(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、音声通話主体の携帯電話機に代わり、音声通話機能に加えて様々なアプリケーションソフトウェアの実行が可能な多機能携帯電話機、いわゆるスマートフォン(smartphone)が普及している。スマートフォン上でアプリケーションソフトウェアを実行することにより、例えばデジタルスティルカメラやカーナビゲーション等の機能をスマートフォン上で実現することが可能になる。このような様々な機能を実現するために、スマートフォンには携帯電話機と同様、その殆どの機種にカメラが搭載されている。
【0003】
こうしたスマートフォンの製品群は、初級者向けの製品から上級者向けの製品まで様々な仕様の製品から構成されることが多い。このうち上級者向けに開発された製品に組み込まれる撮像レンズには、小型化とともに、近年の高画素化された撮像素子にも対応することのできる高い解像度を有するレンズ構成が要求される。
【0004】
高解像度の撮像レンズを実現するための方法の一つとして、撮像レンズを構成するレンズの枚数を増加させる方法がある。しかし、こうしたレンズ枚数の増加は撮像レンズの大型化を招き易く、上述のスマートフォン等の小型のカメラへの組み込みに対しては不利になる。そこで従来、撮像レンズの開発においては、撮像レンズの高解像度化を図りつつも、光学全長(Total Track Length)の短縮に重きを置いてきた。
【0005】
近年になり撮像素子の高画素化技術や画像処理技術が目まぐるしい進歩を遂げたことに伴い、撮像レンズの開発の中心は、光学全長の短縮よりもむしろ高解像度のレンズ構成の実現に移りつつある。例えば、従来では撮像レンズおよび撮像素子を含むカメラユニットをスマートフォンの内部に組み込むのが一般的であったが、最近ではスマートフォンとは別体のカメラユニットをスマートフォンに装着することでデジタルスティルカメラと比較しても遜色のない画像を得られるようにする試みもなされている。すなわち、スマートフォンとは別体にカメラを構成することにより、カメラを組み込む際のスペース上の制約を解決している。
【0006】
6枚のレンズから成るレンズ構成は、撮像レンズを構成するレンズの枚数が多いことから撮像レンズの小型化に関しては若干不利となるものの、設計上の自由度が高いため、高解像度の撮像レンズに必要な諸収差の良好な補正や撮像レンズの小型化をバランスよく実現できる可能性を秘めている。こうした6枚構成の撮像レンズとしては、例えば特許文献1に記載の撮像レンズが知られている。
【0007】
特許文献1に記載の撮像レンズは、物体側に凸面を向けた正の第1レンズと、像面側に凹面を向けた負の第2レンズと、物体側に凹面を向けた負の第3レンズと、像面側に凸面を向けた正の第4レンズ及び第5レンズと、物体側に凹面を向けた負の第6レンズとが配置されて構成される。この特許文献1の撮像レンズでは、第1レンズの焦点距離と第3レンズの焦点距離との比、および第2レンズの焦点距離とレンズ系全体の焦点距離との比に関する条件式を満足することにより歪曲収差および色収差の良好な補正を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
携帯電話機やスマートフォンの高機能化や小型化は年々進展しており、撮像レンズに要求される小型化のレベルは以前にも増して高くなってきている。上記特許文献1に記載の撮像レンズは第1レンズの物体側の面から撮像素子の像面までの距離が長いため、こうした要求に応えて撮像レンズの小型化を図りつつ良好な収差補正を実現するには自ずと限界が生じる。なお、上述のように携帯電話機やスマートフォンとは別体にカメラを構成して撮像レンズに対する小型化のレベルを緩和する方法もあるが、カメラ内蔵型の携帯電話機やスマートフォンの方が利便性や携帯性のバランスの面から優位であることから、小型で高解像度の撮像レンズへの要求が依然として強い。
【0010】
こうした問題は携帯電話機やスマートフォンに組み込まれる撮像レンズに特有の問題ではなく、近年特に高機能化や小型化が進んでいるデジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の比較的小型のカメラに組み込まれる撮像レンズにおいても共通の問題である。
【0011】
本発明の目的は、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立を図ることのできる撮像レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを配置して構成される。第1レンズ群は、正の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズとから構成される。第2レンズ群は、負の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズとから構成される。また、本発明に係る撮像レンズは、レンズ系全体の焦点距離をf、第1レンズ群の焦点距離をF1、第1レンズのアッベ数をνd1、第2レンズのアッベ数をνd2、第3レンズのアッベ数をνd3
、第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の距離をD12、第2レンズと第3レンズとの間の光軸上の距離をD23としたとき、次の条件式(1)〜(4)
および(7)を満足する。
0.6<F1/f<1.4 (1)
40<νd1<75 (2)
40<νd2<75 (3)
15<νd3<35 (4)
3<D12/D23<8 (7)
【0013】
本発明の撮像レンズにおいて第1レンズ群は、屈折力の配列が正正負となる3枚のレンズから構成される。これら3枚のレンズは上記条件式(2)〜(4)を満足するレンズ材料からそれぞれ形成され、第1および第2レンズと第3レンズとは、低分散の材料と高分散の材料との組み合わせとなる。このような各レンズの屈折力の配列とアッベ数の並びによって、第1レンズ群においては色収差の発生が好適に抑制されるとともに発生した色収差については良好に補正される。なお、本発明に係る撮像レンズでは、第1レンズおよび第2レンズの2枚のレンズによって正の屈折力が分担されることから、第1レンズおよび第2レンズのそれぞれの屈折力が比較的弱く抑えられ、諸収差を良好に補正しつつ撮像レンズの小型化が好適に図られる。
【0014】
条件式(1)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、色収差、非点収差、および像面湾曲を好ましい範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「1.4」を超えると、レンズ系全体の屈折力に対して第1レンズ群の屈折力が相対的に弱くなるためバックフォーカス(back focal length)が長くなり、撮像レンズの小型化が困難となる。色収差については、軸上色収差の補正には有利となるものの、倍率色収差が補正不足(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸に近づく方向に移動)となる。また、結像面が像面側に湾曲する状態、すなわち像面湾曲が補正過剰になるとともに、非点隔差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0015】
一方、下限値「0.6」を下回ると、レンズ系全体の屈折力に対して第1レンズ群の屈折力が相対的に強くなるため撮像レンズの小型化には有利となる。しかし、軸上色収差が補正不足(基準波長の焦点位置に対して短波長の焦点位置が物体側に移動)になるとともに、非点収差のうちサジタル像面が物体側に倒れて非点収差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0016】
条件式(7)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、像面湾曲および歪曲収差を好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「8」を超えると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、バックフォーカスの確保が困難となる。像面湾曲については、非点収差のうちタンジェンシャル像面が像面側に倒れるため、補正過剰となる。また、歪曲収差がプラス方向に増大することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「3」を下回ると、バックフォーカスの確保には有利となるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。また、非点収差のうちサジタル像面が物体側に倒れ、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0017】
上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2としたとき、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.5<f1/f2<5.0 (5)
【0018】
条件式(5)は、色収差、非点収差、および像面湾曲を良好に補正するための条件である。上限値「5.0」を超えると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に弱くなるため、バックフォーカスの確保には有利となるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。また、非点収差のうちサジタル像面が像面側に倒れて非点収差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「0.5」を下回ると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に強くなるため撮像レンズの小型化には有利となる。しかし、バックフォーカスが短くなり、赤外線カットフィルタ等の挿入物を配置するためのスペースの確保が困難となる。また、非点収差のうちサジタル像面が物体側に倒れて非点収差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0019】
上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの焦点距離をf3としたとき、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
−3.5<f3/F1<−0.5 (6)
【0020】
条件式(6)は、色収差および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「−0.5」を超えると、第1レンズ群において第3レンズの有する負の屈折力が相対的に強くなるため、非点収差が像面側に増大するとともに軸外光束の倍率色収差が補正過剰(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸から遠ざかる方向に移動)となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−3.5」を下回ると、非点収差については補正し易くなるものの、軸上色収差が増大するため良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0022】
上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズおよび第5レンズの合成焦点距離をf45としたとき、次の条件式(8)を満足することが望ましい。
−7.0<f45/f<−0.5 (8)
【0023】
条件式(8)は、色収差および非点収差を良好に補正するための条件である。上限値「−0.5」を超えると、レンズ系全体の屈折力に対して第4レンズおよび第5レンズからなる負の屈折力が相対的に強くなるため、第2レンズ群において第6レンズの正の屈折力が相対的に強くなる。このため、軸外の倍率色収差が補正不足になるとともに非点収差が増大することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−7.0」を下回ると、レンズ系全体の屈折力に対して第4レンズおよび第5レンズからなる負の屈折力が相対的に弱くなるため、色収差については補正し易くなるものの、非点隔差が増大するため良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0024】
上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの焦点距離をf6としたとき、次の条件式(9)を満足することが望ましい。
2<f6/f<10 (9)
【0025】
条件式(9)は、非点収差および倍率色収差を良好な範囲内に抑制するための条件である。上限値「10」を超えると、レンズ系全体の屈折力に対して第6レンズの屈折力が相対的に弱くなるため、非点収差のうちタンジェンシャル像面が像面側に湾曲して非点隔差が増大することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「2」を下回ると、レンズ系全体の屈折力に対して第6レンズの屈折力が相対的に強くなるため、軸外光束に対する倍率色収差が増大する。また、非点収差のうちタンジェンシャル像面が物体側に倒れて非点隔差が増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0026】
上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズおよび第5レンズの合成焦点距離をf45、第6レンズの焦点距離をf6としたとき、次の条件式(10)を満足することが望ましい。
−0.8<f45/f6<−0.1 (10)
【0027】
条件式(10)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、歪曲収差、像面湾曲、および色収差をバランスよく良好に補正するための条件である。上限値「−0.1」を超えると、第6レンズの正の屈折力に対して第4レンズおよび第5レンズの負の屈折力が相対的に強くなるため、撮像レンズの小型化には有利となるものの、バックフォーカスの確保が困難となる。また、プラスの歪曲収差が増大するとともに結像面が物体側に湾曲する状態、すなわち像面湾曲が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−0.8」を下回ると、第6レンズの正の屈折力に対して第4レンズおよび第5レンズの負の屈折力が相対的に弱くなるため、バックフォーカスを確保し易くなるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。また、軸外光束に対する倍率色収差が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0028】
上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの像面側の面の曲率半径をR6rとしたとき、次の条件式(11)を満足することが望ましい。
0.3<R6r/f<1.2 (11)
【0029】
条件式(11)は、歪曲収差、倍率色収差、および非点収差を好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「1.2」を超えると、軸外光束に対する倍率色収差が増大するため良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「0.3」を下回ると、マイナスの歪曲収差が増大するとともに非点収差のうちサジタル像面が物体側に倒れて非点隔差が増大する。また、軸外光束に対する倍率色収差が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0030】
なお、本発明において、曲率半径が正か負かは一般的な定義、すなわち光の進行方向を正として、曲率中心がレンズ面からみて像面側にある場合には曲率半径を正とし、物体側にある場合には曲率半径を負とする定義に従っている。
【0031】
上記構成の撮像レンズにおいて撮像レンズの一層の小型化を図るためには、第6レンズのアッベ数をνd6としたとき、次の条件式(12)を満足することが望ましい。
15<νd6<35 (12)
【発明の効果】
【0032】
本発明の撮像レンズによれば、諸収差が良好に補正された高い解像度を有しながらも、小型のカメラへの組込みに特に適した小型の撮像レンズを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図1、
図4、
図7、
図10、
図13、および
図16は、本実施の形態の数値実施例1〜6に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。いずれの数値実施例も基本的なレンズ構成は同一であるため、ここでは数値実施例1の概略断面図を参照しながら、本実施の形態に係る撮像レンズのレンズ構成について説明する。
【0036】
図1に示すように本実施の形態に係る撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とが配列されて構成される。第2レンズ群G2と撮像素子の像面IMとの間にはフィルタ10が配置される。このフィルタ10は割愛することも可能である。
【0037】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、開口絞りSTと、正の屈折力を有する第2レンズL2と、負の屈折力を有する第3レンズL3とから構成される。本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1の像面側の面に開口絞りSTを設けている。なお、開口絞りSTの位置は、本数値実施例1の撮像レンズのように第1レンズL1と第2レンズL2との間に限定されるものではない。例えば、第1レンズL1の物体側に開口絞りSTを配置するようにしてもよい。このように撮像レンズの物体側に開口絞りSTを配置する、いわゆる前絞りタイプのレンズ構成の場合、撮像レンズの組立性の向上や製造コストの低減を図ることができる。前絞りタイプのレンズ構成は、撮像レンズの光学全長を比較的短縮し易いといった特徴も併せ持つため、携帯電話機や近年普及しているスマートフォン等の携帯機器への組み込みに対して有効なレンズ構成でもある。一方、本数値実施例1のように第1レンズL1と第2レンズL2との間に開口絞りSTを配置する、いわゆる中絞りタイプのレンズ構成は、撮像レンズの光学全長に比較して第1レンズL1の有効径が大きくなることから、カメラにおける撮像レンズの存在感が強調され、当該カメラの意匠の一部として高級感やレンズ性能の高さ等をユーザに訴えることができる。
【0038】
第1レンズ群G1において第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径r1および像面側の面の曲率半径r2が共に正となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。この第1レンズL1の形状は本数値実施例1に係る形状に限定されるものではない。第1レンズL1の形状は、物体側の面の曲率半径r1が正となる形状であればよい。具体的には、第1レンズL1の形状は、曲率半径r2が負となる形状であって、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状でもよい。
【0039】
第2レンズL2は、物体側の面の曲率半径r3および像面側の面の曲率半径r4が共に負となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。この第2レンズL2の形状は本数値実施例1に係る形状に限定されるものではなく、像面側の面の曲率半径r4が負となる形状であればよい。数値実施例2、4、および5の第2レンズL2は、曲率半径r3が正となる形状であって、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状の例である。
【0040】
第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径r5および像面側の面の曲率半径r6が共に負となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。この第3レンズL3の形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。数値実施例2および6の第3レンズL3は、曲率半径r5が負となり、曲率半径r6が正となる形状であって、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状の例であり、数値実施例4の第3レンズL3は、曲率半径r5および曲率半径r6が共に正となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
【0041】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第4レンズL4と、負の屈折力を有する第5レンズL5と、正の屈折力を有する第6レンズL6とから構成される。
【0042】
第2レンズ群G2において第4レンズL4は、物体側の面の曲率半径r7および像面側の面の曲率半径r8が共に負となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。第4レンズL4の形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。数値実施例3の第4レンズL4は、曲率半径r7が負となり、曲率半径r8が正となる形状であって、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状の例であり、数値実施例5および6の第4レンズL4は、曲率半径r7および曲率半径r8が共に正となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
【0043】
第5レンズL5は、物体側の面の曲率半径r9が負となり、像面側の面の曲率半径r10が正となる形状であり、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状に形成される。この第5レンズL5の形状は本数値実施例1に係る形状に限定されない。数値実施例2〜6の第5レンズL5は、曲率半径r9および曲率半径r10が共に正となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状の例である。
【0044】
第6レンズL6は、物体側の面の曲率半径r11および像面側の面の曲率半径r12が共に正となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。第6レンズL6において物体側の面および像面側の面は変曲点を有する非球面形状に形成される。第6レンズL6の有するこのような形状により、軸上の色収差のみならず軸外の倍率色収差が良好に補正されるとともに、撮像レンズから出射した光線の像面IMへの入射角度が主光線角度(CRA:Chief Ray Angle)の範囲内に好適に抑制される。
【0045】
本実施の形態に係る撮像レンズは、以下に示す条件式(1)〜(11)を満足する。
0.6<F1/f<1.4 (1)
40<νd1<75 (2)
40<νd2<75 (3)
15<νd3<35 (4)
0.5<f1/f2<5.0 (5)
−3.5<f3/F1<−0.5 (6)
3<D12/D23<8 (7)
−7.0<f45/f<−0.5 (8)
2<f6/f<10 (9)
−0.8<f45/f6<−0.1 (10)
0.3<R6r/f<1.2 (11)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
F1:第1レンズ群G1の焦点距離
f1:第1レンズL1の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f6:第6レンズL6の焦点距離
f45:第4レンズL4および第5レンズL5の合成焦点距離
D12:第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の距離
D23:第2レンズL2と第3レンズL3との間の光軸上の距離
νd1:第1レンズL1のアッベ数
νd2:第2レンズL2のアッベ数
νd3:第3レンズL3のアッベ数
R6r:第6レンズL6の像面側の面の曲率半径
【0046】
また、本実施の形態に係る数値実施例1〜5の撮像レンズは、次の条件式(12)を満足する。
15<νd6<35 (12)
但し、
νd6:第6レンズL6のアッベ数
【0047】
本実施の形態に係る撮像レンズにおいて、撮像レンズの小型化に重点を置く場合には、光学シミュレーションの結果から、上記条件式(12)を満足する方が設計上優位になることが分かっている。これは、本実施の形態に係る撮像レンズでは、第4レンズL4および第5レンズL5が負の屈折力を有するため、正の屈折力の有する第6レンズL6を高分散の材料から形成した方が、諸収差の補正、特に色収差の補正が容易になるからである。
【0048】
なお、上記各条件式の全てを満たす必要はなく、上記各条件式のそれぞれを単独に満たすことにより、各条件式に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0049】
本実施の形態では各レンズのレンズ面が非球面で形成されている。これらレンズ面に採用される非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16としたとき、次式により表される。
【数1】
【0050】
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの数値実施例を示す。各数値実施例において、fはレンズ系全体の焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角をそれぞれ示す。iは物体側より数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、ndは屈折率、νdはアッベ数をそれぞれ示す。なお、*(アスタリスク)の符号が付加された面番号は非球面であることを示す。
【0051】
数値実施例1
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.89mm、Fno=2.4、ω=31.5°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 1.574 0.912 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 10.826 0.295(=D12)
3* -4.771 0.473 1.5346 56.1(=νd2)
4* -1.685 0.048(=D23)
5* -1.795 0.816 1.6355 23.9(=νd3)
6* -5.058 0.331
7* -3.211 0.357 1.5346 56.1(=νd4)
8* -4.669 0.054
9* -12.945 0.256 1.5346 56.1(=νd5)
10* 2.882 0.066
11* 3.249 1.400 1.6142 26.0(=νd6)
12* 3.662(=R6r)0.200
13 ∞ 0.238 1.5168 64.2
14 ∞ 0.263
(像面) ∞
【0052】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=9.198E-03,A
6=-6.154E-03,A
8=-3.882E-03,
A
10=2.628E-02,A
12=-2.072E-02,A
14=3.650E-03,A
16=2.137E-04
第2面
k=0.000,A
4=1.547E-02,A
6=-1.957E-02,A
8=1.607E-02,
A
10=-3.709E-02,A
12=6.649E-03,A
14=3.695E-03,A
16=1.587E-02
第3面
k=0.000,A
4=-5.861E-02,A
6=1.589E-01,A
8=-5.613E-01,
A
10=5.298E-01,A
12=-5.491E-02,A
14=-8.742E-02,A
16=-6.561E-02
第4面
k=0.000,A
4=-7.337E-04,A
6=-9.644E-02,A
8=9.046E-02,
A
10=-6.969E-02,A
12=4.672E-02,A
14=-1.785E-03,A
16=-5.654E-02
第5面
k=0.000,A
4=-1.408E-02,A
6=-6.729E-02,A
8=1.273E-01,
A
10=-1.282E-01,A
12=-1.172E-02,A
14=1.591E-01,A
16=-1.749E-01
第6面
k=0.000,A
4=2.366E-03,A
6=2.186E-02,A
8=-3.262E-03,
A
10=2.157E-02,A
12=-7.062E-03,A
14=-6.923E-03,A
16=3.009E-03
第7面
k=0.000,A
4=-1.925E-02,A
6=-7.628E-03,A
8=1.018E-02,
A
10=7.098E-03,A
12=-2.338E-03,A
14=-5.498E-04,A
16=7.686E-05
第8面
k=0.000,A
4=-4.767E-02,A
6=6.429E-03,A
8=-2.408E-03,
A
10=1.420E-03,A
12=8.694E-04,A
14=1.406E-04,A
16=-1.457E-04
第9面
k=0.000,A
4=-5.522E-02,A
6=-1.534E-02,A
8=2.429E-03,
A
10=3.614E-03,A
12=-1.818E-04,A
14=-1.730E-04,A
16=1.290E-05
第10面
k=0.000,A
4=-8.640E-02,A
6=5.682E-03,A
8=2.436E-03,
A
10=4.996E-05,A
12=-5.492E-05,A
14=-2.328E-05,A
16=-2.479E-06
第11面
k=0.000,A
4=-9.980E-02,A
6=1.842E-02,A
8=5.236E-04,
A
10=-2.064E-04,A
12=-3.175E-05,A
14=-9.304E-06,A
16=-1.065E-06
第12面
k=0.000,A
4=-4.166E-02,A
6=2.987E-03,A
8=-4.374E-05,
A
10=1.386E-05,A
12=-1.728E-06,A
14=-4.773E-07,A
16=3.362E-08
【0053】
f1=3.33mm
f2=4.63mm
f3=-4.85mm
f4=-21.03mm
f5=-4.38mm
f6=20.49mm
f45=-3.49mm
F1=3.71mm
【0054】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=0.76
f1/f2=0.72
f3/F1=-1.31
D12/D23=6.15
f45/f=-0.71
f6/f=4.19
f45/f6=-0.17
R6r/f=0.75
このように、本数値実施例1に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は5.63mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0055】
図2は、最大像高に対する各像高の比H(以下、「像高比H」という)に対応する横収差をタンジェンシャル方向とサジタル方向とに分けて示した収差図である(
図5、
図8、
図11、
図14、および
図17においても同じ)。また、
図3は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示した収差図である。このうち非点収差図においてSはサジタル像面を、Tはタンジェンシャル像面をそれぞれ表す(
図6、
図9、
図12、
図15、および
図18においても同じ)。
図2および
図3に示されるように、本数値実施例1に係る撮像レンズによれば諸収差が良好に補正される。
【0056】
数値実施例2
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.45mm、Fno=2.4、ω=34.0°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 1.984 0.813 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 2.544 0.250(=D12)
3* 4.699 0.601 1.5346 56.1(=νd2)
4* -2.840 0.050(=D23)
5* -11.048 0.424 1.6355 23.9(=νd3)
6* 5.683 0.453
7* -1.587 0.390 1.5346 56.1(=νd4)
8* -1.781 0.049
9* 2.374 0.283 1.5346 56.1(=νd5)
10* 1.938 0.222
11* 2.837 1.371 1.6142 26.0(=νd6)
12* 2.773(=R6r)0.250
13 ∞ 0.200 1.5168 64.2
14 ∞ 0.656
(像面) ∞
【0057】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=-4.562E-03,A
6=-5.283E-03,A
8=-6.019E-03,
A
10=1.512E-02,A
12=-2.132E-02,A
14=1.176E-02,A
16=-2.562E-03
第2面
k=0.000,A
4=7.151E-03,A
6=-2.590E-02,A
8=-1.896E-03,
A
10=7.062E-03,A
12=-2.034E-02,A
14=-6.137E-02,A
16=7.709E-02
第3面
k=0.000,A
4=-6.912E-03,A
6=7.562E-02,A
8=-3.139E-01,
A
10=4.380E-01,A
12=-2.477E-01,A
14=-4.975E-02,A
16=5.729E-02
第4面
k=0.000,A
4=2.189E-02,A
6=-1.271E-01,A
8=9.746E-02,
A
10=-7.408E-02,A
12=4.872E-02,A
14=-8.073E-04,A
16=-2.966E-02
第5面
k=0.000,A
4=-3.905E-02,A
6=-1.496E-01,A
8=1.412E-01,
A
10=-8.861E-02,A
12=-3.623E-02,A
14=1.304E-01,A
16=-8.493E-02
第6面
k=0.000,A
4=-5.584E-02,A
6=-3.533E-03,A
8=-1.964E-02,
A
10=1.995E-02,A
12=-4.134E-03,A
14=-5.348E-03,A
16=2.536E-03
第7面
k=0.000,A
4=6.106E-02,A
6=-1.070E-02,A
8=1.031E-02,
A
10=9.566E-03,A
12=-5.906E-04,A
14=-1.078E-04,A
16=-3.008E-04
第8面
k=0.000,A
4=-2.294E-02,A
6=9.575E-03,A
8=7.558E-03,
A
10=4.687E-03,A
12=1.223E-03,A
14=-1.305E-04,A
16=-3.746E-04
第9面
k=0.000,A
4=-6.166E-02,A
6=-2.713E-02,A
8=1.008E-02,
A
10=-2.386E-04,A
12=-6.953E-04,A
14=-6.361E-05,A
16=4.752E-05
第10面
k=0.000,A
4=-8.046E-02,A
6=-8.611E-03,A
8=4.902E-03,
A
10=-1.101E-03,A
12=-5.329E-05,A
14=-3.142E-05,A
16=3.517E-06
第11面
k=0.000,A
4=-1.145E-01,A
6=3.473E-02,A
8=-4.742E-03,
A
10=-4.263E-04,A
12=-4.328E-05,A
14=4.462E-05,A
16=-5.887E-06
第12面
k=0.000,A
4=-6.424E-02,A
6=9.466E-03,A
8=-1.069E-03,
A
10=-1.307E-05,A
12=9.654E-06,A
14=2.331E-07,A
16=-1.228E-07
【0058】
f1=11.19mm
f2=3.41mm
f3=-5.85mm
f4=-91.28mm
f5=-25.56mm
f6=27.95mm
f45=-18.52mm
F1=4.77mm
【0059】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=1.07
f1/f2=3.29
f3/F1=-1.23
D12/D23=5.00
f45/f=-4.16
f6/f=6.28
f45/f6=-0.66
R6r/f=0.62
このように、本数値実施例2に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は5.94mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0060】
図5は、数値実施例2の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図6は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図5および
図6に示されるように、本数値実施例2に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0061】
数値実施例3
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.13mm、Fno=2.4、ω=36.0°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 1.540 0.464 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 4.314 0.296(=D12)
3* -8.838 0.470 1.5346 56.1(=νd2)
4* -1.831 0.047(=D23)
5* -2.295 0.292 1.6355 23.9(=νd3)
6* -5.812 1.039
7* -53.057 0.231 1.5346 56.1(=νd4)
8* 13.648 0.061
9* 85.665 0.296 1.5346 56.1(=νd5)
10* 2.489 0.050
11* 2.627 1.051 1.6142 26.0(=νd6)
12* 2.995(=R6r)0.250
13 ∞ 0.238 1.5168 64.2
14 ∞ 0.119
(像面) ∞
【0062】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=-5.935E-03,A
6=-9.117E-03,A
8=-1.112E-02,
A
10=1.177E-02,A
12=-3.881E-02,A
14=-3.388E-03,A
16=1.510E-02
第2面
k=0.000,A
4=-1.025E-02,A
6=-3.800E-02,A
8=8.547E-03,
A
10=-3.584E-02,A
12=1.252E-02,A
14=1.376E-02,A
16=3.367E-02
第3面
k=0.000,A
4=-8.189E-02,A
6=1.798E-01,A
8=-5.324E-01,
A
10=5.535E-01,A
12=-4.665E-02,A
14=-8.080E-02,A
16=-4.768E-02
第4面
k=0.000,A
4=-7.818E-03,A
6=-9.421E-02,A
8=9.473E-02,
A
10=-6.182E-02,A
12=5.470E-02,A
14=-6.955E-03,A
16=-7.586E-02
第5面
k=0.000,A
4=-2.114E-02,A
6=-8.287E-02,A
8=1.220E-01,
A
10=-1.202E-01,A
12=6.902E-03,A
14=1.668E-01,A
16=-2.063E-01
第6面
k=0.000,A
4=-1.542E-02,A
6=2.580E-02,A
8=-8.636E-04,
A
10=1.974E-02,A
12=-8.650E-03,A
14=-5.952E-03,A
16=7.526E-03
第7面
k=0.000,A
4=-5.532E-02,A
6=-2.350E-02,A
8=-3.188E-03,
A
10=4.416E-03,A
12=-1.616E-03,A
14=-2.003E-04,A
16=2.989E-04
第8面
k=0.000,A
4=-5.211E-02,A
6=-1.916E-02,A
8=-2.473E-03,
A
10=1.181E-03,A
12=8.594E-04,A
14=1.698E-04,A
16=-9.469E-05
第9面
k=0.000,A
4=-4.723E-02,A
6=-1.893E-02,A
8=1.185E-03,
A
10=3.150E-03,A
12=7.818E-05,A
14=-2.134E-04,A
16=1.420E-05
第10面
k=0.000,A
4=-8.135E-02,A
6=4.227E-03,A
8=1.887E-03,
A
10=-1.201E-05,A
12=-2.459E-05,A
14=-1.450E-05,A
16=2.312E-07
第11面
k=0.000,A
4=-9.707E-02,A
6=1.566E-02,A
8=2.515E-04,
A
10=-1.913E-04,A
12=4.065E-07,A
14=-2.711E-06,A
16=-8.073E-07
第12面
k=0.000,A
4=-5.218E-02,A
6=4.522E-03,A
8=1.842E-05,
A
10=-4.945E-06,A
12=-2.208E-06,A
14=-3.430E-07,A
16=2.047E-08
【0063】
f1=4.23mm
f2=4.22mm
f3=-6.17mm
f4=-20.28mm
f5=-4.80mm
f6=16.68mm
f45=-3.84mm
F1=3.56mm
【0064】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=0.86
f1/f2=1.00
f3/F1=-1.73
D12/D23=6.30
f45/f=-0.93
f6/f=4.04
f45/f6=-0.23
R6r/f=0.72
このように、本数値実施例3に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は4.82mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0065】
図8は、数値実施例3の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図9は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図8および
図9に示されるように、本数値実施例3に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0066】
数値実施例4
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.34mm、Fno=2.4、ω=34.7°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 2.119 0.693 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 2.922 0.259(=D12)
3* 6.115 0.526 1.5346 56.1(=νd2)
4* -4.838 0.049(=D23)
5* 29.808 0.444 1.6355 23.9(=νd3)
6* 7.157 0.439
7* -1.586 0.394 1.5346 56.1(=νd4)
8* -1.776 0.049
9* 2.273 0.326 1.5346 56.1(=νd5)
10* 1.945 0.243
11* 2.919 1.442 1.6142 26.0(=νd6)
12* 2.744(=R6r)0.250
13 ∞ 0.200 1.5168 64.2
14 ∞ 0.704
(像面) ∞
【0067】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=-4.403E-03,A
6=-7.214E-03,A
8=-6.015E-03,
A
10=1.512E-02,A
12=-2.152E-02,A
14=1.164E-02,A
16=-2.353E-03
第2面
k=0.000,A
4=6.162E-03,A
6=-3.128E-02,A
8=-4.670E-03,
A
10=7.362E-03,A
12=-1.750E-02,A
14=-5.933E-02,A
16=7.387E-02
第3面
k=0.000,A
4=3.074E-03,A
6=6.740E-02,A
8=-3.162E-01,
A
10=4.399E-01,A
12=-2.449E-01,A
14=-4.798E-02,A
16=5.457E-02
第4面
k=0.000,A
4=-1.200E-03,A
6=-1.288E-01,A
8=9.907E-02,
A
10=-7.458E-02,A
12=4.808E-02,A
14=-1.676E-03,A
16=-2.982E-02
第5面
k=0.000,A
4=-5.300E-02,A
6=-1.495E-01,A
8=1.371E-01,
A
10=-9.159E-02,A
12=-3.756E-02,A
14=1.309E-01,A
16=-8.324E-02
第6面
k=0.000,A
4=-5.271E-02,A
6=-1.060E-02,A
8=-2.073E-02,
A
10=2.016E-02,A
12=-3.924E-03,A
14=-5.276E-03,A
16=2.558E-03
第7面
k=0.000,A
4=5.926E-02,A
6=-1.017E-02,A
8=1.028E-02,
A
10=9.421E-03,A
12=-6.570E-04,A
14=-1.214E-04,A
16=-2.892E-04
第8面
k=0.000,A
4=-2.381E-02,A
6=8.250E-03,A
8=7.470E-03,
A
10=4.799E-03,A
12=1.267E-03,A
14=-1.239E-04,A
16=-3.841E-04
第9面
k=0.000,A
4=-6.579E-02,A
6=-2.423E-02,A
8=9.859E-03,
A
10=-3.297E-04,A
12=-7.230E-04,A
14=-7.839E-05,A
16=3.833E-05
第10面
k=0.000,A
4=-8.158E-02,A
6=-1.080E-02,A
8=4.351E-03,
A
10=-1.257E-03,A
12=-8.723E-05,A
14=-3.896E-05,A
16=2.306E-06
第11面
k=0.000,A
4=-1.138E-01,A
6=2.896E-02,A
8=-5.443E-03,
A
10=-4.608E-04,A
12=-3.871E-05,A
14=4.778E-05,A
16=-5.522E-06
第12面
k=0.000,A
4=-6.184E-02,A
6=8.621E-03,A
8=-1.011E-03,
A
10=-7.968E-06,A
12=9.849E-06,A
14=1.871E-07,A
16=-1.260E-07
【0068】
f1=11.09mm
f2=5.14mm
f3=-14.93mm
f4=-99.99mm
f5=-38.67mm
f6=34.86mm
f45=-25.84mm
F1=4.82mm
【0069】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=1.11
f1/f2=2.16
f3/F1=-3.10
D12/D23=5.29
f45/f=-5.96
f6/f=8.04
f45/f6=-0.74
R6r/f=0.63
このように、本数値実施例4に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は5.95mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0070】
図11は、数値実施例4の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図12は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図11および
図12に示されるように、本数値実施例4に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0071】
数値実施例5
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=5.24mm、Fno=2.4、ω=29.8°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 2.172 0.769 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 4.250 0.239(=D12)
3* 5.836 0.522 1.5346 56.1(=νd2)
4* -3.421 0.064(=D23)
5* -2.186 0.459 1.6355 23.9(=νd3)
6* -4.857 0.272
7* 1.936 0.443 1.5346 56.1(=νd4)
8* 1.719 0.701
9* 100.000 0.300 1.5346 56.1(=νd5)
10* 3.123 0.097
11* 4.309 1.017 1.6142 26.0(=νd6)
12* 5.968(=R6r)0.119
13 ∞ 0.238 1.5168 64.2
14 ∞ 0.768
(像面) ∞
【0072】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=-2.088E-02,A
6=-1.023E-02,A
8=-8.691E-03,
A
10=9.684E-03,A
12=-1.055E-02,A
14=5.032E-03,A
16=-6.710E-04
第2面
k=0.000,A
4=-6.691E-02,A
6=-2.916E-02,A
8=-8.868E-03,
A
10=1.548E-02,A
12=3.994E-02,A
14=-4.925E-02,A
16=1.734E-02
第3面
k=0.000,A
4=-7.488E-02,A
6=-1.912E-02,A
8=-6.041E-02,
A
10=1.502E-01,A
12=-7.925E-02,A
14=1.589E-03,A
16=7.000E-03
第4面
k=0.000,A
4=-1.569E-02,A
6=-7.574E-02,A
8=1.218E-01,
A
10=-9.810E-02,A
12=9.445E-03,A
14=2.847E-02,A
16=-1.049E-02
第5面
k=0.000,A
4=1.285E-01,A
6=-1.224E-01,A
8=1.366E-01,
A
10=-1.031E-01,A
12=-2.725E-02,A
14=8.106E-02,A
16=-2.887E-02
第6面
k=0.000,A
4=5.791E-02,A
6=-2.348E-02,A
8=2.772E-03,
A
10=4.828E-03,A
12=-9.735E-03,A
14=1.406E-02,A
16=-3.998E-03
第7面
k=0.000,A
4=-1.189E-01,A
6=5.063E-03,A
8=-1.046E-02,
A
10=1.359E-03,A
12=-9.423E-04,A
14=3.641E-03,A
16=-1.316E-03
第8面
k=0.000,A
4=-8.514E-02,A
6=-9.069E-03,A
8=5.478E-04,
A
10=1.167E-03,A
12=8.254E-05,A
14=-5.007E-05,A
16=-4.482E-05
第9面
k=0.000,A
4=-5.123E-02,A
6=3.968E-03,A
8=-1.517E-03,
A
10=-3.192E-04,A
12=9.384E-05,A
14=3.503E-06,A
16=4.323E-05
第10面
k=0.000,A
4=-1.110E-01,A
6=2.878E-02,A
8=-8.182E-03,
A
10=1.074E-03,A
12=5.791E-05,A
14=3.028E-05,A
16=-2.305E-05
第11面
k=0.000,A
4=-9.515E-02,A
6=1.817E-02,A
8=-1.045E-03,
A
10=1.014E-04,A
12=-1.021E-04,A
14=2.363E-05,A
16=-8.053E-06
第12面
k=0.000,A
4=-4.547E-02,A
6=5.453E-03,A
8=-2.136E-04,
A
10=-5.780E-05,A
12=7.868E-06,A
14=-6.854E-07,A
16=2.237E-08
【0073】
f1=7.36mm
f2=4.12mm
f3=-6.70mm
f4=-99.75mm
f5=-6.04mm
f6=20.47mm
f45=-6.10mm
F1=4.77mm
【0074】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=0.91
f1/f2=1.79
f3/F1=-1.40
D12/D23=3.73
f45/f=-1.16
f6/f=3.91
f45/f6=-0.30
R6r/f=1.14
このように、本数値実施例5に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は5.93mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0075】
図14は、数値実施例5の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図15は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図14および
図15に示されるように、本数値実施例5に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0076】
数値実施例6
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.81mm、Fno=2.4、ω=32.0°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1* 1.842 0.575 1.5346 56.1(=νd1)
2*(絞り) 7.266 0.335(=D12)
3* -4.093 0.388 1.5346 56.1(=νd2)
4* -1.804 0.050(=D23)
5* -3.756 0.529 1.6355 23.9(=νd3)
6* 14.204 0.250
7* 8.100 0.412 1.5346 56.1(=νd4)
8* 4.557 0.287
9* 4.075 0.832 1.6142 26.0(=νd5)
10* 3.525 0.137
11* 2.845 1.160 1.5346 56.1(=νd6)
12* 2.837(=R6r)0.250
13 ∞ 0.200 1.5168 64.2
14 ∞ 0.598
(像面) ∞
【0077】
非球面データ
第1面
k=0.000,A
4=2.565E-03,A
6=-7.583E-03,A
8=5.292E-03,
A
10=7.267E-03,A
12=-1.791E-02,A
14=8.414E-03,A
16=-1.337E-03
第2面
k=0.000,A
4=-8.223E-03,A
6=-1.262E-02,A
8=7.831E-03,
A
10=6.333E-03,A
12=-9.244E-04,A
14=-2.581E-02,A
16=2.177E-02
第3面
k=0.000,A
4=-5.651E-02,A
6=1.536E-01,A
8=-3.153E-01,
A
10=4.294E-01,A
12=-2.195E-01,A
14=-2.262E-02,A
16=4.223E-02
第4面
k=0.000,A
4=1.180E-01,A
6=-1.005E-01,A
8=1.029E-01,
A
10=-6.200E-02,A
12=4.647E-02,A
14=-3.884E-02,A
16=3.229E-03
第5面
k=0.000,A
4=6.450E-02,A
6=-1.594E-01,A
8=1.428E-01,
A
10=-6.683E-02,A
12=-7.350E-02,A
14=1.102E-01,A
16=-5.785E-02
第6面
k=0.000,A
4=-4.423E-02,A
6=-2.042E-03,A
8=-8.354E-03,
A
10=1.835E-02,A
12=-3.205E-03,A
14=-6.587E-03,A
16=2.947E-03
第7面
k=0.000,A
4=-5.452E-02,A
6=-1.950E-04,A
8=6.967E-03,
A
10=5.352E-03,A
12=-1.721E-03,A
14=3.532E-04,A
16=-7.046E-05
第8面
k=0.000,A
4=-9.743E-02,A
6=7.161E-03,A
8=2.532E-05,
A
10=3.199E-04,A
12=4.700E-06,A
14=-3.275E-05,A
16=2.530E-04
第9面
k=0.000,A
4=-4.425E-02,A
6=-2.570E-02,A
8=4.511E-03,
A
10=-3.120E-04,A
12=-3.774E-03,A
14=1.613E-03,A
16=-4.085E-04
第10面
k=0.000,A
4=-6.716E-02,A
6=4.534E-03,A
8=-2.137E-03,
A
10=-5.641E-06,A
12=1.019E-04,A
14=2.893E-06,A
16=9.273E-07
第11面
k=0.000,A
4=-1.273E-01,A
6=6.786E-03,A
8=2.283E-03,
A
10=1.014E-04,A
12=-7.450E-06,A
14=-5.377E-06,A
16=-3.593E-07
第12面
k=0.000,A
4=-5.471E-02,A
6=1.899E-03,A
8=6.800E-04,
A
10=-1.062E-04,A
12=2.142E-06,A
14=1.033E-07,A
16=-9.696E-09
【0078】
f1=4.45mm
f2=5.70mm
f3=-4.62mm
f4=-20.32mm
f5=-100.17mm
f6=38.10mm
f45=-15.73mm
F1=5.27mm
【0079】
各条件式の値を以下に示す。
F1/f=1.10
f1/f2=0.78
f3/F1=-0.88
D12/D23=6.70
f45/f=-3.27
f6/f=7.93
f45/f6=-0.41
R6r/f=0.59
このように、本数値実施例6に係る撮像レンズは条件式(12)を除く上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10は空気換算長)は5.93mmであり、撮像レンズの小型化が図られている。
【0080】
図17は、数値実施例6の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図18は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図17および
図18に示されるように、本数値実施例6に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0081】
以上説明した本実施の形態に係る撮像レンズによれば、70°以上の広い画角(2ω)を実現することができる。ちなみに上述の数値実施例1〜6に係る撮像レンズは59.6°〜72.0°の広い画角を有する。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、従来の撮像レンズよりも広い範囲を撮影することが可能となる。
【0082】
また近年では、撮像レンズを通じて得られた画像の任意の領域を画像処理によって拡大するデジタルズーム技術の進歩により、高画素の撮像素子と高解像度の撮像レンズとが組み合わせられることが多くなってきた。こうした高画素の撮像素子では各画素の受光面積が減少するため、撮影した画像が暗くなる傾向にある。これを補正するための方法として、電気回路を用いて撮像素子の受光感度を向上させる方法がある。しかしながら、受光感度が上がると画像の形成に直接寄与しないノイズ成分も増幅されてしまうため、新たにノイズ低減のための回路が必要になる。数値実施例1〜6の撮像レンズのFnoは2.4と小さな値になっている。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、上記電気回路等を設けなくても十分に明るい画像を得ることができる。
【0083】
したがって、上記実施の形態に係る撮像レンズを携帯電話機、携帯情報端末、およびスマートフォン等の携帯機器に内蔵されるカメラや、デジタルスティルカメラ、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の撮像光学系に適用した場合、当該カメラの高機能化と小型化の両立を図ることができる。