特許第6393473号(P6393473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393473
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】気体処理装置および排ガス処理方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/56 20060101AFI20180910BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20180910BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20180910BHJP
   B05B 7/04 20060101ALI20180910BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   B01D53/56 220
   B01D53/50 200
   B01D53/18 150
   B05B7/04
   B05B7/08
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-238845(P2013-238845)
(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公開番号】特開2015-97987(P2015-97987A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000178826
【氏名又は名称】日本山村硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(72)【発明者】
【氏名】黒木 智之
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雅章
(72)【発明者】
【氏名】藤島 英勝
(72)【発明者】
【氏名】山本 柱
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 豊彦
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直行
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−185217(JP,A)
【文献】 特開2010−073849(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/153838(WO,A1)
【文献】 特開2010−264386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00−53/96
B05B 7/04
B05B 7/08
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理ガスが流れる被処理ガス流路と、噴霧器とを備え、
前記噴霧器は、第1液体の液滴が第1気体と共に前記噴霧器の外部へ噴出する第1開口を有する噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルの周囲に設けられかつ第2気体が前記噴霧器の外部へ噴出する第2開口とを備え、
前記噴霧ノズルは、第1気体により第1液体の液滴を微細化して噴霧する内部混合型二流体ノズルであり、
前記噴霧器は、前記被処理ガス中に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように、少なくともその一部が前記被処理ガス流路中に配置されたことを特徴とする気体処理装置。
【請求項2】
前記噴霧器は、前記被処理ガスが流れる方向と実質的に同じ方向に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように配置された請求項1に記載の気体処理装置。
【請求項3】
第2開口は、前記噴霧ノズルの先端から第2開口までの距離が前記噴霧ノズルの先端から第1開口までの距離よりも長くなるように設けられた請求項1又は2に記載の気体処理装置。
【請求項4】
前記噴霧器は、前記噴霧ノズルに第1液体を供給する第1液体流路と、前記噴霧ノズルに第1気体を供給する第1気体流路と、第2開口に第2気体を供給する第2気体流路と、保護管とをさらに備え、
前記保護管は、前記保護管と、第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路との間に空間が設けられるように第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路を覆う請求項1〜3のいずれか1つに記載の気体処理装置。
【請求項5】
前記噴霧器は、前記空間に外気が流入する第3開口をさらに備える請求項4に記載の気体処理装置。
【請求項6】
前記被処理ガスは、第1液体の液滴、第1気体又は第2気体により処理する前において、NOxを含む150℃以上の排ガスであり、
第1液体は、水又は水溶液であり、
第1気体は、空気又はオゾン含有気体であり、
第2気体は、オゾン含有気体である請求項1〜5のいずれか1つに記載の気体処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の気体処理装置により、前記被処理ガス中に第1液体、第1気体および第2気体を供給しオゾンガスを含む排ガス中に水又は水溶液の液滴が浮遊する第1ミストを発生させる工程を含む排ガス処理方法。
【請求項8】
第1液体は、還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液である請求項7に記載の排ガス処理方法。
【請求項9】
第1ミストに含まれる液滴が気化した後の排ガス中に第2液体を噴霧し、排ガス中に第2液体の液滴が浮遊する第2ミストを発生させる工程をさらに含み、
第2液体は、還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液である請求項7に記載の排ガス処理方法。
【請求項10】
充填材中において、第1ミストを通過した後の排ガスと第3液体とを気液接触させる工程をさらに備え、
第3液体は、還元剤水溶液である請求項7に記載の排ガス処理方法。
【請求項11】
排ガスは、ガラスの溶解炉から発生する排ガスである請求項7〜10のいずれか1つに記載の排ガス処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体処理装置および排ガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスびんなどのガラス製品は、珪砂、ソーダ灰、石灰などの原料と空き瓶などを砕いて作られるカレットを溶解炉においてバーナーなどで溶かし(約1500℃)、溶かしたガラスを成形することにより製造される。ガラスを溶かす溶解炉からは、バーナーからの燃焼排ガスと溶解したガラスから発生する成分とを含む燃焼排ガスが排出される。溶解炉から排出される燃焼排ガスには、大気汚染物質であるNOxやSOxが含まれており、燃焼排ガスを大気中に放出する前にこれらの汚染物質を燃焼排ガス中から除去する必要がある。また、この燃焼排ガスにはガラス原料由来のSOx、粘着成分などの触媒被毒成分が含まれているため、従来のNOx処理技術である「選択触媒還元法」を使用することが困難である。
【0003】
また、燃焼排ガス中のNOxを除去する方法としては、NOガスをオゾンガスと反応させNO2ガスに変換した後に、還元剤によりNO2を窒素ガスに還元する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、オゾンガスは、150℃を超えると熱分解速度が速くなる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−266868号公報
【特許文献2】特開昭55−1849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のオゾンガスを利用してNOxを除去する方法では、高温で多量の燃焼排ガスを処理する場合、オゾンガス処理するために燃焼排ガスを多量の水により冷却し150℃以下の温度にする必要がある。燃焼排ガスを多量の水により冷却すると、水を循環させる設備や廃水を処理する設備が必要となり処理設備が複雑化し大型化するという問題がある。従って、150℃以上の燃焼排ガスを熱分解しやすいオゾンガスで処理することができる技術が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高温の被処理ガスを熱分解しやすい気体により処理することができる気体処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被処理ガスが流れる被処理ガス流路と、噴霧器とを備え、前記噴霧器は、第1液体の液滴が第1気体と共に噴出する第1開口を有する噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルの周囲に設けられかつ第2気体が噴出する第2開口とを備え、前記噴霧器は、前記被処理ガス中に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように、少なくともその一部が前記被処理ガス流路中に配置されたことを特徴とする気体処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被処理ガスが流れる被処理ガス流路と、噴霧器とを備え、噴霧器は、第1液体の液滴が第1気体と共に噴出する第1開口を有する噴霧ノズルを備え、かつ、被処理ガス中に第1液体の液滴および第1気体が噴出するように少なくともその一部が被処理ガス流路中に配置されるため、第1液体の微細な液滴が被処理ガス中に浮遊するミストを発生させることができる。このミスト中では気液界面が広いため、被処理ガスを第1液体と効率よく気液接触させることができ、被処理ガスを第1液体に含まれる溶媒および溶質により処理することができる。また、ミスト中において、第1液体の気化熱により被処理ガスの温度を低下させることができる。また、第1気体により被処理ガスを処理することも可能である。さらに、第1液体の液滴を噴霧拡散用気体として機能する第1気体と共に噴出させるため、第1液体のスプレー角度を広くすることができ、ミストが生成される領域を広くすることができる。また、発生させたミストに含まれる第1液体の液滴を微細化することができる。
【0008】
本発明によれば、噴霧器は噴霧ノズルの周囲に設けられかつ第2気体が噴出される第2開口を備え、この噴霧器は、被処理ガス中に第2気体が噴出するように、少なくともその一部が被処理ガス流路中に配置されるため、第2開口から被処理ガス中に噴出させた第2気体は、すぐに第1液体の液滴が浮遊するミスト中に効率よく流入することができる。このため、ミスト中において被処理ガスを第2気体により処理することができる。ミスト中では、第1液体の気化熱により被処理ガスの温度が低下するため、第2気体の熱分解を抑制することができる。従って、高温の被処理ガスを熱分解しやすい第2気体により処理することが可能になる。また、第1液体と第2気体とを異なる開口から噴出させることにより、第1液体の溶媒又は溶質と第2気体とが処理前において反応することを抑制することができる。また、第1開口と第2開口とを同じ噴霧器に設けることにより、気体処理装置を簡素化することができ、気体処理装置の製造コストおよび操業コストを低減することができる。
本発明によれば、噴霧器は、被処理ガス中に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように、少なくともその一部が被処理ガス流路中に配置されるため、被処理ガスを連続的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の気体処理装置の概略断面図である。
図2図1の破線で囲んだ範囲Aにおける噴霧器の概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態の気体処理装置の概略構成図である。
図4】本発明の一実施形態の気体処理装置の概略構成図である。
図5】本発明の一実施形態の気体処理装置の概略構成図である。
図6】本発明の一実施形態の気体処理装置において発生させたミスト中の化学反応の説明図である。
図7】本発明の一実施形態の気体処理装置において発生させたミスト中の化学反応の説明図である。
図8】本発明の一実施形態の気体処理装置において発生させたミスト中の化学反応の説明図である。
図9】本発明の一実施形態の気体処理装置において発生させたミスト中の化学反応の説明図である。
図10】本発明の一実施形態の気体処理装置において発生させたミスト中の化学反応の説明図である。
図11】NOx除去実験で測定した燃焼排ガスの温度を示すグラフである。
図12】NOx除去実験で測定した燃焼排ガス中のNO濃度を示すグラフである。
図13】NOx除去実験で測定した燃焼排ガス中のNOx濃度を示すグラフである。
図14】NOx除去実験におけるNO除去率およびNOx除去率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の気体処理装置は、被処理ガスが流れる被処理ガス流路と、噴霧器とを備え、前記噴霧器は、第1液体の液滴が第1気体と共に噴出する第1開口を有する噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルの周囲に設けられかつ第2気体が噴出する第2開口とを備え、前記噴霧器は、前記被処理ガス中に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように、少なくともその一部が前記被処理ガス流路中に配置されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の気体処理装置において、前記噴霧器は、前記被処理ガスが流れる方向と実質的に同じ方向に第1液体の液滴、第1気体および第2気体が噴出するように配置されたことが好ましい。
このような構成によれば、噴霧器の噴霧方向と被処理ガスの流れる方向を一致させることができ、ミストが形成される領域を広くすることができる。このため、被処理ガスを第1液体と効率よく気液接触させることができる。また、噴霧ノズルの周囲に設けられた第2開口から噴出された第2気体は、被処理ガスの流れに乗って第1液体の液滴が浮遊するミスト中に効率よく流入することができる。このため、ミスト中において被処理ガスを第2気体により効率よく処理することができる。
本発明の気体処理装置において、第2開口は、前記噴霧ノズルの先端から第2開口までの距離が前記噴霧ノズルの先端から第1開口までの距離よりも長くなるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、噴霧ノズルのスプレー角度が第2開口により制限されることを抑制することができ、噴霧ノズルのスプレー角度を広くすることができる。従って、被処理ガス中に第1液体の液滴が浮遊するミストが形成される領域を広くすることができる。
【0012】
本発明の気体処理装置において、前記噴霧器は、前記噴霧ノズルに第1液体を供給する第1液体流路と、前記噴霧ノズルに第1気体を供給する第1気体流路と、第2開口に第2気体を供給する第2気体流路と、保護管とをさらに備え、前記保護管は、前記保護管と、第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路との間に空間が設けられるように第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路を覆うことが好ましい。
このような構成によれば、被処理ガスにより第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路の流路部材が腐食されることを抑制することができる。また、被処理ガスが高温の場合、被処理ガスにより高温となった保護管の熱が直接、第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路の流路部材に伝わることを抑制することができ、第1液体流路を流れる第1液体、第1気体流路を流れる第1気体または第2気体流路を流れる第2気体が高温になることを抑制することができる。従って、第1液体、第1気体または第2気体が熱分解しやすい物質を含むことができる。
【0013】
本発明の気体処理装置において、前記噴霧器は、前記保護管と、第1液体流路、第1気体流路および第2気体流路との間に空間に外気が流入する第3開口をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、保護管内の空間の気体の温度が上昇することを抑制することができ、第1液体流路を流れる第1液体、第1気体流路を流れる第1気体または第2気体流路を流れる第2気体が高温になることを抑制することができる。
本発明の気体処理装置において、前記被処理ガスは、第1液体の液滴、第1気体又は第2気体により処理する前において、NOxを含む150℃以上の排ガスであり、第1液体は、水又は水溶液であり、第1気体は、空気又はオゾン含有気体であり、第2気体は、オゾン含有気体であることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、水又は水溶液の微細な液滴がNOxを含む排ガス中に浮遊するミストを発生させることができる。また、第2開口から排ガス中に噴出させたオゾン含有気体は、すぐにミスト中に効率よく流入することができる。処理前において排ガスは150℃以上であるが、ミスト中では水の気化熱により排ガスの温度が低下する。このため、ミスト中では、オゾンの熱分解を抑制することができる。従って、ミスト中においてオゾンガスにより水に溶解しにくいNOガスを酸化し水に溶解しやすいNO2ガスが生成する反応を進行させることができる。このため、ミストを通過した後の排ガスに含まれるNO2を還元剤水溶液などで処理することにより、排ガス中のNOxを除去することができる。
【0015】
また、本発明は、本発明の気体処理装置により、前記被処理ガス中に第1液体、第1気体および第2気体を供給しオゾンガスを含む排ガス中に水又は水溶液の液滴が浮遊する第1ミストを発生させる工程を含む排ガス処理方法も提供する。
本発明の排ガス処理方法によれば、第1ミスト中では水の気化熱により排ガスの温度を低下させることができ、オゾンガスの熱分解を抑制することができる。このため、第1ミスト中においてオゾンガスにより水に溶解しにくいNOガスを酸化し水に溶解しやすいNO2ガスが生成する反応を進行させることができる。
本発明の排ガス処理方法において、第1液体は、還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液であることが好ましい。
このような構成によれば、第1ミストの気相においてNOがオゾンにより酸化されることにより生成したNO2ガスを還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液の液滴に溶解させることができる。また、溶解したNO2を還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液の溶質である還元剤などにより還元することができ、N2ガスを生成することができる。このことにより、排ガスに含まれるNO2ガスを除去することができる。
【0016】
本発明の排ガス処理方法において、第1ミストに含まれる液滴が気化した後の排ガス中に第2液体を噴霧し、排ガス中に第2液体の液滴が浮遊する第2ミストを発生させる工程をさらに含み、第2液体は、還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液であることが好ましい。
このような構成によれば、第1ミストにより排ガスに含まれるNOガスをNO2ガスに変換した後の排ガス中に還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液の液滴が浮遊する第2ミストを発生させることができる。第2ミスト中では、排ガスに含まれるNO2を還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液の液滴に溶解させることができる。また、溶解したNO2を還元剤水溶液またはアルカリ性水溶液の溶質である還元剤などにより還元することができ、N2ガスを生成することができる。このことにより、排ガスに含まれるNO2ガスを除去することができる。
【0017】
本発明の排ガス処理方法において、充填材中において、第1ミストを通過した後の排ガスと第3液体とを気液接触させる工程をさらに備え、第3液体は、還元剤水溶液であることが好ましい。
このような構成によれば、充填材中において、第1ミストにより排ガスに含まれるNOガスをNO2ガスに変換した後の排ガスと、還元剤水溶液とを気液接触させることができる。このことにより、還元剤水溶液に溶解したNO2を還元剤などにより還元することができ、N2ガスを生成することができる。このことにより、排ガスに含まれるNO2ガスを除去することができる。
本発明の排ガス処理方法において、排ガスは、ガラスの溶解炉から発生する排ガスであることが好ましい。
このような構成によれば、バーナーなどからの燃焼排ガスと溶解したガラスから発生する成分とを含む燃焼排ガス中のNOxを除去することができる。
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0019】
気体処理装置、排ガス処理装置、排ガス処理方法
図1は、本実施形態の気体処理装置の概略断面図であり、図2は、図1の破線で囲んだ範囲Aにおける噴霧器の概略断面図である。また、図3〜5は、それぞれ本実施形態の気体処理装置30に含まれる排ガス処理装置70の概略構成図である。
【0020】
本実施形態の気体処理装置30は、被処理ガスが流れる被処理ガス流路1と、噴霧器20とを備え、噴霧器20は、第1液体の液滴24が第1気体と共に被処理ガス流路1中に噴出する第1開口2を有する噴霧ノズル10と、噴霧ノズル10の周囲に設けられかつ第2気体が被処理ガス流路1中に噴出する第2開口3とを備え、噴霧器20は、被処理ガス中に第1液体の液滴24、第1気体および第2気体が噴出するように、少なくともその一部が被処理ガス流路1中に配置されたことを特徴とする。
また、被処理ガスが排ガスである場合(気体処理装置30が排ガス処理装置70である場合)、気体処理装置30は、廃熱ボイラ42、吸収塔60、エリミネーター62、集塵装置65などを備えることができる。
以下、本実施形態の気体処理装置30、排ガス処理装置70および排ガス処理方法について説明する。
【0021】
1.被処理ガス、被処理ガス流路
被処理ガスは、噴霧器20から噴出される第1液体、第1気体及び2気体により処理される気体である。被処理ガスは、例えば、第1液体、第1気体又は第2気体により処理する前においてNOx又はSOxを含む排ガスである。また、被処理ガスは、第1液体、第1気体又は第2気体により処理する前において150℃以上であってもよい。
また、被処理ガスは、被処理ガス流路1を流れる。このことにより、被処理ガスを連続的に処理することができる。
【0022】
被処理ガス流路1は、被処理ガスが流れる流路である。被処理ガス流路1は、被処理ガス流路部材22により形成することができる。噴霧器20を配置する被処理ガス流路1を形成する被処理ガス流路部材22は、管状であってもよく、塔状であってもよく、室状であってもよい。また、被処理ガス流路部材22は、噴霧器20を設置するための開口を有してもよい。
噴霧器20を配置する被処理ガス流路1は、例えば図3に示した排ガス処理装置70のように、下流側が下側となるように傾斜していてもよい。このことにより、気化しなかった第1液体を被処理ガス流路1の下流側に流すことができ、被処理ガス流路1中に第1液体が溜まることを抑制することができる。
また、傾斜した被処理ガス流路1の下流に液槽を配置してもよい。このことにより、気化しなかった第1液体を液槽に流入させることができ、被処理ガス流路1中に第1液体が溜まることを抑制することができる。
なお、被処理ガスが流れる方向とは、被処理ガス流路部材22が管状である場合被処理ガス流路1の上流側から下流側に向かう方向であり、被処理ガス流路部材22が塔状又は室状である場合、塔又は室の入口から出口に向かう方向である。
【0023】
ここでは、被処理ガスがNOxを含む排ガスである場合について説明する。
被処理ガスは、例えば、ガラス原料34をバーナー37により溶解する溶解炉40から排出される燃焼排ガスであってもよく、ガラス原料34を電気溶融させる溶解炉から排出される排ガスであってもよく、ボイラーの燃焼室から排出される燃焼排ガスであってもよく、エンジンから排出される燃焼排ガスであってもよく、ガスタービンから排出される燃焼排ガスであってもよく、焼却炉から排出される燃焼排ガスであってもよい。
なお、被処理ガスがガラス原料34をバーナー37により溶解する溶解炉40から排出される燃焼排ガスである場合、溶解炉40は、図3、4、5に示したようにバーナー37の炎38によりガラス原料34を溶解させたガラス35を溜める構造を有することができる。
被処理ガス流路1に流入する排ガスには、NOなどのNOxが含まれる。また、被処理ガス流路1に流入する排ガスにはSO2などのSOxが含まれてもよい。なお、排ガスに含まれるNOxは、排ガスが被処理ガス流路1を流れる際に施される処理により除去することができる。
【0024】
被処理ガスが排ガスである場合、被処理ガス流路1は、溶解炉40などから排出された排ガスが大気放出されるまでに流通する流路である。被処理ガス流路1は、図4、5のように排ガスをミストにより処理する処理室31、32を有してもよい。また、処理室31、32の底部は水封されていてもよい。また、処理室31、32内は、触媒部や充填材により満たされてない空洞とすることができる。
また、被処理ガス流路1は、図3のように充填材55を有する吸収塔60を有してもよい。
被処理ガス流路1の大きさは特に限定されないが、例えば、直径50cm以上直径4m以下とすることができる。また、被処理ガス流路1を流れる排ガスの流速は特に限定されないが、例えば、1m/秒以上15m/秒以下とすることができる。
【0025】
被処理ガス流路1に流入する排ガスが高温の場合、排ガスを噴霧器20により発生させたミスト25で処理する前に廃熱ボイラ42により排ガスの熱を回収してもよい。
廃熱ボイラ42は、排ガスの熱により水蒸気を製造する。また、廃熱ボイラ42は、溶解炉40などから排出された高温の排ガスが流入するように設けることができる。このことにより、高温の排ガスの温度を低下させることができると共に、水蒸気を製造することができ、排ガスの熱を有効に利用することができる。
【0026】
2.噴霧器
噴霧器20は、第1液体の液滴24が第1気体と共に噴出する第1開口2を有する噴霧ノズル10を備える。また、噴霧器20は、被処理ガス中に第1液体の液滴24および第1気体が噴出するように、少なくともその一部が被処理ガス流路1中に配置される。噴霧器20は、例えば、被処理ガス流路部材22に設けられた開口から噴霧ノズル10を被処理ガス流路1内に挿入した状態で被処理ガス流路部材22に固定することができる。
噴霧器20を構成する材料は、例えば、ステンレス鋼とすることができる。また、好ましくは、SUS316Lを用いることができる。このことにより、噴霧器20が被処理ガスにより腐食されることを抑制することができる。
噴霧ノズル10は、第1開口2を有する部材であり、その内部に第1液体と第1気体とを混合する混合室を有することができる。
また、噴霧ノズル10は、内部混合型二流体ノズルであってもよい。このことにより、噴霧する第1液体の液滴を微細化することができる。また、噴霧ノズル10のスプレー角度を広くすることができる。このことにより、ミストが形成される領域を広くすることができ、被処理ガスを効率よく気液接触させることができる。噴霧ノズル10のスプレー角度は、例えば、120度とすることができる。
【0027】
第1液体は、被処理ガスを処理する液体である。第1液体が溶液である場合、第1液体に含まれる溶媒により被処理ガスを処理してもよく、第1液体に含まれる溶質により被処理ガスを処理してもよい。第1液体は、例えば、水、水溶液、アルカリ性水溶液、還元剤水溶液などである。このことにより、被処理ガスを水又は水溶液により処理することができ、水の気化熱により被処理ガスの温度を低下させることができる。また、被処理ガスをアルカリ又は還元剤で処理することができる。
第1気体は、第1液体の霧化用気体である。また、第1気体は、被処理ガスを処理する気体であってもよい。第1気体は、例えば、空気又はオゾン含有気体である。第1気体にオゾン含有気体を用いた場合、被処理ガスをオゾンにより酸化処理することができる。
【0028】
噴霧ノズル10のうち少なくとも第1開口2が設けられた部分が被処理ガス流路1中に配置される。このことにより、第1液体の液滴24および第1気体を被処理ガス流路1を流れる被処理ガス中に噴霧することができ、被処理ガス中に第1液体の液滴24が浮遊するミスト25を発生させることができる。このミスト25中では気液界面が広いため、被処理ガスを第1液体と効率よく気液接触させることができ、被処理ガスを第1液体に含まれる溶媒および溶質により処理することができる。また、ミスト25中において、第1液体の気化熱により被処理ガスの温度を低下させることができる。また、第1気体により被処理ガスを処理することも可能である。
【0029】
噴霧器20は、被処理ガスが流れる方向と実質的に同じ方向に第1液体の液滴24および第1気体が噴出するように配置されてもよい。このことにより、噴霧器20の噴霧方向と被処理ガスの流れる方向を一致させることができ、ミスト25が形成される領域を広くすることができる。このため、被処理ガスを第1液体と効率よく気液接触させることができる。例えば、第1開口2を被処理ガス流路1の下流側に配置し、第1液体および第1気体が被処理ガス流路1の下流側に向かって噴霧されるように噴霧器20を配置することができる。
【0030】
噴霧ノズル10の形状は、例えば、円筒形とすることができる。この場合、噴霧ノズル10の直径は、例えば、5mm以上100mm以下とすることができる。
また、この場合、噴霧ノズル10は、一方の端部が第1液体流路5又は第1気体流路6と接続し、他方の端部が第1開口2を有することができる。噴霧ノズル10が有する第1開口2は、1つであってもよく、複数であってもよい。また、第1開口2が設けられた噴霧ノズル10の端部は、凸形状を有することができ、第1開口2は、凸形状の斜面上に設けることができる。また、第1開口2の形状は、円形であってもよい。
なお、噴霧ノズル10の先端とは、第1開口2が設けられた端部の先端であり、第1開口2が設けられた部分であってもよく、凸形状の先端であってもよい。
【0031】
噴霧器20は、噴霧ノズル10に第1液体を供給する第1液体流路5と、噴霧ノズル10に第1気体を供給する第1気体流路6とを備えることができる。噴霧ノズル10が円筒形である場合、第1液体流路5と第1気体流路6は、噴霧ノズル10の一方の端部に接続することができる。
噴霧器20は、第1液体流路5に高圧の第1液体を供給する第1液体供給口を有することができる。また、噴霧器20は、第1気体流路6に高圧の第1気体を供給する第1気体供給口を有することができる。このことにより、噴霧ノズル10に高圧の第1液体と高圧の第1気体とを供給することができ、第1開口2から第1液体を被処理ガス中に噴霧することができる。なお、第1液体供給口および第1気体供給口は、被処理ガス流路の外部に設ける。
また、第1液体流路5に供給する第1液体の液圧、第1気体流路6に供給する第1気体のガス圧力は、第1液体の均一で微細な液滴24が形成されるように調整される。
【0032】
噴霧器20は、噴霧ノズル10の周囲に設けられかつ第2気体が噴出する第2開口3を備える。また、噴霧器20は、被処理ガス中に第2気体が噴出するように少なくともその一部が被処理ガス流路1中に配置される。また、噴霧器20のうち、少なくとも第2開口3が設けられた部分は、被処理ガス流路1中に配置される。このことにより、第2気体を被処理ガス流路1を流れる被処理ガス中に噴出させることができ、第1液体の液滴24が浮遊するミスト25中に第2気体を流入させることができる。そして、ミスト25中において被処理ガスを第2気体により処理することができる。ミスト25中では、第1液体の気化熱により被処理ガスの温度が低下するため、第2気体の熱分解を抑制することができる。従って、高温の被処理ガスを熱分解しやすい第2気体により処理することが可能になる。また、第1液体と第2気体とを異なる開口から噴出させることにより、第1液体の溶媒又は溶質と第2気体とが処理前において反応することを抑制することができる。
第2気体は、被処理ガスを処理する気体である。第2気体は、例えば、オゾン含有気体である。このことにより、被処理ガスをオゾンガスにより酸化処理することができる。
【0033】
噴霧器20は、被処理ガスが流れる方向と実質的に同じ方向に第2気体が噴出するように配置することができる。このことにより、噴霧ノズル10の周囲に設けられた第2開口3から噴出された第2気体は、被処理ガスの流れに乗って第1液体の液滴24が浮遊するミスト25中に効率よく流入することができる。
【0034】
第2開口3は、噴霧ノズル10の先端から第2開口3までの距離d2が噴霧ノズル10の先端から第1開口2までの距離d1よりも長くなるように設けられてもよい。このことにより、噴霧ノズル10のスプレー角度が第2開口3により制限されることを抑制することができ、噴霧ノズル10のスプレー角度を広くすることができる。従って、被処理ガス中に第1液体の液滴24が浮遊するミスト25が形成される領域を広くすることができる。
【0035】
噴霧器20は、第2開口3に第2気体を供給する第2気体流路7を備えることができる。
また、噴霧器20は、第2気体流路7に高圧の第2気体を供給する第2気体供給口を有することができる。このことにより第2開口3から第2気体を被処理ガス中に噴出させることができる。なお、第2気体供給口は、被処理ガス流路の外部に設ける。
第2開口3は、1つの開口が噴霧ノズル10を取り囲むように設けられてもよく、複数の開口が噴霧ノズル10を取り囲むように設けられてもよい。例えば、噴霧ノズル10を取り囲む外管9を設け、噴霧ノズル10と外管9との間に第2気体流路7を設けることができる。この場合、外管9の端部と噴霧ノズル10との間に第2開口3が設けられる。
【0036】
第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7を形成する流路部材は、内管8と中間管11と外管9とからなる三重管構造を有してもよい。この場合、内管8の内側の流路を、第1液体流路5および第1気体流路6のうちどちらか一方とすることができ、内管8と中間管11との間の流路を他方とすることができる。また、中間管11と外管9との間の流路を第2気体流路7とすることができる。
【0037】
第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7は、実質的に直角に屈曲していてもよい。このことにより、被処理ガス流路1の側壁の開口から噴霧器20を被処理ガス流路1内に挿入した場合でも、被処理ガスが流れる方向と実質的に同じ方向に第1液体の液滴24、第1気体および第2気体が噴出するように噴霧器20を配置することができる。
【0038】
噴霧器20は、第1液体供給口、第1気体供給口および第2気体供給口と、噴霧ノズル10との間に、第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7を囲むフランジ16を有することができる。このことにより、噴霧器20を被処理ガス流路部材22に容易に取り付けることができる。例えば、被処理ガス流路部材22が有する穴に噴霧器20の噴霧ノズル10が含まれる部分を挿入し、フランジ16を被処理ガス流路部材22の外周面に固定することにより、噴霧器20を被処理ガス流路1内に配置することができる。
【0039】
噴霧器20は、第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7を覆う保護管12を有することができる。このことにより、被処理ガスにより第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7の流路部材が腐食されることを抑制することができる。
また、被処理ガスが高温の場合、第1液体流路5を流れる第1液体、第1気体流路6を流れる第1気体または第2気体流路7を流れる第2気体が高温になることを抑制することができる。従って、第1液体、第1気体または第2気体が熱分解しやすい物質を含むことができる。
【0040】
保護管12と、第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7との間に空間13を設けてもよい。被処理ガスが高温の場合、被処理ガスにより高温となった保護管12の熱が直接、第1液体流路5、第1気体流路6および第2気体流路7の流路部材に伝わることを抑制することができ、第1液体流路5を流れる第1液体、第1気体流路6を流れる第1気体または第2気体流路7を流れる第2気体が高温になることを抑制することができる。
また、噴霧器20は、空間13に外気が流入する第3開口15をさらに備えてもよい。このことにより、空間13内の気体の温度が上昇することを抑制することができる。なお、第3開口15は、フランジ16に設けることができる。
また、外管9と保護管12との間に隙間17を設けてもよい。このことにより、空間13内の気体を排ガス流路1内に流出させることができ、空間13に空気を流すことができる。このことにより、空間13内の空気の温度が上昇することを抑制することができる。
【0041】
被処理ガスがNOxを含む排ガスであり、噴霧器20により発生させたミスト25により排ガスに含まれるNOxを除去する排ガス処理方法について説明する。排ガスに含まれるNOxは、一段階処理または二段階処理により除去することができる。NOxを二段階処理により除去する場合、第1段階目の処理において、噴霧器20により発生させたミスト25により排ガスを処理することができる。なお、第2段階目の処理については後述する。
排ガスに含まれるNOxを二段階処理により除去する場合、例えば、図3に示したような排ガス処理装置70又は図4に示したような排ガス処理装置70を用いることができる。
噴霧器20は、図3に示した排ガス処理装置70のように吸収塔60の上流の被処理ガス流路1中に配置し、被処理ガス流路1を流れる排ガス中にミスト25を発生させることができる。また、噴霧器20は、図4に示した排ガス処理装置70のように第1処理室31中に配置し、第1処理室31を流れる排ガス中にミスト25(第1ミスト26)を発生させることができる。
【0042】
排ガスに含まれるNOxを一段階処理により除去する場合、例えば、図5に示したような排ガス処理装置70を用いることができる。
噴霧器20は、図5に示した排ガス処理装置70のように第1処理室31中に配置し、第1処理室31を流れる排ガス中にミスト25を発生させることができる。
【0043】
また、噴霧器20は、150℃以上の排ガスが流れる被処理流路1内に配置することができる。従って、噴霧器20により発生させるミスト25により処理される排ガスは、処理直前において150℃以上となる。なお、排ガスの温度は、例えば、ミスト25で処理する箇所の直前において150℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上350℃以下、さらに好ましくは200℃以上300℃以下とすることができる。なお、150℃以上の排ガス中に第2開口3からオゾン含有気体を噴出させると、オゾンガスが熱分解するおそれがあるが、オゾンガスはミスト25中に流入することができるため、オゾンガスの熱分解は抑制することができる。
【0044】
図3または4に示したような排ガス処理装置70を用いて、排ガスに含まれるNOxを二段階処理により除去する場合、第1液体を水とすることができ、第1気体を空気とすることができ、第2気体をオゾン含有気体とすることができる。このことにより、被処理ガス流路1中に水、空気、オゾン含有気体を噴霧することができ、オゾンガスを含む排ガス中に水滴24が浮遊するミスト25を発生させることができる。
なお、第1気体は、オゾン含有気体であってもよい。第1気体および第2気体の両方をオゾン含有気体とすることにより、被処理ガスを処理するオゾンガスの量を多くすることができる。
また、第1気体又は第2気体であるオゾン含有気体は、空気中又は酸素ガス中において放電することにより酸素ガスからオゾンガスを発生させるオゾン発生器により製造された気体とすることができる。オゾン含有気体のオゾンガス濃度は、例えば、3%以上6%以下とすることができる。
【0045】
図6は、排ガスに含まれるNOxを二段階処理により除去する場合におけるミスト25(第1ミスト26)中の化学反応の説明図である。ミスト25中では、図6のようにNOxガスとオゾンガスを含む排ガス(気相)中に水滴24(液相)が浮遊している。なお、ミスト25中の排ガスは水滴24に含まれる水の気化熱により温度が低下しているため、ミスト25中のオゾンガスの熱分解は抑制されている。
ミスト25の気相においてNOxガスとオゾンガスとを共存させることができるため、排ガスに含まれるNOガスをオゾンガスによりNO2ガスに酸化する反応を進行させることができる。
このため、ミスト25を発生させた領域を通過した後の排ガスは、この領域を通過する前の排ガスに比べ、NOガス濃度が低くNO2ガス濃度が高いガスとなる。
なお、NOガスは、NO2ガスに比べ水に溶解しにくい。このため、NOガスを含む排ガスを還元剤水溶液などと気液接触させても、排ガス中のNOガスを有効に除去することは難しい。一方、NO2ガスは、NOガスに比べ水に溶解しやすい。このため、NO2ガスを含む排ガスを還元剤水溶液などと気液接触すると、排ガス中のNO2ガスを有効に除去することができる。従って、第1段階目の処理により、還元剤水溶液などによりNOxを除去しやすい排ガスに変化させることができる。
【0046】
また、ミスト25において水の気化熱により排ガスは冷却されるため、ミスト25を通過した後の排ガスは、ミスト25を通過する前の排ガスに比べ温度が低下している。
このミスト25により処理された排ガスは、第二段階目の処理により処理される。二段階目の処理については後述する。
【0047】
図5に示したような排ガス処理装置70を用いて、排ガスに含まれるNOxを一段階処理により除去する場合、第1液体を還元剤水溶液とすることができ、第1気体を空気とすることができ、第2気体をオゾン含有気体とすることができる。このことにより、被処理ガス流路1中に還元剤水溶液、空気、オゾン含有気体を噴霧することができ、オゾンガスを含む排ガス中に還元剤水溶液の液滴24が浮遊するミスト25を発生させることができる。なお、第1気体は、オゾン含有気体であってもよい。また、排ガスにSO2が含まれる場合、第1液体は、アルカリ性水溶液とすることができる。
還元剤水溶液は、還元剤である亜硫酸ナトリウムなどを溶質として含むことができる。また、還元剤水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液がアルカリ性を示す物質を溶質として含むこともできる。
【0048】
図7は、亜硫酸ナトリウムを溶質として含む還元剤水溶液の液滴24が浮遊するミスト25により、排ガスに含まれるNOxを一段階処理により除去する場合におけるミスト25中の化学反応の説明図である。ミスト25中では、図7のようにNOxガスとオゾンガスを含む排ガス(気相)中に水滴24(液相)が浮遊している。なお、ミスト25中の排ガスは水滴24に含まれる水の気化熱により温度が低下しているため、ミスト25中のオゾンガスの熱分解は抑制されている。
ミスト25の気相においてNOxガスとオゾンガスとを共存させることができるため、排ガスに含まれるNOガスがオゾンガスによりNO2ガスに酸化される反応を進行させることができる。このため、ミスト25の気相において水に溶解しにくいNOガスを、水に溶解しやすいNO2ガスに変化させることができる。
【0049】
ミスト25の気相において生成されたNO2ガスは、水滴24のH2Oと反応し、次の式(1)の化学反応が進行し、亜硝酸または硝酸として液相へと移動すると考えられる。
2NO2+H2O → HNO3+HNO2・・・(1)
液相の亜硝酸または硝酸は、還元剤である亜硫酸ナトリウムと反応し、次の式(2)(3)の化学反応が進行すると考えられる。
2HNO3+5Na2SO3 → N2+5Na2SO4+H2O・・・(2)
2HNO2+3Na2SO3 → N2+3Na2SO4+H2O・・・(3)
ミスト25中において、これらの化学反応が進行すると、排ガスに含まれるNOxをN2に還元することができ、排ガスに含まれるNOxを除去することができる。
なお、ミスト25に含まれる液滴24は、水の気化により徐々に小さくなっていき、最終的には、Na2SO4の微粒子63を残して消滅する。
このため、ミスト25を通過した後の排ガスは、NOガス濃度およびNO2ガス濃度が共に低いガスとなる。また、液滴24の気化熱により排ガスは冷却されるため、ミスト25を通過した後の排ガスは、ミスト25を通過する前の排ガスに比べ温度が低下している。
【0050】
図8は、水酸化ナトリウムを溶質として含むアルカリ性水溶液の液滴24が浮遊するミスト25により、SO2およびNOxを含む排ガスを一段階処理により処理する場合におけるミスト25中の化学反応の説明図である。ミスト25中では、図8のようにオゾンガス、SO2ガスおよびNOガスを含む排ガス(気相)中に水酸化ナトリウムを含む水滴24(液相)が浮遊している。なお、ミスト25中の排ガスは水滴24に含まれる水の気化熱により温度が低下しているため、ミスト25中のオゾンガスの熱分解は抑制されている。
ミスト25の気相においてNOガスとオゾンガスとを共存させることができるため、排ガスに含まれるNOガスをオゾンガスによりNO2ガスに酸化される反応を進行させることができる。
【0051】
ミスト25の気相のSO2ガスは、水滴25のNaOHと反応し、次の式(4)の化学反応が進行し、亜硫酸ナトリウムとして液相へと移動すると考えられる。
SO2+2NaOH → Na2SO3+H2O・・・(4)
NOが酸化して生成したNO2ガスは、水滴25のH2Oと反応し、上記の式(1)の化学反応が進行し、亜硝酸または硝酸として液相へと移動すると考えられる。液相の亜硝酸または硝酸は、SO2から生成された亜硫酸ナトリウムと反応し、上記の式(2)(3)の化学反応が進行すると考えられる。
【0052】
ミスト25中において、これらの化学反応が進行すると、排ガスに含まれるNOxをN2に還元することができ、排ガスに含まれるNOxを除去することができる。
なお、ミスト25に含まれる水滴24は、水の気化により徐々に小さくなっていき、最終的には、Na2SO4の微粒子63を残して消滅する。この微粒子63は、ミスト25を発生させる領域の下流に設けられた集塵装置65により排ガス中から除去することができる。
このため、ミスト25を通過した後の排ガスは、NOガス濃度およびNO2ガス濃度が共に低いガスとなる。
また、第1液体が、アルカリ性を示す物質と還元剤との両方を含む水溶液である場合、排ガス中のNOxをより効果的に除去することができる。
【0053】
3.吸収塔
排ガスに含まれるNOxを二段階処理により除去する場合、ミスト25を発生させる領域の下流側に吸収塔60を設けることができる。このため、吸収塔60には、ミスト25による第1段階目の処理により、水に溶解しにくいNOが水に溶解しやすいNO2に変換された排ガスが流入し、吸収塔60における第2段目の処理により排ガスに含まれるNOxが除去される。例えば、図3に示した排ガス処理装置70のように、被処理ガス流路1中に吸収塔60を設けることができる。
【0054】
吸収塔60は、充填材55で充填された領域を有しており、ノズル57が上部から充填材55に向かって第3液体を噴霧する。噴霧された第3液体は、充填材55中を流れ、吸収塔60の下部の液槽に溜まる。液槽に溜まった第3液体は、循環ポンプ48により揚液されノズル57に供給される。このように吸収塔60は、第3液体が循環するように構成される。
なお、第3液体は、薬液タンク50から吸収塔60の下部の液槽又は循環流路49へと供給することができる。また、第3液体の循環流路49にpH計52、ORP計53を設けることができる。
充填材55で充填された領域は、例えば、複数の穴を有する金属板を複数積層した構造を有することができる。金属板の材料には、例えば、ステンレス鋼を用いることができる。また、充填材55には、ラシヒリングを用いることもできる。
また、吸収塔60の下部に排ガスの流入口が設けられ、吸収塔60の上部に排ガスの排出口が設けられる。従って、排ガスは、吸収塔60の下部から上部に向かって充填材55中を流れる。従って、充填材55中において排ガスと第3液体とを気液接触させることができる。
【0055】
第3液体は、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を溶質として含む還元剤水溶液とすることができる。このことにより、充填材55を充填した領域においてNO2を含む排ガスと亜硫酸ナトリウム水溶液とを気液接触させることができる。気液接触させると、排ガスに含まれるNO2ガスは、H2Oと反応し、上記の式(1)の化学反応が進行し、亜硝酸または硝酸として亜硫酸ナトリウム水溶液へと移動すると考えられる。
亜硫酸ナトリウム水溶液へ移動した亜硝酸または硝酸は、還元剤である亜硫酸ナトリウムと反応し、上記の式(2)(3)の化学反応が進行すると考えられる。
吸収塔60中において、これらの化学反応が進行すると、排ガスに含まれるNOxをN2に還元することができ、排ガスに含まれるNOxを除去することができる。
また、第3液体は、NaOHなどのアルカリ性を示す物質を溶質として含むことができる。このことにより、排ガス成分が第3液体に溶解し、第3液体が酸性になることを抑制することができる。
また、吸収塔60から排出された排ガスは多量の水分を含むため、吸収塔60の下流にエリミネーター62を設けることができる。また、その下流に集塵装置65、ファン68などを設けることができる。集塵装置65は、例えば、電気集塵機であってもよく、遠心力集塵機であってもよく、ろ過集塵機であってもよい。
【0056】
4.第2ミスト発生領域
排ガスに含まれるNOxを二段階処理により除去する場合、ミスト25(第1ミスト26)を発生させる領域の下流側に、第2ミスト27を発生させる領域を設けることができる。例えば、図4に示した排ガス処理装置70のように、第1処理室31の下流に設けられた第2処理室32に第2ミスト27を発生させる領域を設けることができる。
なお、第2ミスト27を発生させる領域には、第1ミスト26による第1段階目の処理により、水に溶解しにくいNOが水に溶解しやすいNO2に変換された排ガスが流入する。
第2ミスト27を発生させる領域では、噴霧ノズル58により第2液体を排ガス中に噴霧することにより、排ガス中に第2液体の液滴24’が浮遊する第2ミスト27を発生させることができる。第2ミスト27を発生させることにより、排ガスと第2液体とを気液接触させることができる。
【0057】
第2液体は、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を溶質として含む還元剤水溶液とすることができる。また、第2液体は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液がアルカリ性を示す物質を溶質として含むことができる。また、第2液体は、水溶液がアルカリ性を示す物質と、還元剤との両方を含むことができる。
なお、第2液体は、排ガスの温度を低下させる冷却水としての機能と、排ガス中のNOxを除去するための処理液としての機能の両方を有する。
【0058】
図9は、第2液体が還元剤である亜硫酸ナトリウムを含む水溶液である場合における、第2ミスト27中における化学反応の説明図である。第2ミスト27中では、図9のようにNO2ガスを含む排ガス(気相)中に亜硫酸ナトリウムを溶質として含む水滴24’(液相)が浮遊している。
気相のNO2ガスは、水滴24’のH2Oと反応し、上記の式(1)の化学反応が進行し、亜硝酸または硝酸として液相へと移動すると考えられる。
液相の亜硝酸または硝酸は、還元剤である亜硫酸ナトリウムと反応し、上記の式(2)(3)の化学反応が進行すると考えられる。
【0059】
第2ミスト27中において、これらの化学反応が進行すると、排ガスに含まれるNOxをN2に還元することができ、排ガスに含まれるNOxを除去することができる。
なお、第2ミスト27に含まれる水滴24’は、水の気化により徐々に小さくなっていき、最終的には、Na2SO4の微粒子63を残して消滅する。
このため、第2ミスト27を通過した後の排ガスは、NOガス濃度およびNO2ガス濃度が共に低いガスとなる。
【0060】
図10は、排ガスがSO2を含み、第2液体が溶質として水酸化ナトリウムを含む場合における、第2ミスト27中における化学反応の説明図である。第2ミスト27中では、図10のようにSO2ガスおよびNO2ガスを含む排ガス(気相)中に水酸化ナトリウムを溶質として含む水滴24’(液相)が浮遊している。
第2ミスト27の気相のSO2ガスは、水滴24’のNaOHと反応し、上記の式(4)の化学反応が進行し、亜硫酸ナトリウムとして液相へと移動すると考えられる。
第2ミスト27の気相のNO2ガスは、水滴24’のH2Oと反応し、上記の式(1)の化学反応が進行し、亜硝酸または硝酸として液相へと移動すると考えられる。液相の亜硝酸または硝酸は、SO2から生成された亜硫酸ナトリウムと反応し、上記の式(2)(3)の化学反応が進行すると考えられる。
【0061】
第2ミスト27中において、これらの化学反応が進行すると、排ガスに含まれるNOxをN2に還元することができ、排ガスに含まれるNOxを除去することができる。
なお、第2ミスト27に含まれる水滴24’は、水の気化により徐々に小さくなっていき、最終的には、Na2SO4の微粒子63を残して消滅する。この微粒子63は、集塵装置65により排ガス中から除去することができる。
このため、第2ミスト27を通過した後の排ガスは、NOガス濃度およびNO2ガス濃度が共に低いガスとなる。
また、第2液体がアルカリ性を示す物質と、還元剤との両方を含む場合、排ガス中のNOxをより効果的に除去することができる。
【0062】
NOx除去実験
図3に示したような排ガス処理装置70を用いてガラス溶解炉40から連続的に排出される燃焼排ガスに含まれるNOxを除去する実験を行った。
実験では、ガラス溶解炉40から連続的に排出させた燃焼排ガスを廃熱ボイラ42、噴霧器20により発生させたミスト25、吸収塔60、エリミネーター62、集塵装置65により処理し、処理後の燃焼排ガスを大気中に放出した。また、図3に示した測定点A〜Eにおいて、処理中の燃焼排ガスの温度を測定した。また、図3に示した測定点D、Eにおいて燃焼排ガスをサンプリングし、燃焼排ガスに含まれるNOx濃度およびNO濃度を測定した。
【0063】
実験時間は9時間とし、実験中にミスト25によるオゾン処理を行う時間と、ミスト25によるオゾン処理を行わない時間とを設けた。実験では、80分のミスト25による処理を2回行った。
被処理ガス流路1を流れる排ガス量は、約6700Nm3/hとした。また、吸収塔60において循環させる還元剤水溶液47には、Na2SO3およびNaOHを含む水溶液を用い、Na2SO3濃度は、201〜268ppmとした。また、NaOHは、還元剤水溶液のpHが約8となるように還元剤水溶液に供給した。
また、噴霧器20に水と空気とオゾン含有ガスとを供給することによりミスト25を発生させた。オゾン含有ガスは、空気又は酸素ガスを放電処理するオゾン発生器45により発生させ、噴霧器20に供給した。一回目のミスト25による処理では、オゾン発生器45により1255g/hのオゾンガスを発生させ、二回目のミスト25による処理では、オゾン発生器45により1436g/hのオゾンガスを発生させた。
【0064】
図11に、測定点A〜Eにおける燃焼排ガスの温度測定の結果を示す。燃焼排ガスの温度は、溶解炉40の出口Aにおいて約450℃であり、廃熱ボイラ42の入口Bにおいて約380℃であり、廃熱ボイラ42の出口Cにおいて約180℃であり、噴霧器の前Dにおいて約160℃であり、エリミネーター62の出口Eにおいて約50℃であった。
【0065】
図12に、測定点D、Eの燃焼排ガスのNOx濃度の20分毎の時間推移グラフを示す。また、図13に、測定点D、Eの燃焼排ガスのNO濃度の20分毎の時間推移グラフを示す。また、図12、13では、ミスト25によりオゾン処理した時間を矢印で示した。
図12に示したNOx濃度および図13に示したNO濃度は、換算酸素濃度を15%として測定値を換算した換算値である。なお、換算値は、大気汚染防止法の規定に従い計算した。また、図12、13に示したNOx濃度の換算値およびNO濃度の換算値は、20分間の測定データから燃焼交換時の5分間の測定データを除いた15分間の測定データから求めた平均値である。
また、図12、13に示したNOx濃度およびNO濃度から計算したNOx除去率およびNO除去率を図14に示す。除去率は、ミスト25によるオゾン処理と吸収塔60による還元剤処理の両方、または吸収塔60による還元剤処理により燃焼排ガス中のNOxまたはNOが除去された割合である。
【0066】
図12〜14から、ミスト25によるオゾン処理を行っていない時間帯では、NOx除去率およびNO除去率が0〜7%程度であるのに対し、ミスト25によるオゾン処理を行った時間帯では、NOx除去率およびNO除去率が14〜39%程度であることがわかった。
このことから、オゾン処理を行った時間帯においては、噴霧器20により約160℃の燃焼排ガス中にミスト25を発生させ、ミスト25中で燃焼排ガスをオゾン処理することにより燃焼排ガスに含まれるNOガスをNO2ガスに酸化することができたと考えられ、生成されたNO2ガスを吸収塔60における還元剤処理により燃焼排ガス中から除去できたと考えられる。
なお、オゾン処理を行っていない時間帯においては、燃焼排ガスに含まれるNOガスがNO2ガスに酸化されないため、NOx除去率およびNO除去率が低いと考えられる。
【符号の説明】
【0067】
1:被処理ガス流路 2:第1開口 3:第2開口 5:第1液体流路 6:第1気体流路 7:第2気体流路 8:内管 9:外管 10:噴霧ノズル 11:中間管 12:保護管 13:空間 15:第3開口 16:フランジ 17:隙間 20:噴霧器 22:被処理ガス流路部材 24、24’:液滴(水滴) 25:ミスト 26:第1ミスト 27:第2ミスト 30:気体処理装置 31:第1処理室 32:第2処理室 34:ガラス原料 35:溶けたガラス 37:バーナー 38:炎 40:ガラス溶解炉 42:廃熱ボイラー 45:オゾン発生器 47:還元剤水溶液 48:循環ポンプ 49:循環流路 50:薬液タンク 52:pH計 53:ORP計 55:充填材 57:ノズル 58:噴霧ノズル 60:吸収塔 62:エリミネーター 63:微粒子 65:集塵装置 68:ファン 69:煙突 70:排ガス処理装置
図1
図2
図3
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図14