特許第6393486号(P6393486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6393486ディスプレイ装置及びそれを含む充電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393486
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びそれを含む充電システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20180910BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20180910BHJP
   H02J 50/00 20160101ALI20180910BHJP
【FI】
   G09G3/20 612A
   G09G3/20 612B
   G09G3/20 624C
   G09G3/20 680G
   G09G3/20 691D
   G09G3/36
   H02J50/00
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-27564(P2014-27564)
(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公開番号】特開2014-157355(P2014-157355A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0016591
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明 薫
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲てい▼ 祐
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲よん▼ 俊
【審査官】 武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−213251(JP,A)
【文献】 特開2010−32826(JP,A)
【文献】 特開2012−249405(JP,A)
【文献】 特開2005−79786(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0214462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電極を含むディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルを駆動させるパネル駆動部と、
充電装置から電力を供給され、供給された電力を保存する電力保存部と、
前記パネル駆動部及び前記電力保存部のうちのいずれか一方に前記電極を連結するスイッチング部と、
前記電極と前記充電装置の充電電極との間に形成される電場の変化をセンシングするセンサーと、を備え
前記電場が基準値を超えれば、前記スイッチング部は、前記電極を前記電力保存部に連結し、前記電場が基準値以下であれば、前記スイッチング部は、前記電極を前記パネル駆動部に連結することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記電極は、前記ディスプレイパネルの電極のうち、最外部に配置される電極であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記電極は、第1電極と、前記第1電極と離隔して配置された第2電極と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記電極は、前記ディスプレイパネルに共通電圧を印加する共通電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記パネル駆動部は、前記共通電極に共通電圧を印加する電圧発生部を備えることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ディスプレイパネルがタッチスクリーンである場合、前記電極は、タッチを感知するためのタッチ電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記パネル駆動部は、前記タッチ電極の電圧変化を感知する感知部を備えることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記電極が前記電力保存部と連結された場合、前記電力保存部は、電界結合方式によって、前記充電装置から電力を供給されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記充電装置から電力を供給される時、前記電極は、前記充電装置の充電電極と共にキャパシタを形成することを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
バッテリーをさらに含み、
前記バッテリーの電圧値が基準値を超えれば、前記スイッチング部は、前記電極を前記パネル駆動部に連結することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記ディスプレイ装置が第1位置にセットされた後、一定時間の間、前記充電装置から電力が供給されなければ、前記スイッチング部は、前記電極を前記パネル駆動部に連結することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項1〜1のいずれか1項に記載のディスプレイ装置と、
前記ディスプレイ装置に電力を供給する充電装置と、を備えることを特徴とする充電システム。
【請求項13】
前記充電装置は、前記電極と共にキャパシタを形成する充電電極を含むことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項14】
前記充電電極は、薄膜型の電極であることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項15】
前記充電電極の断面積は、前記電極の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または1に記載の充電システム。
【請求項16】
前記充電装置は、キャパシタを通じた電力供給による抵抗を補償する第1補償回路をさらに含むことを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の充電システム。
【請求項17】
前記第1補償回路は、インダクターを備えることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項18】
前記ディスプレイ装置は、前記充電装置と前記ディスプレイ装置とのインピーダンス整合のための第2補償回路をさらに含むことを特徴とする請求項1または1に記載の充電システム。
【請求項19】
前記第2補償回路は、インダクター及びキャパシタのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイパネルを利用して無線充電するディスプレイ装置及びそれを含む充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人が携帯する電子機器の種類が多様化し、携帯用機器の性能が進化するに連れて、このような電子機器に電力を供給するバッテリーの充電が日常化している。電子機器の充電に利便性を提供する技術として、無線充電方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0315389号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ディスプレイパネルの電極を利用して、外部機器から無線充電を行うディスプレイ装置及びそれを含む充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、本発明の一類型によるディスプレイ装置は、少なくとも一つの電極を含むディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルを駆動させるパネル駆動部と、外部機器から電力を供給され、供給された電力を保存する電力保存部と、前記パネル駆動部及び前記電力保存部のうちのいずれか一方に前記電極を連結するスイッチング部と、を備える。
【0006】
そして、前記電極は、前記ディスプレイパネルの電極のうち、最外部に配置される電極である。
【0007】
また、前記電極は、第1電極及び前記第1電極と離隔して配置された第2電極を含む。
【0008】
そして、前記電極は、前記ディスプレイパネルに共通電圧を印加する共通電極である。
【0009】
また、前記パネル駆動部は、前記共通電極に共通電圧を印加する電圧発生部を備える。
【0010】
そして、前記ディスプレイパネルがタッチスクリーンである場合、前記電極は、タッチを感知するためのタッチ電極である。
【0011】
また、前記パネル駆動部は、前記タッチ電極の電圧変化を感知する感知部を備える。
【0012】
そして、前記電極が前記電力保存部と連結された場合、前記電力保存部は、電界結合方式によって、前記外部機器から電力を供給される。
【0013】
また、前記外部機器から電力を供給される時、前記電極は、前記外部機器の充電電極と共にキャパシタを形成する。
【0014】
そして、前記ディスプレイ装置は、前記電極周辺の電場の変化をセンシングするセンサーをさらに含み、前記電場が基準値を超えれば、前記スイッチング部は、前記電極を前記電力保存部に連結する。
【0015】
また、前記ディスプレイ装置は、バッテリーをさらに含み、前記バッテリーの電圧値が基準値を超えれば、前記スイッチング部は、前記電極を前記パネル駆動部に連結する。
【0016】
そして、前記ディスプレイ装置が第1位置にセットされた後、一定時間の間、前記外部機器から電力が供給されなければ、前記スイッチング部は、前記電極を前記パネル駆動部に連結する。
【0017】
一方、本発明の一類型による充電システムは、上述したディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置に電力を供給する充電装置と、を備える。
【0018】
そして、前記充電装置は、前記電極と共にキャパシタを形成する充電電極を含む。
【0019】
また、前記充電電極は、薄膜型の電極である。
【0020】
そして、前記充電電極の断面積は、前記電極の断面積よりも大きい。
【0021】
また、前記充電装置は、キャパシタを通じた電力供給による抵抗を補償する第1補償回路をさらに含む。
【0022】
そして、前記第1補償回路は、インダクターを備える。
【0023】
また、前記ディスプレイ装置は、前記充電装置と前記ディスプレイ装置とのインピーダンス整合(マッチング)のための第2補償回路をさらに含む。
【0024】
そして、前記第2補償回路は、インダクター及びキャパシタのうちの少なくとも一つを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ディスプレイパネルの電極を利用して無線充電を行うため、無線充電のための別途の構成要素が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る無線充電システムを示すブロック図である。
図2図1の充電装置を示すブロック図である。
図3図1のディスプレイ装置を示すブロック図である。
図4図3の電力保存部を示すブロック図である。
図5A】本発明の一実施形態に係るディスプレイパネルの概略的な断面図である。
図5B図5Aのディスプレイパネル内の共通電極の平面図である。
図5C図5Aのディスプレイパネルの電極を利用したディスプレイまたは充電に関連するブロック図である。
図5D図5Aのディスプレイパネルが充電装置と結合されたところを概略的に示す図である。
図6A】本発明の一実施形態に係るタッチスクリーンパネルの概略的な断面図である。
図6B図6Aのタッチスクリーンパネルのタッチ電極の平面図である。
図6C図6Aのタッチスクリーンパネルの駆動または充電に関連するブロック図である。
図6D図6Aのディスプレイパネルが充電装置と結合されたところを概略的に示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置が無線充電される時の概略的な等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る無線充電システムを、添付した図面を参照して説明する。添付図面に示された層や領域の幅及び厚さは、明細書の明確性のために、多少誇張して示される。詳細な説明全体において、同じ参照番号は、同じ構成要素を表す。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線充電システムを示すブロック図である。
【0029】
図1を参照すれば、無線充電システム100は、充電装置200と、充電装置200から電力を供給されて、装着された電力保存装置(例:バッテリー)を充電するディスプレイ装置300と、を備える。充電を行う一例として、充電装置200の充電電極と、ディスプレイ装置300の電極とを接近させて、電極間に発生する電界を利用する。このような電界結合方式または容量結合方式の充電のために、ディスプレイ装置300のディスプレイパネルに含まれた電極を、充電のための電極として利用する。そして、本実施形態に適用されるディスプレイ装置300は、バッテリーの電力を利用して駆動する装置であって、携帯電話、スマートフォン(Smart Phone)、ノート型パソコン(Notebook Computer)、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーションなどの携帯端末である。
【0030】
図2は、図1の充電装置200を示すブロック図である。図2を参照すれば、充電装置200は、充電電極210、発振器220、及び第1制御部230を備える。
【0031】
充電電極210は、厚さが薄く、かつ断面積が大きい薄膜型の電極である。充電電極210は、ディスプレイ装置300のディスプレイパネルに含まれた電極よりも大きい。充電装置200の充電電極210が、ディスプレイ装置300内のディスプレイパネルの電極よりも大きければ、充電装置200の充電可能領域を拡大することができるためである。充電電極210は、ディスプレイ装置300のディスプレイパネルとカップリングされるように、充電装置200の外郭に配置され、充電電極210の上には、絶縁フィルムが塗布される。充電電極210は、Ti、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、またはCuのような金属;ITO(Indium Tin Oxide)、AZO(Aluminium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SnO(Tin Oxide)またはIn等の金属酸化物;グラフェン、または炭素ナノチューブなどの炭素構造がある。充電装置200に含まれた充電電極210は、一つ以上である。充電電極210が複数個である場合、複数の充電電極210は、ディスプレイ装置300と並列連結されるように、並んで離隔して配置される。
【0032】
発振器220は、外部アダプタまたは充電装置200にあるバッテリーの電圧を印加されて、交流電圧を生成し、前記交流電圧を充電電極210に印加する。
【0033】
第1制御部230は、充電装置200の全般的な動作を行う。例えば、第1制御部230は、充電装置200と連結されるディスプレイ装置300のバッテリー充電の処理及び制御を行い、ディスプレイ装置300に無線で充電を行うための一連の処理を行う。
【0034】
図3は、図1のディスプレイ装置300を示すブロック図である。図3を参照すれば、ディスプレイ装置300は、ディスプレイパネル310、パネル駆動部320、電力保存部330、スイッチング部340、第2制御部350、センサー360、及びユーザインタフェース370を備える。
【0035】
ディスプレイ装置300に適用されるディスプレイパネル310は、一般的なディスプレイパネルやタッチ機能を有するタッチスクリーンパネルであり、ディスプレイ装置300の動作に関する多様な情報を表示する。
【0036】
パネル駆動部320は、ディスプレイパネル310の固有な機能である表示機能を行うために、ディスプレイパネル310を駆動させる。パネル駆動部320は、ディスプレイパネル310を駆動させるために、ディスプレイパネル310に含まれた電極に、電圧を印加する。例えば、パネル駆動部320は、ディスプレイパネル310の共通電極またはタッチ電極に、電圧を印加する電圧発生部(図示せず)を含む。
【0037】
電力保存部330は、外部機器から電力を供給されて保存した後、ディスプレイ装置300の負荷380の駆動に必要な電圧を生成し、生成した電圧を負荷380に印加する。
【0038】
スイッチング部340は、第2制御部350の制御下において、ディスプレイパネル310をパネル駆動部320または電力保存部330に選択的にスイッチングする。
【0039】
一方、第2制御部350は、ディスプレイ装置300の全般的な動作を行う。例えば、第2制御部350は、センサー360からのセンシング結果に基づいて、ディスプレイパネル310がパネル駆動部320または電力保存部330に連結されるように、スイッチング部340を制御する。センサー360は、ディスプレイパネル310の上側での電場の変化をセンシングする電場センサーである。
【0040】
ディスプレイパネル310が充電装置200の充電電極210に近接すれば(例えば、ディスプレイパネル310が充電電極210に対向するように、充電電極210の上側に位置すれば)、充電電極210とディスプレイパネル310の最外郭の電極との間に、電場が形成される。センサー360は、ディスプレイパネル310の上側での電場の変化率または電場の強度が基準値を超えれば、その結果を第2制御部350に適用する。それにより、第2制御部350は、ディスプレイパネル310と電力保存部330とが連結されるように、スイッチング部340を制御する。
【0041】
または、ディスプレイパネル310と充電電極210とが所定距離以上に離隔されれば、充電電極210とディスプレイパネル310の最外郭の電極との間に、電場の変化率または電場の強度は、基準値以下となる。センサー360は、ディスプレイパネル310の上側での電場の変化率または電場の強度が基準値以下であることを感知すれば、その結果を第2制御部350に適用する。それにより、第2制御部350は、ディスプレイパネル310とパネル駆動部320とが連結されるように、スイッチング部340を制御する。
【0042】
それだけでなく、第2制御部350は、ユーザインタフェース370からユーザの命令を入力されて、スイッチング部340を制御してもよい。例えば、ディスプレイパネル310の表示機能をアクティブにしようとする表示モードが、ユーザインタフェース370から設定されれば、第2制御部350は、ディスプレイパネル310とパネル駆動部320とが連結されるように、スイッチング部340を制御する。または、充電モードがユーザインタフェース370から設定されれば、第2制御部350は、ディスプレイパネル310と電力保存部330とが連結されるように、スイッチング部340を制御してもよい。
【0043】
それ以外にも、ディスプレイパネル310が充電装置200と近接している状態でも、バッテリー430の電圧値が基準値以上である場合、第2制御部350は、ディスプレイパネル310がパネル駆動部320と連結されるように、スイッチング部340を制御する。また、ディスプレイ装置300が所定位置にセットされた後、一定時間の間、充電装置200から電力が供給されなければ、第2制御部350は、ディスプレイパネル310がパネル駆動部320と連結されるように、スイッチング部340を制御する。
【0044】
図4は、図3の電力保存部330を示すブロック図である。電力保存部330は、整流部410、充電部420、バッテリー430、及び電源部440を備える。
【0045】
整流部410は、バッテリー430に電力を充電するために、充電装置200から受信された交流電圧から直流電圧を生成する。そして、充電部420は、整流部410で生成された直流電圧でバッテリー430を充電してもよく、前記直流電圧を電源部440に印加してもよい。
【0046】
電源部440は、バッテリー430または充電部420から印加された直流電圧を使用して、パネル駆動部320、第2制御部350、センサー360など、ディスプレイ装置300の負荷380の駆動に必要な電圧を生成し、生成した電圧を負荷380に印加する。
【0047】
ディスプレイ装置300に設けられたバッテリー430は、反復的に充電及び放電を行う電池である。バッテリー430は、整流部410から生成された直流電圧が供給されることによって充電され、電源部440を通じて、バッテリー430に充電された電力が負荷380に供給されることによって、放電される。
【0048】
一方、ディスプレイパネル310には、表示機能を行うための多数の層が積層されている。ディスプレイパネル310がパネル駆動部320と連結されれば、ディスプレイパネル310内の層は、印加された電圧によって、固有の機能を行う。一方、ディスプレイパネル310が電力保存部330と連結されれば、ディスプレイパネル310の電極は、充電のための電極として利用される。ディスプレイパネル310の電極のうち最外郭(最外部)に配置された電極が、充電のための電極として利用される。
【0049】
図5Aは、本発明の一実施形態に係るディスプレイパネルの概略的な断面図であり、図5Bは、図5Aのディスプレイパネル内の共通電極の平面図であり、図5Cは、図5Aのディスプレイパネルの電極を利用したディスプレイまたは充電に関連したブロック図であり、図5Dは、図5Aのディスプレイパネルが充電装置と結合されたところを概略的に示した図である。
【0050】
図5Aに示したように、ディスプレイパネル500は、アレイ基板510、液晶層520、及び対向基板530を備える。アレイ基板510は、ソース配線DL、ゲート配線GL、及び画素電極PEが形成された第1基板511と、第1基板511の下部に配置された第1光学フィルム512と、を含む。そして、対向基板530は、共通電極531及びカラーフィルタ532が形成された第2基板533と、第2光学フィルム534と、を含む。
【0051】
共通電極531は、第2基板533の全体において、一層に形成されてもよく、複数の画素電極PEをグルーピングして、グルーピングされた画素電極PE毎に1個の電極に形成されてもよく、画素電極PE毎に1個の電極に形成されてもよい。また、図5Bに示したように、共通電極531は2個に形成される。共通電極531が2個である場合、充電効率が高い。
【0052】
そして、パネル駆動部320aは、図5Cに示したように、電圧発生部610、ゲート駆動部620、及びソース駆動部630を備える。
【0053】
電圧発生部610は、電源部440から電源を供給されて、駆動電圧を生成する。駆動電圧は、ゲート駆動部620に提供されるゲートオン/オフ電圧VSS,VDDと、ソース駆動部630に提供される基準電圧VREFと、共通電極に提供される共通電圧VCOMを含む。
【0054】
スイッチング部340が共通電極531をパネル駆動部320aの電圧発生部610に連結させれば、ゲート駆動部620は、第2制御部350から提供されるゲート制御信号によって、ゲートオン電圧VSSまたはゲートオフ電圧VDDを、ゲート配線GLに出力する。ゲート制御信号は、垂直開始信号STVを含む。ソース駆動部630は、基準電圧VREFに基づいて、データ信号をソース配線DLに出力する。そして、電圧発生部610は、共通電極531に共通電圧VCOMを出力する。
【0055】
ゲート信号によって選択された画素の画素電極PEと共通電極531との間に、それぞれデータ信号及び共通電圧が印加されて、所定の電界が形成される。そして、電界によって変化した液晶の配列角によって、光の透過度が調節されて、画像が表示される。この時、共通電極531は、表示用電極の役割を果たす。
【0056】
一方、スイッチング部340が共通電極531を整流部410に連結させれば、共通電極531を基準として、ディスプレイパネル500の上側には、カラーフィルタ532、第2基板533、及び第2光学フィルム534が配置されているため、共通電極531は、充電装置200の充電電極210とキャパシタを形成する。
【0057】
例えば、図5Dに示したように、ディスプレイパネル500を充電装置200の充電電極212,214上に配置すれば、第1充電電極212及び第2充電電極214は、ディスプレイパネル500の第1共通電極531a及び第2共通電極531bに並列的に連結されて、二つのキャパシタCm1,Cm2を形成する。二つのキャパシタCm1,Cm2を通じて、電界結合方式で、充電装置200からディスプレイ装置300に電力が供給される。そして、共通電極531は、充電用電極として活用される。
【0058】
図6Aは、本発明の一実施形態に係るタッチスクリーンパネルの概略的な断面図であり、図6Bは、図6Aのタッチスクリーンパネルのタッチ電極の平面図である。図6Cは、図6Aのタッチスクリーンパネルの駆動または充電に関連したブロック図であり、図6Dは、図6Aのディスプレイパネルが充電装置と結合されたところを概略的に示した図である。
【0059】
図6A及び図6Bに示したように、タッチスクリーンパネル600は、ディスプレイパネル500上にタッチパネル540をさらに含む。タッチパネル540は、第3基板541及びタッチ電極542を含む。タッチ電極542は、タッチパネル540表面へのタッチを感知する。
【0060】
タッチ電極542は、第1方向、例えば、行方向に沿って、各行ライン別に形成された多数の第1電極セル542aと、第1電極セル542aと重畳されないように交互に配置されるが、第1方向と交差する第2方向、例えば、列方向に沿って各列ライン別に形成された多数の第2電極セル542bと、を含む。第1電極セル542aは、少なくとも二つがグルーピングされて電気的に連結されており、第2電極セル542bも、少なくとも二つがグルーピングされて電気的に連結される。しかし、第1電極セル542aと第2電極セル542bは、相互電気的に連結されていない。
【0061】
このような電極セル542a,542bは、タッチパネルの下部に配置される表示パネル(図示せず)からの光が透過するように、Indium Tin Oxide(ITO)のような透明な導電性物質で形成される。
【0062】
パネル駆動部320bは、図6Cに示したように、ディスプレイパネル500を駆動させるディスプレイパネル駆動部710、及びタッチパネル530を駆動させるタッチパネル駆動部720を含む。また、パネル駆動部320bは、タッチ電極542の電圧変化を感知する感知部(図示せず)を含む。スイッチング部340は、タッチ電極542をパネル駆動部320bのタッチパネル駆動部720、または電力保存部330の整流部410に選択的に連結させる。タッチスクリーンパネル600の最外郭電極は、タッチ電極542であるため、タッチ電極542を充電用電極として活用する。このような場合、タッチスクリーンパネル600内の共通電極は、表示用電極だけとして活用する。さらに説明すれば、タッチスクリーンパネル600は、共通電極が、ディスプレイパネル駆動部710の電圧発生部(図示せず)と連結されるだけであり、スイッチング部340と連結されない。
【0063】
スイッチング部340がタッチ電極542をタッチパネル駆動部720に連結させれば、タッチパネル駆動部720は、タッチパネル540を駆動させる。例えば、タッチパネル駆動部720は、タッチパネル540上のタッチ位置を検出して、タッチ情報をディスプレイパネル駆動部710に伝達する。ディスプレイパネル駆動部710は、タッチ情報を反映して、ディスプレイパネル500を駆動する。タッチ位置は、電極セル542a,542bの電圧変化に基づいて検出される。
【0064】
一方、スイッチング部340は、タッチ電極542を整流部410に連結させる。タッチ電極542は、第1電極セル542a及び第2電極セル542bを含んでいるため、スイッチング部340は、第1電極セル542a及び第2電極セル542bのうちいずれか一方を整流部410に連結させる。例えば、第1電極セル542aを整流部410に連結させる。そして、第1電極セル542aは、第1及び第2サブ電極にグルーピングされており、第1及び第2サブ電極は、相互離隔して配置されて、電気的に連結されておらず、第1及び第2サブ電極のそれぞれに含まれた電極セルは、互いに電気的に連結される。タッチ電極542を基準として、タッチパネル540の上側には、第3基板541が配置されているため、タッチ電極542は、充電装置200の充電電極210とキャパシタを形成する。
【0065】
例えば、図6Dに示したように、タッチスクリーンパネル600を充電装置200の充電電極210上に配置すれば、第1充電電極212及び第2充電電極214は、タッチパネル540の第1サブ電極542c及び第2サブ電極542dに並列的に連結されて、二つのキャパシタを形成する。二つのキャパシタを通じて、電界結合方式で、充電装置200からディスプレイ装置300に電力が供給される。そして、タッチ電極541は、充電用電極として活用される。
【0066】
図7は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置300が無線充電される時の概略的な等価回路図である。
【0067】
回路の左側は、充電装置200に相当し、回路の右側は、電力保存部330に相当する。一方、充電装置200が電力保存部330に電力を供給する時、電力伝達過程で、キャパシタCm1,Cm2で抵抗が発生する。そして、充電装置200には、前記抵抗を補償する第1補償回路810が含まれる。第1補償回路810は、インダクターL1で構成され、発振器220と直列に連結される。
【0068】
また、充電装置200と電力保存部330とのインピーダンスをマッチングさせるために、電力保存部330には、第2補償回路820がさらに含まれる。第2補償回路820は、インダクターL2及びキャパシタCpで構成される。第2補償回路820は、電力保存部330のロード抵抗RLと並列に連結される。インダクターL2のインダクタンス及びキャパシタCpのキャパシタンスは、いずれも可変であり、第2補償回路820は、インダクターL2及びキャパシタCpのうちのいずれか一つだけで構成され得る。それにより、電力保存部330は、充電装置200のインピーダンスに関係なく、充電装置200から無線充電される。
【0069】
ディスプレイパネル500,600は、説明の便宜のための例に過ぎない。ディスプレイパネル500,600と異なる構造を有するディスプレイパネルにも、前述した原理が適用される。付け加えれば、すなわち、ディスプレイパネルのうち最外郭に配置された電極が、充電のための電極として機能する。
【0070】
本実施形態において、ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイパネルを例示したが、それに限定されない。プラズマパネルディスプレイ(PDP:Plasma Panel Display)、有機電界発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイパネル、電界効果ディスプレイパネル(FED:Field Emission Display)にも適用される。
【0071】
無線充電を具現するために、既存のアンテナと別途に充電用電極を電子機器に内蔵する必要があった。しかし、充電用電極を電子機器に内蔵させれば、電子機器のサイズが大きくなり、電子機器内の他の電極との関係で寄生キャパシタが発生するなどの問題が生じる。前述したように、ディスプレイ装置に既内蔵の電極のうち最外郭電極を充電用電極として活用することによって、充電のための追加的な電極を配置しなくてもよい。
【0072】
本発明は、ディスプレイパネルの電極を利用して無線充電を行うため、無線充電のための別途の構成要素が不要である。
【0073】
また、以上では、本発明の望ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は、前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を離脱せず、当業者によって多様な実施形態が可能である。また、このような多様な実施形態は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないであろう。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、携帯電話、スマートフォン、ノート型パソコン、デジタル放送用端末、PDA、PMP、ナビゲーションなどの携帯端末関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
100 無線充電システム、
200 充電装置、
210 充電電極、
220 発振器、
230 第1制御部、
300 ディスプレイ装置、
310 ディスプレイパネル、
320 パネル駆動部、
330 電力保存部、
340 スイッチング部、
350 第2制御部、
360 センサー、
370 ユーザインタフェース、
380 負荷。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7