特許第6394092号(P6394092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394092
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】引出し形電子機器装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20180913BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   H05K7/14 Q
   H01R13/631
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-124342(P2014-124342)
(22)【出願日】2014年6月17日
(65)【公開番号】特開2016-4904(P2016-4904A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潔
【審査官】 梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−074506(JP,A)
【文献】 特開2008−004759(JP,A)
【文献】 実開平04−026492(JP,U)
【文献】 特開2004−335650(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0163198(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H01R 13/56 − 13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器ユニットと、この電子機器ユニットを出し入れ可能に収容する筐体とを備え、前記電子機器ユニットのユニットケースの背面にこの電子機器ユニット内の入出力配線を接続したコネクタプラグを設け、前記筐体内に、この筐体内の入出力配線を接続され前記コネクタプラグに嵌合されるコネクタレセプタクルを取付けたコネクタ取付板と前記電子機器ユニットを前記筐体に出し入れ可能に案内、支持するガイドレールとを設け、前記ガイドレールに沿わせて前記電子機器ユニットを前記筐体へ出し入れすることにより前記コネクタプラグとコネクタレセプタクルとの挿抜を行う引出し形電子機器装置において、
前記電子機器ユニットのユニットケースの背面と前記コネクタ取付板との間に、前記電子機器ユニットの筐体への挿入方向の挿入量を規制する挿入規制手段を設け
前記挿入規制手段は、前記ユニットケースの背面または前記コネクタ取付板に設けたガイド穴と、前記コネクタ取付板または前記ユニットケースの背面に設けた、前記ガイド穴と嵌合するガイド突起とにより構成され、さらに、前記ガイド突起は、中間に段部を設けた単一部品からなる突起で構成され、
前記電子機器ユニットを前記筐体に挿入した際に、前記ユニットケースの背面または前記コネクタ取付板が前記段部に当接することにより、前記ガイド突起の前記ガイド穴への進入を規制したことを特徴とする引出し形電子機器装置。
【請求項2】
請求項1に記載のものにおいて、前記ガイド穴とガイド突起は、円形または角形にすることを特徴とする引出形電子機器装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のものにおいて、前記ガイド穴またはガイド突起の設けられた前記コネクタ取付板を前記筐体に設けたガイドレールに一体的に形成して、前記電子機器ユニットを案内、支持する支持枠とすることを特徴とする引出し形電子機器装置。
【請求項4】
請求項3に記載のものにおいて、前記ガイドレールを2本、間隔をおいて平行に対向配置し、この2本の対向配置されたガイドレールの先端間に前記コネクタ取付板を一体に形成して前記支持枠を構成することを特徴とする引出形電子機器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器装置をユニット化し、このユニット化した電子機器ユニットを、盤本体を構成する筐体に出し入れ可能に収容して構成した引出し形電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器ユニットを本体となる筐体に出し入れ可能に収容した引出し形電子機器装置は、電源装置や電力変換装置等の多くの電子機器装置に使用される。また、このような引出し形電子機器装置においては、電子機器ユニットの配線と筐体内の配線との接続を容易にするためにコネクタによる接続が利用される。
【0003】
このため、電子機器ユニットの背面にこのユニット内の入出力配線を接続したコネクタプラグを設け、筐体側にこのコネクタプラグに対応して筐体内の入出力配線を接続したコネクタレセプタクルが固定的に設けられる。そして、電子機器ユニットを筐体内に押し込み挿入することにより、電子機器ユニットのコネクタプラグと筐体のコネクタレセプタクルとを嵌合結合して電気的接続を行い、電子機器ユニットを筐体から引き出すことにより、コネクタプラグをコネクタレセプタクから抜き出して電気的接続を切断する。
【0004】
引出し形電子機器装置における電子機器ユニットの出し入れによるコネクタの挿抜を円滑にするために、電子機器ユニットのコネクタプラグの設けられた背面にU字形のハンドルを突設し、このハンドルを、電子機器ユニットの筐体への挿入時のガイドに利用し、電子機器ユニットの挿入方向と直交する平面内での位置を調整することが既に提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
図7および図8に、特許文献1に示された従来の引出形電子機器装置の構成を示す。
【0006】
図7において、電子機器ユニット51は、筐体61内に固定的に配設されたガイドレール63,64上に載置し、このレール上を滑らせて押し込むことによって、筐体61内に挿入される。電子機器ユニット51内の配線と筐体内の配線とを接続するために、電子機器ユニット51を筐体61内に挿入、引出しを行うことにより互いに挿抜される、嵌合形のコネクタプラグ71とコネクタレセプタクル72が、それぞれ電子機器ユニット51の背面と、筐体61内のコネクタ取付板62に取付けられている。
【0007】
電子機器ユニット51は、ユニットケース52内に必要な電子機器および回路を収容し、その正面53にスイッチ55や表示ランプ59等を備え、背面54にコネクタプラグ71を備える。このコネクタプラグ71には電子機器ユニット51のすべての入出力配線が接続される。また背面54の上側には、丸棒をU字形に折り曲げて形成したユニット取り扱い用のハンドル57が取り付けられている。
【0008】
筐体61は、電子機器ユニット51を複数収納可能に構成されているが、図7には、そのうちの1個だけが示されている。電子機器ユニット51を筐体61に収容するとき、電子機器ユニット51は、筐体61内に平行に固定配置されたガイドレール63、64上に載置し、この上を滑らせて奥へ押し込んで、挿入する。
【0009】
電子機器ユニット51が筐体61内の奥へ挿入されると、図8(a)、(b)に示すように、ユニットケース52の背面に設けられたハンドル57が、筐体61内の背面側に設置されたコネクタ取付板62に形成されたガイド穴67の縁に接近または接触する。ガイド穴67の縁に接触したハンドル57は、さらなる押し込み操作により、ガイド穴67の縁を滑ってガイド穴67内に進入し、コネクタ取付板62の反対側へ突出する。電子機器ユニット51をさらに押し込むことによって、電子機器ユニット51のコネクタプラグ71が、コネクタ取付板62に取付けたコネクタレセプタクル72に嵌合し結合され、両者の電気的接続が行われる。電子機器ユニット51が筐体61内に挿入され、コネクタプラグ71が、コネクタレセプタクル72に接近したところで、ハンドル57がコネクタ取付板62のガイド穴67に進入し、ガイド穴の67の内縁よって案内されることにより、電子機器ユニット51の挿入方向と直交する平面内での上下(垂直)方向および水平方向の位置が調整され、コネクタプラグ71と取付板62のコネクタレセプタクル39とが互いに正対するように位置合わせされ、両者の嵌合、結合を円滑に行うことができる。そして、ハンドル57は、結合後の電子機器ユニット51の振れ止めを行うので、電子機器ユニットの振動等により結合されたコネクタプラグ71、コネクタレセプタクル72に加わる外力が抑制される。
【0010】
しかしながら、このような従来装置においては、電子機器ユニット51の挿入時の奥行方向(挿入方向)の位置の規制が全く行われていないので、電子機器ユニット51を筐体61内に挿入するとき、電子機器ユニット51を押し込みすぎると、嵌合形のコネクタプラグ71がコネクタレセプタクル72に過剰に押し込まれて、コネクタが破損し、端子ピンの折曲、折損や、コネクタのフレームの変形等が生じ、コネクタの挿抜操作性および信頼性が低下する不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10−112591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明の課題は、前記した従来装置における不都合を解決するため、電子機器ユニットを筐体に挿入して収容する際に、コネクタが過剰に押し込まれることがないようにして、コネクタを結合するときコネクタのフレームの変形や端子ピンの折曲、折損等が発生することのない、コネクタの挿抜の操作性および結合の信頼性を向上させた引出し形電子機器装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題を解決するため、この発明は、電子機器ユニットと、この電子機器ユニットを出し入れ可能に収容する筐体とを備え、前記電子機器ユニットの背面にこの電子機器ユニット内の入出力配線を接続したコネクタプラグを設け、前記筐体内に、この筐体内の入出力配線を接続され前記コネクタプラグに嵌合されるコネクタレセプタクルを取付けたコネクタ取付板と前記電子機器ユニットを前記筐体に出し入れ可能に案内、支持するガイドレールとを設け、前記ガイドレールに沿わせて前記電子機器ユニットを前記筐体へ出し入れすることにより前記コネクタプラグとコネクタレセプタクルとの挿抜を行う引出し形電子機器装置において、
前記電子機器ユニットのユニットケースと前記筐体のコネクタ取付板との間に、前記電子機器ユニットの筐体への挿入方向の挿入量を規制する挿入規制手段を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
この発明において、前記挿入規制手段は、前記電子機器ユニットのユニットケースまたは前記筐体のコネクタ取付板に設けたガイド穴と、前記筐体のコネクタ取付板または前記電子機器ユニットに設けた、前記ガイド穴と嵌合するガイド突起とにより構成するのがよい。
【0015】
前記のガイド突起は、中間に段部を設けた突起で構成し前記段部で前記ガイド突起の前記ガイド穴への進入が規制されるようにする。
【0016】
また、前記ガイド穴とガイド突起は、円形または角形にすることができる。
【0017】
さらに、この発明においては、前記ガイド穴またはガイド突起の設けられた前記コネクタ取付板を前記筐体に設けたガイドレールに一体的に結合して、前記電子機器ユニットを案内、支持する支持枠とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、筐体に出しれ可能に構成され電子機器ユニットにコネクタプラグを設け、筐体に設けたコネクタ取付板にコネクタレセプタクルを取付け、前記電子機器ユニットを筐体への出し入れすることにより、前記コネクタプラグとコネクタレセプタクルとを挿抜するものにおいて、前記電子機器ユニットのユニットケースと前記筐体のコネクタ取付板との間に、前記電子機器ユニットの筐体への挿入方向の挿入量を規制する挿入規制手段を設けているので、電子機器ユニットの筐体への挿入時に挿入方向の挿入量が規制されることにより、コネクタ相互の過剰な挿入がなくなり、コネクタの端子ピンの折曲、折損等の破損が防止されるため、コネクタ相互の挿抜の操作性および結合の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の電子機器装置の第1の実施例の構成を示すもので、前面側から見た斜視図である。
図2】この発明の電子機器装置の第1の実施例の構成を示すもので、背面側から見た斜視図である。
図3】この発明の電子機器装置の第1の実施例における電子機器ユニットの挿入状態を示す部分縦断断面図であり、(a)は、電子機器ユニットの挿入過程におけるコネクタの結合される直前の状態を示し、(b)は、電子機器ユニットが支持枠に完全に挿入されコネクタが結合された状態を示す。
図4】この発明の電子機器装置の第1の実施例の全体の構成を示す分解斜視図である。
図5】この発明の電子機器装置の第1の実施例における電子機器ユニットの固定状態を示す部分斜視図である。
図6】この発明の電子機器装置の第2の実施例の全体の構成を示す分解斜視図である。
図7】従来の電子機器装置の構成の要部を示す分解斜視図である。
図8】従来の電子機器装置の構成の要部を示すもので、(a)は、その部分縦断面図、(b)はその部分横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施の形態を図に示す実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
図1図5に、この発明の電子機器装置の第1の実施例を示す。
【0022】
図1図5において、1は、電子機器ユニットであり、ユニットケース11内に必要な各種の電子機器類を収容してユニット化したものである。2は支持枠であり、電子機器ユニット1を支持して筐体4に取付け固定するものである。
【0023】
図1図2は、電子機器ユニット1を支持枠2の途中まで挿入した状態を示している。これらの図に示すように、電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14には、内部の電源線および入出力配線を接続した嵌合形のコネクタ3のコネクタプラグ31が取り付けられるとともにガイド穴33が設けられ、前面(正面)12には、固定用取付片13が下方に突出して設けられている。
【0024】
支持枠2は、電子機器ユニット1を案内、支持するガイドレール21と、コネクタレセプタクル32を取付けたコネクタ取付板22とを直角に一体に結合してL字形に形成されている。ガイドレール21は、長手方向の両辺に、垂直に立ち上がった、電子機器ユニット1を案内するためのガイド辺21aを備え、ガイドレール21の表面に、摩擦係数の小さい材料で形成されたスライドレール21bが設けられている。ガイドレール21の前端には、直角に折り曲げて下方に突出形成された固定用フランジ24が設けられている。
【0025】
さらに支持枠2のコネクタ取付板22には、電子機器ユニット1の背面14に設けられたコネクタプラグ31のそれぞれに嵌合結合されるコネクタレセプタクル32が設けられるとともに、電子機器ユニット1の背面のガイド穴33に対応して、これに嵌入される断面が円形または角形の截頭錐形状の先頭が細くなったガイド突起34が設けられている。
【0026】
また、支持枠2は、電子機器ユニット1を縦(垂直)方向に配置する場合は、図4に示すように、電子機器ユニット1を収容する直方形状の筐体4内に、支持枠2のガイドレール21を水平にしてコネクタ取付板22を背面(奥行)側にして横(水平)方向に適宜の間隔で配列して筐体4に設けた取付枠43に取付けられる。このとき支持枠2は、ガイドレール21の前端に設けた固定用フランジ24を取付枠43にねじ止めすることにより固定される。
【0027】
このように取付枠体43に支持枠2の固定された筐体4内に電子機器ユニット1を挿入する場合は、支持枠2の前面側から電子機器ユニット1を挿入し、電子機器ユニット1を下部ガイドレール21上に載置する。そして、電子機器ユニット1を奥まで押し込む際に、支持枠2のガイドレール21がその上を滑らせながらこれを案内する。このとき、ガイドレール21上のスライドレール21bが摩擦を軽減するので、電子機器ユニット1のガイドレール21上での滑動を円滑にする。
【0028】
図1図2に示すように支持枠2の途中まで挿入されたた電子機器ユニット1は、さらにガイドレール21上を滑らせながら、電子機器ユニット1のコネクタプラグ31が、コネクタ取付板22のコネクタレセプタクル32に嵌合結合されるまで完全に押し込むことにより、筐体4内に収容される。
【0029】
このように電子機器ユニット1の支持枠2に、完全に挿入される直前の状態と、完全に挿入された状態を図3(a)、(b)に示す。
【0030】
図3(a)は、電子機器ユニット1が支持枠2に完全に挿入される直前の状態である。この状態では、支持枠2に挿入された電子機器ユニット1のユニットケース11の背面に取付けたコネクタプラグ31が、まだ、支持枠2のコネクタ取付板22に取付けたコネクタレセプタクル32と接触せず、離間している。そして、この状態では、支持枠2のコネクタ取付板22に設けたガイド突起34の先端が、ユニットケース11の背面に設けたガイド穴33を臨む状態となる。
【0031】
ここから、さらに電子機器ユニット1を支持枠2に押し込むと、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32が接触する前に、支持枠2側のガイド突起34の細くなった先端部が電子機器ユニット1側のガイド穴33に進入する。そのまま押し込み操作を継続すると、ガイド穴33に進入したガイド突起33の外縁が、ガイド穴33の内縁と接触することにより位置を規制されながら電子機器ユニット1が奥へ押し込まれる。複数(2個)のガイド穴33とガイド突起34とにより電子機器ユニット1が位置を規制されながら挿入されることにより、電子機器ユニット1の支持枠2上における位置ずれが修正され、電子機器ユニット1の位置が規定の正しい位置に調整される。
【0032】
このため、電子機器ユニット1のコネクタプラグ31の位置が、支持枠2のコネクタレセプタクル32と正しく向き合う位置に合わせられるので、両方のコネクタが嵌合結合す際、嵌合および結合が円滑となり、コネクタの嵌合時のコネクタの端子ピンの折損やフレームの変形等の破損がなくなる。
【0033】
また、ガイド突起34には、図3(a)に示すように中間に、外径がガイド穴33の内径よりも大きくなる段部34aが設けられている。この段部34aは、電子機器ユニット1の奥行き方向への挿入量を制限する作用をする。すなわち、電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14が、このガイド突起34の段部34aの位置まで挿入されると、背面14がガイド突起34の段部34aに当たるため(図3(b)参照)、電気機器ユニット1のこれ以上の押し込み操作ができなくなり、奥行き方向への挿入が制限される。
【0034】
このため、電子機器ユニット1の押し込み操作により、電子機器ユニット1側のコネクタプラグ31と支持枠2側のコネクタレセプタクル32とが嵌合結合される際、コネクタ3の最適な嵌合状態となる押し込み深さの位置で電子機器ユニット1の背面14がガイド突起34の段部34aに当たるように段部34aの高さを設定することにより、電子機器ユニット1の過剰な押し込みを防止することができる。これにより、コネクタ31、32には、過剰押し込みによる破損や結合不良が発生しなくなる。
【0035】
支持枠2のガイド突起34の段部34aに電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14が当たる位置まで電子機器ユニット1が挿入された状態が、完全な挿入状態となる。この状態となると、図3(b)に示すように、コネクタプラグ31がコネクタレセプタクル32に適正の深さまで嵌入し、両者が正しく嵌合結合される。
【0036】
このように電子機器ユニット1が支持枠2に完全な挿入状態となるまで挿入されたところで電子機器ユニット1を筐体4に固定するために、図5に示すように、ユニットケース11の前面に下に突出して設けられた固定用取付片13を支持枠2の固定フランジ24にねじ15により締め付け固定する。
【0037】
そして、電子機器ユニット1の固定された支持枠2は、支持枠2の固定フランジ24をねじ25により筐体4に固設された取付枠43に締め付け固定することにより筐体4に固定される。この場合、予め、支持枠2を、筐体4に固設された取付枠43に取付け固定しこれに電子機器ユニット1を挿入するか、電子機器ユニット1を支持枠2に挿入した後に、この支持枠2を取付枠43に取付けるようにするかは、どちらでもよく、適宜選択することができる。
【0038】
筐体4に収容固定された電子機器ユニット1は、メンテナンスまたは交換を行う場合は、ねじ15を外すことにより、支持枠2および筐体4から引き出し、取り出すことができる。
【0039】
この発明においては、電子機器ユニット1のユニットケース11と前記筐体4のコネクタ取付板22との間に、前記電子機器ユニッ1トの筐体4への挿入方向の挿入量を規制する挿入規制手段としてガイド突起34を設けているので、電子機器ユニット1の筐体4の支持枠2への挿入時に挿入方向の挿入量が規制されることにより、過剰な挿入が防止され、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32の過剰挿入に伴う変形、破損を防止することができるので、コネクタの挿抜の操作性、信頼性が向上することができる。
【0040】
第1の実施例では、コネクタのプラグ31を電子機器ユニット1に取付け、コネクタのレセプタクル32を支持枠2のコネクタ取付板22に取付けた例を示したが、この発明においては、プラグ31を支持枠2のコネクタ取付板22に取付け、レセプタクル32を電子機器ユニット1に取付けるようにすることもできる。
【0041】
また、この発明においては、ガイド突起34を電子機器ユニット1に取付け、これに対応するガイド穴33を支持枠2のコネクタ取付板22に設けるようにしてもよい。
【実施例2】
【0042】
図6は、この発明の第2の実施例を示すものである。この実施例は、直方体状の電子機器ユニット1を横(水平)向きにして筐体4内に挿入、配置するものである。
【0043】
この場合は、実施例1で示したL字形支持枠2を、コネクタ取付板22の両端にそれぞれガイドレール21、23を結合して略C字形の支持枠2とする。そしてこのC字形の支持枠2を、図6に示すように水平に向けて、筐体4内に縦(垂直に)方向に適宜の間隔で多段に積層配置する。積層配置された支持枠2は、筐体4内に垂直に固定配置された取付枠43、43に固定フランジ24、26をねじ25等により締め付け固定することにより固定的に取り付けられる。
【0044】
この横向きに配置された支持枠2に電子機器ユニット1を挿入する場合には、図6に示すように電子機器ユニット1を支持枠2と同じく横向き(水平)にして支持枠2に挿入する。電子機器ユニット1のユニットケース11の背面14には、図1に示す実施例1の電子機器装置と同様に、コネクタプラグ31およびガイド穴33が設けられ、これと結合または挿入されるコネクタレセプタクル32およびガイド突起34が支持枠2の取付板22に設けられている。ガイド突起34には、実施例1と同様に段部34aを設け、ガイド突起34に、電子機器ユニット1の奥行(挿入)方向の挿入位置を制限する機能を持たせる。
【0045】
この第2の実施例においても、電子機器ユニット1の筐体4への挿入は、電子機器ユニット1のユニットケース11の左右の両側面を、支持枠2の開放された前面からガイドレール21、23に挿入して電子機器ユニット1を押し込むことにより行う。溝形のガイドレール21、23に挿入された電子機器ユニット1は、ガイドレール21、23のガイド辺21a,23aにより支持され、この上を滑りながら奥行き方向へ進入する。
【0046】
電子機器ユニット1が押し込まれ、そのコネクタプラグ31が支持枠2のコネクタレセプタクル32に接触する直前で、ガイド突起34の先端が電子機器ユニット1のガイド穴33に嵌入し、互いに接触して電子機器ユニット1の支持枠2にの取付板22対する僅かな位置ずれを修正することにより、コネクタプラグ31とコネクタレセプタクル32との位置がより正確に合わせされる。これにより、電子機器ユニット1の押し込み操作だけで、両方のコネクタの嵌合結合を円滑かつ確実に行うことができる。
【0047】
電子機器ユニット1の挿入時に、ユニットケース11の背面14がガイド突起34の段部34aに当ったところで電子機器ユニット1の奥行方向の挿入位置が制限され挿入が禁止される。
【0048】
このため、電子機器ユニット1の押し込み操作により、電子機器ユニット1側のコネクタプラグ31と支持枠2側のコネクタレセプタクル32とが接触して結合される際、過剰な押し込みが防止され、最適な結合状態が得られ、過剰押し込みによるコネクタ31、32の破損や結合不良が生じることがなくなる。
【0049】
電子機器ユニット1は、支持枠2に完全に挿入されたところで、取付片13を支持枠2の固定片24、26にねじで締め付けることにより、固定される。
【0050】
電子機器ユニット1はメンテナンスまたは交換のために、取付片13の固定ねじを外すことにより、筐体から引き出し、取り出すことができる。
【符号の説明】
【0051】
1:電子機器ユニット
11:ユニットケース
13:取付片
2:支持枠
21、23:ガイドレール
22:コネクタ取付板
24:固定片
31:コネクタプラグ
32:コネクタレセプタクル
33:ガイド穴
34:ガイド突起
34a:段部
4:筐体
43:取付枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8