(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394358
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】シャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20180913BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20180913BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20180913BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20180913BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20180913BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20180913BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20180913BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/73
A61Q5/02
C11D1/28
C11D1/88
C11D3/37
C11D17/08
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-254620(P2014-254620)
(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-113423(P2016-113423A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】藤田 博也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 諭
【審査官】
松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−233743(JP,A)
【文献】
特開2000−109888(JP,A)
【文献】
特開2006−282616(JP,A)
【文献】
特開2000−178590(JP,A)
【文献】
特開2014−172882(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/039086(WO,A1)
【文献】
国際公開第2004/029190(WO,A1)
【文献】
国際公開第2004/061060(WO,A1)
【文献】
特開2003−048822(JP,A)
【文献】
特開2010−132567(JP,A)
【文献】
特開平11−171736(JP,A)
【文献】
特開2004−217614(JP,A)
【文献】
国際公開第02/087526(WO,A1)
【文献】
特開2016−023173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
C11D 1/00− 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)成分:式(1)で表されるアシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体を3〜30質量%、
(b)成分:両性界面活性剤を3〜30質量%、
(c)成分:カチオン化ポリマーを0.03〜3質量%、および
(d)成分:水を37〜94質量%含有し、
(a)成分において、式(1)中のRCOが炭素数14のアシル基であるアシルメチルタウリン誘導体の含有率が26質量%以上であり、
(a)成分と(b)成分の質量比((a)/(b))が0.2〜3
であるシャンプー組成物。
【化1】
(式中のRCOは炭素数8〜22のアシル基を示し、Xは式(2)で表されるカチオンを示す。)
【化2】
(式中のMはアルカリ金属、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、毛髪は、パーマ、ヘアカラー、ブリーチといった化学的処理や、紫外線量の増加に起因して日光の暴露によって毛髪が痛むことがあり、ダメージ毛となる場合が多い。健常毛は一般に疎水化された状態であるが、ダメージ毛では、根元付近は疎水的ではあるものの毛先付近は疎水性が失われ、毛髪が細くなっている。こうした状態で毛髪を洗浄すると、健常毛よりも毛髪同士がより絡みあいやすく、指通り性が悪くなり枝毛や裂毛を生じる可能性が高い。また、乾燥後、根元付近から毛先まで均一なしっとり感が得られず、シャンプー後、コンディショナーを使用したときの指通り性などのコンディショニング効果が十分でない場合があった。
【0003】
こうした課題を解決するために、例えば、特許文献1においては、ラウロイルN−メチルタウリンナトリウムとポリエチレングリコールとグリセリンを含有する毛髪洗浄料が記載されている。しかし、この毛髪洗浄料は、使用後、しっとりはするが、洗髪、すすぎ時の指通り性が不十分であった。
また、特許文献2においては、N−ラウロイルメチルタウリンタウリンナトリウムを含有するシャンプーが記載されている。しかし、このシャンプーは、すすぎ時の指通り性に優れるものの、乾燥後の毛先までの均一なしっとり感が得られなかった。
また、特許文献3においては、p−トルエンスルホン酸、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレン( 2) ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、カチオン化ヒドロキシエチルセルロースを含有する毛髪洗浄剤が記載されている。しかし、この毛髪洗浄剤は、洗髪、すすぎ時の指通り性に優れ、乾燥後の毛髪のうねりは抑制されるものの、毛先までの均一なしっとり感が得られず、シャンプー後、コンディショナーを使用したときの指通り性などのコンディショニング効果が十分でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001- 233743号公報
【特許文献2】特開2000−109888号公報
【特許文献3】特開2006−282616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、すすぎ時の指通り性、およびコンディショナー使用後の指通り性のいずれもが良好であるシャンプー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体、両性界面活性剤、カチオン化ポリマー、および水をそれぞれ特定量含有し、かつ前記トリメチルグリシン誘導体と前記両性界面活性剤との質量比を特定範囲とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(a)成分:式(1)で表されるアシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体を3〜30質量%、
(b)成分:両性界面活性剤を3〜30質量%、
(c)成分:カチオン化ポリマーを0.03〜3質量%、および
(d)成分:水を37〜94質量%含有し、
(a)成分において、式(1)中のRCOが炭素数14のアシル基であるアシルメチルタウリン誘導体の含有率が26質量%以上であり、
(a)成分と(b)成分の質量比((a)/(b))が0.2〜3
であるシャンプー組成物である。
【0008】
【化1】
(式中のRCOは炭素数8〜22のアシル基を示し、Xは式(2)で表されるカチオンを示す。)
【0009】
【化2】
(式中のMはアルカリ金属、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明のシャンプー組成物によれば、すすぎ時の指通り性、およびコンディショナー使用後の指通り性のいずれをも良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明のシャンプー組成物は、(a)成分:式(1)で表されるアシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体、(b)成分:両性界面活性剤、(c)成分:カチオン化ポリマー、および(d)成分:水を含有する。
各成分について順次説明する。
【0012】
〔(a)成分:アシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体〕
本発明における(a)成分は、式(1)で表されるアシルメチルタウリンのメチルグリシン誘導体である。
式(1)中のRCOは炭素数8〜22のアシル基を示し、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸残基である。例えば、カプリロイル基(カプリル酸残基)、カプリノイルル基(カプリン酸残基)、ラウリロイル基(ラウリン酸残基)、ミリストイル基(ミリスチン酸残基)、パルミトイル基(パルミチン酸残基)、パルミトレノイル酸(パルミトレイン酸残基)、ステアロイル基(ステアリン酸残基)、オレオイル基(オレイン酸残基)、リノレオイル基(リノール酸残基)、アラキジノイル基(アラキジン酸残基)、ベヘノイル基(ベヘン酸残基)等が挙げられる。
また、炭素数8〜22のアシル基として、混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができ、混合脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。
【0013】
式(1)中のXは式(2)で表されるカチオンを示す。
式(2)で表されるカチオンは、トリメチルグリシン塩である。式(2)中のMは、アルカリ金属、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示し、例えば、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン塩酸塩等が挙げられる。Mとしては、ナトリウムが好ましい。
【0014】
(a)成分において、式(1)中のRCOが炭素数14のアシル基であるアシルメチルタウリン誘導体の含有率は、通常26質量%以上であり、30質量%以上が好ましい。かかるアシルメチルタウリン誘導体の含有率が低すぎると、すすぎ時の指通り性が悪くなり、コンディショナー使用後の指通り性も悪くなるおそれがある。
なお、上記アシルメチルタウリン誘導体の含有率の上限は、通常80質量%、好ましくは70質量%である。
【0015】
式(1)で表されるアシルメチルタウリンのトリメチルグリシン誘導体は、公知の方法により製造することができる。例えば、公知の方法により製造したアシルメチルタウリンに、目的とする対イオンとなるトリメチルグリシン塩、例えばトリメチルグリシンナトリウムを、アシルメチルタウリンのモル数に対して、1.0〜1.2倍量仕込み、温度50〜80℃にて攪拌することにより製造することができる。
【0016】
本発明のシャンプー組成物において(a)成分の含有量は、通常3〜30質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。(a)成分の含有量が少なすぎると、泡立ちが悪くなるおそれがあり、(a)成分の含有量が多すぎると、すすぎ時の指通り性が悪くなるおそれがある。
【0017】
〔(b)成分:両性界面活性剤〕
本発明における(b)成分は、両性界面活性剤であり、(a)成分と併用することで泡質を向上させることで泡立ちを向上させる効果がある。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルヒドロシキシスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドヒドロキシエチルアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジ酢酸塩等が挙げられる。
アルキル基またはアシル基の炭素数は、洗浄力や起泡力の観点から、10〜18であることが好ましく、特に好ましくは12〜14である。また、アシル基として、ヤシ油脂肪酸などの混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができる。
【0018】
両性界面活性剤として具体的には、ラウリルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ニッサンアノン(登録商標)BDF(登録商標)−R、日油株式会社製)、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ニッサンアノン(登録商標)BF(登録商標)、日油株式会社製)パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
【0019】
本発明のシャンプー組成物において(b)成分の含有量は、通常3〜30質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。(b)成分の含有量が少なすぎると、泡立ちや泡質が悪くなるおそれがあり、(b)成分の含有量が多すぎると、すすぎ時の指通り性が悪くなるおそれがある。(b)成分は1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
【0020】
〔(c)成分:カチオン化ポリマー〕
本発明における(c)成分は、カチオン化ポリマーであり、例えば、カチオン性を示す第四級窒素含有基を有する高分子化合物が用いられる。カチオン化ポリマーとしては、化粧料に常用され、毛髪にコンディショニング効果を付与できるものを用いることができ、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、アクリル系カチオン化ポリマー等が挙げられる。
カチオン化セルロースとして具体的には、ポリマーJR−125、ポリマーJR−400、ポリマーJR−30M、ポリマーLR−400(いずれもユニオンカーバイド社製)、ジェルナーQH−300(ダイセル化学工業株式会社製)などに代表される四級窒素含有セルロースエーテル誘導体が挙げられる。
カチオン化グアーガムとして具体的には、カチナールCG−100、カチナールCG−100S(いずれも東邦化学工業株式会社製)、コスメディアC−261(ヘンケル社製)などに代表される第四級窒素含有グァーガム誘導体が挙げられる。
アクリル系カチオン化ポリマーとして具体的には、マーコート100、マーコート280、マーコート550(いずれもメルク社製)、セルコートH−100、セルコートL−200(いずれもナショナルスターチ社製)などに代表される塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体が挙げられる。
これらの中で、好ましくは四級窒素含有セルロースエーテル誘導体であるカチオン化セルロースである。
なお、(c)成分は1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明のシャンプー組成物において(c)成分の含有量は、通常0.03〜3質量%であり、好ましくは0. 05〜2質量%、特に好ましくは0. 1〜1. 5質量%である。(c)成分の含有量が少なすぎると、洗浄時およびすすぎ時の指通り性が悪くなるおそれがあり、(c)成分の含有量が多すぎると、洗髪乾燥後の毛髪のしっとり感が悪くなるおそれがある。
【0022】
〔(d)水〕
本発明における(d)成分は水であり、その含有量は、通常37〜94質量%であり、好ましくは60〜90質量%である。
【0023】
本発明のシャンプー組成物において、(a)成分と(b)成分の質量比((a)/(b))は、通常0.2〜3であり、好ましくは0. 5〜2. 5、特に好ましくは0. 8〜2である。質量比((a)/(b))が小さすぎたり、大きすぎたりすると、すすぎ時の指通り性が悪くなり、洗髪乾燥後の毛髪のしっとり感も悪くなるおそれがある。
【0024】
本発明のシャンプー組成物において、(a)成分〜(d)成分の総含有量は、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。
【0025】
以上の(a)成分〜(d)成分を混合することにより、本発明のシャンプー組成物が得られる。
本発明のシャンプー組成物には、シャンプーに使用される他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜含有させることができる。
このような成分としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤;高級脂肪酸、高級アルコールなどの増泡剤;ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどのパール光沢付与剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどの増粘剤;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、イソプレングリコールなどの保湿剤;スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ラノリン、レシチンなどの油分;パラベンなどの防腐剤;サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどの殺菌剤;クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤;エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸などの金属イオン封鎖剤;パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤;5−メチル−2−イソプロピルシクロヘキサノール、トウガラシチンキなどのトニック剤;ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロールなどの酸化防止剤;動植物由来の抽出エキス、色素、香料などを挙げることができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
表1に記載の(a)成分、表2に記載の(b)成分、表3および4に記載の(c)成分および水を用い、表3および4に記載の配合に基づいて、常法に従い、シャンプー組成物を調製した。
実施例および比較例で得られたシャンプー組成物を試料として、下記のとおり評価を行い、その結果を表3および4にまとめた。なお、以下において「%」は質量%を意味し、表3および4中の各成分の数値は含有量(質量%)を意味する。
【0027】
(1)すすぎ時の指通り性
男女各10名をパネラーとし、シャンプー組成物5gを使用し、毛髪および頭皮を洗浄し、すすいだときの指通り性を評価した。きしみ感を感じなかった場合を2点、ややきしみ感があると感じた場合を1点、きしみ感が強いと感じた場合を0点とし、20名の合計点から、次の3段階に評価した。
○:指通り性が良好(合計点30点以上)
△:指通り性がやや良好である(合計点20点以上30点未満)
×:指通り性が悪い(合計点20点未満)
【0028】
(2)コンディショナー使用後の指通り性
ダメージ毛として、30cmの健常な毛束10g(人毛黒髪, ビューラックス社製)を4.5%過酸化水素水溶液に30分間浸漬し、更に2.5%アンモニア水溶液に30分間浸漬した後、水道水にてすすぐ工程を6回繰り返して作製した。このダメージ毛を、各シャンプー組成物を10倍希釈した水溶液へ5分間浸漬した後、1Lの水道水ですすいだ。この後、下記の評価用コンディショナー3gで処理した後、水道水にてすすぎ、恒温恒湿室内(25℃、50RH)にて風乾した。
この処理毛を各10名の男女パネラーで、処理毛の指通り性について評価した。根元部分と毛先部分で差が無く、均一な指通り性を感じた場合を2点、やや均一な指通り性を感じた場合を1点、均一な指通り性を感じない場合を0点として、20名の合計点を求め、以下のように評価した
○:指通り性が良好(合計点30点以上)
△:指通り性がやや良好である(合計点20点以上30点未満)
×:指通り性が悪い(合計点20点未満)
【0029】
〔評価用コンディショナーの調製〕
(配合組成)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム:0. 7%
セチルアルコール :1. 5%
ステアリルアルコール :1. 0%
グリセリン :2. 0%
精製水 :94. 8%
(製法)
精製水に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、グリセリンを混合し70℃に保ち(水相)、これにセチルアルコール、ステアリルアルコールを予め混合して加熱溶解した油相を加えて乳化させた後、冷却した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
表3に示す実施例1〜5の評価結果より、本発明のシャンプー組成物は、すすぎ時の指通り性、およびコンディショナー使用後の指通り性のいずれも良好であった。
一方、表4に示すとおり、比較例1〜9では十分な性能が得られなかった。
つまり、比較例1、2では、RCOが炭素数14のアシル基(ミリスチン酸残基)であるアシルメチルタウリン誘導体の含有率が26質量%未満である(a’)成分を用いているので、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性が十分ではなかった。
比較例3、4では、(a)成分に代えて、(a)成分と異なる界面活性剤を用いているので、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性が十分ではなかった。
比較例5では、(a)成分を含有していないことから、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性がともに悪かった。
比較例6では、(b)成分を含有していないことから、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性が十分ではなかった。
比較例7では、(c)成分を含有していないことから、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性がともに悪かった。
比較例8では、質量比((a)/(b))が本発明規定範囲の上限値を上回っていることから、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性が十分ではなかった。
比較例9では、質量比((a)/(b))が本発明規定範囲の下限値を下回っていることから、すすぎ時の指通り性とコンディショナー使用後の指通り性が十分ではなかった。