(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサと、該プロセッサに動作可能に連結したディスプレイと、入力メカニズムと、該プロセッサに動作可能に連結したメモリと、を有する電子デバイスを使用する、カスタマイズ可能なボールバットの製造方法であって、当該方法は、
前記電子デバイスの前記ディスプレイ上で、前記ボールバットの複数のハンドル部の表示をユーザに提示するステップを含み、前記複数のハンドル部は、該ハンドル部の少なくとも1つの特性によって相互に異なり、
前記複数のハンドル部の中から1つを選択するユーザ入力を、前記入力メカニズムを介して受信するステップを含み、
前記電子デバイスの前記ディスプレイ上で、前記ボールバットの複数のバレル部の表示を前記ユーザに提示するステップを含み、前記バレル部の各々は、外径及び長さを有し、前記複数のバレル部は、少なくとも1つの装飾的特性及び少なくとも1つの機能的特性によって相互に異なり、
前記複数のバレル部の中から1つを選択するユーザ入力を、前記入力メカニズムを介して受信するステップを含み、前記選択は、少なくとも1つの装飾的特性の選択及び少なくとも1つの機能的特性の選択を含み、
前記電子デバイスの前記ディスプレイ上で、前記ボールバットの複数の要素の表示を前記ユーザに提示するステップを含み、前記要素は、前記ハンドル部と前記バレル部の双方に固定して係合するよう構成されており、前記要素は、前記ハンドル部を前記バレル部から離間させて前記ハンドル部と係合するための内側管状壁と、前記バレル部を係合するための頭切円錐形状のバレル係合領域と、を含み、前記要素は、近位領域とバレル係合領域とを有し、前記要素の前記近位領域は、露出した外面を有し、前記複数の要素は、該要素の少なくとも1つの装飾的特性、及び、少なくとも1つの機能的特性によって相互に異なり、
前記少なくとも1つの装飾的特性の選択と前記少なくとも1つの機能的特性の選択とを含む、前記複数の要素から1つを選択するユーザ入力を、前記入力メカニズムを介して受信するステップと、
前記提示に含まれる、前記選択したハンドル部、バレル部及び要素を組み立てた状態の前記ボールバットを前記ディスプレイ上に表示するステップと、
前記ハンドル部、前記バレル部及び前記要素の前記選択を確定するユーザ入力を、前記入力メカニズムを介して受信するステップと、を含み、
前記選択されたハンドル部特性を有するハンドル部と、前記選択されたバレル部特性を有するバレル部と、前記選択された要素特性を有する要素と、を備え、前記バレル部が、前記要素に少なくとも部分的にオーバーラップし、前記要素が、前記ハンドル部に少なくとも部分的にオーバーラップしている、カスタマイズされたボールバットを製造するステップを含む、製造方法。
前記少なくとも第1の、第2の、第3の及び第4のユーザインタフェースが、前記表示に含まれる、前記選択されたハンドル部、バレル部及び要素とともに、前記ボールバットを組み立てられた状態で前記ディスプレイ上に示す表示を含み、前記システムが、前記ユーザによる1つ以上の前記選択を修正して、前記表示された前記ボールバットの前記構成を変えられるよう構成されている、請求項10に記載のシステム。
前記電子デバイスと通信するリモートコンピュータシステムをさらに備え、前記電子デバイスが、前記ハンドル部、前記バレル部及び前記要素の表示のシグナルを前記リモートコンピュータシステムに送信するよう構成された、インタフェースデバイスをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
前記ハンドル部特性が、長さ、外径、重量、色、曲げに対する耐性、強度、壁厚、材質及びそれらの組合せからなる群から選択され、前記バレル部の装飾的特性が、単一色、複数色、モデル名、1つ以上のグラフィック及び/又は英数字の表示並びにそれらの組合せからなる群から選択され、前記バレル部の機能的特性が、長さ、重量、重量分布、公称外径、最大外径、壁厚、強度、モデル名、色、剛性、材質及びそれらの組合せからなる群から選択され、前記要素の装飾的特性が、単一色、複数色、色パターン、テクスチャ、1つ以上のグラフィック及び/又は英数字の表示並びにそれらの組合せからなる群から選択され、前記要素の機能的特性が、長さ、重量、感触、材質、材質の硬度及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記ハンドル部特性が、長さ、外径、重量、色、曲げに対する耐性、強度、壁厚、材質及びそれらの組合せからなる群から選択され、前記バレル部の装飾的特性が、単一色、複数色、モデル名、1つ以上のグラフィック及び/又は英数字の表示並びにそれらの組合せからなる群から選択され、前記バレル部の機能的特性が、長さ、重量、重量分布、公称外径、最大外径、壁厚、強度、モデル名、色、剛性、材質及びそれらの組合せからなる群から選択され、前記要素の装飾的特性が、単一色、複数色、色パターン、テクスチャ、1つ以上のグラフィック及び/又は英数字の表示並びにそれらの組合せからなる群から選択され、前記要素の機能的特性が、長さ、重量、感触、材質、材質の硬度及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、バットは、一般に、符号10にて示されている。
図1に示すバット10は野球用バットとして構成されているが、本発明のバットは、ソフトボール用、ゴムボール用、又は他の形状のバットとして形成することができる。バット10は、縦軸14に沿って延びるフレーム12を含む。管状のフレーム12は、特定のプレイヤー、特定のアプリケーション、又は他の関連する任意のニーズを満たす大きさとすることができる。このようなニーズを満たすべく、フレーム12を、様々な重量、長さ及び直径を有する大きさとすることができる。例えば、フレーム12の重量を、15オンス〜36オンスの範囲内とすること、フレーム12の長さを24インチ〜36インチとすること、バレル部18の直径の最大を1.5〜3.5インチの範囲内とすることができる。
【0014】
フレーム12は、比較的小さな直径を有するハンドル部16と、比較的大きな直径を有するバレル部18(打球部又はインパクト部とも称する)と、中間のテーパー要素20とを有する。ハンドル部16、バレル部18及び、中間のテーパー要素20は、それぞれが別々の構造として形成され、連結又は結合される。このマルチピースフレーム構造では、3つの構成要素を、特定のプレイヤーやアプリケーションのニーズに合わせて異なる材料又は同様の材料で形成することができる。
【0015】
図1,3を参照すると、ハンドル部16は縦軸14に沿って延びる細長い管状構造であり、近位端領域22及び遠位端領域24を有する。好ましくは、ハンドル部16はユーザがグリップできる大きさであり、ハンドル部16の周囲に、該ハンドル部16に沿って長手方向に延在するグリップ26と、ハンドル部の近位端22に接続するノブ28とを含む。遠位端領域24は、要素20に連結される。ハンドル部16は、その長さに沿って均一な外径を有する円筒状の構造である。ハンドル部16は、同様に、その長さに沿って均一な内径を有する。他の形態において、ハンドル部を、その長手方向に沿って不均一な内径及び/又は外径に形成することができる。他の形態において、ハンドル部を、非中空の細長い部材とすることができる。ハンドル部16は、強靭で、概して柔軟性があり、軽量な材料から形成され、好ましくは繊維複合材料から形成される。また、ハンドル部16は、アルミニウム合金、チタン合金、スチール、他の合金、熱可塑性プラスチック材料、熱硬化性材料、木材のような他の材料、及びそれらの組合せから形成することができる。
【0016】
フレーム12のバレル部18は「管状」、「概して管状」又は「実質的に管状」である。これらの用語の各々は、バレル部の一部の位置における特性が概して円錐台形である野球用バットと同様に、実質的に円錐状のインパクト部(又は、「バレル部」)を有するソフトボール用バットを意図したものである。また、他の中空、管状形状もまた用いることができる。バレル部18は、縦軸14に沿って延び、内表面32と外表面34とを有する。バレル部18は近位領域36と、中間領域40によって離間された遠位領域38を含む。バレル部18は、ボール(図示せず)に衝突するよう構成され、好ましくは、強靭で、耐久性及び弾力性のある材料、例えば、アルミニウム合金のような材料から形成される。他の好適な実施形態において、近位領域26は、1つ以上の複合材料、チタン合金、スカンジウム合金、スチール、他の合金、熱可塑性プラスチック材料、熱硬化性材料、木材及びそれらの組合せから形成することができる。
【0017】
本明細書にて使用される、「複合材料」又は「繊維複合材料」という用語は、樹脂が含浸した(または全体に浸透した)複数の繊維を意味する。好適な一実施形態では、1つ以上のクリールを用いて繊維を体系的に整列させ、以下にさらに説明するように、ダイスから樹脂を引き出して引抜成形することができる。他の好適な実施形態では、繊維をシート又は層中に共軸方向に整列させるか、シート中又は層中にて編むか、及び/又は、1つ以上の層中に繊維を切り刻んでランダムに分散させることができる。複合材料を、樹脂が浸透した繊維のマトリックスを含む単層又は複数層とすることができる。特に好適な実施形態において、層数は3〜8層の範囲とすることができる。他の実施形態では8層超える場合もある。多層構造において、繊維は縦軸14に対し、0°,90°及び0〜90°の間の角度位置を含む異なる方向に並列することができ、及び/又は、層から層へと三つ編み又は編込みにすることができる。引抜成形工程で形成される複合材料の角度は、0°〜90°の範囲とすることができる。いくつかの形態では、複数層を、1つ以上のスクリムやベールで少なくとも部分的に区分できる。使用時、スクリム又はベールは、概して隣接する2つの層を分離し、硬化中に、それらの層間に樹脂が流れ込むのを抑止する。スクリム又はベールは、複合材料の層間のせん断応力を低減するのに用いることもできる。スクリム又はベールは、ガラス、ナイロン又は熱可塑性材料から形成することができる。一実施形態において、スクリム又はベールは、複合材料の層間の滑り運動又は独立運動を可能にするよう用いることができる。繊維は、グラファイトのような高張力且つ高強度の材料から形成される。また、繊維は、例えば、ガラス、カーボン、ボロン、玄武岩、キャロット(カナダ国carrat社の販売に係る工業用エラストマ)、ケブラー(登録商標)、スペクトラ(登録商標)、ポリパラフェニレン−2、6−ベンゾビスオキサゾール(PBO)、麻のような他の材料及びこれらの組合せから形成することができる。好適な一組の実施形態では、エポキシ樹脂又はポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を用いる。他の好適な一組の実施形態では、熱可塑性樹脂を用いる。複合材料は、一般に、心棒及び/又は同等の構造物の周りに巻回され(又は、引抜成形金型を通して引き出され)、熱及び/又は圧力付与下で硬化する。硬化中、樹脂が流動して完全に分散し、繊維のマトリックスに含浸するよう構成される。
【0018】
バット10は、バレル部18の遠位領域38に取り付けられ、遠位領域38を実質的に包囲するエンドキャップ30をさらに含む。好適な一実施形態において、エンドキャップ30は、エポキシ樹脂によって、遠位領域38に接着される。また、エンドキャップ30は、他の接着剤、化学結合、熱結合、締まりばめ、他の圧入接合及びそれらの組合せによって取り付けることができる。
【0019】
図1,3〜7には、射出成形要素20の好適な実施形態がより詳細に示されている。要素20は、ハンドル部16をバレル部18に接続する遷移部材である。好適な一実施形態において、要素20はテーパーのかかった近位領域50と、バレル係合領域52とを含む。特に好適な実施形態では、バレル係合領域52にもまた近位領域50と同様にテーパーをかけることができ、この場合、要素20は円錐台形状となる。
【0020】
要素20は、単一の材料又は2つ以上の異なる材料から形成することができる。好適な一実施形態において、要素20は、第1材料からなる基層54と、第2材料からなる外層56とを含む。第1材料及び第2材料は、好ましくは、エンジニアリング熱可塑性ポリウレタン(ETPU)のような軽量且つ頑丈で、耐久性のある材料からなる。また、第1材料及び第1材料は、熱可塑性材料、熱硬化性材料、複合材料、遷移複合材料、アルミニウム、合金、木材のような他の材料及びそれらの組合せから形成することができる。第1材料は、ショアD硬度スケールで45以上、ショアR硬度スケールで150以下のデュロメータ値(硬度値)を有することが好ましい。特に好適な実施形態において、第1材料は、ショアR硬度スケールで100以上140以下のデュロメータ値を有する。本発明の1つの重要な特徴は、要素20の第1材料が硬質材料からなるにも関わらず、ボールから受ける衝撃により、バレル部18からハンドル部16に拡張する望ましくない振動や衝撃エネルギーを大幅に低減することである。
【0021】
第2材料は、ショアAスケールで20以上、ショアRスケールで120以下の範囲のデュロメータ値を有することが好ましい。特に好適な実施形態において、要素20が第2材料で形成された場合、第2材料はショアAスケールで20以上90以下のデュロメータ値を有する。第1材料と第2材料は、異なる材料とすること、又は異なる特性(例えば硬度)を有する同様の材料とすることができる。第1材料のショアデュロメータ値は、第2材料のそれよりも大きいことが好ましい。他の好適な実施形態において、第1材料及び第2材料は、同一の、又は同様の硬度を有してもよい。さらに他の実施形態において、第2材料の硬度値を、第1材料のそれよりも大きくすることもできる。
【0022】
外層56を組み込むことにより、要素20に柔軟性が付加される。外層56をなす第2材料のデュロメータ値が、基層54のそれよりも低い場合、外層56は触ったときの感触が基層54又はバット10の他の構成要素の感触と比較して異なる。外層56を連続的に延在させて、基層54を完全に覆ってもよい。もしくは、外層56を、基層54が可視化される開口部58を1つ以上具える様々な形状又はパターン状に形成することもできる。
図1,2及び
図4〜6は、外層56の構成の、3つの別々の例を示す図であり、基層54の一部を、外層56に設けられた開口部58から見ることができる。この3つの例は、代表例であり、本発明を制限するものではない。本発明は、他のデザイン、パターン、形状及びグラフィックの証印及び/又は英数字の証印を用いることを意図している。好適な一実施異形態において、外層56は、商標を示すグラフィック及び/又は英数字の証印70(例えば、Demarini(登録商標)にとって「D」)で構成することや、サービスマーク、デザイン、ロゴ、認証マーク、警告、インストラクション、他のマークを示すグラフィック及び/又は英数字の証印70又はこれらの組合せで構成することができる。外層56を、基層54に対し僅かに隆起させて、外層56によるグラフィック、デザイン又はパターンがより顕著に3次元で表示されるようにすることが好ましい。さらに、基層54には単色又は複数の色を用いることができ、外層56には基層54とは異なる色、又は異なる組合せの色を用いることができる。他の好適な実施形態において、基層54及び外層56は同色又は同一の組合せの色を用いることができる。外層56を、基層54とは異なるテクスチャにすることもできる。
【0023】
要素20は、射出成形金型にて製造されるか、もしくは射出成形装置を用いた処理にて製造された射出成形部材であることが好ましい。射出成形装置は、要素20(又は、当該要素の半部)の形状を形作る金型キャビティを備える射出成形金型を含む。好適な実施形態において、要素20は、ハンドル部16上に射出成形される。金型内に延びるハンドル部16(実質的には、ハンドル部16は金型の一部を形成している)の周りに、要素20の第1材料が射出成形される。要素20の、ハンドル部16上への射出成型は、要素20の、ハンドル部16へのオーバーモールディングと称される。金型は2つの主要な部品からなるスプリット金型を用いることができる。熱可塑性プラスチック材料を、射出成形押出機から金型キャビティに射出することができる。注入チューブを介して、熱可塑性プラスチック材料を押出機の内部に供給することができ、押出機を加熱して、熱可塑性プラスチック材料の体積を低減するとともに流動性を得る。ピストン又はスクリュを用いて、流動性のある熱可塑性プラスチック材料を押出機から、加熱可能なマニホールドシステム内に押し出すことができる。マニホールドシステムは、流動性のある熱可塑材料を注入ポートに流し込むための、1つ、2つ、3つ又は4つ以上の経路を含むことができる。注入ポートは、熱可塑性材料が容易に流れて、効率的に、短時間で金型キャビティを満たせるよう間隔を開けて配置することが好ましい。流動性のある熱可塑性材料の射出は、1つ以上のバルブを用いて段階的に行うことができる。圧力及び/又は温度センサのような1つ以上のセンサを金型内に設けることにより、流動性のある熱可塑性材料が金型キャビティ内の選択された位置に到達したことを知ることができる。熱可塑性材料の流入が、圧力センサの1つの所定圧力のような所定の値に達すると、バルブが再配置されて、熱可塑性材料の流れの経路又は向きを、第2射出ポートを通る第2流路に切り替えることができる。他の好適な実施形態では、他の形態の射出成形装置を用いることができる。金型の種類、流路の数、射出ポート又はゲートの数、バルブの数、バルブの構成、押出機の種類又は他の射出メカニズム、構成、圧力、熱可塑性材料の温度、流入及び導入の順序は様々とすることができる。上記の射出成形金型装置は一例であり、本発明を制限するものではない。当業者であれば、射出成形工程又はその作業において所望の結果を得るために、多種多様の射出成形金型装置を用いることができることは理解されよう。
【0024】
好適な一実施形態では、ハンドル部16の遠位端領域24を射出成形金型内に挿入して、当該先端領域24の周囲に要素20を射出成形することができる。ハンドル部16の遠位端領域24を未完成のまま粗面化すると、要素20の先端領域24への結合を強化できる。要素20をハンドル部16の遠位端領域24にオーバーモールドすると、これら2つの構成要素は非常によく結合する。射出成形される要素20の第1材料は、硬化するときに僅かに収縮するので、要素20のハンドル部16への結合力をさらに増大させることができる。このようにして、要素20は、ハンドル部16を締まりばめさする。ここで重要なのは、オーバーモールド工程において、他の接着剤や追加の留め具を用いる必要がないことである。従って、好適な実施形態における要素20は、他の接着剤や機械的留め具を用いることなくハンドル部16にオーバーモールドされる。要素20の第1材料がハンドル部16に結合し収縮することによって、非常に強力な連結状態が実現される。要素20の、ハンドル部16の遠位端領域24との連結に関する経験的試験により、ハンドル部16に成形された要素20が、5000lbfの負荷の下であってもセパレーションに対する耐性を有することが明らかとなった。
【0025】
他の好適な実施形態では、要素20をハンドル部16とは別に成形又は射出成形して、成形後に、ハンドル部に取り付けることができる。さらに他の好適な実施形態では、要素を、1層以上の中間材料層、接着剤及び/又は留め具によって、ハンドル部に連結させることが可能である。
【0026】
要素20を、基層54及び外層56とともに形成するとき、好ましくは外層56を基層54にオーバーモールドする。はじめに、基層54を成形して硬化させ、それから、基層54を第2金型に配置し、外層56を基層54にオーバーモールドする。オーバーモールド処理は、基層54と外層56との結合を非常に優れたものにする。基層54と同程度の外層56の第2材料を第2金型に流入し、当該金型を満たすことによって要素20が形成される。第1材料及び第2材料にはある程度の吸湿性があるので、基層54が硬化した比較的直後に外層56をオーバーモールドするのが好ましい。
【0027】
要素20の遠位端と、ハンドル部16の遠位端とは、縦軸14に沿う同一の点にて定義される。又は、ハンドル部16の遠位端領域24は、要素20のそれよりも僅かに延びていてもよい。これにより、遠位端領域24の一部が要素20の遠位端よりも遠くまで延在することになる。他の好適な実施形態において、要素20はハンドル部16の遠位端領域を僅かに超えて延在していてもよい。他の好適な実施形態では、要素20を2つのピースに射出成形してから遠位端領域24に配置し、別々の金型にて熱及び圧力を加えることで当該遠位端領域24に成形することができる。
【0028】
他の実施形態では、要素20を、化学結合、熱結合、1つ以上の留め具、接着層、中間接着層又はこれらの組合せによって、ハンドル部16に連結させてもよい。
【0029】
図3〜7を参照すると、要素20には、ハンドル部16を受けるための貫通口60が縦軸に沿って画定されている。要素20のバレル係合領域52は、同じく貫通口60を画定する管状壁62と、少なくとも1つのリブ66によって管状壁62から隔離された外壁64とを含む。リブ66は軸14に対して、管状壁62から外壁64にわたってラジアル状に延在することができる。好適な実施形態では、管状壁62及び外壁64によって、リブ66間又は管状壁62と外壁64との間に、1つ以上の空洞が区画される。この空洞72は、要素20の長さの少なくとも40%の長さを有して延在することが好ましい。他の好適な実施形態において、空洞72は、要素20の40%の長さよりも短くすることも、40%よりも長くすることもできる。
図4,7では、8つのリブ66を有する要素20が示されている。他の好適な実施形態において、リブ66の数は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上とすることができる。好ましくは、リブ66は要素20の周りに等間隔に、又は、角度をつけて配置される。リブ66は、少ない材料で要素20の構造を保全するので、当該要素20が軽量化されるとともに、製造に必要となる材料コストも減少する。
【0030】
図4〜6を参照すると、要素20のバレル係合部52は、一般的にはテーパー形状か円錐台形状であることが好ましい。また、バレル係合部52の外表面に、好ましくは複数の凹部68を区画する。余分な接着剤や他の結合体が凹部68に流入して硬化することによって、バレル係合部52をバレル部18の近位端領域36に係合するのが容易になる。凹部68は、組立工程において、このような接着剤、特には速乾接着剤の入流を促進する。凹部68は、要素20のバレル係合部52と、バレル部18の近位端領域36との間に、より効果的で且つ/又は様々な結合線を提供できる。特に好適な一実施形態では、凹部を満たす接着剤が要素20を近位端領域36に接着させる一方で、凹部68間のバレル係合部52の少なくとも一部が、近位端領域36と直接接着してもよい。
図4〜6の好適な実施形態には、複数の凹部68が示されているが、他の好適な実施形態では、異なる数の凹部68を用いることができる。さらに他の好適な実施形態では、凹部の形状及び/又はサイズを1つ以上の異なる形状に変化させることができ、凹部の深さを1つ以上の異なる深さ又は様々な深さに変化させることができる。他の好適な実施形態では、バレル係合部に複数の突起部を形成して、要素20をバレル部に係合し易くすることができる。さらに他の好適な実施形態では、バレル係合部に、1つ以上の凹部を形成することや、1つ以上の突起部なしに形成することができる。
【0031】
図1〜3を参照して、要素20のバレル係合領域52の円錐台形状は、軸14から外向きに発散する。円錐台形状のバレル係合領域52は、好ましくは、バレル部18の近位端領域36を入れ子式に係合する。バレル部18の近位端領域36は、概して軸14に集束し、バレル係合領域52の形状と相補的な円錐台形状を形成し、伸縮インターロックによって機械的に係合する。係合手段は、接着を含むことができる。
【0032】
要素20は、好ましくはワンピースの一体構造からなり、ハンドル部16をバレル部18に連結する。また、要素20は、好ましくはバレル部18をハンドル部16から完全に分離して、ハンドル部16とバレル部18とが直接接触しないようにする。ワンピースの一体構造とは、いったん要素20が形成されると、複数の小片に分解できないことを意味する。ワンピースの一体構造は、本質的に要素20を破壊することなしには、2つ以上のピースに分離することができない。例えば、バットのノブ28及びエンドキャップ30は、一般に、バットフレームと一体ではない。バットのノブ28及び/又はエンドキャップ30は、多くの場合、いずれの構成要素を破壊することなくバットフレームから取り外すことができる。仮に、バットのこれら2つの部分、パーツ又は構成要素が、1つ以上の留め具を取り除くことによって、及び/又は、除去、溶解、さもなければ個別の接着剤を分離することによって分離可能であるならば、当該部分、パーツ又は構成要素はワンピースの一体構造を形成しない。要素20は、バレル部18にボールが当たって生じる不要な衝撃及び/又は振動エネルギーが、フレーム12を伝播してユーザの手にまで伝わるのを低減する。バレル部18から、要素20及びハンドル部16へと異種材料に変遷することで、バットのハンドル部16を保持しているバッターが、ボールの衝突時又はボールの衝突直後に感じる衝撃や振動の重度が抑制又は低減される。ハンドル部の要素20への係合及び、当該要素20バレル部への係合は、ノンスレッド係合(ねじ以外の手段による係合)とすることが好ましい。
【0033】
有意なことに、本発明の要素20は、減衰振動及び/又は衝撃を剛性から切り離すように構成することができる。一般的に、バッターが打球時に感じる衝撃及び/又は振動を低減することを望むならば、多くの場合、上記の減衰を得るために軟質で柔軟性のあるエラストマ材料が用いられる。軟質で柔軟性がある材料、及び/又は、エラストマ材料には、バット全体の剛性を低下させる効果もある。従って、打球時にバッターが感じる衝撃及び/又は振動を低減することと、バットの剛性を低減させることは、一般に関連づけられているか相関関係にある。重要なのは、要素20は、非常に優れた振動及び/又は衝撃耐性を提供する一方で設計の自由度が高いので、高レベルの剛性(又は曲げに対する抵抗)及び高いデュロメータ(又は高硬質材料)を有するものに形成することができる。これらの剛性を、衝撃及び/又は振動の抑制(又は減衰)から切り離すこと、及び/又は、硬度を、衝撃及び/又は振動の抑制から切り離すことは、要素20をバット10に組み込むことによって提供されるユニークな特性であり、さらに、バットの設計者の設計自由度を高める。素20を用いると、バットの剛性や要素の硬度は低下させずに、打球時のバッターが感じる振動及び/又は衝撃エネルギー(特にはオフセンターの打撃)を大幅に低減させることができる。他の実施形態では、要素20をより軟質に、及び/又は、より柔軟に構成することができる。本発明は、プレイヤー又はバットの設計者が、いかなるニーズ、応用又はプレイヤータイプに沿うようバットを作成し、調整し、カスタマイズするのを可能にする。
【0034】
バットフレーム12は、ハンドル部16、バレル部18及び要素20から構成され、これらを合わせて全長をなす。ハンドル部16はバットフレーム12の全長の70%の長さを有する。他の好適な実施形態では、ハンドル部の長さは、バットフレーム12の全長の60%よりも短い。
【0035】
図8aを参照すると、要素20の他の好適な実施形態が記載されている。要素20は、近位領域50とバレル係合領域52とを有する。管状壁62には、ボア60が形成され、外壁64は複数のリブ66によって管状壁62から離間配置されている。バル係合領域52の全長にわたって延び、要素20の近位領域50の中にまで延在するリブ66は空洞72を区画する。この空洞72は、要素20の長さの少なくとも70%を超えて延在する。他の好適な実施形態において、要素20は、空洞が要素20の長さの少なくとも60%を超えて延長するよう構成することができる。
【0036】
図8bを参照すると、空洞72は、管状壁62と、外壁64と、リブ66とによって区画されており、少なくとも部分的に充填剤90で満たされている。他の好適な実施形態において、充填材料90を気泡材料にすることができる。他の好適な実施形態では、充填材料90を、要素20及びバット10の以下の特性の1つ以上を変えることが所期された任意の材料又はそれらの組合せとすることができる。その特性とはすなわち、バットの重量又は重量分布、知覚されるバットのスウィング重量、打球時のバット又は要素の音、打球時のバットの振動及び/又は衝撃減衰レベル、並びに要素の耐久性である。充填剤90は、ウレタン、ETPU,気泡材料、熱可塑性プラスチック材料、熱硬化性材料、金属、木材、1つ以上の重量要素又はこれらの組合せとすることができる。
【0037】
図8cを参照すると、他の好適な実施形態では、1つ以上のリブ66が、管状壁62及び外壁64の一方から、他の管状壁62及び外壁64に延在していてもよい。実際には、当該1つ以上のリブは、その全てが他方の壁に達していなくてもよい。このように、リブ66と外壁64(又は、リブが外壁から管状壁に向かって延びる場合、スペースはリブと管状壁との間にある)との間には間隙92又はスペースがあり、これによって、連続的もしくは単一の空洞72が作られる。間隙92のラジアル方向の長さは、一般に、要素20の縦軸長さ方向に沿って一定にすることができる。特に好適な一実施形態において、間隙92(リブと外壁(又は管状壁)との間の縦軸から放射状に測定される)は、0.005〜0.100インチの範囲内である。他の好適な実施形態において、間隙は、0.005インチ未満又は0.100インチを超える他面を有してもよい。間隙92は、バットの使用中に、要素20により大きな屈曲性や柔軟性をもたすことができ、また、柔軟性を制御したり、段階的にすることができる。間隙92は、要素20又はバット10全体としての感触、音、振動減衰レベル又はその他の特性を変えるために用いることもできる。他の好適な実施形態において、間隙92のラジアルサイズは、縦軸14に沿って延在している限り、拡大・縮小させることができる。
【0038】
図9を参照して、さらに他の好適な実施形態において、要素20はリブ及び空洞を設けずに形成することができる。従って、要素20は、連続的な基層54のように、1つの連続した部品とすることができる。特に好適な一実施形態において、要素20は、いかなる空洞又は拡大された開口部をも有することなく連続している。さらに他の好適な実施形態において、要素20は、基層54及びオーバーモールドされた外層56を含む連続した材料から形成することができる。
【0039】
図10を参照すると、他の好適な実施形態において、要素20は、リブや空洞を設けることなく気泡材料を形成してなることができる。気泡材料は、オープンセル又はクローズドセルとすることができる。セルのメジアン径もまた、要素20に所期する特性に応じて様々に変えることができる。他の好適な実施形態において、気泡材料からなる要素20にもまた、少なくとも1つのリブと、複数の空洞を設けることもできる。
【0040】
図11を参照すると、要素20のリブの他の好適な実施形態が示されている。特に、異なる形状の種々のリブ66が図示されている。リブ66は、
図4,7の実施形態に示すように、一般に平坦で、管状壁62から外壁64に向かって放射状に延びる。他の好適な実施形態では、リブ66aは、軸線14上に、当該軸線に沿って延びる平面78に対して角度αを有して延びることができる。角度αは、平面78から±1〜90°の範囲とすることができる。一実施形態において、角度αは、平面78から±1〜45°の範囲とすることができる。3つのリブ66aのみが図示されているが、要素20は任意の数のリブ66aを、単体で、もしくは1つ以上の他の形状のリブと組み合わせて形成できることが理解できよう。リブ66の他の構成も同様に図示されている。リブ66bは、管状壁62から外壁64に向かってカーブを描きながら延在している。リブ66cは、管状壁62から外壁64に向かって分離して延在しいている。リブ66d及び66eは、管状壁62から外壁64に向かって厚みが変化する。リブ66fは、管状壁62から外壁64に向かって鋭角に延びている。リブ66hは管状壁62から外壁64まで卵型又は円計状に延在している。本発明は、図示されたリブの1つ以上、又はこれらのリブの組合せを要素20に用いることを意図している。他の実施形態において、1つ以上のリブは、要素に沿ってスパイラル状に延在していてもよい。さらに他の実施形態のリブは格子構造をなしていてもよいし、さらに他の実施形態のリブは他の幾何学形状又は湾曲形状をなしていてもよい。
【0041】
図12〜14を参照すると、本発明の他の好適な実施形態が図示されている。要素20は、インサート304の端部領域302を係合するための、インサート係合部300を伴って形成することができる。
図12及び14の実施形態における、要素20のテーパー近位領域50及びバレル係合領域52は、上述した実施形態のテーパー近位領域50及びバレル係合領域52と実質的に同様である。インサート係合部300は、インサート304を、当該インサートを所定の場所に確実に配置する方法にて係合し、インサート304の少なくとも一部が、所望量又は所定量だけバレル部18から離間するよう構成することができる。
【0042】
インサート304は管状体であって、一定の内径及び外径を有するか、もしくは円筒状又は実質的に円筒形となるように、その長さ方向に沿っていくらかテーパーを有して、又はいくらか湾曲させて形成することができる。インサートは、バレル部18を形成するのに用いられる1つ以上の材料から形成することができる。インサートは、近位端領域302と、遠位端領域とを含む。インサート304は、当該インサート304の長さ領域の少なくとも一部にて、バレル部18の内表面32から視覚的に離間していることが好ましい。インサート304とバレル部18との間の距離(縦軸14からバレル部18の外表面34に向かってラジアル方向に計測した場合)は、好ましくは0.005〜0.125インチの範囲内である。これにより、インサート304はバレル部18の内表面から十分に離間するので、バレル部18とインサート304とは、打球の衝撃に対して動作可能な係合関係を維持しつつも、独立して運動することが可能になる。他の好適な実施形態において、インサート304とバレル部18とを分離させれば、打球時の衝撃を受けた際に、インサート304がバレル部18に対して独立した動きをするのに十分である。インサート304とバレル部18との間の独立した動きは、肉眼では両者の離間が確認できなかった場合であっても可能である。
【0043】
特に好適な一実施形態において、少なくとも1つのリブ66及び管状壁62は、バレル係合部52から縦軸に沿って延び、インサート係合部300を形成することができる。
図12〜14の実施形態では、8つ全てのリブ66が、要素20のバレル係合部52から延在している。他の好適な実施形態において、他の数のリブを用いることもできる。特に好適な一実施形態では、放射状に離間して配置された少なくとも3つのリブがバレル係合部52から延びて、少なくとも3つのライン又は接点を提供して管状インサート304を支持する。
【0044】
リブ66の各々は、インサート304の近位端308を係合するためのショルダ部306を含むことができる。このショルダ部306によって、インサート304の近位方向への前後動を制限するストッパ310と、インサート304の近位端領域302の内表面部分を支持するインサート座面312とをリブ66に設けることができる。インサート係合部300は、インサート304の近位端領域302を確実に支持する。インサート係合部300は、要素20に組み込むことができ、また要素20によって提供することのできる重要な特徴又は機能である。インサート係合部300によって、バットの設計者又はユーザが利用できる汎用性及びオーダーメイドの可能性がさらに高まる。要素20を用いると、インサート304とバレル部18がハンドル部16から完全に分離されるので、打球時の衝撃に反応して、バレル部からハンドル部へとバッドを介して広がる望ましくない振動及び/又は衝撃エネルギーを低減する効果がさらに高まる。ハンドル部16は、バレル部18やインサート304とは接触しない。
【0045】
他の好適な実施形態では、インサート係合部300を、要素20のバレル係合部に組み込むことができる。さらに他の好適な実施形態において、インサート係合部は、インサートの内面を支持するための、リング状、バンド状又は他の管状の座面サポートを含むことができる。管状の座面サポートは、その長さ方向に一定の直径を有するものや、テーパー又は円錐台形状のものとすることができる。さらに他の好適な実施形態において、管状の座面サポートは、連続的なショルダ部と、同じく連続的なインサート座面とを含むことができる(ショルダ306及び座面312と同様であるが、
図12〜14に示されるように連続的であり、離間していない)。
【0046】
図15を参照すると、好適な一実施形態において、ハンドル部16は引抜成形工程を経て形成される。
図15は、ある引抜工程の順序を図示している。当業者であれば、引抜工程の他の構成順序を、バットのハンドル部、バレル部又はインサートのような引抜成形部品の生産に用いることができると理解されよう。本発明は、繊維強化熱可塑性又は繊維複合体であるバットの構成要素を製造するための引抜工程について、既存のすべての構成を用いることを意図している。
【0047】
引抜成形は、高品質の繊維強化熱可塑性材料又は繊維複合体材料を製造するにあたって、最も費用効果の高い方法の1つである。引抜成形は押出成形に類似しているが、押出成形では、非強化熱可塑性材料を短いダイから押し出すために圧縮を行う点において異なる。引出成形では、1つ以上の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で濡らした様々な強化繊維を加熱したダイを介して引き出し、円筒形のハンドル部のような連続的な部品を製造する。樹脂で濡れた繊維が加熱されたダイを通過する際に、樹脂のポリメリゼーションが生じると、従知が効果して連続的な剛構造が形成される。引出成形は、繊維強化熱可塑性材料又は繊維複合材料を製造するのに理想的である。連続的な工程によれば、無駄を最小限に留められる。繊維は、円筒形部品の縦軸に沿って延びることができ、または縦軸に対する角度から引かれて、異なる角度の繊維構成を形成するよう、縦軸周りに巻回される。繊維は、織物(編組生地又は筒状のソックスのような生地)の一部として、引抜工程を介して引き抜くこともできる。これによって、引抜成形部品には、縦軸14に対して90°の角度を有して延びる繊維が含まれる。引抜工程により、連続的な円筒体を形成でき、当該円筒体は所望の長さに切断して使用できる。例えば、引抜速度、ダイ温度、繊維/樹脂のウェットアウトの質、そして繊維体積のような多数の変数が、引抜成形された複合体の品質に影響する。
【0048】
引き抜かれた複合材料は、当該複合材料を結合させる、一方向繊維(又はロービング)、連続ガラス繊維マット及び熱硬化性樹脂のような補強材料を含むことができる。複合体の外観性や耐薬品性、又は天候への対応力を改善するポリエステル表層ベールを付加することができる。様々な補助材料を樹脂配合に添加することができ、例えば、着色には顔料、熱硬化性樹脂の硬化速度を加速するには加速剤、他にも内部離型剤やいくつかの様々な種類の不活性充填剤など、独自の機能を有する補助材料を添加することができる。引出プロファイルは、カスタムアプリケーションに適合するよう一意的に設計されている。インラインの巻取機を引出工程と組み合わせて、二軸強度を増大させることのできるフィラメントの屈曲能力を付加することができる。
【0049】
ハンドル部16を形成する引出工程の好適な一実施形態が、
図15に符号100として図示されている。複数の繊維102が、1つ以上のクリール104からガイド106に供給される。1つ以上の繊維102は、インライン巻取機を用いて1つ以上の他の繊維102の周囲に巻回することができる。インライン巻取機108は、引抜成形品(ハンドル部16)を通って延在する繊維をノンゼロ繊維位置に提供する。インライン巻取機108によってもたらされる繊維の角度は、1〜89°まで変化することができる。より好適には、インライン巻取機によってもたらされる繊維の角度は5〜45°である。巻取機は、引抜成形品の二軸強度を増大させる。繊維110の束はそれから、樹脂槽112に浸される。樹脂槽112は、繊維110の束に熱硬化性又は熱可塑性の樹脂を染み込ませる(又は、塗布及び被覆する)。樹脂槽112はオープンバスシステム又は金型に注入するシステムとすることができる。樹脂槽112を用いると、湿潤状態の繊維束110が、1つ以上のパフォーマ114内に形成される。パフォーマ114は、繊維束110を加熱された金型116に入れるに先立ち、当該繊維束110の配向を容易にするよう構成されている。加熱された金型は、湿潤状態の繊維を所望の構成に成形し、その成形された繊維束の硬化を制御する。引き抜きデバイス118は、この工程にわたって繊維束110を引く。引き抜きデバイス118は、1対の往復クランププラーや、湿潤状態にある繊維束を係合するためのパッドを含む1対の連続するベルトのような連続的プラーを含むことができる。プラーは、一般に毎分6インチ〜毎分14フィートの範囲の所望の速度で、連続プルに同期させることができる。他の実施形態において、牽引装置118は、断続的なプルを提供するよう構成することができる引抜成形品はそれから、一般には、所定の所望の長さに切断刃120によって切断される。引抜工程100は、縦曲げに対する抵抗、重量、強度等の所望の特性を有する、高品質の繊維複合体であるハンドル部16を生産するのに用いることができる。引抜工程100は、その長さに渡って実質的に一定の直径を有するバレル部及びバレル部のインサートの生産にも用いることができる。
【0050】
図16〜25を参照すると、バットを特定のプレイヤー、チーム、アプリケーション又はリーグ用のカスタマイズするためのシステム及びその方法が示されている。本発明の様々な態様は、プログラミング可能なコンピュータデバイス又はソフトウェア命令を実行するコンピュータを用いて実施することができる。
図16は、バットをカスタマイズするためのシステム200の一例を示している。システム200を代表例とすることを意図している。当業者は、システム200を実装するにあたって、電子部品及び通信リンクを他の配置で用いることができると理解されよう。コンピュータ、スマートフォン、タブレット、パーソナルデータアシスタント、デジタルミュージックプレーヤ(iPod等)のような電子デバイス202は、プロセッサ204、システムも森206、ディスプレイ208、入力デバイス210、コンポーネントを連結するシステムバス212及びデバイスインターフェース214を含む。
【0051】
プロセッサ204は1つ以上の処理ユニットを具え、当該処理ユニットでは、メモリ206の1つ以上の命令モジュールに含まれる命令を実行するよう構成された、1つ以上の処理ユニットを具える。このアプリケーションにおいて、「処理ユニット」という用語は、既に開発されている処理ユニット又は、将来的に開発される処理ユニットで、メモリに含まれる一連の命令を実行するものを意味する。一連の命令を実行すると、処理ユニットは、制御信号を生成するようなステップを実行する。命令は、処理ユニットによって、読み出し専用メモリ(ROM)、大量記憶装置、他の永続記憶装置等からランダムアクセスメモリ(RAM)にロードして実行することができる。他の実施形態では、代わりにハードウェア回路を用いることや、ハードウェアを、記載された機能を実行するためのソフトウェア命令と組み合わせて用いることもできる。例えば、メモリ206を1つ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)の一部として実施してもよい。特に断らない限り、コントローラは、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる組合せにも、処理ユニットによって実行される命令のためのいかなる特定のソースにも制限されない。
【0052】
メモリ206は、永続記憶装置又はコンピュータ可読媒体の非一時的な記憶データ及びコードを含む。システムメモリ206はROM及びRAM、大量記憶装置、及び/又は他のいくつかの永続記憶装置を含むことができる。コンピュータ202に使用される入力装置210として、キーボード、ジョイスティック、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、音声起動入力装置及び、他の関連する入力装置を用いることができる。
【0053】
デバイスインターフェース214は、他のデバイスへのデータ送信、及び/又は、他のデバイスからのデータ受信に使用できる、任意のタイプのインターフェースとすることができる。例えば、デバイスインターフェース214は、従来のコネクタである、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースのようなポートタイプのインターフェース、ファイヤーワイヤーのIEEE1394インターフェース、PS/2インターフェース、PC/ATインターフェース、RS−232インターフェース、シリアルポートインターフェース、アースネットポート又は他のテレフォン型インターフェースとすることができる。さらに、デバイスインターフェース214は、他のデバイスとワイヤレス通信を行うための、ワイヤレストランシーバを含むことができる。例えば、デバイスインターフェース214は、WiFi又はBluetoothのような無線周波数のトランシーバを実装することができる。デバイスインターフェース214は、代わりに、赤外線周波数、光周波数、超音波周波数のトランシーバを実装してもよい。デバイスインターフェース214は、内部インターフェースとしてもよいし、当業者間では周知の外部のネットワークインターフェースとしてもよい。もちろん、他のコンピュータとリンクする通信を確立する他の手段を用いてもよいことが理解されよう。
【0054】
一般に、コンピュータ202は1つ以上の他のコンピュータデバイスに接続するよう構成される。コンピュータ202は、通常、他のコンピュータ222のような1つ以上の遠隔デバイスへの論理接続を使用するネットワーク環境で動作することができる。コンピュータ202は、ローカルネットワーク(LAN)又は、インターネット220のような広域ネットワーク(WAN)を介して、1つ以上の遠隔デバイスに接続することができる。遠隔コンピュータ222は、プロセッサ221、メモリ226、ディスプレイ228、入力装置230、バス232及びデバイスインターフェース234を含むコンピュータ202と同様の構成要素を含むことができる。ネットワーク環境下で用いる場合、コンピュータシステム202は、デバイスインターフェース214を介してネットワークに接続することができる。
【0055】
図17〜25を参照すると、コンピュータ202は、本発明の種々の実施形態を実施するためのソフトウェア命令を実行する。これらの命令に基づいて、コンピュータ202は、一連のグラフィカルユーザインターフェースをユーザに表示する。ユーザは、それから1つ以上の入力デバイス210を操作し、ユーザインターフェース(ディスプレイ)208を介してコンピュータ202にデータを入力する。例えば、本発明の種々の実施形態に伴って、ユーザは、マウスのようなポインティングデバイス、ローラーボール、ジョイスティック又はタッチパッドのような入力デバイス210を操作して、グラフィカルユーザインターフェースに表示される選択インディケータの外観を変える。入力デバイス210は、特定のグラフィカルユーザインターフェース上に表示された特徴、特性、オプション又は選択肢等を選択するのに用いられる。
【0056】
図16〜25には、カスタマイズされたバットを構成、設計、指定又はオーダーするための、カスタマイズツール、システム又は方法200が図示されている。ディスプレイ208には、一連のカスタマイズされたユーザインターフェースUIが表示されている(
図16〜24)。ここには、ユーザが選択及び/又はカスタマイズするための様々なオプションが視覚的に表示されている。マウス、タッチパッド、キーボード等の入力デバイス210を用いて、ユーザはバットのカスタマイズ情報をコンピュータ202に入力できる。ユーザは、カスタマイズするバットの1つ以上の特徴、特性又はオプションを選択することによって、入力選択を行うことができる。ユーザインターフェースUIは、製造者の指名、様々なバットモデルの特徴又はバットコンポーネント、他のマーケティング資料、役立つヒント、デザインチップ、デザインの選択、フォント、グラフィック及びユーザによるレビュースタイル等の他の情報を含めることができる。
【0057】
応答として選択情報を受信するコンピュータ202は、ディスプレイ208に入力された情報を処理、整理又は中継して、メモリ206に保存するか、コンピュータ202から離れた場所に、例えばインターネット220を介して、1つ以上の電子デバイス222に情報を伝達する。デバイスインターフェース214は、小売店、製造者又は処理のためにカスタマイズしたバットの供給者に選択情報の転送し、処理することができる。
【0058】
小売店に情報が提供されると、例えば、小売店は在庫状況を確認し、ユーザに指定された機能及び特性を有するコンポーネントのバットを選択することができる。製造者又は供給者に情報が提供されると、製造者又は供給者は、選択された情報を用いて、ユーザに特定された機能及び特性を有する新しいバット又はバットコンポーネントを製造する。本発明のいくつかの実施形態では、ユーザの入力選択データは、小売店、サプライヤー又は製造者に連続的に提供することができる。代わりに、ユーザの入力選択データは、その入力選択データが最終的な発注情報を表示していることがユーザによって示された後に、小売店、サプライヤー又は製造者に提供してもよい。例えば、システム200は、ユーザのクレジットカード情報や電子決済のサービスアカウントのような支払い情報も同様にユーザが提供するまで、ユーザの選択情報を小売店や製造者に提供するのを延期することができる。
【0059】
図17には、ユーザインターフェースUI240が示されている。UI240は、カスタマイズされたバットの対象であるユーザ情報や、カスタマイズしたバットのアプリケーション情報を得るよう構成された複数のウインドウを提供する。ユーザインターフェースUI240は、ユーザの年齢、身長、体重及び/又は性別、バットが使用されるリーグや団体、ユーザのスキルレベル、該当するプレイヤーの目的、ユーザの予算、及びそれらの組合せを決定するプロンプト、ウインドウ又は選択肢242が表示される。ユーザインターフェースUI240は、また、ユーザが英数字データ(例えば、ユーザのニックネーム)を、カスタマイズしたバットの特定の位置に入力できる1つ以上のデータフィールド244を含むことができる。記載されるユーザインターフェースUI240は、この種の情報をバットカスタマイズシステムに入力できる方法の一例である。他の構成のユーザインターフェースUI240を用いることもできる。
【0060】
図18には、ユーザインターフェースUI246が示されている。複数のハンドル部16が図示されている。ユーザインターフェースUI246は、1つ以上のウインドウを含み、様々な特徴を有するハンドル部16を提供することができる。その特徴とは、長さ、外径、重量、色、曲げ抵抗の大きさ、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI246を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI246によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適なハンドル部を選択することができる。ユーザインターフェースUI246の他の例も用いることができる。他の態様では、単一のハンドル部16が例示され、当該ハンドル部16の1つ以上の特徴を、ユーザが入力デバイス210を介して入力した情報に基づいて変更することができる。例えば、第1の色、第1の長さ及び第1の直径で示されたハンドル部16について、ユーザは入力デバイス210を介して、1つ以上の異なる色、異なる長さ、及び/又は異なる外径を選択することができる。
【0061】
図19には、複数のバレル部18が図示されたユーザインターフェースUI248が表示されている。ユーザインターフェースUI248は、また、バレル部18の特性のバリエーションを提供する1つ以上のウインドウを含むことができる。その特性とは、長さ、外径、重量、重量分布、公称外径、最大外径、モデル名、色、剛性、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI248を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI248によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適なバレル部を選択することができる。ユーザインターフェースUI248の他の例も用いることができる。他の態様では、単一のバレル部18が例示され、当該バレル部18の1つ以上の特徴を、ユーザが入力デバイス210を介して入力した情報に基づいて変更することができる。例えば、第1の色、第1の長さ及び第1の直径で示されたバレル部18について、ユーザは入力デバイス210を介して、1つ以上の異なる色、異なる長さ、及び/又は異なる外径を選択することができる。
【0062】
図20には、複数の要素20が図示されたユーザインターフェースUI250が表示されている。ユーザインターフェースUI250は、また、要素20の特性のバリエーションを提供する1つ以上のウインドウを含むことができる。その特性とは、長さ、外径、重量、モデル名、色、形状、テクスチャ、パターン、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI250を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI250によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適な要素20を選択することができる。ユーザインターフェースUI250の他の例も用いることができる。他の態様では、単一の要素20が例示され、当該要素20の1つ以上の特徴を、ユーザが入力デバイス210を介して入力した情報に基づいて変更することができる。例えば、第1の色及び第1の長さで示された要素20について、ユーザは入力デバイス210を介して、1つ以上の異なる色及び異なる長さを選択することができる。
【0063】
図21、22には、複数のエンドキャップ30及びノブ28が図示された、ユーザインターフェースUI252及び254が表示されている。ユーザインターフェースUI252及び254は、また、エンドキャップ30及びノブ28のそれぞれの特性のバリエーションを提供する1つ以上のウインドウを含むことができる。その特性とは、重量、モデル名、色、形状、テクスチャ、パターン、デザイン、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI252又はUI254を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI252又はUI254によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適なエンドキャップ30及びノブ28を選択することができる。ユーザインターフェースUI252又はUI254の他の例も用いることができる。他の態様では、単一のエンドキャップ30及びノブ28が例示され、当該エンドキャップ30及びノブ28の1つ以上の特徴を、ユーザが入力デバイス210を介して入力した情報に基づいて変更することができる。例えば、第1の色及び第1のサイズで示された要素20について、ユーザは入力デバイス210を介して、1つ以上の異なる色及び異なるサイズを選択することができる。
【0064】
図23には、複数のグリップ26が図示された、ユーザインターフェースUI256が表示されている。ユーザインターフェースUI256は、また、グリップ26のそれぞれの特性のバリエーションを提供する1つ以上のウインドウを含むことができる。その特性とは、長さ、色、厚み、テクスチャ、パターン、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI256を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI256によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適なグリップ26を選択することができる。ユーザインターフェースUI256又の他の例も用いることができる。他の態様では、単一のグリップ26が例示され、当該グリップ26の1つ以上の特徴を、ユーザが入力デバイス210を介して入力した情報に基づいて変更することができる。例えば、第1の色及び第1のテクスチャで示された要素20について、ユーザは入力デバイス210を介して、1つ以上の異なる色及び異なるテクスチャを選択することができる。
【0065】
図24には、複数の管状インサート82が図示された、ユーザインターフェースUI258が表示されている。ユーザインターフェースUI258は、また、管状インサート82のそれぞれの特性のバリエーションを提供する1つ以上のウインドウを含むことができる。その特性とは、長さ、外径、重量、重量分布、モデル名、剛性、材質、及びそれらの組合せ等である。入力デバイス210は、UI258を介した選択や、また別の方法ではナビゲートに用いることもできる。ユーザインターフェースUI258によって、ユーザは、ユーザのニーズ、スキルレベル、リーグ、サイズ、年齢、強度等に最適な管状インサート82を選択することができる。ユーザインターフェースUI258又の他の例も用いることができる。
【0066】
図25を参照して、ユーザインターフェースUI260は、ユーザの入力した選択に応じて組み立てられたバットを示すよう構成することができる。ユーザインターフェース260では、ユーザは、選択の編集、承諾、キャンセルを行うことができる。例えば、異なる色、色の組合せ、グラフィックス、スタイル、ネーム262のような印、モデル名等の、ユーザによる使用、調整又は編集が可能である。ユーザインターフェースUI260では、展開図、ズーム機能又は他のコンポーネントビューを用いることができるので、選択してカスタマイズしたバットをビジュアル化するのに役立つ。ユーザインターフェースUI260において、ユーザは、1つ以上のグラフィック及び/又は英数字の印を、バットの1つ以上の構成用素に設けることができる。例えば、プレイヤーの名前やチーム名を、ユーザインターフェースUI260上又は他のユーザインターフェースの1つでプレゼンテーションするように、システム200にアップロードすることができる。ユーザは、サイズ、位置、色、色の組合せ、フォント、スタイル及び他のパラメータをユーザインターフェースUI260条で調整することができる。ユーザは、印の特定の向きや色、スタイルの選択を入力したり、当該印の削除、又は印の編集を続行する旨を入力することができる。
【0067】
ユーザインターフェース246〜260は、その順序、スタイル又は組合せを変更することができる。一形態において、バットの構成要素のプレゼンテーションは、1つの構成要素の上に、次の構成要素を重ねる方法で示すことができる。例えば、まず、ユーザインターフェースUI248がユーザに提示されてバレル部18を選択可能とし、続いてUI258にてインサートを選択し、そしてUI246及びUI250が続く。このような態様では、ユーザインターフェースUI248は、ディスプレイ上の構成要素によって、構成要素が組み立てられたバット10を例示することができる。
【0068】
本発明のバット10には、既存のバットに対して数多くのアドバンテージがある。そのようなアドバンテージの1つが、本発明のバット10は、競争力のある、系統的な野球又はソフトボール用に構成されていることである。例えば、本発明に係るバットの実施形態は、バット規格及び/又は以下に記載する1つ以上の野球協会及びソフトボール協会の要件を完全に満たしている。
・Amateur Softball Association of America (“ASA”) Bat Testing and Certification Program Requirements (including the current ASA 2004 Bat Standard and the ASA 2000 Bat Standard)
・United States Specialty Sports Association (“USSSA”) Bat Performance Standards for baseball and softball
・International Softball Federation (“ISF”) Bat Certification Standards
・National Softball Association (“NSA”) Bat Standards
・Independent Softball Association (“ISA”) Bat Requirements
・Ball Exit Speed Ratio (“BESR”) Certification Requirements and other requirements of the National Federation of State High School Associations (“NFHS”)
・Little League Baseball Bat Equipment Evaluation Requirements
・PONY Baseball/Softball Bat Requirements
・Babe Ruth League Baseball Bat Requirements
・American Amateur Baseball Congress (“AABC”) Baseball Bat Requirements
・the NCAA BBCOR Standard or Protocol.
このように、「組織化され、競争力あるプレイのためのバット構成」とは、上記組織の1つ以上のバット規格及び/又は要求を完全に満たし、且つプレイするための機能を完全に具えるものを意味する。
【0069】
さらに、本発明の方法に従って製造されたバットは、特定のユーザの特定のニーズを完全に満たすようカスタマイズして構成することができ、一方で、信頼性及び競技性があり、バットのバレル部又は打球部に沿って非常に優れた感触と最適化されたパフォーマンスが可能でもある。本発明の方法に係るバット構成が、プレイヤーに非常に優れた感覚とパフォーマンスを提供するのは、要素がバレル部(該当する場合はインサートも)をバットのハンドル部から離間させているからであり、これによって、ボールの打球の衝撃がハンドルポーションを伝わってプレイヤーに到達する振動及び/又は衝撃エネルギー量が、著しく(又は、プレイヤー又はバットの設計者の要求したように)低減される。本発明に係るバット構成はコスト効率が良く、リードタイムを短縮し、廃棄物量を低減するとともにより少ない工数にて迅速に製造することができる。本発明は、バッドデザインの自由度を著しく改善し、特定のプレイヤー、特定のチーム及び/又は特定のアプリケーションのための特別な仕立て、調整及び設計能力をさらに助長する。本発明は、オンラインテイラーを含むあらゆるタイプのテイラーが実施可能であり、オーダーメイドのバットを効率的でコスト効果の高い方法にて顧客に提供することができる。本発明は、多くのサプライヤーが、完成形のバットではなくバットの構成要素を在庫及び取得するのを可能にするので、バットの在庫がより効率化され、未使用又は見切り品のバッドモデルを減らすことができる。
【0070】
本発明の好適な実施形態を図示して説明してきたが、様々な変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。当業者は、また、本発明が上述の詳細の多くを含まずとも実施可能であると理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲に記載された精神及び範囲内における、全ての代替、修正及びバリエーションを含むことが意図されている。さらに、いくつかの周知の構造又は機能は、当業者に公知であるため、詳細には説明していない。本明細書で使用される用語は、本発明の特定の具体的な実施形態の説明と併せて使用されていたとしても、具体的且つ公然と定義されている場合を除き、最も広く合理的に解釈されることを意図している。