(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器を出た冷媒を減圧する膨張機構と、外部熱源から回収した熱で冷媒を蒸発させる蒸発器とを環状に接続したヒートポンプ部と、
被加熱水を前記冷媒によって加熱する前記凝縮器、前記凝縮器で生成された気液二相流が流通する蒸気経路、該蒸気経路から供給される気液二相流を水と水蒸気とに分離する水蒸気分離器、該水蒸気分離器で分離された水蒸気を分離した水を前記凝縮器に流通させる水循環経路、該水循環経路に接続され、給水ポンプの動力によって前記被加熱水を供給する給水経路及び前記水蒸気分離器で分離された水蒸気を外部に送り出す送出経路を有する蒸気生成部と、
を備えるヒートポンプ式蒸気生成装置であって、
前記給水経路を開閉可能とする給水経路開閉手段と、前記送出経路を開閉可能とする送出経路開閉手段と、該給水経路開閉手段及び該送出経路開閉手段を開閉制御する制御部とを備え、
前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転停止により前記蒸気生成部の経路内の圧力が下がり大気圧以下となる運転停止中は前記給水経路開閉手段及び前記送出経路開閉手段の閉制御を維持することを特徴とするヒートポンプ式蒸気生成装置。
冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器を出た冷媒を減圧する膨張機構と、外部熱源から回収した熱で冷媒を蒸発させる蒸発器とを環状に接続したヒートポンプ部と、
被加熱水を前記冷媒によって加熱する前記凝縮器、前記凝縮器で生成された気液二相流が流通する蒸気経路、該蒸気経路から供給される気液二相流を水と水蒸気とに分離する水蒸気分離器、該水蒸気分離器で分離された水蒸気を分離した水を前記凝縮器に流通させる水循環経路、該水循環経路に接続され、給水ポンプの動力によって前記被加熱水を供給する給水経路及び前記水蒸気分離器で分離された水蒸気を外部に送り出す送出経路を有する蒸気生成部と、
を備えるヒートポンプ式蒸気生成装置であって、
前記給水経路を開閉可能とする給水経路開閉手段を開閉制御する制御部と、
前記送出経路に設けられ、外部から前記水蒸気分離器への逆流を防止する逆止弁と、
を備え、
前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転停止により前記蒸気生成部の経路内の圧力が下がり大気圧以下となる運転停止中は前記給水経路開閉手段の閉制御を維持することを特徴とするヒートポンプ式蒸気生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなヒートポンプ式蒸気生成装置では、装置の運転停止中に装置温度が低下した場合、蒸気生成部の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がり、系外から空気等の非凝縮性ガスや水が入り込むことがある。例えば、非凝縮性ガスが経路内に入り込んだ場合には混入したガスの分圧分だけ生成される水蒸気温度が低下し、水が入り込んだ場合には蒸気生成時に混入した水の熱容量分だけ余分な熱量が必要となって装置起動時間が長くなるという問題を生じる。
【0005】
ところが、上記特許文献1のヒートポンプ式蒸気生成装置では、運転停止後に蒸気生成部の凝縮器内の蒸気が凝縮し、内部が負圧になることを防止するため、凝縮器付近の蒸気配管に真空破壊弁を設け、外気を導入する構成としている。このため、非凝縮性ガスや水が蒸気生成部の経路内に入り込む問題を生じることになる。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、装置の運転停止中に蒸気生成部の経路内に非凝縮性ガスや水が入り込むことを防止して、装置を迅速に起動させ、生成される水蒸気温度を十分に高めることができるヒートポンプ式蒸気生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、該凝縮器を出た冷媒を減圧する膨張機構と、外部熱源から回収した熱で冷媒を蒸発させる蒸発器とを環状に接続したヒートポンプ部と、被加熱水を前記冷媒によって加熱する前記凝縮器、前記凝縮器で生成された気液二相流が流通する蒸気経路、該蒸気経路から供給される気液二相流を水と水蒸気とに分離する水蒸気分離器、該水蒸気分離器で分離された水蒸気を分離した水を前記凝縮器に流通させる水循環経路、該水循環経路に接続され、給水ポンプの動力によって前記被加熱水を供給する給水経路及び前記水蒸気分離器で分離された水蒸気を外部に送り出す送出経路を有する蒸気生成部とを備えるヒートポンプ式蒸気生成装置であって、前記給水経路に設けられた給水弁と、前記送出経路に設けられた送出弁と、該給水弁及び該送出弁を開閉制御する制御部とを備え、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転停止時に前記給水弁及び前記送出弁を閉制御することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、装置の運転停止時に給水弁及び送出弁が閉制御されることで蒸気生成部の経路内が密閉されるため、装置の運転停止中に装置温度が低下し、蒸気生成部の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。その結果、例えば非凝縮性ガスである空気が蒸気生成部の経路内に入り込むことで混入したガスの分圧分だけ生成される水蒸気温度が低下すること、さらに水が入り込むことで混入した水の熱容量分だけ余分な熱量が必要となって装置起動時間が長くなることを回避できる。これにより、運転停止後に装置を迅速に起動させ、生成される水蒸気温度を十分に高めることができる。
【0009】
前記水蒸気分離器の液相領域又は前記水循環経路に接続され、外部に水を排出するブローダウン経路をさらに備え、前記ブローダウン経路にブローダウン弁を備え、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転停止時に前記ブローダウン弁を閉制御する構成としてもよい。これにより、装置の運転停止中にブローダウン経路から外部の水や空気が流入することも防止できる。
【0010】
前記蒸気生成部は、蒸気圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転時に前記圧力検出手段の検出値に基づいて前記送出弁を開制御する構成であってもよい。そうすると、装置の運転時における蒸気生成部の経路内での圧力に応じて送出弁を開制御し、運転時に生成される水蒸気を送出経路から外部へと送り出すことができる。
【0011】
前記蒸気生成部は、蒸気圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転時に前記圧力検出手段の検出値に基づいて前記送出弁及び前記ブローダウン弁を開制御する構成であってもよい。そうすると、装置の運転時における蒸気生成部の経路内での圧力に応じて送出弁及びブローダウン弁を開制御し、運転時に生成される水蒸気を送出経路から外部へと送り出しつつ、ブローダウン経路からの水の排出を行うことができる。
【0012】
前記蒸気生成部は、蒸気圧力を検出する圧力検出手段を有し、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転時に前記圧力検出手段の検出値に基づいて前記給水弁を開制御する構成であってもよい。そうすると、装置の運転時における蒸気生成部の経路内での圧力に応じて給水弁を開制御し、運転時に給水を行って水蒸気の生成を継続することができる。
【0013】
前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転開始時に前記給水弁を開制御する構成であってもよい。そうすると、装置の運転開始時に給水が実行されるため、水蒸気の生成を速やかに開始できる。
【0014】
前記蒸気生成部は、前記水蒸気分離器の水位を検出する水位検出手段と、前記給水経路に被加熱水を供給する給水ポンプとを有し、前記制御部は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置の運転時に前記水位検出手段の検出値に基づいて前記給水ポンプの給水量を制御する構成であってもよい。そうすると、装置の運転時に蒸気生成部の経路内で被加熱水が不足することを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置の運転停止時に給水弁及び送出弁が閉制御されることで蒸気生成部の経路内が密閉されるため、装置の運転停止中に装置温度が低下し、蒸気生成部の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。これにより、運転停止後に装置を迅速に起動させ、生成される水蒸気温度を十分に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るヒートポンプ式蒸気生成装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10の全体構成図である。ヒートポンプ式蒸気生成装置10は、工場排水等の温水から排熱を回収し、回収した排熱を利用して水蒸気を生成するシステムであり、生成した水蒸気は乾燥装置や殺菌装置等の外部の蒸気利用設備に送られる。
【0019】
図1に示すように、ヒートポンプ式蒸気生成装置10は、水を蒸発させて水蒸気を生成し、外部へと送り出す蒸気生成部12と、温水供給部14によって供給される温水(熱源温水)から熱を回収し、この熱を蒸気生成部12での蒸気生成のための熱源として供給するヒートポンプ部16と、システムの制御を行う制御部18とを備える。
【0020】
ヒートポンプ部16は、冷媒を圧縮する圧縮機20と、圧縮機20で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器22と、凝縮器22を出た冷媒を減圧する膨張機構24と、温水から熱を回収して冷媒を蒸発させる蒸発器26とを環状に接続し、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置である。膨張機構24は、例えば電子膨張弁である。
【0021】
圧縮機20で圧縮されて高温高圧となった冷媒は、凝縮器22で蒸気生成部12を循環する水と熱交換して冷却され凝縮する。凝縮器22を出た冷媒は、膨張機構24で断熱膨張され、蒸発器26で温水供給部14を流れる温水から吸熱して蒸発し、圧縮機20へと戻る。圧縮機20は、制御部18又は別の制御部の制御下に、その吸入側や吐出側の冷媒の圧力及び温度に基づきインバータを介してその運転回転数が制御される。
【0022】
蒸気生成部12は、ヒートポンプ部16を循環する冷媒を熱源として水を蒸発させて蒸気を生成する凝縮器22と、凝縮器22で生成される水蒸気と水を含む気液二相流を蒸気と水とに分離する水蒸気分離器30と、水蒸気分離器30で分離された蒸気を外部の蒸気利用設備へと送り出す送出経路32と、水蒸気分離器30で分離された水を給水経路34から供給される被加熱水と合流させて凝縮器22に導入する水循環経路36と、凝縮器22からの気液二相流を水蒸気分離器30へと導く蒸気経路38とを有する。水蒸気分離器30で分離された水が流通する水循環経路36には、水循環経路36と給水経路34の接続位置よりも水蒸気分離器30側にブローダウン経路40が接続されている。
【0023】
水蒸気分離器30は、鉛直方向に沿った円筒状容器で構成され、下端壁に接続された水循環経路36に接続された給水経路34から水が給水補給されることで容器内部に水を貯留する。水蒸気分離器30には、その気相領域の圧力(蒸気圧力)を検出する圧力センサ(圧力検出手段)41が設けられている。圧力センサ41の検出結果は制御部18に送られる。圧力センサ41は蒸気生成部12の経路内の圧力を検出できればよく、送出経路32や蒸気経路38に設置されてもよい。圧力センサ41に代えて、図示しない温度センサ等の検出値から圧力を算出する圧力検出手段を用いてもよい。
【0024】
給水経路34は、図示しない水道管や水タンクからの水(被加熱水)を給水ポンプ42によって水循環経路36まで導入する。給水ポンプ42は制御部18によって運転制御される。給水経路34の給水ポンプ42よりも上流側部分には、該給水経路34への被加熱水の供給の可否を切り替える給水弁43が設けられている。給水弁43は電磁弁等の開閉弁で構成され、制御部18によって開閉制御される。
【0025】
水循環経路36は、水蒸気分離器30の下端壁から凝縮器22までを連通する経路である。蒸気経路38は、凝縮器22から水蒸気分離器30の上部側壁までを連通し、気液二相流が流通する経路である。
【0026】
送出経路32は、水蒸気分離器30の上端壁に接続され、蒸気経路38から当該水蒸気分離器30内に供給され、ここで水が分離された後の蒸気を外部に送り出す経路である。送出経路32には、圧力調整弁46と送出弁47が設置されている。圧力調整弁46は制御部18の制御下にその開度が適宜調整されることにより、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10から外部に送り出される蒸気の流量や圧力を制御する。送出弁47は電磁弁等の開閉弁で構成され、制御部18によって開閉制御されることで送出経路32から外部の蒸気利用設備への蒸気の流通の可否を切り替える。送出弁47の代わりに、圧力調整弁46を全閉制御するようにしてもよい。
【0027】
ブローダウン経路40は、水蒸気分離器30から水循環経路36に流れ出た水を外部に排出する経路である。ブローダウン経路40は、水を循環させながら水蒸気を送出経路32へと送り出す水循環系統(水循環経路36、蒸気経路38及び水蒸気分離器30)の内部でのカルシウムやシリカ等のスケール成分の濃縮防止のため、一部の水を外部に排出する経路である。ブローダウン経路40には、外部への水の排出の可否を切り替えるブローダウン弁48が設けられている。ブローダウン弁48は電磁弁等の開閉弁で構成され、制御部18によって開閉制御される。ブローダウン経路40は、水蒸気分離器30の液相領域に接続されてもよい。また、ブローダウン経路40を省略してもよい。
【0028】
このような蒸気生成部12では、水蒸気分離器30の水面と凝縮器22の水面との高低差により、水蒸気分離器30から凝縮器22へと水循環経路36を介して水が供給されると共に、凝縮器22で生成された水蒸気が蒸気経路38から水蒸気分離器30を介して送出経路32へと送り出されるサーモサイフォン回路が形成される。その結果、水循環経路36、蒸気経路38及び水蒸気分離器30で形成される水循環系統内に循環ポンプ等の動力源を設けることなく、水を循環させることができる。
【0029】
温水供給部14は、蒸発器26に温水を供給する温水供給経路14aと、蒸発器26から温水を排出する温水排出経路14bとを有する。温水供給経路14aには、外部の温水タンク等の温水供給源から供給される温水を所定の流量で送水する図示しない温水ポンプが設けられる。
【0030】
制御部18は、圧力センサ41の検出値に基づき給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48の開閉制御を実行する制御装置である。より具体的には、制御部18は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の停止中及び通常運転中の各運転状況に応じて各弁43,47,48の開閉制御を行う。制御部18は、さらに図示しないヒートポンプ部16の冷媒温度や冷媒圧力に基づく圧縮機20の駆動制御や圧力調整弁46の制御を行ってもよいが、これらは別の制御部によって制御してもよい。
【0031】
次に、以上のように構成されたヒートポンプ式蒸気生成装置10の動作について説明する。
図2は、
図1に示すヒートポンプ式蒸気生成装置10の制御部18による制御フローの一例を示すフローチャートである。
【0032】
図2に示すように、制御部18は、例えば図示しない起動スイッチの操作やタイマ等に基づき、ステップS1において装置運転指令(運転オン指令)を受信すると(ステップS1のYes)、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転が開始される。これにより、装置が停止中の場合は起動され、装置が運転中の場合はそのまま運転状態が継続される。
【0033】
制御部18は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転が実行されると、続いて圧力センサ41による検出値である蒸気生成部12の経路内(本実施形態では水蒸気分離器30内)での圧力(蒸気圧力)が設定値より高いか否かを判定する(ステップS2)。
【0034】
この設定値は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の蒸気生成部12の経路内の圧力が、給水経路34、送出経路32及びブローダウン経路40の接続先の圧力以上であるか否かを判断するための値である。例えば、給水経路34の場合はその接続先である給水源の圧力であり、仮に大気解放されている場合は大気圧となる。同様に、送出経路32の場合は外部の蒸気利用設備の圧力であり、ブローダウン経路40の場合はその排水先の排水タンク等の圧力であり、いずれも大気解放の場合は大気圧となる。つまり、圧力センサ41の検出値が設定値未満である場合は蒸気生成部12の経路内の圧力が、給水経路34、送出経路32及びブローダウン経路40の接続先の圧力未満の状態(負圧)にあり、各経路の接続先から経路内に水や空気を吸い込む可能性があり、検出値が設定値以上の場合は水や空気を吸い込む可能性がないと判断できる。
【0035】
このようにステップS2での判定に用いる圧力(設定値)は、給水経路34、送出経路32及びブローダウン経路40のそれぞれに個別に設定されていてよく、その場合は検出値が全ての経路の設定値以上となったか否かを判断すればよい。また、給水経路34、送出経路32及びブローダウン経路40の設定値をまとめて設定する場合は、最も圧力の高い経路に合わせた設定値を設定すればよい。
【0036】
圧力センサ41による検出値(蒸気圧力)が設定値以上の場合(ステップS2のYes)、蒸気生成部12の経路内に外部の水や空気が入り込む可能性がない(正圧)と判断できるため、制御部18は通常運転を実行して(ステップS3)、給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48を開制御し、ステップS1に戻る。
【0037】
この通常運転では、ヒートポンプ部16によって温水供給部14の温水供給経路14aを流れる温水の熱を蒸発器26で冷媒に回収し、冷媒に回収した熱を凝縮器22で蒸気生成部12の水循環経路36を流れる被加熱水に移動させて蒸気が生成され、排熱を効率的に回収して利用し、高い省エネ性能が発揮される。この際、制御部18の制御下に、給水弁43及びブローダウン弁48が開制御されることで、水循環経路36に水が循環されると共に、水循環経路36に給水経路34からの被加熱水が給水ポンプ42によって供給されて水蒸気が生成され、同時にブローダウン経路40から一部の水が排出されることでスケール成分の濃縮が防止される。また送出弁47が開制御されることで、外部の蒸気利用設備に生成した蒸気が供給される。
【0038】
一方、装置運転指令を受信しない場合(ステップS1のNo)、つまり当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の停止時、制御部18は給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48を閉制御し(ステップS4)、その後はステップS1に戻る。これにより、蒸気生成部12の経路内が密閉されるため、装置の運転停止中に装置温度が低下し、蒸気生成部12の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。なお、ブローダウン経路40を持たない構成とした場合には、ステップS4では給水弁43及び送出弁47が閉制御されることで蒸気生成部12の経路内が密閉される。
【0039】
またステップS2において、例えば装置の起動運転中等では蒸気生成部12の経路内の圧力が十分に上がっておらず、圧力センサ41による検出値(蒸気圧力)が設定値未満(負圧)となる場合がある(ステップS2のNo)。この場合にも、蒸気生成部12の経路内に外部の水や空気が入り込む可能性があると判断できるため、制御部18はステップS4に移行して給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48を閉制御し、その後はステップS1に戻る。
【0040】
但し、装置が運転開始された後は、生成された蒸気が送出経路32から外部へと順次送り出されるため、送出経路32からの水や空気の逆流の可能性は給水経路34やブローダウン経路40に比べて低い。そこで、例えば装置運転指令を受信した後(ステップS1のYes)、圧力センサ41の検出値が設定値未満と判定された場合には(ステップS2のNo)、装置が運転中であることを考慮し、ステップS4では少なくとも給水弁43及びブローダウン弁48を閉制御しておけばよく、生成される蒸気を外部に送り出すために送出弁47を開制御してもよい。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10では、ヒートポンプ部16と、給水経路34、水循環経路36、水蒸気分離器30及び送出経路32を有する蒸気生成部12と、給水経路34及び送出経路32にそれぞれ設けられた開閉弁である給水弁43及び送出弁47と、各弁43,47を開閉制御する制御部18とを備え、制御部18は当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転停止時に各弁43,47を閉制御する。
【0042】
このように、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転停止時に各弁43,47が閉制御されることで蒸気生成部12の経路内が密閉されるため、装置の運転停止中に装置温度が低下し、蒸気生成部12の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。その結果、例えば非凝縮性ガスである空気が蒸気生成部12の経路内に入り込むことで混入したガスの分圧分だけ生成される水蒸気温度が低下すること、さらに水が入り込むことで混入した水の熱容量分だけ余分な熱量が必要となって装置起動時間が長くなることを回避できる。これにより、運転停止後に装置を迅速に起動させ、生成される水蒸気温度を十分に高めることができる。また、
図1に示すように蒸気生成部12にブローダウン経路40を接続した構成の場合には、運転停止時にブローダウン弁48も閉制御される。
【0043】
なお、給水経路34における給水弁43と給水ポンプ42の設置順は逆順であってもよく、同様に送出経路32における送出弁47と圧力調整弁46の設置順は逆順であってもおい。このような逆順とすると、給水ポンプ42及び圧力調整弁46での水や空気の流入を確実に防止できるため、装置の運転停止中の密閉度をより向上させることができる。
【0044】
制御部18は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転時に圧力センサ41の検出値に基づいて各弁43,47,48を開制御する。これにより、装置の運転時における蒸気生成部12の経路内での圧力に応じて送出弁47を開制御することで生成される水蒸気を送出経路32から外部へと送り出すことができ、また給水弁43を開制御することで運転時に給水を確実に行って水蒸気の生成を継続することができ、さらにブローダウン弁48を開制御することでブローダウン経路40からの水の排出を行うことができる。
【0045】
制御部18は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10の運転開始後、圧力センサ41の検出値が設定値未満である場合は(ステップS2のNo)、少なくとも給水経路34及びブローダウン経路40の各弁43,48を閉制御しておき、圧力センサ41の検出値が設定値以上となった場合に(ステップS2のYes)、給水経路34及びブローダウン経路40の各弁43,48を開制御する。これにより、運転停止中の水や空気の混入をより確実に防止しつつ、運転開始後には経路内の圧力状態に基づくより適切なタイミングで各弁43,48を開制御することができる。すなわち、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10では、装置の運転停止中は各弁43,47,48が閉制御されることで蒸気生成部12の経路内が負圧になっており、その後の運転開始時にすぐに各弁43,47,48を開いてしまうと瞬時に外部の水や空気を吸い込んでしまう懸念がある。そこで、圧力センサ41の検出値によって経路内が正圧になったことを検知してから少なくとも給水弁43及びブローダウン弁48を開制御することで起動時の水や空気の混入を防止して、速やかな起動が可能となる。但し、給水弁43については装置の運転開始時に開制御してもよい。この給水弁43が設けられる給水経路34には給水ポンプ42があり、その回転数が制御されることで運転開始時の圧力差によって過度に被加熱水が流入することが防止されるからである。
【0046】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの全体構成図である。この第2の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10Aにおいて、上記第1の実施形態に係るヒートポンプ式蒸気生成装置10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、このヒートポンプ式蒸気生成装置10Aは、
図1に示すヒートポンプ式蒸気生成装置10と比べて、水蒸気分離器30の液相領域の水位を検出する水位センサ(水位検出手段)50を備える。水位センサ50の検出結果は制御部18に送られる。
【0048】
次に、以上のように構成されたヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの動作について説明する。
図4は、
図3に示すヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの制御部18による制御フローの一例を示すフローチャートである。
【0049】
図4に示すように、制御部18は、例えば図示しない起動スイッチの操作やタイマ等に基づき、ステップS11において装置運転指令(運転オン指令)を受信すると(ステップS11のYes)、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの運転が開始される。これにより、装置が停止中の場合は起動され、装置が運転中の場合はそのまま運転状態が継続される。
【0050】
制御部18は、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの運転が実行されると、続いて給水弁43を開制御する(ステップS12)。この際、ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aが起動時である場合は、蒸気生成部12の経路内が負圧である場合があり、給水経路34からの被加熱水が流入するが、給水ポンプ42の回転数が制御されているため運転開始時の圧力差によって過度に被加熱水が流入することはない。
【0051】
次いで、圧力センサ41による検出値である蒸気生成部12の経路内(本実施形態では水蒸気分離器30内)での圧力(蒸気圧力)が設定値より高いか否かを判定する(ステップS13)。このステップS13の判定は、
図2に示すステップS2の判定と同様でよい。
【0052】
圧力センサ41による検出値(蒸気圧力)が設定値以上の場合(ステップS13のYes)、蒸気生成部12の経路内に外部の水や空気が入り込む可能性がない(正圧)と判断できるため、制御部18は通常運転を実行して(ステップS14)、送出弁47及びブローダウン弁48を開制御し、ステップS11に戻る。このステップS14の通常運転は
図2に示すステップS3の通常運転と同様でよい。なお、当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aでは水位センサ50を有するため、制御部18は、運転時に水位センサ50の検出値に基づいて給水ポンプ42の給水量を制御することで、蒸気生成部12の経路内への給水の補充量を適切に制御できる。この水位センサ50の検出値に基づく給水ポンプ42の回転数制御は、例えばPID制御その他任意のフィードバック制御を用いて行ってもよい。
【0053】
一方、装置運転指令を受信しない場合(ステップS11のNo)、つまり当該ヒートポンプ式蒸気生成装置10Aの停止時、制御部18は給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48を閉制御し(ステップS15)、その後はステップS1に戻る。これにより、蒸気生成部12の経路内が密閉されるため、装置の運転停止中に装置温度が低下し、蒸気生成部12の経路内で水蒸気が凝縮して圧力が下がった場合であっても外部からの水や空気の流入が防止される。なお、ブローダウン経路40を持たない構成とした場合には、ステップS4では給水弁43及び送出弁47が閉制御されることで蒸気生成部12の経路内が密閉される。
【0054】
またステップS13において、例えば装置の起動運転中等では蒸気生成部12の経路内の圧力が十分に上がっておらず、圧力センサ41による検出値(蒸気圧力)が設定値未満(負圧)となる場合がある(ステップS132のNo)。この場合には、蒸気生成部12の経路内に外部の水や空気が入り込む可能性があると判断できるため、ステップS11に戻り、上記と同様な制御フローを実行する。
【0055】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0056】
例えば上記実施形態では、給水弁43、送出弁47及びブローダウン弁48を電動弁で構成し、制御部18によって開閉制御するものとしたが、これら各弁43,47,48は逆止弁で構成されてもよい。