(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持するシールリングであって、
前記環状溝における低圧側の側壁面に対して摺動するシールリングにおいて、
前記側壁面に対して摺動する摺動面側には、
周方向に伸びる第1溝と、第1溝から内周面に至るまで伸び、密封対象流体を第1溝内に導く第2溝とを有する動圧発生用溝が設けられており、
内周面側には、シールリングの内周面に沿って周方向に向かって流れる密封対象流体をシールリングの側面側に向けて案内させることで第2溝に導く流体案内構造が設けられていることを特徴とするシールリング。
前記流体案内構造は、前記軸とハウジングが相対的に回転することによって流動する密封対象流体を第2溝に案内するガイド突起であることを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1に係るシールリングを外周面側から見た図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1に係るシールリングの一部を切断した斜視図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図の一部拡大図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例1に係るシールリングの模式的断面図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例1に係るシールリングの模式的断面図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例1に係るシールリングの使用時の状態を示す模式的断面図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例1に係る第1溝の変形例を示す図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例1に係る第1溝の変形例を示す図である。
【
図11】
図11は本発明の実施例1に係る第1溝の変形例を示す図である。
【
図12】
図12は本発明の実施例1に係る第1溝の変形例を示す図である。
【
図13】
図13は本発明の実施例1に係る第1溝の変形例を示す図である。
【
図14】
図14は本発明の実施例1に係る第2溝の変形例を示す図である。
【
図15】
図15は本発明の実施例1に係るガイド突起を内周面側から見た図である。
【
図16】
図16は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図17】
図17は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図18】
図18は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図19】
図19は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図20】
図20は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図21】
図21は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図22】
図22は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図23】
図23は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図24】
図24は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図25】
図25は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図26】
図26は本発明の実施例1に係るガイド突起の変形例を示す図である。
【
図27】
図27は本発明の実施例2に係るシールリングの側面図である。
【
図28】
図28は本発明の実施例2に係るシールリングの一部を切断した斜視図である。
【
図29】
図29は本発明の実施例2に係るシールリングの模式的断面図である。
【
図30】
図30は本発明の実施例2に係るシールリングの模式的断面図である。
【
図31】
図31は本発明の実施例2に係る第2溝の変形例を示す図である。
【
図32】
図32は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図33】
図33は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図34】
図34は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図35】
図35は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図36】
図36は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図37】
図37は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図38】
図38は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図39】
図39は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図40】
図40は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図41】
図41は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図42】
図42は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【
図43】
図43は本発明の実施例2に係るガイド溝の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本実施例に係るシールリングは、自動車用のATやCVTなどの変速機において、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する用途に用いられるものである。また、以下の説明において、「高圧側」とは、シールリングの両側に差圧が生じた際に高圧となる側を意味し、「低圧側」とは、シールリングの両側に差圧が生じた際に低圧となる側を意味する。また、以下の説明において、「軸線方向」とは、軸の中心軸線の方向を意味する。
【0013】
(実施例1)
図1〜
図8を参照して、本発明の実施例1に係るシールリングについて説明する。
図1は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図である。なお、
図1は、シールリングにおける摺動面とは反対側の側面を示している。
図2は本発明の実施例1に係るシールリングを外周面側から見た図である。
図3は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図である。なお、
図3は、シールリングにおける摺動面側の側面を示している。
図4は本発明の実施例1に係るシールリングの一部を切断した斜視図である。なお、
図4はシールリングを内周面側かつ摺動面側から見た斜視図である。
図5は本発明の実施例1に係るシールリングの側面図の一部拡大図である。なお、
図5は
図3のうち合口部110が設けられている付近を拡大した図である。
図6は本発明の実施例1に係るシールリングの模式的断面図である。なお、
図6は
図3中のAA断面図である。
図7は本発明の実施例1に係るシールリングの模式的断面図である。なお、
図7は
図3中のBB断面図である。また、
図6及び
図7においては、シールリングにおける切断面(切断端面)のみを示している。
図8は本発明の実施例1に係るシールリングの使用時の状態を示す模式的断面図である。なお、
図8中のシールリングは、
図3中のAA断面図である。
【0014】
<シールリングの構成>
本実施例に係るシールリング100は、軸200の外周に設けられた環状溝210に装着され、相対的に回転する軸200とハウジング300(ハウジング300における軸200が挿通される軸孔の内周面)との間の環状隙間を封止する。これにより、シールリング100は、流体圧力(本実施例では油圧)が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する。ここで、本実施例においては、
図8中の右側の領域の流体圧力が変化するように構成されており、シールリング100は図中右側のシール対象領域の流体圧力を保持する役割を担っている。なお、自動車のエンジンが停止した状態においては、シール対象領域の流体圧力は低く、無負荷の状態となっており、エンジンをかけるとシール対象領域の流体圧力は高くなる。また、
図8においては、図中右側の流体圧力が左側の流体圧力よりも高くなった状態を示している。以下、
図8中右側を高圧側(H)、左側を
低圧側(L)と称する。
【0015】
そして、シールリング100は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂材からなる。また、シールリング100の外周面の周長はハウジング300の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。従って、流体圧力が作用していない状態においては、シールリング100の外周面はハウジング300の内周面から離れた状態となり得る。
【0016】
このシールリング100には、周方向の1箇所に合口部110が設けられている。また、シールリング100の摺動面側には動圧発生用溝120が設けられている。更に、シールリング100の内周面側には流体案内構造を構成するガイド突起130が設けられている。なお、本実施例に係るシールリング100は、断面が矩形の環状部材に対して、上記の合口部110と複数の動圧発生用溝120とガイド突起130が形成された構成である。ただし、これは形状についての説明に過ぎず、必ずしも、断面が矩形の環状部材を素材として、これら合口部110と複数の動圧発生用溝120とガイド突起130を形成する加工を施すことを意味するものではない。勿論、断面が矩形の環状部材を成形した後に、これらを切削加工により得ることもできる。ただし、例えば、予め合口部110を有したものを成形した後に、複数の動圧発生用溝120及びガイド突起130を切削加工により得てもよいし、製法は特に限定されるものではない。
【0017】
合口部110は、外周面側及び両側壁面側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。特殊ステップカットに関しては公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、熱膨張収縮によりシールリング100の周長が変化しても安定したシール性能を維持する特性を有する。なお、ここでは合口部110の一例として、特殊ステップカットの場合を示したが、合口部110については、これに限らず、ストレートカットやバイアスカットやステップカットなども採用し得る。なお、シールリング100の材料として、低弾性の材料(PTFEなど)を採用した場合には、合口部110を設けずに、エンドレスとしてもよい。
【0018】
動圧発生用溝120は、シールリング100における摺動面側の側面のうち合口部110付近を除く全周に亘って、等間隔に複数設けられている(
図3参照)。これら複数の動圧発生用溝120は、軸200に設けられた環状溝210における低圧側の側壁面211に対してシールリング100が摺動した際に動圧を発生させるために設けられている。そして、動圧発生用溝120は、径方向の幅が一定で周方向に伸びる第1溝121と、第1溝121における周方向の中央の位置から内周面に至るまで伸び、密封対象流体を第1溝121内に導く第2溝122とから構成される。第1溝121は、環状溝210における低圧側の側壁面211に対して摺動する摺動領域X内に収まる位置に設けられている(
図8参照)。
【0019】
ガイド突起130は、周方向に伸びる第1ガイド突起131と、第1ガイド突起131から軸線方向に伸びる複数の第2ガイド突起132とから構成される。本実施例においては、第1ガイド突起131は合口部110付近を除く全周に亘って設けられている。また、第2ガイド突起132は、動圧発生用溝120における複数の第2溝122に対して、それぞれ1箇所ずつ設けられている。また、本実施例においては、各第2ガイド突起132における幅方向(周方向)の中心線と、各第2溝122の幅方向(周方向)における中心線がそれぞれ同一面上にあるように設計されている。このように構成されるガイド突起130は、軸200とハウジング300が相対的に回転することによって流動する密封対象流体を第2溝122に案内する役割を担っている。
【0020】
<シールリングの使用時のメカニズム>
特に、
図8を参照して、本実施例に係るシールリング100の使用時のメカニズムについて説明する。
図8は、エンジンがかかり、シールリング100を介して、差圧が生じている状態(図中右側の圧力が左側の圧力に比べて高くなった状態)を示している。エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、シールリング100は、環状溝210の低圧側(L)の側壁面211及びハウジング300の軸孔の内周面に対して密着した状態となる。
【0021】
これにより、相対的に回転する軸200とハウジング300との間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域(高圧側(H)の領域)の流体圧力を保持することが可能となる。そして、軸200とハウジング300が相対的に回転した場合には、環状溝210の低圧側(L)の側壁面211とシールリング100との間で摺動する。そして、シールリング100の摺動面側の側面に設けられた動圧発生用溝120から密封対象流体が摺動部分に流出する際に動圧が発生する。なお、シールリング100が環状溝210に対して、
図3中反時計回り方向に回転する場合には、第1溝121における時計回り方向側の端部から摺動部分に密封対象流体が流出する。また、シールリング100が環状溝210に対して、
図3中時計回り方向に回転する場合には、第1溝121における反時計回り方向側の端部から摺動部分に密封対象流体が流出する。
【0022】
また、軸200とハウジング300が相対的に回転することによって流動する密封対象流体は、ガイド突起130における第1ガイド突起131から第2ガイド突起132に沿って流れて、第2溝122へと導かれる。なお、シールリング100が環状溝210に対して、
図4中反時計回り方向に回転する場合には、密封対象流体は、
図4中矢印X方向に流れていく。また、シールリング100が環状溝210に対して、
図4中時計回り方向に回転する場合には、密封対象流体は、
図4中矢印Y方向に流れていく。
【0023】
<本実施例に係るシールリングの優れた点>
本実施例に係るシールリング100によれば、動圧発生用溝120内に密封対象流体が導かれるため、動圧発生用溝120が設けられている範囲においては、高圧側(H)からシールリング100に対して作用する流体圧力と低圧側(L)からシールリング100に対して作用する流体圧力が相殺される。これにより、シールリング100に対する流体圧力(高圧側(H)から低圧側(L)への流体圧力)の受圧面積を減らすことができる。
【0024】
また、シールリング100が環状溝210における低圧側の側壁面211に対して摺動する際に、第1溝121から摺動部分に密封対象流体が流出する際に動圧が発生する。これにより、シールリング100に対して側壁面211から離れる方向の力が発生する。
【0025】
以上のように、受圧面積が減ることと、動圧によりシールリング100に対して側壁面211から離れる方向に力が発生することとが相俟って、回転トルクを効果的に低減させることが可能となる。
【0026】
更に、シールリング100の内周面側には、密封対象流体を第2溝122に導く流体案内構造が設けられている。すなわち、本実施例においては、シールリング100の内周面側に、ガイド突起130が設けられている。これにより、動圧発生用溝120内に対して、十分に密封対象流体が供給される。例えば、回転数が少ない条件下においても、動圧発生用溝120に密封対象流体を供給させることが可能となる。従って、動圧発生用溝120によって、動圧を十分に発生させることが可能となる。
【0027】
以上のように、回転トルク(摺動トルク)の低減を実現できることにより、摺動による発熱を抑制することができ、高速高圧の環境条件下でも本実施例に係るシールリング10
0を好適に用いることが可能となる。また、これに伴い、軸200の材料としてアルミニウムなどの軟質材を用いることもできる。更に、低速高圧の環境条件下でも、本実施例に係るシールリング100を採用することで、低トルク化が可能となる。
【0028】
また、動圧発生用溝120は、第1溝121と、第1溝121の周方向の中央から内周面に至るまで伸びる第2溝122とを備える構成である。そして、ガイド突起130を構成する第2ガイド突起132は、複数の第2溝122に対して、それぞれ1箇所ずつ設けられ、かつ各第2ガイド突起132における幅方向の中心線と、各第2溝122の幅方向における中心線がそれぞれ同一面上にあるように設計されている。従って、環状溝210に対するシールリング100の回転方向に関係なく、ガイド突起130により各第2溝122に密封対象流体が導かれ、かつ動圧発生用溝120により上記の動圧を発生させることができる。
【0029】
更に、第1溝121は、側壁面211に対して摺動する摺動領域X内に収まる位置に設けられているので、密封対象流体の漏れを抑制することができる。
【0030】
<第1溝の各種変形例>
動圧発生用溝120における第1溝121の各種変形例について、特に、
図9〜
図13を参照して説明する。第1溝121の溝深さについては、例えば、径方向に対しては深さが一定となるように構成することができる(
図6及び
図7参照)。ただし、本発明においては、必ずしも、このような構成に限定される訳ではなく、径方向に対して深さを変えても良い。
【0031】
そして、第1溝121の溝深さについて、周方向に対しても、各種の構成を採用し得る。この点について、
図9〜
図13を参照して説明する。なお、
図9〜
図13は、
図5中のCC断面図に相当する。
図9〜
図12では、第1溝121の溝底が、周方向の中央に比べて両端側の方が浅くなるように構成された各種の例を示している。
図9では、第1溝121の溝底が、周方向の中央から平面状に両側に向かって徐々に浅くなる場合の例を示している。
図10では、第1溝121の溝底が、周方向の中央から曲面状に両側に向かって徐々に浅くなる場合の例を示している。
図11では、第1溝121の溝底が、周方向の中央から階段状に両側に向かって浅くなる場合の例を示している。
図12では、第1溝121の溝底が、周方向の中央から階段状に両側に向かって浅くなり、かつ段差部分が傾斜面で構成される場合の例を示している。このように、第1溝121の溝底が、周方向の中央に比べて両端側の方が浅くなるように構成することで、楔効果により動圧をより効果的に発生させることができる。特に、
図9及び
図10に示すように、第1溝121の溝底が、周方向の中央から両側に向かって徐々に浅くなる構成を採用した場合には、シールリング100における摺動側の側面が経時的に摩耗が進んでしまっても、楔効果を安定的に発揮させることが可能である。ただし、
図13に示すように、第1溝121の溝底の深さが周方向に一定となるように構成した場合でも、ある程度動圧を発生させることは可能である。
【0032】
<第2溝の変形例>
図14を参照して、第2溝122の変形例について説明する。上記実施例においては、第2溝122の周方向の幅が径方向において同一となるように構成される場合を示した。これに対して、
図14に示す変形例の場合には、第2溝122が、第1溝121に繋がる幅の狭い部位122aと、内周面に至る幅の広い部位122bとから構成されている。このような構成により、幅の狭い部位122aによって、第1溝121に導入された密封対象流体が第2溝122に戻ってしまうことを抑制しつつ、幅の広い部位122bによって、ガイド突起130から送られる密封対象流体を第2溝122に導入させ易くすることができる。
【0033】
<ガイド突起の各種変形例>
ガイド突起の各種変形例について、特に、
図15〜
図26を参照して説明する。
図15〜
図26は、いずれもシールリング100の内周面の一部を示しており、ガイド突起の各種変形例を示している。
【0034】
図15は上述した実施例に係るガイド突起130を示している。すなわち、このガイド突起130は、周方向に連続的に伸びる第1ガイド突起131と、第1ガイド突起131から軸線方向に伸びる複数の第2ガイド突起132とから構成される。
【0035】
図16に示すガイド突起130aは、周方向に伸びる複数の第1ガイド突起131aと、各第1ガイド突起131aの周方向の中央から軸線方向にそれぞれ伸びる複数の第2ガイド突起132aとから構成される。この変形例に係るガイド突起130aの場合には、第1ガイド突起131aが複数設けられている点が、上記実施例に係るガイド突起130の場合と異なっている。つまり、この変形例の場合には、第1ガイド突起131aが上記実施例における第1ガイド突起131のように連続的ではなく、分断されるように設けられている。これにより、隣り合う第1ガイド突起131aの間には隙間が形成される。この隙間から第2ガイド突起132a側に密封対象流体が入り込めるため、ガイド突起130aによって第2溝122に導く密封対象流体の量を増やすことができる。なお、図中の矢印は密封対象流体の流れる方向を示している。
【0036】
図17に示すガイド突起130aの構成自体は、
図16に示すガイド突起130aと同一である。
図16に示すガイド突起130aの場合には、複数の第1ガイド突起131aが軸線方向の同じ位置に並べて設けられる場合を示している。これに対して、
図17に示すガイド突起130aの場合には、複数の第1ガイド突起131aが軸線方向に対して交互に前後にずれるように配置されている場合を示している。これにより、ガイド突起130aによって第2溝122に導く密封対象流体の量をより一層増やすことができる。なお、図中の矢印は密封対象流体の流れる方向を示している。
【0037】
図18〜
図26においては、ガイド突起における形状を変更した様々な例を示している。なお、
図18〜
図26においては、各図の左側にシールリング100の片側の側面のみが摺動面となり得る場合を示し、右側にシールリング100の両側面のいずれも摺動面となり得る場合を示している。上述した実施例のように、動圧発生用溝120をシールリング100の両側面のうちの一方にのみ設けた場合には、シールリング100を環状溝210に装着する際に、動圧発生用溝120が設けられている側が摺動面側となるように注意しなければならない。これに対して、動圧発生用溝120をシールリング100の両側面に設ければ、シールリング100を環状溝210に装着する際に方向を気にしなくても良い。つまり、どの方向に装着しても、シールリング100における摺動面に動圧発生用溝120が設けられていることになる。また、使用環境によっては、高圧側(H)と低圧側(L)が入れ替わる場合もある。つまり、
図8において、高圧側(H)が図中左右交互に入れ替わるような使用環境もあり得る。この場合、シールリング100の両側面にそれぞれ動圧発生用溝120を設ければ、高圧側(H)が入れ替わっても、シールリング100の摺動面に動圧発生用溝120が設けられていることになる。
【0038】
従って、シールリング100の両側面にそれぞれ動圧発生用溝120が設けられる構成において、両側面のうちのいずれが摺動面となった場合においても、動圧発生用溝120の第2溝122に密封対象流体を導くことが可能なガイド突起を各図の右側に示している。各図において、左側には、一方の側面に対してのみ密封対象流体を導くことが可能なガイド突起を示している。そして、各図において、右側には、左側に示したガイド突起と、このガイド突起に対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせることで、両方の側面に対して密封対象流体を導くことが可能なガイド突起を示している。
【0039】
図18の左側には、上述した
図16に示すガイド突起130aを示している。
図18の右側には、このガイド突起130aと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130bを示している。より具体的には、このガイド突起130bは、周方向に伸びる第1ガイド突起131bと、第1ガイド突起131bから軸線方向の一方に伸びる第2ガイド突起132bと、第1ガイド突起131bから軸線方向の他方に伸びる第3ガイド突起133bとを備えている。
【0040】
図19の左側にはV字形状のガイド突起130cを示している。このガイド突起130cにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図19の右側には、このガイド突起130cと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130dを示している。このガイド突起130dは、4角形状の環状の突起により構成される。
【0041】
図20の左側には三角形状のガイド突起130eを示している。このガイド突起130eにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図20の右側には、このガイド突起130eと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130fを示している。このガイド突起130fは、4角形状の突起により構成される。
【0042】
図21の左側には
図19で示したガイド突起130cに対してシールリング100の側面側の先端に、軸線方向に真っ直ぐに伸びる部位を追加したガイド突起130gを示している。このガイド突起130gにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図21の右側には、このガイド突起130gと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130hを示している。
【0043】
図22の左側には
図20で示したガイド突起130eに対してシールリング100の側面側の先端に、軸線方向に真っ直ぐに伸びる部位を追加したガイド突起130iを示している。このガイド突起130iにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図22の右側には、このガイド突起130iと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130jを示している。
【0044】
図23の左側には
図19で示したガイド突起130cに対して、直線状の部分を湾曲状にしたガイド突起130kを示している。このガイド突起130kにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図23の右側には、このガイド突起130kと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130lを示している。
【0045】
図24の左側には
図20で示したガイド突起130eに対して、平面状の側面を円弧状の側面にしたガイド突起130mを示している。このガイド突起130mにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図24の右側には、このガイド突起130mと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130nを示している。
【0046】
図25の左側には楕円弧状のガイド突起130oを示している。このガイド突起130oにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図25の右側には、このガイド突起130oと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130pを示している。このガイド突起130pは、楕円形状の環状の突起により構成される。
【0047】
図26の左側には半楕円形のガイド突起130qを示している。このガイド突起130qにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図26の右側には、このガイド突起130qと、これに対して鏡面対称のガイド突起とを組み合わせたガイド突起130rを示している。このガイド突起130rは、楕円形状の突起により構成される。
【0048】
なお、
図18〜
図26に示す各種ガイド突起については、
図15に示すように、周方向に連続的に繋げてもよいし、
図16に示すように、周方向にそれぞれ間隔を空けて配置してもよい。また、
図18〜
図26に示す各種ガイド突起については、
図17に示すように、軸線方向に対して交互に前後にずれるように配置してもよい。
【0049】
(実施例2)
図27〜
図30を参照して、本発明の実施例2に係るシールリングについて説明する。上記実施例1においては、シールリングの内周面側に設けられた流体案内構造がガイド突起により構成される場合を示したが、本実施例においては、流体案内構造がガイド溝により構成される場合を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0050】
図27本発明の実施例2に係るシールリングの側面図である。なお、
図27は、シールリングにおける摺動面側の側面を示している。
図28は本発明の実施例2に係るシールリングの一部を切断した斜視図である。なお、
図28はシールリングを内周面側かつ摺動面側から見た斜視図である。
図29は本発明の実施例2に係るシールリングの模式的断面図である。なお、
図29は
図27中のDD断面図である。
図30は本発明の実施例2に係るシールリングの模式的断面図である。なお、
図30は
図27中のEE断面図である。また、
図29及び
図30においては、シールリングにおける切断面(切断端面)のみを示している。
【0051】
<シールリングの構成>
シールリング100の役割や材料については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。そして、本実施例に係るシールリング100においても、上記実施例1の場合と同様に、周方向の1箇所に合口部110が設けられ、シールリング100の摺動面側には動圧発生用溝120が設けられている。そして、本実施例の場合には、シールリング100の内周面側には流体案内構造を構成するガイド溝140が設けられている。なお、本実施例に係るシールリング100は、断面が矩形の環状部材に対して、上記の合口部110と複数の動圧発生用溝120とガイド溝140が形成された構成である。ただし、これは形状についての説明に過ぎず、必ずしも、断面が矩形の環状部材を素材として、これら合口部110と複数の動圧発生用溝120とガイド溝140を形成する加工を施すことを意味するものではない。勿論、断面が矩形の環状部材を成形した後に、これらを切削加工により得ることもできる。ただし、例えば、予め合口部110を有したものを成形した後に、複数の動圧発生用溝120及びガイド溝140を切削加工により得てもよいし、製法は特に限定されるものではない。
【0052】
合口部110及び動圧発生用溝120については、上記実施例1で説明した通りであるので、ここではその説明は省略する。
【0053】
ガイド溝140は、周方向に伸びる第1ガイド溝141と、第1ガイド溝141から軸線方向に伸びる複数の第2ガイド溝142とから構成される。本実施例においては、第1ガイド溝141は合口部110付近を除く全周に亘って設けられている。また、第2ガイド溝142は、動圧発生用溝120における複数の第2溝122に対して、それぞれ1箇所ずつ設けられている。また、本実施例においては、各第2ガイド溝142における幅方向(周方向)の中心線と、各第2溝122の幅方向(周方向)における中心線がそれぞれ同一面上にあるように設計されている。このように構成されるガイド溝140は、軸200とハウジング300が相対的に回転することによって流動する密封対象流体を第2溝122に案内する役割を担っている。
【0054】
<シールリングの使用時のメカニズム>
シールリング100の基本的なメカニズム(シール対象流体の流体圧力を保持するメカニズム)及び動圧発生用溝120による動圧発生メカニズムについては、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。
【0055】
本実施例に係るシールリング100においては、軸200とハウジング300が相対的に回転することによって流動する密封対象流体は、ガイド溝140における第1ガイド溝141から第2ガイド溝142に沿って流れて、第2溝122へと導かれる。なお、シールリング100が環状溝210に対して、
図28中反時計回り方向に回転する場合には、密封対象流体は、
図28中矢印X方向に流れていく。また、シールリング100が環状溝210に対して、
図28中時計回り方向に回転する場合には、密封対象流体は、
図28中矢印Y方向に流れていく。
【0056】
<本実施例に係るシールリングの優れた点>
以上のように構成されたシールリング100においても、上記実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、動圧発生用溝120により得られる作用効果については、実施例1の場合と同一であることは言うまでもない。また、ガイド溝140により得られる作用効果については、上記実施例1におけるガイド突起130により得られる作用効果と同様である。なお、環状溝210に対するシールリング100の回転方向に関係なく、ガイド溝140により各第2溝122に密封対象流体が導かれ、かつ動圧発生用溝120により上記の動圧を発生させることができることについても、上記実施例1の場合と同様である。また、上述した
図9〜
図13に示す第1溝121の各種変形例についても、本実施例に係るシールリング100に適用することが可能である。
【0057】
<第2ガイド溝の変形例>
ガイド溝140を構成する第2ガイド溝の変形例について、
図31を参照して説明する。上記実施例2においては、第2ガイド溝142が第2溝122に繋がるように構成される場合を示した。これに対して、
図31に示す変形例の場合には、第2ガイド溝143が、第2溝122には繋がらずに、第2溝122の近傍にまでしか伸びていないように構成されている。このような構成においても、第2ガイド溝143から第2溝122に密封対象流体を導くことが可能である。
【0058】
<ガイド溝の各種変形例>
ガイド溝の各種変形例について、特に、
図32〜
図43を参照して説明する。
図32〜
図43は、いずれもシールリング100の内周面の一部を示しており、ガイド溝の各種変形例を示している。
【0059】
図32は上述した
図31に示すガイド溝140を示している。すなわち、このガイド溝140は、周方向に連続的に伸びる第1ガイド溝141と、第1ガイド溝141から軸線方向に伸びる複数の第2ガイド溝143とから構成される。
【0060】
図33に示すガイド溝140aは、周方向に伸びる複数の第1ガイド溝141aと、各第1ガイド溝141aの周方向の中央から軸線方向にそれぞれ伸びる複数の第2ガイド溝143aとから構成される。この変形例に係るガイド溝140aの場合には、第1ガイド溝141aが複数設けられている点が、
図31,32に示すガイド溝140の場合と異なっている。つまり、この変形例の場合には、第1ガイド溝141aが
図31,32に示す第1ガイド溝141のように連続的ではなく、分断されるように設けられている。なお、図中の矢印は密封対象流体の流れる方向を示している。
【0061】
図34に示すガイド溝140aの構成自体は、
図33に示すガイド溝140aと同一である。
図33に示すガイド溝140aの場合には、複数の第1ガイド溝141aが軸線方向の同じ位置に並べて設けられる場合を示している。これに対して、
図34に示すガイド溝140aの場合には、複数の第1ガイド溝141aが軸線方向に対して交互に前後にずれるように配置されている場合を示している。なお、図中の矢印は密封対象流体の流れる方向を示している。
【0062】
図35〜
図43においては、ガイド溝における形状を変更した様々な例を示している。なお、
図35〜
図43においては、各図の左側にシールリング100の片側の側面のみが摺動面となり得る場合を示し、右側にシールリング100の両側面のいずれも摺動面となり得る場合を示している。つまり、シールリング100の両側面にそれぞれ動圧発生用溝120が設けられる構成において、両側面のうちのいずれが摺動面となった場合においても、動圧発生用溝120の第2溝122に密封対象流体を導くことが可能なガイド溝を各図の右側に示している。各図において、左側には、一方の側面に対してのみ密封対象流体を導くことが可能なガイド溝を示している。そして、各図において、右側には、左側に示したガイド溝と、このガイド溝に対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせることで、両方の側面に対して密封対象流体を導くことが可能なガイド溝を示している。
【0063】
図35の左側には、上述した
図33に示すガイド溝140aを示している。
図35の右側には、このガイド溝140aと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140bを示している。より具体的には、このガイド溝140bは、周方向に伸びる第1ガイド溝141bと、第1ガイド溝141bから軸線方向の一方に伸びる第2ガイド溝143bと、第1ガイド溝141bから軸線方向の他方に伸びる第3ガイド溝144bとを備えている。
【0064】
図36の左側にはV字形状のガイド溝140cを示している。このガイド溝140cにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図36の右側には、このガイド溝140cと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140dを示している。このガイド溝140dは、4角形状の環状の溝により構成される。
【0065】
図37の左側には三角形状のガイド溝140eを示している。このガイド溝140eにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図37の右側には、このガイド溝140eと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140fを示している。このガイド溝140fは、4角形状の溝により構成される。
【0066】
図38の左側には
図36で示したガイド溝140cに対してシールリング100の側面
側の先端に、軸線方向に真っ直ぐに伸びる部位を追加したガイド溝140gを示している。このガイド溝140gにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図38の右側には、このガイド溝140gと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140hを示している。
【0067】
図39の左側には
図37で示したガイド溝140eに対してシールリング100の側面側の先端に、軸線方向に真っ直ぐに伸びる部位を追加したガイド溝140iを示している。このガイド溝140iにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図39の右側には、このガイド溝140iと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140jを示している。
【0068】
図40の左側には
図36で示したガイド溝140cに対して、直線状の部分を湾曲状にしたガイド溝140kを示している。このガイド溝140kにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図40の右側には、このガイド溝140kと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140lを示している。
【0069】
図41の左側には
図37で示したガイド溝140eに対して、平面状の側面を円弧状の側面にしたガイド溝140mを示している。このガイド溝140mにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図41の右側には、このガイド溝140mと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140nを示している。
【0070】
図42の左側には楕円弧状のガイド溝140oを示している。このガイド溝140oにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図42の右側には、このガイド溝140oと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140pを示している。このガイド溝140pは、楕円形状の環状の溝により構成される。
【0071】
図43の左側には半楕円形のガイド溝140qを示している。このガイド溝140qにおいても、周方向に流れる密封対象流体をシールリング100の側面側に向けて案内できるため、密封対象流体を第2溝122に導くことができる。そして、
図43の右側には、このガイド溝140qと、これに対して鏡面対称のガイド溝とを組み合わせたガイド溝140rを示している。このガイド溝140rは、楕円形状の溝により構成される。
【0072】
なお、
図35〜
図43に示す各種ガイド溝については、
図32に示すように、周方向に連続的に繋げてもよいし、
図33に示すように、周方向にそれぞれ間隔を空けて配置してもよい。また、
図35〜
図43に示す各種ガイド溝については、
図34に示すように、軸線方向に対して交互に前後にずれるように配置してもよい。更に、
図35〜
図43に示す各種ガイド溝については、第2溝122に繋がるように設けても良い。
【0073】
(その他)
上記実施例1,2においては、シールリング100の回転方向に関係なく動圧が発生するように、動圧発生用溝120は、第1溝121と、第1溝121の周方向の中央から内周面に至るまで伸びる第2溝122とを備える構成を採用している。ただし、本発明においては、動圧発生用溝120は、このような構成には限定されることはない。シールリング100がある方向に対して回転した場合に動圧が発生すれば良い場合には、第2溝は第
1溝の周方向の一方の端部から内周面に至るまで伸びるように構成すればよい。