(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。図面の説明において同要素には同符号を付し、重複する説明を省略する。図面における部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
図1〜
図10の全ての図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xで表す矢印の方向は、カバー220の搬送方向Xを示している。Yで表す矢印の方向は、搬送方向Xと交差した交差方向Yを示している。Zで表す矢印の方向は、積層体210の構成部材の積層方向Zを示している。Kで表す一点鎖線を用いて、搬送方向Xにおけるカバー220の搬送経路Kを示している。Gで表す矢印を用いて、重力方向Gを示している。
【0012】
(実施形態)
先ず、カバー装着装置100によって装着するカバー220と積層体210の構成について、
図1を参照しながら順に説明する。
【0013】
図1は、カバー装着装置100によって装着するカバー220と積層体210を模式的に示す斜視図である。
【0014】
積層体210は、例えば電池モジュールの構成部材に相当する。電池モジュールは、例えばカバー220を装着した積層体210を筺体に収納して構成している。積層体210は、例えば単電池を複数組積層して構成している。単電池は、例えばセパレータを介して正極と負極を複数積層したものをラミネートフィルムによって封止して構成している。積層体210は、その端部210aから積層方向Zと直交した方向に向かって延在した単電池の正極端子部210Mを束ねている。同様に、積層体210は、その端部210aから積層方向Zと直交した方向に向かって延在した単電池の負極端子部210Nを束ねている。正極端子部210Mおよび負極端子部210Nは、並列している。正極端子部210Mおよび負極端子部210Nを介して、電力の充放電を行う。カバー220は、正極端子部210Mおよび負極端子部210Nを、他の部材から絶縁する。カバー220は、積層体210の端部210aに装着し、正極端子部210Mおよび負極端子部210Nをそれぞれ被覆する。
【0015】
次に、積層体210のカバー装着装置100の構成について、
図2を参照しながら順に説明する。
【0016】
図2は、
図1の積層体210にカバー220を装着するカバー装着装置100を側面から示す模式図である。
【0017】
カバー装着装置100は、収容したカバー220を順に取り出して積層体210に装着する装置である。装着部110において、移動部材(第1の移動部材および第2の移動部材)は、支持した状態のカバー220から離間することによって、カバー220を搬送経路Kに移動させた後、カバー220を搬送経路Kに沿って搬送しつつ積層体210に装着する。
【0018】
カバー装着装置100の装着部110は、カバー装着方法の供給工程と装着工程を具現化した構成に相当する。供給工程は、移動部材(第1の移動部材および第2の移動部材)を用いてカバー220を支持した状態から、移動部材(第1の移動部材および第2の移動部材)をカバー220から離間させることによってカバー220を搬送経路Kに供給する。装着工程は、移動部材(第1の移動部材および第2の移動部材)を用いてカバー220を搬送経路Kに沿って搬送しつつ積層体210に装着する。
【0019】
カバー装着装置100は、カバー220を積層体210に装着する装着部110、装着部110によってカバー220が装着される積層体210を支持する支持部120、およびカバー220が装着された積層体210を搬出する搬出部130を含んでいる。以下、カバー装着装置100の各構成について順に説明する。
【0020】
装着部110は、ストッカ111、第1プッシャ112、駆動部材113、第2プッシャ114、駆動部材115、規制部材116、および駆動部材117を含んでいる。装着部110の各構成について順に説明する。
【0021】
ストッカ111は、複数のカバー220を連ねて収容する。ストッカ111は、カバー装着装置100の上方に配設している。ストッカ111は、一対の側板の間に、複数のカバー220を移動可能に収容している。ストッカ111は、複数のカバー220を連ねた状態において、各々のカバー220を傾斜面111aに沿って移動させつつ、重力方向Gに沿って自然落下させることによって、搬送経路Kまで移動させる。
【0022】
第1プッシャ112は、第1の移動部材に相当する。第1プッシャ112は、カバー220を端部210aに挿入する。すなわち、第1プッシャ112によってカバー220を端部210aに仮留めする。第1プッシャ112は、カバー220の搬送経路Kの上流側(図中左側)に配設している。第1プッシャ112は、L字状に屈折させた板状からなる。第1プッシャ112は、L字状の長辺部分を積層方向Zと直交した水平方向に沿って設けている。第1プッシャ112は、長辺部分から90°屈折させた短辺部分を積層方向Zに沿わせている。第1プッシャ112は、その短辺部分によってカバー220の側面を押圧して移動させる。第1プッシャ112は、搬送経路Kに対向した切欠部112aを備えている。切欠部112aは、搬送経路Kに沿って移動する第2プッシャ114を挿通させ、その第2プッシャ114の移動を妨げない。
【0023】
第1プッシャ112は、搬送経路Kの上流側(図中左側)に沿って移動すると、上方に載置して支持していたカバー220から離間する。カバー220は、その下方に配設されていた第1プッシャ112が移動して空間が発生すると、重力方向Gに沿って自然落下して搬送経路Kに移動する。さらに、第1プッシャ112は、カバー220に押圧しつつ搬送経路Kに沿って移動させ、カバー220を積層体210の端部210aに挿入して仮留めする。第1プッシャ112は、カバー220を端部210aに挿入した位置に留まっているだけで、次に装着する他のカバー220が上方から自然落下してきた場合、他のカバー220を載置して支持することができる。
【0024】
駆動部材113は、第1プッシャ112を搬送経路Kの下流側(図中右側)に位置する積層体210の端部210aに対して接近および離間自在に駆動する。駆動部材113は、例えば電動シリンダーからなる。
【0025】
第2プッシャ114は、第2の移動部材に相当する。第2プッシャ114は、第1プッシャ112によって端部210aに挿入されたカバー220を端部210aに装着する。第2プッシャ114は、カバー220の搬送経路Kの上流側(図中左側)であって、第1プッシャ112の積層方向Zに沿った下流側に隣り合って配設している。第2プッシャ114は、長尺の円柱部分の先端にU字状に屈折させた板状を接続してなる。第2プッシャ114は、長尺の円柱部分を搬送経路Kに沿って設けている。第2プッシャ114は、U字状の部分の開口を、カバー220に対向させている。第2プッシャ114は、第1プッシャ112の切欠部112aを挿通した上で、そのU字状の部分にカバー220の後部を保持し、そのカバー220を搬送経路Kに沿って押圧して移動させる。第2プッシャ114は、カバー220を積層体210の端部210aに装着する。
【0026】
駆動部材115は、第2プッシャ114を搬送経路Kの下流側(図中右側)に位置する積層体210の端部210aに対して接近および離間自在に駆動する。駆動部材115は、例えば電動シリンダーからなる。
【0027】
規制部材116は、次に搬送経路Kに移動させる他のカバー220が第1プッシャ112および第2プッシャ114に向かって移動することを規制する。すなわち、規制部材116は、先に装着するカバー220と、そのカバー220の次に装着する他のカバー220が、互いに干渉することを防止する。規制部材116は、ストッカ111と隣り合って配設している。規制部材116は、長尺の円柱形状からなる。規制部材116は、積層方向Zと直交した搬送方向Xに沿って設けている。規制部材116は、搬送方向Xの上流側(図中左側)に移動して、その先端部分をカバー220の内周面に引っ掛けることによって、カバー220が下方に移動することを一時的に規制する。
【0028】
駆動部材117は、規制部材116を搬送方向Xの上流側(図中左側)に位置するカバー220に対して挿通よび離間自在に駆動する。駆動部材117は、例えば電動シリンダーからなる。
【0029】
支持部120は、装着部110によってカバー220が装着される積層体210を支持する。
【0030】
支持部120は、第1支持部材121、駆動部材122、第2支持部材123、および駆動部材124を含んでいる。支持部120の各構成について順に説明する。
【0031】
第1支持部材121および第2支持部材123によって、積層体210の端部210aを積層方向Zに沿った両側から挟持しつつ支持する。第1支持部材121は、円柱形状からなり、積層体210の端部210aに当接する先端部分を平らに形成している。第1支持部材121は、積層方向Zに沿って長尺に構成している。第2支持部材123は、円柱形状からなり、積層体210の端部210aに当接する先端部分を平らに形成している。第2支持部材123は、第1支持部材121と同様の構成からなるが、積層方向Zに沿って第1支持部材121よりも長尺に構成している。第1支持部材121の先端部分と、第2支持部材123の先端部分は、積層体210を介して対向している。第2支持部材123は、パレット131の貫通孔131aに挿通している。
【0032】
駆動部材122は、第1支持部材121を積層方向Zに沿って、積層体210に接近および離間自在に駆動する。駆動部材122は、例えば電動シリンダーからなる。駆動部材124は、第2支持部材123を積層方向Zに沿って、積層体210に接近および離間自在に駆動する。駆動部材124は、駆動部材122と同様の構成からなる。
【0033】
第1支持部材121および第2支持部材123が積層体210の端部210aを挟持しつつ押圧して支持した状態で、第1プッシャ112がカバー220を積層体210の端部210aに挿入して仮留めする。一方、第1支持部材121および第2支持部材123が積層体210の端部210aから離間した状態で、第2プッシャ114がカバー220を積層体210の端部210aに装着する。
【0034】
搬出部130は、カバー220が装着された積層体210を搬出する。
【0035】
搬出部130は、パレット131を含んでいる。搬出部130の構成について説明する。
【0036】
パレット131は、積層体210を載置している。パレット131は、積層方向Zに沿って開口した貫通孔131aを備えている。貫通孔131aは、積層体210を支持する第2支持部材123を挿通させる。パレット131は、カバー220が装着された積層体210を積層方向Zに沿って搬送経路Kから離間するように降下した後、カバー220が装着された積層体210を外部に搬出させる。さらに、パレット131に対してカバー220が未装着の積層体210が載置された後、パレット131を積層方向Zに沿って搬送経路Kまで上昇させる。
【0037】
次に、積層体210のカバー装着装置100の動作について、
図2に加えて
図3〜
図10を参照しながら順に説明する。
【0038】
図3は、
図2のカバー装着装置100において、第1プッシャ112をカバー220の下方から離間させることによってカバー220を搬送経路Kに降下させるように移動させた状態を側面から示す模式図である。
図4は、
図3に引き続き、第1支持部材121および第2支持部材123によって積層体210を支持する状態を側面から示す模式図である。
図5は、
図4に引き続き、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210の端部210aに挿入する状態を側面から示す模式図である。
図6は、
図5に引き続き、第1支持部材121および第2支持部材123を積層体210から離間させる状態を側面から示す模式図である。
図7は、
図6に引き続き、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210の端部210aに装着する状態を側面から示す模式図である。
図8は、
図7に引き続き、第2プッシャ114をカバー220から離間させる状態を側面から示す模式図である。
図9は、
図8に引き続き、次の積層体210に装着するカバー220を第1プッシャ112に載置して支持させる状態を側面から示す模式図である。
図10は、
図9に引き続き、カバー220が装着された積層体210を下方に移動して搬出する状態を側面から示す模式図である。
【0039】
カバー装着装置100の動作について、
図2〜
図10に示すカバー装着装置100の状態を参照しながら、一図ずつ参照しながら順に説明する。実際には、カバー装着装置100は、
図2〜
図10に示す動作を順に実行してもよいし、例えば
図3および
図4に示す動作を同時に実行してもよい。同様に、カバー装着装置100は、
図6に示す動作を実行しながら
図7に示す動作を実行してもよいし、
図9および
図10に示す動作を同時に実行してもよい。
【0040】
最初は、
図2に示すように、カバー装着装置100は、カバー220が未装着の積層体210を、パレット131に載置している。第1プッシャ112は、ストッカ111内に収容されているカバー220を上方に載置した状態で、そのカバー220を支持している。
【0041】
続いて、
図3に示すように、第1プッシャ112をカバー220の下方から離間させることによって、カバー220を搬送経路Kに対して降下させるように移動させる。具体的には、第1プッシャ112は、搬送経路Kの上流側(図中左側)に沿って移動しつつ、上方に載置して支持していたカバー220から離間する。カバー220は、その下方に配設されていた第1プッシャ112が移動して空間が発生したことから、重力方向Gに沿って自然落下しながら搬送経路Kに移動する。自然落下したカバー220の直上に位置しているカバー220は、規制部材116によって引っ掛けられていることから落下しない。
【0042】
続いて、
図4に示すように、第1支持部材121および第2支持部材123によって積層体210を支持する。具体的には、第1支持部材121の先端部分と第2支持部材123の先端部分によって、積層体210の端部210aを、積層方向Zに沿った両側から挟持しつつ支持する。この状態において、積層体210は、外部から応力を受けても、その位置がずれない。
【0043】
続いて、
図5に示すように、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210の端部210aに挿入する。具体的には、第1プッシャ112は、長辺部分から90°屈折させた短辺部分によってカバー220を押圧して移動させ、カバー220を積層体210の端部210aに挿入する。第1プッシャ112は、カバー220を端部210aに仮留めする。第1プッシャ112は、カバー220を端部210aに挿入した状態で、その位置に停止していれば、次に装着する他のカバー220が降下したときに、他のカバー220を受け止めて支持することができる。
【0044】
続いて、
図6に示すように、第1支持部材121および第2支持部材123を積層体210から離間させる。具体的には、第1支持部材121の先端部分と第2支持部材123の先端部分を、積層体210の端部210aからそれぞれ離間させる。この状態において、カバー220を、第1支持部材121および第2支持部材123にそれぞれ干渉させることなく、積層体210の端部210aに装着できる。
【0045】
続いて、
図7に示すように、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210の端部210aに装着する。具体的には、第2プッシャ114は、第1プッシャ112の切欠部112aを挿通した後、そのU字状の先端部分によってカバー220を保持しつつ搬送経路Kに沿って押圧して、そのカバー220を積層体210の端部210aに装着する。
【0046】
続いて、
図8に示すように、第2プッシャ114をカバー220から離間させる。具体的には、第2プッシャ114は、搬送経路Kに沿った上流側(図中左側)に後退し、そのU字状の先端部分を第1プッシャ112の下方に位置させる。
図8に示す移動を終えた第2プッシャ114は、
図2〜
図6に示す第2プッシャ114と同じ状態にある。
【0047】
続いて、
図9に示すように、次の積層体210に装着する他のカバー220を第1プッシャ112に支持させる。具体的には、規制部材116は、
図2〜
図8に示す状態において、その先端部分をカバー220の内周面に引っ掛けることによって、次に装着するカバー220を規制していた。
図9に示す状態において、規制部材116は、搬送方向Xの下流側(図中右側)に移動して、その先端部分をカバー220の内周面から離間させている。その結果、カバー220は第1プッシャ112の上面まで自然落下して停止する。
【0048】
最後に、
図10に示すように、カバー220が装着された積層体210を搬出する。具体的には、パレット131は、カバー220が装着された積層体210を、積層方向Zに沿って搬送経路Kから離間させるように降下してから外部に搬出させる。次に、パレット131は、カバー220が未装着の積層体210が載置された後、積層方向Zに沿って搬送経路Kまで上昇する。
【0049】
上述した実施形態によれば、以下の構成によって作用効果を奏する。
【0050】
積層体210のカバー装着装置100は、収容したカバー220を順に取り出して積層体210に装着する装置である。カバー装着装置100は、移動部材を備えた装着部110を有している。移動部材は、支持した状態のカバー220から離間することによって、カバー220を搬送経路Kに移動させた後、カバー220を搬送経路Kに沿って搬送しつつ積層体210に装着する。
【0051】
積層体210のカバー装着方法は、収容したカバー220を順に取り出して積層体210に装着する方法である。カバー装着方法は、供給工程と装着工程を有している。供給工程は、移動部材を用いてカバー220を支持した状態から、移動部材をカバー220から離間させることによってカバー220を搬送経路Kに供給する。装着工程は、移動部材を用いてカバー220を搬送経路Kに沿って搬送しつつ積層体210に装着する。
【0052】
このような構成によれば、移動部材をカバー220から離間させることによってカバー220を搬送経路Kに移動させ、かつ、その移動部材によってカバー220を搬送しつつ積層体210に装着する。すなわち、移動部材が、カバー220を取り出す動作と、カバー220を積層体に装着する動作を兼ねている。このように、収容したカバー220を簡便な構成によって順に取り出して積層体210に装着することができる。したがって、カバー装着装置100を小型化することができ、かつ、カバー装着装置100を廉価で製造することができる。
【0053】
さらに、装着部110は、カバー220を重力方向Gに沿った下方に移動させる構成とすることができる。
【0054】
このような構成によれば、移動部材をカバー220から離間させるだけで、カバー220を自然落下によって移動させることができる。すなわち、装着部110は、特別な駆動源を備えることなく、カバー220を搬送経路Kまで移動させることができる。
【0055】
さらに、装着部110は、カバー220を傾斜面111aに沿って移動させる構成とすることができる。
【0056】
このような構成によれば、カバー220が重力方向Gに沿った下方に移動するときの速度を任意に調整することができる。傾斜面111aは、その勾配を急峻にして、かつ、摩擦係数を小さく設定する程、カバー220の移動速度を上げることができる。一方、傾斜面111aは、その勾配を緩やかにして、かつ、摩擦係数を大きく設定する程、カバー220の移動速度を下げることができる。したがって、カバー220を搬送経路Kまで移動させるためのタクトや、カバー220が他の部材と接触して受ける応力を考慮して、カバー220の移動速度を任意に設定することができる。
【0057】
さらに、装着部110は、カバー220を積層体210に挿入する第1の移動部材(第1プッシャ112)と、第1プッシャ112によって積層体210に挿入されたカバー220を積層体210に装着する第2の移動部材(第2プッシャ114)を備えた構成とすることができる。
【0058】
このような構成によれば、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210に仮留めすることで押し込みによる位置ずれが生じない状態で、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210に装着することができる。したがって、カバー220を非常に高精度で積層体210に装着することができる。さらに、搬送経路Kに配設されたカバー220の位置や姿勢に誤差が生じていたとしても、第1プッシャ112によって積層体210に突き当てて仮留めした段階でそれらの誤差を解消することができる。したがって、カバー220の開口の形状に製品ばらつきが生じていたり、カバー220が搬送経路Kにおいて傾斜していたりしても、それらの誤差要因をキャンセルすることができる。このように、第1プッシャ112および第2プッシャ114を併用して押し込み力が2段階で切り替えられることから、カバー220に広がりや垂れが生じていても、積層体210に対して十分に装着することができる。また、各々独立して移動する第1プッシャ112および第2プッシャ114によって、2ストロークシリンダ方式を用いる場合と比較して、装置のコストを軽減することができる。
【0059】
さらに、第1プッシャ112は、支持した状態のカバー220から離間して、カバー220を搬送経路Kに移動させる構成とすることができる。
【0060】
このような構成によれば、第1プッシャ112によってカバー220の搬送経路Kに対する移動を規制する一方、その第1プッシャ112をカバー220から離間させることによってカバー220を搬送経路Kに移動させることができる。すなわち、非常に簡便な構成によって、カバー220を搬送経路Kに移動させることができる。
【0061】
さらに、第1プッシャ112は、搬送経路Kに沿って移動しつつカバー220を積層体210に挿入した後、次に装着する他のカバー220を支持する位置に留まる構成とすることができる。
【0062】
このような構成によれば、第1プッシャ112は、カバー220を積層体210の積層体210に挿入した状態で、次に装着する他のカバー220を支持することができる。すなわち、第2プッシャ114がカバー220を積層体210に装着した後、直ちに、第1プッシャ112が他のカバー220を次の積層体210に挿入するための動作を開始することができる。したがって、カバー220を積層体210に装着するために必要とするタクトを削減することができる。
【0063】
さらに、第1プッシャ112は、搬送経路Kに対向した切欠部112aまたは開口部を備え、搬送経路Kに沿って積層体210に向かって移動する構成とすることができる。ここで、第2プッシャ114は、切欠部112aまたは開口部を挿通し、搬送経路Kに沿って積層体210に向かって移動する構成とする。
【0064】
このような構成によれば、第1プッシャ112と第2プッシャ114を、互いに十分に近接させることができる。したがって、第1プッシャ112と第2プッシャ114を含む装着部110は、その構成を十分に小型化することができる。さらに、第1プッシャ112と第2プッシャ114は、それぞれ同一の搬送経路Kに沿って、カバー220を安定的に移動させることができる。したがって、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210に確実に挿入させ、かつ、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210に確実に装着することができる。
【0065】
さらに、積層体210を支持する支持部120(第1支持部材121および第2支持部材123)を有する構成とすることができる。
【0066】
このような構成によれば、積層体210を積層方向Zに沿った所定の高さで支持したり、特に下方に隙間を発生させるように支持したりすることができることから、カバー220が積層体210の端部210a等に干渉することなくスムーズに装着させることができる。さらに、仮にカバー220を積層体210に装着する過程において、カバー220が積層体210に対して過度に干渉しても、積層体210の位置ずれを十分に防止することができる。
【0067】
さらに、支持部120(第1支持部材121および第2支持部材123)は、装着部110によるカバー220の装着が完了する前に、積層体210に対する支持を解除する構成とすることができる。
【0068】
このような構成によれば、装着部110が積層体210にカバー220を挿入して装着するときに、装着部110と支持部120(第1支持部材121および第2支持部材123)が互いに干渉してしまうことを防止できる。
【0069】
特に、このような構成によれば、第1支持部材121および第2支持部材123が積層体210を挟持しつつ押圧して支持した状態で、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210に挿入することができる。さらに、第1支持部材121および第2支持部材123が積層体210から離間している状態で、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210に装着することができる。したがって、第1プッシャ112がカバー220を積層体210に挿入しているときに、その積層体210を第1支持部材121および第2支持部材123によって支持することができる。すなわち、仮に第1プッシャ112がカバー220を積層体210に対して過度に干渉させて負荷を掛けたとしても、その積層体210の位置がずれることを十分に防止できる。
【0070】
さらに、装着部110は、次に装着するカバー220が搬送経路Kに移動することを規制する規制部材116を有する構成とすることができる。
【0071】
このような構成によれば、先に装着するカバー220と、そのカバー220の次に装着する他のカバー220が、互いに干渉することを防止できる。したがって、連なって配設されたカバー220同士の干渉に伴う搬送不良を防止することができる。
【0072】
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
【0073】
例えば、実施形態では、積層体210を電池モジュールの構成部材として説明したが、このような構成に限定されることはない。積層体210は、電池モジュールの構成部材以外の構成にも適用することができる。
【0074】
また、実施形態では、収容したカバー220を重力方向Gに沿った下方に自然落下させて搬送経路Kに移動させる構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、収容したカバー220を重力方向Gに沿った上方に押し上げて搬送経路Kに移動させる構成としてもよい。このような構成の場合は、複数のカバー220の最下部に伸縮性を備えたバネを設け、そのバネによって複数のカバー220を上方に付勢する。さらに、収容したカバー220を水平方向に沿ってスライドさせて搬送経路Kに移動させる構成としてもよい。このような構成の場合は、複数のカバー220の最端部に伸縮性を備えたバネを設け、そのバネによって複数のカバー220を搬送経路Kに向かう側方に付勢する。
【0075】
さらに、実施形態では、第1プッシャ112によってカバー220を積層体210の端部210aに挿入して仮留めした後、第2プッシャ114によってカバー220を積層体210の端部210aに装着する構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、第1プッシャ112によってカバー220を端部210aに挿入した後、第2プッシャ114を用いることなく、第1プッシャ112によってカバー220を端部210aに装着する構成としてもよい。同様に、第1プッシャ112を用いることなく、第2プッシャ114によってカバー220を端部210aに挿入した後、第2プッシャ114によってカバー220を端部210aに装着する構成としてもよい。