特許第6393472号(P6393472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393472
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20180910BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   F25D11/00 101B
   F25D23/00 301N
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-238729(P2013-238729)
(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公開番号】特開2015-98968(P2015-98968A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508297078
【氏名又は名称】アイ・ティ・イー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春日井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 享
(72)【発明者】
【氏名】矢野 寛
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−318873(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第1773201(CN,A)
【文献】 登録実用新案第3021730(JP,U)
【文献】 特開平10−243576(JP,A)
【文献】 特開2002−098455(JP,A)
【文献】 特開2002−139274(JP,A)
【文献】 特開平09−053874(JP,A)
【文献】 特開2000−230771(JP,A)
【文献】 特開2003−341415(JP,A)
【文献】 特開2012−242074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から電力が供給される冷却貯蔵庫であって、
前記外部電源から電力の供給を受けて冷気を発生する冷却装置と、
水平方向に対して傾斜した方向に延びるダクトパネルにより前記冷却装置との間が仕切られた内部に蓄冷剤が収納され前記冷却装置からの冷気が導入される蓄冷剤室と、
前記蓄冷剤室とは異なる位置に設けられ貯蔵物が貯蔵される貯蔵室と、
前記蓄冷剤室の冷気を前記貯蔵室に送出する送出手段と、が具備され、
前記蓄冷剤室と前記貯蔵室との間は、断熱壁で仕切られており、前記断熱壁における前記ダクトパネルが低い側に前記送出手段が固定されており、
前記冷却装置が前記蓄冷剤室に収納された蓄冷剤を冷却状態とし、かつ前記蓄冷剤室の冷気を前記貯蔵室に送出して前記貯蔵物を冷却するようにしたものにおいて、
前記外部電源に代わって前記送出手段を動作させる電力を供給可能な電池と、
前記外部電源からの電力の供給が停止した停電状態にあるときに、前記電池の電力で前記送出手段を動作させ、前記冷却装置は動作させない停電運転を行わせる選択駆動手段と、を備え、
前記選択駆動手段は、コイル及び接点部を有するノーマリクローズの電源リレーを備え、前記外部電源からの電力の供給が停止しているときには前記接点部が通電して前記電池の電力により前記送出手段が動作し、前記外部電源から電力の供給を受けているときには、前記接点部が開放されて前記電池から前記送出手段への電力供給が遮断される、冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記電池は乾電池である請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記停電運転に関する情報を報知する報知手段を備える請求項1又は請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
ユーザの操作により前記電池による電力の供給を遮断する遮断手段を備えている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記遮断手段は、遮断状態の有無を視認可能とされている請求項4に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室を開閉する開閉扉と、
前記貯蔵室に設けられる庫内灯と、
前記開閉扉の開放を検知する開放検知手段と、を備え、
前記停電状態でないときに前記開放検知手段が前記開閉扉の開放を検知したときには前記庫内灯を点灯させ、前記停電状態のときに前記開放検知手段が前記開閉扉の開放を検知したときには前記庫内灯を点灯させない点灯制御手段とを備える請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄冷剤が収容される蓄冷剤室と冷却対象となる貯蔵物が収容される貯蔵室とを備えた冷却貯蔵庫が知られている。この種のものは、冷凍ユニットの動作と停止とを短い間隔で繰り返し行い、冷凍ユニットの冷気を蓄冷剤室及び貯蔵室に送出するようになっている。
【0003】
特許文献1の蓄冷型保冷庫は、蓄冷剤を冷却する冷却運転時には、蓄冷剤の温度が設定温度以上になるとコンプレッサを動作させて蓄冷剤を冷却し、蓄冷剤の温度が設定温度以下になるとコンプレッサを停止させ、蓄冷剤による冷気で保冷室を冷却するとともに、充電式蓄電池を充電している。一方、輸送時に蓄冷剤の冷気で保冷室を冷却する保冷運転を行う際には、電源コードを電源から抜き取ることで、充電式蓄電池の電力により通気ファンを回転させて蓄冷剤の冷気を保冷室に送って保冷室の内部を冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−318873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の構成では、輸送時に電源コードを電源から抜き取る作業を行って充電式蓄電池により保冷運転を行っているため、運転の切り替えのためにユーザが電源コードを抜き取る作業が必要になる。また、冷却運転中に停電により外部からの電力の供給が遮断される場合も起こりうるが、輸送時とは異なり、停電により電力の供給が遮断された際に、特許文献1の構成では、輸送時と同様の保冷運転が行われるとは限らない。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、停電状態にあるときに蓄冷剤による貯蔵物の冷却を容易に行うことが可能な冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、外部電源から電力が供給される冷却貯蔵庫であって、前記外部電源から電力の供給を受けて冷気を発生する冷却装置と、蓄冷剤が収納され前記冷却装置からの冷気が導入される蓄冷剤室と、前記蓄冷剤室とは異なる位置に設けられ貯蔵物が貯蔵される貯蔵室と、前記蓄冷剤室の冷気を前記貯蔵室に送出する送出手段と、が具備され、前記冷却装置が前記蓄冷剤室に収納された蓄冷剤を冷却状態とし、かつ前記蓄冷剤室の冷気を前記貯蔵室に送出して前記貯蔵物を冷却するようにしたものにおいて、前記外部電源に代わって前記送出手段を動作させる電力を供給可能な電池と、前記外部電源からの電力の供給が停止した停電状態にあるときに、前記電池の電力で前記送出手段を動作させ、前記冷却装置は動作させない停電運転を行わせる選択駆動手段と、を備える。
本構成によれば、外部電源からの電力の供給が停止した停電状態にあるときは、ユーザが作業を行わなくても選択駆動手段により電池の電力で送出手段を動作させ、冷却装置を動作させない停電運転を行うことができるから、停電状態にあるときに蓄冷剤による貯蔵物の冷却を容易に行うことが可能となる。
【0008】
上記構成の実施態様としては以下の構成を備えることが好ましい。
・前記選択駆動手段は、前記外部電源から電力の供給を受けているときには、前記電池からの電力供給を遮断する。
・前記電池は乾電池である。
・前記停電運転に関する情報を報知する報知手段を備える。
・ユーザの操作により前記電池による電力の供給を遮断する遮断手段を備えている。
・前記遮断手段は、遮断状態の有無を視認可能とされている。
・前記貯蔵室を開閉する開閉扉と、前記貯蔵室に設けられる庫内灯と、前記開閉扉の開放を検知する開放検知手段と、を備え、前記停電状態でないときに前記開放検知手段が前記開閉扉の開放を検知したときには前記庫内灯を点灯させ、前記停電状態のときに前記開放検知手段が前記開閉扉の開放を検知したときには前記庫内灯を点灯させない点灯制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、停電状態にあるときに蓄冷剤による貯蔵物の冷却を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1の冷却貯蔵庫を示す正面図
図2図1のA−A断面図
図3図1のB−B断面図
図4】操作部を示す正面図
図5】冷却貯蔵庫の電気的構成を示すラダー回路図
図6】制御部の入力側と出力側の電気的接続を示す図
図7】冷却貯蔵庫の動作を示すフローチャート
図8】冷却貯蔵庫の構成要素の動作を示すタイミングチャート
図9】実施形態2の冷却貯蔵庫の構成要素の動作を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
以下、実施形態1を図1ないし図8を参照しつつ説明する。以下では、図2の左方を前方、右方を後方として説明する。
冷却貯蔵庫10は、縦長の箱形をなし、図2に示すように、冷却装置等からなる機械室11と、蓄冷剤30が収容される蓄冷剤室24と、冷却される貯蔵物が収容される貯蔵室33とを備える。
機械室11は、冷却貯蔵庫10の上部に設けられており、冷凍ユニット12と、冷却器16と、コントロールボックス38と、電装箱46とを備えている。冷凍ユニット12は、圧縮機13と凝縮器14と凝縮器ファン15とを有する。圧縮機13と凝縮器14と冷却器16とは、冷媒配管により循環接続され、周知の冷凍サイクルを構成している。圧縮機13と凝縮器14と凝縮器ファン15と冷却器16とは、冷気を発生する冷却装置とされる。機械室11の下部には、冷却ダクト17が設けられている。
【0012】
冷却ダクト17は、ダクトパネル18と、冷却器16と、蓄冷剤室冷却ファン21とを有する。ダクトパネル18は、ABS等の樹脂からなり、蓄冷剤室24と機械室11の間を仕切っており、水平方向に対して傾斜した方向に延びて固定されている。ダクトパネル18は、蓄冷剤室24内の空気を通す吸込口19と、冷気を蓄冷剤室24に吐き出す吐出口20とを有する。蓄冷剤室冷却ファン21は、ダクトパネル18における吸込口19の周囲に固定されており、蓄冷剤室冷却ファン21によって吸込口19から吸引された空気が冷却器16で冷却され、吐出口20から蓄冷剤室24に吐出される。
【0013】
基本的な冷却運転は、冷却装置が駆動されることで行われ、空気が冷却器16を通過する間に熱交換により冷気が生成され、この冷気が蓄冷剤室冷却ファン21から蓄冷剤室24に吹き出されて循環流が生じ、蓄冷剤30を冷却(凍結)させるとともに、蓄冷剤室24の冷気が貯蔵室冷却ファン28により、下方の貯蔵室33に与えられる。本実施形態では、蓄冷剤30を凍結するために、例えば蓄冷剤室24内が−12℃程度まで冷却される。このように、蓄冷剤室24内温度を低温域まで下げるためには、冷却器16は相応の低温状態に維持される必要があり、着霜が生じやすいと言える。そのため適宜に霜取運転が行われ、冷却器16の下面に、シーズヒータからなる除霜ヒータ22が装着されている。
【0014】
蓄冷剤室24は、機械室11の下方に設けられてその内部に蓄冷剤30が収容されるものであり、蓄冷剤室24と貯蔵室33の間は、ウレタン等からなる断熱壁25で仕切られている。断熱壁25は、吸込口26と吹出口27を有するとともに、吹出口27側に貯蔵室冷却ファン28(「送出手段」の一例)が固定されている。蓄冷剤30は、低温状態とされて冷気を発生するものであり、蓄冷剤室24内において蓄冷剤用棚網31に載置され、上下左右に間隔を空けて複数収容されている。蓄冷剤30は、ポリエチレン等の合成樹脂製のハードケース内にゲル化剤が充填された公知のものであって、全体としては平面長方形の厚板形状をなしている。蓄冷剤室24内の冷気は、貯蔵室冷却ファン28が回転することで、吹出口27から貯蔵室33内の背面ダクト29を通って貯蔵室33内に吐き出され、吹出口27とは前後方向の反対側に設けられた吸込口26から蓄冷剤室24に戻される。
【0015】
貯蔵室33は、図示しない貯蔵物が貯蔵されるものであり、蓄冷剤室24の下方に設けられた前面開口の縦長の断熱箱体からなり、前面開口部には上下2個の断熱扉34(「開閉扉」の一例)が幅方向の一端側を軸として回動可能に支持されている。断熱扉34は、前面開口を閉鎖する閉鎖位置から前面開口を開放する開放位置に回動移動可能とされている。貯蔵室33の内部には、長方形の隅の位置に4本の棚柱35が取り付けられている。棚柱35には、複数の棚網37が上下方向に一定間隔を開けて棚受金に支持されており、各棚網37の上方に、貯蔵物を収納する収納スペースを形成している。前面開口部の周縁には、結露防止ヒータ(図示しない)が埋設されている。貯蔵室33には、例えば、薬品を貯蔵することができ、例えば、+5℃に維持される。
【0016】
機械室11の前面を構成するフロントパネル11Aは、上端部を軸として回動可能となっており、このフロントパネル11Aを開放すると、図4に示すように、ユーザが操作可能な操作部41が表れる。操作部41は、コントロールボックス38及び電装箱46の前面に設けられており、コントロールボックス38には、操作用基板及び制御回路39が収容されている。電装箱46には、回路基板に実装されたリレーやブザー53(図6参照)等が収容されている。
操作部41は、コントロールボックス38の前面に設けられたコントロールパネル40と、電装箱46の前面におけるコントロールボックス38よりも上方に設けられ、前方から操作可能とされた電源スイッチ48(漏電遮断器)及び運転スイッチ49(「遮断手段」の一例)とを有する。コントロールパネル40は、設定部41Aと、表示部46A,46B(「報知手段」の一例)とを備える。設定部41Aは、前面枠ヒータボタン42と、リセットボタン43と、手動霜取ボタン44とを有する。
【0017】
前面枠ヒータボタン42は、前面枠ヒータの強弱に応じて点灯と消灯を切り替える。リセットボタン43は、エラー表示の解除や、ブザー音の解除を行う。手動霜取ボタン44は、ユーザが任意のタイミングで霜取りを行う際に用いる。コントロールパネル40の底面には、蓄冷剤冷却スイッチ45が設けられている。 蓄冷剤冷却スイッチ45は、下方に突出した側を押圧することにより、ユーザが任意のタイミングで、冷却装置により蓄冷剤30及び貯蔵物を冷却する冷却運転と、冷却装置を停止させて蓄冷剤30による貯蔵物の冷却を行う停電運転とを切り替えられる。この蓄冷剤冷却スイッチ45によれば、後述する停電運転を停電時以外にも行うことができる。
表示部46Aは、停電運転表示(又は停電状態であることの表示)、霜取表示等が行われ、表示部46Bは、貯蔵室温度表示が行われる。なお、表示部46A,46Bは、フロントパネル11Aを貫通する開口部11B(図1参照)の位置に配されてフロントパネル11Aを閉じた状態でも外部から視認可能とされている。
【0018】
冷却運転時には、制御部39Aは、冷凍ユニット12(圧縮機13及び凝縮器ファン15)及び貯蔵室冷却ファン28をオンオフを繰り返すように制御して駆動させる。また、表示部46Bには貯蔵室温度表示がされる。一方、停電運転時には、制御部39Aは、冷凍ユニット12(圧縮機13及び凝縮器ファン15)は駆動せず、貯蔵室冷却ファン28をオンさせる。この停電運転では、表示部46Bに貯蔵室温度表示がされ、表示部46Aに停電運転が行われていることを示す停電運転表示がされる。
運転スイッチ49は、冷却貯蔵庫10内に設けられた電池63からの電力供給を遮断可能になっており、外部電源Eの遮断時に運転スイッチ49をオフすると、電池63からの電力の供給が遮断され、貯蔵室冷却ファン28や表示部46A,46Bの表示が停止される。なお、運転スイッチ49がオフの状態では、外部電源Eの供給可能時でも、貯蔵室冷却ファン28の動作や表示部46A,46Bの表示等を停止する。運転スイッチ49は、オンオフのいずれの状態(例えば、運転スイッチ49のオンとオフの位置の相違等)が視認できるようになっている。
【0019】
次に、冷却貯蔵庫10の電気的構成について説明する。
図5に示すように、冷却貯蔵庫10は、外部電源E(商用電源)に、電源スイッチ48(漏電遮断器)を介して電源リレー47のコイル47A、制御回路39、圧縮機13、及び、除霜ヒータ22が並列に接続されている。圧縮機13には、凝縮器ファン15が並列に接続されている。制御回路39は、貯蔵室冷却ファン28に接続されている。また、貯蔵室冷却ファン28、圧縮機13(及び凝縮器ファン15)、除霜ヒータ22には、それぞれを通断電するためのリレー60,61,62の接点部60B,61B,62Bが直列に接続されている。接点部60B,61B,62Bは、共に制御回路39に接続されたリレー60,61,62のコイル60A,61A,62Aの制御回路39からの通断電によりオンオフされる。
【0020】
なお、外部電源Eから圧縮機13,制御回路39,及び除霜ヒータ22には、単相交流の100[V]が供給され、制御回路39では更に図示しない整流回路で直流に変換された電流が供給されて貯蔵室冷却ファン28を駆動している。制御回路39(制御基板)は、回路基板と、この回路基板に実装された複数の電子部品とから構成されている。
【0021】
ここで、制御回路39及び貯蔵室冷却ファン28には、停電時に電力を供給するための停電用回路64が接続されている。停電用回路64は、電源リレー47の接点部47Bと運転スイッチ49と電池63とが導電路によって直列に接続されており、電池63の電力は制御回路39に供給されて表示部46A,46B等を動作可能とするとともに貯蔵室冷却ファン28を駆動可能となっている。
運転スイッチ49はオンされることで通電可能となり、オフされることで通電が遮断される。制御回路39は、電池63の電力を受けて機械室11内に配されたブザー53やコントロールパネル40の表示部46A,46Bを動作させている。運転スイッチ49のオンオフの信号は制御回路39に与えられており、運転スイッチ49がオフされていれば外部電源Eから電力を供給可能な状態であっても表示部46A,46Bや庫内灯51やブザー53や等はオフされる。一方、停電時には、運転スイッチ49がオフされていると、電池63の電力が供給されない。電池63は、乾電池が用いられており、複数直列に接続されている。
電源リレー47は、ノーマリクローズが用いられており、コイル47Aに通電していないときには接点部47Bが閉じ、コイル47Aに通電しているときには接点部47Bが開放される。これにより、外部電源Eからの電力の供給が停止しているときには、電源リレー47の接点部47Bが通電し、電池63の電力が制御回路39や貯蔵室冷却ファン28に与えられ、貯蔵室冷却ファン28や表示部46A,46Bを動作させ、冷却装置は動作させない。したがって、電源リレー47が「選択駆動手段」の一例となる。
なお、電源リレー47の接点部47Bは、電池63に直列な導電路の複数個所に設けられている。また、制御回路39と貯蔵室冷却ファン28との間の導電路には、制御回路39から貯蔵室冷却ファン28に向かう方向を順方向とするダイオードD1,D2が配されている。
【0022】
制御回路39は、所定のプログラムを実行するマイクロコンピュータ等からなる制御部39Aを有する。制御部39Aには、図6に示すように、入力側に設定部41A,運転スイッチ49,扉開閉センサ56,貯蔵室庫内サーミスタ50等が接続されている。出力側には、圧縮機13,凝縮器ファン15,貯蔵室冷却ファン28,除霜ヒータ22,表示部46A,46B,庫内灯51,ドレン蒸発装置52,ブザー53等が接続されている。
【0023】
制御部39Aは、冷却装置制御部54と、霜取制御部55と、記憶部57とを有する。冷却装置制御部54は、冷却装置の運転を制御する。冷却運転では、冷却装置制御部54によって、圧縮機13と凝縮器ファン15と貯蔵室冷却ファン28が制御され、設定温度近傍に貯蔵室33内の温度が維持される。霜取制御部55は、除霜ヒータ22のオンオフを制御している。
【0024】
次に、冷却貯蔵庫10の動作について説明する。
図7,8に示すように、電源スイッチ48がオンされた状態で(S1で「Y」)、停電でなく外部電源Eから電力供給され(S2で「N」)、かつ、運転スイッチ49がオンされていれば(S3で「Y」)、冷却運転が行われる(S4)
冷却運転では、制御部39Aが、冷凍ユニット12(圧縮機13及び凝縮器ファン15)を駆動させるとともに、貯蔵室冷却ファン28をオンオフを制御する。また、表示部46Bには貯蔵室温度表示がされる。このとき、電源リレー47のコイル47Aが通電し、電源リレー47の接点部47Bは開放されているため、電池63から電力は供給されず、外部電源Eの電力のみで駆動する。
【0025】
S3で運転スイッチ49がオフされていると、冷却運転が行われない(S7)具体的には、制御部39Aにより、冷凍ユニット12(圧縮機13及び凝縮器ファン15)及び貯蔵室冷却ファン28は駆動されず、表示部46A、46Bの表示はされず、ブザー音も発生しない。
S2で停電により外部電源Eからの電力供給が遮断されており(S2で「Y」)、かつ、運転スイッチ49がオンされていれば(S5で「Y」)、停電運転が行われる(S6)。
【0026】
停電運転では、電池63の電力で、貯蔵室冷却ファン28が駆動し、表示部46Aに停電運転表示がされ、表示部46Bに貯蔵室温度表示がされ、機械室11のブザー53(「報知手段」の一例)のブザー音の発生の動作が所定時間行われる。このとき、電源リレー47のコイル47Aの通電が遮断され、電源リレー47の接点部47Bは閉じているため、電池63から電力が供給され、電池63の電力で駆動する。
一方、運転スイッチ49がオフされていると、停電運転が行われない(S7)具体的には、停電用回路64の通電が運転スイッチ49で遮断されるため、冷凍ユニット12(圧縮機13及び凝縮器ファン15)が駆動しないだけでなく、貯蔵室冷却ファン28も駆動されず、表示部46A、46Bの表示はされず、ブザー音も発生しない。
【0027】
本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏する。
冷却貯蔵庫10は、外部電源Eから電力の供給を受けて冷気を発生する冷却装置と、蓄冷剤30が収納され冷却装置からの冷気が導入される蓄冷剤室24と、蓄冷剤室24とは異なる位置に設けられ貯蔵物が貯蔵される貯蔵室33と、蓄冷剤室24の冷気を貯蔵室33に送出する貯蔵室冷却ファン28(送出手段)と、が具備され、冷却装置が蓄冷剤室24に収納された蓄冷剤30を冷却状態とし、かつ蓄冷剤室24の冷気を貯蔵室33に送出して貯蔵物を冷却するようにしたものにおいて、外部電源Eに代わって貯蔵室冷却ファン28を動作させる電力を供給可能な電池63と、外部電源Eからの電力の供給が停止した停電状態にあるときに、電池63の電力で貯蔵室冷却ファン28を動作させ、冷却装置は動作させない停電運転を行わせる電源リレー47(選択駆動手段)とを備える。
本実施形態によれば、外部電源Eからの電力の供給が停止した停電状態にあるときは、ユーザが作業を行わなくても電源リレー47により電池63の電力で貯蔵室冷却ファン28(送出手段)を動作させ、冷却装置を動作させない停電運転を行うことができるから、停電状態にあるときに蓄冷剤30による貯蔵物の冷却を容易に行うことが可能となる。また、停電状態では電池63の電力は冷却装置には供給されないため、停電状態で電池63の電力が不足することを抑制できる。
【0028】
また、電源リレー47(選択駆動手段)は、外部電源Eから電力の供給を受けているときには、電池63からの電力供給(電力供給経路)を遮断する。
このようにすれば、外部電源Eから電力の供給を受けているときも電池63が通電される場合と比較して電池63の劣化等を防止できる。また、停電時以外に電池63の電力が使用されて停電時における電力の不足を回避できる。
【0029】
さらに、電池63は乾電池であるため、交換が容易となる。
また、停電運転に関する情報を報知する表示部46A、46B、ブザー53(報知手段)を備える。停電運転に関する情報としては、停電運転中に表示部46Aによる停電運転表示を行うこと及び停電開始から所定時間ブザー53による音によって、ユーザが停電運転に関する情報を認識することができる。これにより、冷却運転か停電運転かをユーザに知らせることができる。また、停電時でも貯蔵室33の庫内温度を表示することで貯蔵室33の温度管理が可能になる。停電運転の終了時は、表示部46Aによる停電運転表示が消えることで、停電(運転)が終了して、蓄冷剤30が解凍したことをユーザに知らせることができる。
また、ユーザの操作により電池63による電力の供給を遮断する運転スイッチ49(遮断手段)を備えている。このようにすれば、外部電源Eの供給が遮断された場合以外の例えば冷却貯蔵庫10の輸送時や保管時等に電力の供給を遮断すれば、電池63の消耗を抑制することができる。
【0030】
さらに、運転スイッチ49(遮断手段)は、遮断状態の有無を視認可能とされているため、ユーザが運転可能か否かを認識することができる。
冷却運転時には、冷却器16に霜が付着して貯蔵室33内の除湿ができたが、停電運転時における冷凍ユニット12のオフ時には、冷却装置の温度の高い冷媒が冷却器16に流れ込んで冷却器16が貯蔵室33の温度よりも上昇するため、特に周囲温度が低く冷凍ユニット12のオフ時間が長い場合に貯蔵物が結露したり、貯蔵室33内が結露するという問題があった。本実施形態によれば、停電運転では、貯蔵室冷却ファン28(送出手段)のみを駆動して貯蔵室33内の冷気を循環させることで、外部電源Eから電力の供給を受ける場合と同様に貯蔵室33内を長時間所定温度に維持することができて、蓄冷剤30の温度が貯蔵室33内の温度よりも低くなるため、蓄冷剤30の表面に結露が発生することで、貯蔵室33内の湿度を低減することができる。
【0031】
<実施形態2>
次に、実施形態2を図9を参照しつつ説明する。実施形態2は、停電運転の終了を報知するとともに、停電運転時には断熱扉34を開放しても庫内灯51を点灯させない構成である。他の構成は、実施形態1と同様であり、実施形態1と同一の構成は、説明を省略する。
実施形態2では、図9に示すように、所定時間(最大停電対応時間)が経過するとき、停電運転の終了前にブザー53を所定時間鳴らせて停電運転の終了を報知する。また、停電運転の終了により、表示部46A、46Bの停電表示及び貯蔵室温度表示を消灯する。なお、貯蔵室33内の温度上昇を避けるため、停電復帰するまでは、貯蔵室冷却ファン28は駆動する。
また、貯蔵室33を開閉する断熱扉34(開閉扉)と、貯蔵室33に設けられる庫内灯51と、断熱扉34の開放を検知する扉開閉センサ56(リードスイッチ。「開放検知手段」)と、を備えており、停電状態でないときは、扉開閉センサ56が上下の断熱扉34の一方、又は、双方の開放を検知すると、制御部39Aは、庫内灯51を点灯させる。
一方、停電状態のときに扉開閉センサ56が上下の断熱扉34の一方、又は、双方の開放を検知すると、制御部39A(「点灯制御手段」の一例)は、庫内灯51を点灯させない。
このようにすれば、停電時に庫内灯51を点灯させないことができるため、停電時における電池63の消耗を抑制することができ、乾電池の交換頻度を減らすことができる。また、庫内灯51による発熱をなくすことにより、貯蔵室33内の温度上昇を抑制することができる。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)貯蔵室冷却ファン(送出手段)を駆動させる電池は、上記実施形態の電池63に限らず、種々の公知の電池を用いることができる。例えば、規格化された一次電池としての種々の乾電池に限られず、二次電池としての乾電池を予め充電して用いてもよい。
(2)上記実施形態では、外部電源Eから電力が供給されているとき(停電状態でないとき)に運転スイッチ49がオフされると、制御部39Aが貯蔵室冷却ファン28や表示部46A,46B等をオフする構成としたが、これに限られず、例えば、運転スイッチ49がオフされると外部電源Eから表示部46A,46B等に至る電力供給経路の導電路が遮断される構成とし、制御部39Aによらずに貯蔵室冷却ファン28や表示部46A,46B等に電力が供給されない回路構成として運転スイッチ49のオフ時に貯蔵室冷却ファン28や表示部46A,46B等をオフするようにしてもよい。
(3)実施形態2では、停電時には庫内灯51を点灯させないようにしたが、停電時に庫内灯51を点灯させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10:冷却貯蔵庫,12:冷凍ユニット,13:圧縮機,14:凝縮器,15:凝縮器ファン,16:冷却器,21:蓄冷剤室冷却ファン,22:除霜ヒータ,24:蓄冷剤室,28:貯蔵室冷却ファン(送出手段),30:蓄冷剤,33:貯蔵室,34:断熱扉(開閉扉),39:制御回路,39A:制御部(点灯制御手段),40:コントロールパネル,41:操作部,46A,46B:表示部(報知手段),47:電源リレー(選択駆動手段),48:電源スイッチ,49:運転スイッチ(遮断手段),50:貯蔵室庫内サーミスタ,51:庫内灯,53:ブザー(報知手段),56:扉開閉センサ(開放検知手段),63:電池,E:電源
図1
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図9