(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各種装置は、管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置と、前記管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置によって管理される各種装置とを具備し、前記記憶手段は前記管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置が具備することを特徴とする請求項3又は4に記載のデータ管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記商品データの取り込み方法を用いると、商品データ中の不要な項目までを自装置に取り込んでしまうので、限られた自装置内のメモリ容量を圧迫してしまうという問題があった。
【0006】
一方、前記問題が生じないようにするため、各装置毎のデータフォーマットからなる商品ファイル(データファイル)を予め用意しておき、各商品の商品データを各商品ファイルへそれぞれ登録し、その後、各装置が自装置に適合したデータフォーマットの商品ファイルから商品データを取り込むようにする方法もある。
【0007】
しかしながら、この方法の場合、複数の商品ファイルを予め用意してそれぞれの商品ファイルへ各商品データを登録し、その後自装置に適合した商品ファイルの商品データを取り込むので、手間と時間を要するという問題があり、またデータ管理が煩雑になってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、異なる装置間でデータを共用して効率的に利用することができ且つ各装置内のメモリ容量を圧迫することがなく、同時にデータ管理が煩雑になることもないデータの共用管理とそのデータの取り込み
を行うコンピュータプログラム及びデータ管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、各種装置
それぞれのコンピュータにおいて使用するデータの共用管理とそのデータの取り込み
を行うコンピュータプログラムにおいて、前記データは、複数の項目を有するレコードを有し
、且つ当該データを構成する1レコード内の項目毎に前記各装置を識別する識別情報を記憶
しており、前記記憶したデータの1レコードを構成する複数の項目の内、自装置を識別する識別情報が記憶された項目のみを自装置に取り込む取込ステップ、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、商品データや添加物データ等のデータ(少なくとも1レコードを有する)を、異なる装置で共用することができ、且つ各装置がデータを取り込む際は自装置の識別情報と合致する項目のみを取り込むことができるので、各装置内のメモリ容量が圧迫されることを防止できる。また、データを異なる装置間で共用できるので、データ管理が煩雑にならない。また、ある装置が必要とする項目に、その装置を識別する識別情報を設定するだけで、必要とするデータ(項目)のみを取り込むことができ、その運用が容易に行えるようになる。
【0010】
また本発明は、前
記項目毎に記憶する識別情報が、複数であることが好ましい。これによって、異なる複数の装置のいずれに対しても、それぞれが必要とするデータ中の項目のみを取り込ませることができる。
【0011】
また本発明は、各種装置で使用するデータを共用管理すると共に、前記各種装置へ前記データを提供するデータ管理システムにおいて、前記各種装置の内の何れかの装置が、前記データを構成する1レコード内の項目毎に前記各装置を識別する識別情報を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段を備えた装置以外の装置は、前記記憶されたデータの1レコードを構成する複数の項目の内、自装置を識別する識別情報が記憶された項目を自装置に取り込む取込み手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記データ管理システムにおいて、前記記憶手段が項目毎に記憶する識別情報は、複数であることが好ましい。
【0013】
また本発明は、上記データ管理システムにおいて、前記各種装置が、管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置と、前記管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置によって管理される各種装置とを具備し、前記記憶手段を前記管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置が具備していることが好ましい。管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置に記憶手段を設けることで、管理装置、あるいは、前記管理装置の機能を有する装置に管理される各装置全ての装置内のメモリ容量の圧迫を防止できる。
【0014】
また本発明は、
各種装置それぞれのコンピュータにおいて使用するデータの共用管理とそのデータの取り込みを行うコンピュータソフトウェアによる情報処理方法において、前記データは、複数の項目を有するレコードを有し、且つ当該データを構成する1レコード内の項目毎に前記各装置を識別する識別情報を記憶しており、前記記憶したデータの1レコードを構成する複数の項目の内、自装置を識別する識別情報が記憶された項目のみを自装置に取り込む取込ステップ、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるデータ管理システム1−1のシステム構成図である。同図に示すように、データ管理システム1−1は、管理装置10と、秤なしのラベルプリンタ30と、秤付きラベルプリンタ60と、包装装置90とを、LAN150によって接続して構成されている。LAN150は有線、無線の何れであっても良い。各装置30,60,90は、管理装置10に記憶された商品データ(データ)を共用して使用するものであり、各装置30,60,90は、それぞれ独立に動作させても良いし、相互に関連して動作させても良い。なお、管理装置10、ラベルプリンタ30、秤付きラベルプリンタ60、包装装置90は、何れも情報を処理する情報処理装置である。
【0020】
管理装置10は、データ管理システム1−1全体を制御するコンピュータであって、下記する商品マスタファイル等の種々の情報を管理する。商品マスタファイルは、複数の商品の商品データを、所定のデータフォーマットで、格納したファイルであって、適宜更新される。
【0021】
図2は管理装置10の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、管理装置10は、CPU11と、ROM13と、RAM15と、ハードディスク17と、表示部19と、入力部21と、通信部23とを有しており、これら各構成要素を互いにバス25を介して接続して構成されている。CPU11は、ROM13に記憶された制御プログラムを実行することにより、管理装置10の動作を制御する。ROM13は、前記制御プログラム等の各種情報を記憶する。RAM15は、種々の情報を一時記憶する記憶手段である。ハードディスク17は、前記商品マスタファイル等の各種情報を記憶する記憶手段である。表示部19は、例えば液晶ディスプレイであり、管理装置10を操作する操作者に対して情報を表示する。入力部21は、管理装置10を操作する操作者から種々の操作を受けるための各種キー等を有している。通信部23はLAN150を介して外部の各種装置と通信するための通信インタフェースである。
【0022】
図3はラベルプリンタ30の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、ラベルプリンタ30は、CPU31と、ROM33と、RAM35と、操作部37と、表示部39と、通信部41と、インタフェース43と、サーマルヘッド45と、ステッピングモータ47と、カッター49とを有しており、これら各構成要素を互いにバス51を介して接続して構成されている。なおこの例で用いているラベルプリンタ30は、台紙レスラベルプリンタである。
【0023】
CPU31は、ROM33上の制御プログラムを実行することにより、ラベルプリンタ30の動作を制御する。ROM33は、前記制御プログラム等の各種情報を記憶する。RAM35は、前記商品マスタファイルから必要な項目を取り出した商品ファイルや、ラベル印字のフォーマットが定義された印字フォーマットや、フォントファイル等の各種情報を記憶する。操作部37は、操作者が各種入力を行う入力装置である。表示部39は、種々の情報(印刷する商品名称や日時等)を表示する液晶ディスプレイである。この液晶ディスプレイはタッチパネルとなっており、上記操作部37に兼用して用いられる。通信部41は、前記管理装置10等の他の装置とLAN150を介して通信するためのものである。サーマルヘッド45は、CPU31の指令に基づいて駆動され、印字用の用紙を加熱して印字する。ステッピングモータ47は、CPU31の指令に基づいて駆動され、印字用の用紙の紙送りを行う。カッター49は、CPU31の指令に基づいて印字後の用紙をカットする。ラベルには、商品名称、産地名称、値段、原材料、添加物、バーコード等が印字される。従って、RAM35に記憶する商品ファイル中の各商品データのレコード中には、商品コード、商品名称、産地名称、単価、原材料、添加物等の項目が必要である。
【0024】
図4は秤付きラベルプリンタ60の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、秤付きラベルプリンタ60は、CPU61と、ROM63と、RAM65と、操作部67と、表示部69と、計量部71と、通信部73と、インタフェース75と、サーマルヘッド77と、ステッピングモータ79と、カッター81とを有しており、これら各構成要素を互いにバス83を介して接続して構成されている。
【0025】
CPU61、ROM63、RAM65、操作部67、表示部69、通信部73、インタフェース75、サーマルヘッド77、ステッピングモータ79、カッター81は、何れも前記ラベルプリンタ30のCPU31、ROM33、RAM35、操作部37、表示部39、通信部41、インタフェース43、サーマルヘッド45、ステッピングモータ47、カッター49と同様なので、それらの詳細な説明は省略する。一方、計量部71は、その計量皿に載置した商品の重量を測定する装置であり、測定結果はRAM55に記憶される。
【0026】
秤付きラベルプリンタ60は、計量部71(その計量皿)に載せた商品の重量を測定し、測定重量から風袋重量を減算して正味重量を求め、その単価から値段を求める。そして、ラベルには、前記ラベルプリンタ30と同様の内容が印字される。従って、RAM65に記憶する商品ファイル中の各商品データのレコード中には、商品コード、商品名称、産地名称、単価、原材料、添加物等の他に、風袋重量の項目が必要になる。
【0027】
図5は包装装置90の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、包装装置90は、計量値付制御部91と、包装制御部93とを具備している。計量値付制御部91は、主として商品を計量し、値付し、ラベルを発行する制御を行うものであり、包装制御部93は、主としてストレッチ包装機の機構部の制御を行うものである。
【0028】
計量値付制御部91は、CPU95と、ROM97と、RAM99と、表示操作部101と、計量部103と、通信部105と、インタフェース(INF)107と、印字部109と、貼付部110と、商品検出センサ111とを有しており、これら各構成要素を互いにバス113を介して接続して構成されている。
【0029】
CPU95は、計量値付制御部91全体を制御する。ROM97には、CPU95が実行する各種制御プログラムが記憶されている。RAM99には、前記商品マスタファイルから必要な項目を取り出した商品ファイルや印字フォーマットやトレイ情報等の各種情報を一時記憶する。表示操作部101は、キーボードとタッチパネルからなる操作部と、液晶ディスプレイ(前記タッチパネル兼用)で構成された表示部を備えており、各種入力、表示を行う。計量部103は、包装装置90の商品載置部に載置された被包装物を計量して出力するものである。通信部105は、前記管理装置10等の他の装置とLAN150を介して通信するためのものである。インタフェース107は、包装制御部93側のインタフェース117と接続され、各種データや指令の交信を行う。データの内容は、各種ステータスデータの他、包装制御部93側から計量値付制御部91側へトレイ種別判断やラベル貼付用データとして商品の長さ、幅、高さのデータ等が送信される。印字部109はCPU95の指令に基づいてラベルに商品名や値段などの印字を行い発行するものである。ラベルへの印字項目は、前記ラベルプリンタ30,60の場合と同じとする。貼付部110は発行されたラベルを該当する被包装物に貼付する。商品検出センサ111は、被包装物がラベル貼付位置に送られてきたことを検出し、この検出結果に基づいて貼付部110を制御する。
【0030】
包装制御部93は、CPU115と、インタフェース(INF)117と、ROM119と、RAM121と、操作部123と、機構駆動部125とを有しており、これら各構成要素を互いにバス127を介して接続して構成されている。CPU115は、包装制御部93全体を制御する。インタフェース117は、前記計量値付制御部91と各種データや指令の交信を行うものである。ROM119には、CPU115が実行する各種制御プログラムが記憶されている。RAM121には、前記商品マスタファイルから必要な項目を取り出した商品ファイルや、トレイのサイズに基づいて各種包装制御データを決定するためのトレイファイル等の各種情報が記憶されている。操作部123は、装置の起動停止等を操作する各種指令スイッチで構成されている。機構駆動部125は、被包装物の包装を行う場合に包装装置90の各機構部を駆動するための回路であり、具体的にはエレベータを駆動するエレベータモータ129と、被包装物を包装装置90内に搬入するコンベアの搬入モータ131と、被包装物(トレイ)の横幅、奥行き、高さをそれぞれ検出する幅検出センサ133、長さ検出センサ135、高さ検出センサ137と、その他、排出プッシャ駆動モータ139と、フィルム移送駆動モータ141と、折込板駆動モータ143とを有している。
【0031】
そして例えば、包装装置90の商品載置部にトレイに載せた商品を載置すれば、その商品の重量が計量され、トレイの寸法が測定されてトレイ種別が判定され、トレイ種別から風袋重量を判断し、正味重量、値段を算出する。そしてトレイの寸法やフィルム張り量等のデータを参照しながら、商品の包装を行う。次に、印字部109によって商品名や値段などが印字されたラベルを発行し、このラベルを貼付部110によって前記包装した商品に貼付し、包装装置90から排出し、一連の包装操作が終了する。従って、RAM99又は121に記憶する商品ファイル中の各商品データのレコード中には、商品コード、商品名称、産地名称、単価、風袋重量、トレイ情報、フィルム張り量、原材料、添加物等の項目が必要になる。
【0032】
次に、上記データ管理システム1−1によるデータ処理方法を説明する。
図6はデータ管理システム1−1によるデータの共用管理とそのデータの取り込み方法の処理フロー(取込ステップ)の一例を示す図である。また
図7は、データ取り込みの一例を示す概念図である。
【0033】
まず前記
図2に示す管理装置10のハードディスク17(又はRAM15)に、
図7に示すような商品マスタファイルF1を記憶しておく(記憶ステップ)。商品マスタファイルF1のデータ中には、多数の商品毎のレコードR1が存在する。
図7に示しているレコードR1は、1つの商品(商品データ)のレコードR1であり、その中には、商品コード、商品名称、産地名称、単価、風袋重量、トレイ情報、フィルム張り量、原材料、添加物等の種々の項目(例えば50項目程度)K1〜Knが含まれている。そして各項目K1〜Knの夫々には、前記ラベルプリンタ30と秤付きラベルプリンタ60と包装装置90を識別する識別情報A,B,Cが記憶されている。Aは包装装置90が必要とし、包装装置90に取り込むことを識別する識別情報である。Bは秤付きラベルプリンタ60が必要とし、秤付きラベルプリンタ60に取り込むことを識別する識別情報である。Cはラベルプリンタ30が必要とし、ラベルプリンタ30に取り込むことを識別する識別情報である。なおこれら識別情報A,B,Cを含んだ商品データをハードディスク17(又はRAM15)に記憶する工程を記憶ステップと呼ぶ。
【0034】
即ち、包装装置90は、上述のように、トレイに載せた商品を計量して包装し、その重量、単価に応じた価格等を印刷したラベルを発行し貼付する装置であるが、このような機能を発揮するためには、上記商品マスタファイルF1の各商品データ(1レコードR1)の項目の内、商品コード、商品名称、産地名称、単価、風袋重量、トレイ情報、フィルム張り量、原材料、添加物の情報が必要になる(他にも必要な情報はあるが、説明を容易にするため、ここではこれらの項目のみを必要な項目として、以下説明する。下記するラベルプリンタ30と秤付きラベルプリンタ60においても同様とする。)。そこでこれら必要な項目K1〜K7,Kn−1,Knに対して、「A」という識別情報を付与している。
【0035】
同様に、秤付きラベルプリンタ60は、上述のように、計量皿に商品を載せ、その重量、単価に応じた価格等を印刷したラベルを発行する装置であるが、このような機能を発揮するためには、商品マスタファイルF1中の、商品コード、商品名称、産地名称、単価、風袋重量、原材料、添加物の情報が必要になる。そこでこれら必要な項目K1〜K5,Kn−1,Knに対して、「B」という識別情報を付与している。
【0036】
同様に、秤なしのラベルプリンタ30は、商品情報を手入力やバーコードの読み込みによって入力することで、単価に応じた価格等を印刷したラベルを発行する装置であるが、このような機能を発揮するためには、商品マスタファイルF1中の、商品コード、商品名称、産地名称、単価、原材料、添加物の情報が必要になる。そこでこれら必要な項目K1〜K4,Kn−1,Knに対して、「C」という識別情報を付与している。
【0037】
そして例えば、秤なしのラベルプリンタ30を自装置として、管理装置10のハードディスク17(又はRAM15)に記憶されている商品マスタファイルF1から必要な商品情報を取り込む取込ステップの例を説明する。
【0038】
図6において、まずラベルプリンタ30から管理装置10にアクセスして、所望の1つの商品の商品データ(1レコードR1分)の全ての項目K1〜Knを取り込み、一時記憶する(ステップ1)。次に前記読み込んだ項目K1〜Knの内の項目K1を読み込み(ステップ2)、自装置の識別情報「C」がその項目K1に存在するか否かを判定する(ステップ3)。項目K1には識別情報「C」が存在するので、項目K1の「商品コード」をRAM35(商品ファイル)に書き込む(ステップ4)。
【0039】
次に、次の項目K2が存在するか否かを判定し(ステップ5)、項目K2は存在するので、ステップ2に戻り、次の項目K2を上記と同様に処理する。上記処理を繰り返し行う。そして、ステップ2において項目K5を読み込むと、項目K5には識別情報「C」が存在しないので(ステップ3)、項目K5の「風袋重量」はRAM35に書き込まず、ステップ2に戻り、項目K6を読み込む。上記ステップ2〜ステップ5を繰り返し、その商品についての全ての項目K1〜Knの選別が終了した場合、ステップ6に移行し、読み込むべき次の商品の商品データがあるか否かを判定し、ある場合はステップ1に戻って、上記と同じ処理を行い、ない場合はこの一連の処理を終了する。
【0040】
以上の処理によって、
図7の商品ファイルF4に示すように、ラベルプリンタ30に必要とされる項目K1〜K4,Kn−1、Knのみを有する複数の商品データがラベルプリンタ30の商品ファイルF4として、RAM35に記憶される。そしてこれら複数の商品の商品データを有する商品ファイルF4を用いて、ラベルプリンタ30を駆動操作する。以上のように、RAM35には、商品ファイルF4として前記管理装置10に記憶された商品マスタファイルF1中の各商品データの必要な項目のみが記憶され、不要な項目は記憶されないので、限られたラベルプリンタ30内のメモリ容量が圧迫されることはない。また管理装置10側に、予めこのラベルプリンタ30専用のデータフォーマットからなるデータファイル(商品ファイル)を作成しておく必要もなく、データ管理が煩雑になることもない。
【0041】
次に、秤付きラベルプリンタ60の場合も、上記と同様に、管理装置10にアクセスし、その商品マスタファイルF1の中の各商品データから自装置の識別情報「B」が存在する項目のみを取り込むことで、秤付きラベルプリンタ60に必要とされる項目K1〜K5,Kn−1、Knのみを有する商品データとした商品ファイルF3を作成し、RAM65に記憶する。
【0042】
次に、包装装置90の場合も、上記と同様に、管理装置10にアクセスし、その商品マスタファイルF1の中の各商品データから自装置の識別情報「A」が存在する項目のみを取り込むことで、包装装置90に必要とされる項目K1〜K7,Kn−1、Knのみを有する商品データとした商品ファイルF2を作成し、RAM99,121に記憶する。
【0043】
なお、前記
図6のステップ1における商品データの取込み方法としては、各装置(ラベルプリンタ30、秤付きラベルプリンタ60、包装装置90)が管理装置10に商品データをバッチ処理によって取りに行く方法や、管理装置10から各装置が商品データをバッチ処理によって取得する方法や、自装置に登録されていない商品データを必要に応じて管理装置10に取りに行くリアルタイム処理等、状況に応じて種々の取得方法を用いることができる。
【0044】
図8は本発明の他の実施形態にかかるデータ管理システム1−2のシステム構成図である。同図において、前記
図1〜
図7に示すデータ管理システム1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1〜
図7に示す実施形態と同じである。
【0045】
同図に示すデータ管理システム1−2において、上記データ管理システム1−1と相違する点は、管理装置10を省略した点である。その代りに、例えば、上記
図7に示す商品マスタファイルF1に相当する商品ファイルF1´を、ラベルプリンタ30のRAM35に記憶しておく。つまりこの例の場合、ラベルプリンタ30が管理装置の役割を兼ねる装置、即ち管理装置の機能を有する装置になる。このように構成した場合、ラベルプリンタ30はRAM35に記憶した前記商品ファイルF1´をそのまま使用して駆動操作される。
【0046】
一方、秤付きラベルプリンタ60は前記ラベルプリンタ30にアクセスし、前記データ管理システム1−1の場合と同様に、その商品ファイルF1´の中から自装置の識別情報「B」が存在する項目のみを取り込むことで、秤付きラベルプリンタ60に必要とされる項目K1〜K5,Kn−1、Knのみを有する商品データとした商品ファイルF3を作成し、RAM65に記憶する。そしてこの商品ファイルF3を用いて、秤付きラベルプリンタ60を駆動操作する。
【0047】
同様に、包装装置90も前記ラベルプリンタ30にアクセスし、その商品ファイルF1´の中から自装置の識別情報「A」が存在する項目のみを取り込むことで、包装装置90に必要とされる項目K1〜K7,Kn−1,Knのみを有する商品データとした商品ファイルF2を作成し、RAM99やRAM121に記憶する。そしてこの商品ファイルF2を用いて、包装装置90を駆動操作する。
【0048】
上記データ管理システム1−2では、
図7に示す商品マスタファイルF1に相当する商品ファイルF1´を、ラベルプリンタ30のRAM35に記憶した例を示したが、その代りに秤付きラベルプリンタ60のRAM65や包装装置90のRAM99,121に記憶しても良い。
【0049】
このように、データ管理システム1−2を構成すれば、管理装置を省略できる。一方、
図1に示すデータ管理装置1−1のように管理装置10を設置した場合は、所望の機械的動作を行うすべての各装置(ラベルプリンタ30、秤付きルプリンタ60、包装装置90)内のメモリ容量の圧迫が防止できる。
【0050】
ところで、上記
図7において、項目K1〜Kn毎に設定された、装置を識別する識別情報「A」、「B」、「C」は、項目毎にこれを変更または削除するだけで、取り込む項目を容易に変更することが可能になる。また、ある装置が必要とする項目に、その装置を識別する識別情報「A」、「B」、「C」を設定するだけで、必要とするデータ(項目)のみを取り込むことができるので、その運用が容易に行える。
【0051】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記例では、商品データを用いて所望の動作を行う装置として、秤なしのラベルプリンタ30と秤付きラベルプリンタ60と包装装置90とを例示したが、この種の装置としては、例えばラベル貼付装置、POSレジスタ、電子棚札、券売機等、他の種々の装置であっても良い。例えばPOSレジスタが前記管理装置10に接続されていて管理装置10の商品マスタファイルF1から必要な項目を取り出す際は、風袋重量やトレイ情報やフィルム張り量や原材料や添加物等の項目は不要な場合がある。また例えば電子棚札を制御する電子棚札コントローラが前記管理装置10に接続されていて管理装置10の商品マスタファイルF1から必要な項目を取り出す際は、産地名称や風袋重量やトレイ情報やフィルム張り量や原材料や添加物等の項目は不要な場合がある。従ってこれら装置に本発明を適用しても有効である。なお、これら装置も、情報を処理する情報処理装置であることは言うまでもない。
【0052】
また上記例では、データとして、商品データを用いた例を示したが、商品データ以外の、例えば、産地データ、添加物データ、原材料データ等のデータであっても本発明を同様に適用できる。要は、1又は複数のレコードを有するデータであって、1レコード内に1又は複数の項目を具備し、これら項目の中から必要な項目を取り出すことが求められるデータであれば、どのようなデータであっても良い。
【0053】
また上記例では、管理装置や各種装置の間をLAN等の通信回線を介して接続することでデータの受け渡しを行ったが、本発明はこれに限られず、USBメモリやSDカード等の各種記憶媒体によって、管理装置や各種装置の間でデータの受け渡しを行う構成としても良い。要は、管理装置を含む各種装置間でデータを提供したり提供を受けたりする(つまりデータの受け渡しを行う)ことができる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0054】
更に上記例では、各商品の商品データの項目毎に装置を識別する識別情報を設定したが、例えば複数の商品の商品データを記憶する商品ファイル中の複数の商品毎に付される各タイトル(項目)にのみ装置を識別する識別情報を設定しても良い。このように構成すれば、複数の商品毎にまとめて処理ができるので、更に運用が簡単になる。この場合、商品ファイルが1レコード、タイトルが項目になる。