(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の現像剤により、像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置の現像部に収容される第1の現像剤であって、第1の負帯電性トナーとキャリアとを含む第1の現像剤と、
第2の現像剤を前記現像部に補給する現像装置の現像剤補給部に収容される第2の現像剤であって、前記第1の負帯電性トナーよりも帯電列が正極側に位置する第2の負帯電性トナーを含む第2の現像剤と、
を有し、
前記第1の負帯電性トナーの標準帯電能をECAとし、前記第2の負帯電性トナーの標準帯電能をECBとしたとき、下記関係式(1)を満たし、
前記第1の負帯電性トナーの標準帯電能をECAとし、前記第2の負帯電性トナーの標準帯電能をECBとし、前記キャリアの標準帯電能をECCとしたとき、下記関係式(2)を満たす現像剤セット。
・関係式(1): 7≦ECA−ECB≦20
・関係式(2):0.3≦|ECA−ECB|/|ECC−ECB|≦1.0
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
【0020】
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電された像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、現像剤により、像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、像保持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。
そして、現像装置(本実施形態に係る現像装置)は、第1の負帯電性トナー(以下、「収容トナー」とも称する)とキャリア(以下、「収容キャリア」とも称する)とを含む第1の現像剤(以下、「収容現像剤」とも称する)を収容し、収容現像剤により、像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、収容トナーよりも帯電列が正極側に位置する第2の負帯電性トナー(以下、「補給トナー」とも称する)を含む第2の現像剤(以下、「補給現像剤」とも称する)を収容し、補給現像剤を現像部に補給する現像剤補給部と、を備える。
【0021】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、収容トナーとキャリアとを含む収容現像剤により、像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、像保持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、収容現像剤に、補給トナーを含む補給現像剤を補給する補給工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
つまり、現像装置(本実施形態に係る現像装置)では、収容トナーと収容キャリアとを含む収容現像剤により、像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、収容現像剤に、補給トナーを含む補給現像剤を補給する補給工程と、を有する現像方法が実施される。
【0022】
本実施形態に係る現像装置、及びそれを備える画像形成装置は、上記構成により、低密度画像(例えば3%以下の画像密度の画像)を繰り返し出力したときに生じる、かぶり(非画像部にトナーが付着する現象)の発生を抑制する。その理由は定かではないが、以下に示す理由によると推測される。
【0023】
まず、低画像密度の画像を繰り返し出力すると、現像装置の現像部において、収容現像剤に含まれる収容トナーが消費されずに滞留する。この滞留した収容トナーは、撹拌等による機械的負荷を受けて劣化が進行し、帯電量が低下する。収容トナーの帯電量が低下すると、かぶりが発生しやすくなる。
【0024】
一方、現像装置の現像剤補給部から、収容トナーよりも帯電列が正極側に位置する補給トナーを含む補給現像剤が現像部に供給すると、互いに帯電列が異なる収容トナーと補給トナーとが互いに接触し、撹拌されて、両トナー同士の相互帯電が発生する。このとき、収容トナーよりも帯電列が負極側に位置する収容トナーの帯電量が底上げされる。このため、機械的負荷を受けても、収容トナーの帯電量の低下が抑制される。
【0025】
以上から、本実施形態に係る現像装置、及びそれを備える画像形成装置では、低密度画像を繰り返し出力したときに生じる、かぶりの発生を抑制すると推測される。
【0026】
ここで、収容トナーが劣化し、帯電量が低下すると、収容トナーの劣化前の画像と劣化後の画像とで濃度変動が生じる。更に、低帯電トナーによるかぶり及び劣化トナーの転写性が低下するため、収容トナーの消費量が増加する。これに対して、本実施形態に係る現像装置、及びそれを備える画像形成装置では、収容トナーの帯電量の低下が抑制されることから、画像の濃度変動、及び収容トナーの消費量の増加も抑制される。
【0027】
なお、従来、例えば、特開平3−91782においては、劣化トナーを現像装置内から除去するトナー除去装置が提案されている。また、特開2006−313307においては、帯電量の低下した小粒径トナーの排出を選択的に行う画像形成装置が提案されている。しかし、いずれの技術も、いずれも低帯電化した劣化トナーを除去または排出しているだけであり、トナーの帯電量の低下抑制の解決には至っていない。
【0028】
本実施形態に係る現像装置、及びそれを備える画像形成装置において、収容トナーよりも補給トナーの帯電列を正極側に位置させる。つまり、収容トナーよりも補給トナーの負極へ帯電する性質を低くすることがよい。また、収容トナーと補給トナーとの帯電列の差が5よりも小さいと、両トナーの相互帯電が生じ難くなる。一方で、両トナーの帯電列の差が30を超えると、両トナーの相互帯電が生じたとき、補給トナーの逆極化が発生することがある。
このため、かぶりの発生を抑制する点から、収容トナーの標準帯電能をEC
Aとし、補給トナーの標準帯電能をEC
Bとしたとき、下記関係式(1)を満たすことが好ましく、下記関係式(1−2)を満たすことがより好ましく、下記(1−3)を満たすことが更に好ましい。ここで、トナーの標準帯電能は、外添剤を含む場合、外添剤を含めたトナー全体の標準帯電能である。
・関係式(1): 5≦EC
A−EC
B≦30
・関係式(1−2): 5≦EC
A−EC
B≦20
・関係式(1−3): 7≦EC
A−EC
B≦15
【0029】
また、収容トナーおよび補給トナーの帯電列の差が、収容キャリアおよび補給トナーとの帯電列の差よりも小さすぎると、両トナーの相互帯電が生じ難くなる。一方で、収容トナーおよび補給トナーの帯電列の差が、収容キャリアおよび補給トナーとの帯電列の差よりも大きくなると、両トナーの相互帯電が生じたとき、補給トナーの逆極化が発生することがある。
このため、かぶりの発生を抑制する点から、収容トナーの標準帯電能をEC
Aとし、補給トナーの標準帯電能をEC
Bとし、収容キャリアの標準帯電能をEC
Cとしたとき、下記関係式(2)を満たすことが好ましく、下記関係式(2−2)を満たすことがより好ましく、下記関係式(2−3)を満たすことが更に好ましい。
・関係式(2) :0.3≦|EC
A−EC
B|/|EC
C−EC
B|≦1.0
・関係式(2−2):0.4≦|EC
A−EC
B|/|EC
C−EC
B|≦0.7
・関係式(2−3):0.4≦|EC
A−EC
B|/|EC
C−EC
B|≦0.6
【0030】
トナーの標準帯電能は、日本画像学会技術委員会頒布の標準キャリア4種を用いて、日本画像学会標準トナー帯電量測定法に準拠した方法により測定された値である。具体的には、以下の通りである。
正帯電性トナー用キャリアとして、フッ素系樹脂を複合させて樹脂を被覆したP−01,P−02の2種類のキャリアを設定し、負極性トナー用キャリアとしてはアクリル系樹脂を被覆したN−01,N−02種類のキャリアを設定した。各4種類のキャリアを用いてトナーの帯電量をトナー濃度5%で測定し、ゼロポイント・チャージ法を用いて、X=0の時のY軸上の値をトナーの帯電列(標準帯電能)と規定した。
【0031】
キャリアの標準帯電能は、次に示す方法により測定された値である。
トナーの帯電量がふれた負帯電トナー2種類と正帯電トナー2種類を設定した。各4種類のトナーを用いて、トナーの帯電能を算出する方法と同様にゼロポイント・チャージ法を用いて、X=0の時のY軸上の値をキャリアの帯電列(標準帯電能)と規定した。
【0032】
なお、各トナーの帯電列(つまり標準帯電能)の調整は、例えば、1)トナー粒子の樹脂種により調整する方法、2)トナー粒子の樹脂組成により調整する方法、3)外添剤組成及び添加量により調整する方法、等により行う。
【0033】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着装置を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電装置を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
【0034】
中間転写方式の装置の場合、転写装置は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写装置と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写装置と、を有する構成が適用される。
【0035】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0036】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。なお、
図1に示す画像形成装置において、現像装置が現像部に該当し、トナーカートリッジが現像剤補給部に該当する。
【0037】
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0038】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
【0039】
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0040】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
【0041】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10
−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0042】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
【0043】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0044】
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0045】
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0046】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0047】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0048】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0049】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0050】
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0051】
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0052】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0053】
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、
図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
【0054】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0055】
なお、
図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【0056】
ここで、本実施形態に係るプロセスカートリッジおよびトナーカートリッジにおいて、現像装置が現像部に該当し、トナーカートリッジが現像剤補給部に該当する。
【0057】
<現像剤>
本実施形態では、現像装置(現像部)に収容される収容現像剤と、トナーカートリッジ(現像剤補給部)に収容される補給現像剤と、を現像剤セットとして組み合わせて用いる。
収容現像剤は、収容トナーと収容キャリアとを含む現像剤である。一方、補給現像剤は、補給トナーを含む現像剤である、補給現像剤は、通常、補給トナーのみから構成される。但し、例えば、現像方式として、劣化した収容現像剤(収容トナーおよび収容キャリア)を排出しつつ現像するトリクル現像方式を採用する場合等、現像方式に応じて、補給現像剤には、補給キャリアを含んでいてもよい。なお、補給キャリアは、収容キャリアと同じキャリアを使用することがよい。
【0058】
以下、収容トナーと補給トナーの成分の詳細について、両トナーを「トナー」と称して説明する。同様に、収容キャリアと補給キャリアの成分の詳細についても、両キャリアをキャリアと称して説明する。
【0059】
トナーについて説明する。
トナーは、トナー粒子を有する。トナーは、必要に応じて、外添剤を有していてもよい。
【0060】
トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、結着樹脂を含む。トナー粒子は、必要に応じて、着色剤、離型剤、その他添加剤を含んでもよい。
【0061】
結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0062】
これらの結着樹脂の中でも、ポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂が好適である。
【0063】
ポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
【0064】
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
【0065】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0066】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0067】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0068】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0069】
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮重合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
【0070】
次に、スチレン(メタ)アクリル樹脂について説明する。
スチレン(メタ)アクリル樹脂は、スチレン系単量体と、(メタ)アクリル系単量体と、を少なくとも共重合した共重合体が挙げられる。なお、スチレン(メタ)アクリル樹脂は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル系単量体以外に、その他のモノマーを共重合した共重合体であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル」等の記述は、「アクリル」及び「メタクリル」等のいずれをも含む表現である。
【0071】
スチレン系単量体は、スチレン骨格を有する単量体である。スチレン系単量体としては、具体的には、スチレン;ビニルナフタレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のアルキル置換スチレン;p−フェニルスチレン等のアリール置換スチレン;p−メトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン;p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン;m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のニトロ置換スチレン;などが挙げられる。これらの中でも、スチレン系単量体としては、スチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン等がよい。
【0072】
これらのスチレン系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0073】
(メタ)アクリル系単量体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。(メタ)アクリル系単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリーコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリラート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラート、ノナンジオールジ(メタ)アクリラート、デカンジオールジ(メタ)アクリラート等のジ(メタ)アクリル酸エステル
(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル等の(メタ)アクリル酸カルボキシ置換アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル;
等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステルの中でも、定着性の点から、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルがよい。
【0074】
(メタ)アクリル系単量体としては、上記した(メタ)アクリル酸エステルの他、(メタ)アクリル酸も挙げられる。
【0075】
これらの(メタ)アクリル系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0076】
その他のモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和ニトリル類(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、ジビニル類(アジピン酸ジビニル等)、オレフィン類(エチレン、プロピレン、ブタジエン等)、等が挙げられる。
【0077】
スチレン(メタ)アクリル樹脂において、スチレン系単量体の全重合成分に対する割合(即ち、スチレン系単量体に由来する繰り返し単位の樹脂全体の質量に対する割合)は、画像保存性の点から、60質量%以上がよく、好ましくは65質量%以上90質量%以下、より好ましくは70質量%以上85質量%以下である。
一方、(メタ)アクリル系単量体の全重合成分に対する割合(即ち、(メタ)アクリル系単量体に由来する繰り返し単位の樹脂全体の質量に対する割合)は、定着性の点から、10質量%以上40質量%以下がよく、より好ましくは10質量%以上35質量%以下である。
【0078】
スチレン(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの粉体特性に優れる点から、40℃以上70℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度と同様に測定される。
【0079】
スチレン(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、トナーの粉体特性に優れる点から、20,000以上200,000以下が好ましく、40,000以上100,000以下がより好ましい。
スチレン(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、5,000以上30,000以下が好ましい。
スチレン(メタ)アクリル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1以上10以下が好ましく、2以上6以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリエステル樹脂の分子量と同様にして測定される。
【0080】
スチレン(メタ)アクリル樹脂の合成には、周知の重合法(ソープフリー乳化重合、懸濁重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルション重合等のラジカル重合法)が適用される。
なお、重合の際、架橋剤(例えば、デカンジオールジアクリラート)の量を調整することで、スチレン(メタ)アクリル樹脂の架橋密度を制御してもよい。
【0081】
結着樹脂の含有量について説明する。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
【0082】
着色剤について説明する
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0083】
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0084】
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0085】
離型剤について説明する。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0086】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0087】
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0088】
−−その他の添加剤−−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
【0089】
トナー粒子の特性等について説明する。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
【0090】
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
【0091】
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)
1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)
1/2として算出される。
【0092】
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
【0093】
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML
2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
【0094】
外添剤について説明する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO
2、TiO
2、Al
2O
3、CuO、ZnO、SnO
2、CeO
2、Fe
2O
3、MgO、BaO、CaO、K
2O、Na
2O、ZrO
2、CaO・SiO
2、K
2O・(TiO
2)n、Al
2O
3・2SiO
2、CaCO
3、MgCO
3、BaSO
4、MgSO
4等が挙げられる。
【0095】
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
【0096】
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
【0097】
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0098】
トナーの製造方法について説明する。
トナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
【0099】
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
【0100】
キャリアについて説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
【0101】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
【0102】
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0103】
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
【0104】
ここで、現像剤のうち、収容現像剤における収容トナーと収容キャリアとの混合比(質量比)は、収容トナー:収容キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
一方、補給現像剤が補給キャリアを含む場合、補給トナーと補給キャリアとの混合比は、補給トナー:補給キャリア=100:5乃至100:30が好ましく、100:10乃至100:25がより好ましい。
【実施例】
【0105】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りがない限り、以下の実施例において「部」は質量部を、「%」は質量%を意味する。
【0106】
<ポリエステル樹脂粒子分散液の調製>
(ポリエステル樹脂粒子分散液(PE1))
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 37質量部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 65質量部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕: 32質量部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕: 96質量部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂(PE1)を得た。
【0107】
次いで、ポリエステル樹脂(PE1)を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm
2の条件でキャビトロンを運転し、
体積平均粒径D50v=160nm、固形分30%のポリエステル樹脂粒子分散液(PE1)を得た。
【0108】
<スチレンアクリル樹脂粒子分散液の調製>
(スチレンアクリル樹脂粒子分散液(SA1))
・スチレン : 320質量部
・n−ブチルアクリレート :80質量部
・アクリル酸 : 12質量部
・10−ドデカンチオール : 2質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径D50v=210nm、ガラス転移温度Tg=50℃、重量平均分子量Mw=38000、固形分30%のスチレンアクリル樹脂粒子分散液(SA1)を得た。
【0109】
<着色剤粒子分散液の調製>
(着色剤粒子分散液(1)の調製)
・シアン顔料: 10質量部
〔C.I.PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕
・アニオン性界面活性剤: 2質量部
〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕
・イオン交換水: 80質量部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20質量%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
【0110】
<離型剤粒子分散液の調製>
(離型剤粒子分散液(1))
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕: 50質量部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕: 2質量部
・イオン交換水: 200質量部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
【0111】
<トナー粒子の作製>
(トナー粒子(1)の作製)
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(SA1): 200質量部
・着色剤粒子分散液(1): 25質量部
・離型剤粒子分散液(1): 30質量部
・ポリ塩化アルミニウム: 0.4質量部
・イオン交換水: 100質量部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに、追加樹脂粒子分散液として、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(SA1)を70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
トナー粒子の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
【0112】
(トナー粒子(2)〜(6)の作製)
表1に従って、樹脂粒子分散液の種類を変えた以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(2)〜(6)を作製した。
【0113】
<トナーの作製>
(トナー(1)〜(6)の作製)
トナー(1):100質量部に、表1に示した種類及び部数の外添剤を加え、高速混合機によって混合し、トナー(1)〜(6)を得た。得られたトナーは負帯電性のトナーであった。なお、使用した外添剤は、以下の通りである。
【0114】
−外添剤の詳細−
・外添剤(1):商品名「JMT200(製造元:テイカ社製)」、表面処理されたチタン粒子、体積平均粒径=20nm
・外添剤(2):商品名「STT100H(製造元:チタン工業社製)」、表面処理されたチタン粒子、体積平均粒径=40nm
・外添剤(3):商品名「X24(製造元:信越化学工業社製)」、疎水化処理シリカ粒子、体積平均粒径=140nm
・
<キャリアの作製>
(キャリア(1)の作製)
・フェライト粒子(体積平均粒径45μm) 100質量部
・トルエン 14質量部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)20/80) 3質量部
・カーボンブラック 0.2質量部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリア(1)を得た。
【0115】
(キャリア(2)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を10/90とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(2)を得た。
【0116】
(キャリア(3)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を15/85とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(3)を得た。
【0117】
(キャリア(4)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を8/92とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(4)を得た。
【0118】
(キャリア(5)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を30/70とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(5)を得た。
【0119】
(キャリア(6)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を7/93とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(6)を得た。
【0120】
(キャリア(7)の作製)
スチレン/メタルメタクリレート共重合体の共重合比(スチレン/メチルメタクリレート)を5/95とした以外は、キャリア(1)と同様にして、キャリア(7)を得た。
【0121】
<実施例1>
トナー(1): 10質量部とキャリア(1): 90質量部とを、V型ブレンダーで、攪拌速度20rpmで15分間混合して、収容現像剤1を作製した。そして、画像形成装置「商品名富士ゼロックス社製、DocuCentreColor400CP改造機の現像装置の現像部に、現像剤1を収容した。一方、トナー(2)を補給現像剤(補給トナー)として、画像形成装置のトナーカートリッジに収容した。
の各現像剤を収容した画像形成装置を、実施例1の画像形成装置とした。
【0122】
<実施例2〜5、比較例1〜2>
表2に従って、収容現像剤のトナー及びキャリアの種類と、補給現像剤(補給トナー)のトナーの種類とを変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の画像形成装置を得た。
【0123】
<測定>
(標準帯電量の測定)
各例の画像形成装置で使用するトナー及びキャリアの標準帯電能の関係について、既述の方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
【0124】
<評価>
各例の画像形成装置を用いて、次の評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0125】
(かぶりの評価)
常温常湿環境(温度25℃、湿度50%程度)の下、画像密度1%の画像を連続で10,000枚出力し、10,000枚出力時に、現像状態の感光体を一旦停止させ、感光体上の非画像部分をテープに転写した。その後、このテープを白色紙に貼り付け、テープ部分のかぶりの評価を実施した。
評価基準は以下の通りである。但し、B(○)以上が実使用上問題なく使用できるレベルである。
A(◎):目視で全くかぶりトナーが全く確認できない
B(○):目視レベルでかぶりトナーがほとんど確認できない
C(△):目視レベルでかぶりがうっすら確認できる
D(×):目視レベルでかぶりがはっきりと確認できる
【0126】
(画像濃度安定性の評価)
常温常湿環境(温度25℃、湿度50%程度)の下、画像密度1%の画像を連続で10,000枚出力し、1000枚出力時と10,000枚出力時の画像の濃度を、X−rite社製の濃度測定器「X−rite404A」により測定した。そして、この1000枚出力時と10,000枚出力時との画像の濃度の差分を求め、画像濃度安定性の評価を実施した。
評価基準は以下の通りである。但し、B(○)以上が実使用上問題なく使用できるレベルである。
A(◎):濃度の差分が0.10以下
B(○):濃度の差分が0.10超え、0.15以下
C(△):濃度の差分が0.15超え、0.20以下
D(×):濃度の差分が0.20超え
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、かぶりの評価について良好な結果が得られておいることがわかる。
また、本実施例では、比較例に比べ、画像濃度安定性の評価についても良好な結果が得られていることがわかる。