(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜
図10を参照すると、揮発性材料放出システム100は、ディスペンサ102を含み、これは概ねベース104及び交換可能なカバー106を含む。カバー106は、チャンバ108を定義するためにベース104に取り付ける。詰替用カートリッジ110は、チャンバ108内で保持され(
図6〜
図7Aを参照)、揮発性材料を有する容器112を含む。ディスペンサ102はまたカバー106の下に設置された調節プレート114を含み、調節プレート114はカバー106に対して相対的に移動可能になっている。
【0010】
図3及び
図4を参照すると、ベース104は、概ね上部本体部120及び下部本体部122を含む。下部本体部122は、上部本体部120から垂れ下がって凹部124を定義する。上部本体部122は、下部本体部122の上部周囲に延びている棚126を含む。したがって、ベース104は段差をつけたプロファイルを含み、これは、ディスペンサ102が従来技術のディスペンサより低い視覚的重みを有するような錯視を作り出す。具体的には、軸線Yに対する側面又は軸線Y周りの角度から見た時の視覚的重みが大幅に減少する。例えば
図1に示したように、ディスペンサ102を上方から側面までの角度で見たときにベース104は見えない。ディスペンサ102の軽い外観は、従来の嵩高いディスペンサよりもユーザにより審美的な満足感を与える。
【0011】
詰替用カートリッジ110は、米国特許第7、441、360号に記載のものと類似である。
図5〜
図7Aに示すように、カートリッジ110は容器112を囲むフランジ136を含む。透過膜138は容器112を覆うようにフランジ136に取り付けられ、カートリッジ110を横切って広がる。上述したように、容器112には揮発性材料が満たされ、揮発性材料は香料、芳香剤、臭気除去剤、又は、昆虫忌避剤などの周囲の大気中に拡散するための活性成分を含むことができる。ここで記載する本実施形態では、透過膜138を介して分散される任意のタイプの揮発性材料を使用することができる。非透過性ラミネート140は、透過膜上のカートリッジ110に取り外しできるように接着され、使用する前に揮発性材料が放出されるのを防止する。本実施形態のカートリッジは単一の容器112を有しているが、同一又は異なる揮発性材料が満たされた2つ以上の容器を有するカートリッジを使用してもよい。
【0012】
使用時、
図6〜
図7Aで最もよく説明されるように、カートリッジ110は、容器112がベース104の下部本体部122内の凹部124内に揃うように、ベース104内に挿入される。フランジ136は、凹部124の周辺の棚126に配置された複数のリブ142上に置かれる。リブ142は、ディスペンサ102内でカートリッジ110が適切なアライメントを保つのに役立ち、詰替用カートリッジ110の一部は、調節プレート114の最も先端の部分から一定の距離Hが保たれる。本実施形態では、距離Hは透過膜138によって定義される平面に垂直な線であり、調節プレートの最も先端の部分の内面、すなわち、カートリッジ110から最も遠い調節プレートの部分と透過膜138によって定義される平面との間で測定される。いくつかの実施形態において距離Hは、カートリッジ又は容器の全体において一定であってもよく、別の実施形態では、例えば
図1〜
図10に示したいずれか1つのように、距離Hは、例えば
図7及び
図7Aに示したドーム状の調節プレートの頂点といった個別の地点で測定される。好ましくは、距離Hは略0.25mmから略10mmの間であり、さらに好ましくは0.5mmから略3mmの間である。
【0013】
図7を参照すると、12グラムの詰替用カートリッジ110が説明されているが、容器112は凹部124の底面144上に配置され、詰替用カートリッジ110の透過膜138は、調節プレート114の内面の最も先端の部分から距離H保たれる。しかし、もし
図6Aに示す8グラムの詰替え用カートリッジのようなさらに小さい詰替用カートリッジ110が使用される場合、カートリッジ110の容器112は、凹部124の底面144上に配置するためにはサイズが小さすぎ、リブ142が無ければカートリッジ110とカバー106との間で同一の距離Hを保つことができない。このように、リブ142は、異なるサイズの詰替用カートリッジ110を同じディスペンサ102内において使用することを可能にする。リブ142はまたフランジ136を棚126の上に持ち上げることで棚126とフランジ136との間に間隔146を作りだし、フランジ136をつかみながらベース104内からカートリッジ110を取り除くための方法をユーザに提供する。
【0014】
好ましい実施形態において、フランジ136はリブ142と、カバー106と調節プレート114のいずれか一方あるいは両方の内面との間に取り込まれ、ディスペンサ102内でカートリッジ110を安全に保持する。別の好ましい実施形態において、フランジ136は、リブ142とカバー106及び/又は調節プレート114との間で緩く保持され、カートリッジ110がディスペンサ102内で動くようにしてもよい。しかし上述したように、フランジ136がリブ142上に配置されるときには、いずれの実施形態においても距離Hが測定される。
【0015】
本実施形態では、カートリッジ110の容器112は、ベース104の凹部124と類似の形状を有するが、詰替用カートリッジ110を挿入するための適切な方法に関する明確な指示をユーザに提供することによって、ディスペンサ102内における改善された詰替用カートリッジの向きを提供する。さらに、類似する形状のカートリッジ110及び凹部124を有することで、ディスペンサ102が組立てられる、あるいは使われる際に、詰替用カートリッジ110が実質的に動くのを防止する。しかしながら、凹部124と異なる形状の容器112を有する詰替用カートリッジ110を、代替的な実施形態において使用してもよい。
【0016】
図8〜
図9Aを参照すると、ベース104は、ベース104の底面144上に配置されたドーム状の部分148を任意に含むように示されている。ドーム状の部分148は、ディスペンサ102内で詰替用カートリッジ110の適切な配置をサポートしてサイズが異なる詰替用カートリッジ110にも対応できるように役立つ。使用時には、ドーム状の部分148は、カートリッジ110が凹部124内であまりにも低くに配置されないように容器112の底部に接する。これによりドーム状の部分148は、詰替用カートリッジ110のサイズに関係なく(
図9及び
図9Aを参照)、カバー106から好ましい距離Hにカートリッジ110を固定するようにサポートする。ドーム状の部分148はまた、容器112が内側に偏るように、カートリッジ110の容器112に対して力Fを提供する。容器112の偏りによって、透過膜136に向かって詰替用カートリッジ110内の揮発性材料が輸送され、カートリッジ102から揮発性材料が拡散することが促進される。さらに、容器112に対するドーム状の部分148からの力Fはまた、カートリッジ110の中心に揮発性材料が溜まるのを防止し、容器112の周縁部に揮発性材料を分散させることを促進する。
【0017】
代替的な実施形態においては、容器112を内側に偏らせるのではなく、容器112は、ベース104のドーム状の部分148と一致する位置に対応するドーム状凹部148’を(
図10の代替的なドーム状凹部148’を参照)含んでもよい。対応するドーム状の部分148、148’は、詰替用カートリッジ110の挿入時における適切な向きの指示をユーザに提供する。さらに、ディスペンサ102への不適切な詰替用カートリッジ110の挿入によってはディスペンサ102が損傷したり、又はディスペンサが正しく動作しなくなる可能性があるが、対応するドーム状の部分148、148’はこれを防止するための施錠機構として機能することもできる。ドーム状の部分148、148’は、任意の相補的な形状で提供されてもよい。
【0018】
詰替用カートリッジ110がベース104に挿入され、非透過性ラミネート140が取り除かれた後に、カバー106がベース104上のカートリッジ110の上に設けられる。カバー106は、カバー106の両端部に沿って2つの翼160を含む。翼160は、内側に延びるフランジ162を含み、これはベース104の上部本体部120の下に取り付けられ、スナップフィット結合方式によってカバー106がベース104に着脱可能となる。あるいはフランジ162は、ベース104に摩擦接合によって取り付けてられてもよく、あるいはカバー106は、当業者に公知の任意の他の手段によってベースに固定されてもよい。
【0019】
ユーザは、フランジ162の下に延びる翼160の部分に十分な力を加えることによって、ベース104からカバー106を分離することができ、これにより、フランジ162はベース104の上部本体部120の下から外に離れることになる。その後カバー106はベース104から取り外されてもよい。ベース104からカバー106を分離した後に、ユーザは新しいカートリッジと消耗した詰替用カートリッジ110とを交換してもよい。またユーザは、カバー106を取り外して、美的感覚及び性能と関連してユーザの好みに応じて替わりのカバー106に交換してもよい。さらに、ベース104とカバー106との間の対称性により、ユーザは任意の向きでベース104にカバー106を取り付けることができる。
【0020】
図1、
図2、及び
図10を参照すると、カバー106は、ボア、ホール、又は開孔を含む第1部分164と、ボア、ホール、又は開孔のいずれも含まない第2部分166とを含む。特定の一実施形態において、第1部分164は任意の数の開孔168を、例えば1つ以上含んでもよい。開孔168は任意の幾何学的形状又はサイズを有していてもよい。好ましくは開孔168は、カバー106の上面170の総表面積Aの略2%から略50%の間、さらに好ましくは略5%から略25%の間の表面積を有する。
【0021】
本実施形態では、カバー106は、第1部分164内に概ね半月状に配列される複数の円形の開孔168を有する。本実施形態はまた、カバー106の第2部分166に刻まれた複数の装飾用の円172を含む。
図7〜
図7Aに示すように、カバー106はまた、下面から垂下した支柱174を含む。支柱174は調節プレート114を収容するように設計され、調節プレート114の回転軸Xを定義する。調節プレート114は、第1半面180に配置された概ね半月状の窓178を有する円形である。カバー106は、カバー106の第2部分166内の円弧状の開孔182をさらに含む。本実施形態では、カバー106及び調節プレート114は、両方とも僅かにドーム状であるが、カバー106及び調節プレート114は、放出システム100の内部及び/又は外部体積を最小化するために平坦にしてもよい。実際に、カバー106及び調節プレート114は、取り付けの際に調節プレート114がカバー106に隣接して配置される限り、様々な形状を有してもよい。
【0022】
調節プレート114がカバー106に取り付けられる時、調節プレート114の周辺部分184は、カバー106から円弧状の開孔182にわたって広がる。周辺部分184により、以下に説明するように、ユーザが揮発性材料の拡散を調節することができる。調節プレート114の周辺部分184はまた、複数の凹部186を含んでもよく、これはユーザが調節プレート114の位置決め及び調整ができるように役立つ。
【0023】
使用の際に調節プレート114は、調節プレート114の周辺部分184が円弧状の開孔182内でユーザによって動かされると、閉位置と開位置との間で回転軸Xの周りを回転する。調節プレート114は、窓178がカバー106の第2部分166と揃うときに閉位置となる。したがって開孔168の全ては、調節プレート114が閉位置にあるときに覆われて、カートリッジ110の揮発性材料が開孔168を通して周辺の大気中に放出されるのを防止する。開位置では、窓178は完全にカバー106の開孔168に揃う。したがって開位置では、カートリッジ110からの揮発性材料を開孔168を通して周辺の大気中に放出することができる。さらに調節プレート114は部分的な開位置に位置してもよく、これは開位置と閉位置との間の任意の位置である。調節プレート114が部分的な開位置にあるとき、窓178の一部がカバー106の開孔168に揃う。調節プレート114が部分的な開位置にあるとき、第1部分164が部分的に被覆されるので、揮発性材料の放出率は開位置と閉位置との間で見出される放出率の間である。開孔168と窓178が重なる部分を増大させることによって、ディスペンサ102からの揮発性材料の放出率は増加する。したがって、ユーザは、調節プレート114の回転によってディスペンサ102から放出される揮発性材料の量を制御することができる。
【0024】
ディスペンサ102はまた、取付クリップ190を含んでもよく、これによりディスペンサ102を自動車のサンバイザーへ取り付けることができる。取付クリップ190は湾曲したワイヤ、成形ワイヤ、成形プラスチックなどで作製してもよい。本実施形態では、取付クリップ190は、ベース104の底に配置された開孔192に挿入され、取り外し可能な湾曲したワイヤである。取付クリップ190をベース104から取り外すことでディスペンサ102を表面上に水平に置くことができる。特定の一実施形態において取付クリップ190は、従来のサンバイザークリップを含み、これは一般的に自動車のサンバイザーにガレージドアオープナーを固定するものと組合せて使用される(
図11を参照)。実際に、任意のタイプのクリップを本明細書に開示された任意の放出システムの実施形態と関連して用いてもよい。
【0025】
本放出システム100のベース104は、
図1〜
図10に示したカバー106と使用することに制限されることはない。むしろベース104は、
図12〜
図15Aに示すような様々な交換可能なカバーと使用されてもよい。
図12及び
図12Aは、放出システム100で使用される1つの代替的なカバー200を図示する。カバー200は1つの半月状の開孔202を含む。円形の調節プレート204は、カバー200に回転可能になるように取り付けられ、中心に位置する回転軸Xの周りを回転することができる。調節プレート204は、2つの円弧状の窓206及びカバー200をわたって広がる調整タブ208を含む。調整タブ208によってユーザはディスペンサ102の放出率を調節することができ、窓206と調節プレート204の残りの部内に視覚的な分断を提供する。ユーザは、調整タブ208及び調節プレート204を、窓206が完全に開孔202に揃う開位置と開孔202が調節プレート204によって完全に覆われる閉位置との間で、回転軸Xの周りを回転させるように動かすことによって、ディスペンサ102の放出率を制御することができる。
図12Aに示したように、調節プレート204はまた、回転軸Xの周りに配置された半円形のガイドスロット210を含む。ガイドスロット210は、カバー200から垂れ下がるタブ212を収容する。タブ212とガイドスロット210との組合せは、調節プレート204の回転のガイドに役立つ。さらに、タブ212とガイドスロット210はまた、ディスペンサ102が完全に開位置あるいは閉位置にあること、すなわち、タブ212が開位置および閉位置においてスロット210を定義する壁の先端部分に隣接したことをユーザに知らせるストッパーとしての役割をする。
【0026】
図13及び
図13Aに示した代替的な実施形態において、カバー220は調節プレート222を含む。調節プレート222は、カバー220のコーナー224に隣接して位置する回転軸Xを有する。カバー220は3つの曲線の開孔226を含む。調節プレート222は扇状であり、カバー220内の円弧状のガイドスロット230を貫通して延びる調整タブ228を含む。調節プレート222は、調整タブ228がガイドスロット230の第1端部232に位置する開位置と、調整タブ228がガイドスロット230の第2端部234に位置する閉位置との間で回転可能である。閉位置で開孔226は調節プレート222によって覆われる(
図13を参照)。
【0027】
カバー240の別の実施形態が、
図14及び
図14Aに図示される。カバー240は、カバー240に対して回転しない長方形の調節プレート242を含む。より正確にはプレート242は、矢印Bによって図示されるように、カバー240に対して実質的に直線にスライドする。カバー240は、カバー240の半分内に配置された複数の略長方形の開孔244を含む。ガイドスロット246はカバー240の底面248内に設けられ、調節プレート242が開位置と閉位置との間のスライドを可能にする。調節プレート242はまた、ユーザが開位置と閉位置との間で調節プレート242を容易に移動させることができるように、カバー220のガイドスロット252を通って延びる調整タブ250を含む。
【0028】
図15及び
図15Aは、カバー260及び調節プレート262の別の実施形態を図示する。カバーは円形の開孔266を含む複数の区域264を含む。円形の調節プレート262はカバー260に回転できるように取り付けられ、そこに配置された複数の窓268を含む。調節プレート262の窓268の数は、カバーの開孔の区域264の数に相当し、それぞれの窓268は開位置において開孔の区域264に揃う。ユーザは、調節プレート262を開位置から開孔266が調節プレート262によって覆われる閉位置まで回転させることができる。同時に複数の窓268を移動させることで、上記のように調節プレート内に1つの窓を有する場合と比較して、調節プレート262が移動する距離に対するディスペンサの開放速度率が増加する。したがって、ユーザは、さらに少ない労力によってディスペンサを開放及び/又は閉鎖させることができる。さらに、複数の窓268により、1つの大きい窓又はホールを含む調節プレートと比較して調節プレート262の強度が増加する。
【0029】
図16を参照すると、ベース104内に配置された第1磁気素子を含むことを除いて
図7と類似する別の実施形態が示されている。第1磁気素子270は、ベース104の内部、外部、又は一部に設けられてもよく、カートリッジ内又は上の第2磁気素子272と機能的に相互作用するように構成される。例えば、ディスペンサとカートリッジの間の磁気素子の機能的相互作用に関し、可能性のある様々な例示的実施形態及び説明が米国特許出願第12/896、583号に示されている。例えば、本実施形態において第1磁気素子270は、ベース104の底面144内に配置され、第2磁気素子272は、カートリッジ110の容器112内に配置される。
図16にそれぞれ示す第1磁気素子270及び第2磁気素子272は、本明細書に開示された実施形態のいずれとも関連して利用してもよい。
【0030】
揮発性材料ディスペンサ300の代替的な実施形態が、
図17〜
図24に示されている。放出システム300は、ここに記載される差異点を除いて放出システム100と類似している。さらに、以下の段落に記述される様々な実施形態は、放出システム100に対する様々な実施形態と互いに組合わせたり交換することができる。
【0031】
図17〜
図24を参照すると、代替的な放出システム300は、ベース304、および互いに交換できるカバー306を有するディスペンサ302を含む。カバー306はベース304に取り付けられ、チャンバ308を定義する。チャンバ308(
図24参照)は、上述したような、揮発性材料を備える容器112を有する詰替用カートリッジ110などの揮発性材料詰替用カートリッジを収容する(
図5参照)。ディスペンサ302はカバー306の下部に装着された調節プレート310をさらに含み、調節プレート310はカバー306に対して相対的に動くことができる。調節プレート310により、ユーザは、外部環境により多くの又はより少ない詰替用カートリッジを露出することで揮発性材料の拡散強度のレベルを選択することができる。さらに、調節プレート310は、揮発性材料のさらなる拡散を容易にする追加的なホールを提供し、ディスペンサ302が放出する揮発性材料の量に関する視覚的表示をユーザに提供する。
【0032】
図19及び
図20を参照すると、ディスペンサ302のベース304は、上部胴体部312及び下部胴体部314を通常含む。下部胴体部314は、上部胴体部312から垂れさがり、その中に凹部を定義する。上部胴体部312は、下部胴体部312の上部外周の周辺に延長した棚318を含む。したがって、ベース304は段差をつけたプロファイルを含み、これにより、従来のディスペンサよりさらに低い視覚的な重さをディスペンサ302が有するという錯視を生み出す。段差をつけたプロファイルはさらに、詰替用カートリッジ110を収容するように適合され、また、これは延在するフランジ136によってその上端部周辺が囲まれる容器112によって段差をつけたプロファイルを形成する(
図5参照)。操作時には、カートリッジ110の容器112は、ベース304の凹部316内に位置し、凹部316を囲む棚318の表面から上方に突出する複数の縦リブ320の上にフランジが位置する。
図19に示すように、全部で8つの縦リブ320は、棚318上でずれて配置され、それによってリブ320のうちの4つはベース304のコーナー周辺を覆い、他の4つのリブ320は4つの側壁322と平行するように整列する。一態様では、
図19で示す凹部316の端から様々な間隔で位置するリブ320のように、縦リブ320を様々な深さ及び棚318の領域でずらして配置することにより、ベース304は異なるフランジ136及び/又は異なるサイズを有する容器112を格納することができる。
【0033】
ベース304はその上に、上部胴体部312の2つの反対側の側面から外部方向に突出した一対のフラップ324のような、カバー306を固定するための手段をさらに提供する。フラップ324はカバー306上に取り付けられる、例えば一対の翼334(
図17及び
図18参照)のような嵌合部に圧入又は係合するように適合される。フラップ324は、カバー306を何度も着脱しても耐えらることができ、詰替用カートリッジを交換するための簡単な方法をディスペンサ302の寿命が尽きるまで提供できるよう、弾性及び柔軟性を有してもよい。
図19に再び戻ると、ベース304は、取付クリップ330の挿入のために下部胴体部314の上に一体型に形成されたスロット328をさらに含み、これは、自動車のサンバイザ上にディスペンサ302を装着するために活用してもよい。取付クリップ330は、ベース304(
図23参照)の下面に設けられる突出部332に噛合わせることによってスロット328内にスライドして収容される。本実施形態において取付クリップ330は、突出部332と噛合わせるためのフック用のボアを備える曲がった金属の平板である。スロット328から取付クリップ330が抜け落ちるのを防止することができ、一方でクリップ330を外して車のテーブルトップ又はダッシュボードなどの平らな面上にディスペンサ302を設置するというオプションをユーザに提供するために、様々なロック手段を用いることができる。別の態様では、磁性面にディスペンサ302を引き付ける磁石クリップのような、他のクリップ330を使用することもできる。
【0034】
図17、
図18及び
図21を参照すると、カバー306は、ベース304の方向に下方に延びて反対側の端上に配置される二組の翼334を備えた概ね湾曲した矩形の面である。2つの翼334は、2つのフラップ324(
図19及び
図20参照)のような、ベース304上に設けられ、対応する嵌合部上に掛けられる開孔を有する。翼334は弾性があり、フラップ324を越えてスナップするように湾曲している、あるいは一時的に変形させてもよい。ベース304からカバー306を外すには、ユーザは1つ又は両側のフラップ324を内側に押し、翼334を緩めてカバー306を除去する。
【0035】
図17、
図18及び
図21を再度参照すると、カバー306は、第1部分336及び第2部分338をさらに含んでいる。第1部分336は、カバー306の上面342を貫通して延びる複数の開孔340によって定義され、一方第2部分338は、複数の装飾用の円344や、その他上面342の厚み全体を横切らないブラインドホールなどを含む。本実施形態において、第1部分336及び第2部分338はカバー306の上面342上の交互パターンとして配置され、第2部分338はカバー306の中央部を超えて延びる。同時に、第1部分336及び第2部分338は、上面342上に拡散する概ね円形の領域として定義される。円形領域は、円周方向に配置された一連の開放ポート346と交互に配置される円周方向に配置された一連の閉じられたポート348と隣接している。開放ポート346は上面342を貫通して延びる開孔であり、閉じられたポート348は上面342上に設けられる装飾用の円の凹凸面であってもよい。開放ポート346は、調節プレート310上の対応するホールと揃う又は外れるように構成され、これによってカバー306を介して揮発性材料の拡散を容易にし、拡散強度に関する視覚的表示をユーザに提供する。カバー306は、円周方向のポート346、348と列をなす円弧状の開孔350をさらに提供し、特に2つの一連の閉じられたポート348の間に配置される。円弧状の開孔350は、以下に説明するように、円形の調節プレート310を露出することで、ユーザはプレート310を操作し、、揮発性材料の拡散レベルを調整することができる。
【0036】
図22〜
図24を参照すると、調節プレート310は、カバー306の下に設けられる支柱354にプレート310を回転できるように取り付けるための中心ホール352を提供する。操作時、中心ホール352及び支柱354はプレート310の回転軸を定義する。調節プレート310の周辺の部分は、円弧状の開孔350を介して露出する。周辺の部分は、ユーザが調節プレート310の位置を決めるて回転するのを助けるようにプレート310の円周方向に配置された複数の溝356又は他の移動止めを含む。さらに、複数の溝356のいくつかは、調節プレート310の厚みを通過して横切るボア358が設けられ、そのため、プレート310の下で詰替用カートリッジ110が露出される。調節プレート310は、開位置でカバー306の第1部分336と揃うように構成され、閉位置で第2部分338と揃うように構成され、部分的に開いた位置で両方の部分336、338に部分的にかかるように構成された複数の窓360をさらに提供する。例えば、特に
図22に示されたような実施形態において、3つの窓360は、カバー306上の装飾用の円344及び開孔340のパターンと相補するパターンで調節プレート310上で離間しており、したがって装置はディスペンサ302を完全に開いた又は完全に閉じた状態を提供することが可能である。
【0037】
ボア358はさらに、調節プレート310上の窓360のパターン及びカバー306上の円周方向のポート348、346のパターンと相補的なパターンでグループ化されていてもよい。
図22に示した特定の実施形態において、第1の一連362、第2の一連364、第3の一連366のボア358は、調節プレート310の周辺部分に設けられ、窓360の間に定義されるプレートの中空でない区域に広がる。それぞれの一連362、364、366は、例えば4つのボア358のように、同一の数のボア358を含む。順に、3つの窓360のそれぞれの周辺部は、4つの貫通していない溝356と整列する。実際に、このような構成は、放出される揮発性材料の量の視覚的表示をユーザに提供し、揮発性材料の通過を許容する追加的な開孔をさらに提供する。例えば、
図17に示したような開位置において、4つのボア358の第1の一連362は、カバー306の円弧状の開孔350を介して露出し、一方、ボア358の第2の一連364及び第3の一連366の各々は、カバー306の一連の4つの開放ポート346と揃う。したがって、カバー306の開放ポート346及び開孔340の全てが調節プレート310の窓360及びボア358と揃い、ディスペンサ302は、揮発性材料の最大限の拡散のために完全に開かれる。窓360が揮発性材料を放出するための主要経路として動作する一方、ボア358は揮発性材料のための経路および揮発性材料の放出強度の視覚的表示として動作してもよい。
【0038】
逆に閉位置においては、カバー306の開孔340及び開放ポート346の両方は、調節プレート310のボア358及び窓360とずれるように調節プレート310が回転される。したがって、閉位置においては、揮発性材料の拡散は許容されない。閉位置は、カバー306の中の開放ポート346の各々を塞ぐ中空でない溝356とともに、カバー306の円弧状の開孔350内で露出する調節プレート310の4つの中空でない溝356によって視覚的に示される。したがって、カバー306を介して露出されるボア358はなく、これは、ディスペンサ302が閉じられた状態にあることをユーザに視覚的に示す。
【0039】
また調節プレート310は、拡散のためにディスペンサ302が部分的に開かれた中間位置内に回転させることができる。カバー306の開放ポート346とボア358のより多くの部分とを揃わせて、開孔340と窓360のより多くの部分とを揃わせることによって拡散強度は増大し、それにより揮発性材料の放出率も増加する。例えば、拡散強度の低いレベルにおいて、3つのボアの358の全てがカバー306の全体の上に見ることができ、1つのボア358は、3つの中空でない溝356に隣接したアーチ−形状の開孔350内に露出して、2つのボア358はカバー306の2つの開放ポート346と揃う。したがって、視認できる3つのボア358は、これによって揮発性材料の通過を許容して、ユーザに放出強度が低く設定されていることを視覚的に表示する。放出強度を次のレベルに増加させて、揮発性材料のより大きい拡散を許容するために、ユーザは2つのボア358が円弧状の開孔350で露出される方向に調節プレート310を回転する。放出強度の第3のレベルは、円弧状の開孔350で露出した3つのボア358によって視覚的に示され、一方円弧状の開孔350中の4つのボア358は最大の放出強度を示す。拡散強度を示すボア358の数は、本発明において制限されないことに留意されたい。さらに、4つのボア358は拡散の4種類の個別レベルを表示できるが、無数の拡散レベルが提供され得ることに留意されたい。中空でない溝356は、ディスペンサ302の開かれた、閉じられた、及び部分的に開かれた状態の中でさらに区別できるように、ボア358を備える溝356と異なる色にすることもできる。
【0040】
ここで
図24を参照すると、
図17の線24−24に沿ったディスペンサ302の断面が示される。カバー306及び調節プレート310は積層され、外側に凸状に延在する。ベース304は概ね平坦であり、調節プレート310のすぐ下に凹部308を定義する段差をつけたプロファイルを備える。特定の態様では、カバー306はベース304より大きく、間隙368はカバー側壁370とベース側壁372との間で定義される。間隙368を設けることで調整プレート310は、ベース側壁372の上部と係合して上に延びる、より大きい直径及び/またはより広い周辺リッジ374(
図22〜
図24を参照)を有することができる。使用時において、ユーザが調節プレート310を回転させる時、下向きの力がプレート310に印加される。調節プレート310のベース側壁372及び周辺リッジ374の相互作用によって、プレート310がディスペンサ302内に誤って押されすぎたり、又はカバー306から分離することを防止することができる。
【0041】
開孔と窓の任意の組み合わせを有する他のカバー及び調節プレートをここで示した任意のディスペンサと共に用いることができる。ユーザがボア358及び/又は中空でない溝356によって視覚的に示される放出レベルに応じて調節プレート310を回転することによって、ディスペンサ302から放出される揮発性材料の量を制御できることが考慮される。
【0042】
1つ以上のベース、カバー、及び調節プレートは、射出成形プラスチック、例えばポリプロピレンで作ることができる。しかし、それらはまた、金属、ガラス、ボール紙、共重合ポリエステル樹脂、又は、他の任意の公知の材料など、別の材料によって作られてもよい。さらに、ベース、カバー、及び調節プレートは、同一又は別の材料で作られてもよい。
【0043】
さらに、ベース、カバー、調節プレートに様々な審美的外観を付与するために、類似又は別の色、又は表面のしるしを備えてもよい。さらに、1つ以上のベース、カバー、及び調節プレート内の色又は表面のしるしを変えることで、適切なアライメント、固定、及び/又は、ここに示したディスペンサの様々な部分を操作する際にユーザをサポートすることができる。
【0044】
また、ここで記載した々なカバー及びベースは、異なった形状及びサイズを有することができる。例えば、ディスペンサは、四角形断面、円形断面、六角形断面、又は任意の別の幾何学的断面を備えてもよい。ベース及びカバーは、カバーの向きに関係なくベースに結合できるように、対称な形状を有することが好ましい。さらに、機能及び審美の両面を満足する所望するカバーを選択できる能力をユーザに提供するために、1つ以上のベースと共に設けられる交換可能な複数のカバーを含むことが好ましい。
【0045】
本発明の詳細な説明で引用した全ての文献は、関連部分において、参考として組み入れられるが、いずれの文献の引用も本発明に対する先行技術であると承認するものとして解釈されるべきではない。