特許第6393624号(P6393624)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393624
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ナースコール子機
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20180910BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-4783(P2015-4783)
(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-129586(P2016-129586A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】吉川 茂樹
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−152047(JP,A)
【文献】 特開2011−005172(JP,A)
【文献】 特開平10−118135(JP,A)
【文献】 米国特許第04298863(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
G08B 25/04
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルアームの先端に配置されたセンサヘッドに設けられ、被看護者の身体の一部が近づいたことを検出する近接センサと、
上記センサヘッドに設けられ、上記被看護者の発声を検出する音センサと、
上記近接センサおよび上記音センサによる検出の結果に基づいてナースコールの呼び出しを制御するコントローラとを備え、
上記コントローラは、
上記近接センサおよび上記音センサにおいてそれぞれ信号の検出が行われたか否かを判定する検出判定部と、
上記近接センサおよび上記音センサの両方において信号の検出が行われたと上記検出判定部により判定された場合は通常の呼び出しを行い、上記音センサにおいてのみ信号の検出が行われたと上記検出判定部により判定された場合は、上記センサヘッドの向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しを行う呼出制御部とを備えたことを特徴とするナースコール子機。
【請求項2】
上記近接センサに代えて、上記被看護者の身体の一部が接触したことを検出する接触センサを備え、
上記検出判定部は、上記接触センサおよび上記音センサにおいてそれぞれ信号の検出が行われたか否かを判定し、
上記呼出制御部は、上記接触センサおよび上記音センサの両方において信号の検出が行われたと上記検出判定部により判定された場合は通常の呼び出しを行い、上記音センサにおいてのみ信号の検出が行われたと上記検出判定部により判定された場合は、上記センサヘッドの向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しを行うことを特徴とする請求項1に記載のナースコール子機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコール子機に関し、特に、自力で手足を動かすことのできない被看護者が看護師を呼び出すために、音や接触などの手段によって呼び出しを行うことができるようにしたナースコール子機に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、被看護者または被介護者(以下、単に被看護者という)のベッドサイドなどに設置するナースコール子機と、ナースセンタなどに設置する固定型ナースコール親機および個々の看護師または介護者(以下、単に看護師という)が所持する携帯型ナースコール親機(以下、固定型および携帯型の両方を含めて単にナースコール親機という)とを備えて構成されている。この種のナースコールシステムにおいて、被看護者がナースコール子機の呼出ボタンを押下して呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことがナースコール親機にて報知される。
【0003】
ところで、被看護者の中には、意識はあっても、自力で手足を動かすことのできない様態の方もいる。このような被看護者が看護師を呼び出すために、被看護者の顔や舌などの接触を検出する接触センサ、被看護者の顔や舌などが近づいたことを検出する近接センサ、被看護者の声を検出する音センサなどの手段によって呼び出しを行うことができるようにしたナースコール子機が知られている。
【0004】
図5は、この種のナースコール子機の構成例を示す図である。図5に示すように、従来のナースコール子機は、可撓性を有するフレキシブルアーム2の先端に、接触センサ40、音センサ5および近接センサ6を配置したセンサヘッド3を備えている。このセンサヘッド3を、被看護者が自分の意志で動かせる部位の近傍(例えば、口元の近く)に位置決めすることにより、呼出ボタンを押せない被看護者でも呼び出しを行うことができるようになる。
【0005】
図5に示すナースコール子機は、センサヘッド3を被看護者の口元の近くに正しく位置決めすることによって、被看護者が呼び出しを行うことができるようになる。そのため、被看護者が意図せずセンサヘッド3に当たってしまうことにより、センサヘッド3の向きが変わってしまうと、呼び出しを行うことができなくなってしまうという問題があった。
【0006】
このような問題を解消するために、フレキシブルアームに設けたセンサヘッドの向きが変わったことを方向センサが検出した場合に、被看護者に対して呼び出しを行うようにアナウンスし、所定の時間が経過しても呼出信号を入力しなかった場合に、センサヘッドがずれていることをナースコール親機に報知する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この特許文献1に記載の技術によれば、アナウンスに応じて誰かがセンサヘッドの向きを元に戻してセンサにて信号を検出できるようにすれば、ナースコール親機では報知が行われないので、看護師を煩わせることがない。一方、ナースコール親機にて報知が行われると、報知を把握した看護師は、現場に駆けつけてセンサヘッドの向きを元に戻すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−5172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載のナースコールシステムでは、呼び出しのためのセンサに加えて、センサヘッドの向きが変わったことを検出する方向センサをセンサヘッドに設ける必要があるため、センサヘッドの構造が複雑になってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、センサヘッドの構造を複雑にすることなく、センサヘッドの向きが変わったことを検出して異常の呼び出しを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明のナースコール子機は、フレキシブルアームの先端に配置されたセンサヘッドに近接センサと音センサとを備え、近接センサおよび音センサの両方において信号の検出が行われた場合は通常の呼び出しを行い、音センサにおいてのみ信号の検出が行われた場合は、センサヘッドの向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しを行うようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、センサヘッドを被看護者の顔の近くに位置決めしておくと、被看護者が発声をすることによって、近接センサおよび音センサの両方において信号の検出が行われるため、通常の呼び出しが行われる。これに対し、被看護者が意図せずセンサヘッドに当たってセンサヘッドの向きが変わってしまうと、被看護者が発声をしたときに、音センサにおいて信号の検出は行われるが、近接センサでは信号の検出が行われなくなるため、センサヘッドの向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しが行われる。このため、近接センサおよび音センサのほかに、加速度センサのような方向センサをセンサヘッドに設けなくても、センサヘッドの向きが変わったことを検出して異常の呼び出しを行うことができる。これにより、センサヘッドの構造が複雑にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
図2】第1の実施形態によるナースコール子機の本体が内蔵するマイクロコンピュータによって実現される機能構成例を示すブロック図である。
図3】第2の実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
図4】第2の実施形態によるナースコール子機の本体が内蔵するマイクロコンピュータによって実現される機能構成例を示すブロック図である。
図5】従来のナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。図1に示すように、第1の実施形態によるナースコール子機10は、本体1、フレキシブルアーム2およびセンサヘッド3を備えて構成されている。
【0015】
本体1は、被看護者が使用するベッド上で、被看護者の頭部が位置する場所の周辺に据えられる。あるいは、本体1は、被看護者の頭部の周辺に置かれる台などに据えられる。この本体1は、マイクロコンピュータを内蔵しており、後述するナースコールの呼び出しを制御する。
【0016】
フレキシブルアーム2は、本体1に固定される基端2aから先端2bまでの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成されている。フレキシブルアーム2の基端2aは、本体1の上部1aに固定される。また、フレキシブルアーム2の先端2bには、センサヘッド3が配置される。すなわち、フレキシブルアーム2の先端2bにセンサヘッド3の3aが接続されている。
【0017】
センサヘッド3には、音センサ5、近接センサ6および確認灯7が設けられている。また、センサヘッド3には、音センサ5、近接センサ6および確認灯7が実装された基板(図示せず)が内蔵されている。そして、このセンサヘッド3の基板と本体1のマイクロコンピュータとの間をつなぐ配線(図示せず)が、フレキシブルアーム2の内部に通されている。フレキシブルアーム2の表面は、非導電性部材により構成されている。
【0018】
音センサ5は、被看護者による発声の音圧を検出するものである。音センサ5の検出部5aには、例えば、コンデンサ型マイクロフォンを使用することが可能である。なお、コンデンサ型マイクロフォンの代わりに、圧電型マイクロフォンを使用しても良い。また、圧力センサとしての機能を有するものとして、半導体容量式圧力センサを用いても良い。
【0019】
近接センサ6は、被看護者の身体の一部(被看護者の顔または舌など)が近づいたことを検出するものであり、本実施形態では光学式センサを使用している。すなわち、近接センサ6は、投光部6aと受光部6bとを備えており、投光部6aから赤外線などの信号を投光し、被看護者の顔や舌などに反射して返ってくる信号を受光部6bにて受光する。そして、赤外線を投光してから受光するまでの時間が所定値以下のときに、被看護者の身体の一部が近接センサ6に近接していることを検出する。
【0020】
確認灯7は、音センサ5および近接センサ6の両方が信号を検出することによってナースコールの一般呼出(通常の呼び出し)が行われたことを、点灯することによって被看護者に報知する。
【0021】
なお、本体1の上部1aには、音センサ5および近接センサ6の感度や検出時間を調整するボタン1bと、調整された感度や検出時間のレベルを表示する表示灯1cとが配置されている。
【0022】
図2は、第1の実施形態によるナースコール子機10の本体1が備えるマイクロコンピュータによって実現される機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、第1の実施形態によるマイクロコンピュータ20は、音センサ5および近接センサ6による検出の結果に基づいてナースコールの呼び出しを制御するものであり、その機能構成として、検出判定部21および呼出制御部22を備えている。なお、検出判定部21および呼出制御部22の機能は、マイクロコンピュータ20が備えるCPUの制御により、RAMやROMまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0023】
検出判定部21は、音センサ5および近接センサ6においてそれぞれ信号の検出が行われたか否かを判定する。すなわち、検出判定部21は、音センサ5によって被看護者による発声が検出されたか否かを判定するとともに、近接センサ6によって被看護者の近接が検出されたか否かを判定する。
【0024】
呼出制御部22は、音センサ5および近接センサ6の両方において信号の検出が行われたと検出判定部21により判定された場合は、呼出種別を「一般呼出」とする通常の呼び出しを行う。また、呼出制御部22は、音センサ5においてのみ信号の検出が行われたと検出判定部21により判定された場合は、センサヘッド3の向きが変わったことを知らせるために呼出種別を「異常呼出」とする異常の呼び出しを行う。
【0025】
センサヘッド3を被看護者の顔の近くに正しく位置決めしておくと、被看護者が発声をすることによって、音センサ5および近接センサ6の両方において信号の検出が行われるため、通常の呼び出しが行われる。これに対し、被看護者が意図せずセンサヘッド3に当たってセンサヘッド3の向きが変わってしまうと、被看護者が発声をしたときに、音センサ5において信号の検出は行われるが、近接センサ6では信号の検出が行われなくなるため、センサヘッド3の向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しが行われる。
【0026】
すなわち、被看護者が発声をしたときに、センサヘッド3の向きが正しければ通常の呼び出しが行われ、向きが変わってしまっている場合には異常の呼び出しが行われる。このため、第1の実施形態のナースコール子機10によれば、音センサ5および近接センサ6のほかに、加速度センサのような方向センサをセンサヘッド3に設けなくても、センサヘッド3の向きが変わったことを検出して異常の呼び出しを行うことができる。これにより、センサヘッド3の構造が複雑にならないようにすることができる。
【0027】
特に、第1の実施形態では、被看護者の顔や舌が近接センサ6にどの程度近接していれば信号の検出が行われるのかを被看護者が正確に把握していないことから、センサヘッド3の向きが変わってしまった場合でも、被看護者が通常の呼び出しを行おうとする場合がある。この場合に、近接センサ6により信号の検出が行われないと、異常の呼び出しが行われる。したがって、この異常呼出に基づく報知を把握した看護師は、現場に駆けつけてセンサヘッド3の向きを元に戻すことができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図3は、第2の実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。なお、この図3において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0029】
図3に示すように、第2の実施形態によるナースコール子機10’は、本体1、フレキシブルアーム2およびセンサヘッド3’を備えて構成されている。センサヘッド3’には、接触センサ4、音センサ5および確認灯7が設けられている。すなわち、第2の実施形態では、センサヘッド3’は、近接センサ6に代えて接触センサ4を備えている。
【0030】
センサヘッド3’には、音センサ5および確認灯7が実装された基板(図示せず)が内蔵されている。そして、このセンサヘッド3’の基板と本体1のマイクロコンピュータとの間をつなぐ配線(図示せず)が、フレキシブルアーム2の内部に通されている。
【0031】
接触センサ4は、被看護者の身体の一部(被看護者の顔または舌など)が接触したことを検出するものであり、センサヘッド3’の先端3bに配置され、上述の基板に電気的に接続されている。この接触センサ4は、センサヘッド3’の先端3bに固定される基端4aから先端4bまでが、自在に湾曲させた状態に維持可能に構成されたフレキシブルアーム4cで構成され、先端4bが検出面の構造となっている。そして、当該検出面4bが被看護者の口元に位置決めされる。
【0032】
接触センサ4の検出面4bは、全方位から被看護者の接触を検出可能に形成されている。具体的には、検出面4bの全体を導電性のステンレスにより構成している。なお、フレキシブルアーム4cもステンレスにより構成することにより、フレキシブルアーム4cの全体を検出面として構成することも可能である。
【0033】
図3に示すように、本体1とセンサヘッド3’とを接続するフレキシブルアーム2および接触センサ4のフレキシブルアーム4cは何れも円筒型であり、フレキシブルアーム4cの直径はフレキシブルアーム2の直径よりも小さい。これにより、接触センサ4のフレキシブルアーム4cは、フレキシブルアーム2と比べて、特定の部位をより鋭角に湾曲させることができるようになっている。
【0034】
なお、本体1の上部1aに配置されたボタン1b’は、接触センサ4および音センサ5の感度や検出時間を調整するためのボタンである。
【0035】
図4は、第2の実施形態によるナースコール子機10’の本体1が備えるマイクロコンピュータによって実現される機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、第2の実施形態によるマイクロコンピュータ20’は、接触センサ4および音センサ5による検出の結果に基づいてナースコールの呼び出しを制御するものであり、その機能構成として、検出判定部21’および呼出制御部22’を備えている。なお、検出判定部21’および呼出制御部22’の機能は、マイクロコンピュータ20’が備えるCPUの制御により、RAMやROMまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0036】
検出判定部21’は、接触センサ4および音センサ5においてそれぞれ信号の検出が行われたか否かを判定する。すなわち、検出判定部21’は、接触センサ4によって被看護者による接触が検出されたか否かを判定するとともに、音センサ5によって被看護者による発声が検出されたか否かを判定する。
【0037】
呼出制御部22’は、接触センサ4および音センサ5の両方において信号の検出が行われたと検出判定部21’により判定された場合は、呼出種別を「一般呼出」とする通常の呼び出しを行う。このような制御を可能とするために、接触センサ4は、フレキシブルアーム4cを湾曲させて、その先端の検出面4bを音センサ5の近傍に位置決めして使用する。また、呼出制御部22’は、音センサ5においてのみ信号の検出が行われたと検出判定部21’により判定された場合は、センサヘッド3’の向きが変わったことを知らせるために呼出種別を「異常呼出」とする異常の呼び出しを行う。
【0038】
センサヘッド3’を被看護者の顔の近くに正しく位置決めし、かつ、接触センサ4のフレキシブルアーム4cを湾曲させて検出面4bを音センサ5の近傍に位置決めしておくと、被看護者が検出面4bに触れながら発声をすることによって、接触センサ4および音センサ5の両方において信号の検出が行われるため、通常の呼び出しが行われる。
【0039】
これに対し、被看護者が意図せずセンサヘッド3’に当たってセンサヘッド3’の向きが変わってしまうと、被看護者が検出面4bに触れることができなくなる。そのため、被看護者が発声をしたときに、音センサ5において信号の検出は行われるが、接触センサ4では信号の検出が行われなくなるため、センサヘッド3’の向きが変わったことを知らせるための異常の呼び出しが行われる。
【0040】
このため、第2の実施形態のナースコール子機10’によれば、接触センサ4および音センサ5のほかに、加速度センサのような方向センサをセンサヘッド3’に設けなくても、センサヘッド3’の向きが変わったことを検出して異常の呼び出しを行うことができる。これにより、センサヘッド3’の構造が複雑にならないようにすることができる。
【0041】
なお、第2の実施形態では、被看護者の顔や舌が接触センサ4に触れていないことは、被看護者自身が自覚することができる。そのため、センサヘッド3’の向きが変わって接触センサ4に触れることができなくなってしまった場合は、被看護者が発声を行うことによって自分の意思で異常の呼び出しを行い、この異常呼出に基づく報知を把握した看護師によってセンサヘッド3’の向きを元に戻してもらうことができる。
【0042】
なお、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
3,3’ センサヘッド
4 接触センサ
5 音センサ
6 近接センサ
10,10’ ナースコール子機
20,20’ マイクロコンピュータ
21,21’ 検出判定部
22,22’ 呼出制御部
図1
図2
図3
図4
図5