特許第6394384号(P6394384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394384
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】清掃装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20180913BHJP
   G03G 15/10 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G03G21/00 328
   G03G15/10 112
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-265488(P2014-265488)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-126095(P2016-126095A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊彦
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−198084(JP,A)
【文献】 特開2007−133253(JP,A)
【文献】 特開2013−148799(JP,A)
【文献】 米国特許第03918807(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/10
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体現像剤を用いて形成されて記録媒体に転写されるトナー画像を保持しながら周回する保持部材から被受渡部材に受け渡されずに外周面に残留した液体現像剤を、前記外周面に先端部を接触させることで掻き取る板状の掻取部材と、
前記掻取部材によって掻き取られた液体現像剤を回収する第一回収部材と、
前記掻取部材をすり抜けて前記掻取部材の裏面に付着して落下した液体現像剤を回収する第二回収部材と、
を備える清掃装置。
【請求項2】
静電潜像が形成される像保持体に周回しながら液体現像剤を受け渡す現像部材から前記像保持体に受け渡されずに外周面に残留した液体現像剤を、前記外周面に先端部を接触させることで掻き取る板状の掻取部材と、
前記掻取部材によって掻き取られた液体現像剤を回収する第一回収部材と、
前記掻取部材をすり抜けて前記掻取部材の裏面に付着して落下した液体現像剤を回収する第二回収部材と、
を備える清掃装置。
【請求項3】
前記第二回収部材には、液体現像剤を受け入れる開口部が形成され、
前記開口部は、前記掻取部材の基端側の部分に対して下方側に配置されている請求項1又は2に記載の清掃装置。
【請求項4】
液体現像剤を回転しながら前記現像部材に供給する供給部材が、前記掻取部材の下方側に配置され、
前記第二回収部材は、上下方向において、前記掻取部材と前記供給部材との間に配置されている請求項2を引用する請求項3に記載の清掃装置。
【請求項5】
周回しながら静電潜像が形成される像保持体と、
周回しながら液体現像剤を前記像保持体に受け渡し、静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、
前記像保持体に形成された前記トナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、
前記像保持体の外周面を清掃する請求項1、又は請求項1を引用する請求項3に記載の清掃装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
周回しながら静電潜像が形成される像保持体と、
周回しながら液体現像剤を前記像保持体に受け渡し、静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、
周回しながら前記像保持体に形成されたトナー画像が転写され、トナー画像を記録媒体に転写する前に中間的に保持する中間保持部材と、
前記中間保持部材に転写されたトナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、
前記中間保持部材の外周面を清掃する請求項1、又は請求項1を引用する請求項3に記載の清掃装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項7】
静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体に周回しながら液体現像剤を受け渡して前記静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、
前記現像部材の外周面を清掃する請求項2、請求項2を引用する請求項3、又は請求項4に記載の清掃装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体現像装置の現像ローラをクリーニングするクリーニング装置が記載されている。このクリーニング装置は、先端部が現像ローラと接触するクリーニングブレードを備えている。さらに、クリーニング装置は、現像ローラの表面から回収した液体現像剤を貯溜する貯溜室を備え、クリーニングブレードが貯溜室に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−243053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、クリーニングブレード(掻取部材)をすり抜けてクリーニングブレードの裏面から落下した液体現像剤も貯溜室(回収部材)に回収されてしまう。ここで、クリーニングブレードをすり抜けた液体現像剤は、トナー濃度が高くなっており、再利用することは困難である。
【0005】
つまり、クリーニングブレードによって掻き取られた液体現像剤にクリーニングブレードをすり抜けた液体現像剤が混ざると、回収された液体現像剤の全てが再利用できなくなってしまうことが考えられる。
【0006】
本発明の課題は、掻取部材によって掻き取られた液体現像剤とは別に、掻取部材をすり抜けた液体現像剤を回収することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る清掃装置は、液体現像剤を用いて形成されて記録媒体に転写されるトナー画像を保持しながら周回する保持部材から被受渡部材に受け渡されずに前記外周面に残留した液体現像剤を、前記外周面に先端部を接触させることで掻き取る板状の掻取部材と、前記掻取部材によって掻き取られた液体現像剤を回収する第一回収部材と、前記掻取部材をすり抜けて前記掻取部材の裏面に付着して落下した液体現像剤を回収する第二回収部材と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る清掃装置は、静電潜像が形成される像保持体に周回しながら液体現像剤を受け渡す現像部材から前記像保持体に受け渡されずに外周面に残留した液体現像剤を、前記外周面に先端部を接触させることで掻き取る板状の掻取部材と、前記掻取部材によって掻き取られた液体現像剤を回収する第一回収部材と、前記掻取部材をすり抜けて前記掻取部材の裏面に付着して落下した液体現像剤を回収する第二回収部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る清掃装置は、請求項1又は2に記載の清掃装置において、前記第二回収部材には、液体現像剤を受け入れる開口部が形成され、前記開口部は、前記掻取部材の基端側の部分に対して下方側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る清掃装置は、請求項2を引用する請求項3に記載の清掃装置において、液体現像剤を回転しながら前記現像部材に供給する供給部材が、前記掻取部材の下方側に配置され、前記第二回収部材は、上下方向において、前記掻取部材と前記供給部材との間に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る画像形成装置は、周回しながら静電潜像が形成される像保持体と、周回しながら液体現像剤を前記像保持体に受け渡し、静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、前記像保持体に形成された前記トナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、前記像保持体の外周面を清掃する請求項1、又は請求項1を引用する請求項3に記載の清掃装置とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る画像形成装置は、周回しながら静電潜像が形成される像保持体と、周回しながら液体現像剤を前記像保持体に受け渡し、静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、周回しながら前記像保持体に形成されたトナー画像が転写され、トナー画像を記録媒体に転写する前に中間的に保持する中間保持部材と、前記中間保持部材に転写されたトナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、前記中間保持部材の外周面を清掃する請求項1、又は請求項1を引用する請求項3に記載の清掃装置とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る画像形成装置は、静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体に周回しながら液体現像剤を受け渡して前記静電潜像をトナー画像として現像する現像部材と、前記現像部材の外周面を清掃する請求項2、請求項2を引用する請求項3、又は請求項4に記載の清掃装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2の清掃装置によれば、掻取部材によって掻き取られた液体現像剤とは別に、掻取部材をすり抜けた液体現像剤を回収することができる。
【0014】
請求項3の清掃装置によれば、掻取部材の裏面を伝って掻取部材の基端側に達して落下した液体現像剤を回収することができる。
【0015】
請求項4の清掃装置によれば、回収部材が、上下方向において、掻取部材と供給部材との間とは異なる位置に配置されている場合と比して、掻取部材の裏面から落下した液体現像剤が、供給部材の外周面に付着するのを抑制することができる。
【0016】
請求項5、6の画像形成装置によれば、現像部材、像保持体、中間保持部材のうち何れか一の外周面から掻き取られた液体現像剤を再度利用することができる。
【0017】
請求項7の画像形成装置によれば、回収部材が、掻取部材の下方側とは異なる位置に配置されている場合と比して、出力画像の品質が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る清掃装置等を示した構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る清掃装置に用いられた掻取ブレードを示した断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられた画像形成部を示した構成図である。
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る清掃装置、及び画像形成装置の一例を図1図4に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示す。
【0020】
(全体構成)
画像形成装置10は、図4に示されるように、記録媒体としての連続紙Pを搬送する搬送部20と、トナー画像を形成する画像形成部26と、トナー画像を連続紙Pに定着する定着装置70とを備えている。
【0021】
(搬送部)
搬送部20は、連続紙Pを予め定められた搬送速度で図示の矢印A方向(搬送方向)に搬送する機能を有する。さらに、搬送部20は、連続紙Pが巻き掛けられると共に、装置幅方向に並んで配置される一対の搬送ロール20A、20Bを備えている。そして、搬送ロール20Aが、搬送ロール20Bに対して、連続紙Pの搬送方向(以下「媒体搬送方向」と記載する)の上流側(図中左側)に配置されている。
【0022】
この構成において、連続紙Pは、媒体搬送方向において搬送ロール20Aに対して上流側では、図中下方側から上方側へ搬送され、媒体搬送方向において搬送ロール20Bに対して下流側では、図中上方側から下方側へ搬送されるようになっている。そして、連続紙Pの搬送速度は、一例として60〔m/min〕とされている。
【0023】
(画像形成部)
画像形成部26は、黄色(Y)の画像を形成する画像形成部26Y、マゼンタ色(M)の画像を形成する画像形成部26M、シアン色(C)の画像を形成する画像形成部26C、及び黒色(K)の画像を形成する画像形成部26Kを備えている。そして、媒体搬送方向において上流側から、画像形成部26K、画像形成部26C、画像形成部26M、及び画像形成部26Yがこの順番で配置されている。また、画像形成部26K、画像形成部26C、画像形成部26M、及び画像形成部26Yは、筐体30の内部に配置されている。
【0024】
そして、筐体30の下方側の部分には、搬送部20により搬送される連続紙Pが筐体30の内部に進入する開口部30Aが形成され、筐体30の上方側の部分には、筐体30に進入した連続紙Pを筐体30の外部に排出する開口部30Bが形成されている。
【0025】
なお、画像形成部26K、画像形成部26C、画像形成部26M、及び画像形成部26Yは、用いる液体現像剤Gを除いて基本的に同様の構成とされている。以後の説明では、特に区別する必要がない場合には、符号末尾の「Y」、「M」、「C」、「K」を省略する。
【0026】
画像形成部26は、図3に示されるように、トナー及び絶縁性液体を含む液体現像剤Gを用いて、トナー画像を形成するための画像形成ユニット32と、画像形成ユニット32によって形成されたトナー画像を連続紙Pに転写するための転写ユニット34とを備えている。
【0027】
〔画像形成ユニット〕
画像形成ユニット32は、トナー画像を保持する像保持体38と、像保持体38を帯電する帯電装置40と、像保持体38に露光光を照射して静電潜像を形成する露光装置42と、像保持体38上の静電潜像をトナー画像として現像する現像装置44とを備えている。
【0028】
[像保持体]
像保持体38は、円筒状とされ、駆動手段(図示省略)によって軸周り(矢印R1方向)に回転駆動されるようになっている。像保持体38は、アルミ製の基材と、この基材上に、キャリア注入防止層、光導電層及び表面保護層の順で形成された(図示省略)正帯電のアモルファスシリコン感光体である。
【0029】
さらに、像保持体38上から後述する転写ロール34Aに転写されずに像保持体38の外周面に残留した液体現像剤Gを像保持体38から掻き取る掻取ブレード88と、掻き取られた液体現像剤Gを回収する回収部材90と、を備えた清掃装置92が設けられている。
【0030】
[帯電装置]
帯電装置40は、本実施形態では、スコロトロン型帯電装置とされ、像保持体38の外周面に対向するように配置されている。そして、帯電装置40は、像保持体38の外周面を帯電するようになっている。
【0031】
[露光装置]
露光装置42は、本実施形態では、LEDプリントヘッドとされ、像保持体38の回転方向において帯電装置40の下流側で、像保持体38の外周面に対向するように配置されている。そして、露光装置42は、帯電装置40によって帯電された像保持体38の外周面に露光光を照射し、この外周面に静電潜像を形成するようになっている。
【0032】
[現像装置]
現像装置44は、像保持体38に形成された静電潜像に液体現像剤Gを受け渡す現像部50と、現像部50に液体現像剤Gを供給する供給部48とを備えている。本実施形態で用いられる液体現像剤Gは、キャリア液にトナー(粒子)が分散された液状タイプの液体現像剤Gである。キャリア液としては、例えば、植物油、流動パラフィン油、シリコーンオイルなどの絶縁性液体が用いられる。また、液体現像剤Gは、一例として、トナー(粒子)の平均粒径が0.5μm以上5μm以下とされ、キャリア液の中にトナー(粒子)が15wt%以上45wt%以下の濃度で分散されている。
【0033】
〈現像部〉
現像部50は、円柱状とされ、駆動手段(図示省略)によって像保持体38の軸方向と同一方向の軸周り(矢印R2方向)に回転駆動される現像部材の一例としての現像ロール52と、現像ロール52に対向して配置される帯電部材54とを備えている。さらに、現像部50は、現像ロール52の外周面に残留した液体現像剤Gを回収して現像ロール52の外周面を清掃する清掃装置100を備えている。
【0034】
現像ロール52には、電源(図示省略)により現像電圧が印加されるようになっており、像保持体38との間(ニップ部N1)には、像保持体38の外周面に形成された静電潜像を現像するための電界が形成されるようになっている。さらに、後述する供給ロール62との間には、供給ロール62から現像ロール52の外周面に液体現像剤Gを供給するための電界が形成されるようになっている。
【0035】
帯電部材54は、本実施形態では、スコロトロン型帯電装置とされ、液体現像剤Gに含まれるトナーを帯電するために用いられる。帯電部材54は、現像ロール52の回転方向においてニップ部N1に対して上流側で、現像ロール52の外周面と対向するように配置されている。なお清掃装置100については、詳細を後述する。
【0036】
この構成において、帯電部材54は、現像ロール52の外周面に供給された液体現像剤Gに含まれるトナーを帯電し、帯電したトナーを含む液体現像剤Gが、現像ロール52の外周面から像保持体38に形成された静電潜像に受け渡されるようになっている。これにより、現像部50は、像保持体38に形成された静電潜像をトナー画像として現像するようになっている。なお、液体現像剤Gを用いて静電潜像をトナー画像として現像する場合には、オイルも像保持体38に移行する。
【0037】
〈供給部〉
供給部48は、現像ロール52の下方側に配置され、液体現像剤Gを収容する収容器60と、収容器60から液体現像剤Gを汲み上げて現像ロール52の外周面に供給する供給ロール62とを備えている。また、供給部48は、供給ロール62に付着した液体現像剤Gの層膜を調整する規制ブレード64を備えている。
【0038】
供給ロール62の外周面(表面)には、一例として、斜線型パターンの彫刻溝が形成されている。なお、供給ロール62の表面の彫刻溝の形状としては、斜線型パターンの他に、ピラミッド型パターンや格子型パターン、ハニカム型パターンなどを用いてもよい。
【0039】
この構成において、回転駆動する供給ロール62は、収容器60に収容されている液体現像剤Gを汲み上げ、規制ブレード64が液体現像剤Gの層膜を調整する。さらに、供給ロール62と現像ロール52との間に形成された電界により、供給ロール62によって汲み上げられた液体現像剤Gが現像ロール52の外周面に供給される。これにより、現像ロール52の外周面に液体現像剤Gの膜(層)が形成されるようになっている。
【0040】
〔転写ユニット〕
転写ユニット34は、像保持体38に対して対向して配置され、像保持体38が保持したトナー画像が転写される中間保持部材の一例としての転写ロール34Aを備えている。さらに、転写ユニット34は、連続紙Pを挟んで転写ロール34Aの反対側に配置される転写部材の一例としてのバックアップロール34Bを備えている。
【0041】
転写ロール34Aには、電源(図示省略)により一次転写電圧が印加されるようになっている。これにより、転写ロール34Aと像保持体38との間(ニップ部N2)には、像保持体38上のトナー画像を転写ロール34Aに転写するための電界が形成されるようになっている。
【0042】
また、バックアップロール34Bには、電源(図示省略)により二次転写電圧が印加されるようになっている。これにより、バックアップロール34Bと転写ロール34Aとの間には、転写ロール34A上のトナー画像を連続紙Pに転写するための電界が形成されるようになっている。
【0043】
さらに、転写ロール34A上から連続紙Pに転写されずに転写ロール34Aの外周面に残留した液体現像剤Gを転写ロール34Aから掻き取る掻取ブレード94と、掻き取られた液体現像剤Gを回収する回収部材96と、を備えた清掃装置98が設けられている。
【0044】
この構成において、像保持体38が保持したトナー画像は、転写ロール34Aに転写され、転写ロール34Aに転写されたトナー画像は、連続紙Pに転写される。なお、現像ロール52から像保持体38に移行したオイルも同様に、転写ロール34Aを介して連続紙Pに移行する。
【0045】
(定着装置)
定着装置70は、図4に示されるように、連続紙Pを加熱する加熱部72と、連続紙Pからオイルを除去するオイル除去部76と、トナー画像を連続紙Pに定着する定着部80とを備えている。
【0046】
この構成において、加熱部72によって、連続紙Pが加熱され、連続紙P上の液体現像剤Gに含まれるトナーとオイルが分離し、トナーの上層にオイルの層が形成される。さらに、オイル除去部76によってオイルが除去され、定着部80によって、連続紙Pが加熱加圧され、トナー画像が連続紙Pに定着されるようになっている。
【0047】
(全体構成の作用)
各色の画像形成ユニット32の像保持体38が回転し、帯電装置40により像保持体38の外周面が帯電される(図3参照)。次に、画像信号処理部(図示省略)から受け取った画像データに応じて露光装置42が、帯電された像保持体38の外周面を露光し、像保持体38の外周面に、静電潜像(図示省略)を形成する。そして、この静電潜像は、現像装置44によってトナー画像として現像される。
【0048】
回転する像保持体38の外周面に形成されたトナー画像は、転写ロール34Aに一次転写される。転写ロール34Aに一次転写されたトナー画像は、搬送される連続紙Pに転写される。この際に、トナー画像と共にオイルが、連続紙Pへと移行する。この工程が、各色の画像形成部26で行われ、連続紙Pには、各色が重畳したトナー画像が形成される。
【0049】
さらに、搬送される連続紙Pは定着装置70でオイルが除去され、トナー画像が連続紙Pに定着される(図4参照)。
【0050】
(要部構成)
次に、清掃装置100について説明する。
【0051】
清掃装置100は、図1に示されるように、先端部が現像ロール52の外周面に接触している掻取部材の一例としての掻取ブレード102と、掻取ブレード102の基端側を支持する支持プレート104とを備えている。さらに、清掃装置100は、掻取ブレード102によって掻き取られた液体現像剤Gを回収する第一回収部材の一例としての回収部材110を備えている。また、清掃装置100は、掻取ブレード102をすり抜けて掻取ブレード102の裏面に付着した液体現像剤Gを回収する第二回収部材の一例としての回収部材120を備えている。
【0052】
掻取ブレード102は、装置奥行方向(紙面奥行方向)に延びる板状のゴムブレードであって、供給ロール62の上方側に配置されている。換言すると、供給ロール62が、掻取ブレード102の下方側に配置されている。そして、掻取ブレード102の先端部は、現像ロール52の回転方向において、ニップ部N1に対して下流側の部分の現像ロール52の外周面と接触している。さらに、装置奥行方向から見て、掻取ブレード102の先端側の部分が基端側の部分に比して上方側に位置するように、掻取ブレード102は傾斜している。
【0053】
支持プレート104は、装置奥行方向(紙面奥行方向)に延びる板金部材であって、長手方向の両端部がフレーム部材(図示省略)に支持されている。支持プレート104の先端側(図中右側)が、上方側から掻取ブレード102の基端側に重なり、固定手段(図示省略)によって、掻取ブレード102の基端側が支持プレート104に固定されている。このように、支持プレート104は、掻取ブレード102の基端側を支持している。さらに、装置奥行方向から見て、支持プレート104の先端側の部分が基端側の部分に比して上方側に位置するように、支持プレート104は傾斜している。
【0054】
回収部材110は、装置奥行方向(紙面奥行方向)に延び、上方側を開放する開口部110Aが形成されている箱状の部材あって、支持プレート104の基端側の部分に対して下方側に配置されている。そして、回収部材110の長手方向の両端部がフレーム部材(図示省略)に支持されている。さらに、回収部材110に回収された液体現像剤Gを回収部材110から収容器60(図3)へ濃度調整部(図示省略)を介して輸送するための輸送管130の一端が、回収部材110の底板に接続されている。
【0055】
回収部材120は、装置奥行方向(紙面奥行方向)に延び、上方側を開放する開口部120Aが形成されている箱状の部材あって、掻取ブレード102の基端側の部分に対して下方側で、かつ、供給ロール62に対して上方側に配置されている。換言すれば、回収部材120は、掻取ブレード102と供給ロール62との間に配置されている。そして、回収部材120の長手方向の両端部がフレーム部材(図示省略)に支持されている。
【0056】
(要部構成の作用)
次に、要部構成の作用について説明する。
【0057】
回転する供給ロール62から回転する現像ロール52の外周面に液体現像剤Gが供給される(図1参照)。さらに、帯電部材54は、現像ロール52の外周面に供給された液体現像剤Gに含まれるトナーを帯電し、帯電したトナーを含む液体現像剤Gが、現像ロール52の外周面から像保持体38に形成された静電潜像に受け渡される。
【0058】
また、像保持体38に受け渡されずに現像ロール52の外周面に残留した液体現像剤Gの大部分は、掻取ブレード102によって掻き取られ、掻取ブレード102の表面(図中の上方側を向いた面)及び支持プレート104の表面(図中の上方側を向いた面)を流れる。そして、支持プレート104の表面を流れた液体現像剤Gは、支持プレート104の基端側から落下して、開口部110Aから回収部材110に回収される。さらに、回収部材110によって回収された液体現像剤Gは、輸送管130の内部を流れて収容器60(図3)へ輸送される。このようにして、掻取ブレード102に掻き取られた液体現像剤Gは、再利用される。
【0059】
一方、回転する現像ロール52の外周面に残留した液体現像剤Gの一部分は、掻取ブレード102の先端側と現像ロール52の外周面との間をすり抜ける。
【0060】
ここで、掻取ブレード102をすり抜けた液体現像剤Gは、トナー濃度(オイルに対するトナーの濃度)が高くなって塊になってしまう。これは、多くのオイルが掻取ブレード102によって掻き取られてしまうためである。
【0061】
そして、掻取ブレード102をすり抜けてトナー濃度が高くなった液体現像剤Gの粘度は上昇し、粘度が上昇した液体現像剤G(以下「高粘度現像剤F」)は、掻取ブレード102の裏面(図中の下方側を向いた面)に付着する。掻取ブレード102の裏面に付着した高粘度現像剤Fは、図2に示されるように、掻取ブレード102の裏面を伝って掻取ブレード102の基端側の部分に達する。そして、高粘度現像剤Fは、塊となって掻取ブレード102の基端側の部分から落下する。
【0062】
塊になって落下した高粘度現像剤Fは、図1に示されるように、開口部120Aから回収部材120に回収される。
【0063】
(まとめ)
以上説明したように、掻取ブレード102によって現像ロール52から掻き取られた液体現像剤Gを回収する回収部材110とは別に、掻取ブレード102をすり抜けた高粘度現像剤Fを回収する回収部材120が設けられている。これにより、掻取ブレード102によって掻き取られた液体現像剤Gとは別に、掻取ブレード102をすり抜けた高粘度現像剤Fが回収される。
【0064】
また、回収部材120の開口部120Aは、掻取ブレード102の基端側の部分に対して下方側に配置されている。このため、掻取ブレード102の裏面を伝って掻取ブレード102の基端側に達して塊となって落下する高粘度現像剤Fが、回収部材120に回収される。
【0065】
また、回収部材120は、掻取ブレード102と供給ロール62との間に配置されている。このため、掻取ブレード102の裏面から落下した高粘度現像剤Fが、供給ロール62の外周面に付着するのが抑制される。
【0066】
また、画像形成装置10においては、供給ロール62の外周面に付着するのが抑制されることで、出力画像の品質が低下するのを抑制することができる。
【0067】
また、画像形成装置10においては、掻取ブレード102によって掻き取られた液体現像剤Gとは別に、掻取ブレード102をすり抜けた高粘度現像剤Fが回収されることで、掻取ブレード102によって掻き取られた液体現像剤Gが再利用可能となる。
【0068】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、現像ロール52に残留した液体現像剤Gを清掃する場合を例に取って説明したが、像保持体38に残留した液体現像剤Gを清掃するのに清掃装置100を用いてもよく、転写ロール34Aに残留した液体現像剤Gを清掃するのに清掃装置100を用いてもよい。これにより、像保持体38に残留した液体現像剤G、転写ロール34Aに残留した液体現像剤Gを再度利用することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、画像形成装置10が転写ロール34Aを備えたが、転写ロール34を備えず、像保持体から直接連続紙Pにトナー画像を転写してもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 画像形成装置
34B バックアップロール(転写部材の一例)
34A 転写ロール(中間保持部材の一例)
38 像保持体
52 現像ロール(現像部材の一例)
100 清掃装置
102 掻取ブレード(掻取部材の一例)
110 回収部材(第一回収部材の一例)
120 回収部材(第二回収部材の一例)
120A 開口部
図1
図2
図3
図4