特許第6394166号(P6394166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394166
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】液体包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/52 20060101AFI20180913BHJP
   B65D 33/24 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   B65D75/52
   B65D33/24
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-162566(P2014-162566)
(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公開番号】特開2016-37309(P2016-37309A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山崎 由紀子
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−067397(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3061776(JP,U)
【文献】 特開2004−292061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D67/00−79/02
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面シートと背面シートとが対向し、重なり合うシートの辺同士がヒートシールされている液体包装容器において、
容器上部に上方に向けて凸とされて先端部側に開封予定部を配した収納物注出路が設けられているとともに、
正面シートと背面シートとの何れか一方のシートに、この一方のシートの一部を容器幅方向に亘り容器外方にしてかつ容器底部に向けてZ状にして折り出した部分であって、一方のシートを前記Z状折りでの谷折り部から容器底部に向けて折り曲げた折り出し内シートとこの折り出し内シートの下端の前記Z状折りでの山折り部に連続して前記山折り部から容器上部に向けて折り曲げられて前記折り出し内シートに重なる折り出し外シートとからなる袋部が設けられ、
前記袋部の折り出し外シートに、開封予定部を切断して注出口が形成された収納物注出路を袋部側に向けて折り曲げたときの前記注出口の部分を差し入れて係脱可能に係止する挿入口が設けられ、
前記挿入口は折り出し外シートに切り込まれたスリットとされていて、前記挿入口と前記山折り部との間の折り出し外シートは、折り出し内シートに対する相対移動によりスリットの対向する切り込み縁の間を離して挿入口を開く開き手段とされており、
前記袋部側に向けて折り曲げられて注出口の部分が挿入口に差し入れられた収納物注出路が、前記挿入口に係止することにより、収納物注出路の折り曲げによる閉塞と注出口の隠蔽とが維持される構成としたことを特徴とする液体包装容器。
【請求項2】
上記袋部は、折り出し内シートと折り出し外シートとの対向する四方の辺の内、山折り部側の辺を除く三辺の部分でヒートシールされていて、折り出し外シートの未シール領域に上記挿入口が設けられている請求項1に記載の液体包装容器。
【請求項3】
容器底部側には上記正面シートと上記背面シートとの間に底面シートが二つ折りして配置されていて、前記底面シートを開くように容器底部を展開して自立可能とされている請求項1または2に記載の液体包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体包装容器、特に再封が行えるようにした液体包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂製などによりなるボトルタイプの容器においてはその不要時における廃棄処理を行うことでゴミの増大や環境破壊を招き易いという点が問題となってきている。このような状況から一般家庭での使用量が大きい台所用液体洗剤や洗濯用液体洗剤、液体柔軟剤、シャンプー、リンス、ボディーソープなどの商品に対しては、詰め替え用として環境への影響を考慮した素材を選択した容器であってかさ張り難い形状の液体包装容器を用いて提供されるようになってきた。
【0003】
その一例の液体包装容器として、正面シートと背面シート、そして底部用の底面シートとからなり、容器底部に二つ折りした底面シートを介在させた状態で各シートの対向する辺同士をヒートシールするとともに、底面シートを介在させていない部分では正面シートと背面シートとの対向する辺同士をヒートシールし、前記容器底部では底面シートを広げるように正面シートの下辺と背面シートの下辺との間を広げることで容器底部を展開させて自立できるようにしたスタンディングパウチタイプの液体包装容器が流通している。
【0004】
このようなシートの貼り合わせをして得られる液体包装容器の廃棄処分が容易であることなどから、近年においては業務用途の飲料や液体調味料などの液体食品を収容する容器として採用されるようになってきている。
【0005】
また、上述したスタンディングパウチタイプの液体包装容器に限らず、正面シートと背面シートとを重ね合わせて対向する辺同士をヒートシールした液体包装容器についても、業務用途の液体食品を収納する容器の場合、収容物の注出に際して容器上部の一隅をカットして注出口を得るようにしているが、詰め替え容器とはせずに従来のボトルタイプ容器の使用形態と同様に収納物を所望量ずつ注出することが一般的となっており、そのために再封できるものであることが望まれている。
【0006】
シートの貼り合わせにて作成された包装容器であって、再封機能を有することを目的とした包装容器には複数の提案がある。その一つの特許文献1では、容器側部に沿って立ち上がり容器上部に達する収納物注出路を備えている容器や、容器上部の中央を上方に向けて凸に延長してこの部分に収納物注出路を形成した容器が示されている。
【0007】
そして、容器側部に収納物注出路を沿わせた容器では、その収納物注出路の先端部を切除して注出口が得られるようにしており、再封するに際しては、収納物注出路に並び設けられている広面のヒートシール薄板部との間を分離し、そのヒートシール薄板部に切り込み形成されているスリットに向けて収納物注出路を横に曲げて注出口をそのスリットに差し入れており、また、容器上部の中央に収納物注出路を上に凸にして設けている容器では、先端部を切除して注出口が形成された収納物注出路を容器底部に向けて折り曲げ、その注出口を収納部の中央に位置するヒートシール部に切り込み形成したスリットに差し入れており、収納物注出路の部分を折り曲げることで正面シートと背面シートとが接し合って閉塞するようにしているものである。さらに、収納物注出路の注出口の近傍に設けられた係止凹部をスリットに係止させて、注出口の部分が不用意に外れないようにした点も示されている。
【0008】
また、特許文献2、3にあっては、容器の収納部を構成している二面のシートの内、一方のシートの外面側に容器幅方向に亘って帯状のシートを配して、その帯状のシートの左右辺を容器側部にヒートシールして一体とし、容器上部側にある収納物注出路の先端部を切断することで注出口を得て、再封に際して前記収納物注出路を容器底部に向けて折り曲げてその収納物注出路の注出口の部分を容器本体と帯状のシートとの間に位置させて、注出口を保護することもできるようにした容器が示されている。
【0009】
さらに特許文献4においては、対向して収納部を形成する正面シートと背面シートとの内の一方のシートに容器幅方向に亘ってミシン目状の開封線を設けるとともに、その開封線位置を収納部内方側から覆うように前記一方のシートの内面に帯状のシートを重ねて、その帯状のシートの四辺を一方のシートにシールすることで、開封線の位置を開くことができる開口部折曲保持部を収納部の内方に設けた容器が提案されている。そして、この容器では容器上部を切断して広口の注出口とし、この容器上部を容器底部に向けて折り曲げながら注出口の部分を、開封線の位置を開いた前記開口部折曲保持部の内部に差し入れて、容器上部側の折り曲げを維持するとともに、注出口の保護を行なうようにした技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭61−107741号公報
【特許文献2】特開昭61−164138号公報
【特許文献3】実公平03−040751号公報
【特許文献4】特開2013−067397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
重ね合わせたシートの対向する辺同士をヒートシールしてなる包装容器は、切断して形成された注出口から液体を注出した後にその注出口に収納物の一部が残って付着しままとなり易い。そのため、上述した特許文献1で示された包装容器では、その再封は、収納物注出路の注出口側となる部分をスリットに差し入れるだけであって注出口は外部に露出した状態のままとなり、液体舗装容器を取り扱っているときに注出口に残っていた液体が他の物品に付着して汚してしまう可能性がある。
【0012】
一方、特許文献2〜4に示された包装容器では注出口の部分を単にスリットに抜き差しするものではなく注出口が覆い隠されるので、その注出口から他の物品に液体が移って汚してしまうという不具合はない。しかしながら、他部材を容器に組み合わせて注出口を覆うことのできる部分を作り出しているので、容器の製造が煩雑になって製造コストを引き上げてしまうという不具合がある。
【0013】
そこで本発明は上記事情に鑑み、容器の包材とは別の部材を用いずに注出口を覆い隠すことのできる部分を備えるようにすることを課題とし、収納物注出路の折り曲げによる閉塞を維持するとともに注出口を露出させずにその注出口側の部分を差し込みできる容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、正面シートと背面シートとが対向し、重なり合うシートの辺同士がヒートシールされている液体包装容器において、
容器上部に上方に向けて凸とされて先端部側に開封予定部を配した収納物注出路が設けられているとともに、
正面シートと背面シートとの何れか一方のシートに、この一方のシートの一部を容器幅方向に亘り容器外方にしてかつ容器底部に向けてZ状にして折り出した部分であって、一方のシートを前記Z状折りでの谷折り部から容器底部に向けて折り曲げた折り出し内シートとこの折り出し内シートの下端の前記Z状折りでの山折り部に連続して前記山折り部から容器上部に向けて折り曲げられて前記折り出し内シートに重なる折り出し外シートとからなる袋部が設けられ、
前記袋部の折り出し外シートに、開封予定部を切断して注出口が形成された収納物注出路を袋部側に向けて折り曲げたときの前記注出口の部分を差し入れて係脱可能に係止する挿入口が設けられ、
前記挿入口は折り出し外シートに切り込まれたスリットとされていて、前記挿入口と前記山折り部との間の折り出し外シートは、折り出し内シートに対する相対移動によりスリットの対向する切り込み縁の間を離して挿入口を開く開き手段とされており、
前記袋部側に向けて折り曲げられて注出口の部分が挿入口に差し入れられた収納物注出路が、前記挿入口に係止することにより、収納物注出路の折り曲げによる閉塞と注出口の隠蔽とが維持される構成としたことを特徴とする液体包装容器を提供して、上記課題を解消するものである。
【0016】
(請求項の発明)
また、本発明において、上記袋部は、折り出し内シートと折り出し外シートとの対向する四方の辺の内、山折り部側の辺を除く三辺の部分でヒートシールされていて、折り出し外シートの未シール領域に上記挿入口が設けられていることが良好である。
【0017】
(請求項の発明)
さらに本発明において、容器底部側には上記正面シートと上記背面シートとの間に底面シートが二つ折りして配置されていて、前記底面シートを開くように容器底部を展開して自立可能とされていることが良好である。
【発明の効果】
【0018】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、収納物注出路の閉塞と注出口の隠蔽とを行なう袋部を、一方のシートの一部を容器外方にZ状に折り出して形成するので、他の部材を用いずに収納物注出路の閉塞と注出口の隠蔽とを行なうことのできる容器が得られるという優れた効果を奏するものである。
【0019】
また、上記発明によれば、袋部に設けられている開き手段を操作することでその袋部の挿入口が開くこととなり、収納物注出路の注出口側を差し入れる作業が簡単になる。
【0020】
(請求項の発明の効果)
請求項の発明によれば、差し入れた注出口からの液体が袋部の内部に入ったとしても、その袋部から外部への漏れ出しを確実に防止できるという効果を奏する。
【0021】
(請求項の発明の効果)
請求項の発明によれば、自立可能な容器としているため取り扱いが容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る液体包装容器の一例を正面シート側方から見た状態で示す説明図である。
図2】同じく一例を背面シート側方から見た状態で示す説明図である。
図3】一例における収納物注出路を開封した状態を示す説明図である。
図4】収納物注出路を折り曲げた状態を示す説明図である。
図5】袋部を縦断面で概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は液体包装容器で、シートを重ね合わせて容器上部2と左右の容器側部3、4と容器底部5との部分で相対する辺同士をヒートシールしてなるものであり、図示した実施の形態にあっては、正面シート6と背面シート7とを重ね合わせて、容器上部2と容器側部3、4との部分で直接対向する辺同士をヒートシールしているとともに、容器底部5側で二つ折りした前記底面シート8を介在させた状態にして正面シート6と背面シート7と重ね合わせし、容器側部3、4の容器底部5側となる部分および容器底部5の部分で直接対向する辺同士をヒートシールしており、底面シート8を開くようにすることで正面シート6の下辺と背面シート7の下辺との間が広がって容器底部5が展開された状態となり、これによって自立できる容器となるものである。即ち、収納物が充填されることで容器底部5が前述したように展開して自立するスタンディングパウチタイプの容器としている。
【0024】
(収納物注出路)
本実施の形態では、正面シート6側から見た正面視の形状において容器底部5側から容器上方に向けて容器幅方向の寸法を徐々に小さくなるようにして正面シート6と背面シート7との間を収納空間とする収納部9が形成されている。また、その収納部9の上方である容器上部2にあっては正面視形状を山形にして、この部分を、容器上方に向けてテーパー状に先細りして前記収納部9の内空間に内部が連続する収納物注出路10としており、さらに容器上部2の中央が容器上方に向けて凸となるようにして延設することでその延設部分では、容器幅方向での内通路幅をほぼ同幅としている。
【0025】
(開封予定部)
図1図2に示されているように本容器1の最上部側である収納物注出路10の先端部11には、容器幅方向にして開封予定部12が設けられている。この開封予定部12は開封して注出口13を形成する位置となる部分であり、切断する箇所を示すための印刷を施してなるものとしたり、正面シート6と背面シート7とにこのシートを貫通しないようにレーザー照射のハーフカットを施してなるものとすることができ、本実施の形態では開封予定部12はレーザー照射によるハーフカットを施してなる部分としている。
【0026】
また、開封予定部12の高さ位置には、上記収納物注出路10の両側辺であって正面シート6と背面シート7との辺をヒートシールしてなるシール辺部14を切り欠いてなるノッチ15が設けられて、このノッチ15から開封予定部12の位置に沿って裂けが進むようにしていて手操作による注出口形成が行ない易くなるようにしている。図3参照
【0027】
本実施の形態における液体包装容器1では、上記開封予定部12を切断して形成された注出口13から収納物を必要量注出した後で収納物注出路10を閉じることができるように設けられている。その再封にあっては注出口13が容器底部5に向くように前記収納物注出路10の山形とされた部分を背面シート7に重なる方向にして折り曲げればよく、その折り曲げにて山形とされた部分での正面シート6と背面シート7とが接し合って収納物注出路10が閉塞されるようにしている。図4参照
【0028】
(袋部)
図1に示されているように背面シート7には、注出口13が容器底部5に向くように収納物注出路10を折り曲げて上記正面シート6に重なるようにするときのその注出口13が対応する部分にして袋部16が設けられている。後述するように収納物注出路10の注出口13の部分をこの袋部16の部分に係止させることで、収納物注出路10を折り曲げてその収納物注出路10が閉塞する状態が維持されるようにしている。さらに注出口13の部分を前記袋部16の内側に位置するように覆い、この隠蔽によって注出口13に液体が付いていた場合でもその液体が他物に移ることがないようにしている。
【0029】
図2図5に示されているように上記袋部16は、背面シート7における収納部9の上部側に対応する一部を容器幅に亘り容器外方にしてかつ容器底部5に向けてZ状に折り出してなるものである。そして図5に示されているようにZ状の折りにおける容器幅方向に亘る谷折り部17の位置から正面シート6が容器底部5に向けて折り曲げられて折り出し内シート18が形成されるとともに、この折り出し内シート18の下端であって容器幅方向に亘る前記Z状の折りにおける山折り部19から正面シート6を容器上部2に向けて折り曲げて前記折り出し内シート18に重なる折り出し外シート20が形成されている。
【0030】
そして、重なる上記折り出し内シート18と折り出し外シート20との対向する四方の側辺、具体的には、折り出し内シート18と折り出し外シート20との容器側部3、4側となる側辺、上記山折り部19側となる側辺、折り出し内シート18の谷折り部17に沿う側辺及び折り出し外シート20での前記谷折り部17に対応して沿う側辺の内、山折り部19側となる側辺を除く三方の側辺同士がヒートシールされて袋シール辺部21が形成されて、折り出し外シート20の未シール領域22中、折り出し内シール18の谷折り部17の位置に沿う袋シール辺部21に近接して、容器幅方向に沿って切り込んだスリットからなる挿入口23が設けられている。
【0031】
袋部16の上記挿入口23は、上記注出口13が形成された収納物注出路10を袋部16側に向けて折り曲げたときに、その収納物注出路10の前記注出口13の部分を差し入れることができ、さらには係脱可能に係止することができるものとされている。図1に示すように開封予定部12より下位置に、シール辺部14を容器幅方向に張り出してなる係止片24があり、挿入口23に収納物注出路10の注出口13側の部分を前記係止片24を含めて若干の変形を生じさせながら差し入れれば、袋部16の内部で注出口13の部分が広がり、前記係止片24が挿入口23の縁部に係止して不用意にはこの注出口13の部分が抜け出ないようにしている。このように収納物注出路10の注出口13の部分を挿入口23に係脱可能に差し入れることができるようにするために、この実施の形態では挿入口23の幅より前記係止片24の位置する容器幅方向での寸法を少し大きくしている。
【0032】
上記挿入口23と山折り部19との間での折り出し外シート20aは、対応する折り出し内シート18に摺接可能とされていて、この折り出し外シート20aが内面同士を接しさせた状態のまま折り出し内シート18に対する相対移動することができる。勿論、折り出し内シート18に対して大きく移動するものではないが、前記挿入口23の近傍に位置しているために、この挿入口23の近傍の位置では折り出し内シート18に対する相対移動すること可能である。
【0033】
(開き手段)
そして、挿入口23の近傍位置である上記折り出し外シート20aとこれに対応する折り出し内シート18とを、例えば親指と人差し指などの二本の指で挟み持ちながら、前記折り出し外シート20aを折り出し内シート18に対して相対的にスライドさせることができ、この折り出し外シート20aを挿入口23の開き手段25として設けられている。
【0034】
即ち、挿入口23の山折り部位置に沿った袋シール辺部21側となる切り込み縁25はその袋シール辺部21に近いことから変形し難いが、これに対向位置する切り込み縁26は上記折り出し外シート20aが移動することから変形し易い部分であり、よってこの開き手段25を折り出し内シート18に対してスライドさせるという頗る簡単な操作をすることで、切り込み縁26と切り込み縁27との間が離れて挿入口23が開き、上記収納物注出路10の注出口13の部分を差し入れ易くなるようにしている。なお、図5において、開き手段25を引いて挿入口23を開いた状態を一点鎖線にて示した。
【0035】
上記実施の形態では底面シートを有して容器底部を広げることで自立するスタンディングパウチタイプの容器を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、四方シールタイプの容器であって自立性がある容器に対しても実施できるものである。
【符号の説明】
【0036】
1…液体包装容器
2…容器上部
3…容器側部
4…容器側部
5…容器底部
6…正面シート
7…背面シート
10…収納物注出路
11…先端部
12…開封予定部
13…注出口
14…シール辺部
15…ノッチ
16…袋部
17…谷折り部
18…折り出し内シート
19…山折り部
20…折り出し外シート
20a…折り出し外シート
21…袋シール辺部
22…未シール領域
23…挿入口
24…係止片
25…開き手段
26…切り込み縁
27…切り込み縁
図1
図2
図3
図4
図5