(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6393758
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】低減された出力キャパシタンスを有するGaNデバイスおよびこれを作製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20180910BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20180910BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
H01L29/80 H
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-531814(P2016-531814)
(86)(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公表番号】特表2016-529709(P2016-529709A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】US2014048586
(87)【国際公開番号】WO2015017396
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】61/859,508
(32)【優先日】2013年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511243668
【氏名又は名称】エフィシエント パワー コンヴァーション コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コリノ,スティーブン エル
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リドウ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ナカタ,アラナ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,グアンギュアン
(72)【発明者】
【氏名】マ,ヤンピン
(72)【発明者】
【氏名】ストリットマター,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】デ ルージ,マイケル エー
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,チュンフア
(72)【発明者】
【氏名】コルリ,セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファン チャン
(72)【発明者】
【氏名】チアン,ミン−クン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジアリ
(72)【発明者】
【氏名】ヤウハー,アグス
【審査官】
杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−294528(JP,A)
【文献】
特開2008−263140(JP,A)
【文献】
特開2013−123023(JP,A)
【文献】
特開2013−098222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタデバイスであって、
基板層上に配置された少なくとも1つのバッファー層;
前記少なくとも1つのバッファー層上に配置されたバリア層であって、二次元電子ガス(2DEG)が、前記バリア層および前記バッファー層間の界面に配置されている、バリア層;
前記バリア層上に配置されたゲート電極;
前記ゲート電極および前記バリア層上に配置された誘電体層;
前記少なくとも1つのバッファー層および前記バリア層間の前記界面の一部分において形成された分離領域であって、これにより、前記分離領域が形成された前記界面の前記一部分から前記2DEGが除去されている、分離領域、
を含み、
当該トランジスタデバイスは、前記バリア層の上に配置されたソースおよびドレインコンタクトをさらに含み、前記分離領域の少なくとも一部分は、前記ドレインコンタクトの下に形成されており、
前記分離領域の少なくとも一部分は、前記ドレインコンタクトの一部分を通って伸びている、トランジスタデバイス。
【請求項2】
前記誘電体層上に配置されたフィールドプレートをさらに含み、前記分離領域の少なくとも一部分が、前記フィールドプレートの下で形成されている、請求項1に記載のトランジスタデバイス。
【請求項3】
トランジスタデバイスであって、
基板層上に配置された少なくとも1つのバッファー層;
二次元電子ガス(2DEG)が、バリア層および前記バッファー層間の界面に配置された、前記少なくとも1つのバッファー層上に配置された前記バリア層;
前記バリア層上に配置されたゲート電極;
前記ゲート電極および前記バリア層上に配置された誘電体層;
前記少なくとも1つのバッファー層および前記バリア層間の前記界面の個別の第1および第2の一部分においてそれぞれ形成された第1の分離領域および第2の分離領域であって、これにより、前記分離領域が形成された前記界面の前記第1および第2の一部分から前記2DEGが除去されている、第1の分離領域および第2の分離領域、
を含み、
当該トランジスタデバイスは、前記バリア層の上に配置されたソースおよびドレインコンタクトをさらに含み、前記第2の分離領域の少なくとも一部分は、前記ドレインコンタクトの下に形成されており、
前記第2の分離領域の少なくとも一部分は、前記ドレインコンタクトの一部分を通って伸びている、トランジスタデバイス。
【請求項4】
前記誘電体層上に配置されたフィールドプレートをさらに含み、前記第1の分離領域の少なくとも一部分が、前記フィールドプレートの下で形成されている、請求項3に記載のトランジスタデバイス。
【請求項5】
トランジスタデバイスを作製するための方法であって、前記方法は、以下のステップ:
基板層の上で少なくとも1つのバッファー層を形成するステップ;
二次元電子ガス(2DEG)が、バリア層および前記バッファー層間の界面に配置されて、前記少なくとも1つのバッファー層上の前記バリア層を形成するステップ;
前記バリア層上でゲート電極を形成するステップ;および
前記少なくとも1つのバッファー層および前記バリア層間の前記界面の一部分において第1の分離領域を形成して、前記分離領域が形成された前記界面の前記一部分から前記2DEGを除去するステップ、
を含み、
当該方法は、
前記ゲート電極および前記バリア層にわたって誘電体層を堆積するステップ;および
前記第1の分離領域の上の前記誘電体層上でフィールドプレートを形成するステップ、
を含み、
さらに、
前記誘電体層をパターン化してエッチングして、ドレインおよびソースコンタクトのための開口を形成するステップ;
前記開口中にオーミックコンタクト金属を堆積して、前記ドレインおよびソースコンタクトを形成するステップ;ならびに
前記ドレインコンタクトの下の、前記少なくとも1つのバッファー層および前記バリア層間の前記界面の別の一部分に、第2の分離領域を形成するステップ、
を有する、方法。
【請求項6】
前記第2の分離領域の少なくとも一部分が、前記ドレインコンタクトの一部分を通って伸びている、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
1.本発明の分野:
本発明は、一般的にはトランジスタに、より特には低減された出力キャパシタンスを有するGaNトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術分野の説明:
従来のトランジスタデバイスは、一般的には、導通損失およびスイッチング損失による、あるレベルのトランジスタ消費電力を被る(experience)。トランジスタが、より高い周波数で操作される場合には、スイッチング損失を低減することはなおより重要となる。加えて、ハードスイッチング回路においては、スイッチサイクル毎の出力キャパシタの充放電が、トランジスタデバイスの消費電力に影響を及ぼす。
【0003】
出力キャパシタンス(「Coss」)は、ゲート−ドレインキャパシタンスおよびソース−ドレインキャパシタンスの和である。
図1は、破線で従来のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を概略的に例示する。
【0004】
図2(a)は、ドレイン−ソース電圧が0ボルトである場合の、従来のGaNトランジスタ101の断面図を描く。示されるとおり、GaNトランジスタ101には、基板109、前記基板109上で形成されたバッファー層110、およびバリア層104のすぐ下に形成された二次元電子ガス(「2DEG」)が含まれる。さらに、GaNトランジスタ101には、ソース電極102、ゲート電極103、ドレイン電極105、フィールドプレート106および誘電体フィルム107が含まれる。
【0005】
操作中に、ドレイン−ソース電圧が0ボルトである場合には、GaNトランジスタ101のCoss構成要素には、ゲート103およびドレイン側2DEG 111間にキャパシタ(「C1」)、フィールドプレート106およびドレイン側2DEG 111間にキャパシタ(「C2」)、基板109およびドレイン側2DEG 111間にキャパシタ(「C3」)が含まれる。ドレイン−ソース電圧が0ボルトである場合には、キャパシタC1、C2、およびC3は、それらの最高値にある。
【0006】
図2(b)は、ドレイン−ソース電圧が高電圧である場合の、従来のGaNトランジスタ101の断面図を描く。ドレイン−ソース電圧が増加するにつれて、ドレイン側2DEG 111は、ドレインコンタクト105に向かって欠乏し;C1およびC2はゼロに近づき;C3は減少する。
【0007】
本発明の第1の目的は、トランジスタの出力キャパシタンスCossを低減することであり、一方でゲート幅を維持することであり、これは、効果的に消費電力を低減し、したがって、かかるトランジスタを含むRF増幅器中の周波数能力(frequency capability)を増加させる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の要約
以下で記載する実施形態は、2DEGの一部分を除去してデバイスの出力キャパシタンスCossを低減させるトランジスタデバイスの中の分離領域を含む、GaN半導体デバイスの製造方法を提供することにより、上記で検討した問題および他の問題に対処する。
【0009】
開示されるGaNトランジスタには、基板層、基板の上に配置された1つまたは2つ以上のバッファー層、前記バッファー層の上に配置されたバリア層、および前記バリア層およびバッファー層間の界面で形成される二次元電子ガス(2DEG)が含まれる。さらに、ゲート電極は、バリア層の上に配置され、誘電体層は、ゲート電極およびバリア層の上に配置される。GaNトランジスタの出力キャパシタンスCossを低減させるために、GaNトランジスタには、2DEGを除去するために、少なくとも1つのバッファー層およびバリア層間の界面の一部分において形成された、1つまたは2つ以上の分離領域を含む。
【0010】
さらに、本願において記載されるとおりのGaNトランジスタを作製するための方法には、基板層上で少なくとも1つのバッファー層を形成するステップ;バリア層およびバッファー層間の界面に配置された二次元電子ガス(2DEG)を有する、少なくとも1つのバッファー層上でバリア層を形成するステップ;バリア層上でゲート電極を形成するステップ;および少なくとも1つのバッファー層およびバリア層間の界面の一部分における第1の分離領域を形成して、分離領域が形成される界面の一部分から2DEGを除去するステップ、が含まれる。
【0011】
図面の簡単な説明
本開示の特徴、目的、および利点は、同様の参照記号が本願を通じて対応して同定する図面と合わせる場合に、以下に記載の詳細な説明からより明らかにされるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、破線で従来のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を概略的に例示する。
【
図2(a)】
図2(a)は、ドレイン−ソース電圧が0ボルトである場合の、従来のGaNトランジスタの断面図を例示する。
【
図2(b)】
図2(b)は、ドレイン−ソース電圧が高電圧である場合の、従来のGaNトランジスタの断面図を例示する。
【
図3(a)】
図3(a)は、本発明の例示的実施形態に従う、Cossが低減されたGaNトランジスタの上面図を例示する。
【
図3(b)】
図3(b)は、本発明の例示的実施形態に従う、
図3(a)のGaNトランジスタのA−A断面図を例示する。
【
図3(c)】
図3(c)は、本発明の例示的実施形態に従う、
図3(a)のGaNトランジスタのB−B断面図を例示する。
【
図4(a)】
図4(a)は、Cossが低減された、本発明のGaNトランジスタの作製プロセスを描く。
【
図4(b)】
図4(b)は、Cossが低減された、本発明のGaNトランジスタの作製プロセスを描く。
【
図4(c)】
図4(c)は、Cossが低減された、本発明のGaNトランジスタの作製プロセスを描く。
【
図4(d)】
図4(d)は、Cossが低減された、本発明のGaNトランジスタの作製プロセスを描く。
【
図5】
図5は、本発明の例示的実施形態のGaNトランジスタと比較した、従来のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を概略的に例示する。
【0013】
図面は、必ずしもスケール通りに描かれてはおらず、類似の構造または機能の要素を、一貫して図面において例示的目的のために類似の参照符号により一般的に表す。図面は、本願において記載される種々の実施形態の説明を促進することのみを意図し;図面は、本願において開示される教示の各側面を記載するものではなく;特許請求の範囲を限定するものではない。
【0014】
好ましい実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明において、特定の実施形態が参照される。この詳細な説明は、本願の教示の好ましい側面を実行するためのさらなる詳細を当業者に教示することを単に意図するものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、以下の詳細な説明において開示される特徴の組み合わせは、最も広い意味における教示を実行するために必要でなくてもよく、その代わりに単に教示されて、本願の教示の特に代表的な例を説明する。他の実施形態を用いてもよいこと、および種々の構造的、論理的および電気的変更がなされてもよいことが理解されなければならない。
【0015】
図3(a)〜3(c)は、本発明の例示的実施形態による、Cossが低減されたGaNデバイス201を例示する。
図3(b)において示されるとおり、GaNデバイス201は、例えば、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)またはサファイアなどであり得る基板209の上で形成される。1つまたは2つ以上のバッファー層210が基板209上で形成され、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含み得る。例示的実施形態において、バッファー層の1つ(すなわち、バリア層204に最も近いバッファー層)はチャネル層であり、これは、好ましくは、窒化ガリウム(GaN)から構成される。チャネル層がバッファー層の1つとしてまたはバッファー層およびバリア層間の別の層としてみなされ得ることが理解されなければならない。二次元電子ガス(2DEG)211が、バッファー層210およびバリア層204間の界面で形成されて、バリア層204がバッファー層210にわたって形成される。例えば、バッファー層210がGaNで形成されたチャネル層を含む場合には、2DEG領域は、GaN層およびバリア層210間の界面で形成される。誘電体層207は、バリア層204の上に配置される。
【0016】
図3(a)および3(b)は、ソース電極202、ゲート電極203、ドレイン電極205およびフィールドプレート206をさらに含む、GaNデバイス201を例示する。上記で
図2(a)を参照して検討されたキャパシタC2のCossを低減させるために、第1の分離領域301を、フィールドプレート206の下で形成する。
図3(a)には示されないが、この実施形態の1つの改良(refinement)において、分離領域301を、ゲート電極203まで完全に伸ばして、ゲートをフィールドプレート領域まで欠乏させてCossに含まれるキャパシタンスC
gdを低減させることができる(the isolation region 301 can fully extend to the gate electrode 203 to deplete the gate to field plate region and reduce the capacitance Cgd,which is included in Coss)。
【0017】
図3(a)にさらに示されるとおり、本発明の別の例示的実施形態により、第2の分離領域302をドレインコンタクト205に向かってフィールドプレート206の外側で形成して、キャパシタC3のCossを低減することができる。さらに、分離領域302と同様に第3の分離領域303が形成され、またドレインコンタクト205の一部が除去されてドレインコンタクト205を通って伸びる。分離領域303はまた、上記で検討したキャパシタC3のCossを低減させる。
【0018】
分離領域301、302、および303のそれぞれが、GaNデバイス201のバッファー層210中で形成されること、および分離領域が形成されたところで2DEGが除去されることが十分に理解されなければならない。特に、
図3(b)は、2DEGが除去された第1の分離領域301を示す、
図3(a)のA−A断面図を例示する。上記のとおり、この分離領域301は、
図2(a)を参照して上記で検討したキャパシタC2のCossを低減させる。同様にして、
図3(c)は、2DEGが除去され、ドレインコンタクト205の一部分が除去された、第3の分離領域303を示す、
図3(a)のB−B断面図を例示する。
図3(b)および3(c)において例示されたGaNデバイス201の層は、
図3(a)において示されたそれらの層と同一であり、同一の参照符号が与えられていること、およびそれらについての詳細な説明は本願では繰り返されないことが留意される。
【0019】
図3(a)〜3(c)の観点において、出力キャパシタンスを低減するGaNトランジスタデバイスの少なくとも5つの別々の実施形態が、本願において提供されることが考慮される。第1の実施形態は、例えば
図3(a)および3(b)において示されるとおり、フィールドプレート206の下で形成された分離領域301を含む。第2の実施形態は、例えば、
図3(a)において例示される分離領域302などの、フィールドプレートの外側でドレインコンタクト205に向かって分離領域を形成することである。上記のとおり、分離領域302は、キャパシタンスC3を低減する。第3の実施形態は、
図3(a)および3(c)において示されるとおり、分離領域303を形成することであり、これは、ドレインコンタクト205のフラクションを除去し、ドレインコンタクト205の外側に伸びる。分離領域303を形成することはまた、キャパシタンスC3を低減する。第4の実施形態が、分離領域301、302、および303の2つまたは3つ以上を含むGaNデバイス201を含むであろうことが十分に理解されなければならない。最後に、本発明の第5の実施形態は、フィールドプレート206の下の分離領域および電圧非依存キャパシタを含み、Cossがより広範なドレイン電圧にわたってよりフラットである(a fifth embodiment of the present invention is to include an isolation region under the field plate 206 and a voltage independent capacitor that Coss is more flat over a wider range of drain voltages)。
【0020】
分離領域301、302、および303を形成することにより、増加したRds(on)がもたらされることが留意される。したがって、例示的実施形態の1つの改良において、分離領域のエリアを、消費電力が最小化されるように最適化する。この例において、Rds(on)およびEossの積を、この最適化における利益の数値として使用することができる。分離領域のための最適パーセンテージエリアは、デバイスの定格電圧、およびデバイスの材料およびレイアウトパラメータに依存する。
【0021】
図4(a)〜4(e)は、本発明の例示的実施形態により出力キャパシタンスCossが低減された、GaNデバイスのための例示的製造プロセスを例示する。
図4(a)において示されるとおり、基板層209が創出される。上記のとおり、基板層209は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイアなどから形成され得る。次に、バッファー層210を基板209の上で堆積する。バッファー層210は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含み得る。次に、バリア層204を、バッファー層210の上で形成してもよい。上記のとおり、二次元電子ガス(「2DEG」)は、バッファー層210およびバリア層204間の界面で形成される。最後に、ゲート層212をバリア層204の上で形成し得る。層形成ステップを、例えば、原子層堆積法またはプラズマ化学気相成長法などのあらゆる従来の堆積手法を使用して行うことができることが十分に理解されなければならない。
【0022】
次に、
図4(b)において示されるとおり、パターンをゲート層212の上に置いて、エッチングしてゲート電極203を形成する。ゲート電極203がいったん形成されたところで、分離領域301、302、または303の1つまたは2つ以上を、
図4(c)に例示されるとおり、GaNデバイス201中に形成することができる。例示的目的のために
図4(c)は、分離領域301の形成を例示するのみである一方、3つの分離領域301、302、または303の1つまたは2つ以上をこのステップの間に形成し得ることが十分に理解されなければならない。さらに、例示的実施形態においては、分離領域301、302、および/または303を、イオン注入またはエッチングにより形成する。
【0023】
図4(d)に示されるとおり、いったん分離領域301、302、および/または303が形成されたところで、誘電体フィルム207をバリア層204およびゲート電極203にわたって堆積する。
図4(d)は、パターンニングおよびエッチングにより、ソース202およびドレイン205コンタクトのための開口の形成をさらに例示する。最後に、
図4(e)に示されるとおり、ソース202およびドレイン205コンタクトのためのオーミックコンタクト金属を堆積し、パターン化し、エッチングする。加えて、フィールドプレート206を、GaNデバイス201のために現像し、これを次いで高速熱アニーリング(RTA)処理する。
【0024】
図5は、本発明の例示的実施形態のGaNトランジスタと比較した、従来のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を概略的に例示する。
図1に関して上記で述べたとおり、従来のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を、破線で例示する。本発明のGaNトランジスタ201が達成した目的は、カーブダウンをシフトさせて左にシフトさせたことであり、言い換えると破線から実線にシフトされて、すなわち、Cossが低減されることである。よって、本発明のGaNトランジスタのCoss対ドレイン−ソース電圧曲線を実線で例示する。
【0025】
上記の説明および図面は、本願において記載される特徴および利点を達成する具体的な実施形態について例示的なものとしてのみ考慮されなければならない。具体的なプロセス条件への改変および置換がなされてもよい。例えば、GaN技術に加えて、本発明を、LDD中で類似のパターンを創出しないか、または欠乏させることによりLDMOSに同様に応用することができる。したがって、本発明の実施形態は、上記の説明および図面により限定されるものとみなされるものではない。