特許第6394490号(P6394490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394490
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20180913BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180913BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   H04N1/00 885
   H04N1/00 127Z
   B41J29/38 Z
   B41J29/38 D
   G03G21/00 396
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-96542(P2015-96542)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-213704(P2016-213704A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 敬之
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−53122(JP,A)
【文献】 特開2002−36662(JP,A)
【文献】 特開2006−33249(JP,A)
【文献】 特開2011−245791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 − 29/70
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 21/14
H04N 1/32 − 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を行う印刷部と、
基板を取り付けるための増設用接続部と、
前記増設用接続部に取り付けられ、外部通信用ポートと、外部と通信するための通信チップを含み、前記外部通信用ポートを介して外部に設けられた管理サーバーと通信を行うサーバー基板と、
前記サーバー基板が接続されるネットワークとは異なるネットワークであって、ローカルなネットワークに接続するための内部通信用ポートを含み、ローカルネットワークに接続された情報収集の対象とする収集対象機器と通信を行う通信制御部と、
前記収集対象機器から予め定められた機器情報を前記通信制御部に収集させ、収集した前記機器情報を前記管理サーバーに向けて前記サーバー基板に送信させる制御部と、
画像形成装置に含まれる部分に電力の供給を行う電力供給部と、を含み、
前記サーバー基板は、
収集された前記機器情報を不揮発的に記憶する情報メモリーを含み、
前記通信制御部が収集した前記機器情報のうち、コンテンツ情報と個人情報を前記管理サーバーに送信する前記機器情報から除外し、
収集された前記機器情報のうち、外部に送信してよいと予め定められた情報のみを前記管理サーバーに送信し、
前記コンテンツ情報は、ジョブに利用された画像データを含み、
前記電力供給部は、
予め定められた移行条件が整うと画像形成装置を省電力モードとするため、前記制御部を含む予め定められた供給停止部分への電力供給を停止し、
前記省電力モードで予め定められた復帰条件が整うと画像形成装置を通常モードとするため、前記供給停止部分への電力供給を再開し、
前記サーバー基板に関し、前記省電力モード中、前記サーバー基板に含まれる複数の回路のうち、前記管理サーバーからの命令があったことを認識するための前記外部通信用ポートと、前記通信チップに電力を供給し、
前記サーバー基板は、
前記省電力モードによって供給電力が制限されている状態では、前記機器情報の送信を行わず、
前記省電力モード中、前記サーバー基板が前記管理サーバーからの前記機器情報の送信要求を受信したとき、前記電力供給部は、画像形成装置を通常モードとするため、前記供給停止部分への電力供給を再開し、
前記通常モードに復帰している状態で、前記サーバー基板は、前記機器情報を前記管理サーバーに送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記サーバー基板の設定、及び、前記サーバー基板の前記機器情報の送信に関する設定を受け付ける操作パネルを含み、
前記サーバー基板は、前記操作パネルの設定にあわせて前記管理サーバーへの前記機器情報の送信を行うことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用やメンテナンスのために機器の情報を収集する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、複写機、プリンターのような画像形成装置は、顧客の会社内や事務所内に設置される。そして、画像形成装置の運用やメンテナンスに関する情報を顧客に提供するサービスがある。例えば、画像形成装置の一部の部材の寿命が近づいていることや、トナーのような消耗品の残量が少ないことを顧客に知らせる。このようなサービス提供のため、サービス提供者のサーバーと、各顧客の画像形成装置をインターネットのようなネットワークを介して接続することがある。そして、サービス提供者のサーバーに各画像形成装置の情報を集め、サーバーに集められた情報を解析し、解析結果や有益な情報が顧客に通知される。
【0003】
特許文献1には、サーバーと各画像形成装置間の情報のやりとりにおけるセキュリティに着目した技術が記載されている。具体的に、特許文献1には、公共性の高い情報を外部情報として管理しソフトウェアサービスを提供する第1の情報処理装置(外部の管理サーバー400)を備える外部システムと、機密性の高い情報を内部情報として管理する第2の情報処理装置(内部サーバー300)及びソフトウェアサービスによる提供情報を出力する第3の情報処理装置(端末100)を備える内部システムとが、所定のデータ伝送路で接続され、第1の情報処理装置が、提供情報を生成する情報生成モジュールを取得要求元に送信して情報生成機能を提供し、第3の情報処理装置は、第1の情報処理装置から情報生成モジュールを受信して情報生成機能を取得し、情報生成モジュールを実行し、第1の情報処理装置から取得した外部情報と第2の情報処理装置から取得した内部情報とを用いて提供情報を生成する情報処理システムが記載されている。この構成により、外部の管理サーバーが利用者環境の内部情報を収集せずに、外部情報と内部情報とを用いた提供情報を出力する(特許文献1:請求項1、段落[0011]、図1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−027520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、顧客の画像形成装置から各種情報を収集し、外部のサーバーに蓄積することがある。発生したエラーや、印刷枚数や使用時間のような顧客の各画像形成装置の利用実態に関する情報が収集される。収集された各種情報は、画像形成装置の管理(メンテナンス)に役立てることができ、顧客への有益な情報の提供を行うことができる。収集された情報の統計的に解析し、生じやすいエラーを発見するなどして情報を画像形成装置の開発にも役立てることもある。
【0006】
近年では、会社、官公庁、事務所内でローカルなネットワーク(社内ネットワーク)を構築することが多い。各使用者のPCと画像形成装置をローカルネットワーク(LAN)に接続しておけば、各使用者のPCからLAN経由でデータを画像形成装置に送信し、印刷を行わせることができる。また、画像形成装置で生成された画像データをLAN経由でPCに送信することもできる。このように、1又は複数の画像形成装置や各使用者のPCをLANで接続する場合がある。
【0007】
LANに画像形成装置が1又は複数接続されている場合、LAN上のサーバー(例えば、画像形成装置の管理を行う社内サーバー)で、各画像形成装置の情報収集用のアプリケーションが実行される。そして、サーバーに各画像形成装置の情報をいったん集める。そして、LAN上のサーバーから集めた画像形成装置の情報を外部のサーバーに送信する。
【0008】
しかし、このような方式では、LAN内に画像形成装置の情報収集のためだけに、サーバーを少なくとも1台設けなくてはならない場合があるという問題がある。サーバーを設けると、設置コストが高くなり、設置スペースが必要となる。
【0009】
特許文献1記載の技術も、1つの内部ネットワーク内に少なくとも1つの内部サーバー200と、端末100と、画像処理装置300を設ける(特許文献1:図1)。そのため、サーバーを設けることによる設置コスト、設置スペースの問題を解決することができない。
【0010】
本発明は、上記問題点を鑑み、1つの独立した据え置き型サーバーをローカルなネットワークに設けなくてすむようにし、サーバーの設置コストを抑えつつ、サーバーの設置スペースを確保しなくても各画像形成装置の情報収集と外部への送信を行えるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、印刷部、増設用接続部、サーバー基板、通信制御部、制御部、電力供給部を含む。前記印刷部は印刷を行う。増設用接続部は、基板を取り付けるための拡張スロットである。サーバー基板は、前記増設用接続部に取り付けられ、外部通信用ポートと、外部と通信するための回路を含み、前記外部通信用ポートを介して外部に設けられた管理サーバーと通信を行う。通信制御部は、前記サーバー基板が接続されるネットワークとは異なるネットワークであって、ローカルなネットワークに接続するための内部通信用ポートを含み、ローカルネットワークに接続された情報収集の対象とする収集対象機器と通信を行う。制御部は、前記収集対象機器から予め定められた機器情報を前記通信制御部に収集させ、収集した前記機器情報を前記管理サーバーに向けて前記サーバー基板に送信させる。前記電力供給部は画像形成装置に含まれる部分に電力の供給を行う。前記サーバー基板は、収集された前記機器情報を不揮発的に記憶する情報メモリーを含む。前記サーバー基板は、前記通信制御部が収集した前記機器情報のうち、コンテンツ情報と個人情報を前記管理サーバーに送信する前記機器情報から除外する。前記サーバー基板は、収集された前記機器情報のうち、外部に送信してよいと予め定められた情報のみを前記管理サーバーに送信する。前記コンテンツ情報は、ジョブに利用された画像データを含む。前記電力供給部は、予め定められた移行条件が整うと画像形成装置を省電力モードとするため、前記制御部を含む予め定められた供給停止部分への電力供給を停止する。前記電力供給部は、前記省電力モードで予め定められた復帰条件が整うと画像形成装置を通常モードとするため、前記供給停止部分への電力供給を再開する。前記サーバー基板に関し、前記電力供給部は、前記省電力モード中、前記サーバー基板に含まれる複数の回路のうち、前記管理サーバーからの命令があったことを認識するための前記外部通信用ポートと、前記通信チップに電力を供給する。前記サーバー基板は、前記省電力モードによって供給電力が制限されている状態では、前記機器情報の送信を行わない。前記省電力モード中、前記サーバー基板が前記管理サーバーからの前記機器情報の送信要求を受信したとき、前記電力供給部は、画像形成装置を通常モードとするため、前記供給停止部分への電力供給を再開する。前記通常モードに復帰している状態で、前記サーバー基板は、前記機器情報を前記管理サーバーに送信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、1つの端末として独立したサーバー(据え置き型のサーバー)をローカルなネットワークに設けなくてすむ。また、サーバーの設置コスト及びサーバーの設置スペースを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る複合機の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る複合機の詳細を説明するための図である。
図3】実施形態に係る複合機の省電力モードを説明するための図である。
図4】実施形態に係る複合機での機器情報の収集と送信の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係るサーバー基板の動作設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1図5に基づき説明する。本実施形態では、サーバー基板1が取り付けられる複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。そして、複合機100は、通常モードと、通常モードよりも消費電力を減らす省電力モードを有する。但し、本実施形態に記載される構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0015】
(複合機100の概略)
次に、図1に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、複合機100は、制御部2を含む。制御部2は、CPU21、画像処理部25のような回路を含み、複合機100の動作を制御する。記憶部20は、ROM22、RAM23、HDD24のような記憶装置を組み合わせである。記憶部20は、制御用の各種のプログラム、制御用データや画像データのような各種データを記憶する。CPU21は、記憶部20に記憶されるプログラム、データに基づき複合機100の各部の制御や、各種の演算処理を行う。画像処理部25は、濃度変換、拡大、縮小、回転、データ形式変換のような印刷や送信に用いる画像データへの画像処理を施す。処理後の画像データは、画像形成部6cでのトナー像形成や、送信に用いられる。
【0017】
図1に示すように、複合機100は、操作パネル3を含む。操作パネル3は、複合機100の状態、各種メッセージ、各種設定画面を表示する表示パネル31を備える。また、表示パネル31の上面にタッチパネル部32が設けられる。タッチパネル部32は、使用者のタッチ位置を検知するためのものであり、検知位置に応じた電圧(信号)を出力する。また、操作パネル3には、スタートキーやテンキーのような複数のハードキー33も設けられる。
【0018】
そして、制御部2は、操作パネル3の表示を制御する。また、制御部2は、タッチパネル部32の出力に基づき、タッチパネル部32へのタッチがなされたことや、表示パネル31(タッチパネル部32)のうち、押された位置、座標を認識する。制御部2は、タッチパネル部32の出力に基づき、押された操作画像(ソフトキー、ボタン、タブ、チェックボックスのような画像)を認識する。そして、制御部2は、操作に応じて表示パネル31の表示を切り替えさせる。
【0019】
制御部2は、操作パネル3と通信可能に接続される。操作パネル3は、操作パネル3でなされた使用者の設定内容を制御部2に伝える。制御部2は、使用者の設定どおりに動作するように、原稿搬送部4、画像読取部5、印刷部6、通信制御部7、サーバー基板1のような複合機100を構成する各部分の動作を制御する。なお、操作パネル3には、制御部2の指示に基づき操作パネル3に関する表示制御を行い、タッチ操作やキー操作を認識するパネル制御部を設けてもよい。
【0020】
また、複合機100は、原稿搬送部4と画像読取部5を含む。原稿搬送部4は、セットされた原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス(読取位置、不図示)に向けて連続的、自動的に搬送する。画像読取部5は、送り読取用コンタクトガラスを通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。制御部2は、原稿搬送部4、画像読取部5とバスのような信号線で接続される。そして、制御部2は、スキャン、印刷、送信のようなジョブのとき、原稿搬送部4、画像読取部5の動作を制御する。
【0021】
また、複合機100は、印刷を行う印刷部6(給紙部6a、搬送部6b、画像形成部6c、定着部6d)を含む。給紙部6aは、複数の用紙を収容し、印刷を行うとき、用紙を1枚ずつ搬送部6bに送り出す。搬送部6bは、給紙部6aから供給された用紙を搬送する。画像形成部6cは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部6dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ(不図示)に排出される。また、制御部2は、印刷部6とバスのような信号線で接続される。そして、制御部2は、印刷を伴うジョブのとき、印刷部6の動作を制御する。尚、画像形成や各種回転体を回転させるモータのON/OFFを制御し印刷部6を実際に制御するエンジン制御部を別途設けてもよい。
【0022】
複合機100は、通信制御部7を含む。通信制御部7は、社内ネットワークのようなローカルエリアネットワーク(LAN200)を介し、PC300と通信可能に接続される。また、LAN200には、プリンターや複合機100やファクシミリ装置のような1又は複数の画像形成装置が接続される場合がある。そして、通信制御部7は、LAN200を介し、LAN200に接続された他の画像形成装置と通信できる。また、通信制御部7は、LAN200に接続された他の画像形成装置から情報を収集する。情報を収集される他の画像形成装置が「収集対象機器400」となる。なお、収集対象機器400には、自機(複合機100)を含めてもよい。
【0023】
また、複合機100は、基板を取り付けるための増設用接続部8を含む。増設用接続部8は、機能拡張用のスロットである。増設用接続部8は複数の端子を含む。増設用接続部8に基板を差し込むことで、基板の信号線に、電源用ラインや制御部2からの信号線が接続される。そして、制御部2は、増設用接続部8に差し込まれた基板を認識する。そして、制御部2は、通信可能となった基板の動作を制御する。本実施形態では、増設用接続部8にサーバー基板1を差し込む場合を説明する。
【0024】
(複合機100の詳細)
次に、図2を用いて、複合機100の詳細を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100の詳細を説明するための図である。
【0025】
まず、実施形態に係る複合機100は、図2に示すように、制御部2、通信制御部7、サーバー基板1、電力供給部9を含む。
【0026】
制御部2は、CPU21、ROM22、RAM23、HDD24、画像処理部25、I/F部26といった回路を含む。I/F部26は、通信制御部7、電力供給部9(詳細は後述)、操作パネル3、原稿搬送部4、画像読取部5、印刷部6、サーバー基板1のような複合機100の各部分と通信(信号のやりとり)を行うためのインターフェイス回路である。
【0027】
また、通信制御部7は、CPU71、ROM72、RAM73、I/F部74、I/O部75、通信回路76、内部通信用ポート77を含む。CPU71は、LAN200に関する通信処理や通信プログラムの実行のため、演算処理や通信制御部7の動作制御を行う。ROM72、RAM73は、LAN200上のPC300や収集対象機器400との通信処理に関するプログラムやデータを記憶する。I/F部74は、制御部2や電力供給部9と通信を行うためのインターフェイスである。I/O部75は、複合機100の省電力モードを解除するか否かを判断するための信号を受信する部分である。通信回路76は、LAN200を介してPC300や収集対象機器400と信号のやりとりを実際に行い、情報(データ)の送受信を行う回路である。内部通信用ポート77はLAN200への接続用のネットワークケーブルが接続されるソケットであり、通信回路76からの信号線が接続される。
【0028】
また、サーバー基板1は、CPU11、ROM12、RAM13、I/F部14、情報メモリー15、通信チップ16、外部通信用ポート17を含む。CPU11は、外部ネットワーク500との通信処理や通信プログラムの実行のため、演算処理やサーバー基板1の動作制御を行う。ROM12、RAM13は、インターネットのような外部ネットワーク500や、外部ネットワーク500を介した通信相手である管理サーバー600との通信処理に関するプログラムやデータを記憶する。I/F部14は、制御部2と通信を行うためのインターフェイスである。
【0029】
情報メモリー15は、通信制御部7が収集対象機器400から収集した機器情報を蓄積するメモリーである。情報メモリー15はNVRAMのような不揮発性の記憶装置である。情報メモリー15は、複合機100が主電源OFF状態となっても、機器情報を保持する。尚、機器情報は、収集対象機器400内の記憶装置に記憶されている情報である。機器情報及び機器情報の収集と送信の詳細は後述する。
【0030】
通信チップ16は、インターネットのような外部ネットワーク500と通信を行うための回路である。具体的に、通信チップ16には、PHYチップを用いることができる。外部通信用ポート17はネットワークケーブルが接続されるソケットであり、PHYチップからの信号線が接続される。このように、サーバー基板1は、外部通信用ポート17と、外部と通信するための回路(通信チップ16)を含み、サーバー基板1は、外部通信用ポート17を介して外部に設けられた管理サーバー600と通信を行う。なお、管理サーバー600は、顧客の会社内に設置された複合機100のような画像形成装置の機器情報を収集し、蓄積するデータサーバーである。
【0031】
また、複合機100は、電力供給部9も含む。電力供給部9は、商用電源のような電源から電力供給を受ける。電力供給部9は、電力変換回路91、省電力モード用電源制御回路92、通常モード用電源制御回路93を含む。
【0032】
電力変換回路91は、電源から供給される電力の整流、昇圧、降圧を行う。そして、電力変換回路91は、制御部2、通信制御部7、サーバー基板1、操作パネル3内の各種回路、素子の仕様上の駆動電圧を生成する。各種回路、素子の仕様上の駆動電圧は複数種あるので、電力変換回路91は、複数種の電圧を生成する(例えば、DC5V、3.3V、2.5V、1.8V)。また、電力変換回路91は、原稿搬送部4、画像読取部5、印刷部6のようなジョブを実行する部分のモーター(例えば、DC24V)や回路に印加する電圧も生成する。具体的に、電力変換回路91は、スイッチング電源、整流回路、昇圧トランス、DC/DCコンバータのような複数の回路を含む。
【0033】
省電力モード用電源制御回路92は、省電力モードのとき動作する。省電力モードでは、予め定められた供給停止部分への電力供給が停止される。省電力モード用電源制御回路92は、供給停止部分に対して設けられた電力供給制御用のスイッチ(不図示)をOFFすることにより、供給停止部分への電力供給を停止させる。一方、省電力モード用電源制御回路92は、省電力モードでも電力供給を行う部分への電力供給を行う(つないだままとする)。
【0034】
通常モード用電源制御回路93は、通常モードのとき動作する。通常モードでは、供給停止部分への電力供給が行われる。通常モード用電源制御回路93は、供給停止部分に対して設けられた各スイッチをON状態で保つことにより、供給停止部分への電力供給を行う。また、通常モード用電源制御回路93は、省電力モードでも電力供給を行う部分への電力供給も行わせる。
【0035】
(通常モードと省電力モード)
次に、図3を用いて、実施形態に係る複合機100での通常モードと省電力モードの遷移を説明する。図3は、実施形態に係る複合機100の省電力モードを説明するための図である。なお、図3のうち、破線で示す部分は、省電力モードで電力供給が停止される部分の一例である。
【0036】
本実施形態の複合機100は、印刷や送信のような全てのジョブを実行可能な状態で保つ通常モードを有する。通常モードでは、電力供給部9は、複合機100の全ての部分(供給停止部分を含む部分)に電力を供給する。
【0037】
例えば、通常モードでは、制御部2は、定着部6dのヒータのON/OFFを行って、定着部6dを定着可能な温度で保つ。しかし、通常モードでは印刷していない状態(待機状態)でも、一定の電力が消費される。
【0038】
省エネの観点から、瞬間的な最大消費電力だけでなく、待機状態の消費電力を小さくする必要がある。そこで、制御部2は、ジョブ完了から一定時間(例えば、数分〜数十分。例えば、制御部2のCPU21が計時)、複合機100への操作、入力がなされない場合や省電力モードへの移行を指示するハードキー33が押された場合のように、省電力モードへの移行条件が満たされたとき、複合機100を通常モードから省電力モードに移行させる。
【0039】
制御部2は、電力供給部9に省電力モードへの移行を指示する。これにより、省電力モード用電源制御回路92が動作する。その結果、供給停止部分への電力供給が停止される。図3は制御部2、通常モード用電源制御回路93、原稿搬送部4、画像読取部5、印刷部6、サーバー基板1のうち、通信チップ16と外部通信用ポート17以外の回路への電力供給を停止する例を示している。複合機100の消費電力を小さくすることができる。
【0040】
なお、省電力モードでも、通信制御部7、操作検知センサー101、操作パネル3の一部(タッチパネル部32とハードキー33)、サーバー基板1のうちの通信チップ16と外部通信用ポート17には電力供給がなされる。このように、サーバー基板1に関し、電力供給部9は、省電力モード中、サーバー基板1に含まれる複数の回路のうち、管理サーバー600からの命令があったことを認識する(命令受信処理を行う)回路にのみ電力を供給する。
【0041】
また、省電力モードでは、サーバー基板1のCPU11や、ROM12、RAM13が停止しているため、データ送信用のプログラム、データを扱えない。そのため、サーバー基板1は、省電力モードによって供給電力が制限されている状態では、外部ネットワーク500及び管理サーバー600への機器情報のような情報の送信を行わない
【0042】
操作検知センサー101は、複合機100への操作を検知するセンサーである。操作検知センサー101には、複合機100に設けられたメンテナンス用のカバーの開閉を検知するセンサーや、原稿搬送部4の上げ下げを検知するセンサーや、原稿搬送部4への原稿セットを検知するセンサーや、給紙部の用紙カセットの引き出しと取り付けを検知するセンサーを含めることができる。
【0043】
制御部2への電力供給が停止されているので、通信制御部7が予め定められた復帰条件が満たされたか否かを判断する。通信制御部7は、制御部2よりも回路規模が小さく消費電力が少ない。従って、省電力モードの間、制御部2の一部に電力供給を続けたり、一時的に制御部2への電力供給を再開したりする場合に比べ、複合機100での電力消費を抑えることができる。
【0044】
復帰条件は、適宜定めることができる。通信制御部7がPC300からの画像データ印刷設定データのような印刷ジョブ(プリントジョブ)を受信や、通常モードへの移行を指示する信号を受信したことを復帰条件とすることができる。また、タッチパネル部32やハードキー33への操作を復帰条件の1つとすることができる。そのため、タッチパネル部32やハードキー33の出力は、通信制御部7のI/O部75に入力される。また、操作検知センサー101によって複合機100への使用者による操作が検知されたことを復帰条件の1つとすることができる。そのため、操作検知センサー101の出力も、通信制御部7のI/O部75に入力される。
【0045】
また、管理サーバー600から機器情報の送信要求を受信したことを復帰条件の1つとすることができる。省電力モードでサーバー基板1の通信チップ16が送信要求を受信したとき、通信チップ16は、通信制御部7のI/O部75に復帰条件が満たされたことを知らせる信号を送信する。
【0046】
I/O部75の入力信号に基づき、通信制御部7は、復帰条件が満たされたか否かを認識する。そして、復帰条件が満たされたと判断したとき、通信制御部7は、電力供給部9に通常モードへの移行を指示する。これにより、通常モード用電源制御回路93が起動する。その結果、供給停止部分への電力供給が再開され、複合機100の各部でウォームアップ処理がなされる。そして、複合機100は全ての機能が利用できる状態(通常モード)に復帰、起動する。
【0047】
(機器情報の収集と送信)
次に、図4を用いて、実施形態に係る複合機100での機器情報の収集と送信の流れを説明する。図4は、実施形態に係る複合機100での機器情報の収集と送信の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
本実施形態では、管理サーバー600からの要求に基づき、機器情報の収集と送信を行う例を説明する。図3のスタートは、管理サーバー600からの機器情報の送信要求をサーバー基板1(通信チップ16)の通信チップ16が受信したときである。
【0049】
なお、本実施形態の説明では、機器情報の収集をして直ちに機器情報を管理サーバー600に送信する例を説明する。しかし、機器情報の収集の後、時間的な間隔を設けた後(例えば、数時間〜数日)、機器情報の送信を行うようにしてもよい。
【0050】
送信要求を受信した通信チップ16は、送信要求があった旨の信号を通信制御部7のI/O部75に入力する(ステップ♯1)。この信号を受けた通信制御部7は、複合機100のモードが通常モードであるか省電力モードであるかを確認する(ステップ♯2)。
【0051】
省電力モードであるとき(ステップ♯2のYes)、通信制御部7は、復帰条件が満たされたと判断し、電力供給部9に通常モードへの復帰を指示する(ステップ♯3)。これに伴って、電力供給部9通常モード用電源制御回路93が起動し、複合機100は通常モードに復帰する(ステップ♯4)。このように、省電力モード中、サーバー基板1が管理サーバー600からの機器情報の送信要求を受信したとき、電力供給部9は、画像形成装置を通常モードとするため、供給停止部分への電力供給を再開する。
【0052】
省電力モードではなく通常モードであるとき(ステップ♯2のNo)、及び、ステップ♯4の後、通信制御部7又はサーバー基板1は、制御部2に機器情報の送信要求があったことを通知する(ステップ♯5)。
【0053】
この通知を受けると、制御部2は、機器情報の収集と送信を行うために、記憶部20に予めインストールされているアプリケーション20aを起動させる(ステップ♯6、図1参照)。サーバー基板1の増設にあわせてアプリケーション20aが記憶部20にインストールされる。
【0054】
制御部2は、アプリケーション20aを動作させ、LAN200に接続されている各収集対象機器400からLAN200を経由して機器情報を通信制御部7に収集させる(ステップ♯7)。尚、収集対象機器400に自機(実施形態に係る複合機100)を含めるとき、制御部2は、ROM22やHDD24に記憶されている機器情報をRAM23に記憶させる。
【0055】
収集対象機器400は、ローカルなネットワークに接続された情報収集の対象とする印刷機器である。具体的には、複合機100と複合機100と同じLAN200に接続された他の画像形成装置(複合機100、複写機、プリンター、ファクシミリ装置)のうち、何れか、又は、全てである。なお、LAN200に接続される画像形成装置のうち、収集対象機器400とする画像形成装置を操作パネル3で選択できるようにしてもよい。
【0056】
「機器情報」は、収集対象機器400が記憶しているデータである。「機器情報」には、機種番号やシリアル番号のような収集対象機器400を識別するための識別情報を含めることができる。また、「機器情報」には、累計印刷枚数、印刷を行う部分の累計駆動時間、発生したエラーのような収集対象機器400内の部材の寿命管理に用いる管理用情報を含めることができる。また、「機器情報」には、トナーの残量や用紙残量のような収集対象機器400の消耗品の残量状況を示す残量情報を含めることができる。また、データのバックアップの1種として、「機器情報」には、収集対象機器400でジョブに利用された画像データや記憶されている画像データのようなコンテンツ情報を含めることができる。また、データのバックアップの1種として、収集対象機器400に登録されている使用者のログインユーザー名やパスワードを含む使用者情報や、収集対象機器400に記憶されているアドレス帳のような個人情報をふくめることができる。
【0057】
収集対象機器400が自機であるとき、記憶部20は、上述の内容の機器情報を記憶している。また、収集対象機器400が自機以外の画像形成装置のとき、LAN200に接続された画像形成装置は、機器情報を記憶、保持している。
【0058】
そして、制御部2は、収集した機器情報をサーバー基板1の情報メモリー15に記憶させる(ステップ♯8)。さらに、制御部2は、情報メモリー15に記憶されている機器情報のうち、管理サーバー600に送信する機器情報を選別する(ステップ♯9)。
【0059】
本実施形態の複合機100では、制御部2又はサーバー基板1のCPU11は、収集された機器情報のうち、コンテンツ情報や個人情報を管理サーバー600に送信する機器情報から除外する。機密の漏洩を防ぐためである。実施形態の複合機100(サーバー基板1)は、上述の収集された機器情報のうち、識別情報、管理用情報、残量情報を機器情報として、管理サーバー600に送信する。なお、制御部2又はサーバー基板1のCPU11は、コンテンツ情報や個人情報以外の情報のうち、特定の情報(例えば、シリアル番号)を管理サーバー600に送信する機器情報から除外してもよい。
【0060】
記憶部20又は情報メモリー15には、収集された機器情報のうち、管理サーバー600に送信する情報と送信しない情報を定義した選別用データが記憶される。制御部2又はサーバー基板1のCPU11は、選別用データに基づき、収集対象機器400ごとに管理サーバー600に送信する機器情報を生成し、サーバー基板1のRAM13に記憶させる。このように、サーバー基板1は、収集された機器情報を不揮発的に記憶する情報メモリー15を含む。なお、制御部2は、管理サーバー600に送信する(送信できる)機器情報のみを通信制御部7に収集させるようにしてもよい。
【0061】
そして、制御部2は、選別した各収集対象機器400(画像形成装置)の機器情報を管理サーバー600に向けてサーバー基板1に送信させる(ステップ♯10)。このように、制御部2は、収集対象機器400から予め定められた機器情報を通信制御部7に収集させ、収集した機器情報を管理サーバー600に向けてサーバー基板1に送信させる。また、サーバー基板1は、収集された機器情報(情報メモリー15に記憶された情報)のうち、外部に送信してよいと予め定められた(選別用データで定められた)情報のみを管理サーバー600に送信する。そして、本フローは終了する。
【0062】
以後、受信した機器情報に基づく処理が管理サーバー600でなされる。管理サーバー600は、受信した機器情報を解析する。そして、解析結果を複合機100のサーバー基板1に送信する。例えば、管理サーバー600は、それぞれの収集対象機器400について、寿命が近づき交換が必要な部材の通知をサーバー基板1に送信する。また、管理サーバー600は、それぞれの収集対象機器400について、残量が残り少ない消耗品の通知をサーバー基板1に送信する。通知を受けると、制御部2は、印刷部6に通知内容を印刷させる。また、制御部2は、表示パネル31に通知内容を表示させてもよい。
【0063】
なお、上記の説明では、管理サーバー600の機器情報の送信要求に基づき、各画像形成装置の機器情報の収集と送信を行う例を説明した。以下、変形例を説明する。
【0064】
(変形例1)
LAN200に接続されたPC300や収集対象機器400から通信制御部7が機器情報の収集と送信の指示を受けたとき、図4のフローチャートが実行されてもよい。言い換えると、ローカルネットワーク内の機器から機器情報の収集と送信の指示を行えるようにしてもよい。この場合、省電力モードでの通常モードへの復帰条件が満たされたか否かを監視する通信制御部7に指示が直接入力されるので、図4のフローチャートのステップ♯1は、スキップすればよい。
【0065】
(変形例2)
また、サーバー基板1が取り付けられた複合機100の操作パネル3で機器情報の収集と送信の指示を行えるようにしてもよい。省電力モードであるとき、操作パネル3を操作した時点で通常モードへの復帰がなされるので、この場合、図4のフローチャートのステップ♯1〜ステップ♯4は、スキップすればよい。
【0066】
(変形例3)
また、サーバー基板1が取り付けられた複合機100の操作パネル3で、機器情報の収集と送信を行う日時の設定(タイマー設定)を行えるようにしてもよい。省電力モードでも決められた日時に機器情報の収集と送信を行えるように、設定された日時を通信制御部7のROM72に記憶させておく。また、通信制御部7のCPU71に計時機能を持つものを用いるか、通信制御部7に計時用の回路を設ける。そして、設定された日時に到ると、図4のフローチャートが開始される。この場合、通信制御部7自身が機器情報の収集と送信の開始時点を認識するので、図4のフローチャートのステップ♯1は、スキップすればよい。
【0067】
(操作パネル3での設定)
次に、図5を用いて、実施形態に係る操作パネル3でのサーバー基板1の動作設定を説明する。図5は、実施形態に係るサーバー基板1の動作設定画面S1の一例を示す図である。
【0068】
操作パネル3は、サーバー基板1の設定、及び、サーバー基板1の機器情報の送信に関する設定を受け付ける。これらの設定は、表示パネル31に表示される動作設定画面S1を介して行うことができる。サーバー基板1は、操作パネル3の設定にあわせて管理サーバー600への機器情報の送信を行う。
【0069】
具体的に、タッチパネル部32(表示パネル31)に対し、所定のタッチ(操作)を行われると、制御部2は、図5に示すような動作設定画面S1を表示パネル31に表示させる。動作設定画面S1には、第1設定キーK1、第2設定キーK2、第3設定キーK3、第4設定キーK4が配される。
【0070】
タッチパネル部32の出力に基づき、制御部2が第1設定キーK1への操作を認識したとき、制御部2は、操作パネル3に外部ネットワーク500、管理サーバー600との接続に関する設定を行う画面を表示パネル31に新たに表示させる。切替後の画面では、サーバー基板1や管理サーバー600のIPアドレス、デフォルトゲートウェイ、用いるプロトコル、通信チップ16、外部通信用ポート17のインターフェイスタイプのような外部ネットワーク500、管理サーバー600との通信接続に関する基本的な設定を行うことができる。
【0071】
タッチパネル部32の出力に基づき、制御部2が第2設定キーK2への操作を認識したとき、制御部2は、操作パネル3に機器情報の収集に関する設定を行う画面を表示パネル31に新たに表示させる。切替後の画面では、LAN200中の機器のうち収集の対象とする機器の設定や、収集対象機器400から収集する情報の種類や、機器情報を収集する日時のような機器情報の収集に関する設定を行うことができる。
【0072】
タッチパネル部32の出力に基づき、制御部2が第3設定キーK3への操作を認識したとき、制御部2は、操作パネル3に機器情報の送信に関する設定を行う画面を表示パネル31に新たに表示させる。切替後の画面では、LAN200中の機器のうち機器情報を送信する機器の設定や、機器情報として送信する情報の種類や、機器情報を送信する日時(タイミング)のような機器情報の送信に関する設定を行うことができる。
【0073】
タッチパネル部32の出力に基づき、制御部2が第4設定キーK4への操作を認識したとき、制御部2は、操作パネル3に機器情報の送信におけるセキュリティに関する設定を行う画面を表示パネル31に新たに表示させる。切替後の画面では、暗号化の有無や、用いる暗号鍵や、セキュリティレベルのような送信する機器情報の安全性、秘密保持性に関する設定を行うことができる。
【0074】
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、基板を取り付けるための増設用接続部8と、増設用接続部8に取り付けられ、外部通信用ポート17と、外部と通信するための回路(通信チップ16)を含み、外部通信用ポート17を介して外部に設けられた管理サーバー600と通信を行うサーバー基板1と、サーバー基板1が接続されるネットワークとは異なるネットワークであって、ローカルなネットワークに接続するための内部通信用ポート77を含み、ローカルなネットワークに接続された情報収集の対象とする印刷機器である収集対象機器400と通信を行う通信制御部7と、収集対象機器400から予め定められた機器情報を通信制御部7に収集させ、収集した機器情報を管理サーバー600に向けてサーバー基板1に送信させる制御部2と、を含む。
【0075】
また、本発明は、サーバー基板1としても捉えることもできる。具体的に、実施形態に係るサーバー基板1は、基板を取り付けるための部分であって、画像形成装置(複合機100)に設けられる増設用接続部8に取り付けられる。また、サーバー基板1は、外部通信用ポート17と、外部と通信するための回路(通信チップ16)を含む。サーバー基板1は、外部通信用ポート17を介して外部に設けられた管理サーバー600と通信を行う。また、サーバー基板1は、サーバー基板1が取り付けられた画像形成装置がローカルなネットワークで通信可能な収集対象機器400から収集した予め定められた機器情報を管理サーバー600に向けて送信する。
【0076】
上記実施形態の画像形成装置(複合機100)及びサーバー基板1によれば、サーバー基板1を増設用接続部8(スロット)に取り付けるだけで、LAN200内の1つの画像形成装置であり、もともとサーバー機能を有していない画像形成装置に、LAN200に接続される各画像形成装置の機器情報を集めて外部の管理サーバー600に送信するサーバー機能を持たせることができる。言い換えると、画像形成装置の機能を容易に拡張することができる。サーバー基板1自体には、据え置き型のサーバーのような筐体や電源装置やディスプレイが無い。情報収集や外部の管理サーバー600への情報送信を行う独立したサーバー(据え置き型のサーバー)を設ける場合に比べ、コストを抑えることができる。また、サーバー基板1は画像形成装置に取り付けられるので、サーバーを独立して設ける場合に比べて設置スペースはずっと少なくて済む。また、サーバー機能は全ての画像形成装置に必須ではないところ、サーバー機能を実現するためのハードウェアやソフトウェアを全ての画像形成装置に予め実装しておく必要がなく、画像形成装置の製造コストも抑えることができる。
【0077】
また、LAN200の収集対象機器400(他の画像形成装置)からの機器情報の収集を通信制御部7が行い、サーバー基板1に設けられたポートを介して機器情報を外部の管理サーバー600に送信する。つまり、2ポートを用いる。従って、外部のネットワークとローカルネットワークを直接接続しない。これにより、外部から社内のLAN200に侵入し難くすることができる。
【0078】
又、サーバー基板1は、収集された機器情報を不揮発的に記憶する情報メモリー15を含む。サーバー基板1は、収集された機器情報のうち、外部に送信してよいと予め定められた情報のみを管理サーバー600に送信する。
【0079】
これにより、外部に送信してよいと予め定められた情報(収集した機器情報のうち、機密保持の観点から外部への送信はしないと定められた情報を除いた情報)のみ送信することができる。従って、機密の漏洩を防ぐことができる。例えば、データバックアップのため、ジョブで使用された画像データのようなコンテンツや、アドレス帳のような個人情報を収集するが、管理サーバー600には送らないようにする。
【0080】
一般に、サーバーは常時電源ONされることが多い。それだけ外部からの攻撃にさらされやすいといえる。そこで、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、画像形成装置に含まれる部分に電力の供給を行う電力供給部9を含む。電力供給部9は、予め定められた移行条件が整うと画像形成装置を省電力モードとするため、制御部2を含む予め定められた供給停止部分への電力供給を停止し、省電力モードで予め定められた復帰条件が整うと画像形成装置を通常モードとするため、供給停止部分への電力供給を再開する。サーバー基板1に関し、電力供給部9は、省電力モード中、サーバー基板1に含まれる複数の回路のうち、管理サーバー600からの命令があったことを認識する回路(通信チップ16)に電力を供給する。サーバー基板1は、省電力モードによって供給電力が制限されている状態では、機器情報の送信を行わない。
【0081】
これにより、省電力モードの間、情報の送信を行えないようにして、情報が漏れる可能性を減らすことができる。一方、省電力モードでも、サーバー基板1の一部への電力供給は行われるので、省電力モードでも管理サーバー600からの命令を認識し、反応することができる。また、省電力モード中、サーバー基板1で消費される電力を減らすことができ、省電力モード中の画像形成装置(複合機100)全体の消費電力を抑えることができる。
【0082】
又、省電力モード中、サーバー基板1が管理サーバー600からの機器情報の送信要求を受信したとき、電力供給部9は、画像形成装置(複合機100)を通常モードとするため、供給停止部分への電力供給を再開する。通常モードに復帰している状態で、サーバー基板1は、機器情報を管理サーバー600に送信する。
【0083】
これにより、外部の管理サーバー600からの信号をトリガーによってサーバー基板1の全体への電力供給を再開することができる。つまり、画像形成装置(複合機100)のモードをリモートコントロールすることができる。
【0084】
又、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、サーバー基板1の設定、及び、サーバー基板1の機器情報の送信に関する設定を受け付ける操作パネル3を含む。サーバー基板1は、操作パネル3の設定にあわせて管理サーバー600への機器情報の送信を行う。
【0085】
これにより、サーバー用のディスプレイやキーボードがなくても、サーバー基板1の動作の設定や操作を画像形成装置(複合機100)に備え付けられた操作パネル3で行うことができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、課金装置や認証装置等のオプション装置が設けられる画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
100 複合機(画像形成装置) 1 サーバー基板
15 情報メモリー 16 通信チップ(回路)
17 外部通信用ポート 2 制御部
3 操作パネル 7 通信制御部
77 内部通信用ポート 8 増設用接続部
9 電力供給部 200 LAN
400 収集対象機器 500 外部ネットワーク
600 管理サーバー
図1
図2
図3
図4
図5