特許第6393753号(P6393753)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6393753生ごみを脱水することを目的とする処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393753
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】生ごみを脱水することを目的とする処理システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20180910BHJP
   F26B 9/06 20060101ALI20180910BHJP
   F26B 11/14 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   B09B3/00 303M
   F26B9/06 Q
   F26B11/14
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-518479(P2016-518479)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公表番号】特表2016-521636(P2016-521636A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】EP2014062164
(87)【国際公開番号】WO2014198795
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】1355487
(32)【優先日】2013年6月13日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1359330
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515345517
【氏名又は名称】ソシエテ・セルブコ(エス・アー)
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルオー,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ミュレリ,ジャン−ジャック
【審査官】 齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−102834(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3075310(JP,U)
【文献】 特開平06−257940(JP,A)
【文献】 特開2001−340829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00−5/00
F26B1/00−25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)内に生ごみ(4)を攪拌するための少なくとも1つの装置を備える生ごみ(4)用の貯蔵および加熱装置(200)と、
凝縮器(34)と、
ガス状流出物に含まれる蒸気が凝縮される凝縮器(34)に向かって生ごみ(4)によって貯蔵および加熱装置(200)に生成される蒸気を含むガス状流出物(22)の通過を可能にするように貯蔵および加熱装置(200)と凝縮器(34)との間の直接連通を可能にする第1の管(3)と
を少なくとも含む生ごみ(4)を脱水することを目的とする処理システム(0)にして、
容器(2)の内部、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の内部、および第1の管(3)の内部が、一次真空下に維持される処理システム(0)であって、
凝縮器(34)が、直接接触型熱交換凝縮器(34)であり、直接接触型熱交換凝縮器において、互いの直接接触によってガス状流出物(22)および冷却液(16)の熱エネルギーが交換され、かつ前記凝縮器(34)が、凝縮器(34)の上部に非凝縮性ガス抽出開口(37)および凝縮器(34)の下部に凝縮液抽出開口(36)を備えるエンクロージャ(35)を有することを特徴とする、処理システム(0)。
【請求項2】
直接接触型熱交換凝縮器(34)が、地面(30)に垂直な長手方向軸線(28)を有するエンクロージャ(35)を備えるジェット凝縮器(34)であり、エンクロージャ(35)は、エンクロージャ(35)の上部に、冷却液(16)が上部から下部に向かってエンクロージャ(35)の中へシャワー(13)のように落下できるようになっている少なくとも1つの冷却液(16)入口開口を備えるシャワー装置(33)を備え、冷却液(16)によって凝縮された蒸気を付加した冷却液(16)から成る凝縮液が、凝縮液抽出開口を通して抽出され、第1の管(3)が、エンクロージャ(35)の下部に通じていることを特徴とする、請求項1に記載の処理システム(0)。
【請求項3】
凝縮器(34)の非凝縮性ガス抽出開口(37)が、非凝縮性抽出ポンプ(9)に接続され、凝縮液抽出開口(36)が、凝縮液抽出ポンプ(10)に接続されることを特徴とする、請求項またはに記載の処理システム(0)。
【請求項4】
シャワー装置(33)が、第2の管(5)によって凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の下部と連通しており、凝縮液の一部が、第2の管(5)によってシャワー装置(33)に導かれるように凝縮液再循環ポンプ(100)によってエンクロージャ(35)の下部から抜き取られることを特徴とする、請求項2に記載の処理システム(0)。
【請求項5】
生ごみ(4)用の貯蔵および加熱装置(200)が、
生ごみ(4)を含むことを目的としている容器(2)であり、その形状が、部分的に円筒形セクタ(2a)である容器(2)と、
容器(2)の壁に対して配置され、容器(2)に含まれる生ごみ(4)を加熱することを目的としている加熱装置(11)と
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の処理システム(0)。
【請求項6】
攪拌装置が、
モータ(18)によって駆動され、容器(2)の円筒形セクタ部(2a)の長手方向軸線(32)に平行な回転シャフト(17)と、
その一方の端部が回転シャフト(17)に取り付けられる複数のステム(20)と、
1つのステム(20)および1つのブレード(19)から成るアセンブリが、回転シャフト(17)から円筒形セクタとして形成される容器(2)の壁の近傍まで延在するように、ステム(20)の他方の端部に取り付けられる複数のブレード(19)と
を少なくとも備えることを特徴とする、請求項5に記載の処理システム(0)。
【請求項7】
容器(2)の長手方向軸線が、地面(30)に対して傾斜され、
各ブレード(19)が、回転シャフト(17)とブレード(19)が取り付けられるステム(20)とを含む平面(39)に対して角度δを形成する平面(38)に含まれ、角度δの向きは、処理システム(0)で処理されるよう意図されている生ごみ(4)が生ごみ(4)の処理中に地面(30)から最も遠い回転シャフト(17)の端部の方向に持ち上げられるように選択される
ことを特徴とする、請求項6に記載の処理システム(0)。
【請求項8】
加熱装置が、容器(2)の外表面に当てがわれる加熱板(11a)を備え、加熱板は、コントローラによって温度が制御されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項9】
加熱装置が、ヒートポンプ(6)をさらに備え、前記ヒートポンプの1つの特定の凝縮器(11b)が容器(2)に取り付けられ、かつ、前記ヒートポンプの特定の蒸発器(7、8)が、熱(25b)を容器(2)の方へ回復させるように、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)から、および/または第2の管(5)から熱を回収(23、24)するために凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に、および/または第2の管(5)に取り付けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項10】
加熱装置が、ヒートポンプ(6)をさらに備え、前記ヒートポンプの特定の凝縮器(11b)が容器(2)取り付けられ、かつ前記ヒートポンプの特定の蒸発器(78)が凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の内部にあることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項11】
凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に最も近い第1の管(3)の部分(3a)が、エンクロージャ(35)の長手方向軸線(28)に対して鋭角αを形成することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項12】
一次真空が、凝縮器(34)の非凝縮性ガス抽出ポンプ(9)によって、および/または凝縮液抽出ポンプ(10)によって維持されることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の処理システム(0)。
【請求項13】
処理システム(0)が、容器(2)の内部に取り付けられる水分センサ(230)をさらに備え、前記水分センサが、制御手段に接続され、制御手段が、回転シャフト(17)を駆動するモータ(18)、非凝縮性抽出ポンプ(9)、凝縮液抽出ポンプ(10)および/または凝縮液再循環ポンプ(100)、加熱装置(11a)、およびヒートポンプ(6)に接続され、前記水分センサが容器(2)の水分レベルの最小値よりも小さい生ごみ(4)の水分のレベルを検出すると、制御手段が、回転シャフト(17)のモータ(18)、加熱装置(11a)、非凝縮性抽出ポンプ(9)、凝縮液抽出ポンプ(10)および/または凝縮液再循環ポンプ(100)、およびヒートポンプ(6)を停止させることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項14】
処理システム(0)が、容器(2)に、および/または凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に少なくとも1つの圧力センサ(231)を備え、圧力センサ(231)が、制御手段に接続され、制御手段が、少なくとも1つの非凝縮性抽出ポンプ(9)および/または凝縮液抽出ポンプ(10)に接続され、制御手段が、処理システム(0)の一次真空を維持するように、かつ/または凝縮液(16)を排出するように非凝縮性抽出ポンプ(9)および/または凝縮液抽出ポンプ(10)の動作を制御することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項15】
容器(2)が、地面(30)に最も近い部分に排出開口(400)を有することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の処理システム(0)。
【請求項16】
カッターが、回転シャフト(17)に取り付けられることを特徴とする、請求項6に記載の処理システム(0)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理の分野、およびより詳細には生ごみの脱水を可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生ごみの処理は、一定の工業会社、および大きなショッピングセンターなどの一定の商社にとって重要な課題である。
【0003】
現状では、法令により、これらによって生成される廃棄物は重量に基づいて課税されることが現在要求されている。したがって、現在の傾向は、生成される廃棄物の重量を低減することである。
【0004】
廃棄物を乾燥させるための方法を含む、いくつかの方法が可能である。
【0005】
文献国際公開第2009/139514号パンフレットは、生ごみを乾燥させるためのシステムを教示している。生ごみは、オイルバスによって80℃まで加熱され、かつ廃棄物を攪拌するためおよび高温空気を供給するための装置を備える、第1の容器に貯蔵される。生ごみを容器内で加熱することによって生じる蒸気は、高温空気と混合する。これらのガス状流出物は、管によって排出される。次いで、これらは、間接接触凝縮器に達するようにフィルタに入る。凝縮器は、複数の冷却管および複数のファンを備える。次いで、流出物は、追加の容器内に得られる凝縮液を貯蔵するために凝縮器に凝縮される。非凝縮性流出物は、脱臭されるようにポンプによって圧送され、次いで、外気と混合され、第1の容器に再び導入されるように加熱される。この文献で説明されたシステムは、フィルタ、脱臭剤、触媒、等などの多くの装置を用いる。これらの装置は、かなりの保守のために多くの維持費を必要とする。加えて、システムは、全体として、処理される廃棄物の量に比べて大量のエネルギーを消費する。
【0006】
文献国際公開第2005/099920号パンフレットは、生ごみを処理するためのシステムを教示している。また、この装置は、フィルタ、凝縮器、熱交換器、ラジエータ、触媒、脱臭剤、オゾン発生器、等などの複数の装置を備える。そのうえ、システムの動作温度が、システムの一定の部分で800℃まで上昇する場合がある。高温ならびに使用される多くの装置の動作により、かなりのエネルギーの消費およびかなりの保守が必要とされる。
【0007】
また、文献欧州特許第1821054号明細書は、生ごみを処理するためのシステムを教示している。生ごみは、攪拌手段を備える容器に貯蔵される。ガス状流出物は、空気循環ファンの中に吸い込まれる。廃棄物の一部は、加熱手段を通過した後に容器に再導入される。流出物の他の部分は、脱臭剤によって脱臭された後に排気ファンによって、および流出物を350℃の温度まで加熱する加熱手段によって吸い込まれる。前述の文献と同じように、この文献のシステムは、たとえ装置の数が少なくてもかなりのエネルギーの消費を必要とする。加えて、容器の中への流出物の再循環により、システムが効果的でなくなる。
【0008】
文献特開2008−284483号公報は、廃棄物を乾燥させるための装置を教示している。この装置は、廃棄物を処理するための容器、加熱装置、真空ポンプを備える。容器に生成されるガスを冷却するための装置と水および脂肪などのガス化成分を排出するサイクロン分離装置とが、容器と真空ポンプとの間に配置される。この装置は、かなりの保守を必要とするサイクロン分離装置および冷却装置などのいくつかのシステムを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2009/139514号
【特許文献2】国際公開第2005/099920号
【特許文献3】欧州特許第1821054号明細書
【特許文献4】特開2008−284483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、先に述べた問題点のうちの1つまたは複数を補償する、簡単で経済的なかつ信頼性のある廃棄物処理システムを得ることをその目的として有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明は、
容器内に生ごみのための少なくとも攪拌装置を備える生ごみ用の貯蔵および加熱装置
を少なくとも含む生ごみを脱水することを目的とする処理システムに関し、
本システムは、
凝縮器の上部に非凝縮性ガス用の抽出開口および凝縮器の下部に凝縮液用の抽出開口を備えるエンクロージャを有する直接接触型熱伝達を用いた凝縮器と、
ガス状流出物に含まれる蒸気が凝縮される、直接接触型熱交換凝縮器に向かって生ごみによって貯蔵および加熱装置に生成される蒸気を含むガス状流出物の通過を可能にするように貯蔵装置と凝縮器との間の直接連通を可能にする第1の管と
をさらに備え、
容器の内部、凝縮器のエンクロージャの内部、および第1の管の内部が、低真空下に維持されることを特徴とする。
【0012】
もう1つの特徴によれば、直接接触型熱交換凝縮器は、地面に垂直な長手方向軸線を有するエンクロージャを備えるジェット凝縮器であり、エンクロージャは、エンクロージャの上部に、冷却液が上部から下部の方へエンクロージャ内にシャワーのように落下できるようになっている流入冷却液用の少なくとも1つの開口を備えるシャワー装置を備え、冷却液によって凝縮された蒸気を付加した冷却液でできている凝縮液が、凝縮液抽出開口によって抽出され、第1の管は、エンクロージャの下部に入る。
【0013】
もう1つの特徴によれば、凝縮器の非凝縮性ガス抽出開口は、非凝縮性抽出ポンプに接続され、凝縮液抽出開口は、凝縮液抽出ポンプに接続される。
【0014】
もう1つの特徴によれば、シャワー装置は、第2の管を通して凝縮器エンクロージャの下部と連通しており、凝縮液の一部は、第2の管によってシャワー装置に導かれるように凝縮液再循環ポンプによってエンクロージャの下部から抽出される。
【0015】
もう1つの特徴によれば、廃棄物貯蔵および加熱の装置は、
生ごみを含むことを目的としている容器であり、その形状が、部分的に円筒形セクタである容器と、
容器の壁に対して配置され、容器に含まれる生ごみを加熱することを目的としている加熱装置と
をさらに備える。
【0016】
もう1つの特徴によれば、攪拌装置は、
モータによって駆動され、容器の円筒形セクタ部の長手方向軸線に平行な回転シャフトと、
その一方の端部が回転シャフトに取り付けられる複数のステムと、
ステムおよびブレードでできているアセンブリが、回転シャフトから容器の円筒形セクタ壁の近傍まで延在するように、ステムの他方の端部に固定される複数のブレードと
を少なくとも備える。
【0017】
もう1つの特徴によれば、容器の長手方向軸線は、地面に対して傾斜され、各ブレードは、回転シャフトとブレードが固定されるステムとを含む平面に対して角度δを形成する平面に含まれ、角度δの向きは、処理システムで処理されるよう意図されている生ごみが生ごみの処理中に地面から最も遠い回転シャフトの端部の方向に持ち上げられるように選択される。
【0018】
もう1つの特徴によれば、加熱装置は、容器の外表面に当てがわれる加熱板を備え、加熱板は、調整器によって温度が制御される。
【0019】
もう1つの特徴によれば、加熱装置は、その1つの特定の凝縮器が容器に取り付けられ、かつ、その特定の蒸発器が、熱を容器の方へ回復させるように、凝縮器エンクロージャの、および/または第2の管の熱を回収するように凝縮器のエンクロージャに、および/または第2の管に取り付けられる、ヒートポンプをさらに備える。
【0020】
もう1つの特徴によれば、加熱装置は、その特定の凝縮器が容器に取り付けられ、かつその特定の蒸発器が凝縮器のエンクロージャの内部にある、ヒートポンプをさらに備える。
【0021】
もう1つの特徴によれば、凝縮器のエンクロージャに最も近い第1の管の一部は、エンクロージャの長手方向軸線に対して鋭角αを形成する。
【0022】
もう1つの特徴によれば、一次真空は、凝縮器から非凝縮性ガスを抽出するためのポンプによって、および/または凝縮液抽出ポンプによって維持される。
【0023】
もう1つの特徴によれば、処理システムは、容器の内部に取り付けられる水分センサをさらに備え、センサは、制御手段に接続され、制御手段が、回転シャフト、抽出および/または循環ポンプ(複数のポンプ)、加熱装置、ならびにヒートポンプを駆動するモータに接続され、センサが容器の最小水分レベルよりも小さい生ごみの水分のレベルを検出すると、制御手段は、回転シャフトのモータ、加熱装置、抽出および/または循環ポンプ(複数のポンプ)、ならびにヒートポンプを停止させる。
【0024】
もう1つの特徴によれば、処理システムは、容器に、および/または凝縮器のエンクロージャに少なくとも1つの圧力センサを備え、センサ(複数のセンサ)は、制御手段に接続され、制御手段は、少なくとも1つの抽出ポンプに接続され、制御手段は、処理システムの一次真空を維持するように、かつ/または凝縮液を排出するように抽出ポンプ(複数のポンプ)の動作を制御する。
【0025】
もう1つの特徴によれば、容器は、地面に最も近い部分に排出開口を有する。
【0026】
もう1つの特徴によれば、カッターが、回転シャフトに取り付けられる。
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して行われる説明を読むとその特徴および利点についてより明確に示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】1つの実施形態によるシステムの概略図である。
図2】斜視図によるカバーなしの貯蔵および加熱装置の破断図である。
図3】カバーなしの貯蔵および加熱装置の上面図である。
図4】回転シャフトの軸線に沿った貯蔵および加熱装置の横断面を示す図である。
図5】もう1つの実施形態によるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
説明は、以下では上述の図を参照することになる。
【0030】
本発明は、生ごみ(4)を処理することを目的としているシステム(0)に関する。
【0031】
生ごみ(4)は、たとえば、大きなショッピングセンターからのまたはレストランからの、食品産業によって、食品貿易によって受け入れられない廃棄物であってもよいが、これらに限定されない。
【0032】
生ごみ(4)は、有機廃棄物、および、たとえばプラスチック、ガラス、金属、等で作られ得る食品包装から生じる無機廃棄物を含むことができる。
【0033】
システム(0)は、生ごみ(4)用の貯蔵および加熱装置(200)を備える。
【0034】
貯蔵および加熱装置(200)は、処理されるべき生ごみ(4)が含まれる容器(2)を備える。攪拌装置により、容器(2)に含まれる廃棄物を攪拌することができる。
【0035】
容器(2)は、一部が円筒形セクタである形状を有する。容器(2)は、ステンレス鋼、または黒色鋼、または廃棄物およびその加熱に適合する任意の他の材料で作られ得る。
【0036】
攪拌装置は、モータ(18)によって駆動される回転シャフト(17)を備える。回転シャフト(17)は、その1つのセクタが容器(2)を形成する完全な円筒体の長手方向軸線(32)に平行である。回転シャフト(17)の軸線(31)および完全な円筒体の長手方向軸線(32)は同じであることが好ましい。回転シャフト(17)を駆動するモータ(18)は、容器(2)の外側に配置される。容器(2)の両側に延在する回転シャフト(17)は、モータ(18)に接続されるべき容器(2)の壁を通り抜ける。シール手段は回転シャフト(17)が容器(2)壁を通り抜ける場所(21)で使用され、したがっていったん生ごみ(4)に含まれる特に液状物が内部にあれば、かつ一次真空を維持するように、生ごみ(4)は容器(2)を離れない。
【0037】
攪拌装置は、複数のステム(20)および複数のブレード(19)をさらに備える。各ステム(20)の一方の端部は、回転シャフト(17)に取り付けられる。ブレード(19)は、ステム(20)の他方の端部に取り付けられる。ステム(20)およびブレード(19)でできているアセンブリは、回転シャフト(17)から円筒形セクタの形をした容器(2)の壁の近傍まで延在する。ステム(20)およびブレード(19)から成るアセンブリによって形成される長さは、ブレード(19)が円筒形セクタのような形をしている容器(2)の一部の内壁を擦らないように、その1つのセクタが容器(2)を構成する完全な円筒体の半径よりも実質的に小さい。
【0038】
回転シャフト(17)は、低回転速度で回転する。攪拌装置の回転シャフト(17)の回転速度は、たとえば、毎分7.5回転に等しい。
【0039】
貯蔵および加熱装置(200)は、蒸気から成る廃棄物から水の抽出を可能にするように容器(2)内の生ごみ(4)を加熱することを目的としている加熱装置(11)をさらに備える。廃棄物用の加熱装置(11)は、50℃と100℃との間に調整され得る。廃棄物の好ましい温度は、80℃に等しい。この場合は、加熱装置(11)は、容器(2)の壁の熱勾配を考慮に入れて100℃に調整され得ることが好ましい。
【0040】
加熱装置(11)は、容器(2)の底部に配置され得る。加熱装置(11)は、加熱板(11a)、またはヒートポンプ(6)から抽出される熱回復器(11b)、または加熱板(11a)および熱回復器(11b)の組合せでさえ備えることができる。
【0041】
加熱装置(11)の加熱板(11a)は、熱(25a)を容器(2)に供給する。これらは、好ましくは円筒形セクタの下部で、容器(2)の外表面に当てがわれる可撓性加熱板であってもよい。これらの加熱板は、それらの構造中に、珪素、またはエラストマーなどの、同様の特性を有する任意の他のポリマーで作られ得る可撓性の熱伝導性および電気絶縁材料に埋設の発熱抵抗体を形成する少なくとも1つの電気素子を有する。この発熱電気抵抗体は、加熱されるべき容器の容積に応じて100Wと10000Wとの間に含まれる電力をこれが供給できるように、少なくとも1つの電気供給手段によって供給される。1つの実施形態によれば、使用される加熱板は、温度調整され、かつ/または電源オンおよびオフが与えられる。
【0042】
加熱装置(11)の熱回復器(11b)は、ヒートポンプ(6)に接続される特定の凝縮器であってもよい。ヒートポンプ(6)は、一方では容器(2)に接続され、他方では、エンクロージャ(35)から、および/または第2の管(5)から熱を回収する(23、24)ために凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に、および/または第2の管(5)に接続される特定の蒸発器などの少なくとも1つの熱回収器(7、8)に接続され、この場合、ヒートポンプの特定の凝縮器(11b)を通して容器(2)に対してより高い温度で熱(25b)を回復させる。このヒートポンプ(6)は、たとえば、超臨界二酸化炭素型のものであってもよい。このサイクルを選択することにより、たとえば、15℃という好ましい特定の蒸発器(7、8)温度、およびたとえば容器(2)の壁と接触して100℃という好ましい特定の凝縮器(11b)温度に適合することができる。ヒートポンプ(6)の特定の凝縮器は、前述の可撓性加熱板の代わりに、またはこれに隣接して、その下部において容器(2)に取り付けられる。
【0043】
図5に示されるもう1つの実施形態においては、熱回収器(78)は、エンクロージャ(35)の内部の熱を回収するように凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の内部にあり、この場合、ヒートポンプの特定の凝縮器(11b)を通して容器(2)に対してより高い温度で熱(25b)を回復させる。この構成により、熱回収度を改善し、それによってシステムの効率を改善することができる。特定の蒸発器などの熱回収器(78)は、蛇行状パイプの形状であり得る。
【0044】
図1に示される貯蔵および加熱装置(200)の好ましい実施形態によれば、円筒形セクタから成る容器(2)の一部(2a)は、その長手方向軸線(32)が地面(30)に対して好ましくは0°と30°との間の間隔に含まれる、より好ましくは15°に等しい角度βだけ傾斜される半円筒形である。この実施形態にいては、容器(2)はまた、その基部が直角台形であるストレートプリズムの形状を有する半円筒形部分(2a)の上端に部分(2b)を含むことができる。矩形の対向する平行でない直線によって作られる角度は、βに等しい。半円筒形部分(2a)およびストレートプリズムを形成する部分(2b)を含むアセンブリが容器(2)を形成する。容器(2)は、半円筒形部分に対向するストレートプリズムの形状を有する部分(2b)の上面でカバー(300)によって閉じられる。カバーは、たとえば、生ごみ(4)を容器(2)の中に詰め込むために開かれ得る。カバーは、たとえばシステム(0)の動作中に閉じられ得る。
【0045】
この実施形態においては、各ブレード(19)は、回転シャフト(17)とブレード(19)が取り付けられるステム(20)とを含む平面(39)に対して角度δを形成する平面(38)に含まれる。角度δは、たとえば好ましくは0°と60°との間に含まれ、より好ましくは30°に等しい。角度δは、通常、角度βに等しくてもよい。角度δの向きは、システム(0)で処理されるよう意図されている生ごみ(4)が生ごみ(4)の処理のためのシステム(0)の動作を通じて生ごみ(4)の処理中に地面(30)から最も遠い回転シャフト(17)の端部(21)の方向に持ち上げられるように選択される。これにより、生ごみ(4)が重力により地面(30)に最も近い容器(2)の部分に蓄積されたままでいるのが可能であることを回避することができる。この重力は、攪拌装置の動作を効果的でなくするであろう。
【0046】
この実施形態においては、回転シャフト(17)を駆動するモータ(18)は、地面から最も遠い回転シャフト(17)の端部に配置される。
【0047】
この実施形態の半円筒形部分(2a)の長手方向軸線(31)の傾斜は、回転シャフト(17)が容器(2)壁を通り抜ける点(21)で使用されるシール手段に生ごみ(4)が達するのを防ぐ。実際、生ごみ(4)は、生ごみ(4)の処理中に生じる化学的反応または物理的作用によってシール手段を損傷する場合がある。
【0048】
貯蔵および加熱装置(200)の実施形態すべての場合に、容器(2)は、円筒形セクタの地面に最も近い部分に排出開口(400)を有することができる。この排出開口(400)は、通常、廃棄物の乾燥中に閉じられ、乾燥廃棄物を排出する場合に開いている。
【0049】
この実施形態においては、攪拌装置の回転シャフト(17)は、回転シャフト(17)とブレード(19)が取り付けられるステム(20)とを含む平面(39)に対してブレード(19)によって形成される角度δにより、生ごみ(4)が持ち上げられるようになっている回転の方向に回転する。回転シャフト(17)の反対の回転方向においては、処理後の乾燥された生ごみ(4)の残物は、残物を排出開口の方へ押し進める攪拌装置のブレード(19)によって排出開口(400)を通して容易に排出され得る。
【0050】
また、回転シャフト(17)は、回転シャフト(17)に取り付けられるカッターを備えることができる。これらのカッターにより、回転シャフト(17)の周りに巻き付くことができる生ごみ(4)に含まれる要素を切り刻むことができる。このことで、回転シャフト(17)の回転を妨害しまたは減速することによって攪拌装置の動作を損なう。回転シャフト(17)の周りに巻き付くことができる生ごみ(4)に含まれる要素は、たとえば、プラスチックパッケージング、プラスチックフィルム、またはプラスチックバッグなどのプラスチック要素であり得る。
【0051】
生ごみ(4)を処理するよう意図されているシステム(0)は、直接接触型熱交換蒸気凝縮器(34)をさらに含む。直接接触による熱交換は、それらの熱を交換している2つの流体の間にいかなる材料分離も存在しない交換である。
【0052】
直接接触型熱交換凝縮器(34)は、冷却液、たとえば冷却水が次にこの流体との接触により凝縮される、生ごみ(4)によって生成されるガス状流出物(22)に含まれる蒸気との直接接触に入る、ジェット凝縮器であってもよい。冷却液の温度は、0℃よりも大きく、30℃よりも小さい。これは、たとえば、15℃であることが好ましい。
【0053】
このジェット凝縮器は、地面(30)に実質的に垂直な長手方向軸線(28)を有するエンクロージャ(35)を備える。エンクロージャ(35)の長手方向軸線(28)は、垂直線に対して5°よりも小さい角度を有することができる。ジェット凝縮器の構成要素は、ステンレス鋼または黒色鋼の、あるいは凝縮器の温度および圧力に適合する任意の他の材料、たとえば高温PVCで作られ得る。
【0054】
エンクロージャ(35)の上部においては、少なくとも1つの冷却液(16)入口開口を備えるシャワー装置(33)により、冷却液(16)が上部から下部に向かってエンクロージャ(35)の中へシャワー(13)のように落下できるようになっている。
【0055】
エンクロージャ(35)は、下部に、冷却液(16)、および冷却液(16)によって凝縮されたガス状流出物(22)からの蒸気から成る凝縮液(600)を抽出するための開口(36)をさらに備える。
【0056】
シャワー装置(33)は、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の下部と連通することができる。凝縮液の一部は、シャワー装置(33)に導かれるように凝縮液再循環ポンプ(100)によってエンクロージャ(35)の下部から抽出される。
【0057】
エンクロージャ(35)は、上部に、非凝縮性抽出ポンプ(9)によって抽出されるガス状流出物(22)に含まれる非凝縮性ガス(700)用の抽出開口(37)をさらに備える。
【0058】
非凝縮性ガスを抽出するための開口(37)は、非凝縮性ガスを脱臭する活性炭フィルタ(500)、または活性炭フィルタと連結されるスプラッシュシステムをさらに備えることができる。また、触媒コンバータが、脱臭のために使用され得る。
【0059】
生ごみ(4)を処理するよう意図されているシステム(0)は、直接接触型熱交換凝縮器(34)に向かって容器(2)内で生ごみ(4)の加熱によって生成される、蒸気、および非凝縮性ガスから成るガス状流出物(22)の通過を可能にするように、貯蔵装置(200)、より詳細には容器(2)と凝縮器(34)との間の直接連通を可能にする第1の管(3)をさらに備える。第1の管(3)は、ステンレス鋼または黒色鋼、あるいは温度および圧力のレベルに適合する任意の他の材料、たとえば高温PVCで作られ得る。
【0060】
この第1の管(3)は、ガス導入開口(14)を通してエンクロージャ(35)の下部に通じている。エンクロージャ(35)に最も近い第1の管(3)の第1の部分(3a)は、長手方向軸線(29)を有し、この長手方向軸線(29)は、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)と第1の管(3)との間にたとえばエルボを形成することによって、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の長手方向軸線(28)に対して鋭角αを形成する。鋭角αは、たとえば、30°と60°との間に含まれる角度間隔に含まれ得る。凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に取り付けられる端部と反対の第1の管(3)の第1の部分(3a)の端部は、ガス状流出物(22)を導入するための開口(14)の高さよりも大きな高さに達するまで、地面(30)から離れて延在する。次いで、この端部は、第1の管(3)を廃棄物貯蔵および加熱装置(200)の容器(2)に接続する第2の管の第2の部分(3b)を接合する。
【0061】
凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の内部、容器(2)の内部、および第1の管(3)は、気密であり、たとえば1バールと0.001バールとの間、好ましくは0.7バールの一次真空に維持される。システム(0)の一次真空は、とりわけ、システム(0)の内部で悪臭を閉じ込めることを可能にする。また、この気密性により、システム(0)の要素の望ましくない酸化を回避するように外気の流入を防止することができる。結局、一次真空によりまた、廃棄物に含まれる水の蒸発温度を100℃より低くまで低減することができ、それにより、加熱エネルギーが節約される。
【0062】
エンクロージャ(35)の底部で収集される凝縮水は、少なくとも1つの凝縮液抽出ポンプ(10)によって抽出される。
【0063】
1つの異なる実施形態においては、この凝縮液抽出ポンプ(10)は、たとえば、非凝縮性抽出ポンプ(9)と同じシャフトに連結される。
【0064】
もう1つの異なる実施形態においては、ポンプ(9)および(10)は同一である。この他の異なる実施形態においては、非凝縮性抽出ポンプ(9)は、液体リングポンプである。したがって、凝縮器のエンクロージャ(35)の底部で抽出され、収集される凝縮液は、非凝縮性抽出ポンプ(9)の液体リングによって使用される。
【0065】
もう1つの実施形態においては、凝縮液および冷却液再循環ポンプ(100)は、非凝縮性抽出ポンプ(9)および/または凝縮液抽出ポンプ(10)と連結され得る。
【0066】
システム(0)は、容器(2)の内部に取り付けられる水分センサ(230)をさらに備える。このセンサ(230)は、回転シャフト(17)を駆動するモータ(18)に少なくとも接続される制御手段に接続され得る。また、制御手段は、抽出および/または再循環ポンプ(複数のポンプ)(9、10、100)に、加熱装置(11a)に、および/またはヒートポンプ(6)に少なくとも接続され得る。制御手段は、センサ(230)が、たとえば10%と20%との間の水分を含む、容器(2)の生ごみ(4)の最小水分レベル値よりも小さい水分のレベルを検出すると、回転シャフト(17)のモータ(18)およびシステム(0)全体を停止させる。システム(0)全体の停止によって意味されるものは、回転シャフト(17)、非凝縮性抽出ポンプ(9)、凝縮液抽出ポンプ(10)、再循環ポンプ(100)、加熱装置(11)、およびヒートポンプ(6)を含む構成要素のすべてである。
【0067】
システム(0)は、容器(2)に、かつ/または凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に少なくとも1つのセンサ(231)を備えることができる。センサ(複数のセンサ)(231)は、制御手段に接続され得る。制御手段は、少なくとも非凝縮性抽出ポンプ(9)に接続され得る。したがって、制御手段は、システム(0)の一次真空を維持するように非凝縮性抽出ポンプ(9)の動作を制御する。
【0068】
一次真空は、少なくとも非凝縮性抽出ポンプ(9)によって維持され得る。また、凝縮液抽出ポンプ(10)は、一次真空の維持に関与する。
【0069】
本発明によるシステム(0)により、脱水によって生ごみ(4)を処理することができる。
【0070】
システム(0)のユーザは、容器(2)の中に生ごみ(4)を詰め込むように容器(2)のカバー(300)を開き、次いでカバーを閉じる。
【0071】
一次真空は、カバーが抽出ポンプ(9)および(10)を始動させることによって閉じられた後にシステム(0)に発生される。再循環ポンプ(100)は、冷却液をシャワー装置(33)の方へ引き寄せるように始動される。
【0072】
貯蔵および加熱装置の攪拌装置ならびに加熱装置が作動される。
【0073】
たとえば始動中に凝縮器のエンクロージャ(35)に多分存在する空気の非凝縮性ガスは、非凝縮性抽出ポンプ(9)によって排出される。この場合、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の温度および圧力は、容器(2)の外側の温度および圧力よりも小さい。これは、容器(2)内の廃棄物を加熱することによって生成される、特に蒸気を含むガス状流出物(22)が第1の管(3)を通過することによって凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の内部に向かって引き寄せられるようになっている真空を発生する。
【0074】
冷却液(16)は、シャワー(13)のように落下するが、直接接触によって生ごみ(4)により生成されるガス状流出物(22)に含まれる蒸気を凝縮し、次いで、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の下部に落下する。非凝縮性ガスの可能な一部分が、非凝縮性ガス抽出開口(37)を通して排出される。冷却液(16)、たとえば水と混合される凝縮液は、凝縮液抽出開口(36)を通して排出される。凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の下部に含まれる、冷却液(16)と混合される凝縮液の一部は、凝縮液再循環ポンプ(100)によってシャワー装置(33)において循環に戻される。
【0075】
凝縮液抽出ポンプ(10)の速度が、凝縮されている蒸気および冷却液(16)を含む液体すべての除去を可能にするのに十分でないということが起こり得る。この場合、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の下部に含まれる液体すべてのレベルは、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の範囲内で、なおまた凝縮器(34)のエンクロージャ(35)の長手方向軸線(28)に対して角度αを形成する第1の管(3)内で上昇する。この角度αは、液体すべてが容器(2)に向かって上昇するのを防止する。そのうえ、液体のレベルが凝縮器(34)のエンクロージャ(35)内で上昇すると、これは、凝縮器(34)に向かってガス状流出物(22)導入開口(14)の断面を減少させるという効果を有する。したがって、生ごみ(4)によって生成されるガス状流出物(22)の吸い込み率が低減される。これは、吸い込みがエンクロージャ(35)内の液体のレベルの減少、およびしたがって吸い込み開口(14)の断面の増加を通して再び増加し得るように液体すべてが十分に排出されるまで、システム(0)の動作を減速するという効果を有する。したがって、第1の管(3)のこの幾何学的配置により、たとえば電子装置による制御手段を必要とすることなく、構造によって容器(2)から凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に向かって吸い込まれるガス状流出物(22)の流れを自動的に制御することができる。
【0076】
システム(0)の動作中に、ヒートポンプ(6)は、特定の凝縮器(11b)により容器(2)に対してより高い温度で熱(25b)を回復させることができ、低温の熱(23、24)は、凝縮器(34)のエンクロージャ(35)に、かつ/または第2の管(5)に取り付けられる特定の熱回収蒸発器(7、8)によって回収される。したがって、システムのエネルギー消費は、たとえばヒートポンプ(6)の成績係数に比例して低減され得る。
【0077】
電子制御素子は、ポンプ(9、10、100)、ヒートポンプ(6)、攪拌装置のモータ(18)、発熱抵抗体(11a)などのシステム(0)の能動、機械、または電気素子を制御するように使用され得る。この制御は、水分センサ(230)および/または圧力センサ(231)、ならびにたとえば温度のための他のセンサによって回収されるデータに応じて決定され得る。
【0078】
本発明によるシステム(0)は、構成要素および部品が少ししかない有効なシステム(0)である。また、システム(0)により、故障のかなりの原因である電子制御手段によって制御される構成要素の数を減少することができる。これらの構成要素は、システム(0)の構造の形態によって、および故障を起こさない物理的現象の使用によって置き換えられる。そのうえ、システム(0)により、たとえば加熱のための、大量のエネルギーを節約することができる。
【0079】
本発明はクレームに記載した本発明の適用の範囲を逸脱することなく多くの他の特定の形態の実施形態を可能にすることが当業者に明らかなはずである。したがって、本実施形態は、例示として考慮されなければならないが、添付の特許請求の範囲によって定義される分野の範囲内で変更されることができ、本発明は、上に挙げた詳細に限定されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5