処理などが含まれる。これら各処理の具体的な内容については、下記で詳細に説明する。
【0019】
記憶部11は、ハードディスク、メモリ、DVDディスク、ブルーレイディスク等の各種の記憶媒体であり、将来的に開発される記憶媒体を含む。記憶部11には、地図データや画像データ、施設データ、交通データの少なくとも一種を含む各種データが記憶されている。また、記憶部11には、実在する複数地点間の距離(直線距離)に関するデータが記憶されている。さらに、複数地点間の距離のほか、道のり又は所要時間に関するデータが記憶されていてもよい。記憶部11に記憶されているデータは、必要に応じて制御部10により記憶部11から読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。また、制御部10は、記憶部11に新たなデータを記憶したり既に記憶されているデータを更新したりすることもできる。
【0020】
記憶部11に記憶されている施設データには、実在する施設の名称や施設の位置、施設のジャンル等の情報が含まれる。さらに、施設のジャンルだけでなく、施設の規模や経営主体に関する情報、及び利用者の評判に関する情報などを含めることができる。制御部10は、この施設データを利用して後述する施設検索処理を実行することができる。
【0021】
ディスプレイ12は、様々な画像や文字情報などを表示するための装置であり、液晶ディスプレイ等が用いられる。制御部10の制御に基づいてディスプレイ12に施設の位置などに関する各種の情報を表示することにより、施設位置情報表示システム1は本発明の目的を達することができる。
【0022】
施設位置情報表示システム1が携帯端末など移動する端末からなるシステムの場合には、当該施設位置情報表示システム1は、GPS受信部13を備えていてよい。GPS受信部13は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、端末の現在位置と現在時刻を特定するための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、制御部10は、所定数以上のGPS衛星からのGPS信号により、これらの情報に基づいて端末の現在位置及び現在時刻を算出することができる。制御部10は、GPS信号に基づいて算出された端末(ユーザー)の現在位置を算出することができる。
【0023】
入力装置14は、施設位置情報表示システム1を動作させるためにユーザーから入力される各種操作を検出するための装置であり、各種の入力手段(タッチパネル、GUI、キーボード、音声認識装置)を備えている。ユーザーは、入力装置14を操作することにより、例えば、施設情報表示における基準となる点(基準点)に関する情報を入力したり、表示したい施設や地名等を入力したり、予め登録された条件を選択したりすることができる。なお、施設位置情報表示システム1が携帯端末からなるシステムの場合には、入力装置14は、入力装置14とディスプレイ12とが一体化されたタッチパネル形式が好ましい。
【0024】
データ送受信部15は、外部との間で無線やインターネット等の通信ネットワークWを介してデータ信号の授受を行う装置であって、外部のサーバ20や他の端末30などから送信される各種データを含むデータ信号等を受信して制御部10へ入力すると共に、制御部10から出力されたデータ信号を外部のサーバ20や端末30などに向けて送信する。この目的のために、本発明のシステムは、上記の施設データを含む各種データを蓄積し送信するためのサーバ20を有してもよい。サーバ20は、インターネット等の通信ネットワークWを介して施設位置情報表示システム1の端末と接続されている。このサーバ20は、一方的にデータの送信を行うものでもよいし、施設位置情報表示システム1の制御部10からの要求によりデータを送信するものでもよい。
【0025】
次に、上記構成の施設位置情報表示システム1による施設情報表示について詳細に説明する。以下の例では、不動産物件である分譲マンションの購入を検討しているユーザーが、複数の分譲マンションそれぞれの所在地を本発明の基準点として入力し、各基準点の周辺に存在する各種施設の情報を表示させる場合について説明する。
【0026】
図2は、施設位置情報表示システム1で施設情報表示を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。施設位置情報表示システム1で施設情報表示を行うには、まず、ステップS101の基準点設定処理で、制御部10は、基準点の指定をユーザーに促し、基準点を設定する。基準点の指定に関する情報は、ユーザーに入力装置14から入力させることができる。この処理は、制御部10がディスプレイ12上に基準点の入力を促すメッセージを表示するとともに、入力装置14を制御し、ユーザーによる基準点の入力を受け付けることにより実行できる。また、基準点の指定に関する情報は、ユーザーに対しタッチパネル式ディスプレイ12上に地図等を表示し、その特定の位置をクリック等により指定させてもよい。また、施設位置情報表示システム1の端末がGPS受信部13を備えている場合は、当該GPS装置13からのデータ(位置情報)に基づいて制御部10が現在位置(端末の現在位置)を特定し、この現在位置をいずれか一の基準点として選択してもよい。
【0027】
基準点指定の具体例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12には、ユーザーの表示要求に応じて、
図3に示す基準点に関する情報の入力画面が表示される。この入力画面では、基準点の住所、施設名称(建物名)、電話番号など基準点の位置を特定するために必要な情報の入力が求められる。また、ディスプレイ12に地図を表示させて当該地図上の地点をユーザーに指定させることで基準点の入力を行わせることもできる。基準点は、比較する複数の基準点(図では、基準点1と基準点2の2点)の情報をそれぞれ入力する。基準点が上記の分譲マンションの場合には、分譲マンションの所在地(住所)又は分譲マンションの名称などの情報を入力する。
【0028】
基準点が設定されたら、ステップS102に進む。ステップS102では、表示対象施設設定処理を行う。この表示対象施設設定処理では、制御部10は、ディスプレイ12上にメッセージを表示して、表示する施設の選択条件の入力をユーザーに促し、入力装置14を制御して各施設(又はそのグループ)を一つ以上選択する。この処理は、例えば制御部10が入力装置14を制御し、ユーザーによる各地点の設定条件の入力を受け付けることにより実行できる。ユーザーは、任意に各施設を選択してもよいし、施設位置情報表示システム1の記憶部11に格納された施設データベースまたは地図データベースに基づく施設検索処理等を実行させ、その結果に基いて表示対象の各施設を決定してもよい。
【0029】
表示対象施設の選択の具体例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12には、ユーザーの表示要求に応じて、
図4に示す表示施設の選択に関する情報の入力画面が表示される。この入力画面では、予め用意された多数の施設一覧の中から、ユーザーが比較表示を希望する施設の入力が求められる。この入力は、図示したように各施設にチェックボックスを設けて選択の有無を入力するようにしても良いし、他の方法で選択するようにしてもよい。また、選択する施設としては、個々の施設を選択するように設定する他、予めグループ化した施設群の中から一又は複数の施設群を選択するように設定してもよい。
【0030】
すなわち、表示対象施設設定処理においては、
図4に示すように施設を直接選択する以外にも、例えば、ジャンルやキーワードに基づいて、記憶部11に記憶されているデータベース(地図データベース、施設データベース)の中から該当する施設を検索して提示することもできる。検索に利用する施設のジャンルやキーワードは、施設位置情報表示システム1のユーザーが入力装置14を介して入力できる。施設のジャンルとは、施設をその用途等で分類したもので、その例としては、「飲食店」、「娯楽施設」、「公共施設」などが挙げられる。
【0031】
また、詳細な図示は省略するが、ユーザーの性別や年齢層、家族構成などのデータを入力させることで、当該入力されたデータに基いて最適な施設の組み合わせ(グループ)を選択するように構成することも可能である。この場合、ユーザーの性別や年齢層、家族構成などのデータを入力させるための選択肢として、例えば「家族向けの施設」、「単身者(男性)向けの施設」、「単身者(女性)向けの施設」、「高齢者向け施設」などの選択肢を設けることができる。各選択肢には、それぞれの対象者による利用が想定される施設群(グループ)を関連付けておく。
【0032】
表示対象の施設又はそのグループが選択されたら、ステップS103に進む。ステップS103では、表示範囲設定処理を行う。この表示範囲設定処理では、各基準点の周辺にある施設を表示する際に、当該表示を行う範囲(基準点からの最大距離)に関する情報をユーザーに入力させる。
【0033】
この表示範囲設定処理の具体例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12には、ユーザーの表示要求に応じて、
図5に示す表示範囲の選択に関する情報の入力画面が表示される。この入力画面では、予め用意された複数の範囲(基準点からの最大距離)一覧の中から、ユーザーが施設情報表示に用いることを希望する表示範囲(基準点からの最大距離)の入力が求められる。
【0034】
次に、制御部10は、施設情報を表示するために必要なデータを生成する処理を行う。この処理として、まず、ステップS104で施設検索処理を行う。施設検索処理とは、ステップS102でユーザーが指定した表示対象施設に含まれる施設のうち、基準点の周辺にある実際の施設をデータベースから検索してリストアップする処理である。ユーザーが基準点から所定距離(例えば2km)以内の範囲の表示を指定した場合、当該範囲内にある施設を探索してリストアップする。施設検索は、記憶部11に格納されている地図データベースまたは施設情報データベースに基いて行われる。
【0035】
次に、制御部10は、ステップS105で施設距離算出処理を行う。施設距離算出処理とは、ユーザーの指定した各基準点から施設検索処理でリストアップした各施設までの距離を算出する処理である。この施設距離の算出は、通常、記憶部11に記憶されているデータベースに基づいて実行されるが、サーバ20に格納されたデータベースを利用する場合などには、算出に際して必要なデータをその都度ダウンロードしてもよい。すなわち、各施設までの距離は、記憶部11に記憶されている地図データ又は施設情報データやデータ送受信部15から受信するデータ等に基づいて算出される。ここでの距離は、基準点と各施設との間の直線距離とすることができる。ただし、データベースとして必要な情報を保有している場合には、基準点と各施設との間の道のりや実際の移動に要する所要時間、基準点に対する各施設の方位や標高差など、他の情報を算出することも可能である。
【0036】
すなわち、上記の施設検索処理(S104)及び施設距離算出処理(S105)では、ユーザーが指定した表示対象施設に含まれる施設のうち、基準点の周辺にある実際の施設をデータベースから検索してリストアップし、リストアップした各施設までの距離を算出する。この処理は、制御部10が上記の基準点設定処理(S101)で選択された基準点と表示対象施設設定処理(S102)で選択された施設とに基いて記憶部11に格納されたデータベースにアクセスしてその検索結果を出力することで行われる。出力される検索結果の一例を
図6に示す。ここでは、各基準点(基準点1、基準点2)の周辺に存在する施設の施設名とその基準点からの距離のデータとが出力されている。
【0037】
続けて、ステップS106で、制御部10は、各施設の表示位置を決定する。表示位置は、例えば次のような方法で決定する。まず、先のステップS105の施設距離算出処理で算出した距離それぞれを引数とした所定の関数に基づいて、当該距離を表示上(ディスプレイ12上)の長さに変換する演算を行う。そして、基準点から各施設までの表示上の長さが実際の距離に比例する長さとなるように各施設の表示位置の候補を算出する。これにより、各施設の表示位置を決定する。
【0038】
制御部10が表示位置候補を算出したら、ステップS107で施設情報表示処理を行う。この施設情報表示処理は、ステップS106の施設距離算出処理に基いて、施設検索処理(S104)でリストアップした各施設を施設距離算出処理(S105)で算出した距離に応じた位置に表示する処理である。すなわち、制御部10は、ステップS106で算出した表示位置候補に従ってディスプレイ12上に各施設に対応する記号(マーク)を並べて表示する。
【0039】
施設情報表示の一例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12上には、
図7に示す結果出力画面が表示される。
図7に示す例では、各基準点に対応する各施設は、基準点ごとに該基準点から延びる一の直線上に並べて表示される。この際、各施設は、基準点からの実際の距離に対応する位置に並べて配置される。同図に示す例では、A分譲マンションの所在地を基準点1とし、例えばA分譲マンションと販売価格帯がほぼ同等であるB分譲マンションの所在地を基準点2としてそれぞれ指定している。そしてこの場合、A分譲マンションの周辺には、当該A分譲マンションから近い順に、コンビニエンスストア(20m)、レストラン(30m)、小学校(50m)、郵便局(80m)、駅(180m)、図書館(400m)、病院(1.3Km)の各施設が存在する。そしてここでは、上記の各施設の記号(マーク)は、A分譲マンションの所在地である基準点1からの実際の距離に対応する位置に並べて配置されている。同様に、B分譲マンションの周辺には、B分譲マンションから近い順に病院(20m)、レストラン(30m)、コンビニエンスストア(60m)、小学校(200m)、郵便局(400m)、図書館(650m)、駅(1.2Km)の各施設が存在し、それら各施設の記号(マーク)は、B分譲マンションの所在地である基準点Bからの実際の距離に対応する位置に並べて配置されている。
【0040】
なお、
図7に示す例では、各施設の記号(マーク)の傍には、施設の名称と共にその基準点からの距離が数字で表示されているが、これら施設の名称の表示や距離の表示は必須ではない。したがって、各施設の記号(マーク)を基準点からの実際の距離に対応する位置に並べて配置していれば、その名称や基準点からの距離は必ずしも表示しなくてもよい。
【0041】
施設情報表示の他の例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12上には、
図8に示す結果出力画面が表示される。
図8に示す例では、各基準点に対応する各施設は、基準点ごとに該基準点を中心に実際の距離と方位(基準点に対する方角)を反映した位置に並べて表示される。同図に示す例でも、A分譲マンションの所在地を基準点1とし、B分譲マンションの所在地を基準点2としてそれぞれ指定している。そして、A分譲マンションとB分譲マンションの周辺に存在する施設とその距離は、
図7の場合と同様であるが、ここでは、上記の各施設の記号(マーク)は、A分譲マンションとB分譲マンションそれぞれの所在地である基準点1と基準点2からの実際の距離及び方位に対応する位置に配置されている。この
図8に示す表示態様によれば、基準点から各施設までの距離だけでなく、各施設間の距離や位置関係も視覚的に認識することができる。
【0042】
なお、
図8に示す施設情報表示を行う場合には、先の
図6に示す検索結果において、各基準点(基準点1、基準点2)の周辺に存在する施設の施設名及び基準点からの距離のデータに加えて、基準点に対する各施設の方位に関するデータが出力されようにする。
【0043】
施設情報表示のさらに他の例として、施設位置情報表示システム1のディスプレイ12上には、
図9に示す結果出力画面が表示される。
図9に示す例では、各基準点に対応する各施設は、基準点ごとに該基準点からの距離に加えて、基準点に対する相対的な高さ(標高差)を反映した位置に並べて表示される。同図に示す例でも、A分譲マンションの所在地を基準点1とし、B分譲マンションの所在地を基準点2としてそれぞれ指定している。そして、A分譲マンションとB分譲マンションの周辺に存在する施設とその距離は、
図7の場合と同様であるが、ここでは、上記の各施設の記号(マーク)は、A分譲マンションとB分譲マンションそれぞれの所在地である基準点1と基準点2に対する相対的な標高(標高差)を反映した位置に配置されている。この
図9に示す表示態様によれば、基準点から各施設までの距離だけでなく、基準点と各施設との標高差や各施設間の高さ位置の関係も視覚的に認識することができる。
【0044】
なお、
図9に示す施設情報表示を行う場合には、先の
図6に示す検索結果において、各基準点(基準点1、基準点2)の周辺に存在する施設の施設名及び基準点からの距離のデータに加えて、基準点に対する各施設の相対的な標高(標高差)に関するデータが出力されるようにする。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の施設位置情報表示システム1によれば、複数の基準点ごとにその周辺に存在する各施設を各基準点からの実際の距離に対応する位置に配置して表示する。これにより、ユーザーに複数の基準点それぞれから周辺に存在する各施設までの距離を視覚的かつ直感的に認識させて比較させることができる。したがって、当該表示を見たユーザーは、各基準点から同一種類(又はグループ)の各施設までの距離の特性を迅速かつ的確に把握することができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明にかかる施設位置情報表示システムを適用して行う施設位置情報表示の一例として、本発明にかかる基準点を分譲マンションの所在地とした場合を説明したが、これ以外にも、本発明にかかる基準点を商業施設用の物件の所在地などとしても良いし、不動産物件に限らず、宿泊予定のホテルや、訪れる予定の観光名所の所在地を基準点に設定することも可能である。さらにいえば、基準点は、実在する地点を特定するものであれば、建物や施設などがある場所には限らず、単なる任意の地点であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、基準点の周辺にある各施設として、学校、病院、コンビニエンスストア、レストランなどを含む場合について説明したが、本発明にかかる施設位置情報表示システムで表示する施設には、これら以外の施設を含めてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、各施設を基準点からの実際の距離に対応する位置に配置した場合を示したが、本発明にかかる施設位置情報表示システムでは、これ以外にも、各施設を基準点から各施設までの所要時間(実施の移動に要する時間)に対応する位置に配置することも可能である。この場合は、上記の実施形態における施設距離算出処理(ステップS105)に代えて、基準点から各施設までの移動に要する時間を算出する所要時間算出処理を行うようにすればよい。当該所要時間算出処理による所要時間の算出は、記憶部11などに記憶された複数地点間の所要時間に関するデータに基いて行うことができる。