(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2切替手段は、前記第3状態において、前記第2入力検出手段によって前記第2入力手段による入力指示を検出したとき、前記第1状態に切り替え、当該第1状態において、前記第2通信手段によって前記情報処理装置から終了信号を受信したとき、前記第2状態に切り替える、請求項6記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施例>
図1は第1実施例の情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0025】
図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理装置10はCPU12を含む。CPU12には、バス40を介してRAM14、タッチパネル制御回路16、描画制御回路18、RTC20および電源制御回路22が接続される。また、タッチパネル制御回路16にはタッチパネル24が接続され、描画制御回路18にはディスプレイ26が接続される。さらに、電源制御回路22からの電線(電源ライン)が、情報処理装置10に含まれるCPU12などの各コンポーネントに接続される。
【0026】
この第1実施例では、情報処理装置10が電子黒板に適用される場合について説明するが、電子黒板のみならず、タブレット端末、スマートフォン、PCなどの各種の情報機器ないし電子機器に適用される。
【0027】
図1に戻って、CPU12は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。RAM14は、CPU12のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0028】
タッチパネル制御回路16は、タッチパネル24のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU12に出力する。
【0029】
タッチパネル24は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル24としては、静電容量方式のタッチパネルがディスプレイ26の表示面上に設けられる。
【0030】
描画制御回路18は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU12の指示の下、GPUは、RAM14に記憶された手書き入力データ332および画像生成データ334(
図5参照)を用いてディスプレイ26に画面(後述するタッチ画面)を表示するための画面データをVRAMに生成し、生成した画面データをディスプレイ26に出力する。ディスプレイ26としては、たとえばLCDやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0031】
RTC20は、時間(年月日および曜日を含む。)をカウントする時計回路であり、CPU12の指示に応じて、カウントした時間(現在時刻)のデータをCPU12に出力する。また、RTC20は、アラーム機能を備え、この第1実施例では、レジスタに設定された日時(設定日時)とカウントした現在時刻とが一致した場合に、アラーム信号(起動信号)を電源制御回路22に出力する。
【0032】
電源制御回路22は、CPU12の指示の下、商用電源からの交流電圧を降圧および整流(ノイズ除去)して、各コンポーネントに供給および停止するための回路である。ただし、商用電源が供給されている場合には、電源制御回路22は、RTC20には常に電源を供給する。また、この第1実施例では、電源制御回路22は、RTC20のみに電源が供給されている状態(後述する第2状態)においては、このRTC20からのアラーム信号が入力されると、CPU12に電源を供給し、CPU12の指示に従ってディスプレイ26以外のコンポーネントに電源を供給する(後述する第3状態)。さらに、ユーザがタッチパネル24(ディスプレイ26の表示面)にタッチすると、ディスプレイ26にも電源が供給される(後述する第1状態)。ただし、第2状態において、ユーザが情報処理装置10の電源をオンした場合には、電源制御回路22は、すべてのコンポーネントに電源を供給する(第1状態)。
【0033】
なお、タブレット端末、スマートフォン、ノート型のPCなどの情報処理装置10では、バッテリからの電源が電源制御回路22に与えられる。
【0034】
また、情報処理装置10には、リチウム電池のような一次電池によるバックアップ電源が設けられ、商用電源が情報処理装置10(電源制御回路22)に供給されていない場合には、バックアップ電源がRTC20に供給される。したがって、RTC20は、一次電池が切れない限り、時間のカウントを継続する。
【0035】
このような構成の情報処理装置10では、任意のオペレーティングシステム(OS)および文字、図形、記号など(以下、「文字等」ということがある。)を手書きするアプリケーションソフト(描画ソフト)がインストールされている。したがって、情報処理装置10では、電源がオンされると、CPU12の指示の下、電源制御回路22が各コンポーネントに電源を供給する。これと同時または略同時に、BIOSが実行され、これに続いて、OSが実行(起動)され、その後、描画ソフトが実行される。描画ソフトが実行されると、初期化処理が実行された後に、文字等を手書きするためのモード(手書き入力モード)が設定される。具体的には、文字等を手書きするための画面(後述するタッチ画面110)がディスプレイ26に表示される。
【0036】
なお、
図1では省略したが、BIOSは、情報処理装置10に内蔵され、バス40を介してCPU12に接続されるROMに記憶されている。
【0037】
また、描画ソフト(情報処理プログラム)および描画ソフトの実行に必要なデータは、OSが実行された後に、不揮発性のメモリ(HDDやROM)または外部の記憶媒体(ディスク記憶媒体やメモリスティックなど)から読み出されて、RAM14に記憶される。
【0038】
手書き入力モードにおいて、ユーザがタッチパネル24を利用して文字等を手書き入力(タッチ入力)すると、タッチパネル制御回路16は、そのタッチ入力を検出してタッチ位置に対応するタッチ座標データをCPU12に出力する。CPU12は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチ座標データに基づいてディスプレイ26に手書きの文字等を描画(表示)する。つまり、CPU12の指示の下、描画制御回路18において手書きの文字等がVRAM上に描画され、VRAM上に描画された手書きの文字等を含む画面(後述するタッチ画面110:
図2参照)に対応する画面データがディスプレイ26に出力される。したがって、ユーザが手書きした文字等を含むタッチ画面110がディスプレイ26に表示される。以下、この明細書においては、ユーザが文字等を手書きすることを前提とし、手書きの文字等含む画像を「手書き画像」と呼ぶことにする。
【0039】
図2は情報処理装置10のタッチ画面110の一例を示す図解図である。なお、
図2では省略するが、情報処理装置10は、脚を設けて床面に設置したり、壁掛け金具を用いて壁面に設置したりしてもよい。以下、同様である。
【0040】
たとえば、手書き入力モードでは、
図2に示すようなタッチ画面110がディスプレイ26に表示される。なお、上述したように、ディスプレイ26の表示面上にはタッチパネル24が設けられる。以下、タッチ画面110が表示される場合について同様である。また、手書き入力モードが開始された当初においては、タッチ画面110には、文字等は表示されていない。ただし、手書き画像について保存していたデータ(バックアップデータ)を表示したり編集したりする場合には、ユーザの操作に応じて、バックアップデータが読み出され、当該バックアップデータに対応する手書き画像を含むタッチ画面110が表示されることもある。
【0041】
また、タッチ画面110の左端部には、ツールバー112が表示される。ツールバー112は、複数のボタンを含み、それぞれ、独立してタッチできるように構成されている。これらのボタンは、ペン(描画)の属性(線種、線色、線幅など)の設定、新規頁を開く、コピー、ペースト、切り取り、範囲指定、保存、削除、一つ前に戻す、画像の挿入などの様々な機能(アクション)を実行(選択)するために設けられる。
【0042】
なお、各機能は、すでに周知であり、また、本願発明の本質的な内容ではないため、これらの説明は省略することにする。
【0043】
ユーザは、専用のタッチペンでタッチパネル24を操作する。ただし、ユーザは、手指で操作することもできる。タッチパネル24を用いた操作(入力)としては、タップ(短押し)、スライド(ドラッグ)、フリック、ロングタッチ(長押し)などがあり、この第1実施例では、これらを「タッチ入力」または単に「入力」のように総称する。また、タッチパネル24をタッチしていない状態からタッチしている状態に変化することをタッチオン(ペンダウン)と言い、タッチパネル24をタッチしている状態からタッチしていない状態に変化することをタッチオフ(ペンアップ)と言う。継続的なタッチ入力つまりスライドやフリックによる入力に対しては、タッチパネル24は、現在のタッチ位置に対応するタッチ座標データを所定周期よりも短い周期で出力する。たとえば、所定周期は、1〜数フレームであり、1フレームは1/30秒、1/60秒または1/120秒である。
【0044】
たとえば、情報処理装置10は、学校の各教室に設置され、教師や生徒のようなユーザが、この情報処理装置10を用いて、授業が進められる。授業においては、情報処理装置10のディスプレイ26に、ユーザが手書きした文字等が表示されたり、ユーザの指示に従って所望の画像(教科書や図鑑などの書籍の一部、写真、絵、地図など)が表示されたりする。
【0045】
しかし、体育や音楽などの科目では、通常、運動場、体育館またはプールなどの教室以外の場所や音楽室などの他の教室で授業が行われる。つまり、授業の科目によっては、教室に設置された情報処理装置10が使用されない時間帯が発生する。また、昼休みなどの休み時間も、情報処理装置10は使用されない。したがって、情報処理装置10を使用しない時間帯においては、無駄な電力を消費しないために、情報処理装置10の電源がオフされる。このため、次回情報処理装置10を使用する場合に、再び電源がオンされる。
【0046】
上述したように、このような情報処理装置10は、電源がオンされると、BIOS、OSおよび描画ソフトがこの順番で実行されるため、ユーザが使用可能な状態になるまでに、少なくとも数分かかってしまう。ただし、使用可能な状態とは、手書き入力モードが設定され、文字等を手書きするなどの編集を行ったり、画像を表示したりすることができる状態を意味する。このため、ユーザは、情報処理装置10の電源がオンされてから使用可能な状態になるまでの間、この情報処理装置10を使用することができない。
【0047】
このような不都合を回避するために、第1実施例では、無駄な消費電力を出来る限り抑えるとともに、情報処理装置10が使用可能になるまでの待ち時間を短縮することができるようにしてある。以下、具体的に説明する。
【0048】
図3は情報処理装置10の動作状態を説明するための図解図である。また、
図4はスケジュールの一例を示す図解図である。
【0049】
図3に示すように、この第1実施例では、情報処理装置10の動作状態は、第1状態、第2状態および第3状態の間で切り替えられる。
【0050】
第1状態は、全てのコンポーネントに電源が供給された状態である。この第1状態は、情報処理装置10を使用可能な状態でもある。
【0051】
また、第2状態は、RTC20のみに電源が供給された状態である。この第2状態では、RTC20以外のコンポーネントに電源が供給されないため、第1状態と比べて、非常に消費電力は少ない。
【0052】
さらに、第3状態は、ディスプレイ26以外のコンポーネントに電源が供給された状態である。この第3状態では、ディスプレイ26がオフ(非表示に)されているため、第1状態よりもさらに消費電力が少ない。
【0053】
また、
図4に示すように、スケジュールには、情報処理装置10の使用を開始する時刻(開始時刻)および情報処理装置10の使用を終了する時刻(終了時刻)に対応して、曜日毎に情報処理装置10を使用するかどうかの情報(使用情報)が記載される。上述したように、この第1実施例では、情報処理装置10は教室に設置されるため、このようなスケジュールは学校の時間割表に従って作成される。
【0054】
なお、後述するように、このスケジュールに対応するデータ(スケジュールデータ336)はRAM14に記憶される(
図5参照)。
【0055】
このスケジュールでは、情報処理装置10を使用する場合に、使用情報として丸印(○)が記載され、情報処理装置10を使用しない場合に、使用情報としてバツ印(×)が記載される。ただし、終了時刻から次の開始時刻までも、情報処理装置10を使用しない時間帯である。
【0056】
たとえば、月曜日では、開始時刻が8時30分であり、終了時刻が9時15分である時間帯には、丸印が記載されているので、この時間帯では、情報処理装置10を使用する予定であることが分かる。また、月曜日では、開始時刻が10時20分であり、終了時刻が11時5分である時間帯には、バツ印が記載されているので、この時間帯では、情報処理装置10を使用しない予定であることが分かる。
【0057】
この第1実施例では、ユーザの指示およびスケジュールに従って、上記の第1状態〜第3状態を切り替えることにより、無駄な消費電力を出来る限り抑えるとともに、情報処理装置10が使用可能になるまでの待ち時間を短縮することができるようにしてある。
【0058】
たとえば、情報処理装置10は、第2状態において、ユーザにより電源がオンされると、第1状態となる。情報処理装置10は、第1状態になると、現在時刻を読み出し、現在時刻に直近の終了時刻をスケジュールから取得する。
【0059】
授業中においては、情報処理装置10は、第1状態で、ユーザによって使用される。この第1状態において、情報処理装置10が一定時間(たとえば、2分)以上使用されない場合には、情報処理装置10は、現在時刻を読み出し、先に取得した終了時刻以降である場合には、動作状態を第1状態から第3状態に切り替える。つまり、情報処理装置10を使用しない時間帯では、ディスプレイ26がオフ(非表示に)される。ただし、タッチ入力が有る場合に、情報処理装置10が使用されていると判断され、タッチ入力が無い場合に、情報処理装置10が使用されていないと判断される。
【0060】
さらに、第3状態では、情報処理装置10は、次回の開始時刻をスケジュールから取得し、取得した開始時刻から数分前(第1実施例では、3分前)の起動時刻をRTC20のレジスタに設定して(アラーム設定)、動作状態を第3状態から第2状態に切り替える。つまり、RTC20のみに電源が供給される。このように、開始時刻の数分前に起動時刻を設定するのは、上述したように、BIOS、OSおよび描画ソフトを実行するのに数分の時間を要するためである。また、説明は省略したが、RTC20のレジスタには、起動時刻のみならず、日時および曜日も設定される。
【0061】
そして、起動時刻になると、RTC20は電源制御回路22にアラーム信号を送信し、このアラーム信号に応じて、電源制御回路22はCPU12に電源を供給する。その後、電源制御回路22は、CPU12の指示の下、ディスプレイ26以外のコンポーネントに電源を供給する。さらに、BIOS、OSおよび描画ソフトが順に実行される。このようにして、動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられる。この第3状態において、タッチパネル24(ディスプレイ26の表示面)がタッチされると、つまりユーザが情報処理装置10の使用を開始すると、情報処理装置10は、動作状態を第3状態から第1状態に切り替える。
【0062】
より具体的には、第2状態において、ユーザが情報処理装置10の電源をオンし、現在時刻が月曜日の8時30分である場合には、スケジュールから直近の終了時刻である9時15分が取得される。第1状態において、一定時間以上、情報処理装置10が使用されない場合に、終了時刻の9時15分以降になると、情報処理装置10は、第1状態から第3状態に切り替えて、次回の起動時刻を設定する。スケジュールによれば、月曜日では、開始時刻が9時25分であり、終了時刻が10時10分である時間帯においては、情報処理装置10を使用する予定であるため、次回の開始時刻として同じ日(月曜日)の9時25分が取得される。したがって、起動時刻として、9時22分がRTC20のレジスタに設定される。そして、情報処理装置10は、第3状態から第2状態に切り替えられる。その後、起動時刻になると、情報処理装置10は、第2状態から第3状態に切り替えられる。この第3状態において、ユーザがタッチパネル24をタッチすると、第1状態に切り替えられる。
【0063】
これ以降では、同様に、動作状態が切り替えられるが、たとえば、月曜日では、開始時刻が10時20分であり、終了時刻が11時05分である時間帯においては、情報処理装置10は使用しない予定である。このため、終了時刻の10時10分を経過し、動作状態が第1状態から第3状態に切り替えられ、次回の起動時刻が設定される場合には、スケジュールから次回の開始時刻として同じ日の11時15分が取得される。
【0064】
また、たとえば、月曜日の最終の終了時刻を経過した場合には、スケジュールから次回の開始時刻として次の日(火曜日)の8時30分が取得される。ただし、金曜日の最終の終了時刻を経過した場合には、スケジュールから次回の開始時刻として次の週(3日後)の月曜日の8時30分が取得される。
【0065】
なお、詳細な説明は省略するが、他の場合についても同様に、スケジュールを参照して、起動時刻が設定されたり、終了時刻が取得されたりする。
【0066】
情報処理装置10の上記のような動作は、CPU12がRAM14に記憶された情報処理プログラム(第1実施例では、描画ソフト)を実行することにより実現される。ただし、この第1実施例では、情報処理プログラムは、情報処理装置10の動作状態を切り替える処理を実行するためのプログラム(動作状態切替プログラム)を含む。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
【0067】
図5は
図1に示したRAM14のメモリマップ300の一例を示す。
図5に示すように、RAM14は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、描画プログラムおよび動作状態切替プログラムなどを含む情報処理プログラムが記憶される。情報処理プログラムは、入力検出プログラム310、画像生成プログラム312、表示プログラム314、起動時刻設定プログラム316、電源制御プログラム318を含む。
【0068】
ただし、描画プログラムは、入力検出プログラム310、画像生成プログラム312および表示プログラム314などで構成される。また、動作状態切替プログラムは、入力検出プログラム310、起動時刻設定プログラム316および電源制御プログラム318などで構成される。
【0069】
入力検出プログラム310は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチパネル24におけるタッチ入力の位置を示すタッチ座標データを取得し、データ記憶領域304に時系列に従って記憶するためのプログラムである。ただし、入力検出プログラム310は、情報処理装置10に接続されたハードウェアのキーボードや情報処理装置10に設けられたハードウェアの操作パネルないし操作ボタンからの入力を検出するためのプログラムでもある。
【0070】
画像生成プログラム312は、入力検出プログラム310に従って検出されたタッチ座標データ(手書き入力データ332)を使用したり、後述する画像生成データ334を使用したりして、タッチ画面110に対応する画面データを生成するためのプログラムである。具体的には、画像生成プログラム312が実行されると、CPU12の指示の下、描画制御回路18において、GPUがタッチ画面110に対応する画面データをVRAMに描画する。
【0071】
表示プログラム314は、画像生成プログラム312に従って生成された画面データをディスプレイ26に出力するためのプログラムである。したがって、タッチ画面110がディスプレイ26に表示される。
【0072】
起動時刻設定プログラム316は、データ記憶領域304に記憶されたスケジュールデータ336を用いて、RTC20のレジスタに起動時刻を設定するためのプログラムである。電源制御プログラム318は、ユーザの指示およびスケジュールに従って、各コンポーネントへの電源の供給および停止を制御するためのプログラムである。つまり、電源制御プログラム318に従って、情報処理装置10の動作状態が切り替えられる。
【0073】
なお、図示は省略するが、情報処理プログラムには、各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0074】
データ記憶領域304には、タッチ座標データバッファ330が設けられるとともに、手書き入力データ332、画像生成データ334、スケジュールデータ336および終了時刻データ338などが記憶される。
【0075】
タッチ座標データバッファ330は、入力検出プログラム310に従って検出(取得)されたタッチ座標データを時系列に従って記憶するための領域である。タッチ座標データが示すタッチ座標がタッチ画面110に表示されたボタンの表示領域に含まれる場合には、当該ボタンに割り当てられた機能が実行され、このとき使用されたタッチ座標データは、タッチ座標データバッファ330から消去される。また、タッチ座標データが示すタッチ座標がタッチ画面110に表示されたボタンの表示領域に含まれていない場合には、手書きの文字等に含まれるタッチ座標であると判断されて、タッチ座標データのコピーが手書き入力データ332として記憶され、その後、このタッチ座標データは、タッチ座標データバッファ330から消去される。
【0076】
手書き入力データ332は、タッチ入力により手書きされた文字等についてのデータであり、タッチオンからタッチオフまでの軌跡(点または線)毎に管理される。また、手書き入力データ332では、タッチオンからタッチオフまでフレーム毎に検出されるタッチ座標データが時系列に従って記憶される(並べられる)。
【0077】
画像生成データ334は、タッチ画面110のような各種の画面に対応する画面データを生成するためのポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。また、画像生成データ334には、タッチ画面110に表示される各種のボタン(ツールバー112など)についての画像データも含まれる。
【0078】
スケジュールデータ336は、ユーザにより設定されたスケジュールについてのデータである。
図4に示したように、スケジュールには、開始時刻および終了時刻に対応して情報処理装置10についての使用情報が記載される。
【0079】
終了時刻データ338は、スケジュールデータ336から取得された終了時刻についてのデータである。この終了時刻データ338は、情報処理装置10が第2状態から第1状態に切り替えられた場合に、または、第3状態から第1状態に切り替えられた場合に、記憶または更新される。
【0080】
なお、データ記憶領域304には、情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0081】
図6および
図7は
図1に示すCPU12の動作状態切替処理を示すフロー図である。なお、図示および詳細な説明は省略するが、タッチ入力に従う描画処理は、
図6および
図7に示す動作状態切替処理と並行して実行され、したがって、第1状態においては、タッチ画面110がディスプレイ26に表示され、ユーザのタッチ入力に従って、手書きの文字等が描画される。
【0082】
図6に示すように、CPU12は、動作状態切替処理を開始すると、ステップS1で、動作状態を第1状態にする。つまり、CPU12の指示の下、電源制御回路22によって、すべてのコンポーネントに電源が供給される。そして、BIOS、OS、描画ソフトが実行される。ただし、ユーザの操作に従って情報処理装置10の電源がオンされたときには、CPU12の指示に拘わらず、電源制御回路22によって、すべてのコンポーネントに電源が供給される。
【0083】
次のステップS3では、現在時刻を読み出し、ステップS5で、終了時刻を設定(更新)する。つまり、CPU12は、RTC20から現在時刻を読み出し、読み出した現在時刻に最も近い終了時刻をスケジュールデータ336から取得し、データ記憶領域304に終了時刻データ338として記憶する。
【0084】
そして、ステップS7で、タッチ入力が有るかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、現在(現フレーム)のタッチ座標データがタッチ座標データバッファ330に記憶されているかどうかを判断する。
【0085】
ステップS7で“YES”であれば、つまり、タッチ入力が有れば、ステップS17で、終了かどうか判断する。ここでは、CPU12は、ユーザから描画ソフトを終了する指示が与えられたかどうかを判断する。ステップS17で“NO”であれば、つまり終了でなければ、そのままステップS7に戻る。一方、ステップS17で“YES”であれば、つまり終了であれば、動作状態切替処理を終了する。
【0086】
ステップS7で“NO”であれば、つまりタッチ入力が無ければ、ステップS9で、一定時間以上タッチ入力が無いかどうかを判断する。たとえば、RAM14のデータ記憶領域304には、タイマが設けられ、タッチ座標データが検出されない時間をカウントする。タイマは、タッチ座標データが検出されると、リセットされる。ステップS9では、CPU12は、タイマのカウント値が一定時間(たとえば、2分)以上になったかどうかを判断する。
【0087】
ステップS9で“NO”であれば、つまりタッチ入力の無い時間が一定時間未満であれば、そのままステップS7に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、一定時間以上タッチ入力が無ければ、ステップS11で、現在時刻を読み出して、ステップS13で、終了時刻以降であるかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、RTC20から取得した現在時刻が、終了時刻データ338が示す終了時刻以降であるかどうかを判断する。
【0088】
ステップS13で、“NO”であれば、つまり現在時刻が終了時刻になっていなければ、ステップS7に戻る。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり現在時刻が終了時刻以降であれば、ステップS15で、動作状態を第3状態に切り替えて、
図7に示すステップS19に進む。つまり、ステップS15では、CPU12の指示の下、電源制御回路22によって、ディスプレイ26への電源の供給が停止される。
【0089】
図7に示すように、ステップS19では、現在時刻を読み出し、ステップS21で、スケジュールから次回の開始時刻を取得し、ステップS23に進む。つまり、CPU12は、スケジュールデータ336が示すスケジュールを参照して、RTC20から読み出した現在時刻よりも後の開始時刻であり、情報処理装置10を使用することが設定された時間帯の開始時刻のうち、当該現在時刻に最も近い開始時刻を取得する。
【0090】
ステップS23では、RTC20のレジスタに次回の起動時刻を設定する(アラーム設定)。ここでは、CPU12は、ステップS21で取得した開始時刻から数分早い時刻を次回の起動時刻としてRTC20のレジスタに設定する。
【0091】
そして、ステップS25で、動作状態を第2状態に切り替えて、ステップS27に進む。ステップS25では、CPU12の指示の下、電源制御回路22によって、RTC20にのみ電源が供給される。
【0092】
ステップS27では、起動時刻になったかを判断する。厳密に言うと、第2状態では、CPU12に電源が供給されていないため、このステップS27の処理は、RTC20によって実行される。
【0093】
なお、電源制御回路22(CPU12)は、情報処理装置10の電源がオンされたことと、アラーム信号が与えられたことを区別可能である。このため、電源投入時には、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられ、アラーム信号により起動された場合には、動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられる。
【0094】
ステップS27で“NO”であれば、つまり、起動時刻でなければ、そのままステップS27に戻る。一方、ステップS27で“YES”であれば、つまり、起動時刻になると、ステップS29で、動作状態を第3状態に切り替える。ただし、ステップS27で“YES”であれば、RTC20は、電源制御回路22にアラーム信号を送信する。これに応じて、電源制御回路22は、CPU12に電源を供給し、CPU12の指示に従って、ディスプレイ26を除くコンポーネントに電源を供給する。したがって、動作状態が第3状態に切り替えられる。
【0095】
次のステップS31では、タッチオンかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまりタッチオンでなければ、同じステップS31に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり、タッチオンされると、
図6に示すステップS1に戻る。つまり、ユーザが情報処理装置10を使用する場合には、動作状態が第3状態から第1状態に直ぐに切り替えられる。
【0096】
なお、ユーザの指示に従って情報処理装置10の電源がオフにされた場合にも、動作状態は第2状態になるが、この場合には、次回の起動時刻が設定(アラーム設定)されない。この場合には、次回情報処理装置10を使用するときに、ユーザによって電源がオンされる。
【0097】
この第1実施例によれば、ユーザの指示やスケジュールに従って情報処理装置10の動作状態を切り替えるので、情報処理装置10を使用しない場合に、RTC20以外のコンポーネントへの電源をオフすることができる。また、情報処理装置10を使用する予定の時間帯においては、ディスプレイ26の電源のみをオフした状態で待機するので、ユーザがタッチオンしたことに応じて、ディスプレイ26の電源をオンすることができる。
【0098】
つまり、情報処理装置10の無駄な消費電力を出来る限り抑えることができるとともに、情報処理装置10が使用可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。
【0099】
また、この第1実施例では、情報処理装置10の動作状態が第2状態のときに、起動時刻になると、第2状態から第3状態に切り替えられ、第3状態において、ユーザがタッチパネル24をタッチすると、第1状態に切り替えられるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、第2状態において、起動時刻になると、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられるようにしてもよい。かかる場合には、
図7で示したCPU12の動作状態切替処理のステップS29およびステップS31の処理が省略される。つまり、CPU12は、ステップS27で、起動時刻であると判断すると、
図6に示したステップS1に戻る。
【0100】
さらに、第1実施例では、情報処理装置10の動作状態が第1状態のときに、終了時刻以降になると、第1状態から第3状態に切り替えられ、第3状態において、RTC20に次回の起動時刻を設定すると、第2状態に切り替えられるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、第1状態において、終了時刻以降になり、RTC20に次回の起動時刻を設定すると、動作状態が第1状態から第2状態に切り替えられるようにしてもよい。かかる場合には、
図7で示したCPU12の動作状態切替処理のステップS15の処理が省略される。つまり、CPU12は、ステップS13で、終了時刻以降であると判断すると、
図7に示したステップS19に進む。
【0101】
なお、この第1実施例では、ディスプレイ26の電源をオン(供給)またはオフ(停止)することにより、ディスプレイ26を表示または非表示するようにしてあるが、これに限定される必要はない。別の実施例としては、第1状態および第3状態においては、ディスプレイ26に電源を常に供給し、CPU12の指示の下、描画制御回路18がディスプレイ26のバックライトをオンまたはオフすることにより、ディスプレイ26を表示または非表示して、第1状態と第3状態を切り替えるようにしてもよい。
【0102】
また、この第1実施例では、情報処理装置10を学校の教室に設置した場合についてのみ説明したが、これに限定される必要はない。他の実施例として、情報処理装置10は、会社等の会議室に設定されてもよい。かかる場合には、スケジュールは、会議室の予約状況に従って作成される。また、会議室の予約状況は時々刻々と変化するため、その都度スケジュールは更新される。ただし、第1実施例においても、時間割が変更になると、スケジュールは更新される。
【0103】
さらに、この第1実施例では、情報処理装置10の動作状態が第3状態である場合に、タッチパネル24でタッチ入力が検出されると、動作状態が第1状態に切り替えられるようにしたが、情報処理装置10に接続されたキーボードやコンピュータマウスなどの他の入力装置からの入力に応じて、動作状態が第1状態に切り替えられてもよい。
【0104】
さらにまた、この第1実施例では、第1状態において、一定時間以上タッチ入力が無い場合であり、かつ現在時刻が終了時刻以降である場合に、動作状態が第3状態に切り替えられるが、終了時刻に拘わらず、動作状態が第3状態に切り替えられるようにしてもよい。かかる場合には、たとえば、第3状態に切り替えた後に、現在時刻が終了時刻以降であるかどうかを判断する。そして、終了時刻以降でない場合には、タッチ入力があれば、動作状態が第1状態に切り替えられ、タッチ入力が無ければ、動作状態が第3状態で維持される。一方、終了時刻以降である場合には、次回の起動時刻が設定される。
<第2実施例>
第2実施例の情報処理装置10は、通信可能に設けたサーバ204でスケジュールを管理し、サーバ204からの通知に応じてRAM14に記憶したスケジュールを更新するようにした。なお、上記以外の内容については、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0105】
図8は第2実施例における情報処理システム200の一例を示す図解図である。
【0106】
図8に示すように、情報処理システム200は、複数の情報処理装置10およびサーバ204を含み、複数の情報処理装置10およびサーバ204は、インターネットやLANのようなネットワーク202を介して、互いに通信可能に接続される。したがって、
図9に示すように、第2実施例の情報処理装置10は、他のコンピュータ(ここでは、サーバ204)と通信するためのインターフェイス(I/F)回路28をさらに備え、I/F回路(通信モジュール)28はバス40を介してCPU12に接続される。また、I/F回路28には、通信ケーブルが接続され、上記のように、情報処理装置10は、通信ケーブルを介してネットワーク202に接続される。ただし、無線で接続されてもよい。
【0107】
この第2実施例では、サーバ204は、複数の情報処理装置10の各々についてのスケジュールを管理する。具体的には、サーバ204は、内部の記憶装置(HDDなど)や通信可能に設けられた外部の記憶装置(データベース)に、複数の情報処理装置10の各々についてのスケジュールのデータを、対応する情報処理装置10を識別可能に記憶してある。
【0108】
ただし、スケジュールは、各情報処理装置10またはサーバ204の管理者によって、サーバ204上で登録または更新される。
【0109】
管理者によりスケジュールが変更(更新)されると、サーバ204は、更新されたスケジュールに対応付けられた情報処理装置10に、スケジュールが更新されたことを示す信号(以下、「更新信号」という)を送信する。
【0110】
以下、情報処理装置10のRAM14に記憶されるスケジュールデータ336が更新される方法を、動作状態が第1状態〜第3状態のそれぞれについて説明するが、いずれの動作状態においても、サーバ204から更新信号を受信する必要があるため、第2実施例では、第2状態においては、RTC20のみならず、I/F回路28にも電源が常に供給される。
【0111】
情報処理装置10は、動作状態が第1状態である場合には、CPU12は動作している。このため、情報処理装置10は、I/F回路28を介してサーバ204から更新信号を受信すると、サーバ204にアクセスして、自身のスケジュールが更新されているかどうかを判断する。そして、情報処理装置10(CPU12)は、スケジュールが更新されている場合には、スケジュールを取得(ダウンロード)して、RAM14内のスケジュールデータ336を更新する。一方、情報処理装置10(CPU12)は、スケジュールが更新されていない場合には、スケジュールを取得しない。以下、情報処理装置10がサーバ204にアクセスしてから、スケジュールを取得したり、取得しなかったりするまでの処理を「更新処理」という。
【0112】
また、情報処理装置10は、動作状態が第2状態である場合には、RTC20およびI/F回路28にのみ電源が供給されている。このため、情報処理装置10は、I/F回路28でサーバ204から更新信号を受信すると、I/F回路28は、電源制御回路22を制御して、CPU12に電源を供給する。その後、CPU12の指示の下、電源制御回路22は、他のすべてのコンポーネントにも電源の供給を開始し、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられる。CPU12は、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられた後に、更新処理を行う。
【0113】
なお、第2実施例では、動作状態が第2状態において、ユーザの操作によって情報処理装置10の電源がオンされた場合にも、更新処理を実行するようにしてある。
【0114】
また、第2実施例では、情報処理装置10の動作状態が第2状態である場合に、情報処理装置10が更新信号を受信すると、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられるため、更新信号は起動信号ということもできる。
【0115】
そして、情報処理装置10は、動作状態が第3状態である場合には、ディスプレイ26はオフされているが、CPU12は動作している。このため、情報処理装置10は、I/F回路28を介してサーバ204から更新信号を受信すると、動作状態を第3状態から第1状態に切り替えた後に、更新処理を行う。
【0116】
なお、この第2実施例では、情報処理装置10の動作状態が第3状態である場合に、更新信号を受信すると、動作状態を第3状態から第1状態に切り替えて更新処理を行うようにしてあるが、第3状態のままで、更新処理を行うようにしてもよい。
【0117】
たとえば、学校には複数の教室があるため、各教室に設置された情報処理装置10のスケジュールをサーバ204で一元管理することにより、各々の情報処理装置10のスケジュールを登録したり、更新したりする手間を省くことができる。
【0118】
学校の教室に配置される情報処理装置10に登録されているスケジュールは時間割表に従うため、頻繁に時間割が変更されることは無いが、たとえば、会社の会議室などに配置される情報処理装置10では、会議室の使用状況(予約状況)は頻繁に変化される。したがって、第2実施例のように、サーバ204でスケジュールを一元管理するのが適切であり、管理者等の手間を大幅に省くことができると考えられる。
【0119】
図10は第2実施例におけるRAM14のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
【0120】
図10に示すように、この第2実施例では、プログラム記憶領域302に通信プログラム320およびスケジュール更新プログラム322がさらに記憶される点が、第1実施例とは異なる。
【0121】
通信プログラム320は、他のコンピュータ(この第2実施例では、サーバ204)と通信するためのプログラムである。
【0122】
スケジュール更新プログラム322は、通信プログラム320に従ってサーバ204にアクセスして、スケジュールが更新されているかどうかを判断し、スケジュールが更新されている場合に、サーバ204からスケジュールを取得して、RAM14内のスケジュールデータ336を更新するためのプログラムである。
【0123】
ただし、第2実施例では、電源制御プログラム318は、ユーザの指示およびスケジュールに加えて、サーバ204からの更新信号に応じて、各コンポーネントへの電源の供給および停止を制御する。
【0124】
図11および
図12は第2実施例におけるCPU12の動作状態切替処理の一例を示すフロー図である。以下、第2実施例の動作状態切替処理について説明するが、第1実施例で説明した内容と同じ内容については簡単に説明するか説明を割愛することにする。
【0125】
図11および
図12に示すように、第2実施例では、
図6および
図7に示した動作状態切替処理において、ステップS5とステップS7の間に、ステップS61の処理が追加され、ステップS7とステップS17の間に、ステップS63およびステップS65の処理が追加され、ステップS31以降にステップS67〜ステップS73の処理が追加される。
【0126】
図11に示すように、CPU12は、ステップS5で終了時刻を設定すると、ステップS61で、後述する更新処理(
図13参照)して、ステップS7に進む。
【0127】
また、CPU12は、ステップS7で“YES”であれば、ステップS63で、I/F回路28を介してサーバ204から更新信号を受信したかどうかを判断する。ステップS63で“NO”であれば、つまり更新信号を受信していなければ、そのままステップS17に進む。一方、ステップS63で“YES”であれば、つまり更新信号を受信すれば、ステップS65で、更新処理を実行して、ステップS17に進む。
【0128】
さらに、
図12に示すように、ステップS31で“NO”であれば、ステップS67で、I/F回路28を介してサーバ204から更新信号を受信したかどうかを判断する。ステップS67で“NO”であれば、ステップS31に戻る。また、ステップS67で“YES”であれば、
図11に示すステップS1に戻る。
【0129】
一方、ステップS31で“YES”であれば、ステップS69、ステップS71およびステップS73の処理を順に実行してから、
図11に示すステップS7に戻る。なお、ステップS69、S71およびS73の処理は、
図6のステップS1、S3およびS5の処理と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0130】
図13は
図11のステップS61およびステップS65に示した更新処理を示すフロー図である。
図13に示すように、CPU12は、更新処理を開始すると、ステップS91で、サーバ204にアクセスし、ステップS93で、サーバ204にあるスケジュールが更新されているかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、サーバ204に記憶された自身のスケジュールデータとRAM14に記憶されたスケジュールデータ336を比較して、変更されているかどうかを判断する。
【0131】
ステップS93で“NO”であれば、つまりサーバ204のスケジュールが更新されていなければ、そのまま
図11の動作状態切替処理にリターンする。一方、ステップS93で“YES”であれば、つまりサーバ204のスケジュールが更新されていれば、ステップS95で、スケジュールを取得(ダウンロード)し、ステップS97で、RAM14内のスケジュールを更新して、
図11の動作状態切替処理にリターンする。このステップS97では、CPU12は、サーバ204から取得したスケジュールのデータを、RAM14に記憶されたスケジュールデータ336に上書きする。
【0132】
なお、このような動作状態切替処理は、各情報処理装置10(CPU12)で実行される。また、上述したように、サーバ204は、更新されたスケジュールに対応付けられた情報処理装置10に更新信号を送信する。
【0133】
第2実施例によれば、サーバ204上でスケジュールを管理し、スケジュールが更新されると、サーバ204は情報処理装置10にスケジュールが更新されたことを通知するので、情報処理装置10は、第1実施例の効果を奏するのみならず、更新されたスケジュールを取得し、これに従って動作状態を切り替えることができる。
【0134】
また、この第2実施例でも、第1実施例と同様に、第2状態において、起動時刻になると、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられるようにしてもよい。かかる場合には、
図12で示したCPU12の動作状態切替処理のステップS29、ステップS31、およびステップS67の処理が省略される。つまり、CPU12は、ステップS27で、起動時刻であると判断すると、
図11に示したステップS7に戻る。
<第3実施例>
たとえば、広い教室や会議室などでは、一つの教室や会議室において、複数台の情報処理装置10が設置される場合がある。このような場合には、たとえば、第1実施例の情報処理装置10を複数使用することが考えられる。この場合、各情報処理装置10は、ユーザの指示やスケジュールに従って、動作状態が切り替えられる。
【0135】
しかし、複数の情報処理装置10が同時に使用されない場合もあり、授業や会議の内容によっては、一部の情報処理装置10が使用されないこともあり得る。このような場合でも、スケジュールに従って、開始時刻(起動時刻)になると、各情報処理装置10の動作状態は第2状態から第3状態に切り替えられるため、使用されない情報処理装置10については、RTC20にのみ電源が供給される第2状態に比べると無駄な電力が消費されることになる。
【0136】
そこで、この第3実施例では、メインとなる一台の情報処理装置10(以下、「親機10a」という)とサブとなる他の情報処理装置10(以下、「子機10b」という)を通信可能に接続し、親機10aが子機10bの動作状態を制御することにより、子機10bにおいても、無駄な消費電力を出来る限り抑えることができるとともに、使用可能になるまでの待ち時間を短縮することができるようにしてある。
【0137】
以下、親機10aと子機10bとに分けて説明するが、これらを区別する必要がない場合には、単に「情報処理装置10」ということにする。
【0138】
図14は、第3実施例の情報処理システム400の一例を示す図解図である。
図14に示すように、情報処理システム400は、一台の親機10aと一台の子機10bを含み、LANのようなネットワーク402を介して、通信可能に接続される。ただし、親機10aと子機10bはネットワーク402を介さずに直接接続されてもよい。
【0139】
したがって、第3実施例の情報処理装置10は、第2実施例の情報処理装置10と同様に、I/F回路28を含み、CPU12はバス40を介してI/F回路28に接続される。I/F回路28には、通信ケーブルが接続され、情報処理装置10は、通信ケーブルを介してネットワーク402に接続される。ただし、無線で接続されてもよい。
【0140】
この第3実施例では、親機10aは、第1実施例で示した情報処理装置10と同様に、ユーザの指示に従って、動作状態が切り替えられ、子機10bの動作状態も、親機10aと同様に、第1状態、第2状態および第3状態の間で切り替えられる。
【0141】
ただし、後述するように、子機10bは、第2状態において、親機10aからの指示(起動信号)に応じて第3状態に切り替えられるため、第2状態においては、RTC20とI/F回路28にのみ電源が供給される。ただし、第3実施例では、I/F回路28は、起動信号を受信すると、電源制御回路22を制御して、CPU12に電源を供給する。その後、CPU12の指示の下、電源制御回路22は、ディスプレイ26を除く、他のすべてのコンポーネントにも電源の供給を開始し、動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられる。
【0142】
また、親機10aは、子機10bの動作状態を制御すること以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0143】
さらに、子機10bは、親機10aと電気的な構成は同じであるが、親機10aによって動作状態が制御される。このこと以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0144】
たとえば、第3実施例では、親機10aは、ユーザの操作に従って動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられた場合には、ユーザによってタッチパネル24がタッチされると、子機10bに当該子機10bを起動するための信号(起動信号)を送信する。第3実施例では、通常、親機10aの動作状態が第2状態である場合には、子機10bの動作状態も第2状態であり、子機10bは親機10aからの起動信号を受信すると、その動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられる。子機10bは、動作状態が第3状態である場合に、ユーザによってタッチパネル24がタッチされると、動作状態が第3状態から第1状態に切り替えられる。以下、同じ。したがって、子機10bも、親機10aと同様に、ユーザが使用したい場合に、すぐに使用可能な状態に切り替えられる。
【0145】
また、親機10aは、ユーザによってタッチパネル24がタッチされ、動作状態が第3状態から第1状態に切り替えられた場合にも、子機10bに起動信号を送信する。第
3実施例では、通常、親機10aの動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられた場合には、子機10bの動作状態は第2状態であり、子機10bは親機10aからの起動信号を受信すると、その動作状態が第2状態から第3状態に切り替えられる。
【0146】
さらに、親機10aは、第3状態において、次回の起動時間をRTC20に設定すると、子機10bに当該子機10bを第2状態に切り替えるための信号(終了信号)を送信してから第2状態に切り替えられる。子機10bは、動作状態が第1状態または第3状態である場合において、親機10aからの終了信号を受信すると、その動作状態が第1状態または第3状態から第2状態に切り替えられる。
【0147】
親機10aおよび子機10bの上記のような動作は、それぞれに設けられるCPU12がRAM14に記憶された情報処理プログラムを実行することにより実現される。
【0148】
図15は第3実施例の親機10aに設けられるRAM14のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
【0149】
図15に示すように、親機10aでは、プログラム記憶領域302に、通信プログラム320および子機制御プログラム324がさらに記憶される点が、第1実施例とは異なる。
【0150】
通信プログラム320は、他のコンピュータ(ここでは、子機10b)と通信するためのプログラムである。子機制御プログラム324は、通信プログラム320に従って子機10bと通信することにより、当該子機10bに起動信号や終了信号を送信して、子機10bの動作状態を制御するためのプログラムである。
【0151】
続いて、第3実施例の子機10bに設けられるRAM14のメモリマップについて説明する。上述したように、子機10bは、ユーザからの入力指示や親機10aからの起動信号や終了信号によって動作状態を切り替える。したがって、子機10bに設けられるRAM14のプログラム記憶領域には、起動時刻設定プログラムは記憶されず、データ記憶領域には、スケジュールデータおよび終了時刻データが記憶されない点が、第1実施例の情報処理装置10と異なる。また、第3実施例では、子機10bの電源制御プログラムは、ユーザからの入力指示、親機10aからの起動信号および終了信号に応じて、各コンポーネントへの電源の供給および停止を制御する点で、第1実施例の情報処理装置10とは異なる。
【0152】
図16および
図17は第3実施例における親機10aのCPU12の動作状態切替処理の一例を示すフロー図である。以下、第3実施例の親機10aの動作状態切替処理について説明するが、第1実施例で説明した内容と同じ内容については簡単に説明するか説明を割愛することにする。
【0153】
図16および
図17に示すように、第3実施例の動作状態切替処理では、
図6および
図7に示した第1実施例の動作状態切替処理において、ステップS7とステップS17の間に、ステップS111の処理が追加される。さらに、ステップS23とステップS25の間に、ステップS113の処理が追加され、ステップS31の後にステップS115の処理が追加される。
【0154】
図16に示すように、CPU12は、ステップS7で“YES”であれば、ステップS111で、子機10bに起動信号を送信して、ステップS17に進む。
【0155】
また、
図17に示すように、CPU12は、ステップS23で、RTC20に次回の起動時刻を設定すると、ステップS113で、子機10bに終了信号を送信して、ステップS25に進む。
【0156】
そして、CPU12は、ステップS31で “YES”であれば、ステップS115で、子機10bに起動信号を送信して、
図16に示すステップS1に戻る。
【0157】
図18は、第3実施例における子機10bのCPU12の動作状態切替処理の一例を示すフロー図である。
【0158】
子機10bのCPU12は、親機10aから起動信号を受信すると、ステップS131で、動作状態を第2状態から第3状態に切り替えて、ステップS133でタッチ入力が有るかどうかを判断する。このとき、子機10bでは、BIOS、OSおよび描画ソフトが順に実行される。したがって、子機10bにおいても、ユーザのタッチ操作に従って文字等がディスプレイ26に描画される。
【0159】
ステップS133で“NO”であれば、つまりタッチ入力が無ければ、ステップS135で、I/F回路28を介して親機10aから終了信号を受信したかどうかを判断する。
【0160】
ステップS135で“NO”であれば、つまりI/F回路28を介して親機10aから終了信号を受信していなければ、ステップS133に戻る。一方、ステップS135で“YES”であれば、つまりI/F回路28を介して親機10aから終了信号を受信すれば、ステップS141に進む。
【0161】
また、ステップS133で“YES”であれば、つまりタッチ入力が有れば、ステップS137で、動作状態を第1状態に切り替えて、ステップS139で、終了信号を受信したかどうかを判断する。
【0162】
ステップS139で“NO”であれば、つまり終了信号を受信していなければ、そのままステップS139に戻る。一方、ステップS139で“YES”であれば、つまり終了信号を受信すれば、ステップS141で、動作状態を第2状態に切り替えて、動作状態切替処理を終了する。
【0163】
なお、子機10bは、第1状態において、終了信号を受信した場合に、動作状態を第2状態に切り替えるが、これに限定される必要はない。たとえば、第1状態において、一定時間T1以上タッチ入力が無い場合には、第3状態に切り替え、さらに、第3状態において、一定時間T2以上タッチ入力が無い場合に、第2状態に切り替えるようにしてもよい。ただし、一定時間T1とT2は同じ時間でも異なる時間でもよい。
【0164】
また、第3実施例では、一台の親機10aに対して、一台の子機10bが接続されている場合について説明したが、子機10bは二台以上接続されてもよい。かかる場合には、親機10aは、起動信号および終了信号を各子機10bに送信する。
【0165】
この第3実施例によれば、親機10aは、第1実施例と同様に、無駄な消費電力を出来る限り抑えることができるとともに、使用可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。また、子機10bは、親機10aからの起動信号や終了信号で動作状態が切り替えられるので、消費電力を出来る限り抑えることができ、第3状態では、タッチパネル24がタッチされると、第1状態に切り替えられるので、すぐに使用可能な動作状態に切り替えることができる。
【0166】
また、この第3実施例でも、第1および第2実施例と同様に、第2状態において、起動時刻になると、動作状態が第2状態から第1状態に切り替えられるようにしてもよい。かかる場合には、
図17で示したCPU12の動作状態切替処理のステップS29、ステップS31、およびステップS115の処理が省略される。つまり、CPU12は、ステップS27で、起動時刻であると判断すると、
図16に示したステップS1に戻る。
【0167】
なお、第3実施例においても、第2実施例で示したサーバ204をネットワーク402に接続し、親機10aのスケジュールを管理するとともに、スケジュールが更新されたことに応じて、親機10aに更新信号を送信して、更新されたスケジュールを取得(ダウンロード)するようにしてもよい。
【0168】
上述の各実施例で挙げた画面構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、同じ効果が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。