(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393752
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】2−メチルイソチアゾリン−3−オンを含む殺微生物性組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/30 20060101AFI20180910BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20180910BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20180910BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20180910BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20180910BHJP
C02F 1/50 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
A01N25/30
A01P1/00
A01P3/00
A01N43/80 102
A61L2/18
C02F1/50 510A
C02F1/50 520A
C02F1/50 520K
C02F1/50 520L
C02F1/50 532C
C02F1/50 540B
C02F1/50 532D
C02F1/50 532J
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-517396(P2016-517396)
(86)(22)【出願日】2014年10月2日
(65)【公表番号】特表2016-533337(P2016-533337A)
(43)【公表日】2016年10月27日
(86)【国際出願番号】US2014058821
(87)【国際公開番号】WO2015051117
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2017年9月19日
(31)【優先権主張番号】61/886,337
(32)【優先日】2013年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウシャ・ガンディ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーン・マッキンス
(72)【発明者】
【氏名】キラン・パリーク
(72)【発明者】
【氏名】ポール・オー・スクーク
(72)【発明者】
【氏名】ナイジェル・ジー・ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】テリー・マイケル・ウィリアムス
(72)【発明者】
【氏名】ベイ・イン
【審査官】
齋藤 光介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−037828(JP,A)
【文献】
特開2001−158707(JP,A)
【文献】
特開2005−068054(JP,A)
【文献】
特表2003−532653(JP,A)
【文献】
特開2006−143621(JP,A)
【文献】
特開2009−263812(JP,A)
【文献】
特開2009−149610(JP,A)
【文献】
米国特許第04295932(US,A)
【文献】
特表2010−505753(JP,A)
【文献】
特表2011−524940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A61L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)構造、
R1O(CH2CH(CH3)O)5(CH2CH2O)9H
を有し、式中、R1が、C8アルキル基である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、前記非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.005〜1:1.3714である、相乗的な殺微生物性組成物。
【請求項2】
R1が、2−エチルヘキシルである、請求項1に記載の前記相乗的な殺微生物性組成物。
【請求項3】
水性培地中の微生物の増殖を阻害するための方法であって、前記方法が、前記水性培地に、(a)構造、
R1O(CH2CH(CH3)O)5(CH2CH2O)9H
を有し、式中、R1が、C8アルキル基である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を添加することを含み、前記非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.005〜1:1.3714である、前記方法。
【請求項4】
R1が、2−エチルヘキシルである、請求項3に記載の前記方法。
【請求項5】
(a)構造、
R2O(CH2CH(CH3)O)3(CH2CH2O)7H
を有し、式中、R2が、C8−C14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、前記非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.006〜1:0.9143である、相乗的な殺微生物性組成物。
【請求項6】
前記C8−C14直鎖アルキル基の混合物が、60〜75重量%のC8−C10直鎖アルキル基及び25〜40重量%のC12−C14直鎖アルキル基を含む、請求項5に記載の前記相乗的な殺微生物性組成物。
【請求項7】
水性培地中の微生物の増殖を阻害するための方法であって、前記方法が、前記水性培地に、(a)構造、
R2O(CH2CH(CH3)O)3(CH2CH2O)7H
を有し、式中、R2が、C8−C14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を添加することを含み、前記非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.006〜1:0.9143である、前記方法。
【請求項8】
前記C8−C14直鎖アルキル基の混合物が、60〜75重量%のC8−C10直鎖アルキル基及び25〜40重量%のC12−C14直鎖アルキル基を含む、請求項7に記載の前記方法。
【請求項9】
(a)構造、
R2O(CH2CH(CH3)O)3(CH2CH2O)5H
を有し、式中、R2が、C8−C14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、前記非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.001〜1:0.1143である、相乗的な殺微生物性組成物。
【請求項10】
前記C8−C14直鎖アルキル基の混合物が、60〜75重量%のC8−C10直鎖アルキル基及び25〜40重量%のC12−C14直鎖アルキル基を含む、請求項9に記載の前記相乗的な殺微生物性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及び界面活性剤を含有する殺微生物性組成物に関する。
【0002】
5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オン、2−メチルイソチアゾリン−3−オン及び非イオン性分散剤を含有する組成物が、米国特許第4,295,932号に開示される。本組成物は、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オン及び2−メチルイソチアゾリン−3−オンの3:1混合物、ならびにPLURONIC L61またはTERGITOL L61分散剤と同じ組成を有すると思われる、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーを含有する。しかしながら、微生物の有効な制御を提供するために、種々の微生物株に対する相乗活性を有する殺微生物剤の組み合わせに対する必要性が存在する。さらに、環境上及び経済的便益のために、個々の殺微生物剤の含有レベルがより低い、かかる組み合わせに対する必要性が存在する。本発明によって対処される問題は、殺微生物剤のかかる相乗的組み合わせを提供することである。
【0003】
本発明の陳述
本発明は、(a)構造、
R
1O(CH
2CH(CH
3)O)
5(CH
2CH
2O)
9H
を有し、式中、R
1が、C
8アルキル基である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.005〜1:1.3714である、相乗的な殺微生物性組成物を対象とする。
【0004】
本発明はさらに、(a)構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
7H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.006〜1:0.9143である、相乗的な殺微生物性組成物を対象とする。
【0005】
本発明はさらに、(a)構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
5H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を含み、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比が、1:0.001〜1:0.1143である、相乗的な殺微生物性組成物を対象とする。
【0006】
本発明はさらに、水性培地に、本明細書に記載される非イオン性界面活性剤、及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、本明細書に記載される比率で添加することによって水性培地中の微生物の増殖を阻害するための方法を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
「MIT」は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである。本明細書で使用されるとき、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、次の用語は、指定される定義を有する。「殺微生物剤」という用語は、微生物の増殖を阻害するまたは微生物の増殖を制御することが可能な化合物を指し、殺微生物剤には、殺菌剤、殺真菌剤、及び殺藻剤が含まれる。「微生物」という用語は、例えば、真菌(酵母及びかび等)、細菌、及び藻類を含む。次の略号が、本明細書全体を通して使用される:ppm=重量百万分率(重量/重量)、mL=ミリリットル。別途明記されない限り、温度は、摂氏度(℃)単位であり、百分率への言及は、重量百分率(重量%)であり、量及び比率は、活性成分基準、すなわち、MIT及び非イオン性界面活性剤の総重量に基づく。プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの重合単位は、数平均である。
【0008】
好ましくは、構造、
R
1O(CH
2CH(CH
3)O)
5(CH
2CH
2O)
9H
を有し、式中、R
1がC
8アルキル基である、非イオン性界面活性剤と、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.02〜1:0.0571または1:0.12〜1:1.3714である。好ましくは、構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
7H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.012〜1:0.9143である。
【0009】
本発明はさらに、(a)構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
7H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を添加することによって、水性培地中のかび、好ましくはクロコウジカビの増殖を阻害するための方法を対象とし、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.04〜1:0.9143である。
【0010】
本発明はさらに、(a)構造、
R
1O(CH
2CH(CH
3)O)
5(CH
2CH
2O)
9H
を有し、式中、R
1が、C
8アルキル基である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を添加することによって、水性培地中のかび、好ましくはクロコウジカビの増殖を阻害するための方法を対象とし、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.015〜1:1.3714、好ましくは1:0.12〜1:1.3714である。
【0011】
本発明はさらに、(a)構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
7H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、(b)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、を添加することによって、水性培地中の酵母、好ましくはカンジダ・アルビカンスの増殖を阻害するための方法を対象とし、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.006〜1:0.4571、好ましくは1:0.012〜1:0.4571である。
【0012】
本発明はさらに、15〜40重量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、構造、
R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
5H
を有し、式中、R
2が、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である、非イオン性界面活性剤と、を含む水性組成物を対象とし、該非イオン性界面活性剤と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの重量比は、1:0.2〜1:1である。好ましくは、本組成物は、20〜35重量%、好ましくは20〜30重量%、好ましくは約25重量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含む。好ましくは、本組成物は、5〜70重量%、好ましくは10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、好ましくは40〜60重量%の水を含む。
【0013】
R
2は、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物である。好ましくは、C
8−C
14直鎖アルキル基は、50〜85重量%のC
8−C
10直鎖アルキル基及び15〜50重量%のC
12−C
14直鎖アルキル基、好ましくは60〜75重量%のC
8−C
10直鎖アルキル基及び25〜40重量%のC
12−C
14直鎖アルキル基、好ましくは約70重量%のC
8−C
10直鎖アルキル基及び約30重量%のC
12−C
14直鎖アルキル基を含む。好ましくは、直鎖アルキル基は、種子油に由来する。好ましくは、R
1は、2−エチルヘキシルである。
【0014】
好ましくは、本組成物のそれぞれは、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)を実質的に含まず、すなわち、本組成物のそれぞれが有するCMITは、活性成分の総重量に基づいて1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。好ましくは、本組成物のそれぞれは、非イオン性界面活性剤及びMIT以外の殺微生物剤を実質的に含まず、すなわち、本組成物のそれぞれが有する、非イオン性界面活性剤及びMIT以外の殺微生物剤は、活性成分の総重量に基づいて1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。好ましくは、非イオン性界面活性剤及びMITは、水性培地に添加され、この培地は、他の殺微生物剤を実質的に含まず、すなわち、培地が有する、非イオン性界面活性剤及びMIT以外の殺微生物剤は、活性成分の総重量に基づいて1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。
【0015】
本発明の組成物は、他の成分、例えば、消泡剤及び乳化剤を含有してもよい。本発明の殺微生物性組成物を使用して、殺微生物用に有効な量の本組成物を微生物攻撃にさらされる水性培地中に導入することによって、微生物またはより高等な水生生物(原生動物、無脊椎動物、外肛動物、渦鞭毛藻類、甲殻類、軟体動物等)の増殖を阻害することができる。好適な水性培地は、例えば:工業プロセス用の水;電着塗装系;冷却塔;空気洗浄機;ガススクラバー;鉱物スラリー;排水処理;観賞用噴水器;逆浸透濾過;限外濾過;バラスト水;蒸発凝縮器;熱交換器;パルプ及び紙加工流体及び添加剤;デンプン;プラスチック;エマルション;分散液;塗料;ラテックス;ニス等のコーティング剤;マスチック、チョーク、及びシーラント等の建築用製品;セラミック接着剤、カーペット裏打ち用接着剤、及び貼り合わせ用接着剤等の建築用接着剤;工業接着剤または一般消費者向け接着剤;写真用薬品;印刷用流体;浴室及び台所用洗浄剤等の家庭用品;化粧品;洗面用品;シャンプー;ソープ;拭取り用品、ローション、日焼け止め、コンディショナー、クリーム、及び他の洗い流さない(leave−on)塗布剤等のパーソナルケア製品;洗剤;工業用洗浄剤;床磨き剤;洗濯すすぎ用水;金属加工油剤;コンベア潤滑剤;作動液;皮革及び皮革製品;織物;織物製品;合板、チップボード、木片ボード、積層梁、配向性ストランドボード、ハードボード、及びパーティクルボード等の木材及び木材製品;石油処理液;燃料;注入水、破砕流体、及び掘削泥水等の油田流体(oilfield fluids);農薬補助剤保存;界面活性剤保存;医療デバイス;診断用試薬保存;プラスチックまたは紙製の食品用ラップ等の食品保存;食品、飲料、及び工業プロセス用殺菌装置;便器;レクリエーション水域;プール;ならびにスパにおいて見出される。
【0016】
ある用途において微生物の増殖を阻害または制御するのに必要な、本発明の殺微生物性組成物の具体的な量は、異なるであろう。典型的には、本発明の組成物の量は、それが50〜700ppm(百万分率)の本組成物の活性成分を提供する場合、微生物の増殖を制御するのに十分である。本組成物の活性成分(すなわち、非イオン性界面活性剤及びMIT)が、処理対象の培地中に、少なくとも70ppm、好ましくは少なくとも90ppm、好ましくは少なくとも110ppm、好ましくは少なくとも120ppm、好ましくは少なくとも130ppm、好ましくは少なくとも140ppmの量で存在することが好ましい。本組成物の活性成分が、その場所に、600ppm以下、好ましくは550ppm以下、好ましくは500ppm以下、好ましくは450ppm以下、好ましくは400ppm以下、好ましくは350ppm以下の量で存在することが好ましい。本発明の方法において、組成物は、一緒にまたは別個に、非イオン性界面活性剤及びMITを、上に指定される濃度をもたらすであろう量で添加することによって、微生物増殖を阻害するために処理される。
【実施例】
【0017】
界面活性剤及び殺生物剤を、この組み合わせの相乗作用指数(S.I.)を決定することによって、相乗作用について評価した。相乗作用指数を、2つの抗菌化合物(A及びB)の、単独及び組み合わせての最小発育阻止濃度(MIC)に基づいて算出した。試験生物は、グラム陰性細菌(緑膿菌ATCC番号15442)、グラム陽性細菌(黄色ブドウ球菌ATCC番号6538)、酵母(カンジダ・アルビカンスATCC番号10203)、及びかび(クロコウジカビATCC番号16404)であった。接触時間は細菌について24及び48時間、酵母が48及び72時間、かびについては3及び7日間であった。試験は、96ウェルのマイクロタイタープレート中で行った。
界面活性剤A R
1O(CH
2CH(CH
3)O)
5(CH
2CH
2O)
9H、式中、R
1が2−エチルヘキシルである。
界面活性剤D R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
5H
界面活性剤E R
2O(CH
2CH(CH
3)O)
3(CH
2CH
2O)
7H
界面活性剤D及び界面活性剤Eにおいて、R
2は、C
8−C
14直鎖アルキル基の混合物(70%のC
8−C
10直鎖アルキル及び30%のC
12−C
14直鎖アルキル)である。
【0018】
【表1】
【0019】
トリプチックソイブロスのpHは、7.3であり、ポテトデキストロースブロスは、5.1であった。
【0020】
MIC組み合わせの相乗作用の実証についての試験結果が下記の表に示される。各表は、インキュベーション時間をもって試験された微生物に対する2つの構成成分の組み合わせについての結果を示す。化合物A単独(CA)、構成成分B単独(CB)、ならびに(Ca)及び(Cb)混合物のMICによって測定したppm単位でのエンドポイント活性;算出されたSI値;ならび試験された各組み合わせについての相乗的比率の範囲。SIは、次のように算出する:
Ca/CA+Cb/CB=相乗作用指数(「SI」)
式中、
CA=エンドポイントをもたらした、単独で作用しているppm単位での化合物Aの濃度(化合物AのMIC)。
Ca=エンドポイントをもたらした、混合物中のppm単位での化合物Aの濃度。
CB=エンドポイントをもたらした、単独で作用しているppm単位での化合物Bの濃度(化合物BのMIC)。
Cb=エンドポイントをもたらした、混合物中のppm単位での化合物Bの濃度。
Ca/CAとCb/CBとの合計が1よりも大きい場合、拮抗作用が示される。合計が1に等しい場合、相加作用が示され、1未満の場合、相乗作用が実証される。
【0021】
MIT及び界面活性剤を試験した比率の範囲は、次の表に要約される通りである:
【0022】
【表2-1】
【0023】
【表2-2】
【0024】
【表2-3】
【0025】
【表2-4】
【0026】
【表2-5】
【0027】
【表2-6】
【0028】
【表2-7】
【0029】
次の殺生物剤は、次の界面活性剤と対にしたとき、試験されたいずれの生物に対しても何ら相乗作用を有しなかった。
界面活性剤A
安息香酸ナトリウム、トリスニトロ
界面活性剤E
DMDMH
界面活性剤D
CS−1246、OPP、DMDMH
【0030】
次の組み合わせにおいて、相乗作用が観察された界面活性剤と殺生物剤との比率は、商業的に適切、すなわち1:0.2以上の比率でなかった(界面活性剤に対して殺生物剤がより少ない)。これらの比率で、配合製品中の殺生物剤レベルは、低すぎて実用的でないであろう。
界面活性剤A
DIDAC、IPBC
界面活性剤E
CMIT/MIT、IPBC、OIT、TTPC、WSCP
界面活性剤D
CMIT/MIT、OIT、DIDAC
(MBIT、IPBC、WSCPは、1つのデータ点を除いて、1:0.05でのみ相乗的であったか、それよりも劣っていた)
【0031】
安定性試験
MITの水溶液を作製し、界面活性剤で希釈して、殺生物剤と界面活性剤との所望の比率を得た。追加の水を必要に応じて添加して、指定重量%の溶液を得た。試料を3つのバイアル中に分割した。1つのバイアルを室温で貯蔵し、1つを40℃で貯蔵し、1つを50℃で貯蔵した。試料を、安定性を決定するために1週間後に評価した。混濁したまたは変色の高かった試料を、不安定であると決定した。データ表において、ダッシュ記号は、配合物が安定であったことを示す。
【0032】
【表3】