特許第6394849号(P6394849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6394849かごを足場として機能させるエレベーターの制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6394849
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】かごを足場として機能させるエレベーターの制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20180913BHJP
   B66B 5/18 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   B66B5/00 G
   B66B5/18 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-534984(P2018-534984)
(86)(22)【出願日】2018年4月10日
(86)【国際出願番号】JP2018015095
【審査請求日】2018年7月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】村上 博行
(72)【発明者】
【氏名】引地 剛樹
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 智史
(72)【発明者】
【氏名】中谷 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】上西 一輝
(72)【発明者】
【氏名】安方 慎吾
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−203774(JP,A)
【文献】 特開平09−002750(JP,A)
【文献】 特表2008−511521(JP,A)
【文献】 特開平06−239558(JP,A)
【文献】 特開2014−061968(JP,A)
【文献】 特開2007−217154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00−5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの運転モードを判定する運転モード判定部と、
前記エレベーターの巻上機のトルクを検出する巻上機トルク検出部と、
前記エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると前記運転モード判定部により判定されている際に、前記エレベーターの非常止め装置が動作し得る状態となっているときに前記非常止め装置が動作する方向に前記エレベーターのかごを走行させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記かごを走行させた後、前記巻上機トルク検出部の検出値が増大した後に一定となった場合に、前記非常止め装置が動作したと判定するエレベーターの制御装置。
【請求項2】
エレベーターの運転モードを判定する運転モード判定部と、
前記エレベーターの巻上機のトルクを検出する巻上機トルク検出部と、
前記エレベーターのかごの走行に応じて回転するガバナの回転を検出するガバナエンコーダの出力を検出するガバナエンコーダ出力検出部と、
前記エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると前記運転モード判定部により判定されている際に、前記エレベーターの非常止め装置が動作し得る状態となっているときに前記非常止め装置が動作する方向に前記かごを走行させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記かごを走行させた後、前記巻上機トルク検出部の検出値が増大した後に一定となり、前記ガバナエンコーダ出力検出部の検出値が変化しなくなった場合に、前記非常止め装置が動作したと判定するエレベーターの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かごを足場として機能させるエレベーターの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、エレベーターを開示する。当該エレベーターによれば、かごの上での作業時に、作業員によるベルトの取り付け忘れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開2016−188132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターにおいて、巻上機のブレーキ性能を超える重量物を取り付けたり交換したりする場合、作業台、チェーンブロック等を別途用意する必要がある。このため、作業時間が長くなり、作業に要するコストも増大する。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、特別な機器を用いることなく、作業員がかごの上で作業を行う際にかごを安定した状態で保持することができるエレベーターの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターの運転モードを判定する運転モード判定部と、前記エレベーターの巻上機のトルクを検出する巻上機トルク検出部と、前記エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると前記運転モード判定部により判定されている際に、前記エレベーターの非常止め装置が動作し得る状態となっているときに前記非常止め装置が動作する方向に前記エレベーターのかごを走行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記かごを走行させた後、前記巻上機トルク検出部の検出値が増大した後に一定となった場合に、前記非常止め装置が動作したと判定する。
この発明に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターの運転モードを判定する運転モード判定部と、前記エレベーターの巻上機のトルクを検出する巻上機トルク検出部と、前記エレベーターのかごの走行に応じて回転するガバナの回転を検出するガバナエンコーダの出力を検出するガバナエンコーダ出力検出部と、前記エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると前記運転モード判定部により判定されている際に、前記エレベーターの非常止め装置が動作し得る状態となっているときに前記非常止め装置が動作する方向に前記かごを走行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記かごを走行させた後、前記巻上機トルク検出部の検出値が増大した後に一定となり、前記ガバナエンコーダ出力検出部の検出値が変化しなくなった場合に、前記非常止め装置が動作したと判定する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードである場合、非常止め装置が動作する。このため、特別な機器を用いることなく、作業員がかごの上で作業を行う際にかごを安定した状態で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が適用されるエレベーターの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の要部のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が適用されるエレベーターの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターは、機械室がないエレベーターである。当該エレベーターにおいて、昇降路1は、建築物の各階を貫く。巻上機2は、昇降路1の上部に設けられる。綱車3は、巻上機2の回転軸に取り付けられる。主ロープ4は、綱車3に巻き掛けられる。
【0012】
一対のかご側ガイドレール5は、昇降路1の内部に設けられる。図示されない一対のオモリ側ガイドレールは、昇降路1の内部に設けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、一対のかご側ガイドレール5に案内される。かご6は、主ロープ4の一側に支持される。釣合オモリ7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合オモリ7は、一対のオモリ側ガイドレールに案内される。釣合オモリ7は、主ロープ4の他側に支持される。
【0014】
かご側バッファ8は、昇降路1の底部においてかご6の下方に設けられる。オモリ側バッファ9は、昇降路1の底部において釣合オモリ7の下方に設けられる。
【0015】
ガバナ10は、昇降路1の上部に設けられる。張り車11は、昇降路1の下部に設けられる。ガバナロープ12は、ガバナ10と張り車11とに無端状に巻き掛けられる。ガバナエンコーダ13は、ガバナ10の回転軸に設けられる。ガバナエンコーダ13は、ガバナ10の回転に応じて信号を出力する。
【0016】
非常止め装置14は、一対の把持装置でかご6の下部に設けられる。非常止め装置14は、動作した際に一対のかご側ガイドレール5を把持することでかご6の移動を防止し得るように設けられる。
【0017】
連結棒15は、かご6の下方に設けられる。連結棒15は、一対の把持装置の一方の側から他方の側にわたって配置される。引き上げ棒16は、一対のかご側ガイドレール5の他方の側においてかご6の側方に設けられる。引き上げ棒16の下側は、連結棒15の他側に連結される。引き上げ棒16の上側は、かご6の上側に配置される。引き上げ棒16の上側は、ガバナロープ12に連結される。非常止めスイッチ14aは、引き上げ棒16の近傍に設けられる。非常止めスイッチ14aは、引き上げ棒16が引き上げられた際にOFFとなるように設けられる。非常止めスイッチ14aがOFFとなると、安全回路が遮断される。その結果、エレベーターは運行不能となる。
【0018】
制御装置17は、昇降路1の上部において巻上機2の直下に設けられる。制御装置17は、第1通信線18を介して巻上機2と電気的に接続される。制御装置17は、第2通信線19を介してガバナ10に電気的に接続される。制御装置17は、運転モード判定部17aと巻上機トルク検出部17bとガバナエンコーダ出力検出部17cと制御部17dとを備える。
【0019】
運転モード判定部17aは、エレベーターの運転モードを判定し得るように設けられる。巻上機トルク検出部17bは、巻上機2のトルクを検出し得るように設けられる。ガバナエンコーダ出力検出部17cは、ガバナエンコーダ13の出力を検出し得るように設けられる。制御部17dは、エレベーターの運転モードに応じてエレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0020】
エレベーターの運転モードが通常モードである場合、制御装置17は、エレベーターの呼びに応じて巻上機2を回転させる。巻上機2が回転すると、綱車3が回転する。綱車3が回転すると、主ロープ4が移動する。主ロープ4が移動すると、かご6と釣合オモリ7とが互いに反対方向に昇降する。この際、ガバナ10は、かご6の走行に応じて回転する。
【0021】
エレベーターの保守時において、保守端末20は、保守通信線21を介して制御装置17と電気的に接続される。この状態において、作業員は、保守端末20を利用してエレベーターの保守を行う。
【0022】
エレベーターの保守において、例えば、巻上機2、制御装置17の交換作業等を行う際には、保守端末20でエレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードに切り替えられる。エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードに切り替えられると、運転モード判定部17aは、エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると判定する。この際、制御部17dは、予め設定された条件に基づいてかご6の上が作業位置となる箇所までかご6を走行させる。例えば、制御部17dは、保守端末20の設定に基づいて昇降路1の上部までかご6を走行させる。例えば、制御部17dは、図示されない手動スイッチの操作に基づいて昇降路1の上部までかご6を走行させる。
【0023】
この状態において、かご6の上の作業員は、予め設定された方法により引き上げ棒16を引き上げる。引き上げ棒16が引き上げられると、連結棒15は、非常止め装置14が動作し得る状態となるように非常止め装置14の状態を変化させる。
【0024】
かご6の上が作業位置となる箇所において、制御部17dは、非常止め装置14が動作する方向にかご6を走行させる。具体的には、制御部17d、かご6を下方向に走行させるように巻上機2を動作させる。その後、非常止め装置14が正常に動作すると、かご6は停止する。その結果、ガバナ10も停止する。その後も、巻上機2は、動作を継続する。この際、主ロープ4は、綱車3に対して滑り出す。
【0025】
この状態において、制御部17dは、巻上機トルク検出部17bの検出結果とガバナエンコーダ出力検出部17cの検出結果とに基づいて非常止め装置14が動作したことを判定する。具体的には、制御部17dは、巻上機トルク検出部17bの検出値が増大した後に一定となり、ガバナエンコーダ出力検出部17cの検出値が変化しなくなった場合、制御部17dは、非常止め装置14が動作したと判定する。
【0026】
制御部17dは、非常止め装置14が動作したと判定した際にその旨を示す情報を報知する。例えば、制御部17dは、非常止め装置14が動作したことを示す情報を保守端末20に送信する。
【0027】
非常止め装置14の動作が確認された後、作業員は、かご6の上で保守作業を行う。例えば、作業員は、巻上機2の交換を行う。例えば、作業員は、制御装置17の交換を行う。
【0028】
次に、図2を用いて、制御装置17の動作の概要を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0029】
ステップS1では、制御装置17は、エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであるか否かを判定する。
【0030】
ステップS1でエレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードでない場合、制御装置17は、動作を終了する。
【0031】
ステップS1でエレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードである場合、制御装置17は、ステップS2の動作を行う。ステップS2では、制御装置17は、非常止め装置14が動作し得る状態に設定されていることを確認する。例えば、制御装置17は、非常止めスイッチ14aがOFFとなっていることを確認する。
【0032】
その後、制御装置17は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、制御装置17は、非常止めスイッチ14aのOFF状態をマスク処理等により一時的にON状態とし、非常止め装置14が動作する方向にかご6を走行させる。
【0033】
その後、制御装置17は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、制御装置17は、巻上機2のトルクが増大した後に一定値で安定したか否かを判定する。ステップS4で巻上機2のトルクが増大した後に一定値で安定していない場合、制御装置17は、ステップS4の動作を継続する。ステップS4で巻上機2のトルクが増大した後に一定値で安定した場合、制御装置17は、ステップS5の動作を行う。
【0034】
ステップS5では、制御装置17は、ガバナエンコーダ13の出力が変化しているか否かを判定する。ステップS5でガバナエンコーダ13の出力が変化している場合、制御装置17は、ステップS5の動作を継続する。ステップS5でガバナエンコーダ13の出力が変化しなくなった場合、制御装置17は、ステップS6の動作を行う。ステップS6では、制御装置17は、非常止め装置14が動作したと判定する。その後、制御装置17は、非常止めスイッチ14aのON状態を解除してOFF状態に戻し、動作を終了する。
【0035】
以上で説明した実施の形態1によれば、エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードである場合、非常止め装置が動作する。このため、作業員がかご6の上で作業を行う際、かご6を足場として安定した状態で保持することができる。その結果、かご6の上において巻上機2のブレーキ性能を超える重量物を取り付けたり交換したりすることができる。
【0036】
この際、作業台、チェーンブロック等を別途用意する必要はない。このため、短時間で安価に作業を行うことができる。
【0037】
また、巻上機トルク検出部17bの検出値が増大した後に一定となり、ガバナエンコーダ出力検出部17cの検出値が変化しなくなった場合、制御部17dは、非常止め装置14が動作したと判定する。このため、非常止め装置14が確実に動作したことを確認することができる。
【0038】
なお、ガバナエンコーダ13が設けられていない場合は、巻上機トルク検出部17bの検出値が増大した後に一定となった場合に、非常止め装置14が動作したと判定すればよい。この場合でも、非常止め装置14が動作したことを確認することができる。
【0039】
また、昇降路1の外部からワイヤー等を介して手動で引き上げ棒16を引き上げてもよい。この場合も、非常止め装置14を確実に動作させることができる。
【0040】
また、電動機、電磁石、アクチュエータ等の駆動装置を用いて自動で引き上げ棒16を引き上げてもよい。この場合も、非常止め装置14を確実に動作させることができる。
【0041】
また、ブレーキ装置等を用いてガバナ10の回転を停止させた状態でかご6を下方向に走行させることで引き上げ棒16を引き上げてもよい。この場合も、非常止め装置14を確実に動作させることができる。
【0042】
また、機械室があるエレベーターに対して、実施の形態1と同様の制御を行ってもよい。この場合も、かご6の上で作業を行う際、かご6を安定した状態で保持することができる。
【0043】
次に、図3を用いて、制御装置17の要部の例を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の要部のハードウェア構成図である。
【0044】
制御装置17の要部の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ22aと少なくとも1つのメモリ22bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア23を備える。
【0045】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ22aと少なくとも1つのメモリ22bとを備える場合、制御装置17の要部の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ22bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ22aは、少なくとも1つのメモリ22bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置17の要部の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ22aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ22bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0046】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア23を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、制御装置17の要部の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置17の要部の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0047】
制御装置17の要部の各機能について、一部を専用のハードウェア23で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、運転モード判定部17aの機能については専用のハードウェア23としての処理回路で実現し、運転モード判定部17aの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ22aが少なくとも1つのメモリ22bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0048】
このように、処理回路は、ハードウェア23、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御装置17の要部の各機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、この発明に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターのかごを安定した状態で保持するシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 昇降路、 2 巻上機、 3 綱車、 4 主ロープ、 5 かご側ガイドレール、 6 かご、 7 釣合オモリ、 8 かご側バッファ、 9 オモリ側バッファ、 10 ガバナ、 11 張り車、 12 ガバナロープ、 13 ガバナエンコーダ、 14 非常止め装置、 14a 非常止めスイッチ、 15 連結棒、 16 引き上げ棒、 17 制御装置、 17a 運転モード判定部、 17b 巻上機トルク検出部、 17c ガバナエンコーダ出力検出部、 17d 制御部、 18 第1通信線、 19 第2通信線、 20 保守端末、 21 保守通信線、 22a プロセッサ、 22b メモリ、 23 ハードウェア
【要約】
特別な機器を用いることなく、作業員がかごの上で作業を行う際にかごを安定した状態で保持することができるエレベーターの制御装置を提供する。エレベーターの制御装置は、エレベーターの運転モードを判定する運転モード判定部と、前記エレベーターの運転モードがかご上作業場運転モードであると前記運転モード判定部により判定されている際に、前記エレベーターの非常止め装置が動作し得る状態となっているときに前記非常止め装置が動作する方向に前記エレベーターのかごを走行させる制御部と、を備えた。
図1
図2
図3