特許第6394401号(P6394401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394401
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】5レベル電力変換器および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20180913BHJP
   H02M 7/483 20070101ALI20180913BHJP
【FI】
   H02M7/48 F
   H02M7/483
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-4608(P2015-4608)
(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-131443(P2016-131443A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 勇
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−332252(JP,A)
【文献】 特開2010−172141(JP,A)
【文献】 特開2013−110815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M7/42−7/98
H02P21/00−25/03
H02P25/04
H02P25/10−27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換するコンバータと、
コンバータの直流側に直列数2以上かつ並列数1以上のコンデンサが接続された直流接続部と、
前記直流接続部の直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
前記コンデンサの電圧検出値に基づいてオフセット指令値を演算するオフセット制御回路と、
前記オフセット指令値にコンバータ電圧指令値を加算した値、および、前記オフセット指令値にインバータ電圧指令値を加算した値に基づいて、PWM制御を行うPWM発生回路と、
を備えた5レベル電力変換器の制御方法であって、
前記オフセット制御回路は、
コンデンサ電圧指令値と、前記コンデンサの電圧検出値の平均値と、の偏差に基づいてPI制御した値にオフセット波形を乗算した値を前記オフセット指令値として出力することを特徴とする5レベル電力変換器の制御方法。
【請求項2】
前記直流接続部は、4つの前記コンデンサが直列接続されたことを特徴とする請求項1記載の5レベル電力変換装置の制御方法。
【請求項3】
前記オフセット波形は、
1または−1をduty50%で出力する方形波に、前記オフセット波形がキャリア信号の傾き以下となる変化率制限を掛けた信号であることを特徴とする請求項1または2記載の5レベル電力変換器の制御方法。
【請求項4】
オフセット指令値の周波数を、5レベル電力変換器の出力周波数の3倍以上、かつ、キャリア周波数の1/2以下とすることを特徴とする請求項1〜3のうち何れかに記載の5レベル電力変換器の制御方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れかに記載の制御方法を用いたことを特徴とする5レベル電力変換器。
【請求項6】
出力相数が3相であることを特徴とする請求項5に記載の5レベル電力変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多相の5レベル電力変換器に係り、特に、各相の5レベル電力変換器が直流接続部のコンデンサを共通して用いたマルチレベル電力変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、ダイオードクランプ型の5レベル電力変換器を示す回路図である。図7に示すように、ダイオードクランプ型の5レベル電力変換器は、直流接続部を4つのコンデンサC1〜C4で4分割しており、4分割したコンデンサC1〜C4の電圧をそれぞれ等しく制御することで5レベルの電圧を出力することが可能となる。
【0003】
例えば、コンデンサC1〜C4の電圧をEとした場合、中性点Nを基準とした出力相電圧のレベルは、スイッチSp1〜Sp4、Sn1〜Sn4のオンオフ動作によって、2E,E,0,−E,−2Eの5レベルとなる。
【0004】
非特許文献1は、そのコンデンサC1〜C4の電圧バランス制御に関して記載したものである。非特許文献1は、図7に示すように、インバータとコンバータとを一体構成とした5レベル電力変換器であり、三相共通のオフセット(零相電圧)を出力電圧指令値に重畳することにより、4分割したコンデンサ電圧を一定範囲内に制御している。
【0005】
図8は、非特許文献1におけるオフセット波形例を示すタイムチャートである。上部波形がオフセット重畳前の出力電圧指令値(正弦波状)Vrefとオフセット電圧Voffsetである。下部波形がオフセット電圧Voffset重畳後の出力電圧指令値Vrefである。また、左側波形と右側波形では、オフセット電圧Voffsetのduty(オフセット電圧Voffsetが零以外の期間の比率)が異なっている。左側波形はduty=100%,右側波形はduty≒50%である。このdutyを調整することによって、コンデンサC1〜C4の電圧をバランス制御する。
【0006】
また、この5レベル電力変換器の出力電圧を生成するPWM制御構成を、図9に示す。図9の出力電圧指令値Vrefと4種類のキャリア信号carrier1,carrier2,carrier3,carrier4とを比較することより、5レベル電力変換器内におけるインバータの各スイッチSp1〜Sp4,Sn1〜Sn4のオンオフ動作を決定し、PWM波形の出力電圧を生成する。
【0007】
図7の各コンデンサC1〜C4における印加電圧をEとすると、各信号と出力電圧との関係は表1のようになる。
【0008】
【表1】
【0009】
オフセットVoffset(零相電圧)重畳時、図9の出力電圧指令値Vrefは、図8の下部のような波形となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】“A Sinusoidal PWM Method With Voltage Balancing Capability for Diode−Clamped Five−Level Converters”IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS,VOL45,No3,MAY/JUNE 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
非特許文献1の制御方法は、変調率に応じてオフセット量を決定し、4つのコンデンサC1〜C4の電圧バランスを制御している。しかし、その具体的な制御方法に関する記述はない。また、コンデンサC1〜C4の電圧を検出しフィードバックした制御構成をとらない場合、外乱に対する応答性が悪くなる等の問題が生じる。
【0012】
また、オフセット電圧Voffsetの波形が急峻に変化するため、図10に示すように、2段分の電圧変化が発生する。図10に示すように、出力電圧指令値Vrefに急峻な変化があると、表1のmode3→mode1のようなレベルスキップが発生する。これにより、出力電圧値が0→2Eと変化する2段分の電圧変化が発生する。この2段分の電圧変化は、モータなどの負荷の絶縁劣化・絶縁破壊をもたらす問題がある。
【0013】
以上示したようなことから、5レベル電力変換器において、コンデンサの電圧バランス制御を簡潔にし、さらに外乱に対する応答性を向上させることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータと、コンバータの直流側に直列数2以上かつ並列数1以上のコンデンサが接続された直流接続部と、前記直流接続部の直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、前記コンデンサの電圧検出値に基づいてオフセット指令値を演算するオフセット制御回路と、前記オフセット指令値にコンバータ電圧指令値を加算した値、および、前記オフセット指令値にインバータ電圧指令値を加算した値に基づいて、PWM制御を行うPWM発生回路と、を備えた5レベル電力変換器の制御方法であって、前記オフセット制御回路は、コンデンサ電圧指令値と、前記コンデンサの電圧検出値の平均値と、の偏差に基づいてPI制御した値にオフセット波形を乗算した値をオフセット指令値として出力することを特徴とする。
【0015】
また、その一態様として、前記直流接続部は、4つのコンデンサが直列接続されたことを特徴とする。
【0016】
また、その一態様として、前記オフセット波形は、1または−1をduty50%で出力する方形波に、オフセット波形がキャリア信号の傾き以下となる変化率制限を掛けた信号であることを特徴とする。
【0017】
また、その一態様として、オフセット指令値の周波数を、5レベル電力変換器の出力周波数の3倍以上、かつ、キャリア周波数の1/2以下とすることを特徴とする。
【0018】
また、出力相数が3相であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、5レベル電力変換器において、コンデンサの電圧バランス制御を簡潔にし、さらに外乱に対する応答性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1における5レベル電力変換器のシステム全体のブロック図。
図2】実施形態1におけるオフセット制御回路を示すブロック図。
図3】実施形態2におけるオフセット波形生成例を示すブロック図。
図4】実施形態2における出力電圧と電圧指令値を示すタイムチャート。
図5】オフセット指令値の周波数を3fとした場合のコンデンサ電圧を示すタイムチャート。
図6】オフセット指令値の周波数をfとした場合のコンデンサ電圧を示すタイムチャート。
図7】非特許文献1の5レベル電力変換器を示す図。
図8】出力電圧指令値とオフセット電圧を示すタイムチャート。
図9】PWM制御構成例を示すタイムチャート。
図10】レベルスキップ発生例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、コンデンサ電圧を検出しフィードバックループを形成することにより、外乱に対する応答性を向上させるものである。さらに、重畳するオフセットの振幅を調整することにより、コンデンサ電圧のバランスを制御し、オフセットの生成を簡単化する。
【0022】
以下、本発明に係る5レベル電力変換器の実施形態を図1図6に基づいて詳述する。
【0023】
[実施形態1]
図1は本実施形態1における5レベル電力変換器のシステム全体のブロック図を示し、図2はコンデンサ電圧のオフセット制御回路のブロック図を示す。なお、本実施形態1の5レベル電力変換器は、出力相数を三相とする。
【0024】
まず、5レベル電力変換器の主回路を簡単に説明する。図1に示すように、本実施形態1における5レベル電力変換器は、系統1と、系統1から出力された交流電圧を直流電圧に変換するコンバータCONVと、コンバータCONVの直流側に、直列数2以上かつ並列数1以上のコンデンサが接続された直流接続部と、直流接続部の直流電圧を交流電圧に変換するインバータINVと、インバータINVから出力された交流電圧が供給される負荷LOADと、系統1とコンバータCONVとの間に介挿されたインプットフィルタ2と、インバータINVと負荷LOADとの間に介挿されたアウトプットフィルタと3と、を備える。なお、本実施形態1では、直流接続部の直流電圧を4つのコンデンサC1〜C4で4分割している。
【0025】
ここで、図1のVdc1は直流接続部のPアームと中性点間の電圧,Vdc2は直流接続部の中性点とNアーム間の電圧、Vc1,Vc2はコンデンサC3,C2のコンデンサ電圧、Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmdはインバータINVのU相、V相、W相の電圧指令値、Vuc_cmd,Vvc_cmd,Vwc_cmdはコンバータCONVのU相、V相、W相の電圧指令値である。
【0026】
また、コンデンサ電圧Vc1,Vc2からコンバータCONVのオフセット指令値offset_cmdを演算するオフセット制御回路4と、コンバータCONVの電圧指令値Vuc_cmd,Vvc_cmd,Vwc_cmdとオフセット指令値offset_cmdを加算した値に基づいてPWM制御を行うコンバータCONV側のPWM発生回路5と、コンデンサ電圧Vc1,Vc2からインバータINVのオフセット指令値offset_cmdを演算するオフセット制御回路6と、インバータINVの電圧指令値Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmdとオフセット指令値offset_cmdを加算した値に基づいてPWM制御を行うインバータINV側のPWM発生回路7と、を備える。
【0027】
図2は、本実施形態1におけるオフセット制御回路4,6を示すブロック図である。図2のVc_cmdはコンデンサC1〜C4の電圧指令値、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Z-1は1サンプル遅延を表す。
【0028】
図2に示すように、加算器11によりコンデンサ電圧Vc1とVc2を加算し、平均値演算部12で0.5倍して、コンデンサ電圧Vc1とVc2の平均値を算出する。減算器13で、このコンデンサ電圧Vc1とVc2の平均値とコンデンサ電圧指令値Vc_cmdの偏差を算出し、PI演算部14で当該偏差に基づいてPI演算を行う。
【0029】
PI演算部14は、乗算部15によりコンデンサC1〜C4の電圧指令値Vc_cmdとコンデンサ電圧検出値Vc1,Vc2の平均値との偏差に比例ゲインKpを乗算する。減算部16では、乗算部15の出力と除算部17の出力との偏差を演算し、乗算部18でこの偏差に積分ゲインKiを乗算する。加算部19では乗算部18の出力と乗算部18の1サンプル前の出力とを加算する。加算部20で乗算部15の出力と加算部19との出力とを加算する。リミッタ21では、加算部20の出力をリミッタ処理し、AMPとして出力する。減算部22は加算部20の1サンプル前の出力とリミッタ21の1サンプル前の出力との偏差を演算する。除算部17は減算部22の出力を比例ゲインKpで除算し、減算部16に出力する。
【0030】
乗算器23はPI演算部14の出力であるAMPにオフセット波形offset_wave_formを乗算し、オフセット指令値offset_cmdとして出力する。なお、ここでのオフセット波形offset_wave_formは、1または−1を出力するduty50%の方形波である。
【0031】
このオフセット指令値offset_cmdを図1に示すように、コンバータCONVの電圧指令値Vuc_cmd,Vvc_cmd,Vw_cmd、インバータINVの電圧指令値Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmdにそれぞれ重畳する。
【0032】
なお、図1のPWM発生回路5,7は、図9と同じ構成をとり、コンバータCONVおよびインバータINVの各スイッチのオンオフ信号を生成する。
【0033】
図2に示すように、コンデンサ電圧Vc1,Vc2の電圧の平均値とコンデンサ電圧指令値Vc_cmdとの差をとり、PI制御した出力値AMPをオフセット指令値offset_cmdの波形の振幅とすることでコンデンサC1〜C4の電圧をバランス制御することができる。また、フィードバックによる構成であるため、コンデンサ電圧が外乱により変動した場合においても安定性向上できる。また、上記のような簡単な制御ブロックでコンデンサ電圧のバランスをとることができる。
【0034】
[実施形態2]
本実施形態2では、出力線間電圧のレベルスキップが発生しないオフセット波形の生成方法に関して説明する。図3にオフセットの波形生成例を示す。ここで、図3のfoはオフセット波形の周波数、phiはオフセット波形の位相を表す。方形波生成部31は、周波数fo,位相phiに基づいて方形波を生成する。この方形波は、1または−1をduty50%で出力する波形である。(1)式に方形波(square wave)を表す式を示す。
【0035】
【数1】
【0036】
図3に示すように、変化率制限部32により、周波数fo、位相phiの方形波(square wave)に制限を掛けることによりオフセット波形が生成される。
【0037】
ここで、変化率制限部32により、オフセット波形の傾きが、コンバータCONV,インバータINVのキャリア信号carrier1〜carrier4の傾き以下となるように設定する。これにより、PWM発生回路5,7内の出力電圧指令値Vrefは、図9のような急峻な電圧の変化がなくなり、レベルスキップを防止することができる。
【0038】
具体的には、図4のようになる。実線が変化率制限部32を設けた場合の出力電圧指令値Vrefと出力電圧の波形を示している。(図4上部の破線は、変化率制限部32を設けない場合の出力電圧指令値、すなわち、方形波生成部31の出力である。)変化率制限部32では、図4に示すように、破線(方形波生成部31の出力)のステップ変化時に出力電圧指令値Vrefは傾きをもって上昇している。この出力電圧指令値Vrefの傾きはキャリア信号の傾きよりも低い。したがって、出力電圧波形では、2E分の電圧変化が発生していない。
【0039】
次に、実施形態1,実施形態2においてのオフセット周波数foの決定方法に関して説明する。
【0040】
5レベル電力変換器の出力周波数が低いときオフセット周波数foを高くすることにより、コンデンサ電圧の変動を低減することができる。この時、オフセット周波数foは、(2)式の範囲で設定する。ここでfは5レベル電力変換器の出力周波数、fcは5レベル電力変換器のキャリア周波数で示す。
【0041】
【数2】
【0042】
オフセット周波数foは高いほどコンデンサ電圧変動を小さくすることができるが、キャリア周波数fcの半分よりも高い周波数は制御できないため、fo<fc/2としている。
【0043】
また、3相電力変換器の場合、出力周波数の3倍の3f成分の高調波電流が電力変換器内に発生する。この3f成分の高調波電流を抑制するため、3f≦foとしている。f成分の高調波電流の抑制は、コンデンサ電圧変動の抑制につながるからである。
【0044】
図5に、fo=3f=1.5Hz時のシミュレーション結果、図6に高周波数のfo=180Hz適用後のシミュレーション結果をそれぞれ示す。図5図6を比較すると高周波を適用した図6の方がコンデンサ電圧変動を85%程度低減できていることがわかる。
【0045】
以上示したように、本実施形態2によれば、レベルスキップを抑制することができ、これにより、モータなどの負荷の絶縁劣化・絶縁破壊を抑制できる。
【0046】
また、オフセット周波数foを(2)式とすることにより、5レベル電力変換器の出力周波数が低い場合においても、コンデンサ電圧変動を抑制できる。
【0047】
以上の実施形態1,2は、図7の3相5レベル電力変換器を用いて説明した。本発明は、インバータINVとコンバータCONVを持つ電力変換装置で、直流部にコンデンサブロック(コンデンサ並列数が1以上ある構成)を2直列以上接続している構成であれば、図7以外の構成でも適用できる。例えば、コンデンサブロック2直列構成が2回路ある構成、さらに、その相数も3相に限らない。
【0048】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0049】
例えば、図1では、コンバータCONV側のオフセット制御回路4と、インバータINV側のオフセット制御回路6は、別々の構成となっているが、これら2つのオフセット制御回路4,6は1つに統合してもよい。
【符号の説明】
【0050】
CONV…コンバータ
C1〜C4…コンデンサ
INV…インバータ
Vc1,Vc2…コンデンサの電圧検出値
offset_cmd…オフセット指令値
4,6…オフセット制御回路
5,7…PWM発生回路
Vuc_cmd,Vvc_cmd,Vwc_cmd…コンバータ電圧指令値
Vu_cmd,Vv_cmd,Vw_cmd…インバータ電圧指令値
Vc_cmd…コンデンサ電圧指令値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10