(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項5に記載の方法において、前記方法は、さらに、第2の所定の時間に、前記乗物制御装置から前記乗物車両ナビゲーションシステムに第2の制御信号を送信するステップを備え、前記第2の制御信号は、
a.前記乗物車両の前記第1の命令可能なアドレスに対応する第3の所定の命令可能アドレスと、
b.第1の指示を規定する命令であって、i.前記第1の指示は、第2の所定の方向を含む、第1の指示を規定する命令と、
c.前記第2の能動的に操縦可能な推進用車輪のために事前にプログラムされたルートに沿う第2の所定の速度とを含む、方法。
請求項5に記載の方法において、前記方法は、さらに、前記乗物車両ナビゲーションシステムから命令を発するステップを含み、前記命令が、同じ速度で同じ方向に前記第1の能動的に操縦可能な推進用車輪及び前記第2の能動的に操縦可能な推進用車輪を同時に駆動する、方法。
請求項5に記載の方法において、前記方法は、さらに、前記乗物車両ナビゲーションシステムから命令を発するステップを含み、前記命令が、異なる速度で所定の方向に前記第1の能動的に操縦可能な推進用車輪及び前記第2の能動的に操縦可能な推進用車輪を同時に駆動する、方法。
請求項11に記載の方法において、前記乗物車両が予めプログラムされたルートに沿って停止されたときに、前記再充電可能なバッテリの前記通電/充電システムへの接続を発生させる、方法。
請求項5に記載の方法において、前記方法は、さらに、前記旋回軸受ピニオンの回転方向にしたがって、360度より大きい角度量で、逆方向に回転することによって初期位置に戻ることを必要とせずに、前記シャーシに対して前記旋回軸受の上半部を時計回りにまたは反時計回りに駆動するステップを含む、方法。
請求項14に記載の方法において、前記枢動可能連結部は、デュアルシャフト連結部を含み、当該デュアルシャフト連結部は、デュアルシャフトが同一線上にないときでさえ、一方のシャフトから別のシャフトへトルクを伝達することが可能である、方法。
【背景技術】
【0003】
アミューズメントパークの乗物のための車両は、長い間存在してきた。ごく初期の車両
は、軌道の上に乗っていた。これらの車両は、軌道の上の車輪の金属と金属とが擦り合う
音に起因して、騒々しかった。これらの車両を利用する乗物は、軌道の除去、再構築、お
よび再設置の難しさに起因して、変化を受け入れなかった。さらに、これらの車両は、自
己動力付きではなかった。それぞれの車両、または一連の車両は、乗物全体を通して連続
的なループを走るロープ、チェーン、またはケーブルに連結されることが可能であった。
また、ロープ、チェーン、またはケーブルの動きが、望ましくない騒音を生じさせた。そ
のうえ、ロープ、チェーン、またはケーブルの単なる存在が、(つまずき(tripping)、
または、もつれ(entanglement)に起因して)身体的な脅威を、乗物車両(ride vehicle
)の安全装置から離れた任意の人々、および、アミューズメント用乗物の操作者自身に与
える。
【0004】
ごく初期の車両に適用された革新によって、非搭載型の電力供給部によって電力を供給
される搭載型の電気モータの形態となった。電力を電気モータに伝送するために、軌道の
上を走る車両は、「第3のレール」を利用し、「第3のレール」は、典型的に軌道から所
定の固定された距離にある軌道の側部の間、または、その側部へ走っていた。車両から突
出する導電性金属ブラシまたはシューが、第3のレールと接触していた。電力は、典型的
に、第3のレールから車両の電気モータへ、ブラシまたはシューを介して伝わり、接地さ
れた乗物の金属製の軌道に接触する車両の金属製車輪を介して地面に戻された。顧客が、
乗物車両を出て、電化された第3のレールの上につまずいた場合に、このタイプの電気式
の車両は、顧客の感電死という重大な危険をモータらした。さらに、このタイプの電気式
の車両は、依然として軌道に結合しており、すべての問題がそれに関係していた。
【0005】
すべての電気式乗物車両が、軌道に結合しているわけではない。乗客によって操縦され
る「バンパーカー」などのような車両は、典型的に、乗物の上方に位置付けられている電
化されたグリッドに交差してこすり付けるブラシまたは固体導体を介して電力を得ていた
。電流は、同様の接点または金属製のローラーを介して地面に戻され、乗物の固体金属の
床に直接的に戻されていた。また、顧客が、不適当に絶縁された電極(乗物の上方の電化
されたグリッドにこすり付ける接点を支持している)および地面に同時に接触した場合に
、このタイプの電気式の車両は、顧客の感電死という重大な危険をモータらす。そのうえ
、乗っている間に顧客が車両を出ることとなる場合には、これらの車両は、典型的に乗物
の中の車両のうちの1つまたはすべてを不能にし得る安全機能の欠如の問題をモータらし
た。同様の安全機能の欠如が、軌道の上を走る電化された車両に存在した。
【0006】
車両に電力を供給することに関する革新が、軌道からいくつかの車両を自由にした。例
えば、Disney Enterprises,Inc.は、1982年に、EPCOT
(登録商標)テーマパークの「Universe of Energy」パビリオンでバ
ッテリ動力付きの乗物車両を導入した。The World According to Jack、http://land.all
ears.net/blogs/jackspence/2010/10/universe_of_energy_l.html(最終表示日2012
年5月8日)。この乗物では、顧客は、「従来の乗物軌道に沿った乗車とは対照的に、床
の中に埋め込まれたガイドワイヤを辿る大型のバッテリ動力付きの「移動シアターカー」
で、パビリオンを通って輸送された。」Wikipedia、http://en.wikipedia.org/wiki/Univ
erse_of_Energy(最終表示日2012年4月17日)。このタイプの乗物は、乗物車両の
分野において2つの問題を生じさせる。
【0007】
第1に、大型のバッテリ作動型の車両の移動は、多量のエネルギーを消費する。大量の
エネルギーの貯蔵は、多くの再充電可能なタイプのバッテリを要求する。Univers
e of Energyの車両に関して、「それぞれの車両が、8つの自動車用バッテリ
を運んでいる。当然ながら、これらのバッテリは、頻繁に再充電されることが必要であり
、したがって、アトラクションの2つのターンテーブル内には、電磁石を含有する「充電
プレート」がある。磁石は、車両のバッテリに伝送される電流を作り出す搭載型の磁石と
連動して働く。」The World According to Jack、上記参照。このタイプの車両がその充
電ステーション(例えば、ターンテーブル)に費やす時間の量と、車両がその自分自身の
電力で動くことに費やす時間の量との比率は、1よりも大きいと考えられている。したが
って、車両のバッテリは、車両が運動しているときの時間に対して長時間にわたって、ゆ
っくりと充電されている。
【0008】
第2に、床の中に埋め込まれたガイドワイヤを使用する車両は、軌道の上に乗っている
車両と同様に、ワイヤを除去、再構築、および再設置することの難しさに起因して、車両
の移動経路の構成の変化を受け入れない。そのうえ、まさに軌道と同様に、ガイドワイヤ
を辿る車両は、ガイドワイヤの上に留まらなければならず、したがって、車両は、結局は
、移動を開始した点に戻らなければならず、それ自体を横切る経路があったとしても、全
く不可能ではないにしても容易には、その経路を辿ることは可能でない。
【0009】
さらなる他の問題が、現代のアミューズメント用乗物の設計者に立ちはだかる。乗って
いる間を通して、単に1つの移動平面の中で維持されながら動くことには、顧客はもはや
満足しない。顧客は、ヨー(すなわち、x−y平面での回転)、ピッチ(すなわち、上昇
および急降下)、ロール(左および右の揺れ)、およびヒーブ(z軸線に沿った垂直方向
の運動)を経験することを望む可能性がある。運動組立体(アッセンブリ、組立部品)は
、顧客を運ぶためのこれらの4つの運動度を提供するように存在している。しかし、(所
与の数の顧客の重量を支持するプラットフォームを、空間を通してこれらの方向に動かす
ことに必要とされる)非常に大きな電力消費量に起因して、既知の4つの自由度の運動組
立体は、固定された電力供給部に連結されている。これは、運動組立体に電力を供給する
ために、固定された場所か、または、「第3のレール」タイプの電気接続部を使用する軌
道の上の取り付け具のいずれかに、先行技術の運動組立体を取り付けるように制限する。
前者の状況は、少なくとも、映像が部屋の中の壁部に映し出されるが、顧客が、通常、単
一の部屋に閉じ込められるので(それは、ヨー、ロール、ピッチ、およびヒーブ方向に動
く可能性はある)、問題がある。後者の状況は、少なくとも、軌道の上に乗ることに限定
された古い乗物車両の顧客が直面するのと全く同じ問題に、顧客が直面するので、問題が
ある。さらに、顧客が、乗物車両を出て、電化された第3のレールの上につまずいた場合
に、感電死の危険が存在する。
【0010】
先行技術の車両の運動に関して、さらなる他の問題が存在する。例えば、「クラブ移動
(斜め移動又は蟹行)する」ことができる、すなわち、車両は前方に0°で面しているが
、直線的に斜めの方向に、所与の角度(例えば45°)で動くことができる、既知の先行
技術の車両は存在しない。さらに、既知の先行技術の車両は、典型的に、車両自体の経路
を横切らず、または、車両を混ぜ合わせる経路を辿りながら、他の車両と同時に作動する
ことはない。乗物の設計者が、動いている魚の群れ、急降下する雀の群れ、または、走る
野生動物の群れによって作られる一見するとランダムなパターンを模倣したいと考える状
況において、同時に作動する複数の乗物車両の経路を混ぜ合わせることができるというこ
とは、望ましい。
【0011】
また、バッテリ式の車両の再充電も、問題がある。バッテリ式の車両の設計者は、一日
当たりの所与の数のショーに関して、ショーを通して最初から最後まで満載された車両を
動かすために貯蔵されていることが必要であると予期される充電の量に基づいて、バッテ
リ容量を決定する可能性がある。この充電の量は、最大充電値と呼ばれる可能性がある。
(1つまたは複数の)ショーの過程の間に、充電がバッテリから排出されることとなる。
典型的なバッテリは、その最大充電値の100%から、その最大充電値の10%に落ちる
までを循環させられる可能性がある。何故なら、典型的な設計では、バッテリを再充電す
る前に、バッテリから出来る限りすべての充電を抜き出すこととなるからである。バッテ
リが(例えば、10%のレベルにまで)消耗されると、バッテリは、充電システムに接続
されることとなり、充電システムは、次のショーのために、その消耗されたレベルから、
最大充電値に戻るまで、バッテリをゆっくり充電することとなる。過大な充電量が、あま
りに急いでバッテリに押し込まれた場合には、バッテリが過熱することとなるので、急速
充電は可能ではなかった。したがって、車両の充電が消耗されると、再充電のために運転
休止にされることとなった。運転休止の車両は、余分な車両によって取り換えられること
が必要であった。
【0012】
必要とされるものは、自己動力付きであり、推測航法によってアミューズメントを通し
てその道筋を見つけ出すことが可能であり、そのエネルギーの使用において効率的になる
ように機械的に設計され、電気的に管理されており、軌道からエネルギーを引き出すか、
または、軌道もしくはワイヤを辿るように制約されておらず、極めて近接して同時に作動
する他の車両の経路を横切りながら、一見するとランダムなパターンで移動するようにプ
ログラムされることが可能であり、下側ステアリングおよび推進力プラットフォームに対
して、上側乗客プラットフォームの独立した回転を可能にし(上側プラットフォームは、
ピッチ方向およびロール方向に動き、かつ、下側プラットフォームに対して回転し、ヨー
方向に動くようになっている)、そのバッテリを再充電するために、運行から除去される
か、または、運動中の時間に対して長期間にわたり1つの場所に止まることが要求されな
い、乗物車両である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述の全体的な説明と、以下の詳細な説明の両方ともが、例示的なものであるというこ
とが理解されるべきである。そうであるので、本明細書での説明は、本発明の範囲を限定
することを意図していない。その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によ
って支配されている。
【0021】
本明細書で説明されている乗物車両は、3つの組立体(輸送組立体、運動組立体、およ
び乗客組立体)から構成されることが可能である。運動組立体は、輸送組立体の上部に取
り付けられている。乗客組立体は、運動組立体の上部に取り付けられている。本発明は、
この構成に限定されない。3つの組立体のうちのそれぞれが、以下に順番に説明されるこ
ととなる。
【0022】
図1は、本発明の実施形態による車両の輸送組立体100の上部側等角図である。
図2
は、
図1の車両の輸送組立体の底部側等角図である。輸送組立体100は、乗物車両の構
造フレームである。輸送組立体100は、多方向の推進力を提供する。輸送組立体100
は、シャーシ102を含む。シャーシ102は、車両、および、その中に乗っている全乗
員の重量を支持する。輸送組立体100は、2つの操縦可能な推進用車輪104、106
と、2つの受動キャスター108、109とをさらに含み、推進用車輪104、106は
、輸送組立体100の推進システムを一緒に構成することが可能である。本明細書で使用
されているように、受動キャスター108、109は、旋回フレームの中に取り付けられ
ている少なくとも1つの車輪から構成され、車両を支持するために使用されている。本明
細書で使用されているように、操縦可能な推進用車輪104、106は、一体化されたス
テアリングモータを介して、その車輪のステアリングを実現するために用いられ、かつ、
一体化された駆動モータおよびトランスミッション組立体の使用によって、移動表面にわ
たってデバイスを推進させるためのその車輪の回転を実現するために用いられるデバイス
である。ステアリングモータは、z軸線の周りに360度の回転で、操縦可能な推進用車
輪の車輪を回転させることが可能である。操縦可能な推進用車輪104、106は、互い
に正反対側に離隔された場所において、シャーシ102に取り付けられることが可能であ
る。
【0023】
受動キャスター108、109は、互いに正反対に離隔された場所において、シャーシ
102に取り付けられることが可能であり、2つの操縦可能な推進用車輪104、106
の場所に対して90度回転させられている。受動キャスター108、109の車輪112
は、フリーホイールの状態である。すなわち、車輪112は、時計回りおよび反時計回り
に自由に転がることができ、任意の方向に自由に旋回(回転)することができる。操縦可
能な推進用車輪104、106および受動キャスター108、109の他の構成が可能で
ある。しかし、本発明の好適な実施形態は、少なくとも2つの操縦可能な推進用車輪10
4、106を含む。好適な実施形態では、示されているように、操縦可能な推進用車輪1
04、106は、シャーシ102に対して270度および90度において位置付けられて
いる。しかし、操縦可能な推進用車輪104、106を、シャーシ102に対して0度お
よび180度に位置付けることは、本発明の範囲内である。
【0024】
シャーシ102は、バッテリ組立体114と、制御電子回路組立体と、モータ駆動組立
体と、搭載型のナビゲーションシステム(図示せず)と協働して使用される様々なセンサ
とを支持することが可能である。
【0025】
バッテリ組立体114は、再充電可能なバッテリ910を含むことが可能であり、バッ
テリ910は、1つまたは複数のバッテリセルと、バッテリ管理システム912とから構
成されることが可能である。バッテリ910は、再充電の間の乗物車両の作動に必要なす
べてのエネルギーを提供する。バッテリ管理システム912は、バッテリ910の充電を
制御および監視する。バッテリ管理システム912は、バッテリ910の電圧、温度、お
よび、他のパラメーターを監視し、バッテリ910のエレメントを損傷させることなく再
充電を許可することが可能である。
【0026】
乗客を乗り降りさせる間、または、乗車環境内の所定の場所において十分な量の時間に
わたって停止されている間などのように、車両が通電/充電システムに連結されることが
可能な間に、乗物車両のバッテリ910を再充電するために、所与の比較的に大きい量の
電力/エネルギーを短い時間の間に車両に提供することが必要であったということが決定
された。電力/エネルギーの量は、所与の乗物車両の要求に左右される。一般的に、時間
の量は、乗客を乗せている間および/または降ろしている間に車両が費やす時間の量によ
って、および、もしあれば、車両が乗車内に停止されたままである時間の量によって、限
定される。そのような停止は、車両の乗員が映画または他の発表を見ている間に生じるこ
とが可能である。さらに、再充電に必要な時間の合計量は、複数の充電ステーションの間
で分割されることが可能であり、充電ステーションは、所与の乗車環境の所与の車両によ
って訪れられることが可能である。これらの値は、実験を過度に必要とせずに、分かりや
すく決定される。既知のバッテリおよび充電システムは、この目的のためには不十分であ
ることが分かった。
【0027】
既知のバッテリおよび通電/充電システムが出会う問題を克服する際に、より小さい容
量のバッテリと比較して、大容量のバッテリは、時間の関数として、より大量の電力/エ
ネルギーがバッテリに適用されることを可能にすることとなるということが決定された。
所与の乗物車両のために最終的に生じるバッテリは、車両電圧および電流要求、ならびに
、上述のように充電のために利用可能な時間に課される制限に依存する。適切なバッテリ
容量は、上述の変数が当業者に提供されれば、過度の実験をすることなく決定されること
が可能である。また、充電と充電との間のバッテリ消耗の許容可能なレベルは、上述の変
数の関数であることが可能であり、異なるタイプの車両毎に対して特有であることが可能
である。
【0028】
本発明者らは、(大電流の急速再充電を可能にするために)バッテリ容量を最大化する
という決定から予期しない利益を得た。急速充電に要求される容量は、乗物車両に必要と
される実際の容量を超えて上回っていた。過剰な容量が、乗物車両の作動に要求される再
充電の量を低減するという予期しない利益を提供した。したがって、再充電に必要とされ
る時間の量を低減させている。作動ニーズに要求されるものよりも大きい容量を有するバ
ッテリの使用に起因して、さらに認識されたのは、それぞれのショーの間に、バッテリ容
量のうちの少量だけを使用するという予期しない利益であった。本発明の実施形態によれ
ば、バッテリ910は、その全容量の90パーセントと100パーセントとの間を循環す
る。
【0029】
また、シャーシ102は、O字形状の回転ローリングエレメント軸受を支持することが
可能であり、その軸受は、当技術分野において、「旋回する軸受」または「旋回軸受」1
20と称される。旋回軸受120は、内側ギアおよび/または外側ギアを含むことが可能
である。
図1の実施形態では、旋回軸受120のギアの歯が、旋回軸受120の外側表面
の上に見えている。本明細書で使用されているように、省略の目的のために、ギアを含む
旋回軸受120の部分は、「旋回軸受上半部」122と称されることとなる。旋回軸受1
20のベース部は、「旋回軸受下半部」123と称されることが可能である。旋回軸受ピ
ニオンモータ827(
図8)は、旋回軸受ピニオン124に固定された駆動シャフト12
6から構成されることが可能である。旋回軸受上半部122は、旋回軸受下半部123の
中で回転する。下半部は、シャーシ102に固定されているので、回転は、シャーシ10
2に対するものである。旋回軸受ピニオン124の歯は、旋回軸受上半部122の歯に係
合している。旋回軸受ピニオンモータ827(
図8)は、シャーシ102に固定されるこ
とが可能である。したがって、旋回軸受ピニオン124は、シャーシに対して回転するが
、旋回軸受ピニオンモータ827(
図8)の駆動シャフト126、および駆動ギア124
は、シャーシ102に対して付着された位置を維持する。旋回軸受上半部122は、旋回
軸受ピニオン124の回転の方向にしたがって、シャーシに対して時計回りにまたは反時
計回りに駆動させられることが可能である。
【0030】
図1の実施形態では、ピニオン124は、旋回軸受120の外側に位置付けられている
。代替的な実施形態(図示せず)では、ピニオン124は、旋回軸受120の内側に位置
付けられることが可能である。この代替的な構成では、旋回軸受120の内側ギアが、ピ
ニオン124の対応するギアとの噛み合いを含むこととなる。いずれの構成でも、旋回軸
受上半部122は、停止することを必要とせずに、時計回り方向または反時計回り方向に
回転させられることが可能である。換言すれば、本発明の好適な実施形態では、旋回軸受
上半部122は、反対方向に回転させることによって以前の位置に戻ることを必要とせず
に、360度よりも大きい角度量を、時計回りにまたは反時計回りに駆動させられること
が可能である。
【0031】
旋回軸受上半部122に間接的に連結された光学エンコーダー210が、旋回軸受12
2の回転に関する情報を監視し、処理装置901に出力することが可能である。回転の大
きさおよび方向、ならびに、それらのギアが噛み合う点における旋回軸受上半部122お
よびピニオン124の直径の知識を持って、処理装置901は、シャーシ102の上の対
応する基準点との関連で、旋回軸受上半部122の上に設定された基準点の角度位置を計
算することが可能である。
【0032】
さらに、本発明の実施形態では、センサの第1の部分301は、旋回軸受上半部122
に直接的にまたは間接的に連結されることが可能であり、センサの第2の部分130は、
シャーシ102に付着されることが可能である。センサからの信号が、第1および第2の
部分301、130が整合していることを示すまで、旋回軸受上半部122は、時計回り
にまたは反時計回りに駆動させられることが可能である。このように、旋回軸受上半部1
22の運動を制御し、センサの出力を監視する処理装置は、旋回軸受上半部122を既知
の「ホーム」位置へ回転させることが可能である。例えば、ホールタイプセンサ、光学セ
ンサ、および点接触型センサなどのような、すべての適用可能なセンサタイプが、本発明
の範囲内にある。
【0033】
また、シャーシ102は、スリップリングまたはロータリージョイント132を含むこ
とが可能であり、通信および電力が、シャーシ102のコンポーネントから、旋回軸受上
半部122に連結された車両の部分まで双方向に伝送されることを可能にする。ロータリ
ージョイント132は、上記に説明されるように、シャーシ102に対する旋回軸受上半
部122の回転の量に制限がないので望ましい。
【0034】
また、シャーシ102は、バンパーシステム134を含むことが可能であり、バンパー
システム134は、衝撃のエネルギーを吸収し、衝撃の荷重をシャーシ102の中へ分散
させることが可能である。バンパーシステム134は、シャーシ102の外側壁部138
と、金属の薄板などのような、弾性的な外側カバー部140との間に挟まれた、耐久性の
ある圧縮性の発泡材料136を含むことが可能である。発泡材料136は、外側壁部13
8に接着されるか、または、その他の方法で固着されることが可能である。発泡材料13
6および弾性的な外側カバー部140は、他の互いに当接または重なり合うセグメント1
42で実現されることが可能である。ボルトおよびスペーサーチューブを使用してシャー
シに装着された一実施形態では、あらゆる突出するハードウェアなしに、ボルトのたわみ
を可能にする。セグメント142は、発泡材料136、および/または、シャーシ102
の外側壁部138に係止されることが可能である。弾性的な外側カバー部140は、(表
面との小さい接触を吸収するか、または偏向させるために)ネオプレンなどのような他の
弾性的な材料144で覆われることが可能である。好適な実施形態によれば、車両がその
許容最高速度で動いているときに、バンパーシステム134は、他の同様の車両、壁部、
または、乗車環境の中の固定された物体との接触を吸収し、それから跳ね返ることが可能
である。
【0035】
図3は、運動組立体300がその上に取り付けられている、
図1の輸送組立体100の
上部側等角図であり、運動組立体300の一部分が、部分切欠き図/部分的透視図で示さ
れており、完全に本発明の実施形態にしたがっている。より詳細には、運動組立体300
は、旋回軸受上半部122の上部表面の上に設置され、旋回軸受上半部122に固定され
ることが可能である。好適な実施形態では、運動組立体300は、旋回軸受上半部122
にボルト留めされる。運動組立体300のコンポーネント、および、運動組立体300の
機能は、
図7Aおよび
図7Bを参照して、後に詳細に説明されることとなる。
【0036】
導入として、運動組立体300は、下側リアクションプレート302と、枢動ジョイン
トまたは枢動可能連結部304と、上側リアクションプレート306(部分的切欠き図/
部分的透視図で示されている)と、少なくとも2つのリニアアクチュエータ308、31
0とを含むことが可能である。下側リアクションプレート302は、上記に説明されてい
るように、旋回軸受上半部122に固定されている。枢動可能連結部304は、下側端部
において、下側リアクションプレート302に連結されており、上側端部において、上側
リアクションプレート306に連結されている。一実施形態では、枢動可能連結部304
は、旋回軸受120の幾何学的中心の上方に取り付けられている。しかし、他の場所も許
容可能である。リニアアクチュエータ308は、下側端部において下側リアクションプレ
ート302に、および、上側端部において上側リアクションプレート306にそれぞれ連
結されている。リニアアクチュエータ308、310は、互いから離隔されており、かつ
、枢動可能連結部304から離隔されている。一実施形態では、第1のリニアアクチュエ
ータ308が、運動組立体300の右後方側に位置付けられており、第2のリニアアクチ
ュエータ310が、運動組立体300の左後方側に位置付けられており、さらに、両方と
も、枢動可能連結部304よりも運動組立体300の後方に向かっている。代替的な向き
の配置によって、その上側リアクションプレートが、下側リアクションプレートに関して
、ピッチ方向およびロール方向に動かされる運動組立体の結果として生じる限り、他の向
きの配置が、許容可能であり、その動きは、枢動可能連結部304の上方に中心を置いて
おり、枢動可能連結部は、実質的に固定された高さであり、および実質的に非圧縮性であ
る。
【0037】
図4は、
図3の輸送組立体100と運動組立体300とが組み合わせられたものから構
成された車両400の等角図であり、さらに、運動組立体300の上に取り付けられた乗
客プラットフォーム402と、乗客プラットフォーム402の上に取り付けられた座席部
の列404とを含み、完全に本発明の実施形態にしたがっている。代替的な実施形態では
、座席部の列は、別個の乗客プラットフォーム402を必要とせずに、上側リアクション
プレート306に直接的に取り付けられることが可能である。代替的な実施形態では、上
側リアクションプレート306が、乗客プラットフォームという目的に役立つこととなる
。
【0038】
本明細書での検討の目的のために、参照用に
図4を使用して、座席の列404、および
、車両400の輸送組立体100は、コンパスの上で0度の方を向いて、前方に面してい
るものとして考慮されている。座席の列404の右側、および、車両400の輸送組立体
100の右側は、コンパスの上で90度の点に隣接している。座席の列404の背面側部
、および、車両400の輸送組立体100の背面側部は、コンパスの上で180度の方を
向いて、後方に面している。座席の列404の左側、および、車両400の輸送組立体1
00の左側は、コンパスの上で270度の点に隣接している。当然ながら、座席の列40
4および輸送組立体100は、同時に整合された状態になりながら、または、セットの列
が旋回軸受上半部122に連結されていることに起因して、互いの周りに回転させられな
がら、他の方向に面して移動することが可能である。本明細書で使用されているように、
参照のために
図4を使用すると、y−軸線は、コンパスの上の180度および0度の点に
整合しており、x−軸線は、コンパスの上の270度および90度の点に整合しており、
z軸線は、車両400が座っている表面に対して垂直に、上に向かって延在している。「
前方に動いている」または「前方に移動している」の用語は、y−軸線に沿って、ますま
すプラスの方向への運動を示している。左方向、右方向、および逆方向(または、背面方
向もしくは後方方向)への運動または移動は、前方方向を基準にして通常の意味を有する
。
【0039】
図4の好適な実施形態は、2つの平行な座席部の列(前列404Fおよび後列404B
)を図示している。座席部の列は、y−軸線に垂直になっている。示されている実施形態
では、座席の列404のそれぞれが、4つの座席を含んでいる。偶数の数の列および座席
が、好ましい。しかし、他の構成および座席の数が、本発明の範囲内にある。例えば、1
つまたは複数の列の中に、より少ない数のまたはより多い数の座席、ならびに、奇数の列
、および/または、列の中の奇数の座席が、本発明の範囲内にある。そのうえ、円になっ
て、内側または外側に面して配置されている座席も、本発明の範囲内にある。
【0040】
好適な実施形態によれば、それぞれ4つの座席を有する2つの座席の列404が、乗客
プラットフォーム402の上側表面の上の仮想点から等距離に位置付けられている。好ま
しくは、この点を通過する垂直軸線は、旋回軸受120の幾何学的中心を通過する。これ
によって、旋回軸受120に対する座席の列404の偏心のない回転が可能になる。また
、この点が、左と右の操縦可能な推進用車輪104、106との間に走る仮想水平軸線の
上の中間点の上方にも位置付けられている場合には、座席の列404の回転の中心は、シ
ャーシ102の運動の中心と一致することとなる。また、この点が、枢動可能連結部30
4を通って走る仮想垂直軸線とも交差する場合には、この点から等距離に位置付けられて
いる座席の列は、運動組立体300がピッチ方向およびロール方向に動くとき、比較的に
等しい量の垂直偏差を経験することとなる。当然ながら、その点に対する座席の列404
の他の位置、ならびに、その点、左と右の操縦可能な推進用車輪104、106との間に
走る仮想軸線、および、枢動可能連結部304の垂直軸線に対する、座席の列404の他
の位置が、本発明の範囲内にある。それにもかかわらず、上述のことと整合して、
図4に
示されている座席部は、すべて、ヨー、ピッチ、およびロールの操作の間に、比較的に等
しい経験を受ける。
【0041】
図5は、本発明の実施形態による、動力付きの操縦可能な推進用車輪500(
図1〜図
3の104、106と同様)の例である。操縦可能な推進用車輪500は、ベースプレー
ト506の両側に取り付けられている電気モータ502およびトランスミッション組立体
504を含む。
図1の実施形態で使用される場合には、ベースプレート506は、輸送組
立体100のシャーシ102に固定されることが可能である。モータ502が、トランス
ミッション504を駆動し、トランスミッション504が、車輪508を駆動する。トラ
ンスミッション504は、地面に垂直な平面で、操縦可能な推進用車輪500の車輪50
8を回転させ、輸送組立体100に推進力を提供するように構成されている。動力付きの
操縦可能な推進用車輪500は、ベースプレート506の一方側に取り付けられている電
気ステアリングモータ510をさらに含む。ステアリングモータ510のシャフト512
は、ステアリングピニオンギア514に固定されている。ステアリングピニオンギア51
4は、方向ギア516に係合している。旋回軸受120および旋回軸受ピニオン124の
作動と同様に、方向ギア516が、トランスミッション組立体504に固定されており、
トランスミッション組立体504は、操縦可能な推進用車輪500の旋回可能車輪508
に固定され、それを水平平面で回転させる。ステアリングモータ510は、ベースプレー
ト506に固定されている。ステアリングモータ510のシャフト512、およびステア
リングピニオンギア514は、ベースプレート506に対するそれらの場所を維持する。
ステアリングモータ510のシャフト512が、ステアリングピニオンギア514を回転
させると、方向ギア516が、ベース部506に対して回転し、それによって、トランス
ミッション組立体504、および、それに連結されている車輪508を垂直軸線の周りに
旋回させる。本明細書によれば、処理装置が、所与の速度で電気モータ502を駆動させ
るために命令を実行することができることとなる。トランスミッション組立体504のギ
ア比の知識を持って、および、車輪508の直径の知識を持って、処理装置が、所与の時
間の量の中での車輪508の回転の量を計算することができることとなる。したがって、
処理装置は、操縦可能な推進用車輪500が表面を横切ってどのくらい遠くへ動いたかと
いうことを決定することが可能である。さらに、ステアリングモータ510のシャフト5
12の回転の量の知識、ならびに、ステアリングピニオンギア514および方向ギア51
6の直径の知識が与えられれば、処理装置は、旋回可能車輪508に、コンパスの上の任
意の方向に進路を取るように命令することが可能である。
【0042】
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dは、本発明の実施形態にしたがって、2つの操
縦可能な推進用車輪104、106および2つの受動キャスター108、109を有する
車両の輸送組立体600によって達成されることが可能な様々な運動を図示している。説
明図は、上面図である。座席の列404F、404Bが、参考のために示されている。説
明図では、座席404F、404Bは、0度に向けられているままであり、一方、輸送組
立体600は、その下で回転している。座席404F、404Bに対する輸送組立体60
0の回転は、旋回軸受120の作用によって実現させられる。
【0043】
図6Aは、
図4の車両400の態様で構成された操縦可能な推進用車輪および受動キャ
スターを有する輸送組立体600によって実現させられる運動の3つの前方方向を図示し
ている。
図6Aの説明図では、操縦可能な推進用車輪104、106、および、受動キャ
スター108、109の車輪が、y−軸線(y−軸線は、0度になっていることが理解さ
れる)に平行に整合されているように示されている。この整合を実現するために、操縦可
能な推進用車輪104、106がまだそのように整合されていない場合には、処理装置(
図示せず)が、それぞれの操縦可能な推進用車輪104、106に0度へ回転するように
命令することが可能である。移動が始まるにつれて、受動キャスター108、109が、
操縦可能な推進用車輪104、106に整合することとなる。
【0044】
左および右の操縦可能な推進用車輪104、106が、0度に位置付けられている状態
で、左および右の操縦可能な推進用車輪104、106の車輪を同じ速度で前方方向に同
時に駆動させるようにという、処理装置からの命令が、車両600を、矢印602の方向
に前方に推進させることとなる。
【0045】
左および右の操縦可能な推進用車輪104、106の両方を前方に回転させるようにと
いう命令(左車輪104が、右車輪106よりも遅く回転するように命令される)が、矢
印606によって示されているように、車両を、左ターンで大きくカーブして推進させる
こととなる。
【0046】
左および右の操縦可能な推進用車輪104、106の両方を前方に回転させるようにと
いう命令(左車輪104が、右車輪106よりも急速に回転するように命令される)が、
矢印608によって示されているように、車両を、右ターンで大きくカーブして推進させ
ることとなる。
【0047】
上述のターンの幅は、左と右の操縦可能な推進用車輪104、106との間の速度の差
によって決定されることが可能である。例えば、左車輪104を回転させることなく、右
車輪106だけを前方に回転させるようにという命令は、車両を、急角度の左ターンで推
進させることとなる。右車輪106を回転させることなく、左車輪104だけを前方に回
転させるようにという命令は、車両を、急角度の右ターンで推進させることとなる。
【0048】
回転している車輪の方向を逆転させることが、車両を、それぞれ逆の方向に推進させる
こととなる。
【0049】
少なくとも2つの操縦可能な推進用車輪104、106および受動キャスター108、
109の構成の利益は、車両600が、
図6Bに示されているように、ゼロ度ターンを実
施するように作られることが可能であるということである。そのようなターンは、左およ
び右の操縦可能な推進用車輪104、106の車輪がその0度の方位位置にある状態で実
行されることが可能であり、一方、処理装置は、操縦可能な推進用車輪104、106の
車輪を等しい速度で反対方向に回転させるようにという命令を発行する。時計回りおよび
反時計回りのゼロ度ターンは、矢印610によって表されているように、それぞれの車輪
の回転方向を逆転させることによって実施されることが可能である。
図6Bに示されてい
るように、受動キャスター108、109は、任意の方向に自由に旋回できるので、それ
らは、(車両の動きが開始した後、)操縦可能な推進用車輪104、106の方向に対し
て垂直な方向に、自然に、および、受動的に旋回する。
【0050】
少なくとも2つの操縦可能な推進用車輪104、106(および受動キャスター108
、109)の構成の他の利益は、輸送組立体600が、左または右へ「クラブ(斜め)移
動する」ように作られることが可能であるということである。典型的に、「クラブ移動す
る」の用語は、航空機ナビゲーションとの関連で使用される。Merriam−Webs
ter’s辞典は、「クラブ移動する」を、「航空機のコースと、横風の存在下において
そのコースを進むために必要な機首方位との角度差」として定義する。航空機の関連では
、横風は、航空機のコースに平行でない風の方向である。例として、滑走路が、y−軸線
に沿って南北方向(ここで、北は0度にあり、南は180度にある)に走り、横風が、右
から吹き込んでいた場合には、航空機は、着陸のためにゼロ度のコース(すなわち、移動
の方向)を維持するために、5度の機首方位を想定することが可能である。
【0051】
本出願の関連では、「クラブ移動する」の用語は、異なる意味をとる。本明細書で使用
されているように、クラブ移動するの用語は、以下の例によって最良に説明される。
図6
Cでは、座席部の列604f、604Bが、前方方向に維持されており、着席している乗
客が、y−軸線に平行に、矢印612の方向に面することとなるようになっており、一方
、同時に、車両の輸送組立体600が、矢印614によって示されているように、斜めの
方向に動いている。クラブ移動する目的のために、矢印614は、45度の方を向いてい
るように示されているが、座席の列604f、604Bが面している方向と、輸送組立体
600が動いている方向との間の角度は、0度よりも大きいこととなる。換言すれば、図
6Cに示されているように、座席の列604F、604B、および、その上の乗客は、0
度に面するが、車両は、45度の方向に、「クラブ移動する」。クラブ移動することは、
線形運動に限定されない。車両は、例えば、曲線、円形、または、直径が増加または減少
するらせん形に沿って、クラブ移動することが可能である。
【0052】
図6Cに示されているようなクラブ移動する運動を実現するために、処理装置は、操縦
可能な推進用車輪104、106に、時計回りに45度の方向に回転するように命令し、
かつ、同じ速度で同時に回転するように命令する。この状態では、車両の座席404F、
404Bは、0度の方に向かって面しているが、車両の輸送組立体600は、矢印614
の方向に、すなわち、45度に動いている。
【0053】
本発明の実施形態による車両は、前方と逆の方向の両方に、左または右へクラブ移動す
るように構成されている。本発明の実施形態による車両は、0度と180度の間(しかし
、0度および180度に等しくはない)の任意の角度に、ならびに、180度と360度
の間(しかし、180度および360度に等しくはない)の任意の角度にクラブ移動する
ことが可能である(0度および180度の角度は、それぞれ、前方および逆方向への運動
のために確保されている)。それにもかかわらず、本発明の実施形態による車両は、輸送
組立体が、0度、180度、または360度を含む角度位置の範囲を通って回転している
場合には、クラブ移動していると言うことが可能である。例えば、輸送組立体600は、
その「正面」が120度から200度の範囲を含む円弧を指し示すようにさせる曲線を辿
るが、座席の列404F、404Bは、0度を指し示す位置に維持された場合には、車両
は、それが180度を通過したかにかかわらず、クラブ移動したということになる。
【0054】
図6Dは、操縦可能な推進用車輪104、106に、時計回りに旋回し、90度の方に
向かって進み、かつ、同じ速度で同時に回転するように、処理装置が命令する場合を図示
している。この状態では、車両の座席404F、404Bは、0度の方を指し示している
が、車両の輸送組立体600は、矢印616の方向に動き、90度に向かって直接的に右
へ、矢印618の方向に動く。左へクラブ移動すること(すなわち、270度の方向に動
いている)は、配置向きを90度に維持しながら、車輪の回転の方向を逆転させることに
よって、または、操縦可能な推進用車輪104、106を回転させて、270度の方に向
かって進めさせ、同じ速度で同じ方向に同時に回転させることによって、達成されること
が可能である。
【0055】
クラブ移動する運動は、2つよりも少ない操縦可能な推進用車輪を有する無軌道の車両
を用いた場合は可能でない。クラブ移動する運動は、z軸線の周りに回転しない(すなわ
ち、それらは操縦をしない)2つの操縦可能な推進用車輪を有する無軌道の車両を用いた
場合は可能でない。そのような車両は、
図6Aを参照して述べられているように、ディフ
ァレンシャルステアリングを使用してターンする。発明者らに知られている、アミューズ
メント用乗物の分野で使用される車両は、クラブ移動することが可能でない。その理由は
、既知の車両は、少なくとも2つの操縦可能な推進用車輪と、旋回軸受の使用を介してシ
ャーシに対して回転する乗客プラットフォームとを利用していないからである。
【0056】
図7Aおよび
図7Bは、本発明の実施形態による運動組立体300の正面下側から見た
等角図、および後方上側から見た等角図である。運動組立体300は、下側リアクション
プレート302と、枢動可能連結部304と、上側リアクションプレート306と、少な
くとも2つのリニアアクチュエータ308、310とを含むことが可能である。好適な実
施形態では、リニアアクチュエータ308、310は、電気式のものである。ねじ式およ
び液圧式などのような他のタイプのリニアアクチュエータが、本発明の範囲内にある。枢
動可能連結部304は、下側端部において、下側リアクションプレート302に固定され
ており、上側端部において、上側リアクションプレート306に固定されている。2つの
座席の列を有する車両の実施形態では、乗客プラットフォームが枢動する点が旋回軸受の
回転から偏心していないことを確実にするために、枢動可能連結部304は、その垂直軸
線が旋回軸受120の幾何学的中心と一致するように位置付けられていることが可能であ
る。リニアアクチュエータ308、310は、それぞれ、それらの上側端部において、連
結部330、332に固定されている。連結部330、332は、順に、上側リアクショ
ンプレート306に固定されている。リニアアクチュエータ308、310は、それぞれ
、それらの下側端部において、U字形金具組立体334、336に固定されている。U字
形金具組立体334、336は、順に、下側リアクションプレート302に固定されてい
る。連結部330、332は、ジンバルとして実現されることが可能である。ジンバル3
30、332は、下側および上側リアクションプレート302、306がピッチ方向およ
びロール方向に互いに対して動くときに、リニアアクチュエータが広範囲の角度に傾くこ
とを可能にする。
【0057】
運動組立体300は、(枢動可能連結部304の周りの)ピッチ方向およびロール方向
の動きを、上側リアクションプレート306を介して乗客プラットフォーム402に固定
されている座席の列404に機械的に伝達する。リニアアクチュエータ308、310の
互いに対する伸張および後退が、上側リアクションプレートによって経験される、下側リ
アクションプレートに対するピッチ方向およびロール方向の量を決定する。
【0058】
(伸張および後退のために)それぞれのリニアアクチュエータ308、310から要求
される最大力は、所与の情報から計算されることが可能であり、所与の情報には、座席部
の列の設置の幾何学的形状、枢動可能連結部304に対するリニアアクチュエータの設置
、および、上側リアクションプレート306の上に予期される荷重の知識が含まれる。そ
のような計算は、当業者に知られている。リニアアクチュエータ308、310の取り付
け点が、枢動可能連結部304から離れているとき、取り付け点と枢動可能連結部304
との間のモーメントアームの長さが増加するにつれて、それぞれのリニアアクチュエータ
から要求される力が減少するということが理解されることとなる。しかし、この力の低減
は、リニアアクチュエータのストローク、ならびに、リニアアクチュエータが伸張および
後退することができる速度によって制限される。
【0059】
好適な実施形態では、枢動可能連結部304は、デュアルシャフト連結部であることが
可能であり、デュアルシャフト連結部は、デュアルシャフトが同一線上にないときでさえ
、一方のシャフトから別のシャフトへトルクを伝達することが可能である。枢動可能連結
部304は、たとえシャフトが整合されていなくても、一方のシャフトから別のシャフト
へトルクを伝送する。好ましくは、枢動可能連結部304は、非圧縮性であるか、または
、実質的に非圧縮性である。好ましくは、枢動可能連結部304は、上側リアクションプ
レート306によって支持されているすべてのハードウェアコンポーネントの重量を加え
て、最大乗客積載量の重量を支持する。これらのコンポーネントには、座席部と、音響デ
バイスおよび照明デバイスを含む各種電子機器と、安全設備ならびに電子監視および制御
設備と、車両の電子機械的な外観を隠し、アミューズメント用乗物のテーマに適当な外見
を車両に与えるように設計された任意の装飾用構造体とが含まれる。好適な実施形態では
、
図3、
図7A、
図7B、および
図8に図示されているように、枢動可能連結部304は
、Uジョイント(ユニバーサルジョイントまたは自在継ぎ手としても知られている)であ
ることが可能である。
【0060】
枢動可能連結部304の使用によって、バッテリ式の自己可動組立体の上で、同じピッ
チ、ロール、およびヨー運動を提供することが可能な車両と比較して、車両の相当な電力
節約を結果として生じさせた。既知の技術では、乗物車両は、3つまたは4つの移動度を
提供することが可能である。乗物車両の3つの移動度は、ピッチ、ロール、およびヒーブ
の経験を提供することが可能であった。ピッチは、いわば、(上昇または急降下する航空
機において経験されるように)前方にまたは後方に傾斜するようなものである。ロールは
、いわば、右または左に傾斜するようなものである。ヒーブは、いわば、垂直軸線に沿っ
て、持ち上げられる、または、落下させられる経験のようなものである。また、ピッチ、
ロール、およびヒーブの経験に加えて、乗物車両の4つの移動度は、ヨーの経験を提供す
ることも可能であった。ヨーは、いわば、ターンテーブルの上のレコードの動きのような
ものであることが可能である。
【0061】
乗物車両の典型的な構成では、ピッチ、ロール、およびヒーブの経験は、典型的に、3
つまたは4つの電気式または空気圧式のリニアアクチュエータ、および、横方向のスタビ
ライザーのシステムを使用して、ペイロード(すなわち、乗客、客室、および、その内容
物)を中立位置に支持することによって実現されている。ヒーブは、同時に同じ割合でリ
ニアアクチュエータを伸張または後退させることによって、ペイロードを、垂直軸線に沿
って上向き方向または下向き方向に中立位置から動かすことによって、経験される。ピッ
チおよび/またはロールの経験は、典型的に、互いに対して異なる方向に、同時に異なる
割合でリニアアクチュエータのうちの1つまたは複数を伸張または後退させることによっ
て実現される。当業者は認識することとなるように、単にペイロードを中立位置に支持す
るために、ましてや、ピッチ、ロール、および/またはヒーブ方向にペイロードを押し付
けることに消費されるエネルギーの量は、かなりの量である可能性がある。特に、本発明
者らは、バッテリ式の車両を設計していたので、本発明者らは、エネルギー消費量を低減
させるための方策を要求された。
【0062】
本発明者らは、ペイロードが、中心に集められた枢動可能な点の上で、固定された高さ
において機械的に支持されているとき、枢動可能な点は、その垂直軸線に沿って動くこと
は要求されず、(本明細書で説明されている実施形態に示されているように)単に2つの
リニアアクチュエータだけが使用され、ピッチ方向およびロール方向の経験のために要求
されるエネルギーは、上述のような乗物車両の典型的な構成と比較して、かなり減らされ
たということを認識した。本発明者らは、本明細書で説明されている実施形態の構成にお
いて、リニアアクチュエータは、乗客プラットフォームを中心枢動点の周りに上向きにま
たは下向きに傾けるために必要とされるエネルギーの量だけを消費し、中心枢動点が、本
質的に、ペイロードの重量のほとんどを支持しているということを推量した。
【0063】
本発明者らは、大きい顧客処理能力の要求を有する典型的なアミューズメント用施設に
おいて日常的に使用するための楽しい3次元乗物車両は、ピッチ、ロール、およびヨーの
経験を提供し、バッテリ式の構成で実現可能であるということを結論付けた。したがって
、本発明者らは、本明細書に説明されている本発明の実施形態と同様の構成を有する乗物
車両の使用によって、典型的に構成された乗物車両と比較して、相当なエネルギー節約と
いう真に世界の利益を実現した。
【0064】
好適な実施形態によれば、上述の中心に集められた枢動可能な点を提供する枢動可能連
結部304は、好ましくは、上側リアクションプレート306の横方向の運動のすべて、
または、ほとんどを防止する。仮に、枢動可能連結部304を横方向の支持部のないばね
と取り替えるとしたら、この要求に関する論理を思い描くことが可能であるであろう。上
側リアクションプレート306の上に設置されている重量を支持するように構成されるこ
とが可能であるが、ばねは、曲げられたとき、上側リアクションプレート306が、横方
向にスライドすることを許可する可能性がある。玉継ぎ手、ばね、可撓性のゴム、もしく
は、ファイバーグラス製シャフト、または均等物(これらの代替的なコンポーネントが、
動いているペイロードによってその上に働かされる動的荷重に耐えることが可能であると
仮定した場合)を使用する許容可能な枢動可能連結部は、横方向の安定化デバイスの使用
を要求することとなる。したがって、玉継ぎ手、ばね、可撓性ゴム、もしくは、可撓性の
ファイバーグラス製シャフト、または均等物は、横方向の安定化デバイスと組み合わせて
、本発明の範囲内にある枢動可能連結部であると考えられることが可能である。
【0065】
図8は、本発明の実施形態による車両400の右側からの部分的断面立面図である。上
述のように、車両400は、それぞれ4つの座席の2つの平行な列404F、404Bか
ら構成されている。座席部の列404F、404Bは、乗客プラットフォーム402に固
定されている。乗客プラットフォーム402は、上側リアクションプレート306に固定
されている。枢動可能連結部304は、その上側端部において、上側リアクションプレー
ト306に固定され、その下側端部において、下側リアクションプレート302に固定さ
れている。一対のリニアアクチュエータのそれぞれが、そのそれぞれの上側端部において
、上側リアクションプレート306に連結され、そのそれぞれの下側端部において、下側
リアクションプレート302に連結されている。
図8の説明図では、単に1つのリニアア
クチュエータ308(運動組立体の左側に位置付けされている)だけが示されている。4
つの車輪が、シャーシに連結されている。
図8の説明図では、2つの受動キャスター10
8、109が示されている。1つの操縦可能な推進用車輪104が、部分的に示されてい
る。下側リアクションプレート302が、旋回軸受上半部122に固定されている。旋回
軸受下半部または旋回軸受ベース部123が、シャーシ102に固定されている。説明の
簡単のために、ロータリージョイント132は、
図8の説明図から省略されている。
【0066】
開示されている実施形態では、座席の列404F、404Bは、乗客プラットフォーム
402を介して運動組立体300の上側リアクションプレート306に固定されており、
ピッチ方向およびロール方向に動かされることが可能である。運動組立体300が、旋回
軸受上半部122の上に固定されているので、運動組立体300は、回転させられること
が可能である。これらの動きの結果によって、座席の列404F、404Bに座っている
乗客が、ピッチ、ロール、およびヨーを経験することが可能になる。
【0067】
運動組立体300および旋回軸受120の位置が逆になっている代替的な実施形態は、
本発明の範囲内である。換言すれば、運動組立体300の下側リアクションプレート30
2を直接的にシャーシ102に固定し、旋回軸受120を上側リアクションプレート30
6に固定することは、本発明の範囲内である。いずれの実施形態でも、顧客は、ピッチ、
ロール、およびヨーを経験することとなる。それにもかかわらず、本発明者らは、代替的
な実施形態の構成が、3次元空間内に座席の列404F、404Bを位置付けることの難
しさを増大させるということを見出した。したがって、
図1〜
図8のものなどのような好
適な実施形態では、旋回軸受120が、シャーシ102に固定され、運動組立体300が
、旋回軸受120の上に固定されている。
【0068】
図9は、本発明の実施形態による車両900およびシステムのブロック図である。車両
900は、メモリ902に格納されている命令を実行するために、制御装置または処理装
置900を含む。命令は、メモリ902の非一時的なコンピューター可読媒体の上または
中に格納されていることが可能である。車両は、1つまたは複数のアンテナデバイス90
6もしくは赤外線デバイス908または均等物を介して、他の通信インターフェースと無
線で通信することが可能な通信インターフェース904を含む。車両900の通信インタ
ーフェース904は、1つまたは複数の通信プロトコルの下で作動することが可能である
。車両900は、通信インターフェース904を介して一意的にアドレス指定可能である
。したがって、乗物の中の複数の車両を監視する乗物のシステム制御装置924は、同時
に同じ命令で複数の車両のすべてに命令することに限定されない。複数の車両の中で1つ
の車両900が一意的にアドレス指定可能であるということによって、命令が、発行され
、単に1つ車両900だけによって実行されることが可能になる。したがって、複数の車
両の中でそれぞれの車両が一意的にアドレス指定可能であるということによって、ユニキ
ャストおよびマルチキャストタイプの命令の発行が可能になる。すなわち、命令が、1つ
の車両900に、複数の車両の部分集合に、または、複数の車両全体に発行されることが
可能である。
【0069】
車両900は、バッテリ管理システム912に連結されたバッテリ910を含む。バッ
テリシステム114は、当業者に知られている接触式または非接触式の連結部922の使
用を介して、充電システム909に連結されることが可能である。車両は、モータ駆動シ
ステム914を含む。モータ駆動システム914は、車両900の様々なモータを駆動す
る。モータの中に含まれているのは、左および右の操縦可能な推進用車輪104、106
(それぞれの操縦可能な推進用車輪104、106は、ステアリングおよびドライビング
(推進力)のための別個のモータを有している)、旋回軸受ピニオンモータ827(
図8
)、ならびに、左および右のリニアアクチュエータ308、310のモータである。また
、車両は、安全システム916を含むことが可能であり、安全システム916は、(ドア
の開閉検出器などのような)様々な安全コンポーネントを含む。また、車両は、様々な照
明および音響コンポーネントを含む、照明および音響システム918も含む。
【0070】
また、車両は、1つまたは複数のナビゲーションセンサ922を有するナビゲーション
システム920も含むことが可能である。好適な実施形態では、車両は、グリッドナビゲ
ーションシステムの上で自由範囲を使用する。磁気検出器、光学検出器、および無線周波
数検出器などのような、複数タイプのセンサ922が、個別に、または、組み合わせて使
用されることが可能である。ナビゲーションシステム920は、車両900の操縦可能な
推進用車輪104、106の運動および方向を制御および監視することが可能である。こ
のように、車両900は、ナビゲーション、通信、または電力のための軌道または埋め込
みワイヤの必要なしに、複数のコース(事前に決定されていることが可能である)のうち
の1つに沿って進められることが可能である。一実施形態では、予測された場所と実際の
場所との比較は、例えば、様々な固定された既知の場所からの距離の決定によって作られ
た測定値に基づいて、決定されることが可能であり、予測された場所と実際の場所との比
較によって、ナビゲーションシステムが、リアルタイムのコース監視を実施し、ショーの
間にナビゲーションエラーが起こっているかどうかについて決定することが可能になる。
【0071】
他のタイプのナビゲーションシステム900が、本発明の範囲内にある。例えば、その
ステアリングおよび推進力システムの十分な精度が与えられれば、車両900は、リアル
タイムのコース監視を要求しないことが可能である。さらに、または代替的に、車両は、
内部ナビゲーションシステム、または、ナビゲーションシステムのようなものを使用する
ことが可能である。
【0072】
本発明は、複数の一意的にアドレス指定された車両900、950、960、970(
ここでは、950、960、970は900と同様である)を含むシステムの確立に役立
つ。複数の車両900、950、960、970のそれぞれが、少なくとも1つの搭載型
の処理装置(901と同様である)によって、個別に制御されることが可能であり、複数
の搭載型の処理装置のそれぞれが、少なくとも1つの乗物のシステム制御装置924と無
線通信しており、乗物のシステム制御装置924は、車両から遠隔にあり、その自分自身
の(1つまたは複数の)処理装置926を利用する。乗物のシステム制御装置924は、
複数の車両の状況の認識および位置関係の認識を維持し、複数の車両900、950、9
60、970のうちの1つ、すべて、または、任意の部分集合の緊急制御を無線通信によ
って行うことが可能である。
【0073】
複数の車両900、950、960、970が同時にその環境を横切っていく乗車環境
では、それぞれ一意的にアドレス指定された車両の乗客プラットフォームのピッチ方向お
よびロール方向の動きが、距離および/または時間によって事前にプログラムされたルー
トに沿って、車両の位置に同期化されることが可能である。車両、システム、ならびに、
車両およびシステムの作動の方法は、アミューズメントパークの乗物産業の中に実用性を
見出すが、本発明は、それに限定されない。本明細書で提供されている説明は、本発明の
実施形態を説明するために、例示的な目的のためだけに、アミューズメントパークの乗物
産業を利用している。しかし、本発明は、アミューズメントパークの乗物産業に限定され
ず、任意の数の他の産業の中に実用性を見出すことが可能である。
【0074】
本発明の方法によれば、車両900は、システム故障または安全基準違反などのような
条件が車両900に起こった場合には、車両の自分自身の処理装置901からの命令にし
たがって、停止するようになることとなる。この条件が存在する場合には、車両は、アン
テナデバイス906または赤外線デバイス908を介した通信インターフェース904お
よび無線伝送を介して、乗物のシステム制御装置924にその状況を通知することが可能
である。乗物のシステム制御装置924は、例えば、他の車両が衝突を回避するために停
止させられるべきかどうかについて決定することが可能である。それぞれの車両の一意的
なアドレスを使用する乗物のシステム制御装置は、単一の車両だけが衝突の危機にある場
合には、単一の車両950に停止するように命令することが可能である。代替的に、それ
ぞれの車両の一意的なアドレスを使用する乗物のシステム制御装置は、車両の部分集合だ
けが衝突の危機にある場合には、車両950、960の部分集合に停止するように命令す
ることが可能である。代替的に、それぞれの車両の一意的なアドレスを使用する乗物のシ
ステム制御装置は、すべての車両950、960、970に停止するように命令すること
が可能である。任意の車両900、950、960、970は、それに対して一意的にア
ドレス指定された命令を受け取ると、制御停止となることが可能である。
【0075】
本発明は、1つまたは複数の好適な実施形態、および、1つまたは複数の代替的な実施
形態の観点から、上述されてきた。そのうえ、本発明の様々な外観が説明されてきた。当
業者は、様々な外観または実施形態を、決して限定するものとして解釈するべきでなく、
例示的なものとして解釈するべきである。他の実施形態が、本発明の範囲内にあることは
明らかである。その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定され
ることとなる。