(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器および論理ゲートを用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号から、グレイコードを生成するグレイコード生成部と
を備えるグレイコード生成装置。
前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の列または部分領域毎に設けられ、自身に対応する前記列または前記部分領域の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いてA/D変換する
請求項5に記載の撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.撮像素子のA/D変換
2.第1の実施の形態(4相クロック生成回路)
3.第2の実施の形態(グレイコード生成回路)
4.第3の実施の形態(A/D変換回路)
5.第4の実施の形態(撮像素子)
6.第5の実施の形態(A/D変換回路)
7.第6の実施の形態(撮像素子)
8.第7の実施の形態(撮像素子)
9.第8の実施の形態(位相補正回路)
10.第9の実施の形態(撮像素子)
11.第10の実施の形態(撮像装置)
【0040】
<1.撮像素子のA/D変換>
一般的なイメージセンサでは、単位画素の受光部(例えばフォトダイオード)に蓄積した電荷が信号電圧(画素信号)として読み出され、アナログ・デジタル変換(A/D(Analog / Digital)変換)される。このA/D変換の方法として、例えば、参照電圧を変化させながら信号電圧との比較を行い、一致したタイミングを取得することでデジタル変換する方法が提案されている。
【0041】
特開2005−323331号公報(以下、特許文献2と称する)では、イメージセンサにおいて積分型A/D変換器を列ごとに並列に並べる構成が提案されている。この積分型の列並列カラムA/D変換器の例を
図1に示す。積分型A/D変換器は、時間とともに電圧値が線形に変化するランプ波形の参照電圧RAMPと入力電圧VSLとを比較器で比較し、比較結果はVCOとして出力される。VCOが変化したタイミングでリップルカウンタの動作を開始もしくは停止し、カウント期間を計数することで電圧変化分をデジタル値に変換する。クロックはPLL(Phase Locked Loop)から、ランプ波はランプ生成器からカラム全体に配られる。
【0042】
一般的に、A/D変換器は、その他の性能が同一であるのであれば、より高分解能であることが望ましい。また、A/D変換器は、その他の性能が同一であるのであれば、より高速に動作する方が望ましい。
【0043】
例えば、特許文献2に記載の積分型A/D変換器において分解能を高めるには、リップルカウンタでの計数をあげればよい。例えば、周波数f[Hz]のクロック信号を用いて期間H[s]でA/D変換を行う積分型A/D変換器の分解能を1bit高めるためには、カウンタの計数を2倍にすればよい。そのためには、もし変換期間H[s]を維持しようとするのであれば、
図2に示されるように、クロック信号の周波数を2倍の2f[Hz]に上げなければならない。クロック信号はカラム全体に配る必要があるため、クロック信号に接続されるカラムの負荷が大きく高周波化は容易ではない。そのため、特許文献2に記載の積分型A/D変換器の高分解能化は困難であった。
【0044】
なお、A/D変換器の動作の高速化は、クロック信号の周波数を上げるか、A/D変換器を高分解能化することにより実現される。しかしながら、上述したように、そのいずれも容易ではない。すなわち、特許文献2に記載の積分型A/D変換器の高速化は困難であった。
【0045】
ところで、特許文献1においては、低消費電力を目的としてA/D変換器が提案されている。この積分型の列並列カラムA/D変換器の例を
図3に示す。
図3に示されるように、特許文献1に記載の積分型A/D変換器は、PLLから基準クロック信号をグレイコードカウンタに配り、グレイコードカウンタからグレイコードを各カラムに配る構成となっている。この構成では、グレイコードカウンタがあるまとまったカラム群ごとに配置されているため、基準クロック信号を配る配線への負荷は大幅に減るとともに、グレイコードが用いられるため、基準周波数f/2[Hz]で同精度の分解能を得ることができる。
【0046】
しかしながら、この場合も、A/D変換器全体に配る基準クロック信号がチップの中で最高周波数となっている。そのため、特許文献1に記載の積分型A/D変換器も、特許文献2に記載の積分型A/D変換器の場合と同様に、高速化や高分解能化が困難であった。
【0047】
ところで、特開2008−92091号公報(以下、特許文献3と称する)では、リング発信器によって位相の異なるクロック信号を発生させ、比較結果の信号でそれをラッチすることで位相情報を得て分解能を高める方式が提案されている。
【0048】
この方式を踏襲した積分型の列並列カラムA/D変換器の例を
図4に示す。
図4に示されるように、特許文献3に記載の積分型A/D変換器は、基準クロック信号をリング発振器に入れることで位相の異なるクロック信号を作り出す。リング発信器にはPLLが用いられている。そして、その位相の異なるクロック信号は、各カラムのA/D変換器に分配される。
【0049】
この方式では、位相差に着眼する時間量子化器(TDC(Time-to-Digital Converter))を用いてA/D変換が行われるため、基準クロック信号の周波数を低くすることが可能である。例えば45°の位相差を持つ4本のクロック信号を用いて下位3ビットをTDCでA/D変換する場合、特許文献3に記載の積分型A/D変換器は、PLLへ入力する基準クロックがf/8[Hz]のとき、
図1のA/D変換器と同精度の分解能を得ることができる。
【0050】
しかしながら、PLLのようなリング発振器は帰還を含むアナログ回路で構成されており面積が大きく、あるまとまったカラム群ごとに配置するのが難しい。したがって、位相差クロック信号はカラム全体に分配することになり、クロックスキューなどにより位相差が保つことが難しく、高速化や高分解能化が困難であった。
【0051】
そこで、複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号とそのクロック信号を遅延させた信号から、クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する等して、クロック信号の高周波数化を抑制しながら、高速化や、高分解能化をより容易に行うことができるようにする。
【0053】
<2.第1の実施の形態>
<4相クロック生成回路>
図5は、本技術を適用した位相差クロック生成回路の一例である4相クロック生成回路の主な構成例を示す図である。位相差クロック生成回路は、入力されるクロック信号の位相をずらすことにより、互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる位相差クロック信号(多相クロック信号とも称する)を生成する回路である。
図5に示される4相クロック生成回路100は、同様に、入力されたクロック信号SLCKから、位相が互いに1/4周期ずつずれた4つのクロック信号よりなる4相クロック信号を生成する。
【0054】
図5に示されるように、4相クロック生成回路100は、遅延回路101および位相補間器(PI)102−1乃至位相補間器(PI)102−4を有する。遅延回路101は、入力されたクロック信号SLCKを所定の遅延時間tPDだけ遅延させ、出力する。この遅延時間tPDは、任意である。例えば、遅延時間tPDを、クロック信号SLCKの1/4周期程度としてもよい。遅延回路101は、遅延させたクロック信号SLCKを、位相補間器(PI)102−1乃至位相補間器(PI)102−4に供給する。
【0055】
位相補間器(PI)102−1乃至位相補間器(PI)102−4は、互いに同一の回路である。以下において、位相補間器(PI)102−1乃至位相補間器(PI)102−4を区別して説明する必要が無い場合、単に、位相補間器102と称する。位相補間器102は、2入力1出力の回路であり、両入力信号の位相差の中間のタイミングから所定の遅延時間分遅延させたタイミングで出力する。位相補間器102の詳細については、後述する。
【0056】
図5に示されるように、位相補間器(PI)102−1には、クロック信号SLCKと、そのクロック信号SLCKを1/4周期程度遅延させた信号とが入力される。位相補間器(PI)102−1は、それらの信号から、4相クロック信号の1つであるクロック信号q0を生成し、それを4相クロック生成回路100の外部に出力する。また、位相補間器(PI)102−2には、クロック信号SLCKを反転した信号と、クロック信号SLCKを1/4周期程度遅延させた信号とが入力される。位相補間器(PI)102−2は、それらの信号から、4相クロック信号の1つであるクロック信号q1を生成し、それを4相クロック生成回路100の外部に出力する。さらに、位相補間器(PI)102−3には、クロック信号SLCKを反転した信号と、クロック信号SLCKを1/4周期程度遅延させた信号を反転させた信号が入力される。位相補間器(PI)102−3は、それらの信号から、4相クロック信号の1つであるクロック信号q2を生成し、それを4相クロック生成回路100の外部に出力する。さらに、位相補間器(PI)102−4には、クロック信号SLCKと、そのクロック信号SLCKを1/4周期程度遅延させた信号を反転させた信号が入力される。位相補間器(PI)102−4は、それらの信号から、4相クロック信号の1つであるクロック信号q3を生成し、それを4相クロック生成回路100の外部に出力する。
【0057】
つまり、位相補間器102は、クロック信号SLCKと、そのクロック信号SLCKを1/4周期程度遅延させた信号から、位相が互いに1/4周期ずつずれた4相クロック信号を生成し、出力する。
【0058】
この4相クロック生成回路100の動作の様子の例を示すタイミングチャートを
図6に示す。
図6に示されるように、位相補間器(PI)102−1は、クロック信号SLCKの立ち上がりエッジのタイミング(T0)と、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)の立ち上がりエッジのタイミング(T1)との中間のタイミング(T11)から、両矢印111−1で示される位相補間器(PI)102−1の固定遅延時間だけ遅延したタイミングで立ち上がりエッジとなる、クロック信号SLCKと同周期のクロック信号q0を生成し、出力する。
【0059】
同様に、位相補間器(PI)102−2は、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)の立ち上がりエッジのタイミング(T1)と、クロック信号SLCKを反転させた信号の立ち上がりエッジ(つまり、クロック信号SLCKの立ち下がりエッジ)のタイミング(T2)との中間のタイミング(T12)から、両矢印111−2で示される位相補間器(PI)102−2の固定遅延時間だけ遅延したタイミングで立ち上がりエッジとなる、クロック信号SLCKと同周期のクロック信号q1を生成し、出力する。
【0060】
同様に、位相補間器(PI)102−3は、クロック信号SLCKを反転させた信号の立ち上がりエッジ(つまり、クロック信号SLCKの立ち下がりエッジ)のタイミング(T2)と、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)を反転させた信号の立ち上がりエッジ(つまり、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)の立ち下がりエッジ)のタイミング(T3)との中間のタイミング(T13)から、両矢印111−3で示される位相補間器(PI)102−3の固定遅延時間だけ遅延したタイミングで立ち上がりエッジとなる、クロック信号SLCKと同周期のクロック信号q2を生成し、出力する。
【0061】
同様に、位相補間器(PI)102−4は、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)を反転させた信号の立ち上がりエッジ(つまり、遅延時間tPDだけ遅延されたクロック信号SLCK(SLCK+遅延)の立ち下がりエッジ)のタイミング(T3)と、クロック信号SLCKの立ち上がりエッジのタイミング(T4)との中間のタイミング(T14)から、両矢印111−4で示される位相補間器(PI)102−4の固定遅延時間だけ遅延したタイミングで立ち上がりエッジとなる、クロック信号SLCKと同周期のクロック信号q3を生成し、出力する。
【0062】
すなわち、4相クロック信号であるクロック信号q0乃至クロック信号q3の、クロック信号SLCKに対する遅延時間は
図7の表に示されるようになる。したがって、
図7の表に示されるように、クロック信号q0乃至クロック信号q3の互いの位相差は、クロック信号SLCKの1/4周期(tCK/4)となる。つまり、4相クロック生成回路100は、正確な4相クロック信号を生成することができる。
【0063】
<位相補間器の動作原理>
次に、位相補間器102の動作原理について、
図8および
図9を参照して説明する。上述したように、位相補間器102は、2入力1出力の回路構成になっており、2入力に位相差があると、出力は、その位相差の中間のタイミングで出力される。例えば、
図8の例のように、位相補間器(PI)102−1の両方の入力端子には信号IN1が入力されるとする。また、位相補間器(PI)102−2の一方の入力端子には信号IN1が入力され、他方の入力端子に派信号IN2が入力されるとする。さらに、位相補間器(PI)102−3の両方の入力端子には信号IN2が入力されるとする。そして、信号IN1と信号IN2との間に、
図9に示されるように両矢印T11だけの遅延時間が生じるとし、位相補間器102において両矢印T12で示される固定遅延時間が生じるとする。
【0064】
位相補間器(PI)102−1には信号IN1のみが入力されるため、位相補間器(PI)102−1は、信号IN1から両矢印T12だけ遅延した信号OUT11を出力する。つまり、時刻T0において信号IN1の立ち上がりエッジが生じるとすると、信号OUT11の立ち上がりエッジは、時刻T0から両矢印T12だけ遅延した時刻T2に生じる。
【0065】
位相補間器(PI)102−3には信号IN2のみが入力されるため、位相補間器(PI)102−3は、信号IN2から両矢印T12だけ遅延した信号OUT13を出力する。つまり、時刻T1において信号IN2の立ち上がりエッジが生じるとすると、信号OUT13の立ち上がりエッジは、時刻T1から両矢印T12だけ遅延した時刻T4に生じる。
【0066】
これらに対して、位相補間器(PI)102−2には信号IN1と信号IN2の両方が入力されるため、位相補間器(PI)102−2は、信号IN1と信号IN2の位相差の中間のタイミングから両矢印T12だけ遅延した信号OUT12を出力する。つまり、時刻T0において信号IN1の立ち上がりエッジが生じ、時刻T1において信号IN2の立ち上がりエッジが生じるとすると、信号OUT12の立ち上がりエッジは、時刻T0と時刻T1の中間の時刻から両矢印T12だけ遅延した時刻T3に生じる。
【0067】
この中間のタイミングは、位相補間器102の構成により任意に設定することができる。
【0068】
<位相補間器の構成>
位相補間器102の構成例を
図10や
図11に示す。
図10に示されるような構成の位相補間器102は、CMOS型位相補間器(PI)とも称する。この場合、位相補間器102は、3つのインバータにより構成され、2つのインバータ(インバータ121およびインバータ122)の出力が短絡され、残りのインバータ(インバータ123)に入力されている。そして、Wを重み係数として、入力トランジスタの駆動能力が1−W:Wの場合、出力のタイミングは、
図9の信号OUT12のようにW:1-Wになる。
【0069】
図11に示されるような構成の位相補間器102は、CML型位相補間器(PI)とも称する。この場合、位相補間器102は、2つの差動回路から構成され、負荷抵抗Rを共有している。
図10の例のCMOS型位相補間器(PI)と同様、Wを重み係数として、駆動能力が1−W:Wの場合、出力のタイミングは、
図9の信号OUT12のようにW:1-Wになる。この駆動能力は、電流源131の電流値と電流源132の電流値により決定される。
【0070】
4相クロック生成回路100(
図5)の位相補間器(PI)102−1乃至位相補間器(PI)102−4は、重み係数W=0.5に設定されている。つまり、出力は、1:1のタイミング(2入力の位相差の2等分のタイミング)になる。
【0071】
<位相差クロック生成回路>
位相差クロック信号(多相クロック信号)の生成には、通常PLL等が用いられる。PLLは帰還を要するアナログ回路でフィルタ等を形成する受動素子のため面積が大きくなる。これに対して、上述したように位相補間器102は、インバータ3つで実現することができる。したがって、4相クロック生成回路100は、PLLと比較して簡易な構成で実現することができる。そのため、4相クロック生成回路100を用いることにより、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、回路の配置の自由度を向上させることができる。また、4相クロック生成回路100は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0072】
なお、以上においては、4相クロック信号を生成する例(4相クロック生成回路100)を説明したが、生成される位相差クロック信号の相数は任意である。例えば、位相差クロック生成回路の位相補間器102の数や組み合わせを
図5の例(4相クロック生成回路100)から変えることにより、位相が互いに1/8周期ずつずれた8相クロック信号や、位相が互いに1/16周期ずつずれた16相クロック信号が生成されるようにすることができる。同様に、位相差クロック生成回路の位相補間器102の数、組み合わせ、重み係数Wを、
図5の例(4相クロック生成回路100)から変えることにより、位相が互いに1/3周期ずつずれた3相クロック信号や、位相が互いに1/5周期ずつずれた5相クロック信号が生成されるようにすることもできる。
【0073】
<3.第2の実施の形態>
<高分解能グレイコード生成回路>
図12は、本技術を適用したグレイコード生成装置の一例である高分解能グレイコード生成回路の主な構成例を示す図である。グレイコード生成装置は、入力されるクロック信号からグレイコード(交番二進符号とも称する)を生成する装置である。グレイコードは、前後に隣接する符号のハミング距離が常に1となる符号である。
図12に示される高分解能グレイコード生成回路200は、同様に、入力されるクロック信号SLCKから5ビットのグレイコードを生成する。
【0074】
図12に示されるように、高分解能グレイコード生成回路200は、4相クロック生成回路201と、グレイコード生成回路202を有する。4相クロック生成回路201は、第1の実施の形態において説明した4相クロック生成回路100(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。4相クロック生成回路201は、入力されるクロック信号SLCKから4相クロック信号(クロック信号q0、クロック信号q1、クロック信号q2、クロック信号q3)を生成し、グレイコード生成回路202に供給する。
【0075】
グレイコード生成回路202は、複数の位相補間器および論理ゲートを有し、それらを用いて、4相クロック生成回路201において生成された4相クロック信号(クロック信号q0、クロック信号q1、クロック信号q2、クロック信号q3)から、5ビットのグレイコードを生成し、出力する。
【0076】
図12に示されるように、グレイコード生成回路202は、位相補間器(PI)211−1乃至位相補間器(PI)211−8、位相補間器(PI)212−1乃至位相補間器(PI)212−16、XOR213−1乃至XOR213−9、並びに、AND214−1乃至AND214−5を有する。
【0077】
位相補間器(PI)211−1乃至位相補間器(PI)211−8は、それぞれ、第1の実施の形態において説明した位相補間器102(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0078】
位相補間器(PI)211−1の両入力端子には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q0が入力される。位相補間器(PI)211−1は、それらの信号から、位相補間器(PI)211−1の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。位相補間器(PI)211−2には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q0およびq1が入力される。位相補間器(PI)211−2は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)211−2の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。
【0079】
位相補間器(PI)211−3の両入力端子には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q1が入力される。位相補間器(PI)211−3は、それらの信号から、位相補間器(PI)211−3の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。位相補間器(PI)211−4には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q1およびq2が入力される。位相補間器(PI)211−4は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)211−4の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。
【0080】
位相補間器(PI)211−5の両入力端子には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q2が入力される。位相補間器(PI)211−5は、それらの信号から、位相補間器(PI)211−5の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。位相補間器(PI)211−6には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q2およびq3が入力される。位相補間器(PI)211−6は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)211−6の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。
【0081】
位相補間器(PI)211−7の両入力端子には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q3が入力される。位相補間器(PI)211−7は、それらの信号から、位相補間器(PI)211−7の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。位相補間器(PI)211−8には、4相クロック生成回路201から出力されるクロック信号q3およびq0が入力される。位相補間器(PI)211−8は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)211−8の固定遅延時間だけ遅延した信号を出力する。
【0082】
以下において、位相補間器(PI)211−1乃至位相補間器(PI)211−8を区別して説明する必要が無い場合、単に、位相補間器211と称する。
【0083】
位相補間器(PI)212−1乃至位相補間器(PI)212−16は、それぞれ、第1の実施の形態において説明した位相補間器102(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0084】
位相補間器(PI)212−1の両入力端子には、位相補間器(PI)211−1の出力が入力される。位相補間器(PI)212−1は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−1の固定遅延時間だけ遅延した信号P0を出力する。位相補間器(PI)212−2には、位相補間器(PI)211−1の出力と位相補間器(PI)211−2の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−2は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−2の固定遅延時間だけ遅延した信号P1を出力する。
【0085】
位相補間器(PI)212−3の両入力端子には、位相補間器(PI)211−2の出力が入力される。位相補間器(PI)212−3は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−3の固定遅延時間だけ遅延した信号P2を出力する。位相補間器(PI)212−4には、位相補間器(PI)211−2の出力と位相補間器(PI)211−3の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−4は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−4の固定遅延時間だけ遅延した信号P3を出力する。
【0086】
位相補間器(PI)212−5の両入力端子には、位相補間器(PI)211−3の出力が入力される。位相補間器(PI)212−5は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−5の固定遅延時間だけ遅延した信号P4を出力する。位相補間器(PI)212−6には、位相補間器(PI)211−3の出力と位相補間器(PI)211−4の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−6は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−6の固定遅延時間だけ遅延した信号P5を出力する。
【0087】
位相補間器(PI)212−7の両入力端子には、位相補間器(PI)211−4の出力が入力される。位相補間器(PI)212−7は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−7の固定遅延時間だけ遅延した信号P6を出力する。位相補間器(PI)212−8には、位相補間器(PI)211−4の出力と位相補間器(PI)211−5の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−8は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−8の固定遅延時間だけ遅延した信号P7を出力する。
【0088】
位相補間器(PI)212−9の両入力端子には、位相補間器(PI)211−5の出力が入力される。位相補間器(PI)212−9は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−9の固定遅延時間だけ遅延した信号P8を出力する。位相補間器(PI)212−10には、位相補間器(PI)211−5の出力と位相補間器(PI)211−6の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−10は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−10の固定遅延時間だけ遅延した信号P9を出力する。
【0089】
位相補間器(PI)212−11の両入力端子には、位相補間器(PI)211−6の出力が入力される。位相補間器(PI)212−11は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−11の固定遅延時間だけ遅延した信号P10を出力する。位相補間器(PI)212−12には、位相補間器(PI)211−6の出力と位相補間器(PI)211−7の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−12は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−12の固定遅延時間だけ遅延した信号P11を出力する。
【0090】
位相補間器(PI)212−13の両入力端子には、位相補間器(PI)211−7の出力が入力される。位相補間器(PI)212−13は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−13の固定遅延時間だけ遅延した信号P12を出力する。位相補間器(PI)212−14には、位相補間器(PI)211−7の出力と位相補間器(PI)211−8の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−14は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−14の固定遅延時間だけ遅延した信号P13を出力する。
【0091】
位相補間器(PI)212−15の両入力端子には、位相補間器(PI)211−8の出力が入力される。位相補間器(PI)212−15は、それらの信号から、位相補間器(PI)212−15の固定遅延時間だけ遅延した信号P14を出力する。位相補間器(PI)212−16には、位相補間器(PI)211−8の出力と位相補間器(PI)211−1の出力とが入力される。位相補間器(PI)212−16は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)212−16の固定遅延時間だけ遅延した信号P15を出力する。
【0092】
つまり、
図13に示されるように、位相補間器(PI)212−1乃至位相補間器(PI)212−16は、位相が互いに1/16周期ずつずれた信号P0乃至信号P15(すなわち、16相クロック信号)を生成することができる。以下において、位相補間器(PI)212−1乃至位相補間器(PI)212−16を区別して説明する必要が無い場合、単に、位相補間器212と称する。
【0093】
XOR213−1乃至XOR213−9は、それぞれ、排他的論理和演算を行う2入力1出力の回路である。XOR213−1は、信号P0と信号P2との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−2は、信号P1と信号P5との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−3は、信号P3と信号P11との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−4は、信号P4と信号P6との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−5は、信号P7と定電位(L)との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−6は、信号P8と信号P10との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−7は、信号P9と信号P13との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−8は、信号P12と信号P14との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−9は、信号P15と定電位(L)との排他論理和を求め、その演算結果を出力する。XOR213−1乃至XOR213−9を区別して説明する必要が無い場合、単に、XOR213と称する。
【0094】
AND214−1乃至AND214−5は、それぞれ、論理積演算を行う4入力1出力の回路である。AND214−1は、XOR213−1の出力、XOR213−4の出力、XOR213−6の出力、およびXOR213−8の出力の論理積を求め、その演算結果をグレイコードの最下位ビットGC0として出力する。AND214−2は、定電位(H)、定電位(H)、XOR213−2の出力、およびXOR213−7の出力の論理積を求め、その演算結果をグレイコードの下位から2番目のビットGC1として出力する。AND214−3は、定電位(H)、定電位(H)、定電位(H)、およびXOR213−3の出力の論理積を求め、その演算結果をグレイコードの下位から3番目のビットGC2として出力する。AND214−4は、定電位(H)、定電位(H)、定電位(H)、およびXOR213−5の出力の論理積を求め、その演算結果をグレイコードの下位から4番目のビットGC3として出力する。AND214−5は、定電位(H)、定電位(H)、定電位(H)、およびXOR213−9の出力の論理積を求め、その演算結果をグレイコードの最上位ビットGC4として出力する。
【0095】
つまり、AND214−1乃至AND214−5は、
図13に示されるように、5ビットのグレイコード(GC0乃至GC4)を生成する。AND214−1乃至AND214−5を区別して説明する必要が無い場合、単に、AND214と称する。
【0096】
以上のように、高分解能グレイコード生成回路200は、本技術を適用した位相差クロック生成回路を用いてクロック信号SLCKから4相クロック信号を生成し、グレイコード生成回路202を用いてその4相クロック信号をグレイコードに変換する。したがって、高分解能グレイコード生成回路200は、
図13に示されるように、クロック信号SLCKと同周波数の信号P0乃至P15よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)(GC0乃至GC3)を生成することができる。
【0097】
クロック信号SLCKからグレイコードを生成する場合、より高分解能なグレイコードを生成するためには、クロック信号SLCKの周波数を上げなければならないが、一般的な回路の場合、クロック信号SLCKは、その他の回路においても利用されるため、設計が困難になるおそれがあった。また、仮にクロック信号SLCKの周波数を上げることができたとしても、消費電力が大幅に増大するおそれがあった。また、クロック信号SLCKから、高分解能グレイコード生成回路200専用の高周波のクロック信号を生成する方法も考えられるが、その場合、一般的にはPLLが利用される。そのため、回路規模や消費電力が増大するおそれがあった。
【0098】
これに対して、高分解能グレイコード生成回路200は、クロック信号
SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、高分解能なグレイコードを生成することができる。つまり、高分解能グレイコード生成回路200は、生成するグレイコードの高分解能化をより容易に行うことができる。なお、高分解能グレイコード生成回路200は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。また、高分解能グレイコード生成回路200は、PLLを用いる場合と比較して簡易な構成で実現することができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、高分解能グレイコード生成回路200は、PLLを用いる場合よりも回路の配置の自由度を向上させることができる。
【0099】
なお、
図12においては、4相クロック生成回路201を用いるように説明したが、高分解能グレイコード生成回路200は、任意の相数のクロック信号を生成する多相クロック生成回路を用いて、グレイコードを生成することができる。例えば、
図12において、4相クロック生成回路201および位相補間器211からなる8相クロック生成回路221は、8相のクロック信号を生成する。つまり、高分解能グレイコード生成回路200が、この8相クロック生成回路221と、位相補間器212、XOR213、およびAND214からなるグレイコード生成回路223とを有するものとしてもよい。また、例えば、
図12において、4相クロック生成回路201、位相補間器211、および位相補間器212からなる16相クロック生成回路222は、16相のクロック信号を生成する。つまり、高分解能グレイコード生成回路200が、この16相クロック生成回路222と、XOR213およびAND214からなるグレイコード生成回路224とを有するものとしてもよい。
【0100】
また、グレイコード生成回路202(グレイコード生成回路223およびグレイコード生成回路224も含む)の位相補間器および論理回路の構成は任意であり、
図12の例に限らない。例えば、XOR213の代わりに否定論理積演算を行うNANDゲートを用いるようにしてもよい。
【0101】
さらに、高分解能グレイコード生成回路200が生成するグレイコードのビット数は任意であり、
図12の例の5ビットに限らない。例えば、高分解能グレイコード生成回路200が6ビット以上のグレイコードを生成するようにしてもよいし、4ビット以下のグレイコードを生成するようにしてもよい。その場合、4相クロック生成回路201がクロック信号
SLCKから生成した4相クロック信号から、所望のビット数のグレイコードを生成することができるように、グレイコード生成回路202における位相補間器および論理回路の構成を適切に設定すればよい。
【0102】
<高分解能グレイコード生成回路>
図14は、本技術を適用したグレイコード生成装置の一例である高分解能グレイコード生成回路の主な構成例を示す図である。
図14に示される高分解能グレイコード生成回路230は、入力されるクロック信号SLCKから、そのクロック信号SLCKの周波数よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)を生成する。
【0103】
図14に示されるように、高分解能グレイコード生成回路230は、位相差クロック生成回路231とグレイコード生成回路234を有する。
【0104】
位相差クロック生成回路231は、本技術を適用した位相差クロック生成回路の一例であり、入力されたクロック信号SLCKから、位相が互いに1/8周期ずつずれた8相クロック信号の一部を生成する。より具体的には、位相差クロック生成回路231は、
図15に示される、位相が互いに1/8周期ずつずれた信号P0乃至信号P7の内、信号P0、信号P1、信号P2、信号P4、信号P6、および信号P7を生成する。
【0105】
図14に示されるように、位相差クロック生成回路231は、4相クロック生成回路241、並びに、位相補間器(PI)242−1乃至位相補間器(PI)242−6を有する。
【0106】
4相クロック生成回路241は、第1の実施の形態において説明した4相クロック生成回路100(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。4相クロック生成回路241は、入力されるクロック信号SLCKから4相クロック信号(クロック信号q0、クロック信号q1、クロック信号q2、クロック信号q3)を生成し、位相補間器(PI)242−1乃至位相補間器(PI)242−6に供給する。
【0107】
位相補間器(PI)242−1乃至位相補間器(PI)242−6は、それぞれ、第1の実施の形態において説明した位相補間器102(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0108】
位相補間器(PI)242−1には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q0およびq1が入力される。位相補間器(PI)242−1は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)242−1の固定遅延時間だけ遅延した信号P1を出力する。位相補間器(PI)242−2には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q3およびq0が入力される。位相補間器(PI)242−2は、それらの信号から、それらの信号の中間のタイミングから位相補間器(PI)242−2の固定遅延時間だけ遅延した信号P7を出力する。位相補間器(PI)242−3の両入力端子には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q0が入力される。位相補間器(PI)242−3は、それらの信号から、位相補間器(PI)242−3の固定遅延時間だけ遅延した信号P0を出力する。
【0109】
位相補間器(PI)242−4の両入力端子には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q1が入力される。位相補間器(PI)242−4は、それらの信号から、位相補間器(PI)242−4の固定遅延時間だけ遅延した信号P2を出力する。位相補間器(PI)242−5の両入力端子には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q2が入力される。位相補間器(PI)242−5は、それらの信号から、位相補間器(PI)242−5の固定遅延時間だけ遅延した信号P4を出力する。位相補間器(PI)242−6の両入力端子には、4相クロック生成回路241から出力されるクロック信号q3が入力される。位相補間器(PI)242−6は、それらの信号から、位相補間器(PI)242−6の固定遅延時間だけ遅延した信号P6を出力する。
【0110】
以下において、位相補間器(PI)242−1乃至位相補間器(PI)242−6を区別して説明する必要が無い場合、単に、位相補間器242と称する。
図15に示されるように、信号P0乃至P7は、その位相が互いに異なるものの、その周期は互いに同一である(クロック信号SLCKと同一である)。
【0111】
グレイコード生成回路234は、位相差クロック生成回路231において生成された多相クロック信号(信号P0、信号P1、信号P2、信号P4、信号P6、信号P7)から、高分解能なグレイコードを生成し、出力する。
図14に示されるように、グレイコード生成回路234は、グレイコード生成回路232および追加グレイコード生成回路233を有する。
【0112】
グレイコード生成回路232は、信号P1から、5ビットのグレイコード(GC[0-4])を生成し、出力する。そのグレイコードの下位3ビット(GC0乃至GC2)を
図15に示す。信号P1は、クロック信号
SLCKと位相が異なるのみで、周期は変わらない。つまり、グレイコード生成回路232は、クロック信号SLCKからグレイコードを生成する一般的なグレイコード生成回路により実現することができる。したがって、グレイコード生成回路232の構成は任意である。例えば、
図3に示される特許文献1に記載のグレイコードカウンタを用いても良い。
【0113】
追加グレイコード生成回路233は、信号P7、P0、P2、P4、およびP6から、グレイコード生成回路232が生成するグレイコード(GC[0-4])よりも下位の2ビットのグレイコード(GC-LSB[0], GC-LSB[1])を生成し、出力する。
図15にそのグレイコード(GC-LSB[0], GC-LSB[1])の例を示す。つまり、追加グレイコード生成回路233は、高分解能グレイコード生成回路230に入力されるクロック信号SLCKの周波数よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)を生成する。
【0114】
図14に示されるように、追加グレイコード生成回路233は、5つのNANDゲート(NAND251乃至NAND255)を有する。NAND251乃至NAND255は、それぞれ、否定論理積演算を行う2入力1出力の回路である。NAND251は、定電位(H)と信号P7との否定論理積を求め、その演算結果を出力する。NAND252は、定電位(H)とNAND251の出力との否定論理積を求め、その演算結果をグレイコードの下位から2番目のビットGC-LSB[1]として出力する。NAND253は、信号P0と信号P2との否定論理積を求め、その演算結果を出力する。NAND254は、信号P4と信号P6との否定論理積を求め、その演算結果を出力する。NAND255は、NAND253の出力とNAND254の出力との否定論理積を求め、その演算結果をグレイコードの最下位ビットGC-LSB[0]として出力する。
【0115】
以上のように、高分解能グレイコード生成回路230は、本技術を適用した位相差クロック生成回路を用いてクロック信号
SLCKから8相クロック信号の一部を生成し、グレイコード生成回路234を用いて、その8相クロック信号の一部をグレイコードに変換する。したがって、高分解能グレイコード生成回路230は、
図15に示されるように、クロック信号SLCKと同周波数の信号P0乃至P7よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)(GC-LSB[0]. GC-LSB[1])を生成することができる。
【0116】
高分解能グレイコード生成回路230は、クロック信号
SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、このような高分解能なグレイコードを生成することができる。つまり、高分解能グレイコード生成回路230は、生成するグレイコードの高分解能化をより容易に行うことができる。なお、高分解能グレイコード生成回路230は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも、消費電力を低減させることができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。
【0117】
また、
図14に示されるように、高分解能グレイコード生成回路230は、本技術を適用した位相差クロック生成回路を用いて8相クロック信号の一部を生成しているので、一般的なグレイコード生成回路232に、NANDゲートにより構成される追加グレイコード生成回路233を追加するのみで、そのグレイコードの高分解能化を実現することができる。すなわち、高分解能グレイコード生成回路230は、その設計を容易にすることができ、開発コストの増大を抑制することができる。
【0118】
なお、高分解能グレイコード生成回路230が生成するグレイコードのビット数は任意である。生成するグレイコードの下位ビット(クロック信号SLCKの周波数よりも高い周波数成分のグレイコード)のビット数に応じて、位相差クロック生成回路231における位相補間器等の構成や、追加グレイコード生成回路233における論理回路の構成を適切に設定すればよい。
【0119】
<4.第3の実施の形態>
<A/D変換回路>
本技術は、第2の実施の形態において説明したようなグレイコード生成回路以外の回路や装置にも適用することができる。例えば、第2の実施の形態において説明したような高分解能グレイコード生成回路を、A/D変換装置に適用するようにしてもよい。
【0120】
図16は、本技術を適用したA/D変換装置の一例であるA/D変換回路の主な構成例を示す図である。A/D変換回路は、入力されるアナログ信号を、その信号レベルを示すデジタル信号に変換する回路である。
図16に示されるA/D変換回路300は、入力アナログ信号INの信号レベルと、時間とともに信号レベルが線形に変化するランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較する。A/D変換回路300は、その比較結果が変化するまでの期間の長さを計測し、その計測値(デジタル値)を入力アナログ信号INの信号レベルとして出力する。つまり、A/D変換回路300は、積分型のA/D変換回路である。
【0121】
図16に示されるように、このA/D変換回路300は、高分解能グレイコード生成回路301、比較回路302、ラッチ303、およびリップルカウンタ304を有する。
【0122】
高分解能グレイコード生成回路301は、入力されるクロック信号SLCKから、その周波数よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)を生成する。例えば、高分解能グレイコード生成回路301は、クロック信号SLCKから、クロック信号SLCKの周波数よりも高い周波数成分の2ビットを含む7ビットのグレイコードを生成する。高分解能グレイコード生成回路301は、生成したグレイコードをラッチ303に供給する。
【0123】
この高分解能グレイコード生成回路301は、第2の実施の形態において説明した高分解能グレイコード生成回路200(
図12)、若しくは、高分解能グレイコード生成回路230(
図14)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、高分解能グレイコード生成回路301には、本技術を適用したグレイコード生成装置が適用される。
【0124】
比較回路302は、入力アナログ信号INの信号レベルと、ランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較し、その比較結果をラッチ303に供給する。
【0125】
ラッチ303は、比較回路302の比較結果が変化するタイミングで、高分解能グレイコード生成回路301から供給されるグレイコードを取り込んでラッチする。ラッチ303は、ラッチしたグレイコードを、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値の下位ビットとしてリップルカウンタ304に供給する。
【0126】
リップルカウンタ304は、例えばアップダウンカウンタとして形成され、グレイコードの最上位ビットの立ち下がりのタイミングをカウントし、そのカウント値を、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値の上位ビットとする。リップルカウンタ304は、その上位ビットと、ラッチ303から供給される下位ビットとを、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値として出力する。
【0127】
以上のように、A/D変換回路300は、本技術を適用したグレイコード生成装置を用いて高分解能なグレイコードを生成し、そのグレイコードを用いてA/D変換を行う。したがって、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換の分解能を上げることができる。すなわち、A/D変換回路300は、A/D変換の高分解能化をより容易に実現することができる。
【0128】
換言するに、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKに対してより高速に動作することができる。つまり、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換を高速化することができる。すなわち、A/D変換回路300は、A/D変換の高速化をより容易に実現することができる。
【0129】
さらに、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、A/D変換の高分解能化と高速化の両方をより容易に実現することができる。つまり、A/D変換回路300は、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。
【0130】
なお、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKに対してより高速に動作することができるのであるから、A/D変換の分解能および処理速度を、クロック信号SLCKをカウントする場合と同一とすることにより、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、クロック信号SLCKの周波数を低減させることができる。つまり、A/D変換回路300は、クロック信号SLCKをカウントする場合よりも、消費電力を低減させることができる。
【0131】
また、A/D変換回路300は、本技術を適用したグレイコード生成装置を用いるので、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、高分解能なグレイコードを用いたA/D変換を行うことができる。したがって、A/D変換回路300は、PLLを用いて高分解能なグレイコードを生成する場合と比較して簡易な構成でA/D変換を行うことができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、A/D変換回路300は、回路の配置の自由度を向上させることができる。また、A/D変換回路300は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0132】
<5.第4の実施の形態>
<撮像素子>
本技術は、例えば、第2の実施の形態において説明したようなグレイコード生成回路を、撮像素子に適用するようにしてもよい。
【0133】
図17は、本技術を適用した撮像素子の一例の主な構成例を示す図である。
図17に示される撮像素子320は、被写体を撮像し、撮像画像のデジタルデータを得る素子である。
図17に示されるように、撮像素子320は、画素アレイ321、A/D変換回路322、水平走査部323、PLL324、およびランプ生成回路325を有する。
【0134】
画素アレイ321は、入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が複数並べられたものである。各単位画素から読み出された画素信号は、画素列を結ぶ垂直信号線を介してA/D変換回路322に転送される。また、各単位画素は、画素行を結ぶ列選択線(図示せず)に接続され、その列選択線を介して行走査回路(図示せず)により動作を制御される。
【0135】
A/D変換回路322は、画素アレイ321の単位画素の列毎に供給される画素信号をA/D変換する。A/D変換回路322は、高分解能グレイコード生成回路331−1乃至高分解能グレイコード生成回路331−M、並びに、カラムA/D変換回路332−1乃至カラムA/D変換回路332−Nを有する。
【0136】
高分解能グレイコード生成回路331−1乃至高分解能グレイコード生成回路331−Mは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、高分解能グレイコード生成回路331−1乃至高分解能グレイコード生成回路331−Mを区別して説明する必要が無い場合、単に、高分解能グレイコード生成回路331と称する。また、カラムA/D変換回路332−1乃至カラムA/D変換回路332−Nは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、カラムA/D変換回路332−1乃至カラムA/D変換回路332−Nを区別して説明する必要が無い場合、単に、カラムA/D変換回路332と称する。
【0137】
高分解能グレイコード生成回路331は、それぞれ、入力される基準クロック(f/2)から、その周波数よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)を生成する。高分解能グレイコード生成回路331は、画素アレイ321の単位画素の所定の数の行(N/M行)毎に設けられている。つまり、A/D変換回路322は、M個の高分解能グレイコード生成回路331を有する。高分解能グレイコード生成回路331は、生成したグレイコードを、自身に対応する列に対応するカラムA/D変換回路332(のラッチ343)に供給する。
【0138】
この高分解能グレイコード生成回路331は、第2の実施の形態において説明した高分解能グレイコード生成回路200(
図12)若しくは高分解能グレイコード生成回路230(
図14)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0139】
カラムA/D変換回路332は、画素アレイ321の単位画素の
列(カラム)毎に設けられている。つまり、A/D変換回路322は、N個のカラムA/D変換回路332を有する。カラムA/D変換回路332は、自身が対応する
列の単位画素から供給される画素信号(アナログ信号)をA/D変換し、各画素信号の信号レベルを示すデジタルデータを出力し、水平走査部323(のバッファ351)に供給する。
【0140】
カラムA/D変換回路332は、第3の実施の形態において説明したA/D変換回路300(
図16)の高分解能グレイコード生成回路301を除く部分と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、
図17に示されるように、カラムA/D変換回路332は、比較回路342、ラッチ343、およびリップルカウンタ344を有する。
【0141】
比較回路342は、第3の実施の形態において説明した比較回路302(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、比較回路342は、自身が対応する列(カラム)の画素信号の信号レベルと、ランプ生成回路325から供給されるランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較し、その比較結果をラッチ343に供給する。
【0142】
ラッチ343は、第3の実施の形態において説明したラッチ303(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、ラッチ343は、比較回路342の比較結果が変化するタイミングで、自身が対応する高分解能グレイコード生成回路331から供給されるグレイコードを取り込んでラッチする。ラッチ343は、ラッチしたグレイコードを、自身が対応する列の画素信号の信号レベルを示すデジタル値の下位ビットとしてリップルカウンタ344に供給する。
【0143】
リップルカウンタ344は、第3の実施の形態において説明したリップルカウンタ304(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、リップルカウンタ344は、例えばアップダウンカウンタとして形成され、グレイコードの最上位ビットの立ち下がりのタイミングをカウントし、そのカウント値を、画素信号の信号レベルを示すデジタル値の上位ビットとする。リップルカウンタ344は、その上位ビットと、ラッチ343から供給される下位ビットとを、自身が対応する列の画素信号の信号レベルを示すデジタル値として出力する。
【0144】
つまり、各カラムA/D変換回路332は、自身が対応する高分解能グレイコード生成回路331を加えることにより、第3の実施の形態において説明したA/D変換回路300(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う。すなわち、撮像素子320においては、カラムA/D変換回路332および高分解能グレイコード生成回路331として、本技術を適用したA/D変換装置が適用されている。
【0145】
水平走査部323は、A/D変換回路322から供給される、画素アレイ321の単位画素の各列の画素信号のデジタルデータを、順次撮像素子320の外部に出力する。水平走査部323は、
図17に示されるように、バッファ351−1乃至バッファ351−N、水平転送走査回路352、転送バス353、およびセンスアンプ354を有する。
【0146】
バッファ351−1乃至バッファ351−Nは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、バッファ351−1乃至バッファ351−Nを区別して説明する必要が無い場合、単にバッファ351と称する。
【0147】
バッファ351は、画素アレイの単位画素の列毎に設けられており、自身が対応するカラムA/D変換回路332から出力されるデジタルデータを一時的に保持する。例えば、バッファ351−1は、カラムA/D変換回路332−1から出力されるデジタルデータを保持する。また、例えば、バッファ351−Nは、カラムA/D変換回路332−Nから出力されるデジタルデータを保持する。バッファ351は、水平転送走査回路352の制御に従って保持しているデータを転送バス353に出力する。
【0148】
水平転送走査回路352は、各バッファ351が保持しているデジタルデータの出力タイミング、すなわち、各列のデジタルデータの転送タイミングを制御する。つまり、各バッファ351は、水平転送走査回路352により指定されたタイミングで保持しているデータを転送バス353に出力する。このような水平転送走査回路352の制御により、各列のデジタルデータは、順次転送される。
【0149】
転送バス353は、各バッファ351から出力されたデジタルデータを、順次センスアンプ354に転送する。センスアンプ354は、転送バス353を介して供給される各列のデジタルデータを増幅し、撮像素子320の外部(例えば、信号処理等を行う後段の処理部)へ出力する。PLL324は、周波数f/2[Hz]の基準クロックを生成する。PLL324は、生成した基準クロック(f/2)をA/D変換回路322(の各高分解能グレイコード生成回路331)とランプ生成回路325とに供給する。ランプ生成回路325は、PLL324から供給される基準クロック(f/2)を用いて、時間とともに電圧値が線形に変化するランプ波形の参照電圧RAMPを生成する。ランプ生成回路325は、生成した参照電圧RAMPを、A/D変換回路322(の各カラムA/D変換回路332の比較回路342)に供給する。
【0150】
<単位画素構成>
図18は、
図17の画素アレイ321の単位画素の構成例を示す図である。
図18に示されるように、単位画素361は、光電変換部(受光部)である例えばフォトダイオード371に加えて、例えば読み出しトランジスタ372、リセットトランジスタ373、増幅トランジスタ374、およびセレクトトランジスタ375の4つのトランジスタを有する。
【0151】
ここでは、この4つのトランジスタ(読み出しトランジスタ372乃至セレクトトランジスタ375)として、例えばNチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを用いている。ただし、ここで例示した読み出しトランジスタ372、リセットトランジスタ373、増幅トランジスタ374、およびセレクトトランジスタ375の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
【0152】
この単位画素361に対して、列選択線として、例えば、転送線、リセット線、および選択線の3本の駆動配線(図示せず)が同一画素行の各画素について共通に設けられている。これら転送線、リセット線、および選択線は、各一端が行走査回路(図示せず)の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されており、単位画素を駆動する駆動信号である転送パルスTRG、リセットパルスRST、および選択パルスSELを伝送する。
【0153】
フォトダイオード371は、アノード電極が負側電源(例えば、グランド)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。フォトダイオード371のカソード電極は、読み出しトランジスタ372を介して増幅トランジスタ374のゲート電極と電気的に接続されている。増幅トランジスタ374のゲート電極と電気的に繋がったノードをFD(フローティングディフュージョン)と称する。
【0154】
読み出しトランジスタ372は、フォトダイオード371のカソード電極と増幅トランジスタ374のゲート電極(すなわちFD)との間に接続されている。読み出しトランジスタ372のゲート電極には、高レベル(例えば、Vddレベル)がアクティブ(以下、「Highアクティブ」とも称する)の転送パルスTRFが転送線を介して与えられる。これにより、読み出しトランジスタ372はオン状態となり、フォトダイオード371で光電変換された光電荷をフローティングディフュージョン(FD)に転送する。
【0155】
リセットトランジスタ373は、ドレイン電極が画素電源Vrstに、ソース電極がフローティングディフュージョン(FD)にそれぞれ接続されている。リセットトランジスタ373のゲート電極には、HighアクティブのリセットパルスRSTがリセット線を介して与えられる。これにより、リセットトランジスタ373はオン状態となり、フローティングディフュージョン(FD)の電荷を画素電源Vrstに捨てることによって当該フローティングディフュージョン(FD)をリセットする。
【0156】
増幅トランジスタ374は、ゲート電極がフローティングディフュージョン(FD)に、ドレイン電極が画素電源Vddにそれぞれ接続されている。そして、増幅トランジスタ374は、リセットトランジスタ373によってリセットした後のフローティングディフュージョン(FD)の電位をリセット信号(リセットレベル)として出力する。増幅トランジスタ374はさらに、読み出しトランジスタ372によって信号電荷を転送した後のフローティングディフュージョン(FD)の電位を光蓄積信号(信号レベル)として出力する。
【0157】
セレクトトランジスタ375は、例えば、ドレイン電極が増幅トランジスタ374のソース電極に、ソース電極が垂直信号線376にそれぞれ接続されている。セレクトトランジスタ375のゲート電極には、Highアクティブの選択パルスSELが選択線を介して与えられる。これにより、セレクトトランジスタ375はオン状態となり、単位画素を選択状態として増幅トランジスタ374から出力される信号を垂直信号線376に中継する。
【0158】
なお、セレクトトランジスタ375については、画素電源Vddと増幅トランジスタ374のドレインとの間に接続した回路構成を採ることも可能である。
【0159】
また、単位画素としては、上記構成の4つのトランジスタからなる画素構成のものに限られるものではない。例えば、増幅トランジスタ374とセレクトトランジスタ375とを兼用した3つのトランジスタからなる画素構成のものなどであっても良く、その画素回路の構成は問わない。
【0160】
<撮像素子における本技術の適用>
図17に戻り、以上のような構成の撮像素子320は、本技術を適用したA/D変換装置を用いて、画素アレイ321の単位画素の各列の画素信号のA/D変換を行う。したがって、撮像素子320は、基準クロックの周波数(f/2[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換の分解能を上げることができる。すなわち、撮像素子320は、A/D変換の高分解能化をより容易に実現することができる。したがって、例えば、撮像素子320は、撮像画像(画像データ)のビット深度をより容易に増大させることができる。すなわち、撮像素子320は、撮像画像をより容易に高画質化することができる。
【0161】
また、換言するに、撮像素子320は、基準クロックに対してより高速に動作することができる。つまり、撮像素子320は、基準クロックの周波数(f/2[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換を高速化することができる。すなわち、撮像素子320は、A/D変換の高速化をより容易に実現することができる。したがって、例えば、撮像素子320は、撮像画像のフレームレートをより容易に増大させることができる。すなわち、撮像素子320は、撮像画像をより容易に高画質化することができる。
【0162】
さらに、撮像素子320は、基準クロックの周波数(f/2[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、A/D変換の高分解能化と高速化の両方をより容易に実現することもできる。つまり、撮像素子320は、例えば、基準クロックの周波数(f/2[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、撮像画像のビット深度の増大とフレームレートの増大の両方をより容易に行うこともできる。すなわち、撮像素子320は、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。したがって、例えば、撮像素子320は、撮像画像のビット深度の増大若しくはフレームレートの増大またはその両方をより容易に行うことができる。
【0163】
また、撮像素子320は、本技術を適用したA/D変換装置を用いるので、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、高分解能なグレイコードを用いたA/D変換を行うことができる。したがって、撮像素子320は、PLLを用いて高分解能なグレイコードを生成する場合と比較して簡易な構成でA/D変換を行うことができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、撮像素子320は、回路の配置の自由度を向上させることができる。また、撮像素子320は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0164】
なお、
図17に示されるように、撮像素子320は、所定の列毎に高分解能グレイコード生成回路331を有しており、グレイコードを使用するカラムA/D変換回路332に近い位置で高分解能なグレイコードを生成することができる。そのため、基準クロックのスキュー調整が容易になり、設計の自由度が向上する。すなわち、撮像素子320は、より容易に、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。
【0165】
なお、カラムA/D変換回路332が基準クロックに対してより高速に動作することができるのであるから、撮像素子320は、A/D変換の分解能および処理速度を、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合と同一とすることにより、
図19に示される例のように、基準クロック信号の周波数を(例えばf/8[Hz]に)低減させることができる。このようにすることにより、撮像素子320は、
図17の例の場合よりも、消費電力を低減させることができる。
【0166】
<6.第5の実施の形態>
<A/D変換回路>
なお、本技術を適用した位相差クロック生成回路は、グレイコード生成装置以外にも適用することができる。例えば、本技術を適用した位相差クロック生成回路を、A/D変換装置に適用するようにしてもよい。
【0167】
図20は、本技術を適用したA/D変換装置の一例であるA/D変換回路の主な構成例を示す図である。
図20に示されるA/D変換回路400は、A/D変換回路300(
図16)と基本的に同様のA/D変換を行う積分型のA/D変換回路である。すなわち、A/D変換回路400は、入力アナログ信号INの信号レベルと、時間とともに信号レベルが線形に変化するランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較する。A/D変換回路400は、その比較結果が変化するまでの期間の長さを計測し、その計測値(デジタル値)を入力アナログ信号INの信号レベルとして出力する。
【0168】
図20に示されるように、このA/D変換回路400は、4相クロック生成回路401、比較回路402、TDC403、およびリップルカウンタ404を有する。
【0169】
4相クロック生成回路401は、第1の実施の形態において説明した4相クロック生成回路100(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、4相クロック生成回路401は、入力されるクロック信号SLCKから4相クロック信号を生成し、TDC403に供給する。
【0170】
比較回路402は、比較回路302(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、比較回路402は、入力アナログ信号INの信号レベルと、ランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較し、その比較結果をTDC403に供給する。
【0171】
TDC(Time-to Digital Converter)403は、時間量子化器であり、比較回路402の比較結果が変化するタイミングで、4相クロック生成回路401から供給される4相クロック信号を取り込んでラッチし、デコードすることで、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値の下位ビットを求め、それをリップルカウンタ404に供給する。
【0172】
リップルカウンタ404は、リップルカウンタ304(
図16)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、リップルカウンタ404は、例えばアップダウンカウンタとして形成され、4相クロック信号の1つの立ち下がりのタイミングをカウントし、そのカウント値を、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値の上位ビットとする。リップルカウンタ404は、その上位ビットと、TDC403から供給される下位ビットとを、入力アナログ信号INの信号レベルを示すデジタル値として出力する。
【0173】
以上のように、A/D変換回路400は、本技術を適用した位相差クロック生成回路を用いて位相差クロック信号(多相クロック信号)を生成し、その位相差クロック信号(多相クロック信号)を用いてA/D変換を行う。したがって、A/D変換回路400は、本技術を適用したグレイコード生成装置を用いたA/D変換回路300の場合と同様に、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換の分解能を上げることができる。すなわち、A/D変換回路400は、A/D変換の高分解能化をより容易に実現することができる。
【0174】
換言するに、A/D変換回路400は、本技術を適用したグレイコード生成装置を用いたA/D変換回路300の場合と同様に、クロック信号SLCKに対してより高速に動作することができる。つまり、A/D変換回路400は、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換を高速化することができる。すなわち、A/D変換回路400は、A/D変換の高速化をより容易に実現することができる。
【0175】
さらに、A/D変換回路400は、本技術を適用したグレイコード生成装置を用いたA/D変換回路300の場合と同様に、クロック信号SLCKの周波数を上げず、かつ、PLL等を用いずに、A/D変換の高分解能化と高速化の両方をより容易に実現することができる。つまり、A/D変換回路400は、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。
【0176】
なお、A/D変換回路400は、クロック信号SLCKに対してより高速に動作することができるのであるから、A/D変換の分解能および処理速度を、クロック信号SLCKをカウントする場合と同一とすることにより、クロック信号SLCKのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、クロック信号SLCKの周波数を低減させることができる。つまり、A/D変換回路400は、クロック信号SLCKをカウントする場合よりも、消費電力を低減させることができる。
【0177】
また、A/D変換回路400は、本技術を適用した位相差クロック生成回路を用いるので、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、位相差クロック信号(多相クロック信号)を用いたA/D変換を行うことができる。したがって、A/D変換回路400は、PLLを用いてクロック信号SLCKからより高周波のクロック信号を生成する場合と比較して簡易な構成でA/D変換を行うことができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、A/D変換回路400は、回路の配置の自由度を向上させることができる。また、A/D変換回路400は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0178】
なお、以上においては、A/D変換回路400が4相クロック信号を用いてA/D変換を行うように説明したが、A/D変換回路400は、任意の相数の位相差クロック信号(多相クロック信号)を用いてA/D変換を行うことができる。すなわち、
図20の4相クロック生成回路401の代わりに、任意の相数の位相差クロック信号(多相クロック信号)を生成する、本技術を適用した位相差クロック生成回路を適用するようにしてもよい。
【0179】
<7.第6の実施の形態>
<撮像素子>
本技術は、例えば、第5の実施の形態において説明したようなA/D変換回路を、撮像素子に適用するようにしてもよい。
【0180】
図21は、本技術を適用した撮像素子の一例の主な構成例を示す図である。
図21に示される撮像素子420は、被写体を撮像し、撮像画像のデジタルデータを得る素子であり、撮像素子(
図17)と基本的に同様の構成を有し、同様の処理を行う。
図21に示されるように、撮像素子420は、画素アレイ421、A/D変換回路422、水平走査部423、PLL424、およびランプ生成回路425を有する。
【0181】
画素アレイ421は、基本的に画素アレイ321(
図17)と同様の構成を有し、同様の処理を行う。つまり、画素アレイ421には、入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が複数並べられており、各単位画素から読み出された画素信号は、画素列を結ぶ垂直信号線を介してA/D変換回路422に転送される。また、各単位画素は、画素行を結ぶ列選択線(図示せず)に接続され、その列選択線を介して行走査回路(図示せず)により動作を制御される。
【0182】
A/D変換回路422は、画素アレイ421の単位画素の列毎に供給される画素信号をA/D変換する。A/D変換回路422は、4相クロック生成回路431−1乃至4相クロック生成回路431−M、並びに、カラムA/D変換回路432−1乃至カラムA/D変換回路432−Nを有する。
【0183】
4相クロック生成回路431−1乃至4相クロック生成回路431−Mは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、4相クロック生成回路431−1乃至4相クロック生成回路431−Mを区別して説明する必要が無い場合、単に、4相クロック生成回路431と称する。また、カラムA/D変換回路432−1乃至カラムA/D変換回路432−Nは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、カラムA/D変換回路432−1乃至カラムA/D変換回路432−Nを区別して説明する必要が無い場合、単に、カラムA/D変換回路432と称する。
【0184】
4相クロック生成回路431は、それぞれ、入力される基準クロック(f/8)から4相クロック信号を生成する。4相クロック生成回路431は、画素アレイ321の単位画素の所定の数の行(N/M行)毎に設けられている。つまり、A/D変換回路422は、M個の4相クロック生成回路431を有する。4相クロック生成回路431は、生成した4相クロック信号を、自身に対応する列に対応するカラムA/D変換回路432(のTDC443)に供給する。
【0185】
この4相クロック生成回路431は、第1の実施の形態において説明した4相クロック生成回路100(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0186】
カラムA/D変換回路432は、画素アレイ421の単位画素の
列(カラム)毎に設けられている。つまり、A/D変換回路422は、N個のカラムA/D変換回路432を有する。カラムA/D変換回路432は、自身が対応する
列の単位画素から供給される画素信号(アナログ信号)をA/D変換し、各画素信号の信号レベルを示すデジタルデータを出力し、水平走査部423(のバッファ451)に供給する。
【0187】
カラムA/D変換回路432は、第5の実施の形態において説明したA/D変換回路400(
図20)の4相クロック生成回路401を除く部分と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。すなわち、
図21に示されるように、カラムA/D変換回路432は、比較回路442、TDC443、およびリップルカウンタ444を有する。
【0188】
比較回路442は、第5の実施の形態において説明した比較回路402(
図20)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、比較回路442は、自身が対応する列(カラム)の画素信号の信号レベルと、ランプ生成回路425から供給されるランプ波の参照電圧RAMPの信号レベルとを比較し、その比較結果をTDC443に供給する。
【0189】
TDC443は、第5の実施の形態において説明したTDC403(
図20)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、TDC443は、比較回路442の比較結果が変化するタイミングで、自身が対応する4相クロック生成回路431から供給される4相クロック信号を取り込んでラッチし、デコードする。TDC443は、そのデコード結果を、自身が対応する列の画素信号の信号レベルを示すデジタル値の下位ビットとしてリップルカウンタ444に供給する。
【0190】
リップルカウンタ444は、第5の実施の形態において説明したリップルカウンタ404(
図20)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。つまり、リップルカウンタ444は、例えばアップダウンカウンタとして形成され、4相クロック信号の1つの立ち下がりのタイミングをカウントし、そのカウント値を、画素信号の信号レベルを示すデジタル値の上位ビットとする。リップルカウンタ444は、その上位ビットと、TDC443から供給される下位ビットとを、自身が対応する列の画素信号の信号レベルを示すデジタル値として出力する。
【0191】
つまり、各カラムA/D変換回路432は、自身が対応する4相クロック生成回路431を加えることにより、第5の実施の形態において説明したA/D変換回路400(
図20)と同様の構成を有し、同様の処理を行う。すなわち、撮像素子420においては、カラムA/D変換回路432および4相クロック生成回路431として、本技術を適用したA/D変換装置が適用されている。
【0192】
水平走査部423は、A/D変換回路422から供給される、画素アレイ421の単位画素の各列の画素信号のデジタルデータを、順次撮像素子420の外部に出力する。水平走査部423は、
図21に示されるように、バッファ451−1乃至バッファ451−N、水平転送走査回路452、転送バス453、およびセンスアンプ454を有する。
【0193】
バッファ451−1乃至バッファ451−Nは、互いに同様の構成を有し、同様の処理を行う。以下において、バッファ451−1乃至バッファ451−Nを区別して説明する必要が無い場合、単にバッファ451と称する。
【0194】
バッファ451は、バッファ351(
図17)と基本的に同様の素子であり、画素アレイの単位画素の列毎に設けられており、自身が対応するカラムA/D変換回路432から出力されるデジタルデータを一時的に保持する。例えば、バッファ451−1は、カラムA/D変換回路432−1から出力されるデジタルデータを保持する。また、例えば、バッファ451−Nは、カラムA/D変換回路432−Nから出力されるデジタルデータを保持する。バッファ451は、水平転送走査回路452の制御に従って保持しているデータを転送バス453に出力する。
【0195】
水平転送走査回路452は、水平転送走査回路352(
図17)と基本的に同様の素子であり、各バッファ451が保持しているデジタルデータの出力タイミング、すなわち、各列のデジタルデータの転送タイミングを制御する。つまり、各バッファ451は、水平転送走査回路452により指定されたタイミングで保持しているデータを転送バス453に出力する。このような水平転送走査回路452の制御により、各列のデジタルデータは、順次転送される。
【0196】
転送バス453は、転送バス353(
図17)と基本的に同様の素子であり、各バッファ451から出力されたデジタルデータを、順次センスアンプ454に転送する。センスアンプ454は、センスアンプ354(
図17)と基本的に同様の素子であり、転送バス453を介して供給される各列のデジタルデータを増幅し、撮像素子420の外部(例えば、信号処理等を行う後段の処理部)へ出力する。PLL424は、PLL324(
図19)と基本的に同様の素子であり、周波数f/8[Hz]の基準クロックを生成する。PLL424は、生成した基準クロック(f/8)をA/D変換回路422(の各4相クロック生成回路431)とランプ生成回路425とに供給する。ランプ生成回路425は、ランプ生成回路325(
図17)と基本的に同様の素子であり、PLL424から供給される基準クロック(f/8)を用いて、時間とともに電圧値が線形に変化するランプ波形の参照電圧RAMPを生成する。ランプ生成回路425は、生成した参照電圧RAMPを、A/D変換回路422(の各カラムA/D変換回路432の比較回路442)に供給する。
【0197】
<撮像素子における本技術の適用>
以上のような構成の撮像素子420は、本技術を適用したA/D変換装置を用いて、画素アレイ421の単位画素の各列の画素信号のA/D変換を行う。したがって、撮像素子420は、基準クロックの周波数(f/8[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換の分解能を上げることができる。すなわち、撮像素子420は、A/D変換の高分解能化をより容易に実現することができる。したがって、例えば、撮像素子420は、撮像画像(画像データ)のビット深度をより容易に増大させることができる。すなわち、撮像素子420は、撮像画像をより容易に高画質化することができる。
【0198】
また、換言するに、撮像素子420は、基準クロックに対してより高速に動作することができる。つまり、撮像素子420は、基準クロックの周波数(f/8[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合よりも、A/D変換を高速化することができる。すなわち、撮像素子420は、A/D変換の高速化をより容易に実現することができる。したがって、例えば、撮像素子420は、撮像画像のフレームレートをより容易に増大させることができる。すなわち、撮像素子420は、撮像画像をより容易に高画質化することができる。
【0199】
さらに、撮像素子420は、基準クロックの周波数(f/8[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、A/D変換の高分解能化と高速化の両方をより容易に実現することもできる。つまり、撮像素子420は、例えば、基準クロックの周波数(f/8[Hz])を上げず、かつ、基準クロックよりも高周波のクロック信号を生成するためのPLL等を用いずに、撮像画像のビット深度の増大とフレームレートの増大の両方をより容易に行うこともできる。すなわち、撮像素子420は、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。したがって、例えば、撮像素子420は、撮像画像のビット深度の増大若しくはフレームレートの増大またはその両方をより容易に行うことができる。
【0200】
また、撮像素子420は、本技術を適用したA/D変換装置を用いるので、PLL等を用いずに、位相補間器と論理回路によって、位相差クロック信号(多相クロック信号)を用いたA/D変換を行うことができる。したがって、撮像素子420は、PLLを用いて位相差クロック信号を生成する場合と比較して簡易な構成でA/D変換を行うことができ、回路規模(面積)をより小さくすることができる。したがって、撮像素子420は、回路の配置の自由度を向上させることができる。また、撮像素子420は、PLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0201】
なお、
図21に示されるように、撮像素子420は、所定の列毎に4相クロック生成回路431を有している。すなわち、撮像素子420は、位相差クロック信号の供給先であるカラムA/D変換回路432に近い位置で位相差クロック信号を生成することができる。そのため、位相差クロック信号の伝送距離をより短くすることができ、スキュー調整が容易になり、設計の自由度が向上する。すなわち、撮像素子420は、より容易に、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。
【0202】
なお、カラムA/D変換回路432が基準クロックに対してより高速に動作することができるのであるから、撮像素子420は、A/D変換の分解能および処理速度を、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合と同一とすることにより、基準クロック信号の周波数をより低減させることができる。このようにすることにより、撮像素子420は、消費電力を低減させることができる。
【0203】
<8.第7の実施の形態>
<A/D変換回路>
なお、本技術を適用することができる撮像素子の構成は、任意であり、第4の実施の形態や第6の実施の形態において説明した例に限らない。例えば、画素アレイの単位画素の列毎に設けられたカラムA/D変換回路以外のA/D変換回路にも本技術を適用することができる。
【0204】
図22は、本技術を適用した撮像素子の一例の主な構成例を示す図である。
図22に示される撮像素子500は、被写体を撮像し、撮像画像のデジタルデータを得る素子である。
図22に示されるように、撮像素子500は、互いに重畳される複数の半導体基板(半導体基板501および半導体基板502)を有する。
図22の例においては、撮像素子500が、互いに重畳された2枚の半導体基板(半導体基板501および半導体基板502)により形成されているが、任意の枚数の半導体基板が重畳されるようにしてもよい。
【0205】
半導体基板501には、入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が複数並べられた画素領域511が形成されている。また、半導体基板502には、画素領域511から読み出された画素信号を処理する周辺回路が形成される周辺回路領域512が形成されている。
【0206】
半導体基板501および半導体基板502は、多層構造(積層構造)を形成する。半導体基板501に形成される画素領域511の各画素と半導体基板502に形成される周辺回路領域512の回路は、貫通ビア(VIA)等により互いに電気的に接続されている。
【0207】
周辺回路領域512には、例えば、
図23に示されるようなA/D変換回路522およびPLL524が形成される。
【0208】
A/D変換回路522は、画素領域511の部分領域(エリアとも称する)毎に供給される画素信号をA/D変換する。A/D変換回路522は、高分解能グレイコード生成回路531とエリアA/D変換回路532を有する。
【0209】
エリアA/D変換回路532は、画素領域511のエリア毎に設けられている。エリアの数および大きさは任意である。すなわち、エリアA/D変換回路532の数および割り当て方(どのエリアA/D変換回路532をどのエリアに割り当てるか)は任意である。
図23の例の場合、エリアA/D変換回路532は、アレイ状(行列状)に並べられている。
【0210】
各エリアA/D変換回路532は、自身が対応するエリア内の単位画素から供給される画素信号(アナログ信号)をA/D変換し、各画素信号の信号レベルを示すデジタルデータを出力する。つまり、エリアA/D変換回路532は、単位画素の割り当て方が異なること以外は、基本的に、カラムA/D変換回路332(
図17)と同様の回路である。すなわち、エリアA/D変換回路532は、第3の実施の形態において説明したA/D変換回路300(
図16)の高分解能グレイコード生成回路301を除く部分と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0211】
高分解能グレイコード生成回路531は、画素領域511の所定の数のエリア毎に設けられている。
図23の例の場合、高分解能グレイコード生成回路531は、アレイ状(行列状)に並べられたエリアA/D変換回路532の行毎に設けられている。高分解能グレイコード生成回路531の数や割り当て方(どの高分解能グレイコード生成回路531をどのエリアに割り当てるか)は、
図23の例に限らず任意である。
【0212】
高分解能グレイコード生成回路531は、それぞれ、PLL524から供給される基準クロック(f/8)から、その周波数よりも高い周波数成分のグレイコード(すなわち、高分解能なグレイコード)を生成する。高分解能グレイコード生成回路531は、生成したグレイコードを、自身に対応する列に対応するエリアA/D変換回路532に供給する。つまり、高分解能グレイコード生成回路531は、単位画素の割り当て方が異なること以外は、基本的に、高分解能グレイコード生成回路331(
図17)と同様の回路である。すなわち、高分解能グレイコード生成回路531は、第2の実施の形態において説明した高分解能グレイコード生成回路200(
図12)若しくは高分解能グレイコード生成回路230(
図14)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0213】
つまり、第4の実施の形態において説明した撮像素子320(
図17)の場合と同様に、撮像素子500においては、エリアA/D変換回路532および高分解能グレイコード生成回路531として、本技術を適用したA/D変換装置が適用されている。
【0214】
したがって、撮像素子500は、撮像素子320の場合と同様に、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。したがって、例えば、撮像素子500は、撮像画像のビット深度の増大若しくはフレームレートの増大またはその両方をより容易に行うことができる。また、撮像素子500は、撮像素子320の場合と同様に、基準クロックよりも高周波成分のグレイコードを生成するためにPLLを用いないため、PLLを用いる場合よりも消費電力を低減させることができる。
【0215】
また、撮像素子500は、撮像素子320の場合と同様に、グレイコードを使用するエリアA/D変換回路532に近い位置で高分解能なグレイコードを生成することができるため、基準クロックのスキュー調整が容易になり、設計の自由度が向上する。さらに、撮像素子500は、撮像素子320の場合と同様に、基準クロックの周波数を低減させ、消費電力を低減させながら、基準クロックのカウント値を用いてA/D変換する場合と同様の分解能および処理速度のA/D変換を実現することができる。
【0216】
<A/D変換回路>
なお、
図23においては、第4の実施の形態において説明したA/D変換回路322のように、本技術を適用した高分解能グレイコード生成回路を用いたA/D変換を行うA/D変換回路を周辺回路領域512に設けるように説明したが、周辺回路領域512には、第6の実施の形態において説明したA/D変換回路422のように、本技術を適用した4相クロック生成回路を用いたA/D変換を行うA/D変換回路を設けるようにしてもよい。
【0217】
図24は、周辺回路領域512に形成されるA/D変換回路の他の例を示す図である。
図24の例の場合、周辺回路領域512に形成されるA/D変換回路522は、4相クロック生成回路561とエリアA/D変換回路562を有する。
【0218】
エリアA/D変換回路562は、画素領域511のエリア毎に設けられている。エリアの数および大きさは任意である。すなわち、エリアA/D変換回路562の数および割り当て方(どのエリアA/D変換回路562をどのエリアに割り当てるか)は任意である。
図24の例の場合、エリアA/D変換回路562は、アレイ状(行列状)に並べられている。
【0219】
各エリアA/D変換回路562は、自身が対応するエリア内の単位画素から供給される画素信号(アナログ信号)をA/D変換し、各画素信号の信号レベルを示すデジタルデータを出力する。つまり、エリアA/D変換回路562は、単位画素の割り当て方が異なること以外は、基本的に、カラムA/D変換回路432(
図21)と同様の回路である。すなわち、エリアA/D変換回路
562は、第5の実施の形態において説明したA/D変換回路400(
図20)の4相クロック生成回路401を除く部分と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0220】
4相クロック生成回路561は、画素領域511の所定の数のエリア毎に設けられている。
図24の例の場合、4相クロック生成回路561は、アレイ状(行列状)に並べられたエリアA/D変換回路562の行毎に設けられている。4相クロック生成回路561の数や割り当て方(どの4相クロック生成回路561をどのエリアに割り当てるか)は、
図24の例に限らず任意である。
【0221】
4相クロック生成回路561は、それぞれ、PLL524から供給される基準クロック(f/8)から、その位相差クロック信号(多相クロック信号)を生成する。4相クロック生成回路561は、生成した位相差クロック信号(多相クロック信号)を、自身に対応する列に対応するエリアA/D変換回路562に供給する。つまり、4相クロック生成回路561は、単位画素の割り当て方が異なること以外は、基本的に、4相クロック生成回路431(
図21)と同様の回路である。すなわち、4相クロック生成回路561は、第1の実施の形態において説明した4相クロック生成回路100(
図5)と同様の構成を有し、同様の処理を行う回路である。
【0222】
つまり、第6の実施の形態において説明した撮像素子420(
図21)の場合と同様に、撮像素子500においては、エリアA/D変換回路562および4相クロック生成回路561として、本技術を適用したA/D変換装置が適用されている。
【0223】
したがって、撮像素子500は、
図23の場合と同様に、A/D変換の高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。
【0224】
なお、
図24においては、本技術を適用した位相差クロック生成回路の一例として4相クロック生成回路561を用いた例を示しているが、生成される位相差クロック信号の相数はもちろん任意である。
【0225】
<9.第8の実施の形態>
<多相クロック信号を利用するA/D変換器>
特開2008−92091号公報には、通常の上位ビットカウンタとリング発信器によって位相の異なるクロック信号をラッチとデコードをする時間量子化器(TDC(Time-to-Digital Converter)で下位ビットの情報を得る積分型のA/D変換器が提案されている。このようにすることにより、クロック周波数を上げずにA/D変換器の分解能を向上させることができる。
【0226】
このようなA/D変換器の主な構成例を
図25Aに示す。
図25Aに示されるように、A/D変換器600は、比較器601、ラッチ&デコード602、およびカウンタ603を有する。比較器601は、画素から読み出された信号(VSL)とランプ信号(RAMP)とを比較し、その比較結果(VCO)をラッチ&デコード602およびカウンタ603に供給する。カウンタ603は、比較結果(VCO)が変化するまでをカウントし、そのカウント値を上位ビットの情報として得る。ラッチ&デコード602は、時間量子化器からなり、位相が互いに異なるクロック信号(CLKA, CLKB, CLKC、およびCLKD)をラッチしてデコードし、下位ビットの情報を得る。
【0227】
より具体的には、例えば
図25Bに示されるタイミングチャートのように、ラッチ&デコード602が、クロック周波数の1周期の中において、比較結果(VCO)が変化するタイミングで、位相が45°ずつ異なる4つのクロック信号CLKA、CLKB、CLKC、CLKDの値をラッチすると、8通りの拡張コードEB[3:0]が得られる。ラッチ&デコード602は、この8通りのコードをデコードして3bitの下位ビットの情報を得る。
【0228】
この方式で下位ビットの分解能を更に増やすには、1bitあたり伝送するクロック信号の本数を2倍にして位相差を半分にする必要がある。回路を構成するトランジスタ(Tr)や配線の形状や特性のばらつき(個体差)により、各クロック信号の位相差を常に一定に保つことは困難である。そして、そのばらつきが位相差に対し無視できなければカウント値の誤判定が発生してしまうおそれがあった。
【0229】
例えば撮像素子のカラムA/D変換器のように、この積分型A/D変換器を複数並列に並べる場合、各クロック信号は、配線の時定数による信号レベルの減衰を防ぐため一般的にリピータまたはバッファ(クロック信号に限定する場合はクロックバッファ)などと呼ばれる駆動用の回路が信号毎に用いられる。通常、並列に並べるA/D変換器の数が増大する程、クロック信号の伝送距離が延び、より多くの信号駆動用の回路が多段接続されるようになる。
【0230】
これら信号駆動用の回路は遅延時間のばらつきを持つ。このような遅延時間のばらつきは、このような信号駆動用の回路を通過した各クロック信号間の位相差が変動する要因となるおそれがあった。したがって多段接続される信号駆動用の回路の数が増大することにより、各クロック信号の遅延時間のばらつき(換言するに、各クロック信号間の位相差のばらつき)が増大するおそれがあった。
【0231】
<信号処理装置>
そこで、複数の位相補間器を用いて、互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部を備える信号処理装置を実現し、これにより、多相クロック信号の各クロック信号間の位相差のばらつきを低減させるようにする。
【0232】
位相補間器には、例えば、出力信号を、2つの入力信号の位相差の中間のタイミングから、その位相補間器の遅延時間分遅延させたタイミングで出力するものを用いるようにしてもよい。
【0233】
このような信号処理装置を用いることにより、多相クロック信号の各クロック信号間のばらつきを平滑化し、多層クロック信号の位相差を常に一定に保つことができる。
【0234】
図26は、このような信号処理装置の一実施の形態である位相補正回路の主な構成例を示す図である。
図26に示される位相補正回路700は、互いの位相差が90度の4つのクロック信号からなる4相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する回路である。
【0235】
図26に示されるように、位相補正回路700は、3段構成の24個の位相補間器を有する。各段は、8つの並列の位相補間器により構成される。すなわち、入力端子側から見て1段目は位相補間器711−1乃至位相補間器711−8により構成され、2段目は位相補間器712−1乃至位相補間器712−8により構成され、3段目は位相補間器713−1乃至位相補間器713−8により構成される。位相補間器711−1乃至位相補間器711−8を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に位相補間器711と称する。位相補間器712−1乃至位相補間器712−8を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に位相補間器712と称する。位相補間器713−1乃至位相補間器713−8を互いに区別して説明する必要が無い場合、単に位相補間器713と称する。
【0236】
位相補正回路700には、互いの位相差が90度の4つのクロック信号CLKA, CLKB, CLKC、およびCLKD、並びにそれらの反転信号からなる、8つの信号が入力される。
【0237】
入力端子側から見て1段目の位相補間器711は、位相差0度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成する。より具体的には、位相補間器711−1は、クロック信号CLKAとクロック信号CLKAの反転信号の否定との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−2は、クロック信号CLKBとクロック信号CLKBの反転信号の否定との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−3は、クロック信号CLKCとクロック信号CLKCの反転信号の否定との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−4は、クロック信号CLKDとクロック信号CLKDの反転信号の否定との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−5は、クロック信号CLKAの否定とクロック信号CLKAの反転信号との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−6は、クロック信号CLKBの否定とクロック信号CLKBの反転信号との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−7は、クロック信号CLKCの否定とクロック信号CLKCの反転信号との中間位相の信号を生成する。位相補間器711−8は、クロック信号CLKDの否定とクロック信号CLKDの反転信号との中間位相の信号を生成する。
【0238】
入力端子側から見て2段目の位相補間器712は、位相差90度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成する。より具体的には、位相補間器712−1は、位相補間器711−1の出力と位相補間器711−3の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−2は、位相補間器711−2の出力と位相補間器711−4の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−3は、位相補間器711−3の出力と位相補間器711−5の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−4は、位相補間器711−4の出力と位相補間器711−6の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−5は、位相補間器711−5の出力と位相補間器711−7の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−6は、位相補間器711−6の出力と位相補間器711−8の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−7は、位相補間器711−7の出力と位相補間器711−1の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器712−8は、位相補間器711−8の出力と位相補間器711−2の出力との中間位相の信号を生成する。
【0239】
入力端子側から見て3段目の位相補間器713は、位相差45度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成する。より具体的には、位相補間器713−1は、位相補間器712−1の出力と位相補間器712−2の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−2は、位相補間器712−2の出力と位相補間器712−3の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−3は、位相補間器712−3の出力と位相補間器712−4の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−4は、位相補間器712−4の出力と位相補間器712−5の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−5は、位相補間器712−5の出力と位相補間器712−6の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−6は、位相補間器712−6の出力と位相補間器712−7の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−7は、位相補間器712−7の出力と位相補間器712−8の出力との中間位相の信号を生成する。位相補間器713−8は、位相補間器712−8の出力と位相補間器712−1の出力との中間位相の信号を生成する。
【0240】
位相補間器713−1の出力が、クロック信号OUT_Aとして出力される。位相補間器713−2の出力が、クロック信号OUT_Bとして出力される。位相補間器713−3の出力が、クロック信号OUT_Cとして出力される。位相補間器713−4の出力が、クロック信号OUT_Dとして出力される。位相補間器713−5の出力が、クロック信号OUT_Eとして出力される。位相補間器713−6の出力が、クロック信号OUT_Fとして出力される。位相補間器713−7の出力が、クロック信号OUT_Gとして出力される。位相補間器713−8の出力が、クロック信号OUT_Hとして出力される。
【0241】
位相補正回路700の各入力信号および各出力信号の位相は、
図27のようになる。つまり、出力信号は、入力信号に対して位相が67.5度遅延し、各出力信号同士の位相差は、入力信号同様45度である。
【0242】
つまり、位相補間器の出力信号の遅延は、その位相補間器による遅延分を除くと、各入力信号の遅延の平均となる。したがって、各入力信号(クロック信号CLKA乃至CLKD、並びに、それらの反転信号)の遅延がt1乃至t8であるとすると、1段目の各位相補間器711の出力(ノードA乃至ノードHの信号)、2段目の各位相補間器
712の出力(ノードI乃至ノードPの信号)、並びに、各出力信号(クロック信号OUT_A乃至OUT_H)の遅延は、
図28Aや
図28Bに示される表のようになる。つまり、各出力信号の遅延は、全入力信号の遅延の平均となる。したがって、各入力信号の間で遅延(位相差)にばらつきが存在するとしても、出力信号においては、遅延(位相差)のばらつきが平滑化される。
【0243】
このように、位相補正回路700は、多相クロック信号の各クロック信号間の位相を補正することができるだけでなく、遅延させることもできる。すなわち、位相補正回路700は、多相クロック信号を、各クロック信号間の位相差を一定に保ちながら(位相差のばらつきを抑制し)、遅延させることができる。
【0244】
<10.第9の実施の形態>
<イメージセンサ>
以上のような位相補正回路700をA/D変換器に適用することにより、各クロック信号間の位相差がより正確な多相クロック信号を利用して下位ビットの情報を得るA/D変換器を実現することができる。つまり、その下位ビットにおいて誤判定の発生を抑制することができ、より容易にA/D変換器の高分解能化を実現することができる。さらに、そのA/D変換器を撮像素子に適用することにより、より容易に撮像画像データの高ビット深度化を実現することができる。
【0245】
図29は、本技術を適用した撮像素子の一実施の形態を示すイメージセンサの主な構成例を示すブロック図である。
【0246】
図29に示されるイメージセンサ800は、各単位画素の受光部(例えばフォトダイオード)において入射光を光電変換して電荷を蓄積し、その電荷に相当する信号電圧を画素信号として読み出してA/D変換して画素データを得る。そして、イメージセンサ800は、その各単位画素の画素データを画像データとして出力する。
【0247】
図29においては、そのようなイメージセンサ800の一部の構成の例が示されている。
図29に示されるように、イメージセンサ800は、画素アレイ811、クロック発生部812、位相補正部813、およびA/D変換部814を有する、
【0248】
画素アレイ811は、入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が複数並べられたものである。単位画素は、光電変換素子を1つ若しくは複数と、その光電変換素子に蓄積される電荷を読み出すための回路を有する。例えば、単位画素は、
図18に示されるような構成を有する。画素アレイ811においては、複数の単位画素が平面状若しくは曲面状に配置される。例えば、単位画素はアレイ状(行列状)に並べられる。画素アレイ811には、さらに、各単位画素のトランジスタを制御する制御信号を伝送する制御線や、各単位画素から読み出された信号(リセットレベルや画素信号等)を伝送する信号線が形成される。
【0249】
光電変換素子は、入射光を光電変換し、得られた電荷を蓄積する。その電荷は、図示せぬ走査部から各種制御線を介して伝送される各種制御信号に従ってその単位画素を構成する各トランジスタが駆動することにより、その単位画素から読み出され、信号線を介してA/D変換部814に供給される。例えば、画素アレイ811には、単位画素の列毎に信号線が形成される。つまり、単位画素の列数がN(Nは任意の自然数)であるとすると、N本の信号線が形成される。各単位画素から読み出される信号は、単位画素の行毎に読み出される。その読み出された信号は、各列の信号線を介して伝送され、A/D変換部814の各列に対応するA/D変換部(A/D変換部821−1乃至A/D変換部821−N)にそれぞれ供給される。
【0250】
クロック発生部812は、互いの位相差が45度の4つのクロック信号からなる4相クロック信号(CLKA, CLKB, CLKC, CLKD)並びにそれらの反転信号を生成し、位相補正部813に供給する。
【0251】
位相補正部813は、クロック発生部812から供給される4相クロック信号(CLKA, CLKB, CLKC, CLKD)並びにそれらの位相を反転した反転信号を取得すると、それらの信号を用いて、各信号間の遅延(位相差)のばらつきを抑制するように、各信号の位相を補正する。位相補正部813は、その位相を補正した4相クロック信号をA/D変換部814に供給する。
【0252】
A/D変換部814は、画素アレイ811から供給される信号をA/D変換する。例えば、A/D変換部814が、画素アレイ811と繋がる信号線毎にA/D変換
部を有するようにしてもよい。
図29の例の場合、A/D変換部814は、画素アレイ811の単位画素の列毎にA/D変換部を有する。より具体的には、A/D変換部814は、A/D変換部821−1乃至A/D変換部821−Nを有する。A/D変換部821−1乃至A/D変換部821−Nを互いに区別して説明する必要が無い場合、単に、A/D変換部821と称する。
【0253】
A/D変換部821は、自身が割り当てられた信号線を介して画素アレイ811から供給される信号をA/D変換する。例えば、A/D変換部821−1は、画素アレイ811の一番左の列の単位画素から読み出された信号をA/D変換する。また、例えば、A/D変換部821−2は、画素アレイ811の左から2番目の列の単位画素から読み出された信号をA/D変換する。同様に、例えば、A/D変換部821−Nは、画素アレイ811の一番右の列の単位画素から読み出された信号をA/D変換する。
【0254】
A/D変換部821の構成は任意である。例えば、A/D変換部821が、A/D変換器600(
図25A)と同様の構成を有し、同様の処理を行うようにしてもよい。つまり、A/D変換部821が、画素アレイ811から供給される信号とランプ信号とを比較し、その比較結果が変化するまでをカウントし、そのカウント値を上位ビットの情報として得るだけでなく、時間量子化器によって、クロック発生部812において生成され、位相補正部813により各信号間の遅延(位相差)が補正された4相クロック信号を用いて、クロック信号よりも高分解能の3bitの下位ビットの情報を得ることができるようにしてもよい。
【0255】
A/D変換部814は、各A/D変換部814から出力されるデータを、画像データとして出力する。
【0256】
クロック発生部812において生成され、位相補正部813により各信号間の遅延(位相差)が補正された4相クロック信号は、各A/D変換部821に供給される。
図29に示されるように、A/D変換部814において、多相クロック信号を伝送する配線の、位相補正部813とA/D変換部821との間に、多相クロック信号の信号レベルの減衰を抑制するために所定数のクロックバッファ(例えば、クロックバッファ822−1乃至クロックバッファ822−M(Mは任意の自然数))を設けるようにしてもよい。クロックバッファ822−1乃至クロックバッファ822−Mを互いに区別して説明する必要が無い場合、単に、クロックバッファ822と称する。クロックバッファ822は、位相補正部813とA/D変換部821との間であれば任意の位置に設けることができる。例えば、所定の距離毎にクロックバッファ822が設けられるようにしてもよい。
【0257】
クロックバッファ822は、例えば、増幅回路等により構成され、入力された信号を増幅して出力する。
【0258】
このような構成のイメージセンサ800において、位相補正部813として、
図26乃至
図28等を参照して説明した位相補正回路700を適用するようにしてもよい。すなわち、位相補正部813が、複数の位相補間器を用いて、入力された多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正するようにしてもよい。
【0259】
つまり、イメージセンサ800が、入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイ811と、互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号を生成するクロック発生部812(位相差クロック生成部)と、複数の位相補間器を用いて、クロック発生部812により生成された多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部813と、位相補正部813により補正された多相クロック信号を用いて、画素アレイの単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部814(A/D変換部821)とを備えるようにしてもよい。
【0260】
そのA/D変換部821が、上述したように画素アレイ811の単位画素の列毎に設けられ、自身に対応する列の単位画素から出力されるアナログ信号を、位相補正部813により補正された多相クロック信号を用いてA/D変換するようにしてもよい。
【0261】
このようにすることにより、A/D変換における下位ビットの誤判定の発生を抑制することができ、より容易にA/D変換部814(A/D変換部821)の高分解能化を実現することができる。
【0262】
したがって、イメージセンサ800は、より容易に撮像画像データの高ビット深度化を実現することができる。また、その場合、上述したように位相補正部813として位相補正回路700を適用すればよいので、既存のレイアウトを大きく変更する必要がない。したがって、開発も容易になり、開発に要する時間を低減させることができる。また、回路規模(面積)の増大も抑制することができる。したがって、開発や製造のコストの増大を抑制することができる。
【0263】
<クロック発生部>
図30は、クロック発生部812の主な構成例を示すブロック図である。
図30に示されるように、クロック発生部812は、遅延素子831乃至遅延素子838を有する。遅延素子831乃至遅延素子838は互いに直列に接続され、各遅延素子の出力が、クロック信号若しくはクロック信号の反転信号として出力される。
【0264】
遅延素子831乃至遅延素子838は、それぞれ、入力された信号の位相を45度遅延させる。例えば、遅延素子831乃至遅延素子838は、それぞれ、リング発振器で用いられるインバータやNAND回路、NOR回路、差動アンプ等により形成される。
【0265】
クロック発生部812により入力されたクロック信号は、遅延素子831に供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKAとしてクロック発生部812の外部に出力される。また、そのクロック信号CLKAは、遅延素子832にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKBとしてクロック発生部812の外部に出力される。さらに、そのクロック信号CLKBは、遅延素子833にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKCとしてクロック発生部812の外部に出力される。また、そのクロック信号CLKCは、遅延素子834にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKDとしてクロック発生部812の外部に出力される。
【0266】
さらに、そのクロック信号CLKDは、遅延素子835にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKAの反転信号としてクロック発生部812の外部に出力される。また、そのクロック信号CLKAの反転信号は、遅延素子836にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKBの反転信号としてクロック発生部812の外部に出力される。さらに、そのクロック信号CLKBの反転信号は、遅延素子837にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKCの反転信号としてクロック発生部812の外部に出力される。また、そのクロック信号CLKCの反転信号は、遅延素子838にも供給されて位相が45度遅延され、クロック信号CLKDの反転信号としてクロック発生部812の外部に出力される。
【0267】
例えば、特開2008−92091号公報には、クロック信号の発生源として、リング発振器を含む位相ロックループ回路が提案されている。しかしながら、このような位相ロックループ回路は、その構成が複雑であり回路規模が大きい。
【0268】
図30に示されるような構成のクロック発生部812は、このような位相ロックループ回路に比べて回路構成が簡易であり、回路規模が小さい。ただし、
図30に示されるような構成のクロック発生部812は、各遅延素子の個体差により、遅延量にばらつきが生じるおそれがある。したがって、クロック発生部812が生成する多相クロック信号の各クロック信号の位相差(遅延)に、許容できない程大きなばらつきが生じるおそれがある。
【0269】
例えば、クロック発生部812が生成した多相クロック信号を、位相補正部813を介さずにA/D変換部821に供給する場合、その多相クロック信号の各クロック信号の位相差(遅延)のばらつきにより、A/D変換部821においてカウント値の誤判定が生じるおそれがある。
【0270】
しかしながら、上述したように、位相補正部813として位相補正回路700を適用することにより、多相クロック信号の各クロック信号の位相差(遅延)のばらつきが抑制されるので、
図30に示されるような簡易な構成のクロック発生部812を適用しても、十分に高精度の(各クロック信号の位相差(遅延)のばらつきが十分に小さい)多相クロック信号を得ることができる。
【0271】
換言するに、位相補正部813として位相補正回路700を適用することにより、クロック発生部812の構成を簡易化することができ、回路規模やコストの増大を抑制することができる。
【0272】
<A/D変換部>
なお、
図29に示される位相補正部813とA/D変換部814とを一体化して形成するようにしてもよい。つまり、
図29において、A/D変換部814が位相補正部813も含むようにしてもよい。例えば、位相補正部813とA/D変換部814とが、独立した1つの装置(例えばA/D変換装置)として(または、ユニット、モジュール、チップ、ブロック等、任意の単位において1つとして)形成されるようにしてもよい。
【0273】
同様に、
図29に示されるクロック発生部812、位相補正部813、およびA/D変換部814を一体化して形成するようにしてもよい。つまり、
図29において、A/D変換部814がクロック発生部812および位相補正部813も含むようにしてもよい。例えば、クロック発生部812、位相補正部813、およびA/D変換部814が、独立した1つの装置(例えばA/D変換装置)として(または、ユニット、モジュール、チップ、ブロック等、任意の単位において1つとして)形成されるようにしてもよい。
【0274】
このような構成のA/D変換装置において、位相補正部813として位相補正回路700を適用することにより、容易にA/D変換の高分解能化を実現することができる。
【0275】
つまり、A/D変換装置が、互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号を生成するクロック発生部812(位相差クロック生成部)と、複数の位相補間器を用いて、クロック発生部812により生成された多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部813と、位相補正部813により補正された多相クロック信号を用いて、入力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換部814(A/D変換部821)とを備えるようにしてもよい。
【0276】
その位相補間器が、出力信号を、2つの入力信号の位相差の中間のタイミングから位相補間器の遅延時間分遅延させたタイミングで出力するようにしてもよい。
【0277】
また、そのクロック発生部812が、位相差が45度の4相クロック信号を生成し、位相補正部813が、1段目の位相補間器により位相差0度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、2段目の位相補間器により位相差90度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、3段目の位相補間器により位相差45度の2つの入力信号の中間位相信号を生成するようにしてもよい。
【0278】
さらに、A/D変換部821が、クロック信号の周期数をカウントし、そのカウント値を上位ビットとして出力するカウンタ603と、ランプ波形の参照電圧と入力電圧とを比較する比較器601と、比較部の出力が反転したことをトリガとして、位相補正部により補正された多相クロック信号を同時にラッチすることで位相情報を取得し、位相情報の値を復号し、得られたデジタル値を、クロック信号の周期より分解能が高い下位ビットとして出力するラッチ&デコード602(時間量子化部)とを備えるようにしてもよい。
【0279】
<イメージセンサ>
なお、位相補正回路700は、クロックバッファとして適用してもよい。
図31にその場合のイメージセンサの主な構成例を示す。
図31に示されるイメージセンサ850は、基本的にイメージセンサ800(
図29)と同様の構成を有する。
【0280】
ただし、イメージセンサ850の場合、A/D変換部814は、クロックバッファ822(クロックバッファ822−1乃至クロックバッファ822−M)の代わりに位相補正部813(位相補正部813−2乃至位相補正部813−K(Kは、2以上の整数))を有する。
【0281】
つまり、例えば、位相補正部813が所定の数の列毎に設けられ、A/D変換部821が、自身が対応する列に対応する位相補正部813により補正された多相クロック信号を用いてA/D変換するようにしてもよい。
【0282】
このような構成の場合も、
図29の場合と同様の効果を得ることができる。
【0283】
なお、位相補正部813とクロックバッファ822を併用するようにしてもよい。つまり、A/D変換部814のクロックバッファ822(クロックバッファ822−1乃至クロックバッファ822−M)を全て位相補正部813(位相補正部813−2乃至位相補正部813−K)に置き換えるのではなく、一部のクロックバッファ822を位相補正部813に置き換えるようにしてもよい。例えば、基本的に多相クロック信号をクロックバッファ822で伝送するようにし、多相クロック信号の各クロック信号の位相差のばらつきが増大していき、許容できないレベルになる直前に、位相補正部813によってそのばらつきをリセットするような構成としてもよい。
【0284】
<その他の構成>
なお、本技術を適用した位相補正部813は、例えば
図22に示されるような、互いに重畳される複数の半導体基板(半導体基板501および半導体基板502)を有する撮像素子にも、上述した場合と同様に適用することができる。
【0285】
また、本技術を適用した位相補正部813は、上述した画素アレイの
列(カラム)毎に設けられるカラムA/D変換部を用いる撮像素子だけでなく、例えば
図24に示されるような、自身が対応するエリア(画素アレイ811が形成される画素領域の部分領域)内の単位画素から供給される画素信号(アナログ信号)をA/D変換し、各画素信号の信号レベルを示すデジタルデータを出力するエリアA/D変換部を用いる撮像素子にも同様に適用することができる。
【0286】
なお、エリアA/D変換部を用いる撮像素子の場合、クロックバッファ822の代わりに位相補正部813を適用するときは、位相補正部813が、所定の数の部分領域毎に設けられ、A/D変換部821は、自身が対応する部分領域に対応する位相補正部813により補正された多相クロック信号を用いてA/D変換するようにしてもよい。
【0287】
<11.第10の実施の形態>
<撮像装置>
図32は、本技術を適用した電子機器の一例としての撮像装置の主な構成例を示すブロック図である。
図32に示される撮像装置900は、被写体を撮像し、その被写体の画像を電気信号として出力する装置である。
【0288】
図32に示されるように撮像装置900は、光学部911、CMOSセンサ912、A/D変換器913、操作部914、制御部915、画像処理部916、表示部917、コーデック処理部918、および記録部919を有する。
【0289】
光学部911は、被写体までの焦点を調整し、焦点が合った位置からの光を集光するレンズ、露出を調整する絞り、および、撮像のタイミングを制御するシャッタ等よりなる。光学部911は、被写体からの光(入射光)を透過し、CMOSセンサ912に供給する。
【0290】
CMOSセンサ912は、入射光を光電変換して画素毎の信号(画素信号)をA/D変換器913に供給する。
【0291】
A/D変換器913は、CMOSセンサ912から所定のタイミングで供給される画素信号をデジタルデータ(画像データ)に変換し、所定のタイミングで順次、画像処理部916に供給する。
【0292】
なお、このCMOSセンサ912およびA/D変換器913は、一体化し(1つのモジュールとして形成し)、それを撮像素子921(撮像部)としてしてもよい。
【0293】
操作部914は、例えば、ジョグダイヤル(商標)、キー、ボタン、またはタッチパネル等により構成され、ユーザによる操作入力を受け、その操作入力に対応する信号を制御部915に供給する。
【0294】
制御部915は、操作部914により入力されたユーザの操作入力に対応する信号に基づいて、光学部911、CMOSセンサ912、A/D変換器913、画像処理部916、表示部917、コーデック処理部918、および記録部919の駆動を制御し、各部に撮像に関する処理を行わせる。
【0295】
画像処理部916は、撮像により得られた画像データを画像処理する。より具体的には、画像処理部916は、A/D変換器913(撮像素子921)から供給された画像データに対して、例えば、混色補正や、黒レベル補正、ホワイトバランス調整、デモザイク処理、マトリックス処理、ガンマ補正、およびYC変換等の各種画像処理を施す。画像処理部916は、画像処理を施した画像データを表示部917およびコーデック処理部918に供給する。
【0296】
表示部917は、例えば、液晶ディスプレイ等として構成され、画像処理部916から供給された画像データに基づいて、被写体の画像を表示する。
【0297】
コーデック処理部918は、画像処理部916から供給された画像データに対して、所定の方式の符号化処理を施し、得られた符号化データを記録部919に供給する。
【0298】
記録部919は、コーデック処理部918からの符号化データを記録する。記録部919に記録された符号化データは、必要に応じて画像処理部916に読み出されて復号される。復号処理により得られた画像データは、表示部917に供給され、対応する画像が表示される。
【0299】
以上のような撮像装置900のCMOSセンサ912およびA/D変換器913を含む撮像素子921として、上述した本技術を適用する。すなわち、撮像素子921として、上述した実施の形態の撮像素子が用いられる。これにより、撮像素子921は、高速化若しくは高分解能化またはその両方をより容易に行うことができる。したがって撮像装置900は、被写体を撮像することにより、より高画質な画像を得ることができる。
【0300】
なお、本技術を適用した撮像装置は、上述した構成に限らず、他の構成であってもよい。例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラだけでなく、携帯電話機、スマートホン、タブレット型デバイス、パーソナルコンピュータ等の、撮像機能を有する情報処理装置であってもよい。また、他の情報処理装置に装着して使用される(若しくは組み込みデバイスとして搭載される)カメラモジュールであってもよい。
【0301】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
【0302】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0303】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いて、入力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備えるA/D変換装置。
(2) 前記位相差クロック生成部は、1つの遅延回路と4つの位相補間器とを有し、入力された前記クロック信号から4相クロック信号を生成する
(1)、(3)、(4)のいずれかに記載のA/D変換装置。
(3) 前記位相補間器は、出力信号を、2つの入力信号の位相差の中間のタイミングから前記位相補間器の遅延時間分遅延させたタイミングで出力する
(1)、(2)、(4)のいずれかに記載のA/D変換装置。
(4) 前記A/D変換部は、
前記クロック信号の周期数をカウントし、そのカウント値を上位ビットとして出力するカウンタと、
ランプ波形の参照電圧と入力電圧とを比較する比較部と、
前記比較部の出力が反転したことをトリガとして、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を同時にラッチすることで位相情報を取得し、前記位相情報の値を復号し、得られたデジタル値を、前記クロック信号の周期より分解能が高い下位ビットとして出力する時間量子化部と
を備える(1)乃至(3)のいずれかに記載のA/D変換装置。
(5) 入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える撮像素子。
(6) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の列毎に設けられ、自身に対応する前記列の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(5)、(7)乃至(9)のいずれかに記載の撮像素子。
(7) 前記位相差クロック生成部は、所定の数の前記列毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記列に対応する前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(5)、(6)、(8)、(9)のいずれかに記載の撮像素子。
(8) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の部分領域毎に設けられ、自身に対応する前記部分領域の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(5)乃至(7)、(9)のいずれかに記載の撮像素子。
(9) 前記位相差クロック生成部は、所定の数の前記部分領域毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記部分領域に対応する前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(5)乃至(8)のいずれかに記載の撮像素子。
(10) 被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
を備え、
前記撮像部は、
入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号を用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える電子機器。
(11) 複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器および論理ゲートを用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号から、グレイコードを生成するグレイコード生成部と
を備えるグレイコード生成装置。
(12) 前記グレイコード生成部は、
前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号の1つから、上位のグレイコードを生成する第1のグレイコード生成部と、
前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号の残りから、下位のグレイコードを生成する第2のグレイコード生成部と
を備える(11)に記載のグレイコード生成装置。
(13) 複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器および論理ゲートを用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号から、グレイコードを生成するグレイコード生成部と、
前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いて、入力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備えるA/D変換装置。
(14) 前記A/D変換部は、
前記クロック信号の周期数をカウントし、そのカウント値を上位ビットとして出力するカウンタと、
ランプ波形の参照電圧と入力電圧とを比較する比較部と、
前記比較部の出力が反転したことをトリガとして、前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを同時にラッチし、前記グレイコードをバイナリ値に変換し、得られたデジタル値を下位ビットとして出力するラッチと
を備える(13)に記載のA/D変換装置。
(15) 入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器および論理ゲートを用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号から、グレイコードを生成するグレイコード生成部と、
前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える撮像素子。
(16) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の列毎に設けられ、自身に対応する前記列の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いてA/D変換する
(15)、(17)乃至(19)のいずれかに記載の撮像素子。
(17) 前記グレイコード生成部は、所定の数の前記列毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記列に対応する前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いてA/D変換する
(15)、(16)、(18)、(19)のいずれかに記載の撮像素子。
(18) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の部分領域毎に設けられ、自身に対応する前記部分領域の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いてA/D変換する
(15)乃至(17)、(19)のいずれかに記載の撮像素子。
(19) 前記グレイコード生成部は、所定の数の前記部分領域毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記部分領域に対応する前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いてA/D変換する
(15)乃至(18)のいずれかに記載の撮像素子。
(20) 被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
を備え、
前記撮像部は、
入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
複数の位相補間器を用いて、入力されたクロック信号と前記クロック信号を遅延させた信号から、前記クロック信号に対し位相をずらした多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器および論理ゲートを用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号から、グレイコードを生成するグレイコード生成部と、
前記グレイコード生成部により生成された前記グレイコードを用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える電子機器。
(21) 互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器を用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部と、
前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いて、入力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備えるA/D変換装置。
(22) 前記位相補間器は、出力信号を、2つの入力信号の位相差の中間のタイミングから前記位相補間器の遅延時間分遅延させたタイミングで出力する
(21)に記載のA/D変換装置。
(23) 前記位相差クロック生成部は、位相差が45度の4相クロック信号を生成し、
前記位相補正部は、1段目の前記位相補間器により位相差0度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、2段目の前記位相補間器により位相差90度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、3段目の前記位相補間器により位相差45度の2つの入力信号の中間位相信号を生成する
(21)または(22)に記載のA/D変換装置。
(24) 前記A/D変換部は、
前記クロック信号の周期数をカウントし、そのカウント値を上位ビットとして出力するカウンタと、
ランプ波形の参照電圧と入力電圧とを比較する比較部と、
前記比較部の出力が反転したことをトリガとして、前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を同時にラッチすることで位相情報を取得し、前記位相情報の値を復号し、得られたデジタル値を、前記クロック信号の周期より分解能が高い下位ビットとして出力する時間量子化部と
を備える(21)乃至(23)のいずれかに記載のA/D変換装置。
(25) 入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器を用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部と、
前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える撮像素子。
(26) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の列毎に設けられ、自身に対応する前記列の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(25)に記載の撮像素子。
(27) 前記位相補正部は、所定の数の前記列毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記列に対応する前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(25)または(26)に記載の撮像素子。
(28) 前記A/D変換部は、前記画素アレイの前記単位画素の部分領域毎に設けられ、自身に対応する前記部分領域の前記単位画素から出力されるアナログ信号を、前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(25)乃至(27)のいずれかに記載の撮像素子。
(29) 前記位相補正部は、所定の数の前記部分領域毎に設けられ、
前記A/D変換部は、自身が対応する前記部分領域に対応する前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いてA/D変換する
(25)乃至(28)のいずれかに記載の撮像素子。
(30) 被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像により得られた画像データを画像処理する画像処理部と
を備え、
前記撮像部は、
入射光を光電変換する光電変換素子を含む単位画素が並べられた画素アレイと、
互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号を生成する位相差クロック生成部と、
複数の位相補間器を用いて、前記位相差クロック生成部により生成された前記多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部と、
前記位相補正部により補正された前記多相クロック信号を用いて、前記画素アレイの前記単位画素から出力されるアナログ信号をA/D変換するA/D変換部と
を備える電子機器。
(31) 複数の位相補間器を用いて、互いに位相がずれた複数のクロック信号からなる多相クロック信号の各クロック信号間の位相差を補正する位相補正部
を備える信号処理装置。
(32) 前記位相補間器は、出力信号を、2つの入力信号の位相差の中間のタイミングから前記位相補間器の遅延時間分遅延させたタイミングで出力する
(31)に記載の信号処理装置。
(33) 前記多相クロック信号は、互いの位相差が45度の第1のクロック信号乃至第4のクロック信号からなる4相クロック信号である
(31)または(32)に記載の信号処理装置。
(34) 前記位相補正部は、1段目の前記位相補間器により位相差0度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、2段目の前記位相補間器により位相差90度の2つの入力信号の中間位相の信号を生成し、3段目の前記位相補間器により位相差45度の2つの入力信号の中間位相信号を生成する
(31)乃至(33)のいずれかに記載の信号処理装置。
(35) 前記位相補正部は、
前記1段目の前記位相補間器として、前記第1のクロック信号と前記第1のクロック信号の反転信号の否定との中間位相の信号を生成する第1の位相補間器、前記第2のクロック信号と前記第2のクロック信号の反転信号の否定との中間位相の信号を生成する第2の位相補間器、前記第3のクロック信号と前記第3のクロック信号の反転信号の否定との中間位相の信号を生成する第3の位相補間器、前記第4のクロック信号と前記第4のクロック信号の反転信号の否定との中間位相の信号を生成する第4の位相補間器、前記第1のクロック信号の否定と前記第1のクロック信号の反転信号との中間位相の信号を生成する第5の位相補間器、前記第2のクロック信号の否定と前記第2のクロック信号の反転信号との中間位相の信号を生成する第6の位相補間器、前記第3のクロック信号の否定と前記第3のクロック信号の反転信号との中間位相の信号を生成する第7の位相補間器、および、前記第4のクロック信号の否定と前記第4のクロック信号の反転信号との中間位相の信号を生成する第8の位相補間器とを有し、
前記2段目の前記位相補間器として、前記第1の位相補間器の出力と前記第3の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第9の位相補間器、前記第2の位相補間器の出力と前記第4の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第10の位相補間器、前記第3の位相補間器の出力と前記第5の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第11の位相補間器、前記第4の位相補間器の出力と前記第6の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第12の位相補間器、前記第5の位相補間器の出力と前記第7の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第13の位相補間器、前記第6の位相補間器の出力と前記第8の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第14の位相補間器、前記第7の位相補間器の出力と前記第1の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第15の位相補間器、および、前記第8の位相補間器の出力と前記第2の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第16の位相補間器とを有し、
前記3段目の前記位相補間器として、前記第9の位相補間器の出力と前記第10の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第17の位相補間器、前記第10の位相補間器の出力と前記第11の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第18の位相補間器、前記第11の位相補間器の出力と前記第12の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第19の位相補間器、前記第12の位相補間器の出力と前記第13の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第20の位相補間器、前記第13の位相補間器の出力と前記第14の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第21の位相補間器、前記第14の位相補間器の出力と前記第15の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第22の位相補間器、前記第15の位相補間器の出力と前記第16の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第23の位相補間器、および、前記第16の位相補間器の出力と前記第1の位相補間器の出力との中間位相の信号を生成する第24の位相補間器とを有する
(31)乃至(34)のいずれかに記載の信号処理装置。