(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間であることは、プラットホームドアの開扉開始信号の受信により検知される、ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間にあることは、プラットホームドアの閉扉完了信号の受信により検知される、ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
前記第3の時間区間の開始時点は前記プラットホームドアの閉扉開始信号の受信により検知され、かつ終了時点は前記プラットホームドアの閉扉完了信号の受信により検知される、ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
前記撮像部は、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間を異なる方向から撮影する2つの撮像部を包含し、それら2つの撮像部の1つが択一的に作動可能とされている、ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
プラットホーム上に設けられたプラットホームドアの各ドアに設けられる監視装置と、前記各監視装置と接続された撮像装置と、前記監視装置を管理する管理装置と、前記管理装置に対応して設けられる表示装置とを包含する監視システムであって、
前記監視装置が請求項1に記載された監視装置であり、さらに送信部を備え、
前記送信部は、前記状態判定部における判定により前記空間に支障物が存在すると判定した場合、前記空間に支障物が存在することを示す異常状態信号と前記第2の画像とを前記管理装置に対して送信し、
前記管理装置は、受信部と、表示制御部とを包含し、
前記受信部は、前記各監視装置から受信した異常状態信号と前記第2の画像とを、前記各監視装置と対応付けて受信し、
前記表示制御部は、前記各監視装置と対応付けて受信した異常状態信号と前記第2の画像とに基づいて、前記表示装置に対して、前記プラットホームドアのうちのいずれのドアが異常状態にあるかを示す情報と、当該ドアに対応する第2の画像とを表示するよう表示制御する、
ことを特徴とする監視システム。
プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置された撮像部を介して得られる画像データに基づく監視方法であって、
前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第1の画像として取得するステップと、
前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第2の画像として取得するステップと、
前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間に、前記撮像部を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得するステップと、
前記取得された連続画像から少なくとも2以上の画像を参照画像として取得し、前記参照画像に基づいて前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の移動物体の有無を判定するステップと、
前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定するステップと、を具備する、ことを特徴とする監視方法。
プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置された撮像部を介して得られる画像データに基づく監視方法をコンピュータにより実行するためのコンピュータプログラムであって、
前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第1の画像として取得するステップと、
前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第2の画像として取得するステップと、
前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間に、前記撮像部を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得するステップと、
前記取得された連続画像から少なくとも2以上の画像を参照画像として取得し、前記参照画像に基づいて前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の移動物体の有無を判定するステップと、
前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定するステップと、を具備する、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の装置にあっては、基準画像は固定的であるため、実際の撮像画像に安全上問題がない物等が一時的に置かれている場合等にも、異常状態にあると判定してしまうおそれがある。また、基準画像の撮像条件(例えば光の条件等)と、実際の画像撮像時の撮像条件等とが著しく異なれば、誤判定による誤作動を起こすおそれもある。
【0007】
本発明は上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、プラットホームドアと車両との間の領域を適切に監視することにより、当該領域における支障物の有無に関して誤判定のおそれが少ない監視装置、方法、プログラム、並びに、監視システムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的な課題は、以下の構成を有する本発明の監視装置、方法、プログラム、並びに、監視システムにより解決することができる。
【0010】
すなわち、本発明に係る監視装置は、撮像部により撮像された画像を取得する画像取得制御部と、状態判定部とを包含する。
【0011】
前記撮像部は、プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置される。
【0012】
前記画像取得制御部は、前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第1の画像として取得する第1の画像取得制御部と、前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第2の画像として取得する第2の画像取得制御部と、を含む。
【0013】
前記状態判定部は、前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定する。
【0014】
このような構成によれば、電車等の車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間に、監視領域において撮像された画像を基準として、支障物の判定処理を行うので、車両ドア並びにプラットホームドアが開く前の直近の画像を基準として判定処理を行うことができ、これにより、安全上問題の無い物の同領域における一時的な映り込みや、撮像条件の変更(光の条件等)等による誤作動等を回避でき、誤判定の少ない監視を行うことができる。
【0015】
本発明に係る監視装置にあっては、前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間であることは、プラットホームドアの開扉開始信号の受信により検知される、ものであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、確実に車両ドア及びプラットホームドアが開く直前の状態を撮像することができる。
【0017】
本発明に係る監視装置にあっては、前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間にあることは、プラットホームドアの閉扉完了信号の受信により検知される、ものであってもよい。
【0018】
このような構成によれば、プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの時間区間を、プラットホームドアの閉扉完了信号に基づいて検出するので、基準画像と現在画像との照合を確実に行うことができる。
【0019】
本発明に係る監視装置にあっては、前記画像取得制御部は、前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間に、前記撮像部を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得する第1の連続画像取得部をさらに含み、前記状態判定部は、前記取得された連続画像に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の移動物体の有無を判定する、ものであってもよい。
【0020】
このような構成によれば、車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの時間区間において、当該時間区間に撮像された時系列的な複数の画像に基づいて移動体を判定し、警戒情報の生成を行うので、支障物判定直前の移動体の存在の有無や、後に支障物となり得る移動体の移動経緯等を把握することができる。
【0021】
このとき、前記第3の時間区間の開始時点は前記プラットホームドアの閉扉開始信号の受信により検知され、かつ終了時点は前記プラットホームドアの閉扉完了信号の受信により検知される、ものであってもよい。
【0022】
このような構成によれば、前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間にあることを、プラットホームドアに関する閉扉開始信号と閉扉完了信号とに基づいて検出している。そのため、プラットホームドアが閉扉を完了するまでの直前の時間区間を確実に特定することができる。
【0023】
本発明に係る監視装置にあっては、前記状態判定部は、前記連続画像のうち、前記プラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた所定領域を監視領域として、移動物体の有無を判定する、ものであってもよい。
【0024】
このような構成によれば、車両内の人等の動きやホーム上の歩行者等の動き等を予め検出対象から排除でき、又、移動体検出の演算処理負荷を抑制することもできる。
【0025】
本発明に係る監視装置にあっては、前記状態判定部は、前記監視領域内において、前記プラットホームドアの壁面への乗客の映り込みを移動物体として認識することを排除しつつ、移動物体の有無を判定する、ものであってもよい。
【0026】
このような構成によれば、移動体として検出すべきでない誤検出要因を適切に排除することができる。
【0027】
本発明に係る監視装置にあっては、前記撮像部により撮像可能とされた前記所定領域には、車両不在時にあっては、線路領域がさらに含まれており、かつ前記画像取得制御部は、車両不在時にあっては、前記撮像部を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得する第2の連続画像取得部をさらに含み、前記状態判定部は、前記車両不在時に取得された連続画像に基づいて、車両不在時の前記所定領域の移動物体の有無を判定する、ものであってもよい。
【0028】
このような構成によれば、車両在線時のみならず、車両不在時にも監視装置を活用することとなるので、装置の有効活用ができると共に、線路内への立ち入りや、プラットホームドアへの接近者等を警戒することができる。これにより、さらに、旅客や運航の安全を向上させることができる。
【0029】
本発明に係る監視装置にあっては、前記撮像部は、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間を異なる方向から撮影する2つの撮像部を包含し、それら2つの撮像部の1つが択一的に作動可能とされている、ものであってもよい。
【0030】
このような構成によれば、より好適な撮像条件下の撮像画像を得ることができ、より誤判定を少なくできる。
【0031】
別の一面から見た本発明は、監視システムとして把握することもできる。すなわち、この監視システムは、前記プラットホームドアの各ドアに設けられる監視装置と、前記各監視装置と接続された撮像装置と、それらの監視装置を管理する管理装置と、前記管理装置に対応して設けられる表示装置とを包含する。
【0032】
加えて、前記監視装置は、撮像装置と、画像取得制御部と、状態判定部と、送信部とを包含する。
【0033】
前記撮像装置は、プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置される。
【0034】
前記画像取得制御部は、前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像装置を介して得られた画像を第1の画像として取得する第1の画像取得制御部と、前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像装置を介して得られた画像を第2の画像として取得する第2の画像取得制御部と、を含む。
【0035】
前記状態判定部は、前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定する。
【0036】
前記送信部は、前記状態判定部における判定により前記空間に支障物が存在すると判定した場合、前記空間に支障物が存在することを示す異常状態信号と前記第2の画像とを前記管理装置に対して送信する。
【0037】
前記管理装置は、受信部と、表示制御部とを包含する。
【0038】
前記受信部は、前記各監視装置から受信した異常状態信号と前記第2の画像とを、前記各監視装置と対応付けて受信する。
【0039】
前記表示制御部は、前記各監視装置と対応付けて受信した異常状態信号と前記第2の画像とに基づいて、前記表示装置に対して、前記プラットホームドアのうちのいずれのドアが異常状態にあるかを示す情報と、当該ドアに対応する第2の画像とを表示するよう表示制御する。
【0040】
このような構成によれば、表示部を通じて、いずれのドアにおいて異常が存在するかということを、画像と併せて容易に確認することができる。
【0041】
本発明に係る監視システムにあっては、前記監視装置はさらに、画像強調情報生成部を有し、前記画像強調情報生成部は、前記第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、支障物と判定される領域を強調表示するための画像強調情報を生成し、前記監視装置の送信部は、さらに、前記画像強調情報を送信し、前記管理装置の受信部は、さらに、前記各監視装置から受信した画像強調情報を、前記各監視装置と対応付けて受信し、前記管理装置の表示制御部は、さらに、前記各監視装置と対応付けて受信した前記第2の画像と前記画像強調情報とに基づいて、前記表示装置に対して、支障物に相当する領域が強調された画像を表示する、ものであってもよい。
【0042】
このような構成によれば、支障物に相当する部分を容易に把握することができる。
【0043】
本発明に係る監視システムにあっては、前記画像取得制御部は、さらに、前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間に、前記撮像装置を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得する第1の連続画像取得部をさらに含み、前記状態判定部は、さらに、前記取得された連続画像に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の移動物体の有無を判定し、前記送信部は、さらに、前記状態判定部における判定により前記空間に移動物体が存在すると判定した場合、前記空間に移動物体が存在することを示す警戒状態信号と、前記第2の画像とを前記管理装置に対して送信し、前記受信部は、さらに、前記各監視装置から受信した警戒状態信号と前記第2の画像とを、前記各監視装置と対応付けて受信し、前記表示制御部は、さらに、前記各監視装置と対応付けて受信した警戒状態信号と前記第2の画像とに基づいて、前記表示装置に対して、前記プラットホームドアのうちのいずれのドアが警戒状態にあるかを示す情報と、当該ドアに対応する第2の画像とを表示するよう表示制御する、ものであってもよい。
【0044】
このような構成によれば、車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの時間区間において、当該時間区間に撮像された時系列的な複数の画像に基づいて移動体を判定し、警戒情報の生成を行うので、支障物判定直前の移動体の存在の有無や、後に支障物となり得る移動体の移動経緯等を把握することができる。また、表示部を通じて、いずれのドアが警戒状態にあるかを、画像と併せて容易に確認することができる。
【0045】
本発明に係る監視システムにあっては、前記監視システムは、さらに、前記管理装置と接続され、プラットホームドア全体のドアの開閉に関する管理を行う総合制御装置と、前記総合制御装置と接続され、プラットホームドアの各ドアの開閉を個別に制御する個別制御装置とを包含し、前記管理装置は、さらに、異常/警戒情報送信部を含み、前記異常/警戒情報送信部は、前記受信部にて異常状態信号を受信した場合には、前記総合制御装置に対して、異常状態信号を当該異常状態信号と関連する監視装置の情報と共に送信し、前記受信部にて警戒状態信号を受信した場合には、前記総合制御装置に対して、警戒状態信号を当該警戒状態信号と関連する監視装置の情報と共に送信し、前記総合制装置は、さらに、開扉信号送信部を含み、前記開扉信号送信部は、前記異常状態信号を受信した場合には、当該異常状態信号に関連する監視装置が監視するドアを制御する個別制御装置に対して開扉信号を送信し、一方、前記警戒状態信号を受信した場合には、前記個別制御盤に対して開扉信号を送信せず、前記個別制御盤は、前記総合制御盤からの前記開扉信号に応じて、プラットホームドアの各ドアの開扉の制御を行う、ものであってもよい。
【0046】
このような構成によれば、異常状態にあるプラットホームドアの再度の開扉を自動的に行うことができる。
【0047】
別の一面から見た本発明は、監視方法として把握することもできる。すなわち、この監視方法は、プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置された撮像部を介して得られる画像データに基づく監視方法であって、
前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第1の画像として取得するステップと、
前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第2の画像として取得するステップと、
前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定するステップとを具備する、ことを特徴とするものである。
【0048】
このような構成によれば、電車等の車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間に、監視領域において撮像された画像を基準として、支障物の判定処理を行うので、車両ドア並びにプラットホームドアが開く前の直近の画像を基準として判定処理を行うことができ、これにより、安全上問題の無い物の同領域における一時的な映り込みや、撮像条件の変更(光の条件等)等による誤作動等を回避でき、誤判定の少ない監視方法を提供することができる。
【0049】
別の一面から見た本発明は、コンピュータプロクラムとして把握することもできる。すなわち、このコンピュータプロクラムは、プラットホーム上に設けられたプラットホームドアと前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を撮像可能に配置された撮像部を介して得られる画像データに基づく監視方法をコンピュータにより実行するためのコンピュータプログラムであって、
前記車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの第1の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第1の画像として取得するステップと、
前記プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの第2の時間区間に、前記撮像部を介して得られた画像を第2の画像として取得するステップと、
前記取得された第1の画像と前記第2の画像との照合結果に基づいて、前記プラットホームドアと前記車両ドアとの間に挟まれた空間の支障物の有無を判定するステップとを具備する、ことを特徴とするものである。
【0050】
このような構成によれば、電車等の車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間に、監視領域において撮像された画像を基準として、支障物の判定処理を行うので、車両ドア並びにプラットホームドアが開く前の直近の画像を基準として判定処理を行うことができ、これにより、安全上問題の無い物の同領域における一時的な映り込みや、撮像条件の変更(光の条件等)等による誤作動等を回避でき、誤判定の少ない監視プログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0051】
本監視装置、方法、プログラム、及びシステムによれば、車両の停車後、プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間に、監視領域において撮像された画像を基準として、支障物の判定処理を行うので、プラットホームドアと車両との間の領域における支障物の有無に関して誤判定のおそれが少ない監視装置、方法、プログラム並びに監視システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
<1. 第1の実施形態>
以下、
図1乃至
図12を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0054】
<1.1 システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係るシステムの全体像を示す。
【0055】
プラットホームに停車している車両1は、ATO(Automatic Train Operation)等に関する上位装置2と接続されている。また、上位装置2は、プラットホームドアの開閉を主に管理する総合制御盤3と接続される。さらに、総合制御盤3は、プラットホームドアと車両1との間の所定の領域を監視する複数の監視ユニット7を管理する管理ユニット5と接続される。加えて、管理ユニット5は、各監視ユニット7から送信された異常/警戒情報や監視画像等を表示するための表示部6と接続される。なお、上述の種々の装置、制御盤又はユニットは、特定の機能を発揮する専用機であってもよいし、CPU等の演算部、メモリやハードディスク等の記憶部、他の機器との有線又は無線の通信を行うための通信部、キーボードやボタン等の入力インタフェース、及びモニタやプリンタ等の出力インタフェース等のいずれか又はすべてを備えた汎用機であってもよい。
【0056】
次に、車両ドア及びプラットホームドアの開閉の際に送受信される信号の流れについて、
図1を再度参照しつつ説明する。先ず、車両及びプラットホームドアの開扉時の信号の流れについて説明する。
【0057】
プラットホームに進入し、停車した車両1は、車両1のドアを開けようとすることを表す車両ドアの開信号をATO等に関する上位装置2に対して送信する。当該開信号を受信した上位装置2は、上記車両ドアの開信号を、プラットホームドアの開閉に関する制御を行う総合制御盤3へと送信する。
【0058】
総合制御盤3は、前記車両のドアの開信号を受信した後、プラットホームドアの開信号をプラットホームドアの各ドアを個別に制御する個別制御盤4に対して送信すると共に、プラットホームドアの開閉状態に関する開閉状態信号を管理ユニット5に対して送信する。その後、個別制御盤4は当該開信号を受け、プラットホームドアの各ドアを開く。なお、総合制御盤3から管理ユニット5に対して送信される上述のプラットホームドアの開閉状態に関する開閉状態信号には、プラットホームドアの各ドアを開き始めることを示す開扉開始信号等が含まれる。すなわち、総合制御盤3からは、管理ユニット5に対して、プラットホームドアの開扉を表す開開始タイミング等を表す信号が送信される。管理ユニット5は、プラットホームドアの開閉状態信号を各監視ユニット7に対して送信する。このプラットホームドアの開閉状態に関する信号は、後述のプラットホームドアの監視処理において利用される。
【0059】
また、上述の総合制御盤3による個別制御盤4への開扉信号の送信と同時又はその後に、総合制御盤3は、上位装置2に対して車両ドアの開信号の受信を確認する受信確認信号(受信ACK)を送信する。上位装置2は、当該受信確認信号を受け、受信確認信号(受信ACK)を車両1へと送信し、車両1は当該受信確認信号の受信後、車両ドアを開く。以上の通り、車両ドア及びプラットホームドアの開扉処理が行われる。
【0060】
次に、車両及びプラットホームドアの閉扉時の信号の流れについて説明する。車両1は、車両ドアの閉扉処理を行うと共に車両ドアの閉信号を上位装置2に送信する。上位装置2は、当該閉信号を受け、総合制御盤3に対して、車両ドアの閉信号を送信する。総合制御盤3は、車両ドアの閉信号を受け、個別制御盤4に対して、ドアの閉信号を送信する。また、各個別制御盤4は、ドアの閉処理を行うと共に、プラットホームドアの各ドアの開閉状態を表す各ドアの開閉状態信号を総合制御盤3に対して送信する。なお、当該ドアの開閉状態信号には、ドアが閉じることを完了したことを表す閉扉完了信号等が含まれる。
【0061】
総合制御盤3は、管理ユニット5に対して、ドアの開閉状態信号を送信する。この開閉状態信号には、プラットホームドアの各ドアを閉じ始めることを示す閉扉開始信号及び、各ドアが閉まることを完了したことを示す閉扉完了信号等が含まれる。すなわち、総合制御盤3からは、管理ユニット5に対して、プラットホームドアの各ドアの閉開始タイミング、閉完了タイミング等を表す信号が送信される。管理ユニット5は、プラットホームドアの開閉状態信号を各監視ユニット7に対して送信する。このプラットホームドアの開閉状態に関する信号は、後述のプラットホームドアの監視処理において利用される。以上の通り、車両ドア及びプラットホームドアの閉扉処理が行われる。
【0062】
ここで、車両の在線状態信号について説明する。車両がプラットホームに進入又は停車した場合、上位装置2は、車両が存在することを表す在線状態を検出する。これは、例えば、上位装置2と車両1との間で無線接続が確立されたこと等に基づいて検出してもよいし、他のセンサ情報等(赤外線センサ情報や撮像センサ情報等)に基づいて検出してもよい。上位装置2は、当該車両1の在線状態を検出後、総合制御盤3に対して、車両が在線していることを表す在線状態信号を送信する。当該在線状態信号を受信した総合制御盤3は、当該在線状態信号を管理ユニット5に対して送信する。さらに、管理ユニット5は、当該在線状態信号に基づき、各監視ユニット7に対して、在線状態信号を送信する。すなわち、少なくとも上位装置2、総合制御盤3、管理ユニット5及び監視ユニット7は、車両1のプラットホームにおける在線状態に関する情報を有する。
【0063】
一方、車両がプラットホームから出線した場合、又はプラットホームに車両不在の場合、上位装置2は、車両の不在を表す在線状態を検出する。これは、例えば、上位装置2と車両1との間で無線接続が切断されたこと等に基づいて検出してもよいし、他のセンサ情報等(赤外線センサ情報や撮像センサ情報等)に基づいて検出してもよい。上位装置2は、当該車両1の在線状態を検出後、総合制御盤3に対して、車両が不在であることを表す在線状態信号を送信する。当該在線状態信号を受信した総合制御盤3は、当該在線状態信号を管理ユニット5に対して送信する。さらに、管理ユニット5は、当該在線状態信号に基づき、各監視ユニット7に対して、在線状態信号を送信する。すなわち、少なくとも上位装置2、総合制御盤3、管理ユニット5及び監視ユニット7は車両1のプラットホームにおける在線状態に関する情報を有する。
【0064】
各監視ユニット7は、後述するように、前記ドアの開閉状態信号に応じて撮像処理等を行うことにより前記所定領域の監視を行い、前記所定領域中に支障物又は移動体等が存在する場合には異常状態或いは警戒状態にあると判定し、異常/警戒情報、及び当該異常/警戒状態のときの監視画像等を、管理ユニット5に対して送信する。
【0065】
管理ユニット5は、上述の異常/警戒情報、監視画像等を受信した場合、それらの情報に応じた画像を表示部6に表示するよう表示処理を行う。また、当該異常/警戒情報を総合制御盤3へと送信する。
【0066】
総合制御盤3は、上記異常/警戒情報を受信した場合、当該情報を上位装置2へと送信すると共に、異常状態を示すドアに対応する個別制御盤4へとドアの開信号を送信する。すなわち、監視ユニット7により異常状態にあると判定されたドアに対して開信号を送信する。当該開信号を受信した個別制御盤4はドアの開扉制御を行う。
【0067】
<1.2 監視ユニットの構成>
次に、監視ユニット7のプラットホーム上における配置例について
図2を参照しつつ、説明する。
【0068】
図2(A)は、監視ユニット7のプラットホーム上における配置例を示す。プラットホームドア11はプラットホーム9上に設けられており、旅客の線路10への転落防止や電車への接触の防止等の役割を果たす。プラットホームドア11は複数のドアを有しており、各ドアは2枚の摺動可能なドア板12から構成される。各ドアのドア板12は対応する個別制御盤4(図示せず)により制御され、戸袋8に格納可能に構成される。
【0069】
同図において、監視ユニット7は、カメラ等により構成される撮像部14と共に、プラットホームドア11の線路10側の側面に設けられた格納筐体13内に配置される。なお、当該格納筐体はプラットホームドアと一体であってもよいし、別体であってもよい。撮像部14は、少なくとも、プラットホームドア11と前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域(以下、監視領域と呼ぶ)を撮像可能に配置されており、監視ユニット7により制御される。また、監視ユニット7は、前記撮像部により撮像された画像を取得する画像取得制御部(図示せず)や、当該画像取得制御部により取得された画像に基づき、前記所定領域の状態(異常状態又は警戒状態)を判定する状態判定部(図示せず)等の情報処理部を含んでいる。
【0070】
図2(B)は、監視ユニット7を正面から見た図である。上述の通り、同図において、監視ユニット7を構成する格納筐体13は、プラットホームドア11の線路10側の側面に一体に設けられている。格納筐体13の一部には撮像用の透過部或いは孔部等が設けられており、撮像部14は当該透過部或いは孔部を通じて、格納筐体13外部を撮像可能に構成される。
【0071】
<1.3 監視動作>
次に、プラットホームドア11と前記プラットホームに停車する車両の車両ドアとの間に挟まれた空間を含む所定領域を監視する監視動作について、
図3乃至
図10を参照しつつ、詳細に説明する。
【0072】
図3は、監視ユニット7が行う監視動作の概要について説明するゼネラルフローチャートである。
【0073】
まず、監視ユニット7は、電車等の車両がプラットホームに停車したのち(車両の在線状態信号等で確認)、前記プラットホームドア11が開き始めるまでの時間区間に、撮像部を用いて監視領域を撮像した、プラットホームドアと車両ドアとが両方閉じた状態の画像を、基準となる画像、すなわち基準画像として取得する(S100)。
【0074】
次に、監視ユニット7は、前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの時間区間に、前記撮像部を介して時系列的に得られた複数の画像を連続画像として取得し、当該連続画像に基づいて、当該時間区間に前記監視領域に人や物等の移動体が存在しているかを判定し、前記監視領域に人や物等の移動体が存在すると判定した場合には、警戒情報を管理ユニット5に対して送信する(S200)。
【0075】
その後、監視ユニット7は、プラットホームドア11が閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの時間区間に、前記撮像部を用いて前記監視領域を撮像した画像を、現在画像として取得する。そして、前記基準画像と当該現在画像とを比較して、両者の間に所定の差分が存在する場合、当該差分部分において、車両運行や旅客の安全にとって好ましくない支障物が存在する異常状態であると判定し、当該異常状態と判定した場合には、異常情報を管理ユニット5に対して送信する(S300)。
【0076】
すなわち、このような構成によれば、電車等の車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドア11が開き始めるまでの時間区間に、監視領域において撮像された画像を基準として、支障物の判定処理を行うので、車両ドア並びにプラットホームドアが開く前の直近の画像を基準として判定処理を行うことができ、これにより、安全上問題の無い物の同領域における一時的な映り込みや、撮像条件の変更(光の条件等)等による誤作動等を回避でき、誤判定の少ない監視を行うことができる。
【0077】
また、車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの時間区間においては、当該時間区間に撮像された時系列的な複数の画像に基づいて移動体を判定し、警戒情報の生成を行うので、最終的な支障物判定直前の移動体の存在の有無や、後に支障物となり得る移動体の移動経緯等を把握することができる。
【0078】
<1.3.1 基準画像の取得処理>
図4を参照しつつ、基準画像取得処理(S100)の詳細について、説明する。なお、この処理(S100)は、例えば、車両の在線状態信号等により車両の停車が確認されたことを前提として実行される。
【0079】
監視ユニット7は、プラットホームドアの開扉開始信号を受信するまで(S102NO)、受信したデータの読出処理を行う(S101)。その後、管理ユニット5から送信された開扉開始信号を受信した場合(S102YES)、監視ユニット7は、カメラ等の撮像部14に対して撮像を行うことを要求する撮像指令信号を送信する(S103)。その後、撮像部14は前記撮像指令信号を受信すると、前記監視領域の静止画像を撮像し、当該撮像画像を監視ユニット7へと送信する。
【0080】
監視ユニット7は、撮像指令信号の送信後(S103)、撮像画像の取得されるまで(S105NO)、撮像画像の読出処理を繰り返す(S104)。その後、撮像画像を取得した場合(S105YES)、当該撮像画像を基準画像として、内部メモリ等に記憶する処理を行う(S106)。
【0081】
すなわち、本実施形態に係る基準画像の取得処理においては、電車等の車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドア11が開き始めるまでの時間区間にあることを、プラットホームドアの開扉開始信号に基づいて検出している。そのため、確実に車両ドア及びプラットホームドアが開く直前の状態を撮像することができる。なお、本基準画像の取得処理は、プラットホームに車両が進入する都度、行うことが望ましい。これにより、直近の状態を基準として状態判定を行うことができるので、より誤判定等が少ない監視等を行うことができる。
【0082】
なお、上記では、車両がプラットホームに停車した後、プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間を、プラットホームドアの開扉開始信号により検出したが、これに限定されない。従って、例えば、在線状態信号を用いて、車両のプラットホームへの在線開始時点又は当該時点から所定時間経過後の時点をタイマを介して検出してもよいし、車両ドアの開信号を直接検出するような構成としてもよい。また、撮像部14によって取得された画像を介して車両がプラットフォームに停車したことを検出してもよい。さらには、撮像部14によって取得された画像を介して、車両ドアが開き始めることを検出し、当該検出時点から1乃至複数の時間ステップ(例えばフレーム等)前の、プラットホームドアと車両ドアとがいずれも閉じているときの画像を基準画像としてもよい。このような画像自体を用いた検出構成によれば、監視ユニット7は、プラットホームドアの開閉状態信号や車両の在線状態信号等を得ずとも、車両がプラットホームに停車した後、プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間にある画像を検出することができる。
【0083】
<1.3.2 予備警戒処理>
次に、
図5乃至7を参照しつつ、予備警戒処理(S200)の詳細フローについて説明する。監視ユニット7は、予備警戒処理が開始すると、プラットホームドアに関する閉扉開始信号を受信するまで(S202NO)、受信信号の読出処理を行う(S202)。プラットホームドアの閉扉開始信号を受信した場合(S202YES)、後述する移動体検出処理を開始する(S203)。その後、プラットホームドアに関する閉扉完了信号を受信するまで(S205NO)、再び受信信号の読出処理を行う(S204)。プラットホームドアに関する閉扉完了信号を受信した場合(S205YES)、移動体検出処理を終了する処理を行う(S206)。
【0084】
すなわち、本実施形態に係る予備警戒処理においては、前記車両ドアが閉じ始めてから、前記プラットホームドアが完全に閉じるまでの第3の時間区間にあることを、プラットホームドアに関する閉扉開始信号と閉扉完了信号とに基づいて検出している。そのため、プラットホームドアが閉扉を完了するまでの直前の時間区間を確実に特定することができる。
【0085】
次に、
図6を参照しつつ、移動体検出処理の詳細について説明する。移動体検出処理が開始されると、撮像部に対して動画像の撮像指令がなされ、監視ユニット7は、当該動画像のうちから少なくとも2以上の画像を取得する(S2031)。ここで、2以上の画像とは、移動体を検出するための差分検出のために参照される画像であり、例えば、現在時間tにおける画像をI(t)としたとき、I(t)とI(t−1)の組み合わせであってもよいし、I(t)とI(t+1)の組み合わせであってもよいし、さらに、I(t)とI(t−2)又はI(t)とI(t+2)の組み合わせであってもよい。また、3以上の画像を参照して移動体検出処理等を行う場合には、例えば、I(t−1)とI(t)とI(t+1)の組み合わせであってもよく、I(t−2)とI(t)とI(t+2)の組み合わせであってもよい。なお、それ以上の画像を用いてもよいことは言うまでもない。
【0086】
次に、監視ユニット7は、上記2以上の画像に基づいて、移動体の検出処理を行う(S2032)。移動体の検出処理手法については種々の従来手法を用いることができる。例えば、勾配法やブロックマッチング法等を用いて算出したオプティカルフローに基づいて移動体を検出する手法や、背景差分に基づいて移動体を検出する手法等が知られている。
【0087】
移動体の検出処理を行う場合の検出対象領域について、
図7を用いて説明する。同図においては、車両ドアとホームドアとの間の領域が、移動体の検出対象領域20として設定されている(同図破線部内)。このように、撮像部の視野のうち、一定領域を移動体検出対象領域として設定することで、車両内の人等の動きやホーム上の歩行者等の動き等を予め検出対象から排除でき、又、移動体検出の演算処理負荷を抑制することもできる。
【0088】
また、検出対象領域20内であっても、影や車両内の人等のホームドア表面への映り込み等、画像同士の比較においては差分となるものの、移動体として検出すべきでない誤検出要因が存在する。そのような誤検出を防止するため、種々の公知の影排除フィルタや映り込み排除フィルタ等を併せて使用することが好適である。
【0089】
移動体検出処理(S2032)において、検出対象領域内に移動体が存在しない場合(S2033NO)、管理ユニット5に対して、当該検出対象領域内に移動体が存在しないことを通知する正常通知処理を行う(S2034)。正常通知処理とは、具体的には、移動体が存在しないことを表す信号を管理ユニット5に対して送信する処理であり、当該信号と併せて、当該移動体検出処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニット固有のIDや、移動体が存在しないと判定された画像を送信してもよい。なお、移動体が存在しない場合は、当該正常通知を省略してもよい。
【0090】
一方、移動体検出処理(S2032)において、検出対象領域内に移動体が存在する場合(S2033YES)、管理ユニット5に対して、当該検出対象領域内に移動体が存在し、警戒状態にあることを通知する警戒通知処理を行う(S2035)。警戒通知処理とは、具体的には、移動体が存在し、警戒すべき状態にあることを表す信号を管理ユニット5に対して送信する処理であり、当該信号と併せて、当該移動体検出処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニットに固有のIDや、移動体が存在すると判定された画像、さらに、画像中に存在する移動体部分を強調表示するための情報(例えば、移動体と判断される部分の輪郭領域を表す情報、当該輪郭領域を含む大まかな移動体位置を表すための矩形領域情報、移動体を強調表示するための色情報等)を送信してもよい。
【0091】
移動体検出処理においては、以上の処理が、移動体検出処理の終了処理(S206)がなされるまで、連続的に行われる。なお、当該予備警戒処理時の画像等は監視ユニットの内部メモリ又は管理ユニット5の内部メモリ等に保存されてもよい。このような保存によれば、後に支障物と成り得る人や物の経緯等を何度でも目視確認することができる。
【0092】
なお、上記では、車両ドアが閉じ始めてから、プラットホームドアが完全に閉じるまでの時間区間にあることを、プラットホームドアに関する閉扉開始信号と閉扉完了信号とに基づいて検出しているが、これに限定されない。従って、例えば、車両ドアの閉扉開始と閉扉完了信号を直接用いて検出してもよいし、プラットホームドアに関する閉扉開始信号の受信時点から閉扉完了に要する所定時間予備警戒処理を行うような構成としてもよい。また、撮像部14を介して取得された画像に基づいて、プラットホームドアや車両ドアが閉じ始める時点と、閉じたことを完了した時点を検出してもよい。
【0093】
<1.3.3 支障物確認処理>
次に、
図8乃至10を参照しつつ、基準画像を用いた支障物確認処理(S300)の詳細について説明する。
【0094】
図8を参照しつつ、支障物確認処理の詳細フローについて説明する。支障物確認処理が開始すると、まず、プラットホームドアの閉扉完了信号を受信するまで(S302NO)、受信信号の読出処理を行う(S301)。閉扉完了信号を受信した場合(S302YES)、後述する支障物判定処理がなされる(S303)。
【0095】
支障物判定処理(S303)の結果、前記監視領域に支障物が存在すると判定された場合(S304YES)、前記監視ユニット7は、前記管理ユニット5に対して、異常通知処理を行う(S305)。異常通知処理とは、具体的には、監視領域内に閉扉完了後にも支障物が存在しており、異常状態にあることを示す信号を送信する処理であり、当該信号と併せて、当該支障物判定処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニット7に固有のIDや、支障物が存在すると判定された画像、さらに、画像中に存在する支障物を強調表示するための情報(例えば、支障物と判断される部分の輪郭領域を表す情報、当該輪郭領域を含む大まかな移動体位置を表すための矩形領域情報、支障物を強調表示するための色情報等)を送信してもよい。
【0096】
一方、支障物判定処理(S303)の結果、前記監視領域に支障物が存在しないと判定された場合(S304NO)、前記監視ユニット7は、前記管理ユニット5に対して、正常通知処理を行う(S306)。正常通知処理とは、具体的には、監視領域内に支障物が存在しないことを表す信号を管理ユニット5に対して送信する処理であり、当該信号と併せて、当該支障物判定処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニット7に固有のIDや、支障物が存在しないと判定された画像を送信してもよい。なお、支障物が存在しない場合は、当該正常通知を省略してもよい。
【0097】
すなわち、本実施形態に係る支障物確認処理によれば、プラットホームドア11が閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの時間区間を、プラットホームドアの閉扉完了信号に基づいて検出してその都度に基準画像を取得するので、基準画像と現在画像との照合を適切に行い、真の支障物のみを確実に検出することができる。
【0098】
なお、上述の例では、閉扉の完了を閉扉完了信号に基づいて検出しているが、これに限定されない。従って、例えば、閉扉の完了を、撮像部14を介して取得された画像に基づいて検出してもよいし、他のセンサ(例えば、赤外線センサ等)情報に基づいて検出してもよい。
【0099】
次に、
図9を参照しつつ、支障物判定処理(S303)の詳細について説明する。支障物判定処理が開始すると、監視ユニット7は撮像部14に対して画像の撮像要求を行う(S3031)。撮像部14は、前記撮像要求を受けて、前記監視領域の撮像を行い、前記監視ユニット7に対して、撮像画像を送信する。監視ユニット7は、前記撮像画像を取得するまで(S3033NO)、撮像画像の読出処理を行う(S3032)。その後、撮像部より撮像画像を取得した場合(S3033YES)、当該画像を現在画像として内部メモリ等の記憶部に記憶させる(S3034)。
【0100】
続いて、監視ユニット7は、前述の基準画像と上記現在画像との照合処理を行う(S3035)。その結果、現在画像と基準画像との間の差分が無いか又は差分が所定の基準以内である場合には(S3037YES)、支障物が存在しないものと判定する(S3037)。一方、現在画像と基準画像との間の差分が所定の基準以上存在する場合には(S3036NO)、支障物が存在するものと判定する(S3038)。なお、支障物が存在するものと判定された場合、画像中の当該支障物を強調表示するための情報(例えば、支障物と判断される部分の輪郭領域を表す情報、当該輪郭領域を含む大まかな移動体位置を表すための矩形領域情報、支障物を強調表示するための色情報等)を併せて算出する。
【0101】
ここで、基準画像と現在画像との間の照合処理は、画像間の差分の有無又は差分部分を特定する公知のいずれの手法であってもよいが、例えば、背景差分法により行ってもよい。すなわち、背景差分法によれば、事前取得画像たる基準画像(背景画像と呼んでもよい)と観測画像たる現在画像との差分から、事前取得画像には存在しない部分、すなわち支障物を検出することができる。
【0102】
図10を参照しつつ、背景差分法を用いて、支障物の照合処理を行った場合の具体例について説明する。
図10(a)、(b)、及び(c)はいずれも撮像部を介して車両ドアとドア板との間の領域を撮像した画像である。
図10(a)は、車両がプラットホームに停車したのち、前記プラットホームドアが開き始めるまでの時間区間に撮像された画像、すなわち基準画像である。
図10(b)は、プラットホームドアが閉じたのち、前記車両が動き始めるまでの時間区間に撮像された画像、すなわち現在画像である。なお、
図10(b)では傘が車両ドアに挟まれた状態となっている。
【0103】
照合処理においては、背景差分法により基準画像と現在画像とが照合される(S3036)。本例においては、両画像間の相違は、車両ドアに挟まれている傘部分であるので、当該部分について差分量が所定の基準以上となり(S3036NO)、すなわち、現在画像に支障物が存在するものと判定される(S3038)。なお、当該照合により差分が存在する場合には、
図10(c)に示す通り、当該支障物部分について、差分部分を強調する画像強調情報が生成される。同図では、傘の周囲部分に、差分部分であることを表す矩形状の枠表示情報が生成される(同図中の破線部)。なお、強調情報はこの例に限定されず、例えば、支障物相当部分の着色、支障物の輪郭線の強調、点滅、又は支障物付近への文字の表示等であってもよい。
【0104】
なお、上記説明においては、支障物の判定処理は、閉扉完了後一度のみ行っているが、車両が発進するまでの間、当該判定処理を複数回行ってもよい。すなわち、監視ユニット7は、閉扉完了信号の受信後(S302YES)、撮像画像の撮像指令処理(S3031)、読出処理(S3032)、撮像画像取得処理(S3033YES)及び、基準画像との照合処理(S3035)を継続的或いは間欠的に行い、支障物判定を行ってもよい(S3036乃至S3038)。そして、当該判定処理結果に基づいて、継続的或いは間欠的に正常通知処理(S306)或いは異常通知処理(S307)を行ってもよい。なお、このとき、車両の発進のタイミングは、例えば上述の車両の在線状態信号を用いて検出してもよい。また、撮像部14を介して取得された画像に基づいて、車両の発進を検出してもよいし、他のセンサ(例えば赤外線センサ等)情報に基づき検出してもよい。
【0105】
このような継続的或いは間欠的な判定処理によれば、閉扉完了後、車両が発進するまでの間も継続的に支障物の検知を行うことができるので、より確実に旅客或いは運行上の安全を確保することができる。
【0106】
<1.4 表示部への表示処理>
次に、各監視ユニット7から発せられた異常情報又は警戒情報等に基づき、表示部6に対して表示を行う表示処理について説明する。
【0107】
上述の通り、予備警戒処理時には、各監視ユニット7から管理ユニット5に対して、監視領域における移動体の有無に応じて、警戒情報、監視ユニット固有のID、移動体が存在すると判定された画像、及び画像強調情報(以下、警戒情報等)が送信される。
【0108】
また、支障物確認処理時には、各監視ユニット7から管理ユニット5に対して、監視領域における支障物の有無に応じて、異常情報、監視ユニット固有のID、支障物が存在すると判定された画像、及び画像強調情報(以下、異常情報等)が送信される。
【0109】
管理ユニット5は、上記警戒情報等を受信した場合、当該警戒情報等に基づき、表示部6に対して表示制御を行う。すなわち、管理ユニット5は表示部6に対して、警戒状態にあるプラットホームドアが閉まる動作を行う期間の動画像を表示させる。なお、当該表示の際は、複数のドアに関する動画像を同時に表示してもよいし、所定の入力又は自動的な処理により切替表示処理してもよい。また、管理ユニット5は当該警戒情報を総合制御盤に対して送信する。当該警戒情報等を受信した総合制御盤3は当該警戒情報等を上位装置2に対して送信する。
【0110】
一方、管理ユニット5は、上記異常情報等を受信した場合、当該異常情報等に基づき、表示部6に対して表示制御を行う。
図11は、監視領域に支障物が存在することにより、各監視ユニットから異常信号が発せられた場合の表示部の表示例を示す。
図11(a)は、車両の2両目の1番目のドアに対応するプラットホームドアにて撮像された画像(表示例1)を表し、
図11(b)は、車両の3両目の2番目のドアに対応するプラットホームドアにて撮像された画像(表示例2)を表す。
【0111】
図11(a)(表示例1)は、表示部6に表示される、プラットホームドアと車両との間を撮像した画像であり、この例にあっては、画像の下部には、異常状態にあるプラットホームドアを表示するための異常表示領域が、3つ(33a乃至33c)に分けて設けられている。各異常表示領域33a乃至33cにはそれぞれ長方形の枠線32a乃至33cが設けられ、当該枠線中には、何番目の車両であるかを表す番号(同図においては1乃至3の数字が付されている)と、それに隣接して四角形の枠に囲まれたプラットホームドアのドア番号が並んでいる(同図においてはそれぞれ1乃至4の数字が付されている)。
【0112】
また、同図においては、四角形の枠内に囲まれたプラットホームドアのドア番号のうち、2車両目の1番目を表す枠34と、3車両目の2番目を表す枠35とがハイライト表示されている。これらのハイライト表示は異常状態を検出した監視ユニット又はプラットホームドアと対応している。
【0113】
さらに、同図においては、画面右上に2両目の1番目のドアであることを明示する表示領域36と共に、当該異常情報に対応する画像が画面中央領域31上に表示されている。また、当該異常情報に対応する画像中では矩形状の破線37により差分領域が強調表示されている。
【0114】
一方、
図11(b)(表示例2)も同様に、表示部6に表示される、プラットホームドアと車両との間を撮像した画像であり、この例にあっては、画像の下部には、異常状態にあるプラットホームドアを表示するための異常表示領域が、3つ(33a乃至33c)に分けて設けられている。各異常表示領域33a乃至33cにはそれぞれ長方形の枠線32a乃至33cが設けられ、当該枠線中には、何番目の車両であるかを表す番号(同図においては1乃至3の数字が付されている)と、それに隣接して四角形の枠に囲まれたプラットホームドアのドア番号が並んでいる(同図においてはそれぞれ1乃至4の数字が付されている)。また、同図においては、四角形の枠内に囲まれたプラットホームドアのドア番号のうち、2車両目の1番目を表す枠34と、3車両目の2番目を表す枠35とがハイライト表示されている。これらのハイライト表示は異常状態を検出した監視ユニット又はプラットホームドアと対応している。
【0115】
さらに、同図においては、画面右上に3両目の2番目のドアであることを明示する表示領域36と共に、当該異常情報に対応する画像が画面中央領域31上に表示されている。また、当該異常情報に対応する画像中では矩形状の破線37により差分領域が強調表示されている。
【0116】
また、表示は管理ユニット5に対して手動で所定の入力を行うか、又は自動で、異常状態に対応する画像を切り替えることが可能なように構成されている。これにより、いずれのドアにおいて異常が存在するかということを、画像と併せて容易に確認することができる。
【0117】
<1.5 開扉処理>
次に、支障物が挟まっている状態等の異常状態にあるプラットホームドアを再度開扉する処理について、説明する。
【0118】
上述の通り、総合制御盤3は、管理ユニット5から監視ユニットIDと共に異常情報等を受信する。総合制御盤3は、当該異常情報等に基づいて、異常状態にあるドアに対応する個別制御盤4に対して、開扉指令を送信する。
【0119】
図12は、総合制御盤3が開扉処理を行う際の処理フローである。総合制御盤3は、異常情報を受信するまで(S402NO)、受信信号の読出処理を行う(S401)。異常情報を受信した場合(S402YES)、異常情報を送信した監視ユニットIDに対応するドアに対応する個別制御装置4に対して、開扉信号を送信する(S403)。このような一連の処理によれば、総合制御盤から、異常状態にあるドアに対して開扉信号を送信することができる。
【0120】
一方、当該開扉信号を受信した個別制御盤4は、当該開扉信号に応じて、プラットホームドアのドアの開扉処理を行う。
【0121】
これにより、異常状態にあるプラットホームドアを自動的に開扉することができる。
【0122】
<2. 第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について、
図13乃至15を参照しつつ、説明する。第2の実施形態は、電車の在線時(電車がプラットホームに停車等している場合)は第1の実施形態と同様の動作を行うものであるが、車両不在時(電車がプラットホームに停車等行っていない場合)にも、さらに、旅客や運行の安全を向上させようとするものでる。
【0123】
<2.1 車両不在時の監視処理>
前述の通り、監視ユニット7には、上位装置2から、総合制御盤3及び管理ユニット5を介して、車両1が在線しているか否かを示す車両の在線状態信号が送信される。本実施形態においては、監視ユニット7は当該在線状態信号を利用する。
【0124】
図13は、監視ユニット7において行われる監視処理について説明する詳細フローである。監視ユニット7は、車両の不在状態を表す車両の在線状態信号(車両不在信号)を受信するまで(S502NO)、受信信号の読出処理を繰り返す(S501)。車両不在信号を受信した場合(S502YES)、監視ユニット7は、後述する移動体検出処理を開始する(S503)。その後、再び、車両が存在することを表す車両の在線状態信号(車両在線信号)を受信するまで(S505NO)、受信信号の読出処理を繰り返す(S504)。車両在線信号を受信した場合(S505YES)、移動体検出処理を終了する(S506)。すなわち、監視装置7は車両の不在時にも移動体の検出処理を行う。
【0125】
次に、
図14を参照しつつ、車両不在時の移動体検出処理の詳細について説明する。車両不在時の移動体検出処理が開始されると、撮像部に対して動画像の撮像指令がなされ、監視ユニット7は、当該動画像のうちから少なくとも2以上の画像を取得する(S5031)。ここで、2以上の画像とは、移動体を検出するための差分検出のために参照される画像であり、例えば、ある参照時間tにおける画像をI(t)としたとき、I(t)とI(t−1)の組み合わせであってもよいし、I(t)とI(t+1)の組み合わせであってもよいし、さらに、I(t)とI(t−2)又はI(t)とI(t+2)の組み合わせであってもよい。また、3以上の画像を参照して移動体検出処理等を行う場合には、例えば、I(t−1)とI(t)とI(t+1)の組み合わせであってもよく、I(t−2)とI(t)とI(t+2)の組み合わせであってもよい。なお、それ以上の画像を用いてもよいことは言うまでもない。
【0126】
次に、監視ユニット7は、上記2以上の画像に基づいて、移動体の検出処理を行う(S5032)。移動体の検出処理手法については種々の従来手法を用いることができる。例えば、勾配法やブロックマッチング法等を用いて算出したオプティカルフローに基づいて移動体を検出する手法や、背景差分に基づいて移動体を検出する手法等が知られている。移動体検出処理(S5032)において、検出対象領域内に移動体が存在しない場合(S5033NO)、管理ユニット5に対して、当該検出対象領域内に移動体が存在しないことを通知する正常通知処理を行う(S5034)。正常通知処理とは、具体的には、移動体が存在しないことを表す信号を管理ユニット5に対して送信する処理であり、当該信号と併せて、当該移動体検出処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニット固有のIDや、移動体が存在しないと判定された画像を送信してもよい。なお、移動体が存在しない場合は、当該正常通知を省略してもよい。
【0127】
一方、移動体検出処理(S5032)において、検出対象領域内に移動体が存在する場合(S5033YES)、管理ユニット5に対して、当該検出対象領域内に移動体が存在し、警戒状態にあることを通知する警戒通知処理を行う(S5035)。警戒通知処理とは、具体的には、移動体が存在し、警戒すべき状態にあることを表す信号を管理ユニット5に対して送信する処理であり、当該信号と併せて、当該移動体検出処理を行った監視ユニット7に付与された監視ユニット固有のIDや、移動体が存在すると判定された画像、さらに、画像中に存在する移動体部分を強調表示するための情報(例えば、移動体と判断される部分の輪郭領域を表す情報、当該輪郭領域を含む大まかな移動体位置を表すための矩形領域情報、移動体を強調表示するための色情報等)を送信してもよい。移動体検出処理においては、以上の処理が、移動体検出処理の終了処理(S506)がなされるまで、連続的に行われる。
【0128】
管理ユニット5は、上記警戒情報等を受信した場合、当該警戒情報等に基づき、表示部6に対して表示制御を行う。
図15は、車両不在時の警戒時の表示部への表示例である。この例では、車両不在時には少なくとも線路を含む領域が監視領域となっている。また、プラットホームドアから顔を出す人の頭部部分が移動体であるとして検出され、強調のため矩形40で囲まれている。なお、強調表示の手法は矩形によるものに限られず、例えば、輪郭線の強調や色の付与等他の画像強調手法でもよい。
【0129】
以上の構成によれば、車両在線時のみならず、車両不在時にも監視ユニットを活用することとなるので、装置の有効活用ができると共に、線路内への立ち入り者や、プラットホームドアへの接近者等を警戒することができる。これにより、さらに、旅客や運航の安全をさらに向上させることができる。
【0130】
なお、上述の例では、車両の不在を車両の在線状態信号に基づいて検出したが、これに限定されない。従って、撮像部14を介して取得した画像に基づいて車両の不在を検出してもよいし、他のセンサ(赤外線センサ等)により車両の不在を検出してもよい。
【0131】
<3. 第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について、
図16を参照しつつ、説明する。第3の実施形態は実施形態1と基本的に同様であるが、撮像部の配置が異なる。
【0132】
図16は、本実施形態に係る撮像部の配置例を示す。なお、同図においては、実施形態1と同様の構成について同一の符号が付されている。同図において、第1の実施形態と異なるのは、ドアの線路側側面左右にそれぞれ格納筐体(50aと50b)が設けられており、一方の格納筐体50aは、第1の撮像部51aと、当該撮像部51aと接続された監視ユニット7とを含み、他方の格納筐体50bは、監視ユニット7と接続された第2の撮像部51bを含んでおり、さらに、第1の撮像部51aと第2の撮像部51bとは、互いに対向するように配置されている点である。同構成において、監視ユニット7は、第1の撮像部51aと第2の撮像部51bのいずれか一方から画像を択一的に取得することができるよう構成されている。
【0133】
このような構成によれば、より好適な撮像条件(光の条件等)下の撮像画像を得ることができ、より誤判定を少なくできる。例えば、朝と夕方で光の照射条件等が異なる場合等であっても、所定の時刻を境に、使用する撮像部を第1の撮像部と第2の撮像部で切り替えること等により、より適切な撮像が可能となる。