(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金の端側における前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間機構と、
前記離間機構によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断機構と、を備え、
前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、
前記挿入物質は、圧縮気体である端部切断装置。
円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金の端側における前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間機構と、
前記離間機構によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断機構と、を備え、
前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、
前記挿入物質は、前記芯金の端側が内部に挿入される円筒状の円筒部材、及び圧縮気体である端部切断装置。
円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間工程と、
前記離間工程によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断工程と、
を備える端部切断方法であって、
前記離間工程で用いられる前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、
前記挿入物質として、圧縮気体を用いる前記端部切断方法。
円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間工程と、
前記離間工程によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断工程と、
を備える端部切断方法であって、
前記離間工程で用いられる前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、
前記挿入物質は、前記挿入物質として前記芯金の端側が内部に挿入される円筒状の円筒部材及び圧縮気体を用いる前記端部切断方法。
前記ゴム部材を切断する切断刃が前記ゴム部材に切り込む切込位置に位置した状態で、前記芯金の軸方向から見て、前記切断刃と前記ゴム部材の外周面との接点における前記外周面の接線と、前記切断刃との成す角度を90度以下の状態として前記切断刃と前記芯金とを相対的に前記芯金の周方向に回転させる請求項6又は7に記載の端部切断方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、芯金の端側に被覆されたゴム部材を切断する際に、芯金の外周面が傷付くことを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る端部切断装置は、円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金の端側における前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間機構と、前記離間機構によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断機構と、
を備え、前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、前記挿入物質は、圧縮気体であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る端部切断装置は、円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金の端側における前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間機構と、前記離間機構によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断機構と、
を備え、前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、前記挿入物質は、前記芯金の端側が内部に挿入される円筒状の円筒部材、及び圧縮気体であることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る端部切断装置は、
請求項1又は2に記載の端部切断装置において、前記切断機構は、前記ゴム部材に切り込む切断刃と、前記切断刃が前記ゴム部材に切り込む切込位置に位置した状態で、前記切断刃と前記芯金とを相対的に前記芯金の周方向に1回転させてから停止させる回転機構と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る端部切断装置は、
請求項1又は2に記載の端部切断装置において、前記切断機構は、前記ゴム部材を切断する切断刃と、前記切断刃が前記ゴム部材に切り込む切込位置に位置した状態で、前記切断刃と前記芯金とを相対的に前記芯金の周方向に回転させる回転機構と、を有し、前記切断刃が前記切込位置に位置した状態で、前記芯金の軸方向から見て、前記切断刃と前記ゴム部材の外周面との接点における前記外周面の接線と、前記切断刃との成す角度は、90度以下とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係るゴムロール製造装置は、円柱状の芯金の外周面に円筒状のゴム部材を被覆させる被覆装置と、
請求項1〜4の何れか1項に記載の端部切断装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る端部切断方法は、円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間工程と、前記離間工程によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断工程と、を備える
端部切断方法であって、前記離間工程で用いられる前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、前記挿入物質として、圧縮気体を用いることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項7に係る端部切断方法は、円柱状の芯金の外周面に被覆された円筒状のゴム部材の端部から前記芯金の外周面と前記ゴム部材の内周面との間に挿入物質を挿入し、前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とを離間させる離間工程と、前記離間工程によって前記芯金における端側の前記外周面と前記ゴム部材の前記内周面とが離間した状態で、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を切断する切断工程と、を備える
端部切断方法であって、前記離間工程で用いられる前記芯金は、前記ゴム部材の端部まで配置されており、前記挿入物質は、前記挿入物質として前記芯金の端側が内部に挿入される円筒状の円筒部材及び圧縮気体を用いることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に係る端部切断方法は、
請求項6又は7に記載の端部切断方法において、前記ゴム部材に切り込む切断刃が前記ゴム部材に切り込む切込位置に位置した状態で、前記切断刃と前記芯金とを相対的に前記芯金の周方向に1回転させてから停止させることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項9に係る端部切断方法は、
請求項6又は7に記載の端部切断方法において、前記ゴム部材を切断する切断刃が前記ゴム部材に切り込む切込位置に位置した状態で、前記芯金の軸方向から見て、前記切断刃と前記ゴム部材の外周面との接点における前記外周面の接線と、前記切断刃との成す角度を90度以下の状態として前記切断刃と前記芯金とを相対的に前記芯金の周方向に回転させることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項10に係るゴムロール製造方法は、円柱状の芯金の外周面に円筒状のゴム部材を被覆させる被覆工程と、
請求項6〜9の何れか1項に記載の端部切断方法により、前記外周面と離間した部分で前記ゴム部材を前記ゴム部材の周方向に沿って切断する離間切断工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1の端部切断装置によれば、芯金における端側の外周面とゴム部材の内周面とを離間させる離間機構を備えていない場合と比して、芯金の端側に被覆されたゴム部材を切断する際に、芯金の外周面が傷付くことを抑制することができる。
【0021】
さらに、本発明の請求項1の端部切断装置によれば、本構成を備えない場合と比して、芯金における端側の外周面とゴム部材の内周面とを容易に離間させることができる。
【0022】
本発明の請求項2の端部切断装置によれば、圧縮気体だけを芯金の外周面とゴム部材の内周面との間に挿入する場合と比して、芯金の外周面を傷付けてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0023】
本発明の請求項3の端部切断装置によれば、芯金を1回転より多く回転させてから停止させる場合と比して、切断刃を有する切断部材とゴム部材との擦れにより生じるゴムかすの量を少なくすることができる。
【0024】
本発明の請求項4の端部切断装置によれば、切断刃とゴム部材の外周面との接点における外周面の接線と、切断刃との成す角度が90度より大きい場合と比して、切断刃と芯金とが接触することで生じる芯金の傷付きを抑制することができる。
【0025】
本発明の請求項5のゴムロール製造装置によれば、請求項1〜6の何れか1項に記載の端部切断装置を備えない場合と比して、耐久性が向上したゴムロールを製造することができる。
【0026】
本発明の請求項6の端部切断方法によれば、芯金における端側の外周面とゴム部材の内周面とを離間させる離間工程を備えていない場合と比して、芯金の端側に被覆されたゴム部材を切断する際に、芯金の外周面が傷付くことを抑制することができる。
【0028】
さらに、本発明の請求項6の端部切断方法によれば、本構成を備えない場合と比して、芯金における端側の外周面とゴム部材の内周面とを容易に離間させることができる。
【0029】
本発明の請求項7の端部切断方法によれば、圧縮気体だけを芯金の外周面とゴム部材の内周面との間に挿入する場合と比して、芯金の外周面を傷付けてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0030】
本発明の請求項8の端部切断方法によれば、芯金を1回転より多く回転させてから停止させる場合と比して、切断刃を有する切断部材とゴム部材との擦れにより生じるゴムかすの量を少なくすることができる。
【0031】
本発明の請求項9の端部切断方法によれば、切断刃とゴム部材の外周面との接点における外周面の接線と、切断刃との成す角度が90度より大きい場合と比して、切断刃と芯金とが接触することで生じる芯金の傷付きを抑制することができる。
【0032】
本発明の請求項10のゴムロール製造方法によれば、請求項6〜9の何れか1項に記載の端部切断方法による離間切断工程を備えない場合と比して、耐食性が向上したゴムロールを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る端部切断ユニット(切断装置の一例)、ゴムロール製造装置、端部切断方法、及びゴムロール製造方法の一例を
図1〜
図6に従って説明する。なお図中に示す矢印Vは装置上下方向であって鉛直方向を示し、矢印Hは装置幅方向であって水平方向を示す。なお、各図面においてゴムの断面を示す際に、加硫前のゴムはドッドで示し、加硫後のゴムは斜線で示す。
【0035】
本第1実施形態に係る端部切断ユニット、ゴムロール製造装置、端部切断方法、及びゴムロール製造方法によって製造されるゴムロール(ゴム被覆軸体)は、円柱状の芯金22の外周面に円筒状のゴム部材72を被覆させたものであって、例えば、画像形成装置の像保持体(感光体ドラム)に接触して従動回転し像保持体の外周面を帯電させる帯電ロールとして用いられる。この帯電ロールとして用いられるゴムロール76の両端側は、ベアリング等で支持されるため、ゴムロール76の両端側には、ゴム部材72が被覆されていない。
【0036】
(ゴムロール製造装置)
ゴムロール76を製造するゴムロール製造装置100は、円柱状の芯金22の外周面に芯金22の長手方向に渡って円筒状のゴム部材72を被覆させる被覆装置の一例としての被覆ユニット10(
図6参照)と、芯金22の両端側に被覆されたゴム部材72を切断する(切り離す)端部切断装置の一例としての端部切断ユニット80(
図2参照)と、備えている。
【0037】
〔被覆ユニット〕
被覆ユニット10は、
図6に示されるように、いわゆるクロスヘッドダイから構成される押出機構12と、押出機構12の鉛直方向下方に配置される分離機構14と、分離機構14の鉛直方向下方に配置される持出機構16と、を備えている。
【0038】
さらに、被覆ユニット10は、押出機構12の水平方向一方(
図6では右方)に配置されるゴム材供給機構18と、押出機構12の鉛直方向上方に配置される芯金供給機構24と、を備えている。
【0039】
[ゴム材供給機構]
ゴム材供給機構18は、水平方向に延びる円筒状の本体部26の内部にスクリュー28を有している。スクリュー28は駆動モータ30によって回転駆動される。本体部26の駆動モータ30側にはゴム材を投入する投入口32が設けられている。また、投入口32から本体部26内に投入されたゴム材を加熱するヒータ20が本体部26に取り付けられている。
【0040】
以上の構成において、投入口32から投入されたゴム材は、本体部26の内部においてヒータ20により加熱され、回転するスクリュー28によって練られながら押出機構12に向けて送り出される。そして、スクリュー28の回転速度を調整することで、ゴム材を送り出す速度が調整されるようになっている。
【0041】
[押出機構]
押出機構12は、ゴム材供給機構18に接続された鉛直方向に延びる円筒状のケース34と、ケース34の内部中心に配置される円柱状のマンドレル36と、マンドレル36の下方に配置される排出ヘッド38と、を備えている。
【0042】
また、マンドレル36は保持部材40によってケース34に保持され、排出ヘッド38は保持部材42によってケース34に保持されている。そして、マンドレル36の外周面(一部において保持部材40の外周面)と保持部材42の内周面(一部において排出ヘッド38の内周面)との間に、ゴム材が環状に流れる環状流路44が形成されている。
【0043】
さらに、マンドレル36の中心部には芯金22が供給される供給孔46が鉛直方向に延びて形成されている。そして、マンドレル36の鉛直方向下側は下端部(先端部)に向けて先細った形状を呈している。また、マンドレル36の先端部に対して下方の領域は、供給孔46から供給される芯金22と環状流路44から供給されるゴム材とが合流する合流域48とされている。すなわち、この合流域48に向けてゴム材が円筒状のゴム部材72として押し出され、円筒状に押し出されたゴム部材72の中心部に芯金22が送り込まれるようになっている。
【0044】
[芯金供給機構]
芯金供給機構24は、マンドレル36の鉛直方向上方に配置されるローラ対50を備えている。ローラ対50は複数対(例えば、3対)設けられ、各ローラ対50の片側のローラはベルト52を介して駆動ローラ54に接続されている。駆動ローラ54が駆動されると、各ローラ対50によって挟持される芯金22はマンドレル36の供給孔46に供給されるようになっている。
【0045】
また、芯金22は予め定められた長さとされており、ローラ対50によって供給される芯金22がマンドレル36の供給孔46に存在する先方の芯金22を押圧すことにより、複数の芯金22が順次に供給孔46を通過するようになっている。また、駆動ローラ54の駆動は、先方の芯金22の先端部が排出ヘッド38から外部に露出したときに一旦停止するようになっている(
図5参照)。
【0046】
以上の構成において、押出機構12の合流域48においてゴム材を円筒状のゴム部材72として押し出し、ゴム部材72の中心部に芯金22が順次送り込まれるようになっている。これにより、ゴム部材72で芯金22の外周面が被覆されたゴムロール部56が排出ヘッド38から排出されるようになっている。なお、芯金22の外周面にはゴム部材72との接着性を高めるためにプライマーが予め塗布されている。
【0047】
[分離機構]
分離機構14は、排出ヘッド38の鉛直方向下方に配置される1対の分離部材60を備えている。1対の分離部材60は、芯金22にゴム部材72が被覆され、押出機構12から排出されるゴムロール部56を挟むようにして対向配置されている。各分離部材60には、ゴムロール部56に向けて突出して先端が鋭利な形状とされた切断部60Aが形成されている。そして、各分離部材60は、駆動機構(図示省略)によって互いの切断部60Aの先端が接触又は離間するように図中左右方向に移動可動とされている。
【0048】
以上の構成において、分離部材60を移動させて離間した状態の先端を接触させることで、ゴムロール部56が、芯金22毎に分かれたゴムロール体74に分離するようになっている(
図4参照)。
【0049】
[持出機構]
持出機構16は、分離機構14の鉛直方向下方に配置される1対の把持部材64を備えている。1対の把持部材64は、押出機構12から排出されるゴムロール部56を挟むように対向配置されている。各把持部材64には、ゴムロール部56の外周面形状に対応した形状の把持部64Aが形成されている。そして、各把持部材64は駆動機構(図示省略)によって図中上下方向、及び図中左右方向に移動可能とされている。
【0050】
以上の構成において、把持部材64は、排出ヘッド38から排出されたゴムロール部56の先端側(鉛直方向下側)を把持し、ゴムロール部56が分離機構14によってゴムロール体74に分離された後、このゴムロール体74を分離機構14の鉛直方向下方から持ち出すようになっている。
【0051】
〔端部切断ユニット〕
端部切断ユニット80は、
図2(A)(B)に示されるように、ゴムロール体74の芯金22を両端部から押圧してゴムロール体74を把持する一対のチャック部材82を備えており、ゴムロール体74において芯金22の両端側に被覆されたゴム部材72を切断するようになっている。なお、端部切断ユニット80の詳細については後述する。
【0052】
(作用)
次に、ゴムロール製造装置100の作用について説明する。
【0053】
図6に示されるように、ゴム材供給機構18の投入口32に投入されたゴム材は、本体部26の内部においてヒータ20により加熱され、回転するスクリュー28によって練られながら押出機構12に向けて送り出される。
【0054】
ゴム材供給機構18から押出機構12に送り出され、押出機構12に供給されたゴム材は、押出機構12の内部に形成された環状流路44を環状にながれる。環状流路44を流れるゴム材は、合流域48に向けて流れ、この合流域48で円筒状のゴム部材72として押し出される。
【0055】
一方、芯金供給機構24によって芯金22は、マンドレル36の供給孔46に供給される。芯金供給機構24のローラ対50によって供給される芯金22がマンドレル36の供給孔46に存在する先方の芯金22を押圧すことにより、先方の芯金22は、合流域48で円筒状に押し出されたゴム部材72の中心部に送り込まれる。これにより、芯金22の外周面がゴム部材72で被覆されたゴムロール部56が排出ヘッド38から排出される(被覆工程)。
【0056】
さらに、ゴム部材72が被覆された芯金22の先端部が排出ヘッド38から外部に突出したときに、駆動ローラ54の駆動が一旦停止される。
【0057】
図5に示されるように、ゴム部材72が被覆された芯金22(図中芯金22A)の先端部が排出ヘッド38から外部に突出したときに駆動が停止されると、各把持部材64の把持部64Aによってゴムロール部56の先端側が把持される。
【0058】
さらに、
図4、
図5に示されるように、ゴムロール部56が把持された状態で、切断部60Aの先端部が離間した状態の分離部材60が、切断部60Aの先端部が互いに近づくように水平方向に移動し、互いの先端部を接触させる。これにより、ゴムロール部56が、芯金22毎にゴムロール体74に分離される。また、一対の分離部材60は、互いの切断部60Aの先端部を離間させるように水平方向に移動して、一対の分離部材60の間のゴムロール部56の通過が許容される。この状態で、ゴムロール体74の芯金22の端面23は露出している。
【0059】
さらに、
図3に示されるように、分離したゴムロール体74は、把持部64Aによって鉛直方向下方に移動した後、水平方向に移動して分離機構14の鉛直方向下方から持ち出される。
【0060】
また、詳細は後述するが、把持部64Aによって持ち出されたゴムロール体74が加硫された後、ゴムロール体74の両端側に被覆されたゴム部材72は、端部切断ユニット80によって切断させる(離間切断工程)。これにより、両端側の芯金22が露出したゴムロール76が製造される。
【0061】
(要部構成)
次に、端部切断ユニット80について説明する。
【0062】
端部切断ユニット80は、
図2(A)(B)に示されるように、ゴムロール体74の芯金22の両端部を押圧してゴムロール体74を把持する円柱状の一対の芯金把持部材(以下「チャック部材」という)82を備えている。具体的には、チャック部材82の外形寸法は、芯金22の外径寸法と同様とされ、チャック部材82には、芯金22の角部に形成されたテーパ面22Bと接触する接触面82Aが形成されている(
図1(A)参照)。
【0063】
この構成において、一対のチャック部材82の軸線上にゴムロール体74の軸線が配置されるように一対のチャック部材82がゴムロール体74を把持するようになっている。
【0064】
さらに、端部切断ユニット80は、芯金22の外周面に被覆されたゴムロール体74の端部から芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入される円筒状の円筒部材の一例としての円筒挿入部84Aとを有したスリーブ84を備えている。また、円筒挿入部84Aの先端は先細りとされている。そして、このスリーブ84は、円筒挿入部84Aと、円筒挿入部84Aの基端部が固定された本体部84Bと、を有している。
【0065】
また、スリーブ84には、夫々のチャック部材82が挿入される挿入孔86が形成され、スリーブ84は、チャック部材82の軸線方向(本実施形態では水平方向と同一方向)にチャック部材82に対して移動可能とされている。
【0066】
さらに、端部切断ユニット80は、スリーブ84をゴムロール体74に向けて水平方向に移動させる離間機構の一例としてのエアシリンダー88を備えている。そして、エアシリンダー88をオン状態とすることで、
図2(B)に示されるように、スリーブ84がゴムロール体74に向けて水平方向に移動し、円筒挿入部84Aが、ゴムロール体74の端部から芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入されるようになっている。これにより、ゴムロール体74の両端側において、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面とが離間するようになっている。
【0067】
なお、オン状態とされたエアシリンダー88をオフ状態とすると、
図2(A)に示されるように、スリーブ84が元の位置に戻るようになっている。
【0068】
さらに、端部切断ユニット80は、芯金22における両端側の外周面とゴム部材72の内周面とを離間させた状態で、芯金22の外周面と離間した部分でゴム部材72をゴム部材72の周方向に沿って切断する切断機構の一例としてのカッタ90を備えている。
【0069】
カッタ90は、
図1(A)(B)に示されるように、先端部がチャック部材82によって把持されたゴムロール体74と離間する離間位置(
図1(A)参照)と、先端部がゴムロール体74のゴム部材72を切り込む切込位置(
図1(B)参照)と、に移動可能とされている。さらに、切込位置に配置されたカッタ90は、ゴムロール体74の周方向に移動可能とされている。
【0070】
ここで、切込位置に移動したカッタ90の先端部と芯金22の外周面とが接触しないように、ゴムロール体74の端部から芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入される円筒挿入部84Aの挿入量が決められている。
【0071】
つまり、円筒挿入部84Aが芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入された状態で、カッタ90を切込位置に移動させると、カッタ90の先端部と円筒挿入部84Aの先端側とが接触し、カッタ90の先端と芯金22の外周面とが接触しないようになっている(
図1(B)参照)。つまり、円筒挿入部84Aの挿入量は、ゴム部材72の切断量より多くされている。
【0072】
または、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に円筒挿入部84Aを挿入すると、円筒挿入部84Aの先端部には、円筒挿入部84A又は芯金22と、ゴム部材72とが離間する離間空間が形成される(図示省略)。そして、カッタ90を切込位置に移動させると、カッタ90の先端部がこの離間空間に配置され、カッタ90の先端と、芯金22又は円筒挿入部84Aとが接触しないようになっている。つまり、カッタ90は、ゴム部材72以外と接触しないようになっている。
【0073】
(要部構成の作用)
次に、端部切断ユニット80を用いてゴムロール体74の両端側に被覆された部分のゴム部材72を切断する工程(離間切断工程)について説明する。
【0074】
なお、端部切断ユニット80においては、一対のチャック部材82でゴムロール体74が把持されていない際には、カッタ90は離間位置に配置され、エアシリンダー88はオフ状態とされている。
【0075】
図2(A)に示されるように、一対のチャック部材82の間にゴムロール体74が供給されると、一対のチャック部材82がゴムロール体74の芯金22の両端部を押圧する。これにより、芯金22の角部に形成されたテーパ面22Bがチャック部材82の接触面82Aで押圧されることで、ゴムロール体74が一対のチャック部材82に把持される。
【0076】
そして、エアシリンダー88をオン状態とすることで、
図2(B)に示されるように、スリーブ84がゴムロール体74に向けて水平方向に移動し、円筒挿入部84Aが、ゴムロール体74の端部から芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入される。これにより、ゴムロール体74の両端側において、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する(離間工程)。
【0077】
さらに、
図1(A)(B)に示されるように、離間位置に配置されたカッタ90が切込位置へ移動し、さらに、カッタ90がゴムロール体74の周方向に移動してゴムロール体74の周りを一周する。これにより、芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72が切断される(切断工程)。
【0078】
また、
図1(B)(C)に示されるように、切込位置に配置されたカッタ90が離間位置へ移動し、さらに、エアシリンダー88をオフ状態にすると、ゴム部材72において切断された部分が、円筒挿入部84Aと共に移動し、両端側の芯金22が露出したゴムロール76が製造される。
【0079】
(まとめ)
以上説明したように、円筒挿入部84Aが芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入された状態で、カッタ90を切込位置に移動させると、カッタ90の先端部と円筒挿入部84Aの先端側とが接触し、カッタ90の先端と芯金22の外周面とが接触しないようになっている。これにより、芯金22の端側に被覆されたゴム部材72を切断する際に、芯金22の外周面が傷付くことが抑制される。
【0080】
また、芯金22の外周面が傷付くことが抑制されることで、ゴムロール76の耐食性(耐久性)が向上する。
【0081】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態に係る端部切断ユニット、ゴムロール製造装置、端部切断方法、及びゴムロール製造方法の一例を
図7、
図8に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。また、以下の説明では、ゴムロール体74に対して一方側のみ説明する。
【0082】
(構成)
図7(A)に示されるように、第2実施形態に係る端部切断ユニット110に備えられたスリーブ112は、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に先端部から挿入される円筒挿入部を有していない。
【0083】
端部切断ユニット110のスリーブ112は、一対のチャック部材82がゴムロール体74を把持した状態で、ゴムロール体74のゴム部材72の端面72Aと接触する接触面114を有している。
【0084】
接触面114は、チャック部材82の軸方向から見て円筒形状とされ、接触面114の内縁114A(チャック部材82側の縁)が接触面114の外縁114Bに比してゴム部材72の端面72Aから離れるように傾斜している。これにより、接触面114をゴム部材72の端面72Aに押し当てると、ゴム部材72の端部が外側にめくれるようになっている。
【0085】
さらに、端部切断ユニット110のスリーブ112には、スリーブ112に形成された挿入孔117と、スリーブ112の外部とを繋げる空気孔112Aが形成されている。
【0086】
また、端部切断ユニット110は、この空気孔112Aを通して圧縮空気(圧縮気体の一例)を挿入孔117へ送り込む離間機構の一例としてのコンプレッサ116を備えている。また、コンプレッサ116によってチャック部材82の外周面と挿入孔117の壁面との間に送り込まれた圧縮空気が、ゴムロール体74とは逆方向に漏れるのを抑制するシール部材118が挿入孔117に形成された凹部に配置されている。
【0087】
この構成において、コンプレッサ116を稼働させることで空気孔112Aを通して挿入孔117に送り込まれた圧縮空気は、チャック部材82の外周面と挿入孔117の壁面との間に形成された隙間からゴムロール体74側に流れ、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に入り込むようになっている。
【0088】
(作用)
図7(A)に示されるように、チャック部材82がゴムロール体74を把持すると、スリーブ112の接触面114がゴム部材72の端面72Aに接触し、ゴム部材72の端部が外側にめくれる。
【0089】
そして、コンプレッサ116を稼働させると、
図7(B)に示されるように、圧縮空気が、空気孔112Aを通して挿入孔117に送り込まれ、チャック部材82の外周面と挿入孔117の壁面との間に形成された隙間からゴムロール体74側に流れる。さらに、ゴムロール体74側に流れた圧縮空気は、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に入り込み(挿入され)、ゴム部材72が膨れ、芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する(離間工程)。なお、予め芯金22の外周面に塗布されるゴム部材72との接着性を高めるためのプライマーの塗布範囲を調整したり、圧縮空気の圧力を調整することで芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する離間範囲が変えられる。
【0090】
さらに、
図8(A)(B)(C)に示されるように、芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する離間範囲において、離間位置に配置されたカッタ90が切込位置へ移動し、さらに、カッタ90がゴムロール体74の周方向に移動してゴムロール体74の周りを一周する。カッタ90がゴムロール体74の周りを一周することで、芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72が切断される(切断工程)。
【0091】
ここで、切込位置に移動したカッタ90の先端と芯金22の外周面とが離間するようにカッタ90の切込位置が決めされている(
図8(B)参照)。
【0092】
さらに、ゴム部材72において切断された部分は、チャック部材82によるゴムロール体74の把持が解除された後、作業者によって取り除かれ、両端側の芯金22が露出したゴムロール76が製造される。
【0093】
(まとめ)
以上説明したように、圧縮空気の圧力を調整することで芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する離間範囲が変えられる。
【0094】
他の作用については、第1実施形態と同様である。
【0095】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態に係る端部切断ユニット、ゴムロール製造装置、端部切断方法、及びゴムロール製造方法の一例を
図9に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0096】
図9(A)に示されるように、第3実施形態に係る端部切断ユニット130のチャック部材132には、チャック部材132の後端面132A(芯金22と対向する面とは反対側の面)からチャック部材132の外周面132Bまで通じる空気孔136が形成されている。具体的には、空気孔136は、チャック部材132の後端面132Aからチャック部材132の軸方向に延び複数(
図9(A)では2個)に分かれながら外周面132Bに至っている。
【0097】
さらに、端部切断ユニット130は、この空気孔112Aを通して圧縮空気(圧縮気体の一例)をチャック部材132の外周面132Bと挿入孔117の壁面との間に形成された隙間へ送り込む離間機構の一例としてのコンプレッサ138を備えている。また、コンプレッサ138によってチャック部材132の外周面132Bと挿入孔117の壁面との間に送り込まれた圧縮空気が、ゴムロール体74とは逆方向に漏れるのを抑制するシール部材118が挿入孔117に形成された凹部に配置されている。
【0098】
そして、チャック部材132がゴムロール体74を把持し、さらに、円筒挿入部84Aが芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入された状態で、チャック部材132の外周面と挿入孔117の壁面との間にコンプレッサ138により圧縮空気が送り込まれると、圧縮空気は、円筒挿入部84A側に流れ、円筒挿入部84Aの先端部で折り返して円筒挿入部84Aとゴム部材72の内周面との間に流れ(挿入され)、ゴム部材72が膨らむようになっている(
図9(B)参照)。なお、予め芯金22の外周面に塗布されるゴム部材72との接着性を高めるためのプライマーの塗布範囲を調整したり、圧縮空気の圧力を調整することで芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する離間範囲が変えられる。
【0099】
このように、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面とを離間させる際に、円筒挿入部84A及び圧縮空気をゴムロール体74の端部から芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に挿入することで、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間の離間距離が、圧縮空気だけを挿入した場合と比して大きくなる。これにより、芯金22の外周面を傷付けてしまうのが効果的に抑制される。
【0100】
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態に係る端部切断ユニット、ゴムロール製造装置、端部切断方法、及びゴムロール製造方法の一例を
図10〜
図15に従って説明する。なお、第2実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を主に説明する。また、以下の説明では、ゴムロール体74に対して一方側のみ説明する。
【0101】
(構成)
図10(A)に示されるように、第4実施形態に係る端部切断ユニット150の切断機構152は、ゴムロール体74を把持するチャック部材82をゴムロール体74(芯金22)の周方向に1回転させてから停止させる回転機構154を備えている。さらに、切断機構152は、ゴム部材72を切断する切断刃164A(
図11参照)を有するカッタ164を備えている。
【0102】
この回転機構154は、チャック部材82から突出する軸部82Bと、軸部82Bの先端に取り付けられたギア156と、ギア156と噛合うギア158と、ギア158に回転力を伝達するステッピングモータ160(以下「モータ」)とを備えている。なお、回転機構154については、ゴムロール体74の一方側のみに配置され、ゴムロール体74の他方側には、チャック部材82を回転可能に支持する支持部材(図示省略)が配置されている。
【0103】
この構成において、
図11(A)(B)に示されるように、図示せぬ移動部材を用いて、離間位置に位置したカッタ164を切込位置へ移動させる。さらに、カッタ164が切込位置に位置した状態で、回転機構154は、ゴムロール体74(チャック部材82)を1回転させてから停止させるようになっている。
【0104】
なお、回転機構154によるゴムロール体74の回転数(回転角度)のバラツキは、回転角度の20パーセントである。360度(1回転)の20パーセントは、72度である。つまり、ゴムロール体74が360度回転した後、さらに72度回転して停止しても、回転機構154が、ゴムロール体74を1回転させてから停止させたとみなされる。
【0105】
また、カッタ164には、
図13に示されるように、ゴム部材72を切断する直線状の切断刃164Aが形成されている。そして、カッタ164が切込位置に位置した状態で、芯金22の軸方向から見て、切断刃164Aとゴム部材72の外周面72Bとの接点(図中点F)における外周面72Bの接線(図中接線G)と、露出した部分の切断刃164Aとの成す角度(図中角度H)は、90度以下とされている。
【0106】
(作用)
次に、端部切断ユニット150の作用(端部切断方法)について説明する。
【0107】
図10(A)に示されるように、コンプレッサ116を稼働させると、圧縮空気が、芯金22の外周面とゴム部材72の内周面との間に入り込み(挿入され)、ゴム部材72が膨れ、芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する。
【0108】
さらに、
図10(A)(B)
図11(A)(B)に示されるように、芯金22における端側の外周面とゴム部材72の内周面とが離間する離間範囲において、離間位置に配置されたカッタ164が切込位置へ移動する。カッタ164が切込位置へ位置した状態では、カッタ164の先端と芯金22の外周面との間には、隙間が生じている。
【0109】
そして、モータ160を稼働させると、
図12(A)(B)(C)に示されるように、ゴムロール体74が図中矢印方向に1回転してから停止する。ゴムロール体74が1回転してから停止することで、芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72が切断される(切断工程)。
【0110】
(評価)
次に、本第4実施形態に係る端部切断ユニット150の実施例を評価した結果について
図14に示す表を用いて説明する。
【0111】
1.評価仕様
・実施例1:切断刃164Aと接線Gとの成す角度Hを70度とした(
図13参照)。
・実施例2:切断刃164Aと接線Gとの成す角度Hを90度とした。
・実施例3:切断刃と接線Gとの成す角度Hを100度とした(
図15参照)。
【0112】
なお、前述した仕様以外の仕様については、実施例1、2と実施例3とでは同様である。
【0113】
2.評価方法
実施例1、2、及び実施例3の端部切断ユニットにおいて、切断刃が切込位置に位置した状態で、回転機構が、ゴムロール体74を1回転させてから停止させた。1回転させる際のロール体の回転速度は、15〔rpm〕とした。また、切断刃が切込位置に位置した状態で、切断刃の先端と、芯金22の外周面との距離は、0.1〔mm〕とした。
【0114】
3.評価項目
切断刃がゴム部材72を切断している際に、切断刃が変形又は振動して芯金22の外周面に接触して生じた傷を目視で評価した。
【0115】
芯金22に傷が付かなかった場合は「○」、耐久性に影響しない程度の軽微な傷が芯金22に付いた場合は「△」とした。
【0116】
4.評価結果
図14に示される表のように、実施例1については「○」、実施例2については「○」、実施例3については「△」となった。
【0117】
実施例3については、
図15に示されるように、切断刃と接線Gとの成す角度Hが100度とされているため、矢印K方向に回転するゴムロール体74のゴム部材72に切断刃が押圧されて、切断刃の先端が芯金22の外周面に接触し易い。このため実施例3については「△」となった。
【0118】
(まとめ)
以上説明したように、切断刃164Aとゴム部材72の外周面72Bとの接点における外周面72Bの接線と、切断刃164Aとの成す角度は、90度以下とされている。このため、前述した接線と、切断刃164Aとの成す角度が、90度より大きい場合と比して、ゴム部材72を切断する際に、切断刃164Aと芯金22とが接触することで生じる芯金22の傷付きが抑制される。
【0119】
また、カッタ164が切込位置に位置した状態で、ゴムロール体74が1回転してから停止することで、芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72が切断される。これにより、ゴムロール体74が1回転より多く回転してから停止する場合と比して、カッタ164とゴム部材72との擦れによって生じるゴムかすの量が少なくなる。
【0120】
また、ゴムかすの量が少なくなることで、ゴムロール76(ゴムロール体74)に付着するゴムかすの量が少なくなる。
【0121】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、両端側の芯金22が露出したゴムロール76を製造したが、本実施形態を用いて、一端側の芯金22を露出させたゴムロールを製造してもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、カッタ90をゴムロール体74の周方向に移動させることで芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72を切断したが、ゴムロール体74を回転させることで芯金22の両端側に被覆された部分のゴム部材72を切断してもよい。
【0123】
また、上記第2、第3実施形態では、圧縮気体の一例として圧縮空気を用いたが、他の気体(酸素、窒素等)を用いてもよい。
【0124】
また、上記第3実施形態では特に説明しなかったが、切込位置に移動したカッタ90の先端部と、円筒挿入部84Aとは当たってもよく離間していてもよい。
【0125】
また、上記第4実施形態では、ゴムロール体74を1回転させてゴム部材72を切断したが、カッタ164を1回転させてもよく、ゴムロール体74とカッタ164とを相対的に1回転させればよい。