(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
客が購入する商品を識別する商品識別情報を読み取る読取手段を備えた携帯端末と、商品の質量を計量する計量装置と、前記商品の代金精算を行う会計装置とを少なくとも有し、それらが通信回線を介し接続された商品販売データ処理システムにおいて、
前記計量装置は、
前記商品を載置する載置部と、
前記商品が前記載置部に載置されると該商品の質量を計量する計量手段と、を備え、
前記携帯端末、または前記通信回線を介して通信可能な管理装置は、
前記読取手段により前記商品の商品識別情報が読み取られると、前記商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報に基づき、前記読み取られた商品の販売形態を判定する判定手段と、
前記判定された商品の販売形態が質量を計量して販売する商品である場合、前記計量装置で計量された商品の質量を取得し、前記商品識別情報と、取引識別情報と、前記取得した質量とに基づいてコード情報を生成するコード情報生成手段と、を有し、
前記携帯端末は、前記生成されたコード情報を記録媒体、または、前記会計装置、あるいは、前記管理装置に出力する出力手段を備え、
前記会計装置は、
前記出力手段で出力されたコード情報を取り込む取込手段と、
前記取り込まれたコード情報に基づいて、前記客が購入する商品の代金精算を行う会計手段と、を備えたことを特徴とする
商品販売データ処理システム。
前記会計装置は、少なくとも前記商品を識別する商品識別情報と、前記商品の単価と、前記商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報とを有する商品情報を記憶する商品情報記憶手段を備え、
前記会計手段は、前記取込手段が取り込んだコード情報の商品識別情報が示す商品の販売形態が質量を計量して販売する商品である場合、前記取込手段により取り込んだコード情報の質量と前記商品の単価とにより前記商品の販売価格を算出し、前記商品の販売形態が質量を計量して販売する商品でない場合、前記商品の単価に基づいて販売価格を算出し前記客が購入する商品の代金精算を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品販売データ処理システム。
前記出力手段は、前記記録媒体に前記コード情報を記録する場合、一次元バーコード又は二次元バーコードの何れかのバーコード情報で記録することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品販売データ処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1は、本発明の一実施例に係る商品販売データ処理システムが用いられる店舗や販売スペースにおける販売ブースやレジカウンターブースなどの配置の一例を示した概略図であり、
図2は、
図1に示した店舗/販売スペースで客が使用する買い物かごの一例を示した概略図である。
図1において、本実施例の店舗/販売スペースには、店舗/販売スペースの入り口から入ってすぐ入場方向の左側に、買い物かごやカートをストックするスペースである買い物かご・カート置き場P1が配置され、右側には、購入する商品を買い物かごに入れた客が精算のために立ち寄るレジカウンターブースP2が配置されていて、それらの奥には、それぞれ通路の左側と右側に物品販売ブースP3と実演販売ブースP4とがおのおの配置されている。
【0012】
物品販売ブースP3は、単価販売品を販売するための販売ブースである。この物品販売ブースP3には、単価販売品を各種陳列するための陳列棚TNと、客が指定した単価販売品を客に引き渡すための品渡しカウンターCN1とが配置されている。
また、物品販売ブースP3には販売員PP1が配置される。販売員PP1は、客が指定した単価販売品を、陳列棚TNから客が指定した個数だけ取り出して、品渡しカウンターCN1越しに客へ引き渡す。また、販売員PP1は、商品を客に引き渡す際、所定の作業を行う(後述)。
【0013】
実演販売ブースP4は、質量に応じてその価格が決まる商品(以下、「従量販売品」という)を販売するための販売ブースである。この実演販売ブースP4には、例えば、牛肉ブロックから客が注文した質量分を切り分けて従量販売品を作成する等の作業を行うための物品処理スペースTMと、客に商品を引き渡すための品渡しカウンターCN2とが配置されている。
また、実演販売ブースP4には販売員PP2と物品処理員PP3とが配置される。物品処理員PP3は、物品処理スペースTMにおいて、例えば、牛肉ブロックから客が注文した質量分を切り分ける等の作業を行う。販売員PP2は、物品処理員PP3が牛肉ブロックから切り分けた従量販売品を包装した後に、品渡しカウンターCN2越しに客へ引き渡す。また、販売員PP2は、商品を客に引き渡す際、所定の作業を行う(後述)。
ここで、客が見ている前で、物品処理員PP3が牛肉ブロックから牛肉を切り出す作業を行う(実演)ので、この販売ブースを実演販売ブースP4という。
【0014】
レジカウンターブースP2には、POS端末装置(後述)が設置されるレジカウンターCN3が配置される。また、このレジカウンターブースP2には、客に応対してPOS端末装置を操作する操作員PP4が配置される。
【0015】
本実施例の買い物かごGGとしては、
図2に示すように、一般的なプラスチック素材の手提げ部付きのものが用いられる。この買い物かごGGの側面の略中央には、店名等を印刷等するための領域SSが設けられていると共に、その領域SSの下位置には、おのおのの買い物かごGGを識別する識別符号GIが所定のバーコードで記録される。
識別符号GIは、客の購入行動を識別するための取引識別情報として用いられるものであり(後述)、例えば、任意桁の数字列等から構成することができる。そして、買い物かごGGに識別符号GIを記録する際に用いるバーコードの種類としては、一次元バーコードあるいは二次元バーコードのうち、任意のものを採用することができる。
【0016】
図3は、本発明の一実施例に係る商品販売データ処理システムの概略構成を示したブロック図である。
図3において、この商品販売データ処理システムは、物品販売ブースP3に設置された販売ステーションSS1(販売ステーション#1)と、実演販売ブースP4に設置された販売ステーションSS2(販売ステーション#2)と、レジカウンターブースP2に設置されたPOS端末装置TMaと、販売ステーションSS1,SS2とPOS端末装置TMaとの間のデータ通信を行うための無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント(AP)装置WPとを有する。
ここで、無線LANアクセスポイント装置WPとPOS端末装置TMaとの間のデータ通信は、有線LAN10を介して行われている。また、販売ステーションSS1,SS2の機器は、無線LANアクセスポイント装置WPを介して有線LAN10に接続されるから、販売ステーションSS1,SS2の機器とPOS端末装置TMaとの間でデータ通信を行うことができる。
【0017】
また、有線LAN10は、ゲートウェイ装置GWを介して、外部の広域ネットワーク(図示略)へ接続されている。
これにより、有線LAN10に接続されたPOS端末装置TMa、及び、無線LANアクセスポイント装置WPを介して有線LAN10に接続された販売ステーションSS1,SS2の機器は、ゲートウェイ装置GWを介して、外部の広域ネットワークに接続されている任意のサーバ装置等との間でデータのやりとりを行うことができるようになっている。
【0018】
なお、本実施例では、販売ステーションSS1,SS2の機器を有線LAN10に接続するためのデータ通信を(無線LANアクセスポイント装置WPを使った)無線LANで実現しているが、この部分のデータ通信は、他の無線通信方法により実現することも可能である。
その部分のデータ通信方式としては、販売ステーションSS1,SS2の機器とPOS端末装置TMaとの間のデータ通信に必要なデータ通信容量(データ帯域)、販売ステーションSS1,SS2の機器と有線LAN10へのアクセスポイントを構成する装置との距離、及び、販売ステーションSS1,SS2内における機器間の無線データ通信(後述)と干渉しないことなどの種々の条件を満たす無線データ通信方法(データ通信方式)であれば採用できる。例えば、WPAN(Wireless Personal Area Network)の範疇に含まれる各種の近距離無線通信方式を採用することも可能である。
【0019】
また、
図3において、販売ステーションSS1,SS2は、客が選択して買い物かごへ入れられた商品について、その商品に関する情報を形成してPOS端末装置TMaへ送信する機能等を有する携帯端末装置TMb、商品の質量(重量)を計量する計量器MW(計量装置)、及び、携帯端末装置TMbから受信した印刷情報に基づいてレシート等を印刷出力する携帯型印刷装置PTから構成されている。
携帯端末装置TMbと計量器MWとの間のデータ通信、携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTとの間のデータ通信は、WPANの近距離無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)など)により行われている。
携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTは、それぞれ充電台PJa,PJbに接続できる。充電台PJa,PJbは、それぞれ携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTに電源を供給するとともに、携帯端末装置TMb及び携帯型印刷装置PTが内蔵している充電池(後述)を充電する。また、携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTは、それぞれ充電台PJa,PJbに設けた台に置くことで、携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTの電源部(後述)に設けた端子と、それぞれ充電台PJa,PJbに設けた端子とが接触し、それにより、携帯端末装置TMbと携帯型印刷装置PTの電源部がそれぞれ充電台PJa,PJbに接続して電源が供給されるようになっている。
【0020】
図4は、POS端末装置TMaの構成の一例を示すブロック図である。
図4において、制御部110は、このPOS端末装置TMaの各部の動作を制御して、POS端末装置TMaが実行する種々の機能(手段)を実現するためのものであり、CPU(中央制御装置)とその周辺装置(RAM等)等から構成されている。記憶部111は、制御部110が実行するプログラムデータや、データベースファイルなどの各種データを記憶するためのものであり、操作表示部112は、このPOS端末装置TMaを操作員が操作するための操作キーやと表示ユニットを有する。また、プリント部113は、例えば、このPOS端末装置TMaのレジスター機能で使用されるレシートなどを印刷する。
【0021】
有線LAN通信制御部114は、有線LAN10に接続して有線LANの通信手順等を実行することで、POS端末装置TMaに、有線LAN10を介して他の端末装置等との間でデータ通信を行う機能を提供するためのものである。この有線LAN通信制御部114では、有線LAN10に接続するための物理層のハードウェア資源を有すると共に、論理的な通信を行うためのネットワーク層及びそれ以上の上位層(セッション層あるいはアプリケーション層など)の処理機能を実現するためのソフトウェア資源を有している。
【0022】
バーコードスキャン部115は、一次元バーコード及び二次元バーコードを読み取るためのものであり、例えば、読取用の光ビームを左右にスキャンして、その光ビームの反射光を受光することで、光ビームがスキャンした面に記録されている一次元バーコードあるいは二次元バーコードのパターンを読み取り、その読み取って得たパターンのデータに基づいて、一次元バーコードあるいは二次元バーコードの記録データを取得する。
【0023】
電源部116は、商用電源Pacに接続し、商用電源Pacを適宜に変圧・整流して、このPOS端末装置TMaの各要素に必要な電源を生成し、その生成した電源を対応した要素に供給する。
【0024】
内部バス117は、制御部110、記憶部111、操作表示部112、プリント部113、有線LAN通信制御部114、バーコードスキャン部115、及び、電源部116と接続し、それらの相互間で適宜にデータをやりとりするためのものである。なお、この内部バス117は、単純な共通信号線ではなく、適宜なシステムバスの構成を備えたものであり、例えば、信号やデータの形態、信号レベル、信号の変化タイミング及び信号の意味づけなどが多種多様な各種信号を各要素間で相互に伝送するための信号制御機能をも有している。このような内部バス117の構成については、本発明に直接関係しないので、その説明を省略する。
【0025】
図5は、携帯端末装置TMbの構成の一例を示すブロック図である。
図5において、制御部120は、この携帯端末装置TMbの各部の動作を制御して、携帯端末装置TMbが実行する種々の機能(手段)を実現するためのものであり、CPUとその周辺装置(RAM等)等から構成されている。記憶部121は、制御部120が実行するプログラムデータなどの各種データを記憶するためのものであり、操作表示部122は、この携帯端末装置TMbを操作員が操作するための操作キーやと表示ユニットを有する。
【0026】
バーコードスキャン部123(読取手段)は、一次元バーコード及び二次元バーコードを読み取るためのものであり、例えば、読取用の光ビームを左右にスキャンして、その光ビームの反射光を受光することで、光ビームがスキャンした面に記録されている一次元バーコードあるいは二次元バーコードのパターンを読み取り、その読み取って得たパターンのデータに基づいて、一次元バーコードあるいは二次元バーコードの記録データを取得する。
【0027】
無線通信ユニット124は、この携帯端末装置TMbと計量器MW及び携帯型印刷装置PTとの間でデータ通信を行うためのものであり、2チャネルの通信チャネルを有している。
おのおのの通信チャネルの通信は、無線通信制御部(無線通信制御部#1)125と無線通信制御部(無線通信制御部#2)126により実現される。無線通信用の電波を送受信するためのアンテナ127は、無線通信制御部125と無線通信制御部126に共通接続されている。
無線通信制御部125,126は、計量器MW及び携帯型印刷装置PTの無線通信制御部(後述)とアンテナ127を介して接続し、WPANの近距離無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)など)の通信手順等を実行することで、携帯端末装置TMbに、計量器MW及び携帯型印刷装置PTとの間でデータ通信を行う機能を提供する。
【0028】
無線LAN通信制御部128は、無線LANアクセスポイント装置WPに接続して無線LANの通信手順等を実行することで、携帯端末装置TMbに、有線LANを介して他の端末装置等との間でデータ通信を行う機能を提供する。この無線LAN通信制御部128では、無線LANアクセスポイント装置WPに接続するための物理層のハードウェア資源を有すると共に、有線LANを介して他の端末装置等との間で論理的な通信を行うためのネットワーク層及びそれ以上の上位層(セッション層あるいはアプリケーション層など)の処理機能を実現するためのソフトウェア資源を有している。
また、無線LAN通信用の電波を送受信するためのアンテナ129は、無線LAN通信制御部128に接続されている。
【0029】
電源部130は、充電台PJaと接続して、充電台PJaが商用電源Pacを変圧・整流して形成した直流電源を受電し、その直流電源を用いて、内蔵している充電池131を充電すると共に、この携帯端末装置TMbの各要素に必要な電源を生成し、その生成した電源を対応した要素に供給する。
【0030】
内部バス132は、制御部120、記憶部121、操作表示部122、バーコードスキャン部123、無線通信制御部125,126、無線LAN通信制御部128、及び、電源部130と接続し、それらの相互間で適宜にデータをやりとりする。
また、この内部バス132は、内部バス117と同様のシステムバス構成を有している。
制御部120は、読取手段により商品の商品識別情報が読み取られると、商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報に基づき、読み取られた商品の販売形態を判定する判定手段を有する。
【0031】
図6は、携帯型印刷装置PTの構成の一例を示すブロック図である。
図6において、制御部140は、この携帯型印刷装置PTの各部の動作を制御して、携帯型印刷装置PTが実行する種々の機能(手段)を実現するためのものであり、CPUとその周辺装置(RAM等)等から構成されている。記憶部141は、制御部140が実行するプログラムデータなどの各種データを記憶するためのものであり、操作表示部142は、この携帯型印刷装置PTを操作員が操作するための操作キーと表示ユニットを有する。
【0032】
印刷部143は、操作員が指定した内容の印刷物(例えば、レシートなど)を印刷出力する。
【0033】
無線通信制御部144は、この携帯型印刷装置PTと携帯端末装置TMbとの間でデータ通信を行うためのものである。無線通信用の電波を送受信するためのアンテナ145は、無線通信制御部144に接続されている。
無線通信制御部144は、携帯端末装置TMbの無線通信ユニット124とアンテナ145を介して接続し、WPANの近距離無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)など)の通信手順等を実行することで、携帯型印刷装置PTに携帯端末装置TMbとの間でデータ通信を行う機能を提供する。
【0034】
電源部146は、充電台PJbと接続して、充電台PJbが商用電源Pacを変圧・整流して形成した直流電源を受電し、その直流電源を用いて、内蔵している充電池147を充電すると共に、この携帯型印刷装置PTの各要素に必要な電源を生成し、その生成した電源を対応した要素に供給する。
【0035】
内部バス148は、制御部140、記憶部141、操作表示部142、印刷部143、無線通信制御部144、及び、電源部146と接続し、それらの相互間で適宜にデータをやりとりする。
また、この内部バス148は、内部バス117と同様のシステムバス構成を有している。
【0036】
図7は、計量器MWの構成の一例を示すブロック図である。
図7において、制御部150は、この計量器MWの各部の動作を制御して、計量器MWが実行する種々の機能(手段)を実現するためのものであり、CPUとその周辺装置(RAM等)等から構成されている。記憶部151は、制御部150が実行するプログラムデータなどの各種データを記憶するためのものであり、操作表示部152は、この計量器MWを操作員が操作するための操作キーやと表示ユニットを有する。
【0037】
計量部153は、図示しない載置部(計量台)に載置された商品(物)の質量(重量)を計測する。
【0038】
無線通信制御部154は、この計量器MWと携帯端末装置TMbとの間でデータ通信を行うためのものである。無線通信用の電波を送受信するためのアンテナ155は、無線通信制御部154に接続されている。
無線通信制御部154は、アンテナ155を介して携帯端末装置TMbの無線通信ユニットと接続し、WPANの近距離無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)など)の通信手順等を実行することで、計量器MWに携帯端末装置TMbとの間でデータ通信を行う機能を提供する。
【0039】
電源部156は、商用電源Pacに接続し、商用電源Pacを適宜に変圧・整流して、この計量器MWの各要素に必要な電源を生成し、その生成した電源を対応した要素に供給する。
【0040】
内部バス157は、制御部150、記憶部151、操作表示部152、計量部153、無線通信制御部154、及び、電源部156と接続し、それらの相互間で適宜にデータをやりとりする。
また、この内部バス157は、内部バス117と同様のシステムバス構成を有している。
【0041】
図8は、携帯端末装置TMbの操作表示部122の外観の一例を示す概略構成図である。
図8において、操作表示部122のケースCSには、上方に液晶表示器等からなる表示部DPが配置され、下方に操作キー群が配置されている。また、表示部DPの表面には、タッチパネルTPが付設されている。また、表示部DPの上方には、ランプLPが設けられている。
【0042】
操作キー群は、次の通りである。まず、買い上げ個数等の数値情報を入力するためのテンキーTKが中央よりやや下位置に設けられており、テンキーTKの下方には、あらかじめ設定された機能を選択操作するための機能キーFKが設けられている。
【0043】
テンキーTKの上方には、中央に、未定操作入力内容を決定する操作のための決定キーBBkが横長の楕円形のキーとして設けられ、その決定キーBBkを取り巻くようにカーソルキーKKが設けられている。
【0044】
このカーソルキーKKは、上下左右の4方向に傾斜して、いずれかの方向への操作を入力するためのものであり、例えば、画面上に表示した選択項目を選ぶ等の操作の際に用いられる。
【0045】
カーソルキーKKの左上、左下、右上、及び、右下には、それぞれ機能を割り当てることができる機能キーPF1,PF2,PF3,PF4が設けられている。これらの機能キーPF1,PF2,PF3,PF4は、表示部DPに表示されている画面の内容に従って操作する内容をプログラマブルに設定できる。
【0046】
また、ケースCSの背面には、バーコードスキャン部123(
図5参照)のスキャン光を出射すると共に、バーコードの記録面等からの反射光を入射させるための窓(図示略)が設けられている。物品販売ブースP3の販売員PP1あるいは実演販売ブースP4の販売員PP2は、この携帯端末装置TMbを保持し、バーコードスキャン部123のスキャン光が、客に渡す商品に付されているバーコードをなぞるように位置合わせすることで、その商品に付されているバーコードを読み取ることができる。
そして、この場合、例えば、客に渡す商品の全てについてバーコードの読み取りを終了したときなどで、バーコードスキャン部123によるバーコードの読み取りを終了する場合、販売員PP1,PP2は、機能キーPF1を操作する。
【0047】
次に、本実施例に係る商品販売データ処理システムで使用するファイル群について説明する。この商品販売データ処理システムでは、販売する商品に関する諸情報を記憶した商品マスターファイル(商品情報)、各商品について売り上げ数量等を記憶した売り上げファイル、及び、客の購買行動毎に形成する取引ファイルなどのファイル群を用いる。そして、これらの商品マスターファイル、売り上げファイル、及び、取引ファイルは、POS端末装置TMaの記憶部111(
図4参照)などに記憶される。
【0048】
図9(a)は、商品マスターファイルにおける1項目分のデータの一例を示す概略図であり、同図(b)は、売り上げファイルにおける1項目分のデータの一例を示す概略図であり、同図(c)は、取引ファイルのデータ例を示す概略図であり、同図(d)は、取引ファイルに記憶する購入記録情報のデータ例を示す概略図である。また、同図(e)は、携帯端末装置TMbからPOS端末装置TMaへ送信する取引データの一例を示す概略図である。
【0049】
ここで、携帯端末装置TMbからPOS端末装置TMaへのデータ送信は、基本的に、販売員PP1,PP2が携帯端末装置TMbを操作して1つの商品についてのデータ入力を終了するたびに、当該商品についてのデータが携帯端末装置TMbで作成されてPOS端末装置TMaへと送信される。
【0050】
図9(a)に示した商品マスターファイル(商品情報)における1項目分のデータは、当該商品に設定されているマスター商品コード(後述)、当該商品が単価販売品であるか従量販売品であるかを示す種別(販売形態情報)、当該商品に設定されている商品名、当該商品に設定されている単価または質量単価、及び、その他のデータを含む。
【0051】
図9(b)に示した売り上げファイルにおける1項目分のデータは、マスター商品コード、及び、売上数量または売り上げ質量を含む。
【0052】
図9(c)に示した取引ファイルは、当該取引を区別するための取引識別情報(買い物かごGGに付された識別符号GI(
図2参照)の値)と、当該取引において、客が購入した商品の記録である1つ以上の購入記録情報を含む。
【0053】
また、購入記録情報は、
図9(d)に示すように、客が購入した商品に設定されている個別商品コード(後述)、及び、客が購入した商品の個数をあらわす情報を含む。
【0054】
また、販売ステーションで商品を客に引き渡すたびに携帯端末装置TMbからPOS端末装置TMaへ送信する取引データには、
図9(e)に示すように、取引識別情報、個別商品コード、及び、客が購入した商品の個数をあらわす情報を含む。
【0055】
図10(a)〜(e)は、本実施例で用いる商品コード(マスター商品コード及び個別商品コード)について説明するための概略図である。
【0056】
図10(a)は、本実施例で用いる商品コードの基本的なデータ構造の一例を示している。この商品コードは、各桁が10進数であらわされたJANコードに準拠した自社用コードであり、この商品コード自体の種別を示す2桁のフラグ、この商品コードが対応する商品に付されている5桁の商品分類値、5桁の価格データ又は質量データ、及び、1桁のチェックデジットの全13桁のデータ構造を有する。また、チェックデジットの生成方法は、JANコードにおけるチェックデジットの生成方法に従うのでその説明を省略する。
【0057】
図10(b)は、マスター商品コードのデータの一例を示す。
このマスター商品コードは、フラグの値が「20」で固定であり、商品分類値は、対応する商品に設定された値である。また、次の5桁のデータには全桁「0」が設定される。チェックデジットは、上述した方法で生成される。
【0058】
図10(c)は、価格データを含む場合の個別商品コードのデータの一例を示す。
この場合、フラグの値は、商品コードに価格データを含むことをあらわす「21」が設定される。商品分類値は、対応する商品に設定された値である。また、次の5桁のデータには、価格の値が円単位で設定される。チェックデジットは、上述した方法で生成される。
【0059】
図10(d)は、質量データを含む場合の個別商品コードのデータの一例を示す。
この場合、フラグの値は、商品コードに質量データを含むことをあらわす「22」が設定される。商品分類値は、対応する商品に設定された値である。また、次の5桁のデータには、質量の値がグラム単位で設定される。チェックデジットは、上述した方法で生成される。
【0060】
図10(e)は、価格も質量も含まない場合の個別商品コードのデータの一例を示す。
この場合、フラグの値は、商品コードに価格も質量も含まないことをあらわす「23」が設定される。商品分類値は、対応する商品に設定された値である。また、次の5桁のデータには全桁「0」が設定される。チェックデジットは、上述した方法で生成される。
【0061】
このように、商品コードのフラグの値を調べることで、その商品コードがマスター商品コードであるか、価格データを含む個別商品コードであるか、質量データを含む個別商品コードであるか、価格も質量も含まない個別商品コードであるかを識別することができる。
【0062】
ただし、
図10(d)に示した質量データを含む個別商品コードには、次のような事情が存在する。
まず、この図示した内容の個別商品コードは、当該商品の質量が定まっている場合に使用する。したがって、携帯端末装置TMbからPOS端末装置TMaへ送信する取引データは、この図示した内容の個別商品コードを含む。また、従量販売品を切り分けたものをパッケージし、単価販売品として物品販売ブースP3の陳列棚TNに陳列する場合、パッケージした時点で質量が判明するので、その単価販売品に貼付するラベル等に記録するバーコードの内容として、この図示した内容の個別商品コードを用いる。
【0063】
一方、実演販売ブースP4では、客が質量を指定して、物品処理員PP3が商品を実際に切り分けるまで従量販売品の質量が定まらない(客が指定した質量に、切り分け後の質量が一致しない場合もある)。
そこで、実演販売ブースP4に商品コード読み取りのために設けた商品カード等に記録するバーコードには、
図10(d)に示した個別商品コードの質量データの内容を全桁「0」に設定したものを用いる。
【0064】
そして、実演販売ブースP4の携帯端末装置TMbは、読み取ったバーコードの内容が、フラグの値が「22」の個別商品コードの場合で、質量データの内容が全桁「0」であるときには、計量器MWから計量値を取得し、POS端末装置TMaに送信する取引データに含める個別商品コードの質量データの値として、その取得した計量値を設定する。
また、実演販売ブースP4の携帯端末装置TMbは、読み取ったバーコードの内容が、フラグの値が「22」の個別商品コードの場合で、質量データの内容が全桁「0」ではないときには、そのときに読み取って得た個別商品コードの値をPOS端末装置TMaに送信する取引データに含める。
【0065】
図11は、携帯端末装置TMbの制御部120が、バーコードスキャン部123でバーコードを読み取ったときに行う処理の一例を示したフローチャートである。
図1〜
図10などを参照しながら説明する。
制御部120は、バーコードスキャン部123がバーコードを検出したか、あるいは、操作表示部122の機能キーPF1(「F1」)が操作されたかを監視している(ステップS101,S102のNOループ)。
【0066】
バーコードスキャン部123がバーコードを検出した場合で、ステップS101の結果がYESになるときには、読み取ったバーコードの内容が、個別商品コードであるかそれ以外のもの(買い物かごGGに付された識別符号GI)であるかを判断する(ステップS103)。読み取ったバーコードの内容が買い物かごGGに付された識別符号GIであり、ステップS103の結果がNOになるときには、その識別符号GIの値を取引識別情報として保存し(ステップS104)、ステップS101に進む。
【0067】
一方、読み取ったバーコードの内容が個別商品コードの場合で、ステップS103の結果がYESになるときには、個別商品コードのフラグの値を判別し(ステップS105)、フラグの値が「21」であったかどうかを調べる(ステップS106)。
フラグの値が「21」であり、ステップS106の結果がYESになるときには、制御部120は、操作表示部122の表示部DPに適宜なガイダンスを表示する等して、操作者(販売員等)にテンキーTKを使って個数を入力させ(ステップS107)、
図9(e)に示したような取引データ(送信データ)を作成し(ステップS108)、その取引データをPOS端末装置TMaへ送信する(ステップS109)。そして、ステップS101へ進む。ここで、価格は全桁「0」の値が設定される。
【0068】
ここで、ステップS109で携帯端末装置TMbがPOS端末装置TMaへ送信した取引データに基づいて、POS端末装置TMaの制御部110は、記憶部111に記憶した取引ファイルに項目を追加して保存する。このとき、携帯端末装置TMbから受信した取引データが、新たな取引識別情報を含むものであった場合には、POS端末装置TMaの制御部110は、受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ値の取引識別情報を持つ取引ファイルを新たに形成して記憶部111に記憶する。
なお、後述のようにフラグの値が「22」、「23」の場合にも、携帯端末装置TMbの制御部120は、それぞれステップS109を実行するから、POS端末装置TMaは、それぞれの場合についても同様に受信した取引データに関する処理を行う。
そして、携帯端末装置TMbの制御部120がステップS109を実行することで実現される機能と、それに伴ってPOS端末装置TMaの制御部110で実現される機能により、登録手段が実現される。
【0069】
一方、フラグの値が「21」ではなく、ステップS106の結果がNOになるときには、フラグの値が「22」であったかどうかを調べる(ステップS110)。
フラグの値が「22」であり、ステップS110の結果がYESになるときには、個別商品コードの質量データに全桁「0」が設定されているかどうかを調べ、質量データに全桁「0」が設定されている場合には、携帯端末装置TMbは、計量器MWから計量値(質量)を受信する(ステップS111)。また、個別商品コードの質量データに全桁「0」が設定されていない場合には、計量器MWから計量値を受信せずに、個別商品コードに含まれる質量データを用いる。
【0070】
次に、携帯端末装置TMbの制御部120は、POS端末装置TMaに商品分類値を指定した状態で、質量単価を問い合わせて受信する(ステップS112)。このとき、POS端末装置TMaは、携帯端末装置TMbから質量単価の問い合わせを受信すると、商品マスターファイルから、マスター商品コードに携帯端末装置TMbから通知された商品分類値と同一の商品分類値が設定されている項目を取り出して、その項目に含まれる質量単価を、問い合わせ元の携帯端末装置TMbへ送信する。
【0071】
次いで、
図9(e)に示したような取引データ(送信データ)を作成し(ステップS113)、ステップS109へ移行して、その取引データをPOS端末装置TMaへ送信する。そして、ステップS101へ戻る。なお、個別商品コードの質量データに全桁「0」が設定されていた場合では、計量器MWから受信した計量値で質量データの値を書き換えた個別商品コードを、取引データに含めるとともに、個数の値を「1」に設定する。
【0072】
また、フラグの値が「23」であり、ステップS110の結果がNOになるときには、携帯端末装置TMbの制御部120は、POS端末装置TMaに商品分類値を指定した状態で、単価を問い合わせて受信する(ステップS114)。このとき、POS端末装置TMaの制御部110は、携帯端末装置TMbから単価の問い合わせを受信すると、商品マスターファイルから、マスター商品コードに携帯端末装置TMbから通知された商品分類値と同一の商品分類値が設定されている項目を取り出して、その項目に含まれる単価を、問い合わせ元の携帯端末装置TMbへ送信する。
【0073】
次いで、携帯端末装置TMbの制御部120は、操作表示部122の表示部DPに適宜なガイダンスを表示する等して、操作者にテンキーTKを使って個数を入力させ(ステップS115)、
図9(e)に示したような取引データ(送信データ)を作成し(ステップS116)、ステップS109へ移行して、その取引データをPOS端末装置TMaへ送信する。そして、ステップS101へ進む。
【0074】
一方、客に渡す商品の全てについてバーコードの読み取りを終了し、操作者が操作表示部122の機能キーPF1(「F1」)を操作した場合で、ステップS102の結果がYESになるときには、携帯端末装置TMbの制御部120は、商品情報の入力が終了した旨をPOS端末装置TMaへ通知し(ステップS117)、このときの処理を終了する。
なお、POS端末装置TMaの制御部110は、携帯端末装置TMbから取引データの受信を開始した時点から、対応する取引ファイルの更新動作を開始し、その更新動作は、携帯端末装置TMbから商品情報の入力が終了した旨が通知されると、終了する。
【0075】
次に、客の購買行動と本実施例に係る商品販売データ処理システムの動作の一例について説明する。
まず、客は、店舗/販売スペースの入り口から店舗/販売スペースへ入場し、買い物かご・カート置き場P1で買い物かごGGを受け取り、物品販売ブースP3あるいは実演販売ブースP4に立ち寄って、商品を受け取り、買い物かごGGに入れる。
このとき、客が物品販売ブースP3に立ち寄った際には、陳列棚TNに置かれた単価販売品を適宜に選択して、販売員PP1にその選択した単価販売品(複数の場合がある)と購入する個数を告げる。それにより、販売員PP1は、携帯端末装置TMbを使って客が持ち運んでいる買い物かごGGのバーコードを読み取り、客に指定された単価販売品を指定された個数だけ、陳列棚TNから取り出して品渡しカウンターCN1に置き、客の買い物かごGGに入れる。その際、携帯端末装置TMbを使ってそれぞれの単価販売品についてバーコードを読み取るとともに販売個数を入力し、全ての商品について作業を終了すると、販売員PP1は、携帯端末装置TMbの機能キーPF1を押す。
【0076】
これにより、携帯端末装置TMbの制御部120は、バーコード読み取りが行われると、上述した処理を行って、取引識別情報を取得し、それぞれの単価販売品について取引データを形成してPOS端末装置TMaへ送信する。
【0077】
また、客が実演販売ブースP4に立ち寄った際には、客は、販売員PP2に購入する質量を告げる。それにより、販売員PP2は、まず、携帯端末装置TMbを使って客が持ち運んでいる買い物かごGGのバーコードを読み取り、次いで、物品処理員PP3に切り分ける質量を告げる。販売員PP3(物品処理員)は、例えば、牛肉ブロックから質量分を切り分けて従量販売品を形成し、その切り分けた質量分の従量販売品を包装して販売員PP2に渡す。販売員PP3は、従量販売品を計量器MWの計量台に載せ、携帯端末装置TMbを使ってあらかじめ用意している商品カードのバーコードを読み取り、読み取りを終了した従量販売品を客の買い物かごGGに入れる。
【0078】
これにより、携帯端末装置TMbの制御部120は、バーコード読み取りが行われると、上述した処理を行って、取引識別情報を取得し、それぞれの従量販売品について取引データを形成してPOS端末装置TMaへ送信する。
【0079】
一方、POS端末装置TMaの制御部110は、携帯端末装置TMbから受信した取引データに基づいて、記憶部111に記憶した取引ファイルに項目を追加して保存する。このとき、携帯端末装置TMbから受信した取引データが、新たな取引識別情報を含むものであった場合には、POS端末装置TMaの制御部110は、受信した取引データに含まれる取引識別情報と同じ値の取引識別情報を持つ取引ファイルを新たに形成して記憶部111に記憶する。
【0080】
そして、精算のために、購入する単価販売品や従量販売品を入れた買い物かごGGを客がレジカウンターブースP2へ運び、レジカウンターCN3に置くと、販売員PP4(操作員)は、POS端末装置TMaのバーコードスキャン部115を用いて、買い物かごGGのバーコードを読み取る。
【0081】
それにより、POS端末装置TMaの制御部110は、バーコードスキャン部115が読み取ったバーコードから識別符号GIを認識し、その識別符号GIと同じ値の取引識別情報を持つ取引ファイルを記憶部111から読み出す。このとき、その入力した識別符号GIと同じ値の取引識別情報を持つ取引ファイルが複数ある場合には、その複数の取引ファイルを順次取得する。
【0082】
そして、取得した取引ファイルの各購入記録情報を全て集めて、制御部110は、次のような精算処理を行う(精算手段)。
この精算処理では、まず、1つの購入記録情報を取り出し、その購入記録情報に含まれる個別商品コードのフラグの値を調べる。フラグの値が「21」の場合には、個別商品コードに価格データが含まれるので、当該商品の販売価格(小計)は、個別商品コードに含まれる価格データと、購入記録情報に含まれる個数の値とに基づいて算出する。
また、個別商品コードのフラグの値が「22」の場合には、個別商品コードに質量データが含まれる。そこで、マスター商品ファイルから、その個別商品コードに対応する質量単価を取得し、その取得した質量単価と、個別商品コードに含まれる質量データとに基づいて、その商品の販売価格を算出する。
また、個別商品コードのフラグの値が「23」の場合には、個別商品コードに価格データが含まれない。そこで、マスター商品ファイルから、その個別商品コードに対応する単価を取得し、その取得した単価と、購入記録情報に含まれる個数の値とに基づいて、その商品の販売価格を算出する。
【0083】
制御部110は、全ての購入記録情報について販売価格の算出を終えると、算出した全ての販売価格を総計して購入合計値を算出し、操作表示部112に表示する。
それにより、販売員PP4は、客に購入合計値を告げ、客は、販売員PP4に対して支払金額に見合ったお金を渡す。販売員PP4は、客から預かったお金の金額を操作表示部112を操作して入力する。これにより、制御部110は、購入合計値と入力された預かり金額から釣り銭を算出し、操作表示部112に表示する。なお、釣り銭が発生しない場合には、その旨を操作表示部112に表示する。
【0084】
販売員PP4がレシートの発行を操作すると、制御部110は、おのおのの購入記録情報について、個別商品コードに基づいて商品マスターファイルから読み出した商品名と、そのときに算出した販売価格と、販売価格の総計とに基づいて、所定の書式の印刷情報を作成してプリント部113へ送り、その印刷情報に対応したレシートをプリント部113から印刷出力させる。
販売員PP4は、発行されたレシートと、釣り銭(発生する場合のみ)とを客へ手渡す。また、販売員PP4は、客が購入した商品を買い物かごGGから取り出してレジ袋等に移し、そのレジ袋等を客に手渡すとともに、買い物かごGGを引き取る。客は、手渡されたレジ袋等を受け取る。
【0085】
このようにして、客が買い物かご・カート置き場P1で買い物かごGGを受け取ってから始まる一連の客の購買行動(取引)が、レジカウンターCN3で買い物かごGGが引き取られることで終了する。
【0086】
また、POS端末装置TMaの制御部110が行う売り上げファイルの作成について簡単に説明すると、この売上ファイルの各項目については、取引識別情報の各購入記録情報に含まれる個別商品コードと個数の内容に基づいて、売上数量及び売上質量を算出することができる。売上数量は、購入記録情報に含まれる個数の値を、それぞれの商品分類値別に集計すればよい。また、売上質量は、個別商品コードに含まれる質量データの値を、それぞれの商品分類値別に集計すればよい。
その際、購入時刻(POS端末装置TMaで精算した時刻)もサンプリングしておけば、例えば、ある時間帯における販売質量の合計などを算出することができ、より細かく販売履歴を把握することができる。
【0087】
以上のように、本実施例では、客の一連の購買行動について1つの取引ファイルを作成し、客が購入した各販売品におのおの設定されている個別商品コードを含む購入記録情報を、客が購入したそれぞれの販売品について形成して取引ファイルへ保存し、その取引ファイルに基づいてPOS端末装置TMaで精算処理を行うようにしている。したがって、店舗/販売スペース内であれば、客がどのような経路で購買行動を行ったとしても、客は、一度の精算で支払いを済ませることができ、客の利便性が向上する。例えば、店舗/販売スペースが多数階にわたる場合、各階で精算する必要が無く、便利である。また、例えば、実演販売ブースP4が通常の販売スペースから離れた場所に設置されている場合であっても、一連の購買行動中であれば、各商品の購入記録情報を同一取引ファイルに残しておくことができるので、同一の精算に含めることができ、便利である。
【0088】
また、本実施例では、従量販売品については、購入記録情報に設定する個別商品コード内に、購入する従量販売品の質量を設定したので、POS端末装置TMaでは、個別商品コードに基づいて売上質量の集計などを容易に行うことができ、質量データを外部データとして補助的に入力する等の対処が不要である。また、その集計値に基づいて行う従量販売品の質量管理も、簡易な処理で実現できる。
【0089】
ところで、上述した実施例では、装置の動作を制御する制御部で実行させるプログラムデータを、同一装置に備えた記憶部にあらかじめ記憶させているが、装置に備えている通信手段を使ってそのプログラムデータを外部装置よりダウンロードし、記憶部に記憶させるようにしてもよい。
また、装置にUSBホスト手段を備え、USBスティックメモリ等のUSB記憶装置をUSBホスト手段に接続し、このUSB記憶装置に記憶させたプログラムデータをUSBホスト手段で読み出して、記憶部に記憶させるようにしてもよい。このように、適宜な外部記憶装置に記憶させたプログラムデータを読み込み、記憶部に記憶させることができる。
【0090】
また、上述した実施例では、商品マスターファイル、取引ファイル、及び、売上ファイルをPOS端末装置TMaに記憶させたが、これを通信回線を介して接続された管理装置や、外部ネットワーク上のサーバ装置に記憶させてもよい。その際、商品マスターファイルの更新と、取引ファイル及び売上ファイルの作成は、POS端末装置TMaで行うようにする。
また、商品マスターファイルについては、携帯端末装置TMbに記憶させてもよく、その場合、適宜な周期で携帯端末装置TMbに記憶した商品マスターファイルを更新させるとよい。例えば、基準となる商品マスターファイルはPOS端末装置TMaに記憶させ、携帯端末装置TMbから商品マスターファイルのダウンロードをPOS端末装置TMaに要求して、必要なファイルをダウンロードする。その際、更新前と更新後と商品マスターファイルの差分データのみをダウンロードし、その差分データを用いて携帯端末装置TMbが更新後の商品マスターファイルを再構成する処理を行うようにすると、更新時にダウンロードする情報量を削減できる。
これにより、商品マスターファイルを更新する場合、POS端末装置TMaに記憶した商品マスターファイルを更新するだけで、携帯端末装置TMbに記憶した商品マスターファイルを更新できるので、商品マスターファイルの更新の手間を大幅に削減できる。
【0091】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムは、客が購入する商品を識別する商品識別情報(商品コードなど)を読み取る読取手段(バーコードスキャン部123など)を備えた携帯端末(携帯端末装置TMb)と、商品の質量を計量する計量装置(計量器MW)と、商品の代金精算を行う会計装置(POS端末装置TMa)とを少なくとも有し、それらが通信回線を介し接続されている。
計量装置(計量器MW)は、商品を載置する載置部(計量台)と、商品が載置部(計量台)に載置されると該商品の質量を計量する計量手段(計量部153)と、を有する。
携帯端末(携帯端末装置TMb)または通信回線を介して通信可能な管理装置は、読取手段により商品の商品識別情報が読み取られると、前記商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報に基づき、前記読み取られた商品の販売形態を判定する判定手段と、判定された商品の販売形態が質量を計量して販売する商品である場合、計量装置で計量された商品の質量を取得し、商品識別情報と、客を識別する情報と、前記取得された質量とに基づいてコード情報を生成するコード情報生成手段と、を有し、携帯端末(携帯端末装置TMb)は、前記生成されたコード情報を記録媒体、または、会計装置(POS端末装置TMa)、あるいは、管理装置に出力する出力手段(携帯型印刷装置PT、制御部120,無線LAN通信制御部128など)を有する。
会計装置(POS端末装置TMa)は、出力手段で出力されたコード情報を取り込む取込手段(バーコードスキャン部115、有線LAN通信制御部114など)と、前記取り込まれたコード情報に基づいて、前記客が購入する商品の代金精算を行う会計手段(制御部110)と、を有する。
このため、単価販売品および計量販売品(従量販売品)の何れの商品も会計装置(POS端末装置TMa)で精算することができ、商品の販売形態に応じて個数データあるいは質量(重量)データを収集することができる商品販売データ処理システムを提供することができる。
【0092】
また、本実施形態では、少なくとも商品を識別する商品識別情報(商品コードなど)と、商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報(商品が単価販売品であるか従量販売品であるかを示す種別情報)とを有する商品情報(商品マスターファイル)を記憶する記憶手段(記憶部141など)を設け、記憶手段(記憶部141など)は、商品の単価を更に記憶している。コード情報生成手段(制御部120など)は、読取手段(バーコードスキャン部123など)により読み取られた商品情報の販売形態情報が質量を計量して販売する商品(従量販売品)でない場合(つまり単価販売品の場合)、商品識別情報と商品の単価と、客を識別する情報とに基づいてコード情報を生成する処理を行う。
このように、コード情報生成手段は、簡単な処理により、単価販売品に関するコード情報を生成することができる。
【0093】
また、本実施形態では、会計装置(POS端末装置TMa)は、少なくとも商品を識別する商品識別情報(商品コードなど)と、商品の単価と、商品が質量を計量して販売する商品(従量販売品)であるか否かを示す販売形態情報とを有する商品情報を記憶する商品情報記憶手段(記憶部111など)と、取込手段(バーコードスキャン部115、有線LAN通信制御部114など)が取り込んだコード情報の商品識別情報に基づいて、商品情報記憶手段(記憶部111など)を検索する検索手段(制御部110)と、を有し、会計手段(制御部110)は、取込手段が取り込んだコード情報の商品識別情報が示す商品の販売形態が質量を計量して販売する商品である場合(つまり従量販売品)、取込手段により取り込んだコード情報の質量と前記商品の単価とにより前記商品の販売価格を算出し、商品の販売形態が質量を計量して販売する商品でない場合(つまり単価販売品)、商品の単価に基づいて販売価格を算出し前記客が購入する商品の代金精算を行う。
このため、会計装置(POS端末装置TMa)は、簡単な処理により、従量販売品または単価販売品に応じた代金精算を行うことができる。
【0094】
また、本実施形態では、出力手段(携帯型印刷装置PTなど)は、記録媒体にコード情報を記録する場合、一次元バーコード又は二次元バーコードの何れかのバーコード情報で記録する。このため、一次元バーコード又は二次元バーコードをバーコードスキャン部115などで容易に読み取ることができる。
【0095】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムで用いられる携帯端末は、客が購入する商品を識別する商品識別情報を読み取る読取手段と、読取手段により前記商品識別情報が読取られると、該読取られた商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報に基づき、前記読取られた商品の販売形態を判定する判定手段と、前記判定された商品の販売形態が質量を計量して販売する商品である場合、前記商品の質量を計量する計量手段より計量された質量を取得し、前記商品識別情報と、前記客を識別する情報と、前記取得した質量とに基づいてコード情報を生成するコード情報生成手段と、前記生成されたコード情報を記録媒体、または、外部装置に出力する出力手段と、を備える。また、コード情報生成手段は、前記読取手段により読み取られた商品の販売形態情報が質量を計量して販売する商品でない場合、前記商品識別情報と前記商品の単価と、前記客を識別する情報とに基づいてコード情報を生成する。
このため、簡単な構成により、商品販売データ処理システムで用いられる携帯端末を提供することができる。
【0096】
また、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0097】
尚、商品を識別する商品識別情報や、商品が質量を計量して販売する商品であるか否かを示す販売形態情報などを有する商品情報を記憶する記憶手段を、通信回線を介して通信可能な管理装置や会計装置などの外部装置が備えていてもよい。
【0098】
また、管理装置が、上記コード情報を記録媒体に印刷するように構成されていてもよい。また、管理装置が上記コード情報を会計装置に送信するように構成されていてもよい。