特許第6394546号(P6394546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6394546
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】穀物乾燥機の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/14 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   F26B17/14 M
   F26B17/14 B
   F26B17/14 N
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-185536(P2015-185536)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-58110(P2017-58110A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年4月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西野 栄治
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−234937(JP,A)
【文献】 特開平02−178586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体(14)の内部に制御部(21)を内蔵し、箱体(14)の正面に運転スイッチと、運転状況を表示する表示装置(20)と、乾燥対象の穀物種類を選択する穀物種類選択スイッチ(19)を設け、箱体(14)の外周部に配線接続用のコネクタ(K)を設け、穀物循環機構(J)駆動用の循環機構モータ(23)を駆動制御する穀物乾燥機の制御装置において、
前記穀物循環機構(J)の循環中の穀粒のこぼれを採取して水分値を測定する水分計を設け、
前記制御部(21)にはコネクタ(K)にインバータ(24)を介して循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による籾・麦・豆の乾燥運転をいずれも選択可能とし、
前記穀物種類選択スイッチ(19)により豆の乾燥運転を選択した場合には、水分値測定時間中には前記穀物循環機構(J)の回転数を非水分値測定時の通常乾燥運転の回転数より高くする機能を備え、
コネクタ(K)にインバータ(24)を介さないで循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による豆の乾燥運転の選択を規制する機能を備えていることを特徴とする穀物乾燥機の制御装置。
【請求項2】
箱体(14)の内部に制御部(21)を内蔵し、箱体(14)の正面に運転スイッチと、運転状況を表示する表示装置(20)と、乾燥対象の穀物種類を選択する穀物種類選択スイッチ(19)を設け、箱体(14)の外周部に配線接続用のコネクタ(K)を設け、穀物を循環させる穀物循環機構(J)駆動用の循環機構モータ(23)を駆動制御する穀物乾燥機の制御装置において、
前記穀物循環機構(J)の循環中の穀粒のこぼれを採取して水分値を測定する水分計を設け、
前記制御部(21)にはコネクタ(K)にインバータ(24)を介して循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による籾・麦・豆の乾燥運転をいずれも選択可能とし、
前記穀物種類選択スイッチ(19)により豆の乾燥運転を選択した場合には、
前記水分計が水分値測定を開始してから予め設定している穀粒取込時間が終了しても水分値の測定が終了しない場合には、前記穀物循環機構(J)の回転数を高くして水分値の測定を継続し、水分計が水分値の測定を終了すると前記穀物循環機構(J)の回転数を低くし非水分値測定時の通常乾燥運転の回転数に復帰する機能を備え、
コネクタ(K)にインバータ(24)を介さないで循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による豆の乾燥運転の選択を規制する機能を備えることを特徴とする穀物乾燥機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環式の穀物乾燥機は主として、籾(米)及び麦用として用いられているが、特許文献1には籾及び麦以外に蕎麦や大豆も乾燥可能ないわゆる汎用乾燥機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3694234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
籾や麦と大豆では粒の径や性質が異なるため、循環速度や使用する水分計が異なる。
【0005】
特許出願人は、今般前記先願特許出願に関連する発明,即ち、多様な穀物を乾燥する穀物乾燥機において豆類の乾燥作業を円滑に実行する発明を完成したので、ここに特許出願するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、課題を解決するために次のような技術的手段を講ずる。
【0007】
請求項1記載の発明は、
箱体(14)の内部に制御部(21)を内蔵し、箱体(14)の正面に運転スイッチと、運転状況を表示する表示装置(20)と、乾燥対象の穀物種類を選択する穀物種類選択スイッチ(19)を設け、箱体(14)の外周部に配線接続用のコネクタ(K)を設け、穀物循環機構(J)駆動用の循環機構モータ(23)を駆動制御する穀物乾燥機の制御装置において、
前記穀物循環機構(J)の循環中の穀粒のこぼれを採取して水分値を測定する水分計を設け、
前記制御部(21)にはコネクタ(K)にインバータ(24)を介して循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による籾・麦・豆の乾燥運転をいずれも選択可能とし、
前記穀物種類選択スイッチ(19)により豆の乾燥運転を選択した場合には、水分値測定時間中には前記穀物循環機構(J)の回転数を非水分値測定時の通常乾燥運転の回転数より高くする機能を備え、
コネクタ(K)にインバータ(24)を介さないで循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による豆の乾燥運転の選択を規制する機能を備えていることを特徴とする穀物乾燥機の制御装置とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、
箱体(14)の内部に制御部(21)を内蔵し、箱体(14)の正面に運転スイッチと、運転状況を表示する表示装置(20)と、乾燥対象の穀物種類を選択する穀物種類選択スイッチ(19)を設け、箱体(14)の外周部に配線接続用のコネクタ(K)を設け、穀物を循環させる穀物循環機構(J)駆動用の循環機構モータ(23)を駆動制御する穀物乾燥機の制御装置において、
前記穀物循環機構(J)の循環中の穀粒のこぼれを採取して水分値を測定する水分計を設け、
前記制御部(21)にはコネクタ(K)にインバータ(24)を介して循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による籾・麦・豆の乾燥運転をいずれも選択可能とし、
前記穀物種類選択スイッチ(19)により豆の乾燥運転を選択した場合には、
前記水分計が水分値測定を開始してから予め設定している穀粒取込時間が終了しても水分値の測定が終了しない場合には、前記穀物循環機構(J)の回転数を高くして水分値の測定を継続し、水分計が水分値の測定を終了すると前記穀物循環機構(J)の回転数を低くし非水分値測定時の通常乾燥運転の回転数に復帰する機能を備え、
コネクタ(K)にインバータ(24)を介さないで循環機構モータ(23)を接続したことを制御部(21)が検出すると、穀物種類選択スイッチ(19)による豆の乾燥運転の選択を規制する機能を備えることを特徴とする穀物乾燥機の制御装置とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、特許請求の範囲の項の特徴構成に基づき、インバータ(24)で循環機構モータ(23)を低速に落とさない状態で大豆を乾燥することによる大豆の傷付きを防止することができる。また、豆の乾燥運転を必要としないユーザーについては、インバータ24の無い状態での汎用穀物乾燥機の出荷が可能となり、制御部(21)を共用にして安価に構成できる。また、豆の乾燥運転時には水分計での豆の測定粒数の取込数を適正にして水分値測定を所定時間内に終了し乾燥運転制御を適正化することができ、また、非水分値測定時の乾燥作業時には穀物循環機構(J)の回転数を下げることにより騒音を低くし豆の損傷を少なくしながら乾燥作業を能率的にすることができる。
【0010】
請求項2記載の発明によると、特許請求の範囲の項の特徴構成に基づき、インバータ(24)で循環機構モータ(23)を低速に落とせない状態で大豆を乾燥することによる大豆の傷付きを防止することができる。また、大豆の乾燥運転を必要としないユーザーについては、インバータ(24)の無い状態での出荷が可能となり、制御部(21)を共用にして安価に構成できる。また、豆の乾燥作業運転時における水分計への豆の取込量が少ないときには自動的に取込量を多くし、豆の水分値の測定を所定時間内に完了させ乾燥運転制御を適正にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】側面から見た穀物乾燥機の内部を説明する図
図2】穀物乾燥機の外観斜視図
図3】正面から見た穀物乾燥機の内部を説明する図
図4】籾麦用水分計の内部構造を示す図
図5】操作盤を示す図
図6】籾及び麦用の穀物乾燥機の制御装置を示す図
図7】汎用の穀物乾燥機の制御装置を示す図
図8】穀物乾燥機の伝動機構図
図9】制御装置と燃焼バーナを示す斜視図
図10】穀粒種類毎の搬送能力・循環量・風量を示す表
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態の穀物乾燥機について、以下説明する。
【0013】
穀物乾燥機は穀物を収容する貯留室1と、乾燥する乾燥室2と、燃焼バーナ3と、熱風を吸引して排出する排風ファン4と、穀物を循環する循環機構Jを設けている。
【0014】
穀物循環機構Jは乾燥室2から繰り出された穀物を搬送する下部ラセン5と、穀物を揚穀する昇降機6と、穀物を貯留室1へ搬送する上部ラセン7と、穀物を貯留室1内へ分散する分散羽根8を備える。穀物循環機構Jは循環機構モータ23で駆動する構成とし、循環機構モータ23は昇降機6の上部に動力を伝動し、昇降機6から上部ラセン7・分散羽根8及び下部ラセン5に伝動する構成としている。
【0015】
乾燥室2の下端部には、乾燥室2の穀物を下部ラセン5に繰り出す繰り出しバルブ9を設け、繰り出しバルブモータ10により回転する構成である。
【0016】
排風ファン4は排風ファンモータ11により回転する構成である。
【0017】
昇降機6には籾麦用水分計12と豆用水分計13を設けている。
【0018】
籾麦用水分計12は昇降機6から採取したサンプル穀物(籾・麦・蕎麦)を一対の電極ロール25で圧砕し、その電圧値から水分値を換算する公知の構成であり、豆用水分計13も構造的には籾麦用水分計12と略同様の構成で、サンプル穀物(大豆)を一対の電極ローラで圧砕し、その電圧値から水分値を換算する公知の構成である。なお、水分計を籾、麦、蕎麦、大豆の何れの水分値も測定できる共用型としてもよい。
【0019】
次に、制御装置Sの構成について説明する。
【0020】
本実施の形態の穀物乾燥機の制御装置Sは、箱体14の正面側に、張込スイッチ15・通風スイッチ16・乾燥スイッチ17・停止スイッチ18等の運転スイッチと、籾・麦・蕎麦・大豆の乾燥運転を選択する穀物種類選択スイッチ19と、水分値等の運転情報を表示する表示装置20と、水分設定スイッチ28と張込量設定スイッチ29と目標数値を設定する数値増減スイッチ30等からなる操作盤26を設ける。また、箱体14の内部には制御部21及び循環機構モータ23用の電磁接触器27を内蔵し、箱体14の外周には各種ハーネスを接続するためのコネクタKを多数設けている。
【0021】
本実施の形態の穀物種類選択スイッチ19はスイッチを押す毎にLEDランプ22の点灯表示が順次移動し、籾・麦・蕎麦・大豆の選択が順次変更される構成である。
【0022】
制御装置SのコネクタKには、籾麦用水分計12、豆用水分計13、繰り出しバルブモータ10、排風ファンモータ11等とそれぞれ接続する。循環機構モータ23はインバータ24に接続し、インバータ24を制御装置SのコネクタKに接続する。
【0023】
次に、乾燥運転の概要について説明する。
【0024】
オペレータが張込スイッチ15を押すと循環機構モータ23が駆動を開始し、穀物循環機構Jが駆動され、張込穀物が昇降機6、上部ラセン7を経て、分散羽根8で貯留室1に穀物を張り込む張込運転がなされる。停止スイッチ18を押すと張込運転が停止する。
【0025】
オペレータは穀物種類選択スイッチ19で張り込んだ穀物種類を選択する。次いで、水分設定スイッチ28及び数値増減スイッチ30で目標水分値を設定し、乾燥スイッチ17を押すと、循環機構モータ23、燃焼バーナ3、排風ファンモータ11、繰り出しバルブモータ10が駆動を開始し、乾燥運転が開始される。
【0026】
穀物は乾燥室2のバーナ3で生成される熱風に晒され、間欠動作をする繰り出しバルブ9で一定量ずつ下部ラセン5に繰り出される。下部ラセン5で搬送された穀物は昇降機6、上部ラセン7を経て、分散羽根8により貯留室1に供給される。そして、目標水分値に到達するまで循環しながら乾燥運転がなされる。昇降機6の内部は多数のバケットコンベア31を設け、バケットコンベア31からこぼれるサンプル穀物が籾麦用水分計12、又は、豆用水分計13に入り込み、設定間隔毎(例えば15分毎)に水分値を測定する。
【0027】
循環機構モータ23はインバータ24により可変速に駆動される。また、繰り出しバルブモータ10は駆動(ON)と停止(OFF)を交互にする間欠的に駆動するが、OFF時間が長いほど、あるいはON時間が短いほど繰り出される穀物量は減少する。籾・麦・蕎麦の乾燥時には循環機構モータ23を比較的に速く駆動すると共に、繰り出しバルブモータ10のOFF時間を比較的に短くするよう制御部21により制御されることで時間当たりの循環穀物量を比較的多くする。
【0028】
大豆の場合には、循環機構モータ23を比較的遅く駆動すると共に、繰り出しバルブモータ10のOFF時間を長くするよう制御部21により制御されることで、時間当たりの循環穀物量を比較的少なくする。大豆は、籾・麦・蕎麦に比べて表面に傷が付き易いので循環穀物量を比較的少なくしている。
【0029】
水分計(12、13)が目標水分値に到達したことを検出すると、乾燥運転が自動的に停止される。
【0030】
図10に基づいて蕎麦の乾燥運転の特徴について説明する。
【0031】
蕎麦は循環機構モータ23を比較的に速く駆動すると共に、繰り出しバルブのON時間が比較的短くして(又はOFF時間を長くして)繰り出し量を少なくしている。これは、蕎麦は籾や麦に比べ傷つき易いので繰り出し量を少なくする反面、分散羽根9による分散がし難いので循環機構モータ23を比較的速く駆動することで、分散羽根9の回転を速くして貯留室1全体に蕎麦を拡散させるためである。
【0032】
次に、本実施の形態の制御装置Sの特徴について以下、説明する。
【0033】
インバータ24を接続したことを制御部21が検出すると、穀物種類選択スイッチ19は籾・麦・蕎麦・大豆の乾燥運転のいずれも選択できる構成としているが、インバータ24を接続しないで循環機構モータ23のハーネスを制御装置SのコネクタKに直接接続したことを制御部21が検出すると、穀物種類選択スイッチ19は籾・麦・蕎麦を選択可能とするが、大豆については選択を規制する。すなわち、穀物種類選択スイッチ19を押す毎に籾・麦・蕎麦とLEDランプ22が変更され、そして次には籾モードに戻る。
【0034】
これにより、インバータ24で循環機構モータ23を低速に落とせない状態で大豆を乾燥することによる大豆の傷付きを防止することができる。また、大豆を必要としないユーザーについては、インバータ24の無い状態での出荷が可能となり、制御装置Sを共用とし安価に構成できる。
【0035】
次に、インバータ24が装着されている状態での籾麦用水分計12と、大豆用水分計13と乾燥運転の関係について説明する。
【0036】
籾麦用水分計12及び豆用水分計13の双方をコネクタKに接続したことを制御部21が検出すると、穀物種類選択スイッチ19による籾・麦・蕎麦・大豆の乾燥運転のいずれも選択可能とする。
【0037】
また、籾麦用水分計12を接続したことを検出すると共に、豆用水分計13を接続しないことを検出すると、穀物選択スイッチ19による大豆の乾燥運転の選択を規制する。あるいは、籾麦用水分計12を接続しないことを検出すると共に、豆用水分計13を接続したことを検出すると、穀物種類選択スイッチ19による籾・麦・蕎麦の乾燥運転の選択を規制する。これにより、大豆用水分計13を装着していない状態で大豆の乾燥運転を防止することができる。また、大豆の乾燥運転を必要としないユーザーには大豆用水分計13を装着しない状態で出荷することが可能となり、制御装置Sを共用でき安価な構成となる。
【0038】
籾麦用水分計12と、大豆用水分計13と乾燥運転の関係の別実施例について説明する。
【0039】
籾麦用水分計12を接続したことを検出すると共に、大豆用水分計13を接続しないことを検出すると、籾・麦・蕎麦は籾麦用水分計12に基づく乾燥運転を行うと共に、大豆はタイマ制御に基づく乾燥運転を行う。
【0040】
また、籾麦用水分計12を接続しないことを検出すると共に、大豆用水分計13を接続したことを検出すると、籾及び麦はタイマ制御に基づく乾燥運転を行い、大豆は大豆用水分計13に基づく乾燥運転を行う。そして、籾麦用水分計12及び大豆用水分計13の双方を接続しないことを検出すると、籾・麦・蕎麦・大豆のいずれの乾燥運転もタイマ制御による乾燥運転を行う。これにより、水分計(12、13)が一時的な故障等で使用できなくても乾燥運転を行うことができる。
【0041】
タイマ制御は例えば乾燥スイッチ17を操作すると設定時間(例えば3時間)の乾燥運転を行い停止する構成としてもよいし、数値増減スイッチ30で任意の乾燥時間を設定できる構成としてもよい。
【0042】
なお、籾麦用水分計12、豆用水分計13、インバータ24のいずれかが接続されていない場合に異常表示する構成としてもよい。
【0043】
次に、大豆乾燥作業における水分測値測定制御について説明する。
【0044】
インバータ24で穀物循環機構Jの回転数を制御する汎用穀物乾燥機において、大豆乾燥作業の場合には、大豆水分計13の水分値測定時間中は穀物循環機構Jの回転数を通常の乾燥作業より高くするようにしている。
【0045】
大豆のエレベータ6からのこぼれ粒を利用して水分値を測定する大豆水分計13にあっては、水分値測定中は穀物循環機構Jの回転数を上げこぼれ粒を多くすることにより、所定時間内に水分値の測定を終了し乾燥制御を適正化することができる。
【0046】
また、水分値を測定しない通常の乾燥作業時には穀物循環機構Jの回転数を下げることにより騒音を低くし大豆の損傷を少なくしながら、水分値の測定を迅速化し適正な乾燥作業をすることができる。
【0047】
次に、他の実施例について説明する。
【0048】
汎用穀物乾燥機の水分計制御装置において、大豆水分計13が水分値測定を開始してから穀粒取込時間が予め設定されている時間よりも長いと判断した場合には、穀物循環機構Jの回転数を通常回転数より高くし、大豆水分計13の水分値測定作業が終了すると、穀物循環機構Jの回転数を低くし通常回転数に復帰するようにしている。
【0049】
前記構成によると、大豆乾燥作業における大豆水分計13への大豆の取込量が少ないときに自動的に大豆の取込量を多くし、大豆の水分値を適時に測定することができる。
【符号の説明】
【0050】
12 籾麦用水分計
13 豆用水分計
14 箱体
15 張込スイッチ
16 通風運転スイッチ
17 乾燥スイッチ
19 穀物種類選択スイッチ
20 表示装置
21 制御部
23 循環機構モータ
24 インバータ
J 穀物循環機構
K コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10