(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、同一人物による複数の交通違反を効率良く確認できる交通違反管理システムおよび交通違反管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る交通違反管理システムは、画像取得手段と、立証判定手段と、人物特定手段と、記憶手段と、表示制御手段とを備えている。画像取得手段は、車両の違反が検出された場合に、撮像手段により違反車両を撮像した画像を取得する。立証判定手段は、画像取得手段で取得された画像から違反車両の違反を証明できるか否かを判定する。人物特定手段は、画像取得手段で取得された画像から違反車両の運転者、保有者、または同乗者を特定する。記憶手段は、立証判定手段での違反の判定に用いた違反車両の画像と、人物特定手段により特定された人物の情報と、人物特定手段での特定に用いられた画像とを同一の違反に関する情報として関連付けて記憶する。表示制御手段は、記憶手段に記憶されている各違反に関する情報を、人物特定手段で特定された人物ごとに一つの画面または連続的な画面として表示手段に表示させる。
【0008】
このように、人物ごとに、その人物に関連付けられて記憶されている複数の違反(反則行為)に関する情報が一つの画面または連続的な画面として表示される。このため、警察官は、1人の人物に対して関連付けられた複数の交通違反を効率良く確認できる。
また、同一人物による複数の交通違反を効率良く確認できるため、複数の交通違反を行っている人物に対して、まとめて違反金を請求でき、違反金(反則金)請求の際の効率が向上する。
【0009】
なお、本交通違反管理システムにおいて検出される交通違反としては、例えば、信号無視、速度超過、通行禁止違反、通行区分違反、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反、路線バス等優先通行帯違反、車間距離不保持、無灯火、携帯電話使用等、画像を用いて検出可能な各種違反が含まれる。なお、交通違反については、各国の法律等で規定された違反内容に合わせて、適宜、設定を変更することで検出が可能である。
【0010】
信号無視の検出には、信号の切り替わりタイミングおよびレーダー、カメラ等を用いることができる。速度超過の検出には、レーダー、道路に埋め込まれたループコイル、連続的に撮像可能なカメラ(撮像手段)等を用いることができる。
また、本交通違反管理システムにおいて用いられる画像は、例えば、交通違反が発生しやすい交差点や直進道路に設置されたカメラ等の撮像手段によって取得された画像が用いられる。
【0011】
また、表示手段としては、単体の液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、PC(Personal Computer)の表示画面等が考えられる。
第2の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、表示制御手段は、違反の回数とともに人物の情報を一つの画面として表示するよう表示手段を制御する。
【0012】
これによって、警察官は、違反の回数が多い人物を特定しやすくなり、違反金が高額な人物に対してより優先的に請求書を発行できる。そのため、効率的に違反金を徴収できる。
また、警察官が、違反回数が多い悪質な人物を特定しやすく、その人物の違反の種類も容易に閲覧できるため、悪質な人物に対する取締りを強化しやすい。さらに、複数の違反に対する取締りを効率的に行うことができる。
【0013】
第3の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、表示制御手段は、違反の回数が多い人物の情報を優先して画面に表示するように表示手段を制御する。
これによって、警察官は、違反の回数が多い人物を特定しやすくなり、違反金が高額な人物に対してより優先的に請求書を発行できる。そのため、効率的に違反金を徴収できる。
【0014】
また、警察官が、違反回数が多い悪質な人物を特定しやすく、その人物の違反の種類も容易に閲覧できるため、悪質な人物に対する取締りを強化しやすい。さらに、複数の違反に対する取締りを効率的に行うことができる。
第4の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、合計金額算出手段をさらに備えている。合計金額算出手段は、人物特定手段により特定された人物に対して関連付けられている違反の違反金の合計金額を算出する。表示制御手段は、人物ごとに違反金の合計金額を表示するように表示手段を制御する。
【0015】
これによって、警察官は、人物ごとの違反金の合計金額を容易に把握できる。そのため、違反金が高額な人物に対してより優先的に請求書を発行でき、効率的に違反金を徴収可能である。
第5の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、書類作成手段をさらに備えている。書類作成手段は、記憶手段に記憶されている各違反について違反金を請求するための違反金額請求書類を作成する。記憶手段は、違反金額作成書類に関する情報を、同一の違反に関する情報として、違反車両の画像と、特定された人物の情報と、特定に用いられた画像と関連付けて記憶する。
【0016】
ここでは、上述した交通違反管理システムにおいて検出された交通違反の当事者(運転者、車両の保有者、同乗者等)に対して請求される違反金請求書類を作成するための書類作成手段をさらに備えている。そして、作成された書類の電子データ等は、上記違反内容、違反特定用画像等とともに、関連付けされた状態で保存される。
これにより、警察官等が交通違反として判定した違反内容に対応する対象者(運転者、に対して、違反金の請求処理を効率良く実施することができる。
【0017】
第6の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、撮影手段と、違反検出手段とを更に備えている。撮影手段は、車両を撮影する。違反検出手段は、車両の違反を検出する。画像取得手段は、違反検出手段で車両の違反が検出された場合に、撮像手段により違反車両を撮像した画像を取得する。
これにより、カメラ等の撮像手段、およびレーダー、コイル等の違反検出手段を含む交通違反管理システムを構成することで、違反金請求の際の効率が向上する。
【0018】
第7の発明に係る交通違反管理システムは、画像取得手段と、立証判定手段と、人物特定手段と、表示制御手段と、を備える。画像取得手段は、車両の違反が検出された場合に、撮像手段により違反車両を撮像した画像を取得する。立証判定手段は、画像取得手段で取得された画像から違反車両の違反を証明できるか否かを判定する。人物特定手段は、画像取得手段で取得された画像から違反車両の運転者、保有者、または同乗者を特定する。表示制御手段は、立証判定手段での違反の判定に用いた違反車両の画像と、人物特定手段により特定された人物の情報と、人物特定手段での特定に用いられた画像とが同一の違反に関連する情報として関連付けられた各違反に関する情報を、人物特定手段で特定された人物ごとに、一つの画面または連続的な画面として表示手段に表示させる。
【0019】
このように、人物ごとに、その人物に関連付けられている複数の違反(反則行為)に関する情報を一つの画面または連続的な画面として表示される。このため、警察官は、1人の人物に対して関連付けられた複数の交通違反を効率良く確認できる。
また、同一人物による複数の交通違反を効率良く確認できるため、複数の交通違反を行っている人物に対して、まとめて違反金を請求でき、違反金(反則金)請求の際の効率が向上する。
【0020】
第8の発明に係る交通違反管理システムは、画像取得ステップと、判定ステップと、人物特定ステップと、記憶ステップと、表示制御ステップと、を備えている。画像取得ステップは、車両の違反が検出された場合に、撮像手段により違反車両を撮像した画像を取得する。判定ステップは、画像取得ステップで取得された画像から違反車両の違反を証明できるか否かを判定する。人物特定ステップは、画像取得ステップで取得された画像から違反車両の運転者、保有者、または同乗者を特定する。記憶ステップは、判定ステップでの違反の判定に用いた違反車両の画像と、人物特定ステップにより特定された人物の情報と、人物特定ステップでの特定に用いられた画像とを同一の違反に関する情報として関連付けて記憶する。表示制御ステップは、記憶ステップに記憶されている各違反に関する情報を、人物特定ステップで特定された人物ごとに一つの画面または連続的な画面として表示するように制御を行う。
【0021】
このように、人物ごとに、その人物に関連付けられて記憶されている複数の違反(反則行為)に関する情報を一つの画面または連続的な画面として表示される。このため、警察官は、1人の人物に対して関連付けられた複数の交通違反を効率良く確認できる。
また、同一人物による複数の交通違反を効率良く確認できるため、複数の交通違反を行っている人物に対して、まとめて違反金を請求でき、違反金(反則金)請求の際の効率が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る交通違反管理システムおよび交通違反管理方法によれば、同一人物による複数の交通違反を効率良く確認できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係る交通違反管理システム100について、
図1(a)〜
図10を用いて説明すれば以下の通りである。
<1.交通違反管理システム100の概要>
本実施形態に係る交通違反管理システム100は、交差点や道路等に設置された違反検出手段9およびカメラ(撮像手段の一例)10を用いて検出された交通違反の発生、違反内容、運転者(人物)等を管理する。このため、交通違反管理システム100は、例えば、交通違反の取り締まりを行う警察署等に設置される。
【0025】
警察署では、交通違反管理システム100において交通違反の発生を検出したケースについて、警察官等が、後述する手順に従って抽出された画像を確認しながら交通違反として取り締まりの対象とするか否かの判定を行う。つまり、本交通違反管理システム100は、警察官等が効率良く交通違反の取締りを実施できるようにサポートするためのシステムとして活用される。実際に使用される際には、交通違反管理システム100と接続されたPC等を用いて、警察官等がマウスやキーボードを用いて、1件ずつPCの表示画面を確認しながら、取り締まりが行われる。
【0026】
また、交通違反管理システム100に対して画像を供給するカメラ10は、
図1(a)に示すように、交差点における所定の位置に設置されている。
カメラ10は、設置された道路およびその道路を走行する車両を含む画像を撮像する。そして、カメラ10は、後述する交通違反管理システム100の画像取得手段112に対して、撮像した画像を送信する。
【0027】
カメラ10は、例えば、カメラ10によって取得された画像を用いて交通違反および人物を特定するために、交差点内を移動する車両正面および運転者、同乗者などの撮影が可能な位置に設置される。設置位置としては、例えば、
図1(a)および
図1(b)に示すように、カメラ10専用に設けられた支柱(逆U字型、L字型)102等に設置されてもよいし、信号機や街灯、歩道橋、標識等、既存の設備に取り付けられてもよい。
【0028】
本実施形態では、カメラ10は、
図1(a)および
図1(b)に示すように、交差点の3車線の1レーンに1台ずつ設置されている。このため、各カメラ10は、各レーンを走行する車両やレーンをまたいで走行する車両等を正面から撮像する。さらに、各カメラ10は、
図1(b)に示すように、各レーンの中央線に沿った位置に配置されている。なお、カメラ10を用いて撮像される画像は、交差点を通過する車両の正面の画像に限らず、背面や側面の画像であってもよい。また、1台のカメラ10を用いて複数のレーンを走行する車両を撮影してもよい。
【0029】
本実施形態では、違反検出手段9によって交通違反が検出された場合に、カメラ10で撮影された画像が本実施形態の交通違反管理システム100へと送信される。交通違反管理システム100へは、違反内容などに応じて1枚又は複数枚の画像が送信される。なお、送信する際には、例えば、画像に含まれる対象(物、人)や画像の鮮明さ等に基づいて、最適なものが抽出されて送信されてもよい。
【0030】
また、
図2に示す違反検出手段9によって検出される違反としては、速度超過、信号無視、通行禁止違反、通行区分違反、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反等などが挙げられる。
違反検出手段9は、速度超過を検出するために、車両に電波を照射して車両で反射した電波の周波数から速度を検出するレーダー、または地面に埋め込まれたコイル等を有することができる。違反検出手段9は、レーダーおよびコイルによって計測された速度と法定速度を比較して、速度超過をしている場合に、違反内容に関する情報(超過速度および日時の情報を含む)を交通違反管理システム100へと送信する。なお、違反検出手段9が速度超過を検出した際にカメラ10で撮影が行われ、カメラ10による撮影画像も交通違反管理システム100に送信される。
【0031】
また、レーダーやコイルを用いず、上記カメラ10で連続撮影を行い、車両が写っているコマ数から車両の速度を割り出してスピード違反が検出されてもよい。この場合、違反検出手段9は、カメラ10で撮影された画像から車両の速度を割り出し、カメラ10が設置された道路ごとに設定された法定速度と比較して速度超過違反を検出できる。
また、信号無視違反の場合には、違反検出手段9は、予め記憶された信号機の切り替わり情報や、カメラ10によって取得された画像の画像処理によって検出された赤信号の表示等に基づいて、赤信号時に走行している車両を検出する。
【0032】
より具体的には、例えば、1つの画像において、対向車線が赤信号であるときに、対象車両が交差点内を走行している画像を用いて、信号無視の違反車両を検出することができる。そして、違反検出手段9で検出された違反内容およびカメラ10で撮像した画像が交通違反管理システム100へと送信される。
なお、違反検出手段9は、カメラ10による画像処理によって信号無視の検出を行わず、信号の切替タイミングに応じて車両を検知するセンサ等を有することもできる。すなわち、赤信号のタイミングで車両が侵入した場合に、信号無視を検出し、違反に関する情報を交通違反管理システム100へと送信する。また、センサによる感知時に、カメラ10によって撮影を行い、その画像が交通違反管理システム100へと送信される。
【0033】
通行禁止違反、通行区分違反、追い越し禁止違反、および指定場所一時不停止などの場合は、カメラ10として連続撮影可能なカメラを用いて、カメラの画像から違反検出手段9は、違反を検出できる。すなわち、違反検出手段9は、通行禁止、追い越し禁止、一時停止の場所または時間帯に、車両がカメラ10の画像に写っていることによりそれぞれの交通違反を検出できる。
【0034】
なお、カメラ10で連続撮影を行う場合、カメラ10から違反検出手段9に対して大量の画像が送信されるため、違反検出手段9における処理負担が大きくなることが予想される。このため、カメラ10と違反検出手段9の間に、例えば、車両が含まれる画像だけを抽出して、違反検出手段9へ送信する手段を設けてもよい。
これにより、カメラ10で連続撮影を行った場合であっても違反を検出する際に、違反検出手段9において予め取捨選択された画像だけを対象に処理を行うことができるため、処理負担を軽減することができる。
【0035】
また、カメラ10から違反検出手段9に対して送信された大量の画像が、違反検出手段9内の記憶手段に一旦保存され、その画像から違反内容および人物特定に必要な画像のみが画像取得手段112に送信されてもよい。ここで、必要な画像とは、例えば、赤信号の時間内に撮影された全ての画像などである。赤信号の時間内に撮影された画像から、後述する立証判定手段12および人物特定手段13で更に画像が絞り込まれる。
<2.本交通違反管理システム100の構成>
本実施形態の交通違反管理システム100は、カメラ10および違反検出手段9によって交通違反を検出し、車両および違反者を特定する。
【0036】
交通違反管理システム100は、
図2に示すように、違反情報取得手段11と、立証判定手段12と、人物特定手段13と、違反金請求書類作成手段14と、記憶手段15と、表示制御手段16と、表示手段17と、違反金決定手段18と、合計金額算出手段19と、合計金額記憶手段20とを備えている。
違反情報取得手段11は、違反検出手段9およびカメラ10から違反情報を取得する。違反情報は、違反内容に関する情報、および違反を行った際の画像を含む。
【0037】
違反情報取得手段11は、違反内容取得手段111と、画像取得手段112とを有する。違反内容取得手段111は、違反検出手段9によって検出された違反内容に関する情報を取得する。画像取得手段112は、違反検出手段9によって検出された違反内容に基づいて、カメラ10によって撮像された画像を取得する。違反内容に関する情報としては、速度超過または信号無視などの違反の種類、および違反日時などの情報が含まれる。
【0038】
ここで、違反の種類とは、違反検出手段9に設けられたレーダー、コイル等の各種センサでの取得情報(生データ)から何の違反かまで特定した情報(違反の名称)であるが、違反内容に関する情報は、違反の種類に限られなくても良い。違反内容取得手段111は、例えば、違反内容に関する情報として、違反検出手段9の各種センサによって得られた生データを受け取っても良い。
【0039】
そして、違反情報取得手段11は、撮像された画像および違反内容に関する情報を立証判定手段12および人物特定手段13に対して送信する。
ここで、カメラ10によって連続撮影された画像を用いて交通違反の立証の判定および人物の特定を行う場合、上述のようにカメラ10による大量の画像が違反検出手段9に記憶されず、全ての画像を画像取得手段112に送信して、全ての画像が一旦画像取得手段112の記憶手段に記憶されてもよい。この場合、違反内容取得手段111によって取得された違反内容に基づいて、画像取得手段112が違反の立証に必要な画像を抽出して立証判定手段12および人物特定手段13に送信する。
【0040】
立証判定手段12は、違反を撮影した画像の写り具合、内容、鮮明さ等から違反を立証できるか否かを判定する。なお、立証判定手段12が、違反を立証できるか否かを判定する際の詳細な処理内容については、
図3を用いて後段にて詳述する。
人物特定手段13は、違反情報取得手段11から受信した画像を用いて、違反検出手段9において検出された交通違反に関連する人物を立証するために必要な条件を満たす画像を抽出する。
【0041】
具体的には、人物特定手段13は、違反車両の運転者等の人物を特定可能な画像を抽出する。特定可能な画像の抽出時には、立証判定手段12と同様に、画像の写り具合、内容、鮮明さ等に基づいて、最適な1枚、あるいは複数の画像が抽出される。
ここで、本実施形態において、交通違反に関連する人物とは、違反車両の運転者、同乗者、保有者(所有者)、違反車両の運転者の雇用主(企業等)等が含まれる。
【0042】
なお、人物特定手段13が交通違反に関連する人物を特定する際の詳細な処理内容については、
図5を用いて後段にて詳述する。
違反金決定手段18は、違反検出手段9によって検出された交通違反の内容に基づいて違反金の決定を行う。例えば、日本において速度超過の交通違反を行い速度超過が時速20〜24kmの場合は、違反金決定手段18は、日本の法規則を参照し、違反金(反則金)を15000円と決定する。
【0043】
違反金請求書類作成手段14は、違反検出手段9において検出された交通違反の内容、人物特定手段13において特定された人物情報(運転者、車両の保有者等)、および違反金決定手段18によって決定された違反金に基づいて、交通違反の違反金(反則金)の請求書を作成する。
すなわち、違反金請求書類作成手段14は、特定された人物情報に基づいて、請求書の送付先となる住所等を特定し、人物名、住所、違反内容および違反金の金額を記入した請求書を作成する。
【0044】
記憶手段15は、立証判定手段12において違反の立証判定に用いた画像、特定された人物の情報、人物の特定に用いた画像、違反金、および請求書に関する情報を、同一の違反に関する情報として関連付けて記憶する。
この関連付けによって、人物ごとに、交通違反の内容(信号無視、速度超過、遮断踏切立ち入り違反、携帯電話使用等)をまとめて分類でき、一人の人物が行った交通違反がまとめて表示できる(
図8参照)。
【0045】
なお、記憶手段15には、立証判定手段12および人物特定手段13において、交通違反の立証に必要な画像だけが送信される。このため、記憶手段15には、交通違反とは関係のない画像、交通違反の立証には適さない不鮮明な画像、違反車両、人物を特定できない画像等は保存されない。
合計金額算出手段19は、記憶手段15において同一人物に対して複数の交通違反が関連付けられている場合に、複数の違反に対する違反金の合計金額を算出する。
【0046】
合計金額記憶手段20は、人物の情報と、その人物の違反回数、およびその人物に対する違反金の合計金額を記憶する。なお、記憶手段15にすでに記憶されている人物に対して、新たな違反が検出されて記憶手段15に新たな違反内容に関する情報が記憶される場合には、合計金額算出手段19は、その人物に対する違反金の合計金額を算出し直す。そして、その人物に対して、合計金額記憶手段20に記憶されている合計金額の情報が更新される。
【0047】
表示制御手段16は、記憶手段15に保存された各違反に関する情報を、人物特定手段13で特定された人物ごとに一つの画面または連続的な画面として表示するように表示手段17を制御する。
表示手段17は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。なお、表示手段17の表示画面における表示態様については、
図8を用いて、後段にて詳述する。
<2−1.立証判定手段12>
立証判定手段12について、
図3を用いて説明すれば以下の通りである。
【0048】
立証判定手段12は、
図3に示すように、違反情報取得手段11の画像取得手段112から入力された画像に対して、DB(データベース)21に記憶されている立証に使える画像の条件に基づいて、検出された違反内容を立証できるか否かを判定する。
立証に使える画像の条件は、DB(データベース)21に設けられている立証条件記憶部221に記憶されている。
【0049】
立証に使える画像の条件とは、証拠となる画像内容が、各交通違反に対して満たさなければならない条件を意味している。例えば、1枚の画像中に、特定可能な違反車両と運転者とが含まれていなければならないといった条件、あるいは複数の画像を組み合わせた場合に、各画像に特定可能な違反車両と人物とが立証可能な状態で含まれていなければならないといった条件等である。なお、この画像に関する条件は、各国において規定された法律等に基づいて設定されていればよく、国ごと、自治体ごとに異なっていてもよい。
【0050】
立証判定手段12は、DB21に記憶された立証条件と、違反情報取得手段11から受信した画像とを照合して、違反検出手段9によって検出された違反内容を立証できるか否かを判定する。そして、立証判定手段12は、交通違反として立証可能であると判定した場合には、違反情報取得手段11から受信した複数の画像から交通違反としての立証に適した立証用画像P1(
図4等参照)の抽出を行う。
【0051】
そして、立証判定手段12は、立証用画像P1と、違反内容に関する情報とを、記憶手段15に対して出力する。
図4は、立証用画像P1の一例を示す図である。
図4では、信号無視の交通違反の立証が可能であると判定された立証用画像P1を示している。
図4では、赤信号にもかかわらず車両が交差点内に進入している画像が示されている。
なお、立証判定手段12から記憶手段15への出力は、人物特定手段13において人物の特定が可能と判定された後で行われることが好ましい。これにより、人物特定手段13において特定不可とされた場合に、無駄なデータが記憶手段15へ出力されて保存されることを防止することができる。
<2−2.人物特定手段13>
人物特定手段13について、
図5を用いて説明すれば以下の通りである。
【0052】
人物特定手段13は、
図5に示すように、DB23を参照して違反情報取得手段11から受信した画像から、違反車両に関連する人物を立証する。
DB23は、交通違反を犯した違反車両に関連する人物(運転者、保有者、使用者(企業等))を立証するための条件(立証に使える画像の条件を含む)に関する情報を保存している。
【0053】
DB23は、立証条件記憶部230と、免許証情報記憶部231と、自動車登録番号記憶部232とを有している。
立証条件記憶部230は、立証に使える画像の条件を保存している。免許証情報記憶部231および自動車登録番号記憶部232は、人物の情報を有している。詳しくは、免許証情報記憶部231は、免許証情報(免許証番号、人物の写真、免許証の有効期限、人物の住所など)を保存している。自動車登録番号記憶部232は、自動車の登録番号に関連する情報(ナンバープレートの番号、保有者情報、車種名など)を保存している。
【0054】
ここで、違反車両に関連する人物を立証するための条件とは、例えば、画像に含まれる運転者、同乗者等の顔が免許証に登録された顔写真と一致することが考えられる。その他にも、画像から検出された車両番号と、車両購入時等に予め登録された情報(車検証等)と照合し、違反車両の保有者、使用者(企業)等が特定できること、等も考えられる。この場合、DB23には、車両番号とその車両の保有者等の情報も記憶されていればよい。
【0055】
なお、この条件は、各国や各自治体において規定された法律等に基づいて設定されていればよい。つまり、運転者に対して取締りを行う国であれば、運転者を特定する条件が設定されていればよいし、車両の保有者に対して取締りを行う国であれば、保有者を特定する条件が設定されていればよい。
また、人物の特定に使える画像の条件とは、例えば、画像中の運転者の顔が鮮明で免許証の顔写真と十分に照合できることが考えられる。その他にも、画像中の違反車両の車両番号が鮮明で十分に読み取り可能であることが考えられる。なお、この画像に関する条件は、各国において規定された法律等に基づいて設定されていればよく、画像の鮮明さや画像の数等は各国や自治体ごとに異なっていてもよい。
【0056】
人物特定手段13は、DB23に記憶された人物を特定するための情報と、画像取得手段112から受信した画像とを照合して、画像に含まれる違反車両の運転者、保有者等の氏名を特定する。そして、人物の特定も可能であると判定された場合には、交通違反としての立証に最も適した人物特定用画像P2,P3の抽出を行う。
そして、人物特定手段13は、人物特定用画像P2等と、人物を特定する情報(氏名、会社名等)とを、記憶手段15に対して出力する。
図6は、人物特定用画像P2および人物特定用画像P3の一例を示す図である。このP2およびP3は、
図4で示した信号無視の交通違反時の人物特定用画像である。人物特定用画像P2では、ナンバープレートの番号が認識でき、車両の保有者を特定できる。また、人物特定用画像P3では、運転者の顔が認識できるため免許証の顔写真と照合し、運転者を特定できる。
【0057】
なお、人物特定手段13から記憶手段15への出力は、立証判定手段12において交通違反が立証可能と判定された後で行われることが好ましい。あるいは、人物特定手段13における処理が無駄にならないようにするために、立証判定手段12において交通違反が立証可能と判定された後で、人物特定手段13における処理を開始してもよい。
<2−3.記憶手段15に保存される情報>
記憶手段15には、立証判定手段12において違反の立証判定に用いた画像、特定された人物の情報、人物の特定に用いた画像、違反金、および請求書に関する情報が、同一の違反に関する情報として関連付けて記憶される。
【0058】
ここで、交通違反取締りの対象としては、交通違反の内容と対象人物とをともに立証可能な場合のみ、取締りの対象となる。よって、立証判定手段12において違反内容を特定できた場合でも、人物特定手段13において、違反車両の運転者や保有者を特定できなかった場合には、立証判定手段12から出力された立証用画像P1(
図4等参照)等は、記憶手段15から消去される。
【0059】
なお、この場合には、立証判定手段12から出力された画像データ等を記憶手段15から削除する以外にも、立証用画像P1等が立証判定手段12から出力されないようにしてもよい。つまり、立証判定手段12および人物特定手段13の双方において違反内容を立証および人物を特定できた場合に限り、立証判定手段12および人物特定手段13から記憶手段15に対して画像データ等を出力すればよい。
【0060】
これにより、交通違反の取締りの立証に使用できる情報および画像だけを抽出して、必要最小限のデータが記憶手段15に保存される。このため、記憶手段15の容量が必要以上に増大してしまうことを回避することができるとともに、警察署等において警察官が立証に使えない無駄な画像等を見ることを回避することができる。
また、警察署等において、警察官が交通違反の取締りを行う際に、本システムにより抽出された違反内容や画像等を用いた立証に疑義が生じた場合には、交通違反として判定されることなく、その違反に関連付けされた画像や情報等は特定の保存場所へ移動される。あるいは、立証できないものとして、それらの画像や情報等は、警察官等の操作によって記憶手段15から削除されてもよい。
<3.交通違反管理システムの動作>
<3−1.違反の検出から記憶までの動作>
以下に、本実施形態の交通違反管理システムの動作(交通違反管理方法の一例)について説明する。
図7は、本実施の形態の交通違反管理システムの動作を示すフロー図である。ステップS11において、違反検出手段9によって車両の交通違反が検出されると、ステップS12(画像取得ステップの一例)において、カメラ10で撮影された違反車両の画像が画像取得手段112によって取得される。この際に、検出された違反内容に関する情報も違反内容取得手段111によって取得される。
【0061】
次に、ステップS13(判定ステップの一例)において、立証判定手段12が取得した画像から違反検出手段9によって検出された違反の証明が可能か否か判定する。立証が不可能であると判定された場合には、動作は終了する。なお、立証が不可能であると判定される例としては、
図4に示す画像において信号機が映っていない場合等が挙げられる。
違反の立証が可能であると判定された場合には、次に、ステップS14(人物特定ステップの一例)において人物特定手段13によって取得した画像から運転者または保有者(保有者ともいう)の人物特定が可能か否か判定される。人物の特定が不可能であると判定された場合には、動作は終了する。なお、人物の特定が不可能な場合とは、人物の顔が隠れている場合、顔が不鮮明な場合等が挙げられる。
【0062】
人物特定が可能と判断されて運転者または保有者が特定された場合には、ステップS15において、違反金決定手段18が違反内容から違反金の値段を決定する。違反金決定手段18は、各国の規則に基づいて違反金の値段を決定する。
次に、ステップS16において、違反金の値段、違反検出手段9によって検出された違反内容、および特定された人物の情報を用いて、違反金請求書類作成手段14によって請求書が作成される。
【0063】
次に、ステップS17(記憶ステップの一例)において、記憶手段15が、立証判定手段12において違反判定に用いた画像、人物情報、人物特定に用いた画像、違反金の値段、違反金請求書類に関する情報(テキストファイルのデータ等)を、同一違反に関する情報として関連付けて保存する。
上述した例では、
図4に示す立証用画像P1、人物特定用画像P2,P3、特定された人物の住所、免許証番号などの人物情報、違反金の値段が、日付も含めて信号無視の違反に関する情報として関連付けて保存される。
<3−2.表示制御手段16の表示動作>
本実施形態の交通違反管理システム100では、上述のように、立証判定手段12および人物特定手段13において、交通違反の内容、違反車両、運転者等の人物の特定が可能と判定された場合に、立証に必要な画像および各種情報が記憶手段15に保存される。
【0064】
そして、記憶手段15に保存された立証用画像P1、人物特定用画像P2,P3、およびその交通違反に関する各種情報は、警察官等が同一人物による違反内容を確認し易いように表示される。
ここで、警察官が、違反内容を確認し、交通違反であるか否かの最終判断をしたうえで違反金の請求が行われる。
【0065】
そのため、複数の違反を同一人物が行っている場合に、警察官は、その人物に対する違反内容をまとめて確認して交通違反であるか否かを判断できるため、違反金を請求しやすい。
図8は、表示制御手段16によって表示手段17に表示された画面を示す図である。
本実施形態の交通違反管理システム100では、表示制御手段16は、画面Aを表示手段17に表示させることができる。画面Aでは、
図8に示すように、違反回数の多いグループごとに、そのグループに属する人数が表示される。
図8では、4つのグループ(違反20回以上のグループ1、違反10〜20回のグループ2、違反5〜10回のグループ3、違反5回未満のグループ4)に分けて表示されている。
【0066】
画面Aのいずれかのグループを警察官が選択すると、画面Bが表示される。画面Bでは、画面Aにおいて選択されたグループの違反者情報のリストが表示される。例えば、画面Aにおいてグループ1が選択操作されると、画面Bにおいてグループ1の属する違反者名、その違反者の違反回数、および違反金合計額が表示される。ここで、表示制御手段16は、合計金額記憶手段20に記憶されている人物ごとの違反回数、および違反金の合計金額を用いて表示手段17に画面Bの表示を行わせる。
【0067】
画面Bのいずれかの違反者を警察官が選択すると、画面Cが表示される(表示制御手段の一例))。画面Cでは、選択された違反者の複数の違反内容が表示される。例えば、画面Bにおいて1番目に表示される違反者を選択すると、表示制御手段16は、その違反者の名前などの人物情報、違反回数、違反金合計金額、複数の違反内容を画面Cにおいて表示する。
【0068】
画面Cでは、1〜3番目の違反内容が1つの画面に表示されており、画面Cに表示されている次頁へ進むための進むボタン30を選択することによって、画面Dに示すように、次の違反内容が表示される。このように連続的な画面として所定の人物に関する違反内容をすべて表示できる。画面Dには、次頁へ進むための進むボタン30と、元の頁に戻るために戻るボタン31が表示されており、進むボタン30を押すことによって次の違反内容のリストが表示され、戻るボタン31を押すことによって画面Cへ戻ることができる。なお、違反件数が少ない場合には、1つの画面上で全ての違反内容を表示できる。
【0069】
そして、画面Cおよび画面Dに示す「詳細表示」を選択することによって、各違反内容の詳細が表示される。例えば、画面Dにおいて、信号無視の「詳細表示」を選択した場合には、
図9に示す画面Eが表示される。画面Eには、立証用画像P1、人物特定用画像P2、P3が表示され、違反内容に関する情報(違反内容、違反場所)、撮影日時、人物の情報(運転者の氏名、住所、免許証番号、違反の履歴)が表示される。
【0070】
警察官は、この詳細表示の画面を確認し、交通違反であるか否かを判断する。そして、交通違反であると判定した場合には、違反金請求書類作成手段14によって作成した請求書を当該人物に送付する。この際に、同一人物に対する複数の違反をまとめて処理できるため、異なる人物の処理を間に挟む場合よりも効率良く作業ができる。
なお、画面Eにおいて、画面C,Dに表示されている次の違反内容を確認できるように進むボタン、戻るボタンなど設けてもよい。また、画面Eから画面C,Dに戻るボタンが設けられていてもよい。
【0071】
<4.効果等>
本実施の形態の交通違反管理システム100は、画像取得手段112と、立証判定手段12と、人物特定手段13と、記憶手段15と、表示制御手段16とを備えている。画像取得手段112は、車両の違反が検出された場合に、カメラ10(撮像手段の一例)により違反車両を撮像した画像を取得する。立証判定手段12は、カメラ10で取得された画像から違反車両の違反を証明できるか否かを判定する。人物特定手段13は、カメラ10で取得された画像から違反車両の運転者、保有者、または同乗者を特定する。記憶手段15は、立証判定手段12での違反の判定に用いた違反車両の画像と、人物特定手段13により特定された人物の情報と、人物特定手段13での特定に用いられた画像とを同一の違反に関する情報として関連付けて記憶する。表示制御手段16は、記憶手段15に記憶されている各違反に関する情報を、人物特定手段13で特定された人物ごとに一つの画面または連続的な画面として表示手段17に表示させる。
【0072】
以上のように、人物ごとに、その人物に関連付けられて記憶されている複数の違反(反則行為)に関する情報を一つの画面または連続的な画面として表示することによって、警察官は、1人の人物に対して関連付けられた複数の交通違反を効率良く確認できる。
そのため、複数の交通違反を行っている人物に対して、まとめて違反金の請求処理をでき、違反金(反則金)請求の際の効率が向上する。
【0073】
<5.他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0074】
(A)
なお、上記実施形態の交通違反管理システム100は、例えば、
図10に示すようなハードウェア構成により実施されてもよい。
交通違反管理システム100は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークNにより外部の交通違反取締装置22に接続される。交通違反取締装置22は、カメラ10を含んでおり、違反検出手段9の機能を実現する。
記憶装置160は、交通違反管理システム100に含まれていても良いが、図に示すように外部から無線又は有線によって接続されていてもよい。また、上述した表示手段17を構成する表示装置170は、交通違反管理システム100に含まれていても良いが、図に示すように、交通違反管理システム100に接続されていてもよく、他のシステムの表示手段などを流用してもよい。
【0075】
交通違反管理システム100は、コンピュータ端末により構成され、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)120、出力部130、通信部140、入力部150等を備えている。
CPU110は、各種の演算処理等を実行するとともに、RAM120に読み込まれて展開される所定の制御プログラムを実行する。この制御プログラムにより、違反情報取得手段11、立証判定手段12、人物特定手段13、違反金決定手段18、違反金請求書類作成手段14、表示制御手段16、および合計金額算出手段19の機能が実行される。
【0076】
RAM120は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等のメモリ素子で構成され、CPU110の処理過程で発生したデータなどの記憶を行う。
出力部130は、画像及び音声等のアナログ信号又はデジタル信号を伝送するケーブルなどを接続する接続端子を有しており、これらのケーブルを介して上述した表示装置170に接続されている。出力部130は、表示制御手段16の指令に応じて記憶装置160から読み出された各種の情報を画像信号に変換し、ケーブルを介して表示装置170へ出力する。また、ケーブルによる有線接続に限らず無線接続であってもよい。
【0077】
通信部140は、通信ケーブルを接続するための接続端子を有し、通信ケーブルを介してネットワークNに接続されている。通信部140は、ネットワークNに接続された交通違反取締装置22との間でデータの送受信を行う。なお、通信部140と交通違反取締装置22との間のデータ通信は有線にかぎらず無線であってもよい。
入力部150は、(マウス、キーボード、画面上で操作するタッチパネル等)により構成される。入力部150は、ユーザーの操作による情報の入力及びメニューの選択等を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU110へ通知する。
記憶装置160は、半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体等により構成される。なお、記憶装置160は、記憶手段15の機能を実現し、DB21、およびDB23などを記憶していても良い。
【0078】
(B)
上記実施形態では、
図8の画面Aおよび画面Bに示すように、違反件数が多い違反者を優先的に画面に表示したが、これに限られなくてもよく、最近(例えば現時点から3ヶ月前までの)の違反が多い違反者を優先的に表示するようにしても良い。
このようにすることで、最近違反を頻発している違反者を優先的に取締り(罰則金の請求)を行うことができるため、違反者が違反を控えるように心がけ、交通事故を未然に防ぐことができる。
【0079】
(C)
また、上記実施形態では、違反回数が多い順に優先的に画面に表示しているが、違反金額の合計が多い順に画面に表示してもよい。違反金額の合計が多い違反者は、たとえ違反回数が少なくても行った交通違反が悪質である場合が多い。そのため、悪質な違反を行った違反者に対して、優先的に取締り(罰則金の請求)を行うことができるため、違反者が違反を控えるように心がけ、交通事故を未然に防ぐことができる。
【0080】
(D)
また、上記実施形態では、違反者ごとの違反金の合計金額が合計金額記憶手段20に記憶されているが、合計金額算出手段19および合計金額記憶手段20が設けられておらず、表示制御手段16が、記憶手段15から読み出す際に演算を行って画面Bに表示するようにしてもよい。
【0081】
(E)
また、上記実施形態の交通違反管理システム100では、立証判定手段12において違反判定に用いた画像、人物情報、人物特定に用いた画像、違反金の値段、および違反金請求書類に関する情報(テキストファイルのデータ等)が、同一違反に関する情報として関連付けて保存されているが、これに限られるものではない。例えば、違反金の値段、および違反金請求書類に関する情報が保存されていなくてもよい。この場合、警察官によって違反に関する情報が確認されて最終的に交通違反の確認が行われた後に、入力部150等を操作することによって、違反金の決定または請求書類の作成を行ってもよい。
【0082】
(F)
また、上記実施形態の交通違反管理システム100は、様々な違反内容に対応するために、違反検出手段9で検出された違反内容に関する情報を取得しているが、検出する違反内容が決まっている場合には、違反内容に関する情報を取得しなくてもよい。すなわち、検出する違反内容が決まっている場合には、
図11に示す交通違反管理システム100´のように、違反内容取得手段111が設けられず画像取得手段112のみが設けられていればよい。このような交通違反管理システム100´では、立証に必要な画像の条件は予め決まっているため、立証判定手段12は画像を受信するだけで当該条件に基づいて立証条件を満たすか否か判断できる。
【0083】
(G)
上記
図10においても述べたが、上記実施形態の交通違反管理システム100は、表示手段17も有しているが、専用の表示手段17を有していなくてもよく、他のシステムの表示手段などを流用してもよい。
【0084】
(H)
上記実施形態では、外部機器としての違反検出手段9およびカメラ10を用いて、警察署等において交通違反の検出・管理を行う交通違反管理システム100を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、違反検出手段およびカメラ等の撮像手段を含むシステムとして、本発明の交通違反システムを構成してもよい。
この場合、撮像手段および違反検出手段が設置されている道路等の場所に違反情報取得手段を一緒に設置し、その他の記憶手段等の装置を警察署等に設置してもよい。そして、違反情報取得手段から警察署等に設置されている装置に対して無線等で情報を送信するようにしてもよい。
【0085】
(I)
上記実施形態の交通違反管理システム100は、カメラ10から画像を取得しているが、例えば違反を確認した人が携帯電話で撮影した画像を取得してもよい。
(J)
上記実施形態では、本システムにおいて検出・管理される交通違反の例として、速度超過、信号無視を例として挙げて詳細に説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
例えば、本システムにおいて検出・管理可能な交通違反としては、通行禁止・Uターン禁止違反、通行区分違反、逆走、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反、路線バス等優先通行帯違反、車間距離不保持、無灯火、携帯電話使用等も含まれる。
つまり、本システムにおいては、上記例示した交通違反以外にも、カメラ等で撮像された画像を用いて判定可能であって、各国で定められた法律等で規定された各種交通違反の検出・管理が可能である。