【実施例1】
【0021】
図1〜
図5に、この発明の電子機器装置の第1の実施例を示す。
【0022】
図1〜
図5において、1は、電子機器ユニットであり、ユニットケース11内に必要な各種の電子機器類を収容してユニット化したものである。2は支持枠であり、電子機器ユニット1を支持して筐体4に取付け固定するものである。
【0023】
図1、
図2は、電子機器ユニット1を支持枠2の途中まで挿入した状態を示している。これらの図に示すように、電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14には、内部の電源線および入出力配線を接続した嵌合形のコネクタ3のコネクタプラグ31が取り付けられるとともにガイド穴33が設けられ、前面(正面)12には、固定用取付片13が下方に突出して設けられている。
【0024】
支持枠2は、電子機器ユニット1を案内、支持するガイドレール21と、コネクタレセプタクル32を取付けたコネクタ取付板22とを直角に一体に結合してL字形に形成されている。ガイドレール21は、長手方向の両辺に、垂直に立ち上がった、電子機器ユニット1を案内するためのガイド辺21aを備え、ガイドレール21の表面に、摩擦係数の小さい材料で形成されたスライドレール21bが設けられている。ガイドレール21の前端には、直角に折り曲げて下方に突出形成された固定用フランジ24が設けられている。
【0025】
さらに支持枠2のコネクタ取付板22には、電子機器ユニット1の背面14に設けられたコネクタプラグ31のそれぞれに嵌合結合されるコネクタレセプタクル32が設けられるとともに、電子機器ユニット1の背面のガイド穴33に対応して、これに嵌入される断面が円形または角形の截頭錐形状の先頭が細くなったガイド突起34が設けられている。
【0026】
また、支持枠2は、電子機器ユニット1を縦(垂直)方向に配置する場合は、
図4に示すように、電子機器ユニット1を収容する直方形状の筐体4内に、支持枠2のガイドレール21を水平にしてコネクタ取付板22を背面(奥行)側にして横(水平)方向に適宜の間隔で配列して筐体4に設けた取付枠43に取付けられる。このとき支持枠2は、ガイドレール21の前端に設けた固定用フランジ24を取付枠43にねじ止めすることにより固定される。
【0027】
このように取付枠体43に支持枠2の固定された筐体4内に電子機器ユニット1を挿入する場合は、支持枠2の前面側から電子機器ユニット1を挿入し、電子機器ユニット1を下部ガイドレール21上に載置する。そして、電子機器ユニット1を奥まで押し込む際に、支持枠2のガイドレール21がその上を滑らせながらこれを案内する。このとき、ガイドレール21上のスライドレール21bが摩擦を軽減するので、電子機器ユニット1のガイドレール21上での滑動を円滑にする。
【0028】
図1、
図2に示すように支持枠2の途中まで挿入されたた電子機器ユニット1は、さらにガイドレール21上を滑らせながら、電子機器ユニット1のコネクタプラグ31が、コネクタ取付板22のコネクタレセプタクル32に嵌合結合されるまで完全に押し込むことにより、筐体4内に収容される。
【0029】
このように電子機器ユニット1の支持枠2に、完全に挿入される直前の状態と、完全に挿入された状態を
図3(a)、(b)に示す。
【0030】
図3(a)は、電子機器ユニット1が支持枠2に完全に挿入される直前の状態である。この状態では、支持枠2に挿入された電子機器ユニット1のユニットケース11の背面に取付けたコネクタプラグ31が、まだ、支持枠2のコネクタ取付板22に取付けたコネクタレセプタクル32と接触せず、離間している。そして、この状態では、支持枠2のコネクタ取付板22に設けたガイド突起34の先端が、ユニットケース11の背面に設けたガイド穴33を臨む状態となる。
【0031】
ここから、さらに電子機器ユニット1を支持枠2に押し込むと、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32が接触する前に、支持枠2側のガイド突起34の細くなった先端部が電子機器ユニット1側のガイド穴33に進入する。そのまま押し込み操作を継続すると、ガイド穴33に進入したガイド突起33の外縁が、ガイド穴33の内縁と接触することにより位置を規制されながら電子機器ユニット1が奥へ押し込まれる。複数(2個)のガイド穴33とガイド突起34とにより電子機器ユニット1が位置を規制されながら挿入されることにより、電子機器ユニット1の支持枠2上における位置ずれが修正され、電子機器ユニット1の位置が規定の正しい位置に調整される。
【0032】
このため、電子機器ユニット1のコネクタプラグ31の位置が、支持枠2のコネクタレセプタクル32と正しく向き合う位置に合わせられるので、両方のコネクタが嵌合結合す際、嵌合および結合が円滑となり、コネクタの嵌合時のコネクタの端子ピンの折損やフレームの変形等の破損がなくなる。
【0033】
また、ガイド突起34には、
図3(a)に示すように中間に、外径がガイド穴33の内径よりも大きくなる段部34aが設けられている。この段部34aは、電子機器ユニット1の奥行き方向への挿入量を制限する作用をする。すなわち、電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14が、このガイド突起34の段部34aの位置まで挿入されると、背面14がガイド突起34の段部34aに当たるため(
図3(b)参照)、電気機器ユニット1のこれ以上の押し込み操作ができなくなり、奥行き方向への挿入が制限される。
【0034】
このため、電子機器ユニット1の押し込み操作により、電子機器ユニット1側のコネクタプラグ31と支持枠2側のコネクタレセプタクル32とが嵌合結合される際、コネクタ3の最適な嵌合状態となる押し込み深さの位置で電子機器ユニット1の背面14がガイド突起34の段部34aに当たるように段部34aの高さを設定することにより、電子機器ユニット1の過剰な押し込みを防止することができる。これにより、コネクタ31、32には、過剰押し込みによる破損や結合不良が発生しなくなる。
【0035】
支持枠2のガイド突起34の段部34aに電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14が当たる位置まで電子機器ユニット1が挿入された状態が、完全な挿入状態となる。この状態となると、
図3(b)に示すように、コネクタプラグ31がコネクタレセプタクル32に適正の深さまで嵌入し、両者が正しく嵌合結合される。
【0036】
このように電子機器ユニット1が支持枠2に完全な挿入状態となるまで挿入されたところで電子機器ユニット1を筐体4に固定するために、
図5に示すように、ユニットケース11の前面に下に突出して設けられた固定用取付片13を支持枠2の固定フランジ24にねじ15により締め付け固定する。
【0037】
そして、電子機器ユニット1の固定された支持枠2は、支持枠2の固定フランジ24をねじ25により筐体4に固設された取付枠43に締め付け固定することにより筐体4に固定される。この場合、予め、支持枠2を、筐体4に固設された取付枠43に取付け固定しこれに電子機器ユニット1を挿入するか、電子機器ユニット1を支持枠2に挿入した後に、この支持枠2を取付枠43に取付けるようにするかは、どちらでもよく、適宜選択することができる。
【0038】
筐体4に収容固定された電子機器ユニット1は、メンテナンスまたは交換を行う場合は、ねじ15を外すことにより、支持枠2および筐体4から引き出し、取り出すことができる。
【0039】
この発明においては、電子機器ユニット1のユニットケース11と前記筐体4のコネクタ取付板22との間に、前記電子機器ユニッ1トの筐体4への挿入方向の挿入量を規制する挿入規制手段としてガイド突起34を設けているので、電子機器ユニット1の筐体4の支持枠2への挿入時に挿入方向の挿入量が規制されることにより、過剰な挿入が防止され、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32の過剰挿入に伴う変形、破損を防止することができるので、コネクタの挿抜の操作性、信頼性が向上することができる。
【0040】
第1の実施例では、コネクタのプラグ31を電子機器ユニット1に取付け、コネクタのレセプタクル32を支持枠2のコネクタ取付板22に取付けた例を示したが、この発明においては、プラグ31を支持枠2のコネクタ取付板22に取付け、レセプタクル32を電子機器ユニット1に取付けるようにすることもできる。
【0041】
また、この発明においては、ガイド突起34を電子機器ユニット1に取付け、これに対応するガイド穴33を支持枠2のコネクタ取付板22に設けるようにしてもよい。
【実施例2】
【0042】
図6は、この発明の第2の実施例を示すものである。この実施例は、直方体状の電子機器ユニット1を横(水平)向きにして筐体4内に挿入、配置するものである。
【0043】
この場合は、実施例1で示したL字形支持枠2を、コネクタ取付板22の両端にそれぞれガイドレール21、23を結合して略C字形の支持枠2とする。そしてこのC字形の支持枠2を、
図6に示すように水平に向けて、筐体4内に縦(垂直に)方向に適宜の間隔で多段に積層配置する。積層配置された支持枠2は、筐体4内に垂直に固定配置された取付枠43、43に固定フランジ24、26をねじ25等により締め付け固定することにより固定的に取り付けられる。
【0044】
この横向きに配置された支持枠2に電子機器ユニット1を挿入する場合には、
図6に示すように電子機器ユニット1を支持枠2と同じく横向き(水平)にして支持枠2に挿入する。電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14には、
図1に示す実施例1の電子機器装置と同様に、コネクタプラグ31およびガイド穴33が設けられ、これと結合または挿入されるコネクタレセプタクル32およびガイド突起34が支持枠2の取付板22に設けられている。ガイド突起34には、実施例1と同様に段部34aを設け、ガイド突起34に、電子機器ユニット1の奥行(挿入)方向の挿入位置を制限する機能を持たせる。
【0045】
この第2の実施例においても、電子機器ユニット1の筐体4への挿入は、電子機器ユニット1のユニットケース11の左右の両側面を、支持枠2の開放された前面からガイドレール21、23に挿入して電子機器ユニット1を押し込むことにより行う。溝形のガイドレール21、23に挿入された電子機器ユニット1は、ガイドレール21、23のガイド辺21a,23aにより支持され、この上を滑りながら奥行き方向へ進入する。
【0046】
電子機器ユニット1が押し込まれ、そのコネクタプラグ31が支持枠2のコネクタレセプタクル32に接触する直前で、ガイド突起34の先端が電子機器ユニット1のガイド穴33に嵌入し、互いに接触して電子機器ユニット1の支持枠2にの取付板22対する僅かな位置ずれを修正することにより、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32との位置がより正確に合わせされる。これにより、電子機器ユニット1の押し込み操作だけで、両方のコネクタの嵌合結合を円滑かつ確実に行うことができる。
【0047】
電子機器ユニット1の挿入時に、ユニットケース11の背面14がガイド突起34の段部34aに当ったところで電子機器ユニット1の奥行方向の挿入位置が制限され挿入が禁止される。
【0048】
このため、電子機器ユニット1の押し込み操作により、電子機器ユニット1側のコネクタプラグ31と支持枠2側のコネクタレセプタクル32とが接触して結合される際、過剰な押し込みが防止され、最適な結合状態が得られ、過剰押し込みによるコネクタ31、32の破損や結合不良が生じることがなくなる。
【0049】
電子機器ユニット1は、支持枠2に完全に挿入されたところで、取付片13を支持枠2の固定片24、26にねじで締め付けることにより、固定される。
【0050】
電子機器ユニット1はメンテナンスまたは交換のために、取付片13の固定ねじを外すことにより、筐体から引き出し、取り出すことができる。