(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393729
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ハイブリッド電力貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20180910BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20180910BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
H02J3/32
G06Q50/06
H02J13/00 301A
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-221898(P2016-221898)
(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公開番号】特開2017-184595(P2017-184595A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0037676
(32)【優先日】2016年3月29日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュー−ホー・リム
【審査官】
原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−508018(JP,A)
【文献】
特開2015−177628(JP,A)
【文献】
特表2009−542182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H02J 3/00−7/12
7/34−7/36
13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を貯蔵するハイブリッド電力貯蔵装置において、
電力系統に供給される第1電力及び前記電力系統から供給される第2電力を貯蔵するバッテリー;
前記第1電力を交流電力に変換し、前記第2電力を直流電力に変換する電力変換部;及び
サーバから前記電力系統の電力情報を受信し、前記電力情報に基づいて前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する制御部を含み、
前記電力情報は、前記電力系統で発生する電源周波数を含み、
前記制御部は、
前記電力情報に含まれる前記電源周波数が時間によって変化する場合、前記電源周波数を調節し、前記電力情報に含まれる前記電源周波数が一定である場合、前記電力の大きさを調節する、
ハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項2】
前記電力情報は、電力の使用量、電力の生産量、電力の料金及び電力の大きさのうち一つ以上をさらに含む、
請求項1に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電力情報に基づいて前記電力系統に電力を供給するか、または前記電力系統から電力の供給を受けるように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する、
請求項1または2に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項4】
前記電力系統は、前記電力情報を送信する送信部を含み、
前記サーバまたは前記制御部は、前記送信部から前記電力情報を受信する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記電力の大きさが予め設定された最大値を超える場合、前記バッテリーが前記第1電力を前記電力系統に供給するように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御し、
前記電力の大きさが予め設定された最小値未満である場合、前記バッテリーが前記電力系統から前記第2電力の供給を受けて貯蔵するように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記電源周波数が予め設定された最大周波数を超える場合、前記バッテリーが前記電力系統から前記第2電力の供給を受けて貯蔵するように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御し、
前記電源周波数が予め設定された最小周波数未満である場合、前記バッテリーが前記第1電力を前記電力系統に供給するように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する、
請求項2乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項7】
前記制御部は、
基準大きさ及び基準周波数を設定し、前記基準大きさに対する前記電力の大きさの誤差比率である第1誤差比率及び前記基準周波数に対する前記電源周波数の誤差比率である第2誤差比率を算出し、
前記第1誤差比率が前記第2誤差比率以上である場合、前記電力の大きさを調節し、前記第1誤差比率が前記第2誤差比率未満である場合、前記電源周波数を調節する、
請求項2乃至6のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記電力の料金が予め設定された金額未満である場合、前記バッテリーが前記電力系統から前記第2電力の供給を受けて貯蔵するように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する、
請求項2乃至7のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【請求項9】
前記制御部は、
使用者端末機から前記電力情報を受信する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のハイブリッド電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電力貯蔵装置に関し、さらに詳細には、サーバで受信した電力系統の電力情報に基づいて電力系統に電力を供給するか、または電力系統から電力の供給を受けることにより電力系統による最適化した動作を遂行するハイブリッド電力貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力貯蔵装置は、発電所で過剰生産された電力を貯蔵しておき、一時的に電力が不足する時に送電する貯蔵装置である。電力貯蔵装置は、電力をためるバッテリーと、バッテリーを効率よく管理する関連装置を含む。このような電力貯蔵装置は、電力生産者に効率的な電力供給を可能とし、電力消費者には経済的な電力消費を可能とする。
【0003】
主要エネルギー源である化石燃料の使用は、気候変化等の副作用がもたらされるにつれ、その使用に対する制約が激しくなっており、近来は、石炭及び石油の枯渇によって新再生エネルギーが脚光を浴びている。これによって、効率的な電力生産及び消費が可能であって新再生エネルギーを安定的に供給できる電力貯蔵装置への関心が増加している傾向にある。
【0004】
電力貯蔵装置は、大きく、バッテリー、バッテリーの電力を変換する装置(以下、「電力変換装置」という)及びバッテリーと電力を変換する装置を制御する制御装置(以下、「制御装置」という)で構成される。バッテリーは、電力を変換する装置を経て電力を貯蔵し、必要な時に電力を供給する役割を果たす。また、電力変換装置は、発電源から電力の供給を受けてバッテリーに貯蔵または電力系統に放出するために電力の特性を変換する役割を果たす。最後に、制御装置は、バッテリー及び電力変換装置をまとめて管理する役割を果たす。
【0005】
電力貯蔵装置の駆動方式は、大きく、電力大きさ調節方式と周波数調節方式とに区別される。電力大きさ調節方式は、電力使用が最大である時間帯を活用するための用途であって、電力料金が比較的に安価な時間帯に電力を充電し、電気使用量が多い時間帯に電力を供給して電力料金を減らすことができる。
【0006】
一方、周波数調節方式は、発電機の周波数を一定基準に維持する用途であって、周波数が一定であるほど電力品質が良くなる特性を利用する。電力の周波数は、電力の供給量より使用量が多い場合に減少し、逆に電力の供給量より使用量が少ない場合に増加する。このとき、周波数が規定周波数を超える場合に電力を充電し、周波数が規定周波数未満である場合に電力を放電して供給することにより、電力供給の効率性を増加させることができる。
【0007】
このような電力貯蔵装置の最適化のためには、装置そのものの性能改善も重要であるが、電力使用者の電力使用パターン及び電力生産者の電力生産パターンをリアルタイムで把握し、正確に分析することが非常に重要である。
【0008】
図1は、従来の電力大きさ調節電力貯蔵装置10を示した図であり、
図2は、従来の電力周波数調節電力貯蔵装置20を示した図である。以下、
図1及び
図2を参照して、従来の電力貯蔵装置の問題点を説明する。
【0009】
図1及び
図2を参照すると、従来の電力貯蔵装置は、電力大きさを調節する装置10と電力の周波数を調節する装置20が別個の装置で運用されていた。これによって、電力大きさを調整する方式では、測定遅延による計測値の不確実性を解消できない問題点がある。また、電力周波数を調節する方式では、周波数の変動が激しい場合、充放電動作が非常に非効率的な問題点がある。また、従来の電力貯蔵装置10、20は、リアルタイム無線通信を利用しないので、外部要因により更新される電力系統の電力情報をリアルタイムで反映することができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、電力大きさ調節方法または電力周波数調節方法を選択的に適用することにより、効率的な運用が可能なハイブリッド電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、電力系統の電力情報に基づいて電力系統に電力を供給するか、または電力系統から電力の供給を受けることにより、電力系統による最適化した動作を遂行するハイブリッド電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、サーバを通して電力系統の電力情報をリアルタイムで受信することにより、更新される電力情報をリアルタイムで反映して動作するハイブリッド電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の目的は、以上において言及した目的に制限されず、言及されていない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解できるだろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせにより実現できることが容易に分かるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明の一実施例に係るハイブリッド電力貯蔵装置は、電力を貯蔵するハイブリッド電力貯蔵装置において、電力系統に供給される第1電力及び前記電力系統から供給される第2電力を貯蔵するバッテリー、前記第1電力を交流電力に変換し、前記第2電力を直流電力に変換する電力変換部、及びサーバから前記電力系統の電力情報を受信し、前記受信された電力情報に含まれた電力の大きさまたは電力の周波数のいずれか一つに基づいて前記電力系統に電力を供給するか、または前記電力系統から電力の供給を受けるように前記バッテリー及び前記電力変換部を制御する制御部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前述したような本発明によると、電力大きさ調節方法または電力周波数調節方法を選択的に適用することにより、効率的な運用が可能な効果がある。
【0016】
また、本発明によると、電力系統の電力情報に基づいて電力系統に電力を供給するか、または電力系統から電力の供給を受けることにより、電力系統による最適化した動作を遂行することができる効果がある。
【0017】
また、本発明によると、サーバを通して電力系統の電力情報をリアルタイムで受信することにより、更新される電力情報をリアルタイムで反映して動作する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来の電力大きさ調節電力貯蔵装置を示した図である。
【
図2】従来の電力周波数調節電力貯蔵装置を示した図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るハイブリッド電力貯蔵装置が電力系統及びサーバから電力情報を受信する様子を示した図である。
【
図4】時間による電力の大きさを示したグラフである。
【
図5】時間による電力の周波数を示したグラフである。
【
図6】時間による電力の料金を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができるだろう。本発明を説明するにあたって、本発明と関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合は、詳細な説明を省略する。以下、添付の図面を参照して、本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。図面において同一の参照符号は、同一または類似した構成要素を指すものと用いられる。
【0020】
図3は、本発明の一実施例に係るハイブリッド電力貯蔵装置100が電力系統310及びサーバ320から電力情報を受信する様子を示した図である。
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るハイブリッド電力貯蔵装置100は、バッテリー110、電力変換部120及び制御部130を含んで構成され得る。
図3に示されたハイブリッド電力貯蔵装置100は、一実施例に係るものであり、その構成要素が
図3に示された実施例に限定されるものではなく、必要に応じて一部の構成要素が付加、変更または削除され得る。以下、
図3を参照して、バッテリー110、電力変換部120及び制御部130を具体的に説明する。
【0021】
本発明の一実施例に係るバッテリー110は、電力系統310に供給される第1電力を貯蔵することができ、電力系統310から供給される第2電力を貯蔵することができる。ここで、電力系統310は、発電所、変電所、送配電線及び負荷が一体になって電力の発生及び利用がなされるシステムを意味する。より具体的に、電力系統310は、電力を使用する一般家庭から工場のような産業施設に至る電力使用施設を含むことができる。また、電力系統310は、電力を生産する風力、太陽力及び原子力発電所等の電力生産施設を含むことができる。
【0022】
また、電力系統310は、IOTを基盤とするインターネットサーバまたはクラウドサーバ等を含むことができ、これによって、サーバ320に電力情報を送信する送信部を含むことができる。例えば、電力系統310に属する発電所、変電所及び産業施設等がIOTを基盤とする一つのサーバ320を共有し、無線通信を通してリアルタイムで情報をやり取りすることができる。一方、電力情報は、電力の使用量、電力の生産量、電力の料金、電力の大きさ及び電力の周波数
(電源周波数)等、電力系統310で生産または使用される電力の全ての情報を含むことができる。
【0023】
一方、サーバ320は、使用者にサービスを提供する全てのコンピュータまたはプログラムを通称するものであって、ウェブ、データベース、ネットワーク等を含む。より具体的には、IOT(Internet Of Things)を基盤とするインターネットのサーバまたはクラウドサーバ等を含むことができる。一実施例として、サーバ320は、電力系統310の電力情報を貯蔵することができ、IOTを基盤とした無線通信を利用して電力系統310から電力情報を受信することができる。また、サーバ320は、電力系統310のインターネットサーバまたはクラウドサーバ等と一体であってよい。
【0024】
バッテリー110が貯蔵する第1電力は、バッテリー110に既貯蔵された電力であって、電力系統310中、電力を使用する産業施設等に供給される電力であってよい。また、第2電力は、電力系統310中、電力を生産する発電機等から供給を受けて貯蔵する電力であってよい。
【0025】
バッテリー110は、電力系統310と電力をやり取りするために、産業施設及び発電機等の電力系統310と連結され得る。一方、バッテリー110は、リチウムイオン方式、リチウムポリマー方式で生産され得、鉛蓄電池を含むこともできる。
【0026】
本発明の一実施例に係る電力変換部120は、バッテリー110に貯蔵された第1電力を交流電力に変換し、発電機等から供給を受けた第2電力を直流電力に変換することができる。より具体的に、電力変換部120は、発電所等から電力の供給を受けてバッテリー110に貯蔵するか、または電力系統310に電力を放出するために電力の特性(AC/DC、電圧及び周波数)を変換することができる。また、電力変換部120は、電力を貯蔵する時の特性と電力を使用する時の特性が互いに異なる場合、電力の利用状態に合わせて電力の特性を調節することができる。
【0027】
バッテリー110に貯蔵される電力は、電極の方向性を有する直流形態であってよく、家庭及び産業施設等で使用する電力は、交流形態であってよい。例えば、電力系統310から電力の供給を受けてバッテリー110に貯蔵する場合、電力系統310から供給された交流電力を直流電力に変換して貯蔵することができる。また、電力系統310に電力を供給する場合、バッテリー110に貯蔵された直流電力を交流電力に変換して供給することができる。
【0028】
一方、太陽力、風力等、新再生エネルギーを生産する発電機では、直流電力を生産することもできる。この場合、該当電力系統310から供給された直流電力をバッテリー110に貯蔵可能な直流電力に変換して貯蔵することができる。
【0029】
図4は、時間による電力の大きさを示したグラフであり、
図5は、時間による電力の周波数を示したグラフであり、
図6は、時間による電力の料金を示したグラフである。以下、
図3乃至
図6を参照して、制御部130を具体的に説明する。
【0030】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る制御部130は、サーバ320から電力系統310の電力情報を受信することができ、電力系統310から直接電力情報を受信することもできる。また、制御部130は、使用者から直接電力情報の入力を受けることもでき、使用者端末機から電力情報を受信することもできる。電力系統310、サーバ320、制御部130及び使用者端末機は、一つのインターネットサーバ及びクラウドサーバを共有することもできる。
【0031】
電力情報は、制御部130の動作に必要な基準設定値を含むことができる。ここで、基準設定値は、制御部130がバッテリー110及び電力変換部120を制御するにあたって、後述する基準大きさ、基準周波数、予め設定された個数、予め設定された最大値及び最小値、予め設定された最大周波数及び最小周波数、並びに予め設定された金額を含むことができる。
【0032】
制御部130は、電力情報に基づいてバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。より具体的に、制御部130は、電力情報に基づいて電力系統310に電力を供給するか、または電力系統310から電力の供給を受けるようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0033】
また
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る制御部130は、サーバ320から周波数の個数を受信することができる。このとき、制御部130は、周波数の個数が予め設定された個数以上である場合、電力の周波数を調節し、周波数の個数が予め設定された個数未満である場合、電力の大きさを調節することができる。
【0034】
ここで、周波数の個数は、電力を生産する電力系統310で発電する電力の周波数個数を含むことができる。より具体的には、一定の周波数の電力を生産する複数の発電機で発電する電力の周波数個数を含むことができる。また、単一の発電機で発電するが、時間によって変化する周波数を有する電力の周波数個数を含むこともできる。
【0035】
例えば、家庭のような消費電力系統310の場合、一般的に60Hzの周波数を使用するので、測定される電力の周波数の個数が60Hzで一つであってよい。これに対し、太陽光発電機、風力発電機のような電力系統310の場合、測定される電力の周波数は、日射量、風量等の様々な外部要因によって変動するので、発電する電力の周波数個数が複数個であってよい。
【0036】
制御部130は、測定される電力周波数の個数をサーバ320からリアルタイムで受信することができる。制御部130は、該当周波数の個数が予め設定された個数以上である場合、周波数の変動が大きいものと判断し、該当電力の周波数を調節することができる。また、制御部130は、該当周波数の個数が予め設定された個数未満である場合、周波数の変動が大きくないものと判断し、該当電力の大きさを調節することができる。
【0037】
例えば、家庭及び産業施設等の消費電力に対しては、電力の大きさを調節することができ、太陽光発電機、風力発電機等の生産電力に対しては、電力の周波数を調節することができる。
【0038】
本発明の一実施例に係る制御部130は、サーバ320から産業施設のような電力系統310の消費電力の大きさを受信することができる。制御部130は、該当消費電力の大きさが予め設定された最大値を超える場合、バッテリー110が第1電力を電力系統310に供給するようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0039】
図4を参照すると、制御部130は、サーバ320から電力情報である消費電力の大きさ410をリアルタイムで受信することができる。
図4においては、消費電力の大きさ410と可用電力の大きさ420を示した。可用電力の大きさ420は、予め設定された電力の最大値及び最小値を含むことができる。
【0040】
制御部130は、該当消費電力の大きさ410が予め設定された最大値を超える場合、バッテリー110に貯蔵された第1電力を直流電力から交流電力に変換するように電力変換部120を制御することができる。その後、制御部130は、交流電力に変換された第1電力を、電力を消費する該当電力系統310に供給するようにバッテリー110を制御することができる。
【0041】
また、一実施例として、制御部130は、該当消費電力の大きさ410が予め設定された最小値未満である場合、バッテリー110が電力系統310から第2電力の供給を受けて貯蔵するようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0042】
制御部130は、該当消費電力の大きさ410が予め設定された最小値未満である場合、発電所等の電力系統310で生産された第2電力を交流電力から直流電力に変換するように電力変換部120を制御することができる。その後、制御部130は、直流電力に変換された第2電力を貯蔵するようにバッテリー110を制御することができる。一方、予め設定された電力大きさの最大値及び最小値は、使用者の必要に応じて設定され得る。
【0043】
本発明の一実施例に係る制御部130は、サーバ320から電力の周波数を受信することができる。制御部130は、受信された電力の周波数に基づいて電力系統310に電力を供給するか、または電力系統310から電力の供給を受けるようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0044】
より具体的に、電力情報は、発電機のような電力系統310の生産電力の周波数を含むことができる。制御部130は、該当生産電力の周波数が予め設定された最大周波数を超える場合、バッテリー110が電力系統310から第2電力の供給を受けて貯蔵するようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0045】
図5を参照すると、制御部130は、サーバ320から発電所のような電力系統310の電力情報である生産電力の周波数をリアルタイムで受信することができる。制御部130は、該当生産電力の周波数が予め設定された最大周波数を超える場合、電力を生産する発電機のような電力系統310から供給される第2電力を交流電力から直流電力に変換するように電力変換部120を制御することができる。その後、制御部130は、直流電力に変換された第2電力を貯蔵するようにバッテリー110を制御することができる。
【0046】
また、一実施例として、制御部130は、電力の周波数が予め設定された最小周波数未満である場合、バッテリー110が第1電力を電力系統310に供給するようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0047】
図5を参照すると、該当生産電力の周波数が予め設定された最小周波数未満である場合、バッテリー110に貯蔵された第1電力を直流電力から交流電力に変換するように電力変換部120を制御することができる。その後、制御部130は、交流電力に変換された第1電力を、電力を消費する電力系統310に供給するようにバッテリー110を制御することができる。一方、予め設定された最大周波数及び最小周波数は、使用者の必要に応じて設定され得る。
【0048】
本発明の一実施例に係る制御部130は、基準大きさ及び基準周波数を設定し、基準大きさに対する電力の大きさの誤差比率である第1誤差比率を算出することができる。また、制御部130は、基準周波数に対する電力の周波数の誤差比率である第2誤差比率を算出することができる。その後、制御部130は、第1誤差比率が第2誤差比率以上である場合、電力の大きさを調節し、第1誤差比率が第2誤差比率未満である場合、電力の周波数を調節することができる。
【0049】
例えば、消費電力の大きさと周波数がそれぞれ100W及び80Hzであり、基準大きさと周波数がそれぞれ50W及び60Hzである場合、第1誤差比率は、
【数1】
で表すことができる。一方、第2誤差比率は、
【数2】
で表すことができる。このとき、制御部130は、第1誤差比率が第2誤差比率以上であるので、該当消費電力に対しては、電力の大きさを調節することができる。
【0050】
逆に、消費電力の大きさと周波数がそれぞれ60W及び100Hzであり、基準大きさと周波数が上述した例示と同様にそれぞれ50W及び60Hzである場合、第1誤差比率は、
【数3】
で表すことができる。一方、第2誤差比率は、
【数4】
で表すことができる。このとき、制御部130は、第1誤差比率が第2誤差比率未満であるので、該当消費電力に対しては、電力の周波数を調節することができる。
【0051】
本発明の一実施例に係る電力情報は、電力の料金を含むことができる。このとき、制御部130は、電力の料金が予め設定された金額未満である場合、バッテリー110が電力系統310から第2電力の供給を受けて貯蔵するようにバッテリー110及び電力変換部120を制御することができる。
【0052】
図6を参照すると、制御部130は、サーバ320から時間帯別電力の料金をリアルタイムで受信することができる。制御部130は、該当電力の料金が予め設定された金額未満である場合、電力を生産する発電機のような電力系統310から供給される第2電力を交流電力から直流電力に変換するように電力変換部120を制御することができる。その後、制御部130は、直流電力に変換された第2電力を貯蔵するようにバッテリー110を制御することができる。
【0053】
より具体的に、
図6の(a)時間帯には、電力の料金が予め設定された金額より高いので、第2電力の供給を受けないことができる。しかし、(b)時間帯には、電力の料金が予め設定された金額より低いので、電力系統310から第2電力の供給を受けることができる。一方、予め設定された金額は、使用者の必要に応じて設定され得る。
【0054】
前述したような本発明によると、電力大きさ調節方法または電力周波数調節方法を選択的に適用することにより、効率的な運用が可能な効果がある。また、本発明によると、電力系統の電力情報に基づいて電力系統に電力を供給するか、または電力系統から電力の供給を受けることにより、電力系統による最適化した動作を遂行することができる効果がある。また、本発明によると、サーバを通して電力系統の電力情報をリアルタイムで受信することにより、更新される電力情報をリアルタイムで反映して動作する効果がある。
前述した本発明は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術的思想を外れない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であるので、前述した実施例及び添付の図面により限定されるものではない。