(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
番組再生装置によって記録済みの番組を再生する際に、サーバで生成された前記番組の登場対象を示す情報を当該番組の映像データに付帯させて表示する番組再生システムであって、
前記サーバは、
番組をサーバ用記録媒体に記録するサーバ用記録手段と、
番組の登場対象を特定可能な情報と当該登場対象の名前情報とが対応して格納されたデータベースを前記サーバ用記録媒体に記録されている番組に基づいて参照して当該登場対象の名前情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された名前情報の表示位置を当該登場対象の表示位置に基づいて決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された表示位置に従って前記名前情報が表示される名前情報レイヤーを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された名前情報レイヤーを前記番組と紐付けて番組再生装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記番組再生装置は、
前記送信手段によって送信された名前情報レイヤーを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された名前情報レイヤーを記録済みの番組に紐付けて記録する名前情報用記録手段と、
前記記録済みの番組を再生する際に前記名前情報用記録手段によって記録された名前情報レイヤーを重畳させて表示媒体に出力する出力手段と、
を備える番組再生システム。
前記紐付は、前記サーバで、番組と当該番組の放送開始時刻に対応するタイムインデックスを記録し、当該タイムインデックスを前記名前情報レイヤーとともに前記番組再生装置に送信し、かつ、
前記番組再生装置で、前記番組を自装置に付帯する記録媒体に記録しながら当該記録と同時にタイムインデックスを生成して前記番組の記録先を示す位置データとともに記録することによって行う、請求項1記載の番組再生システム。
前記出力手段は、記録済みの番組の再生時に、当該番組に対応する生成済みのタイムインデックスと前記サーバから送信されたタイムインデックスとに基づいて、当該番組に対して前記名前情報レイヤーを重畳させる処理を行う、請求項1記載の番組再生システム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている番組受信装置は、番組に初登場したり、あまり名前が知られていなかったり、番組情報に名前が掲載されていなかったりするタレントなどの番組出演者或いはグループ(以下、単に「出演者」と称する。)については、意味をなさない仕様になっている。
【0005】
すなわち、上記のような場合の出演者の出演番組については、タイマー録画したり、所望する番組であっても視聴したりすることができない、という問題がある。例えば、特定の番組の番組情報に名前が掲載されていないが当該特定の番組に出演する出演者については、番組の放送前に、その事実を把握できないためである。
【0006】
また、番組間或いは番組内でのいわゆるテレビコマーシャルについても、タイマー録画等の需要はあると考えられるが、テレビコマーシャルについての情報はEPG(Electronic program guide:電子番組表)などの番組情報では扱われていないため、従来の番組受信装置では、テレビコマーシャルについてタイマー録画等をすることができなかった。
【0007】
これは、従来の番組受信装置における処理が、番組情報に依存していることが前提だからである。これでは、せっかく各種処理を実行しているにも拘らず、タイマー録画等を行える場面が限定的であり、改善の余地がある。また、出演者情報を視聴者に提供する点については、さほど検討されておらず、この点においても改善の余地がある。
【0008】
そこで、本発明は、番組情報のみに依存することなく番組出演者など、番組の登場対象の情報を取得して、視聴者に対して適宜提供できるようにすることを課題とする。なお、本明細書で「番組」と称する場合には、テレビコマーシャルも含めたものとする。
【0009】
また、「番組」とはテレビジョン番組のみならず、インターネットなどのネットワークを通じて送信される各種番組(典型的には、いわゆるインターネットテレビの番組)も含むものとする。
【0010】
とりわけ、本発明は、録画した番組の再生時に画面に表示される出演者を示す出演者情報を、当該番組の映像データに重畳させて再生する番組再生装置及び情報再生システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、番組再生装置によって記録済みの番組を再生する際に、サーバで生成された前記番組の出演者などの番組の登場対象を示す名前情報などの各種情報を当該番組の映像データに付帯させて表示する番組再生システムであって、
前記サーバは、
番組をサーバ用記録媒体に記録するサーバ用記録手段と、
番組の出演者を特定可能な顔画像情報の特徴量などの情報と当該出演者の名前情報とが対応して格納されたデータベースを前記サーバ用記録媒体に記録されている番組に基づいて参照して所望のマッチング処理などで当該番組の出演者の名前情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された名前情報の表示位置を当該出演者の表示位置に基づいて決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された表示位置に従って前記名前情報が表示される名前情報レイヤーを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された名前情報レイヤーを前記番組と紐付けて番組再生装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記番組再生装置は、
前記送信手段によって送信された名前情報レイヤーを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された名前情報レイヤーを記録済みの番組に紐付けて記録する名前情報用記録手段と、
前記記録済みの番組を再生する際に前記名前情報用記録手段によって記録された名前情報レイヤーを重畳させて表示媒体に出力する出力手段と、
を備える。
【0012】
前記番組の出演者情報を電子番組ガイド或いは当該番組の紹介サイトなどから取得する取得手段を備え、
前記特定手段は、前記取得手段によって取得された出演者情報を加味して名前情報を特定してもよい。
【0013】
前記番組の出演者の名前情報を募集する募集手段を備えてもよい。さらに、前記決定手段は、前記募集手段による募集によって寄せられた名前情報の表示位置を決定してもよい。
【0014】
前記紐付は、前記サーバで、番組と当該番組の放送開始時刻に対応するタイムインデックスを記録し、当該タイムインデックスを前記名前情報レイヤーとともに前記番組再生装置に送信し、かつ、
前記番組再生装置で、前記番組を自装置に付帯する記録媒体に記録しながら当該記録と同時にタイムインデックスを生成して前記番組の記録先を示す位置データとともに記録することによって行えばよい。
【0015】
前記出力手段は、記録済みの番組の再生時に、当該番組に対応する生成済みのタイムインデックスと前記サーバから送信されたタイムインデックスとに基づいて、当該番組に対して前記名前情報レイヤーを重畳させる処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、番組再生装置によって記録済みの番組を再生することを前提としたシステムを提供するので、そもそも、番組に初登場したり、あまり名前の知られていなかったり、番組情報に名前が掲載されていなかったりする出演者の出演番組であっても、タイマー録画したり、視聴したりすることができないということが観念されない。
【0017】
また、本発明によれば、番組再生装置によって記録済みの番組を再生することを前提としているため、当該番組の放送から再生までの間に、番組の出演者を示す情報をサーバで生成すること、及び、その情報を当該番組の映像データに重畳させることが可能となるので、その出演者を示す出演者情報を、視聴者に報知することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態の番組再生システムで実現できる効果の概要説明図である。
図1には、例えば2人の出演者の映像データがテレビジョン受信機のモニタにディスプレイされている状態を示している。また、これらの各出演者に付帯して、これらの出演者の名前情報が表示されている。
【0020】
本実施形態では、名前情報が表示される名前情報レイヤーをサーバで生成し、この名前情報レイヤーを番組再生装置で受信して、番組の映像データに選択的に重畳することで、名前情報の表示を実現している。名前情報の表示位置は、主として、出演者の顔部分に被らないような位置がサーバ側で決定される。この決定は、例えば、映像データの映像分析によって顔部分の位置情報を特定し、その部分を除いた位置とすればよい。
【0021】
もっとも、名前情報の表示位置は、映像データに占める出演者部分の面積の大きさ或いは位置にも依存して決定している。例えば、映像データに占める出演者部分の面積が小さい場合には、上記と同様の手法によって、出演者の顔部分のみならず、出演者部分に被らないようにすることもできる。また、例えば、映像データに占める出演者部分の面積が小さい場合には、名前情報の表示領域の大きさ自体を小さくしてもよい。ただ、この条件さえ満たせば、名前情報の表示位置は、出演者の顔部分の近くにする方が好ましい。
【0022】
また、本実施形態では、各名前情報には、その出演者の人物の概要、略歴、人物像を含む各種情報などのメタデータを紐付している。このため、例えば、視聴者が番組再生装置のリモートコントローラなどを用いて名前情報を選択して決定すると、当該メタデータを表示することができる。
【0023】
図2は、
図1に示す効果を実現する番組再生システムの概要を示すブロック図である。
図2には、以下説明する、番組再生装置10と、サーバ50と、データベース60と、ネットワーク70と、を備える。念のため付言すると、既述のように、本実施形態における番組再生システムの記録対象は、番組のほかにテレビコマーシャルも含まれる。
【0024】
番組再生装置10は、主として、テレビ信号送信所から送信される番組が記録されるものである。番組には、映像データおよび音声データが含まれ、テレビジョン番組の場合には、デジタル信号又はアナログ信号からなる放送波のことである。番組再生装置10は、番組が記録されるハードディスクなどの記録媒体を備えていて、一例として、番組を常時記録している。
【0025】
この際、番組再生装置10は、番組を記録媒体に記録しながら、その記録と同時に、例えば、番組の放送開始時刻及び放送終了時刻を特定するためのタイムインデックスを生成して、記録媒体における番組の記録先を示す位置データとともに記録している。
【0026】
換言すると、番組再生装置10は、番組の記録時には、当該番組を記録する際の「記録開始時刻」を含む例えば1/60秒〜1秒ごとの「時刻データ」と、番組の物理的又は論理的な記録先を示す「位置データ」とを、番組とともに記録媒体に記録している。
【0027】
また、番組再生装置10は、複数のチューナを備えていて、アナログ放送された番組データも処理できるように、A/Dコンバータを備えていてもよい。
【0028】
さらに、番組再生装置10は、サーバ50の送信手段によって送信される名前情報レイヤーを受信する受信手段と、受信手段によって受信された名前情報レイヤーを記録済みの番組に紐付けて上記記録媒体又は別の記録媒体に記録する名前情報用記録手段と、記録済みの番組を再生する際に前記名前情報用記録手段によって記録された名前情報レイヤーを重畳させて表示媒体に出力する出力手段とを備える。
【0029】
サーバ50は、番組再生装置10に記録されている番組の再生時等に重畳可能な名前情報レイヤーを生成するものである。サーバ50でも、番組と当該番組の放送開始時刻などに対応していて番組の再生時に用いられるタイムインデックスとが記録されるハードディスクなどのサーバ用記録媒体と、番組をサーバ用記録媒体に記録するサーバ用記録手段とを備えていて、一例として、番組が常時記録される。
【0030】
また、サーバ50は、サーバ用記録媒体に記録されている番組に基づいてデータベース60を参照して所望のマッチング処理などで当該番組の出演者の名前情報を特定する特定手段と、特定手段によって特定された名前情報の表示位置を当該出演者の表示位置に基づいて決定する決定手段と、決定手段によって決定された表示位置に従って前記名前情報が表示される名前情報レイヤーを生成する生成手段と、生成手段によって生成された名前情報レイヤーをタイムインデックスなどを通じて前記番組と紐付けて番組再生装置10に送信する送信手段とを備える。
【0031】
さらに、サーバ50は、番組の出演者情報を電子番組ガイド或いはネットワーク70上の当該番組の紹介サイトなどから取得する取得手段と、番組の出演者の名前情報を募集する募集手段を備える。したがって、特定手段は取得手段によって取得された出演者情報又は募集手段による募集によって寄せられた名前情報を加味して、名前情報を特定してもよい。
【0032】
前記出力手段は、記録済みの番組の再生時に、当該番組に対応する生成済みのタイムインデックスと前記サーバから送信されたタイムインデックスとに基づいて、当該番組に対して前記名前情報レイヤーを重畳させる処理を行うことができる。
【0033】
データベース60は、サーバ50に付帯するものであり、番組の出演者を特定可能な顔画像情報などの情報と出演者の名前情報とが対応して格納されている。もっとも、データベース60は、サーバ50に内蔵されていてもよい。
【0034】
ネットワーク70は、番組再生装置10とサーバ50とを接続するインターネットなどのネットワークである。
【0035】
図3は、
図2に示す番組再生システムの動作を示すタイムチャートである。まず、番組再生装置10では、番組の常時記録処理を開始する(ステップS1)。
【0036】
この処理は、番組再生装置10の電源がオンして所定の初期動作が完了すると、メンテナンスによる休止時間といった例外を除いて、テレビ信号送信所から送信される番組を、記録媒体に常時記録するというものである。すなわち、本明細書における「常時記録」という用語は、24時間365日、全くの欠落なく記録するという意味ではないことに留意されたい。また、この記録の際には、既述のタイムインデックスを生成して、番組の記録先を示す位置データとともに記録している。
【0037】
一方、サーバ50でも、タイムインデックス等の記録処理を行う(ステップS2)。
【0038】
この処理は、既にテレビ信号送信所から送信されたテレビ番組に関し、タイムインデックス等を作成して、データベース60に記録していくものである。なお、典型的には、番組再生装置10とサーバ50とで、同じタイミングで同じタイムインデックスとなるように生成すればよい。しかし、両タイムインデックスで対応する同期ができるようにされていれば、同じタイムインデックスでなくてもよい。
【0039】
つぎに、サーバ50では、名前情報レイヤーの生成処理を行う(ステップS3)。
【0040】
この処理は、データベース60に名前情報レイヤーを生成しようとしている顔画像の特徴点などの情報が記録されていることを条件に、まず、特定手段が、サーバ用記録媒体に記録されている番組の例えば映像データから切り出した複数のフレーム画像から特徴点を抽出し、かつ、当該特徴点とデータベース60に記録されている顔画像の特徴点とを、各特徴点を相互にベクトルマッチングなどを用いてマッチング処理をすることで、当該番組の出演者の名前情報を特定するものである。
【0041】
一方、データベース60に名前情報レイヤーを生成しようとしている顔画像の情報が記録されていない場合には、一例としては、サーバ50では、取得手段が番組出演者の名前情報を電子番組ガイド或いは当該番組の紹介サイト又はタレント名鑑・スポーツ選手名鑑などから取得することで、データベース60以外の媒体から名前情報を取得し、その名前情報によってデータベースを上書きするとともに、その出演者情報に基づいて名前情報を特定してもよい。
【0042】
或いは、一旦、特定手段によって特定できた範囲で、以下説明する手法などによって、名前情報レイヤーを生成して、その名前情報レイヤーを番組再生装置10に送信してもよい。この場合、名前情報レイヤーにおいて、特定できない名前情報の表示箇所については、ブランク表示にするとか「?」などを表示するとかした対応をして、番組の出演者の名前情報を視聴者から募集することが考えられる。
【0043】
募集の手法は、一例としては、専用ウェブサイトを設けておき、そのウェブサイトを通じて視聴者から名前情報を入力してもらうことが考えられる。なお、特定手段による特定に誤りがある場合のあるので、このウェブサイト或いは別途用意するウェブサイトを通じて、名前情報の修正も行えるようにするとよい。そして、募集の結果、名前情報が特定できたならば、その名前情報によってデータベースを上書きするとともに、その出演者情報に基づいて名前情報を特定してもよい。
【0044】
加えて、募集の結果、所定期間内に名前情報が特定できないならば、或いは、上記募集に代えて、又は、上記募集を終了して、特定したい出演者の出演番組内で当該出演者の名前を表示するテロップがあったり、卓上などに名札があったりすれば、そのテロップから名前情報を特定してもよい。
【0045】
これは、例えば、複数のゲスト或いは解説者が出演する番組では、各ゲストが大きく表示される際などに、テロップなどを用いて各人の氏名が紹介される場合に好適な手法である。すなわち、係る場合には、名前情報レイヤーの生成処理中に、当初特定できなかった出演者情報が、追ってテロップから特定できるので、出演者情報が特定できた段階で、当該番組の名前情報レイヤーを更新すればよい。
【0046】
これを実現するためには、具体的には、名前情報レイヤーの生成処理実行の際に、特定できない名前情報の表示箇所については、単に「?」といった表示をするのではなく、名前を特定できない出演者ごとに「?1」,「?2」,「?3」,「?4」・・・のような固有のマークを表示する、或いは、実際に固有のマークを表示しなくとも、裏側では「?」などを表示しても、固有IDを割り当てておき、いずれかの固有のマーク等に対応する名前情報が特定できた場合に、当該固有のマーク等に関して、特定済みの名前情報を更新すればよい。
【0047】
なお、マッチングでの精度が低い場合、また、募集の結果として送信されてきた名前情報が誤っている場合などには、サーバ50の管理者等が、目視で画像データから出演者の名前を判定し、入力できるようにしてもよい。
【0048】
つづいて、サーバ50では、決定手段が、特定手段によって特定された名前情報の表示位置を当該出演者の表示位置に基づいて、例えば、出演者の顔部分と被らない条件で決定する。その後、生成手段が、決定手段によって決定された表示位置に従って前記名前情報が表示される名前情報レイヤーを生成する。
【0049】
なお、一例としては、出演者が動くことなどにより、映像データ内での出演者の顔の位置が変わることがあるので、係る場合には、これに追従して、例えば、出演者の顔部分と被らない条件で名前情報の表示位置も動くようにするとよい。このために、本実施形態では、文字列である名前情報と、それを表示する映像データ内での座標情報とを対応させた名前情報レイヤーを生成している。
【0050】
その後、送信手段によって、生成手段によって生成された名前情報レイヤーを、タイムインデックスなどを通じて前記番組と紐付け、ネットワーク70を介して、定期的に又は不定期に、番組再生装置10に送信される。
【0051】
つぎに、番組再生装置10では、受信手段によって、サーバ50から送信されるタイムインデックス及び名前情報レイヤーを受信する(ステップS4)。
【0052】
当該タイムインデックス及び名前情報レイヤーは、一緒に送信してもよいし、別々に送信してもよい。番組再生装置10は、名前情報用記録手段によって、受信手段によって受信したタイムインデックスと、自装置に記録済みのタイムインデックスとに基づいて、名前情報レイヤーを番組に紐付けて記録媒体に記録する。
【0053】
その後、番組の視聴者がテレビジョン受信機の電源をオンして、そのモニタに表示される指示に従って、番組再生装置10に記録済みの特定の番組を選択した状態で、視聴者によって例えば番組再生装置10のリモートコントローラの再生ボタンが押下されたとする。こうして、番組再生装置10に対して再生指示がなされると(ステップS5)、この指示を受信した番組再生装置10では、番組の再生処理が開始される(ステップS6)。
【0054】
その後、番組の再生中に、視聴者によって例えば番組再生装置10のリモートコントローラの名前情報表示ボタン或いは当該ボタンを押下することで実現される処理を実行する機能を実現するための汎用的なボタンが押下されたとする。こうして、番組再生装置10に対して名前情報の表示指示の実行指示が送信されると(ステップS7)、この指示を受信した番組再生装置10では、再生中の番組の映像データに対して、これに対応する名前情報レイヤーを、スプライト制御などの画像処理を実施することで重畳させる。そして、名前情報レイヤーが重畳された映像データが、テレビジョン受信機のモニタ(表示媒体)に出力される(ステップS8)。
【0055】
その後、名前情報レイヤーが映像データに重畳された番組の再生中に、視聴者によって例えば番組再生装置10のリモートコントローラの名前情報表示ボタン等が押下されたとする。こうして、番組再生装置10に対して名前情報の表示の解除指示がなされると(ステップS9)、この指示を受信した番組再生装置10では、重畳させる画像処理を終了し、テレビジョン受信機のモニタ(表示媒体)には、再生中の番組の映像データのみを出力する(ステップS10)。
【0056】
なお、番組再生装置10には、既知のように、リモートコントローラの各ボタンに対応する識別子と、当該識別子に対応する命令内容とが一対で記録されているテーブルメモリ等が備えられている。このため、番組再生装置10は、リモートコントローラから送信される信号を受信すると、このテーブルメモリ等を参照することで対応する命令を特定することができる。
【0057】
なお、名前情報表示ボタン等の押下なしに、視聴者からの明示的に、名前情報の表示の解除指示がなされるまでは、初期状態として、名前情報を表示するようにすることも一法である。
【0058】
また、本実施形態では、各名前情報には、その出演者の人物の概要等を示すメタデータを紐付しているので、例えば、視聴者が番組再生装置のリモートコントローラなどを用いて、表示中の名前情報を選択して決定すると、当該メタデータがテレビジョン受信機のモニタに表示することもできる。なお、係る場合に、視聴者が人物の概要等をきちんと閲覧したいことが予想されるので、再生中の番組を一時停止し、その後に、当該表示の解除が視聴者から明示された場合に、番組の再生を再開してもよい。
【0059】
また、ステップS7の名前情報表示実行命令がなされたときに、視聴者が、そのときモニタに表示されている出演者について関心があるとも考えられるので、番組再生装置10では、その命令を受信したことのログを取り、その受信時に対応するタイムインデックスを、サーバ50に送信するようにしてもよい。こうすると、サーバ50では、視聴者が関心を持っている出演者が誰であるかといったビッグデータを取得することが可能となる。
【0060】
このビッグデータは、例えば、広告会社にとっては、テレビコマーシャルで起用するタレントなどの選定に用いることができる。とりわけ、番組再生装置10のユーザの属性を予め取得しておけば、視聴者の属性別に、ビッグデータを分けることができるので、効果的な広告をすることが可能となる。
【0061】
加えて、例えば、所望の機械学習モデルを用いて、信頼性の高いビッグデータを取得することもできる。具体的には、例えば、再生中の番組の映像データがモニタに表示されているときに、複数の出演者が同時表示されていることもあるので、視聴者が、そのタイミングで名前情報表示ボタン等を押下した場合に、いずれの出演者の名前情報が知りたくて押下したかということを、教師あり学習の場合に「誰の名前が知りたくてボタンを押しましたか?」といった教師データを用意して、いずれの出演者の名前情報が知りたくて押下されたかを特定することが考えられる。
【0062】
或いは、これに代えて、ビッグデータの価値を向上させるためには、サーバ50では以下の処理を実行してもよい。すなわち、例えば2人の出演者が登場している映像の場面で名前情報表示実行命令がなされた場合には、名前情報表示実行命令の受信時に対応するタイムインデックスから始まって、1人の出演者の名前情報のみが名前情報レイヤーに残るまで遡ったときに、名前が残らなかった出演者について視聴者は関心があるとして処理することができる。
【0063】
これは、その出演者が映像に登場したことを契機に、名前情報表示実行命令がなされたと考えられるので、早い時期から映像に登場していた人よりも、その後に映像に登場した人、すなわち、2人目に登場した出演者に関心がある可能性が高いと考えられるためである。同様に、3人の出演者が登場している映像の場面で名前情報表示実行命令がなされた場合も、3人目に登場した出演者に関心があるといった具合に処理することができる。
【0064】
或いは、例えば2人の出演者が登場している映像の場面で名前情報表示実行命令がなされた場合には、一方の出演者が有名人である場合には、わざわざ、その出演者の名前を知りたいとは考えにくく、他方の出演者に関心があると考えられるので、他方の出演者に対して関心があるとして処理することができる。
【0065】
このためには、有名人であるほど、両出演者に係る名前情報がデータベースの記録されてからの期間差が長い、各種番組へのトータルの出演時間が長い、或いは、名前情報表示ボタン等が押下される回数が少ないと考えられるので、これらのいずれか又はいくつかを組み合わせたものなどを指標として判断すればよい。
【0066】
以上、本実施形態では、画像データに基づいて名前情報を特定して名前情報レイヤーを生成する例を説明したが、これに代えて、音声データに基づいて名前情報を特定して名前情報レイヤーを生成してもよい。さらに、名前情報として人名を例に説明したが、番組に登場するものであれば人名に限られず、番組で採用されている曲の曲名、ドラマなどのロケ地の地名、映像に含まれている商品の商品名などの登場対象の名前としてもよい。
【0067】
そして、これらの各名前の場合のメタデータとしては、例えば、その曲をダウンロード購入できるウェブサイトのリンク情報、そのロケ地までの路線情報或いはロケ地の地図情報、その商品を購入できるウェブサイトのリンク情報とすることができる。
【0068】
さらに、番組再生装置10では、名前情報表示実行命令がなされたときのログを取っていることから、番組再生装置10又は当該ログが送信されたサーバ50において、その名前情報の出演者が出演した他の番組を視聴者に推奨する推奨文を作成して、テレビジョン受信機のモニタに出力することもできる。また、その出演者名を検索エンジンなどを用いて、ネットワーク70を介して検索して、検索結果をの中から当該出演者が登場するDVDを含む関連商品を示す情報を作成して、テレビジョン受信機のモニタに出力することもできる。