特許第6394051号(P6394051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本精工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6394051-回転速度検出装置付転がり軸受ユニット 図000002
  • 特許6394051-回転速度検出装置付転がり軸受ユニット 図000003
  • 特許6394051-回転速度検出装置付転がり軸受ユニット 図000004
  • 特許6394051-回転速度検出装置付転がり軸受ユニット 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394051
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16C 41/00 20060101AFI20180913BHJP
   F16C 33/76 20060101ALI20180913BHJP
   F16C 19/38 20060101ALI20180913BHJP
   G01P 3/487 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   F16C41/00
   F16C33/76 A
   F16C19/38
   G01P3/487 F
   G01P3/487 L
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-96671(P2014-96671)
(22)【出願日】2014年5月8日
(65)【公開番号】特開2015-215002(P2015-215002A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高梨 晴美
【審査官】 星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−190079(JP,A)
【文献】 特開2012−232708(JP,A)
【文献】 特開2005−090638(JP,A)
【文献】 特開2013−100855(JP,A)
【文献】 特開2011−196425(JP,A)
【文献】 特開2010−078018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 41/00−41/04
F16C 33/72−33/82
F16C 19/00−19/56
F16C 33/30−33/66
G01D 5/00− 5/252
G01D 5/39− 5/62
G01P 1/00− 3/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、この外輪の内径側にこの外輪と同心に支持され、外周面のうちでこの外輪の軸方向外端部よりも軸方向外方に突出した部分に車輪を支持する為の回転側フランジを設けたハブと、
前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、
軸方向内側面の磁気特性を円周方向に関して交互に変化させて成り、前記ハブの軸方向内端部にこのハブと同心に支持された、円環状のエンコーダと、
前記外輪の軸方向内端部に装着されて、この外輪の軸方向内端開口部を塞いだキャップと、
前記エンコーダの被検出面に軸方向に対向した状態で、このエンコーダの被検出面の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させるセンサと、このセンサを保持した状態で、前記キャップに支持されたセンサホルダとを備えたセンサユニットと、
を備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットであって、
前記キャップは、キャップ本体と、センサ取付用ナットと、ゴム部材とを備えたものであり、
このうちのキャップ本体は、金属製で、有底円筒状に構成されており、前記外輪の軸方向内端部に内嵌固定されたキャップ円筒部と、このキャップ円筒部の軸方向内端開口を塞ぐキャップ底部と、このキャップ底部のうち、前記エンコーダの被検出面の円周方向一部分と対向する位置に形成されたセンサ用貫通孔と、前記キャップ底部に形成されたナット用貫通孔を有するものであり、
前記センサ取付用ナットは、軸方向内端部を、前記ナット用貫通孔に圧入固定する事により、前記キャップ底部の軸方向外側に直接固定されており、
前記ゴム部材は、ゴムにより一体に形成されると共に、前記キャップ本体に加硫接着されたもので、シール部と、センサ保持部と、ナット用覆い部と、連続させた状態で備えており、このうちのシール部は、前記キャップ円筒部の外周面の軸方向内端寄り部分の全周に加硫接着された状態で、前記外輪の内周面に全周に亙り弾性的に接触しており、前記センサ保持部は、前記センサ用貫通孔の内周面に加硫接着された状態でこの内周面を覆う保持筒部と、この保持筒部の軸方向外端開口を塞ぐ保持底板部とから成る有底筒状であり、前記ナット用覆い部は、前記センサ取付用ナットが、前記エンコーダを設置した内部空間に露出しない様に覆うものであり、
前記センサユニットは、前記センサホルダのうちの前記センサを保持した部分であるホルダ本体を前記保持筒部に内嵌すると共に、このホルダ本体を前記保持底板部の軸方向内側面に当接させた状態で、前記センサ取付用ナットに螺合したボルトにより前記キャップ底部の軸方向内側面直接結合固定されている、
事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
【請求項2】
前記保持底板部の軸方向内側面の軸方向位置が、前記キャップ底部の軸方向外側面よりも軸方向外側である、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
【請求項3】
前記保持底板部の軸方向内側面の軸方向位置が、前記キャップ円筒部の軸方向中間部である、請求項2に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車輪(従動輪)を懸架装置に対し回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為の、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の懸架装置に車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、従来から各種構造のものが知られている。何れの構造の場合も、車輪と共に回転するハブの一部に支持固定したエンコーダの被検出面に、回転しない部分に支持固定したセンサの検出部を対向させている。そして、前記エンコーダの回転に伴って変化する、このセンサの出力信号の周波数又は周期に基づいて、このエンコーダと共に回転する前記車輪の回転速度を求める様に構成している。
【0003】
この様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを構成するエンコーダが泥水や塵埃等の付着により損傷する事を防止する為、或いはこのエンコーダに磁性粉等の異物が付着して、このエンコーダを利用した回転速度検出の信頼性が損なわれる事を防止する為、非磁性板製のキャップによりこのエンコーダを外部から隔てる構造が、特許文献1に記載される等により、従来から知られている。図4は、このうちの特許文献1に記載された構造の1例を示している。
【0004】
この回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1は、転がり軸受ユニット2と、回転速度検出装置3とを組み合わせて成る。このうちの転がり軸受ユニット2は、外輪4とハブ5と複数個の転動体6、6とを備える。このうちの外輪4は、内周面に複列の外輪軌道7a、7bを、外周面に静止側フランジ8を、それぞれ有する。そして、使用状態で前記外輪4は、懸架装置を構成するナックル9に支持されて回転しない。又、前記ハブ5は、ハブ本体10と内輪11とを、かしめ部12により結合固定して成るもので、外周面に複列の内輪軌道13a、13bを有し、前記外輪4の内径側にこの外輪4と同心に支持されている。又、前記ハブ本体10の軸方向外端部(軸方向に関して外とは、懸架装置に組み付けた状態で車体の幅方向外寄りとなる側を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)で前記外輪4の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分に、車輪を支持する為の回転側フランジ14を設けている。又、前記各転動体6、6は、前記両外輪軌道7a、7bと前記両内輪軌道13a、13bとの間に、両列毎に複数個ずつ、保持器15、15により保持された状態で、転動自在に設けられている。更に、前記各転動体6、6を設置した内部空間16の軸方向両端部は、シールリング17とキャップ18とにより塞いでいる。
【0005】
このキャップ18は、アルミニウム系合金板、オーステナイト系ステンレス鋼板の如き非磁性金属板等の非磁性板製としている。この様なキャップ18は、底板部19と、この底板部19の外周縁から軸方向外方に直角に折れ曲がった円筒部20とを、それぞれ備える。図4の構造では、従動輪(FF車の後輪、FR車、MR車の前輪)用の転がり軸受ユニット2を対象としている為、前記底板部19を、前記外輪4の軸方向内端開口部全体(軸方向に関して内とは、懸架装置に組み付けた状態で、車体の幅方向中央寄りとなる側を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)を塞ぐ円板状としている。
【0006】
一方、前記回転速度検出装置3は、エンコーダ21とセンサユニット22とを備える。このうちのエンコーダ21は、磁性金属板を断面L字形で全体を円環状とした支持環23と、ゴム磁石等の永久磁石製のエンコーダ本体24とから成る。このエンコーダ本体24は、軸方向に着磁すると共に、着磁方向を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させる事により、被検出面である軸方向内側面にS極とN極とを、交互に且つ等間隔に配置している。この様なエンコーダ本体24の被検出面は、前記キャップ18の軸方向外側面(内面)に、微小隙間を介して近接対向させている。言い換えれば、このキャップ18を前記外輪4の軸方向内端部に、前記底板部19の軸方向外側面が前記エンコーダ本体24の被検出面に近接対向する状態にまで押し込む。
【0007】
更に、前記センサユニット22は、センサ(図示省略)と、センサホルダ25とを備えている。このうちのセンサは、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子を検出部に設けたもので、前記エンコーダ本体24の被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものである。前記センサホルダ25は、合成樹脂を射出成形して成るもので、前記センサを保持したホルダ本体26と、前記ナックル9に固定する為の取付部27とを備える。この様なセンサユニット22は、前記ホルダ本体26を前記ナックル9に形成したセンサ挿入孔28内に挿入した状態で、前記取付部27に形成した通孔を挿通したボルト29の雄ねじ部を、前記ナックル9に形成された有底状のねじ孔30の雌ねじ部に螺合する事により、前記ナックル9に対して固定されている。
【0008】
上述の様に前記ナックル9に支持固定された状態で、前記センサホルダ25により保持された前記センサの検出部を、前記底板部19の軸方向内側面(外面)に当接させている。この状態でこの検出部が、この底板部19を介して、前記エンコーダ本体24の被検出面に対向する。この状態でこのエンコーダ本体24が、前記ハブ5と共に回転すると、前記センサの検出部の近傍を、前記被検出面に存在するS極とN極とが交互に通過し、このセンサの出力が変化する。この変化の周波数は前記ハブ5の回転速度に比例し、変化の周期はこの回転速度に反比例するので、何れかに基づいて、前記ハブ5に固定した車輪の回転速度を求められる。
【0009】
上述の様な図4に示した従来構造の場合、永久磁石製のエンコーダ本体24と外部空間とを、非磁性板製のキャップ18により隔てているので、このエンコーダ本体24の被検出面に、磁性粉等の異物が付着する事を防止できる。この為、この被検出面を清浄な状態に保って、前記エンコーダ本体24を利用した回転速度検出の信頼性確保を図れる。但し、この回転速度検出の信頼性をより一層向上させる面からは、次の様な点で改良の余地がある。
【0010】
前記センサの出力信号を、前記エンコーダ本体24の回転に伴って十分に変化させる為には、このエンコーダ本体24に対する前記センサの位置決め精度を十分に高くする必要がある。これに対して前記従来構造の場合には、前記センサを前記ナックル9に支持固定しており、前記エンコーダ本体24とこのセンサとの間に存在する部材が多いので、前記位置決め精度を確保しにくい。特に、前記外輪4と前記ナックル9との間の位置決め精度は、回転速度検出の面からは十分に高いとは言えず、前記センサの出力信号の変化量を確保する面からは不利である。
【0011】
又、前述の従来構造の場合、前記センサの検出部を、前記エンコーダ本体24の被検出面に、前記キャップ18の底板部19を介して対向させている。この為、このキャップ18を、アルミニウム系合金板、オーステナイト系ステンレス鋼板の如き非磁性金属板等の非磁性板製としている。この様な非磁性材製の金属は高価で、プレス加工しにくい為、製造コストが嵩んでしまう可能性がある。
又、オーステナイト系ステンレス鋼板にプレス加工を施すと、このステンレス鋼板が磁性を帯びてしまう場合がある。この場合には、プレス加工後に、磁性を除去する為の工程(熱処理等)が必要となり、製造コストが嵩んでしまう可能性がある。
又、前述の従来構造の場合、前記センサの検出部を、前記エンコーダ本体24の被検出面に、前記キャップ18の底板部19を介して対向させている為、前記センサの検出部と、前記エンコーダ本体24の被検出面との間の距離(エアギャップ)が大きくなり易く、前記センサの出力信号の変化量を確保する面からは不利になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−249138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述の様な事情に鑑み、エンコーダとセンサとの軸方向に関する位置決め精度を確保し易く、且つ、製造コストを抑えられる回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、従動輪用の車輪をナックル等の懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用するもので、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、エンコーダと、キャップと、センサユニットとを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有すると共に、外周面のうちで前記外輪の軸方向外端部よりも軸方向外方に突出した部分に、車輪を支持する為の回転側フランジを有し、前記外輪の内径側に、この外輪と同心に支持される。
前記各転動体は、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。
前記エンコーダは、軸方向内側面の磁気特性を円周方向に関して交互に変化させて成り、前記ハブの軸方向内端部にこのハブと同心に支持されている。
前記キャップは、前記外輪の軸方向内端部に装着されて、この外輪の軸方向内端開口部を塞いでいる。
前記センサユニットは、センサと、センサホルダとを備える。
このうちのセンサは、前記エンコーダの被検出面に軸方向に対向した状態で、このエンコーダの被検出面の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させる。
前記センサホルダは、前記センサを保持した状態で、前記キャップに支持されている。
【0015】
特に本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、前記キャップが、キャップ本体と、センサ取付用ナットと、ゴム部材とを備えている。
このうちのキャップ本体は、金属により有底円筒状に造られたもので、キャップ円筒部と、キャップ底部と、センサ用貫通孔と、ナット貫通孔とを有する。
このうちのキャップ円筒部は、前記外輪の軸方向内端部に内嵌固定されている。
又、前記キャップ底部は、前記キャップ円筒部の軸方向内端開口を塞いでいる。
又、前記センサ用貫通孔は、前記キャップ底部のうち、前記エンコーダの被検出面の円周方向一部分と対向する位置に形成されている。
又、前記ナット貫通孔は、前記キャップ底部に形成されている。
又、前記センサ取付用ナットは、軸方向内端部を、前記ナット用貫通孔に圧入固定する事により、前記キャップ底部の軸方向外側に直接固定されている。
又、前記ゴム部材は、ゴムにより一体に形成されると共に、前記キャップ本体に加硫接着されたもので、シール部と、センサ保持部と、ナット用覆い部と、連続させた状態で備えている。
このうちのシール部は、前記キャップ円筒部の外周面の軸方向内端寄り部分の全周に加硫接着された状態で、前記外輪の内周面に全周に亙り弾性的に接触している。
又、前記センサ保持部は、前記センサ用貫通孔の内周面に加硫接着された状態でこの内周面を覆う保持筒部と、この保持筒部の軸方向外端開口を塞ぐ保持底板部とから成る有底筒状である。
又、前記ナット用覆い部は、前記センサ取付用ナットが、前記エンコーダを設置した内部空間に露出しない様に覆うものである。
そして、前記センサユニットは、前記センサホルダのうちの前記センサを保持した部分であるホルダ本体を前記保持筒部に内嵌すると共に、このホルダ本体を前記保持底板部の軸方向内側面に当接させた状態で、前記センサ取付用ナットに螺合したボルトにより前記キャップ底部の軸方向内側面に結合固定されている。
【0016】
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記保持底板部の軸方向内側面の軸方向位置を、前記キャップ底部の軸方向外側面よりも軸方向外側とする。この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、前記保持底板部の軸方向内側面の軸方向位置を、前記キャップ円筒部の軸方向中間部とする。
尚、本発明の技術的範囲からは外れるが、前記センサ取付用ナットの軸方向内端部を、前記キャップ底部に形成されたナット用貫通孔に圧入固定する代わりに、前記キャップ底部の軸方向内側面に、軸方向外方に凹んだ有底状のナット用凹部を形成し、前記センサ取付用ナットを、このナット用凹部の内側に圧入固定する様に構成する事もできる。
【発明の効果】
【0017】
上述の様な構成を有する本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットによれば、エンコーダとセンサとの軸方向に関する位置決め精度を確保し易く、且つ、製造コストを抑えられる構造を実現できる。
即ち、本発明の場合には、センサユニットをキャップに対して直接固定している。この為、前述した従来構造と比べて、エンコーダとセンサとの間に存在する部材を少なくする事ができる。この結果、これらエンコーダとセンサとの位置決め精度を十分に高くして、回転速度検出の信頼性の向上を図れる。
又、本発明の場合には、外輪の軸方向内端部に、前記キャップを固定(圧入)するのみで、前記センサユニットを前記外輪に対して支持する事ができる為、組立工程を簡略化できる。又、ナックルへの加工が不要になる為、加工コストを低減する事もできる。
更に、本発明の場合、センサの検出部を、エンコーダ本体の被検出面に、金属製のキャップ本体のキャップ底部を介する事なく、ゴム製のセンサ保持部の保持底板部を介して対向させている。この為、前記キャップ本体の金属材料は、磁性材製、非磁性材製を問わない。従って、このキャップ本体を、安価で、プレス加工が施し易い、SPCE等の深絞り加工用の冷間圧延鋼板等により造れば、オーステナイト系ステンレス鋼板等の様に、高価で、プレス加工しにくい、非磁性材製金属板により造る場合と比べて、製造コストを抑える事ができる。
又、非磁性金属板を採用した場合に、プレス加工によりこの金属板が磁性を帯びた場合でも、この金属板から磁性を除去する工程が不要である為、製造コストの低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態の1例を示す、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを示す部分断面図。
図2】同じく、センサユニットの組み付け状態を軸方向内方から見た状態で示す図。
図3本発明に関連する参考例の1例を示す、図1と同様の図。
図4】回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示す半部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施の形態の1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、外輪4の軸方向内端開口部を塞ぐキャップ18aの構造を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の場合と基本的には同じであるので、重複する図示及び説明は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
【0020】
本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1aは、従動輪である車輪をナックル9(図4参照)等の懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出するものであり、静止輪である外輪4の内径側に、回転輪であるハブ5を、複数個の転動体6を介して、回転自在に支持している。
【0021】
前記外輪4及び前記ハブ5を構成するハブ本体10は、S53C等の中炭素鋼製で、少なくとも各軌道7a、7b、13a(図4参照)の表面に、高周波焼き入れ等の硬化処理が施されている。一方、前記ハブ5を構成する内輪11及び前記各転動体6は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼製であり、例えば、ずぶ焼き入れによる硬化処理が施されている。尚、使用する転動体6としては、図1に示した様な玉に限らない。本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1aを、重量が嵩む自動車用として使用する場合には、転動体6として、円すいころを使用する事もできる。
【0022】
前記ハブ5を構成する内輪11の外周面の軸方向内端部(図1の右端部)には、エンコーダ21が外嵌固定(圧入固定)されている。このエンコーダ21は、支持環23と、エンコーダ本体24とから構成されている。このうちの支持環23は、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼板や防錆処理が施されたSPCC等の冷間圧延鋼板に、プレス加工を施す事により、断面略L字形で全体を円環状に形成されている。又、前記支持環23は、筒状の嵌合筒部31と、この嵌合筒部31の軸方向内端部(図1の右端部)から径方向外方に折れ曲がる状態で設けられた円輪部32とから構成されている。又、前記エンコーダ本体24は、フェライト粉末等の磁性体を混入したゴム磁石又はプラスチック磁石等の永久磁石により全体を円輪状に形成したもので、軸方向に着磁すると共に、着磁の向きを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。そして、この様なエンコーダ本体24を、前記円輪部32の軸方向内側面に添着した状態で、このエンコーダ本体24の軸方向内側面(被検出面)を、前記ハブ本体10の軸方向内端部に形成されたかしめ部12の径方向外方に位置させている。
【0023】
前記外輪4の軸方向内端部に装着された前記キャップ18aは、金属製のキャップ本体33と、センサ取付用ナット34と、ゴム部材35とを備えている。
このうちのキャップ本体33は、SPCE等の深絞り加工用の冷間圧延鋼板やSECE等の深絞り加工用の冷間圧延めっき鋼板にプレス加工を施す事により、全体を有底円筒状(断面形状が略コ字形のシャーレ状)に形成されている。この様なキャップ本体33は、キャップ円筒部36と、このキャップ円筒部36の軸方向内端開口部を塞ぐキャップ底部37とから成る。尚、前記キャップ本体33は、オーステナイト系ステンレス鋼板、アルミニウム系合金板等の非磁性材製の金属板により造る事もできる。
【0024】
前記キャップ円筒部36の軸方向外半部外周面は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面状に形成されている。一方、前記キャップ円筒部36の軸方向内半部外周面は、軸方向内方に向かうほど外径寸法が小さくなる方向に傾斜したテーパ面状に形成されている。
又、前記キャップ底部37のうちの、エンコーダ21(エンコーダ本体24)の被検出面と軸方向に対向する部分に、軸方向から見た形状が矩形状のセンサ用貫通孔38が形成されている。このセンサ用貫通孔38の内面形状は、その内側に後述するセンサ保持部41の保持筒部43、及びセンサユニット22aのセンサホルダ25aを構成するホルダ本体26aを配置可能な程度の大きさを有している。又、前記キャップ底部37の径方向中央部に、軸方向から見た形状が正円形状のナット用貫通孔39が形成されている。このナット用貫通孔39の内径寸法は、次述するセンサ取付用ナット34の小径部を圧入固定可能な程度の大きさを有する。
【0025】
前記センサ取付用ナット34は、軸方向に貫通した所謂圧入ナットであり、その軸方向内側面に設けた小径部を、前記キャップ底部37の軸方向外側から、前記ナット用貫通孔39に圧入する事により固定されている。尚、前記センサ取付用ナット34の構造は、一般的な圧入ナットの場合とほぼ同様である。又、このセンサ取付用ナット34は、軸方向に貫通しない構造、即ち、袋ナット状のものを採用する事もできる。
【0026】
非磁性体である前記ゴム部材35は、例えば硬度がHS60〜75のアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の各種ゴムにより一体に形成されると共に、前記キャップ本体33に加硫接着されたもので、シール部40と、センサ保持部41と、ナット用覆い部42とを備えている。
このうちのシール部40は、環状であり、前記キャップ円筒部36の軸方向内半部外周面の全周に亙り、加硫接着により固定されている。この様にキャップ円筒部36に固定された状態で、前記シール部40の自由状態(図1に示す状態)での外径寸法は、前記外輪4の軸方向内端部内周面の内径寸法よりも大きい。
【0027】
前記センサ保持部41は、前記センサ用貫通孔38の内周面を覆う状態で加硫接着された、軸方向から見た形状が矩形状の保持筒部43と、この保持筒部43の軸方向外端開口部を塞ぐ状態で形成された矩形板状の保持底板部44とから成る、有底筒状に形成されている。この様なセンサ保持部41の保持筒部43の内周面は、後述するセンサユニット22aのセンサホルダ25aを構成するホルダ本体26aを隙間なく配置可能な大きさを有する。又、前記保持筒部43の軸方向内端部の周方向1箇所位置と、前記シール部40の軸方向内端部の周方向1箇所位置とは、第一連続部45により連続している。
【0028】
前記ナット用覆い部42は、前述の様にキャップ本体33に固定されたセンサ取付用ナット34の外周面、及び、軸方向外端面(軸方向外端開口部を含む)を覆っている。このナット用覆い部42は、円筒部46と、この円筒部46の軸方向外端開口部を塞ぐ底板部47とから成る、有底円筒状に形成されている。又、前記ナット用覆い部42の円筒部46の円周方向1箇所位置と、前記センサ保持部41の保持底板部44の円周方向1箇所位置とは、第二連続部48により連続している。この様なナット用覆い部42は、前記キャップ底部37の軸方向外側面、及び、前記センサ取付用ナット34に、加硫接着により固定されている。この様にして、このセンサ取付用ナット34が、前記エンコーダ21を設置した内部空間16に露出しない様にしている。
【0029】
以上の様な構成を有するキャップ18aは、1対の金型(上型及び下型)から成る装置を使用し、これら両金型同士の間に画成されるキャビティ内に、前記センサ取付用ナット34を固定したキャップ本体33を配置した状態で、このキャビティ内に、加硫した溶融ゴムを流し込む事により造る事ができる。尚、この様にして前記キャップ18aを造る際、前記センサ取付用ナット34の雌ねじ部49の全幅に亙って、予めボルト29に相当する加硫成形用の雄ねじ材(図示省略)に離型剤を塗布して螺合させておけば、前記センサ取付用ナット34の内径側に溶融ゴムが流れ込まない様にできる。
【0030】
上述の様な構成を有するキャップ18aは、前記外輪4に、前記キャップ円筒部36の軸方向外半部の外周面を、前記外輪4の軸方向内端部内周面に直接嵌合(金属嵌合)した状態で組み付けられる。又、この様な組み付け状態に於いて、前記シール部40は、前記キャップ円筒部36の軸方向内半部外周面と前記外輪4の軸方向内端部内周面との間で、圧縮された状態で挟持される。又、前記センサ保持部41の保持底板部44の軸方向外側面は、前記エンコーダ21の被検出面に対し、所定の軸方向隙間(エアギャップ)を介して、近接対向している。
【0031】
又、本例の場合には、上述の様な構成を有するキャップ18aに対し、回転速度を検出する為のセンサユニット22aを支持固定している。このセンサユニット22aは、センサ51と、センサホルダ25aとを備えている。このうちのセンサ51は、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子を検出部に設置したもので、前記エンコーダ21の被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものである。前記センサホルダ25aは、ポリアミド樹脂等の合成樹脂を射出成形して成るもので、取付板部27aと、ホルダ本体26aとを備えている。
このうちの取付板部27aは、前記ホルダ本体26aを、前記キャップ18aに固定する為のものであって、前記ナット用貫通孔39と整合する位置に、ホルダ側貫通孔52が形成されている。このホルダ側貫通孔52の内周面は、軸方向外端寄り部分に形成された小径部53と、この小径部53よりも軸方向内方に形成された大径部54とを、段部55により連続した段付き孔である。
又、前記ホルダ本体26aは、その内側に前記センサ51を保持したものであり、直方体状に形成されている。この様なホルダ本体26aは、前記取付板部27aの軸方向外側面のうち、前記センサユニット22aを前記キャップ18aに支持固定した状態で、前記エンコーダ21と軸方向に対向する部分に固定されている。
【0032】
上述の様なセンサユニット22aは、前記ホルダ本体26aを前記センサ保持部41の保持筒部43に、がたつきなく内嵌すると共に、このホルダ本体26aをこのセンサ保持部41の保持底板部44の軸方向内側面に当接させた状態で、ボルト29により前記キャップ18a(キャップ本体33)に対して支持固定されている。具体的には、前記ボルト29の軸部を前記ホルダ側貫通孔52の小径部53に挿通した状態で、このボルト29の雄ねじ部50を、前記キャップ底部37に固定したセンサ取付用ナット34の雌ねじ部49に螺合すると共に、前記ボルト29の頭部の軸方向外側面を前記段部55に当接させた状態で、このボルト29を締め付ける事により、前記キャップ18a(キャップ本体33)に対して支持固定されている。
尚、前記ボルト29の締め付け時、前記ホルダ本体26aは前記センサ保持部41に係合しているので、前記ボルト29の締め付けトルクによって前記センサユニット22aの位置がずれる様な事はない。
【0033】
以上の様な構成を有する本例の場合にも、前記ハブ5に固定した車輪を、前記外輪4を支持した懸架装置に対し回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴って前記ハブ5と共に前記エンコーダ21が回転すると、前記センサ保持部41の保持底板部44を介して、このエンコーダ21の被検出面に対向した前記センサ51の検出部の近傍を、このエンコーダ21の被検出面に存在するN極とS極とが交互に通過する。この結果、前記センサ51を構成する磁気検出素子内を流れる磁束の方向が交互に変化し、この磁気検出素子の特性が交互に変化する。この様に磁気検出素子の特性が変化する周波数は、前記ハブ5の回転速度に比例するので、前記センサ51の出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0034】
特に本例の場合には、前記キャップ18aによる密封性を十分に確保できる。
即ち、本例の場合、このキャップ18aを、前記外輪4の軸方向内端部に組み付けた状態で、前記センサ保持部41の保持底板部44が、前記キャップ底部37に形成されたセンサ用貫通孔38の軸方向外端開口部を塞いでいる。この為、前記センサホルダ25aを構成するホルダ本体26aの外周面と、前記センサ保持部41の内周面との間部分から水等の異物が侵入した場合でも、この異物が前記各転動体6、6や前記エンコーダ21を設置した内部空間16に侵入する事を、前記センサ保持部41の保持底板部44の軸方向内側面により阻止できる。
【0035】
又、前記キャップ本体33のキャップ円筒部36の外周面を、前記外輪4の軸方向内端部内周面に直接金属嵌合している。この為、使用を続けた場合でも、この嵌合部に、隙間等が生じる事の防止を図れる。又、前記キャップ円筒部36の軸方向内半部外周面と、前記外輪4の軸方向内端部内周面との間に、前記シール部40が圧縮された状態で挟持されている。この為、前記嵌合部に、水等の異物が侵入する事の防止を図れる。従って、本例によれば、前記キャップ18aによる密封性を十分に確保できる。
【0036】
又、前記センサユニット22aを前記キャップ18aに対して直接固定している。この為、前述した従来構造と比べて、前記エンコーダ21と前記センサ51との間に存在する部材を少なくする事ができる。この結果、これらエンコーダ21とセンサ51との位置決め精度を、十分に高くする事ができる。従って、本例によれば、回転速度検出の信頼性の向上を図れる。又、本例の場合には、前記外輪4の軸方向内端部に、前記キャップ18aを固定(圧入)するのみで、前記センサユニット22aを前記外輪4に対して支持する事ができる為、組立工程を簡略化できる。又、ナックルへの加工が不要になる為、加工コストを低減する事もできる。
【0037】
又、本例の場合、前記シール部40、センサ保持部41、及びナット用覆い部42をゴム製として、加硫接着により前記キャップ本体33に結合している。この為、これら各部材34、35、44を合成樹脂製とした場合と比べて、これら各部材34、35、44と前記キャップ本体33との結合を強固にして、結合面に隙間が生じる事を防止できる。従って、本例によれば、前記キャップ18aによる密封性を十分に確保できる。
又、前記センサホルダ25aのホルダ本体26aが、前記センサ保持部41の保持底板部44に強く当接した場合に、この保持底板部44が十分に弾性変形する事ができる。この為、このセンサ保持部41にひび等の損傷が生じる事を防止して、前記キャップ18aによる密封性を十分に確保できる。
【0038】
又、本例の場合、前記センサホルダ25aを、前記キャップ底部37のセンサ用貫通孔38の内側に配置している。この為、前述した従来構造と比べて、前記エンコーダ21被検出面とセンサ5の検出部との距離を近くできる。この結果、前記センサ51の出力信号の変化量を十分に確保して、センサ51による検出精度の向上を図れる。
【0039】
更に、本例の場合、前記エンコーダ21(エンコーダ本体24)の被検出面と、センサ51の検出部との間に、前記キャップ本体33(キャップ底部37)が存在していない。この為、このキャップ本体33の金属材料は、磁性材製、非磁性材製を問わない。そこで、このキャップ本体33を、安価で、プレス加工が施し易い、SPCE等の深絞り加工用の冷間圧延鋼板により造れば、オーステナイト系ステンレス鋼板等の様に、高価で、プレス加工しにくい、非磁性材製金属板により造る場合と比べて、製造コストを抑える事ができる。
尚、SPCE等のメッキの施されていない深絞り鋼板を使用する場合でも、前記キャップ18aはゴム用接着剤で覆われる為、ある程度の防錆性能を持つが、防錆性能が不十分と考えられる場合は、前記キャップ底部37の軸方向内側面の接着剤を剥がして電着塗装を行ったり、前記キャップ18aの素材をSECEの様なメッキ鋼板に置き換えたりする事もできる。
又、オーステナイト系ステンレス鋼板等の非磁性材料製の金属板を採用した場合に、この金属板がプレス加工後に磁性を帯びたとしても、磁性を除去する為の工程が不要である為、製造コストを抑える事ができる。
【0040】
参考例の1例
図3、本発明に関連する参考例の1例を示している。本参考例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニット1bの場合、センサ保持部41aの保持筒部43aが、前述した実施の形態の1例の保持筒部43(図1参照)よりも、軸方向寸法が大きい円筒状に形成されている。具体的には、本参考例の場合、前記センサ保持部41aの保持筒部43aの軸方向外端位置(保持底板部44aの位置)を、キャップ本体33aのキャップ円筒部36aの軸方向中央部寄り部分にまで延長している。この様なセンサ保持部41aは、前記保持筒部43aの外周面の軸方向内端部を前記センサ用貫通孔38aの内周面に加硫接着すると共に、この保持筒部43aの外周面の軸方向中間部に形成した外向きのフランジ部56をキャップ底部37aの軸方向外側面に加硫接着した状態で、キャップ本体33aに固定されている。
【0041】
又、センサユニット22bのセンサホルダ25bを構成するホルダ本体26bを軸方向に長い円柱状に形成している。そして、このホルダ本体26bの軸方向中間部に、取付板部27bを固定している。
又、本参考例の場合、前記キャップ本体33aのキャップ底部37aの軸方向内側面の径方向中央部に、軸方向外方に凹んだ、有底状で、軸方向から見た形状が六角形状であるナット用凹部57を形成している。そして、このナット用凹部57に、六角ナットであるセンサ取付用ナット34aを圧入した状態で、このナット用凹部57の軸方向内端部をこのセンサ取付用ナット34a側に塑性変形させる(かしめる)事により、このセンサ取付用ナット34aを前記キャップ底部37aに固定している。
この様な本参考例の場合、前述した実施の形態の1例のナット用覆い部42が不要となる。この為、ゴム部材35aの材料を少なくできると共に、このゴム部材35a(シール部40及びセンサ保持部41a)の成形を容易に行う事ができる。その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の1例の場合とほぼ同様である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明を実施する場合に、前述した実施の形態の1例と参考例の1例とを、適宜組み合わせて実施する事ができる。
【符号の説明】
【0043】
1、1a、1b 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
2 転がり軸受ユニット
3 回転速度検出装置
4 外輪
5 ハブ
6 転動体
7a、7b 外輪軌道
8 静止側フランジ
9 ナックル
10 ハブ本体
11 内輪
12 かしめ部
13a、13b 内輪軌道
14 回転側フランジ
15 保持器
16 内部空間
17 シールリング
18、18a キャップ
19 底板部
20 円筒部
21 エンコーダ
22、22a、22b センサユニット
23 支持環
24 エンコーダ本体
25、25a、25b センサホルダ
26、26a、26b ホルダ本体
27、27a、27b 取付板部
28 センサ挿入孔
29 ボルト
30 ねじ孔
31 嵌合筒部
32 円輪部
33、33a キャップ本体
34、34a センサ取付用ナット
35、35a ゴム部材
36、36a キャップ円筒部
37、37a キャップ底部
38、38a センサ用貫通孔
39 ナット用貫通孔
40 シール部
41、41a センサ保持部
42 ナット用覆い部
43、43a 保持筒部
44、44a 保持底板部
45 第一連続部
46 円筒部
47 底板部
48 第二連続部
49 雌ねじ部
50 雄ねじ部
51 センサ
52 ホルダ側貫通孔
53 小径部
54 大径部
55 段部
56 フランジ部
57 ナット用凹部
図1
図2
図3
図4