(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る電源制御装置及びその制御方法、制御プログラム、並びに、当該光源装置を備えた電子機器について、実施形態を示して詳しく説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
(電源制御装置)
図1は、本発明に係る電源制御装置の第1の実施形態を示す図である。
図1(a)は、電源制御装置の構成例を示す概略ブロック図であり、
図1(b)は、電源制御装置における制御方法の一例を示すタイミングチャートである。
【0015】
第1の実施形態に係る電源制御装置は、例えば
図1(a)に示すように、概略、CPUやMPU等の演算処理装置からなる演算回路部10と、センサ30等の負荷に駆動用の電源電圧(駆動電圧)を供給する電源供給回路20と、を有している。
【0016】
演算回路部10は、少なくとも電源供給回路20に対して出力端子(例えばGPIO;General Purpose Input/Output)から所定の制御信号を送信することにより電源供給回路20の動作状態を制御する。また、演算回路部10は、センサ30により取得された検出信号を、入力端子(例えばGPIO)を介して受信して所定のデータ処理を実行する。ここで、演算回路部10と電源供給回路20とは、例えばI
2C(Inter-Integrated Circuit)等の同期シリアル通信規格のインターフェース(以下、便宜的に「同期シリアルI/F」と記す)を介して接続されている。この同期シリアルI/Fにおいては、同期用のクロック信号(同期信号)を送信する信号線と、コマンド信号を送信する信号線との2本の信号線を有している。これにより、演算回路部10は、電源供給回路20との間で同期をとるための同期信号を送信しつつ、電源供給回路20におけるセンサ30への駆動電圧の供給状態(供給又は遮断)を制御するコマンド信号を送受信する。
【0017】
また、演算回路部10は、本実施形態に係る電源制御装置が搭載される電子機器(詳しくは後述する)の仕様や設定、動作状態等に応じて、通常モードとストップモードとスタンバイモードとを切り替えて動作を行うように構成されている。ここで、通常モードにおいては、演算回路部10は、通常の消費電力で(換言すると、消費電力を削減することなく規定の電力により)各種の機能を常時又は継続して実行する(通常動作)。また、ストップモードにおいては、演算回路部10は、主要な機能部以外の機能を休止させて消費電力を削減した状態で動作(低消費電力動作)を行う。スタンバイモードにおいては、演算回路部10は、主要な機能部を含む大半の機能を休止させて、必要最小限の機能のみを実行させ、消費電力をさらに削減した状態で動作(低消費電力動作)を行う。スタンバイモードは、スリープモード、省電力状態、休止状態等とも呼ばれる。なお、演算回路部10における動作モードについては、詳しく後述する。
【0018】
電源供給回路20は、例えばLDO(Low Drop Out)レギュレータ等の電源用集積回路(IC)であって、図示を省略したバッテリ電源から供給される電源電圧を、センサ30等の負荷の駆動に適した所定の電圧値の駆動電圧に変換して供給する。ここで、電源供給回路20は、上述した同期シリアルI/Fを介して演算回路部10から送信される制御信号に含まれる同期信号を受信することにより演算回路部10との同期状態を保持しつつ、制御信号に含まれるコマンド信号を受信することによりセンサ30への駆動電圧の供給状態(供給又は遮断)を制御する。特に、本実施形態においては、電源供給回路20は、演算回路部10から送信される特定のコマンド信号に基づいて、演算回路部10がスタンバイモードになっている状態で、センサ30への所定の駆動電圧の供給を維持する。
【0019】
センサ30は、例えば加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサ、気圧センサ、温湿度センサ、脈拍センサ、心拍センサ等のセンサ手段や、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を用いた測位センサ等の測位手段であって、電源供給回路20から供給される駆動電圧に基づいて、所定のセンシング動作を実行して取得した検出信号を演算回路部10に出力する。
【0020】
(動作モード)
次に、上述した演算回路部10における動作モードについて具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係る電源制御装置に適用される演算回路部の動作モードを説明するための図である。
図2(a)は、演算回路部の各動作モードにおける具体例を示す表であり、
図2(b)は、ストップモードにおける演算回路部の動作状態を示す概念図であり、
図2(c)は、スタンバイモードにおける演算回路部の動作状態を示す概念図である。
【0021】
演算回路部10により実行される動作モードのうち、通常モードにおいては、
図2(a)の表に示すように、例えば200μA程度の電流を消費して演算回路部10の全ての機能部が通常動作を実行する。また、この通常モードにおいては、電源供給回路20に接続される出力端子(GPIO)における信号レベルは、現時点又は直前に出力(又は送信)された信号レベルが保持される。
【0022】
ストップモードにおいては、
図2(a)の表に示すように、例えば20μA程度の電流を消費して演算回路部10の主要な機能部が通常動作を維持し、それ以外の機能部が休止した低消費電力動作を実行する。具体的には、例えば
図2(b)に示すように、演算回路部10に設けられるメモリ(SRAM)やレジスタ等の内部メモリ12や、LDO等の内部電源回路14、演算回路部10における動作の割り込みに関わる信号を受信するINT機能部16、演算回路部10における動作モードの復帰に関わる信号を受信するWKUP機能部18等の、主要な機能部は、通常モードと同等の動作状態(通常動作)を維持する。また、上記主要な機能部以外の機能部(図示を省略)は休止状態に設定される。これにより、ストップモードにおいては、通常モードにおいて内部メモリ12に保存されたデータは保持され、また、電源供給回路20に接続される出力端子(GPIO)における信号レベルは、現時点又は直前に出力(又は送信)された信号レベルが保持される。そして、このストップモードにおいて、演算回路部10は、所定の割り込み(INT)信号を受信することにより、ストップモードを中断して通常モードに復帰する。
【0023】
スタンバイモードにおいては、
図2(a)の表に示すように、例えば1μA程度の微少な電流を消費して演算回路部10の必要最小限の機能のみが通常動作を行い、それ以外の大半の機能部が休止した低消費電力動作を実行する。具体的には、例えば
図2(c)に示すように、演算回路部10におけるスタンバイモードから通常モードへの復帰に関わる信号を受信するWKUP機能部18のみが、通常モードと同等の動作状態を維持し、WKUP機能部18以外の、内部メモリ12や内部電源回路14、INT機能部16は休止状態(図中、便宜的にハッチングにて表記)に設定される。これにより、スタンバイモードにおいては、通常モードやストップモードにおいて内部メモリ12に保存されたデータは消去(リセット)され、また、電源供給回路20に接続される出力端子(GPIO)に印加された信号レベルは保持(確定)されない。そして、このスタンバイモードにおいて、演算回路部10は、センサ30からの検出信号を割り込み(WKUP)信号として受信することにより、スタンバイモードを中断して通常モードに復帰する。
【0024】
このように、ストップモードにおいては、少なくとも演算回路部10の内部メモリ12や内部電源回路14、INT機能部16、WKUP機能部18等の主要な機能部が通常の動作状態を維持しているので、ストップモードは比較的周期の短い細かな間欠動作や、実行頻度の高い動作を実行する場合に適している。また、スタンバイモードにおいては、WKUP機能部のみが通常の動作状態を維持し、それ以外の大半の機能部が休止状態に設定されて、内部メモリ12に保存されたデータ等が保持されないので、スタンバイモードは比較的周期の長い間欠動作や、実行頻度の低い動作を実行する場合に適している。なお、これらの動作モードにおける具体例については、電源制御装置の制御方法において詳しく説明する。
【0025】
(電源制御装置の制御方法)
次に、上述した構成を有する電源制御装置の制御方法について説明する。
上述した構成を有する電源制御装置において、演算回路部10は、例えば実行しているアプリケーションにより設定されたタイミングやユーザの操作に基づくタイミングで、通常モードとストップモードとの間の切り替えや、さらには通常モード又はストップモードとスタンバイモードとの間の切り替えを行う。ここで、以下に示す一連の処理動作は、演算回路部10において所定のアルゴリズムプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
具体的には、演算回路部10が特定のアプリケーションを実行してセンサ30により比較的短い周期(例えば1秒間隔)でセンシング動作を実行する場合には、例えば
図1(b)のタイミングチャートに示すように、まず、演算回路部10が通常モードで、I
2C等の同期シリアルI/Fを介して電源供給回路20に、同期信号を送信するとともに、H(ハイ)レベルのコマンド信号を送信する。これにより、電源供給回路20からセンサ30に所定の駆動電圧が供給されてセンサ30がオン動作する。センサ30により取得された検出信号は、演算回路部10により所定の周期で受信されて、例えば図示を省略したメモリ部に保存される。ここで、演算回路部10は、センサ30により取得された検出信号を受信したタイミングから、次の検出信号を受信するタイミング(例えば1秒後)までの期間、ストップモードに移行することにより低消費電力動作を実行する。
【0027】
すなわち、ストップモードにおいては、
図2(a)、(b)に示したように、演算回路部10の主要な機能部以外の機能部が休止状態に設定されて、消費電力が削減される。また、ストップモードにおいては、演算回路部10の出力端子(GPIO)における信号レベルが保持されているので、演算回路部10から電源供給回路20に送信されるコマンド信号は通常モードにおける信号レベルを保持し、電源供給回路20からセンサ30に所定の駆動電圧が供給されてセンサ30はオン動作を継続する。また、このストップモードにおいては、演算回路部10は、通常モードにおいてセンサ30により取得された検出信号を受信したタイミング(ストップモードへの移行タイミング)からの時間経過を計測(カウント)し、センサ30により取得された検出信号を受信する次のタイミング(又は、その直前のタイミング)で、通常モードに復帰することにより、次の検出信号を受信する。ここで、ストップモードにおいては、演算回路部10の主要な機能部が通常の動作状態を維持しているので、演算回路部10の通常モードからストップモードへの移行、及び、ストップモードから通常モードへの復帰が迅速に行われる。
【0028】
このように、比較的周期の短い細かな間欠動作や、実行頻度の高い動作を実行する場合には、通常モードによる動作タイミング間の期間をストップモードに設定して動作させることにより(実質的に、通常モードとストップモードとを交互に繰り返すことにより)、演算回路部10を低消費電力で動作させつつ、演算回路部10の動作モードの切り替え(移行)時に処理遅延等を生じることなく、センサ30等の負荷を良好に動作させることができる。
【0029】
次いで、演算回路部10が実行中のアプリケーションにより設定されたタイミングで、あるいは、電源制御装置が搭載される電子機器が使用されていない状態(不使用状態)が所定時間以上、継続した場合には、演算回路部10は通常モード又はストップモードからスタンバイモードに移行する。ここで、電子機器の不使用状態とは、例えば機器が持ち上げられたり、特定の振動や衝撃、傾斜等が加わったりしていない状態や、ユーザによりスイッチ操作等がされていない状態であって、例えば加速度センサ等を有するセンサ30や、図示を省略した操作スイッチ等から出力される検出信号に基づいて演算回路部10により判別される。演算回路部10が通常モード又はストップモードからスタンバイモードに移行する場合には、例えば
図1(b)のタイミングチャートに示すように、まず、演算回路部10は、スタンバイモードへの移行に先立って、同期シリアルI/Fを介して電源供給回路20に特定のコマンド信号を送信する。これにより、電源供給回路20は、演算回路部10がスタンバイモードに移行した後も、演算回路部10から送信される制御信号(コマンド信号)の有無やその信号レベルに関わらず、センサ30に所定の駆動電圧を供給する状態を維持するように設定される。ここで、スタンバイモードへの移行に先立って、演算回路部10から電源供給回路20に送信される特定のコマンド信号は、例えば、一定の信号幅を有するH(ハイ)レベル又はL(ロー)レベルの単位信号を、シリアルに(連続して)複数配列した一連の信号群が適用される。例えば
図1(b)においては、特定のコマンド信号(電圧保持コマンド)として、「L」「H」「L」「L」の4つの信号をシリアルに配列した信号群を送信した場合を示している。なお、特定のコマンド信号は、
図1(b)に示した例に限定されるものではなく、任意の数の単位信号をシリアルに配列した信号群を適用することができる。そして、電源供給回路20は、演算回路部10から送信された特定のコマンド信号を受信すると、同期シリアルI/Fを介して演算回路部10に、当該特定のコマンド信号を受信したことを確認する確認信号ACK(Acknowledge)を送信する。これにより、演算回路部10は、アプリケーションにより設定されたタイミングまで、あるいは、電子機器が使用された状態が検出されるまでの期間、スタンバイモードに移行して低消費電力動作を実行する。
【0030】
すなわち、スタンバイモードにおいては、
図2(a)、(c)に示したように、演算回路部10の大半の機能部が休止状態に設定されて、消費電力がストップモードよりさらに削減される。また、スタンバイモードにおいては、演算回路部10の出力端子(GPIO)における信号レベルは保持(確定)されないが、スタンバイモードへの移行に先立って送信した特定のコマンド信号により、電源供給回路20からセンサ30に所定の駆動電圧を供給する状態が維持されてセンサ30はスタンバイモード移行後もオン動作を継続する。そして、このスタンバイモードにおいて、センサ30等により電子機器が使用された状態(使用状態)が検出されて、その検出信号を演算回路部10が受信することにより、通常モードに復帰する。ここで、スタンバイモードにおいては、演算回路部10のWKUP機能部18が通常の動作状態を維持しているので、演算回路部10はセンサ30等から出力される検出信号を割り込み(WKUP)信号として良好に受信する。また、スタンバイモードにおいては、メモリ(SRAM)やレジスタを含む内部メモリ12に保存されたデータは消去(リセット)されるため、通常モードへの復帰の際に内部メモリ12の再設定処理等に比較的時間を要するものの、演算回路部10の通常モードへの復帰に関わる割り込み信号(WKUP)を受信するWKUP機能部18以外の大半の機能部が休止状態に設定されるので、演算回路部10がより低消費電力で動作する。
【0031】
このように、比較的周期の長い間欠動作や、実行頻度の低い動作を実行する場合には、通常モード又はストップモードからスタンバイモードに移行して動作させることにより、演算回路部10をさらに低消費電力で動作させつつ、演算回路部10を通常モードに復帰させるための割り込み信号を出力するセンサ30等の負荷を良好に動作させることができる。
【0032】
(作用効果の検証)
次に、本実施形態に係る電源制御装置及びその制御方法における作用効果について、比軟例を示して具体的に説明する。
図3は、本実施形態の作用効果を説明するための比軟例を示す図である。
図3(a)は、比較例における概略ブロック図であり、
図3(b)は、その制御方法を示すタイミングチャートである。ここでは、本実施形態と比較例との構成や制御方法の比較を明瞭にするために、本実施形態(
図1参照)と同等の構成や制御方法については同等の符号を付して説明する。
【0033】
比較例における電源制御装置は、例えば
図3(a)に示すように、演算回路部10Pと、センサ30Pに駆動電圧を供給する電源供給回路20Pと、を有している。このような電源制御装置においては、演算回路部10Pから電源供給回路20に所定の制御信号が送信されることにより、電源供給回路20からセンサ30Pへの駆動電圧の供給状態(供給又は遮断)が制御される。ここで、比較例においては、演算回路部10Pから出力される制御信号として、H(ハイ)及びL(ロー)の2値の信号レベルを有するCE(Chip Enable)が適用される。
【0034】
そして、このような電源制御装置において、通常モードにおいては、例えば
図3(b)のタイミングチャートに示すように、演算回路部10Pから電源供給回路20PにH(ハイ)レベルの制御信号(CE)を送信することにより、センサ30Pに所定の駆動電圧が供給されてセンサ30Pがオン動作する。センサ30Pにより取得された検出信号は、演算回路部10Pにより所定の周期で受信される。
【0035】
また、比較例の電源制御装置において、上述した本実施形態に示したような比較的周期の長い間欠動作や、実行頻度の低い動作を実行する場合に、例えば
図3(b)のタイミングチャートに示すように、演算回路部10Pが、低消費電力動作を実行するために、通常モード又はストップモードからスタンバイモードに移行した場合について検討する。このスタンバイモードにおいては、上述した実施形態(
図2(a)、(c))と同様に、電源供給回路20Pに送信される制御信号(CE)の信号レベルは保持されず(確定せず)、また、演算回路部10PのWKUP機能部以外の機能部が休止状態に設定される。これにより、演算回路部10Pを低消費電力で動作させることができるが、電源供給回路20Pからセンサ30Pに供給される駆動電圧の信号レベルが不安定になって(確定しなくなって)、センサ30Pがオン動作しなくなる(オフ動作してしまう)可能性があった。そのため、スタンバイモードにおいて、センサ30Pにより電子機器が使用された状態(使用状態)を的確に検出することができず、演算回路部10Pが通常モードに復帰することができなくなるという問題が発生する。このような問題の発生を回避するためには、スタンバイモードへの移行を避けて、スタンバイモードよりも消費電力の削減量が少ないストップモードへの移行までで止めておく手法を採用せざるを得なかった。
【0036】
これに対して、上述した本実施形態においては、スタンバイモードへの移行に先立って、演算回路部10からI
2C等の同期シリアルI/Fを介して電源供給回路20に、特定のコマンド信号を送信して、センサ30への所定の駆動電圧の供給を維持するように設定する。これにより、演算回路部10がスタンバイモードに移行した後も、制御信号(コマンド信号)の有無やその信号レベルに関わらず、センサ30がオン動作を継続するので、演算回路部10を十分に低消費電力で動作させつつ、センサ30により電子機器が使用された状態(使用状態)を良好に検出して、演算回路部10を通常モードに的確に復帰させることができる。したがって、センサ等の所定の機能を実行する負荷に対して、安定した電力を供給して当該機能を良好に実行させつつ、電源制御装置を備えた電子機器の省電力化を実現することができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、電源供給回路20から供給される駆動電圧に基づいて所定の動作を実行する負荷としてセンサ30を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本実施形態において負荷は、少なくとも演算回路部10のスタンバイモードにおいて、電源供給回路20から供給される駆動電圧によりオン動作を継続して、電源制御装置を備えた電子機器が使用された状態を検出することができるセンサやスイッチ、無線通信回路等を含んでいるものであればよい。
【0038】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る電源制御装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明に係る電源制御装置の第2の実施形態を示す図である。
図4(a)は、電源制御装置の構成例を示す概略ブロック図であり、
図4(b)は、スタンバイモードにおける各負荷の動作状態を示す表である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同等の符号を付してその説明を簡略化する。
【0039】
第1の実施形態においては、演算回路部10により制御される電源供給回路20が、単一のセンサ30に所定の駆動電圧を供給する場合について説明した。第2の実施形態においては、複数の負荷に対して、それぞれ電圧値の異なる駆動電圧を個別に供給する構成を有していることを特徴としている。
【0040】
第2の実施形態に係る電源制御回路は、例えば
図4(a)に示すように、上述した第1の実施形態に示したLDOレギュレータ等の電源用集積回路からなる電源供給回路20に替えて、センサA32、無線通信(RF)回路34、センサB36等の複数の負荷に対して、それぞれの駆動に適した所定の駆動電圧を個別に供給するための複合電源回路(PMIC;Power Management IC)25を備えた構成を有している。ここで、複合電源回路25は、複数の負荷に対して、個別の駆動電圧を供給するための複数の電源用集積回路を、単一の集積回路に搭載した構成を有している。
【0041】
演算回路部10は、上述した第1の実施形態と同様に、I
2C等の同期シリアルI/Fを介して、同期信号及びコマンド信号を含む制御信号を複合電源回路25に送信する。また、演算回路部10は、センサA32及びセンサB36により取得された検出信号、及び、無線通信回路34により取得された受信信号を、個別の入力端子(例えばGPIO)を介して受信して所定のデータ処理を実行する。
【0042】
複合電源回路25は、演算回路部10から送信される制御信号に含まれるコマンド信号に基づいてセンサA32、無線通信回路34、センサB36への駆動電圧の供給状態を制御する。特に、本実施形態においては、複合電源回路25は、演算回路部10から送信される特定のコマンド信号に基づいて、スタンバイモードにおけるセンサA32、無線通信回路34、センサB36への個別の駆動電圧の供給又は遮断を一括して設定する。
【0043】
無線通信回路34は、本実施形態に係る電源制御装置を備えた電子機器の外部に設けられたセンサ機器や情報通信機器、パーソナルコンピュータ等(以下、「外部機器」と記す)との間で、所定の無線通信方式により各種のデータや信号を送受信する通信インターフェース部である。無線通信回路34においては、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信やブルートゥースローエナジー(Bluetooth(登録商標) low energy(LE))通信、ワイファイ(Wi-Fi;wireless fidelity(登録商標))通信等の、各種の無線通信方式が適用される。無線通信回路34は、電源供給回路20から供給される駆動電圧に基づいて、外部機器との間で各種データ等の送受信を行い、取得した受信信号を演算回路部10に出力する。
【0044】
このような構成を有する電源制御装置の制御方法は、通常モード及びストップモードにおいては、上述した第1の実施形態と同等の制御方法を適用することができる。すなわち、演算回路部10がI
2C等の同期シリアルI/Fを介して複合電源回路25に、H(ハイ)レベルのコマンド信号を送信することにより、複合電源回路25からセンサA32、無線通信回路34、センサB36の各々に所定の駆動電圧が個別に供給されて、センサA32、無線通信回路34、センサB36がそれぞれオン動作する。センサA32、センサB36により取得された検出信号、及び、無線通信回路34により取得された受信信号は、個別の入力端子(例えばGPIO)を介して演算回路部10により受信されて、所定のデータ処理が実行される。
【0045】
一方、本実施形態に係る電源制御装置におけるスタンバイモードにおいては、演算回路部10がスタンバイモードへの移行に先立って、同期シリアルI/Fを介して複合電源回路25に特定のコマンド信号を送信することにより、演算回路部10がスタンバイモードに移行した後も、複合電源回路25からセンサA32、無線通信回路34、センサB36の各々に所定の駆動電圧が個別に供給される状態が維持される。ここで、特定のコマンド信号は、上述した第1の実施形態と同様に、所定の信号レベルを有する単位信号をシリアルに複数配列した一連の信号群が適用される。特に、本実施形態においては、複合電源回路25は特定のコマンド信号を受信することにより、スタンバイモードにおいて、予め設定された複数の負荷動作状態のいずれかを実行する。具体的には、複数の負荷動作状態は、例えば
図4(b)の表に示すように、センサA32のみに駆動電圧を供給する状態を維持してオン動作を継続させる状態や、センサA32と無線通信回路34に駆動電圧を供給する状態を維持してオン動作を継続させる状態、センサA32とセンサB36に駆動電圧を供給する状態を維持してオン動作を継続させる状態等、種々の状態を有している。これらの負荷動作状態は各々、コマンド信号に含まれる単位信号の信号レベルや配列等が異なる、個別の特定のコマンド信号に対応づけられて設定されている。したがって、複合電源回路25は、受信した特定のコマンド信号に含まれる単位信号の信号レベルや配列等に基づいて、対応する負荷動作状態を実行する。そして、このスタンバイモードにおいて、オン動作を継続しているセンサA32、無線通信回路34、センサB36のいずれかにより電子機器の使用状態が検出されて、その検出信号や受信信号を割り込み(WKUP)信号として演算回路部10が受信することにより、通常モードに復帰する。
【0046】
このように、本実施形態においても上述した第1の実施形態と同様に、スタンバイモードへの移行に先立って、演算回路部10から複合電源回路25に、特定のコマンド信号を送信することにより、演算回路部10がスタンバイモードに移行した後も、センサA32、無線通信回路34、センサB36への所定の駆動電圧の供給が維持されてオン動作を継続する。これにより、演算回路部10をスタンバイモードにおいて十分に低消費電力で動作させつつ、センサA32、無線通信回路34、センサB36により電子機器の使用状態を良好に検出して、演算回路部10を通常モードに復帰させることができる。したがって、センサ等の所定の機能を実行する負荷に対して、安定した電力を供給して当該機能を良好に実行させつつ、電源制御装置を備えた電子機器の省電力化を実現することができる。
【0047】
また、本実施形態においては、スタンバイモードへの移行に先立って、演算回路部10から複合電源回路25に送信する特定のコマンド信号により、スタンバイモードにおいてセンサA32、無線通信回路34、センサB36等の複数の負荷のどれをオン動作させるかが設定される。したがって、特定のコマンド信号を変更することにより予め設定された複数の負荷動作状態から、スタンバイモードにおける各負荷の動作状態を任意に設定することができ、電源制御装置が搭載される電子機器の仕様や機能設定をより高度な(多様な)ものにすることができる。
【0048】
なお、上述した各実施形態においては、演算回路部10と電源供給回路20又は複合電源回路25とを接続するインターフェースとして、I
2C等の同期シリアルI/Fを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、演算回路部10と電源供給回路20又は複合電源回路25との間で同期をとりつつ、電源供給回路20又は複合電源回路25における負荷への駆動電圧の供給状態を制御する制御信号を送受信することができるものであれば他の通信規格を有するインターフェースであってもよい。
【0049】
<電源制御装置の適用例>
次に、本発明に係る電源制御装置を備えた電子機器の例について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明に係る電源制御装置を備えた電子機器の一例を示す概略ブロック図である。また、
図6は、本発明に係る電源制御装置を備えた電子機器の具体例を示す概略斜視図である。
【0050】
本発明に係る電源制御装置を備えた電子機器DVCは、例えば
図5に示すように、大別して、処理能力が異なる2組の演算回路部100及び演算回路部200と、演算回路部100により表示状態が制御される表示パネル310、及び、演算回路部200により表示状態が制御される表示パネル320を備えた表示部300と、表示部300の背面側に配置された光源部400と、電源部(電源供給回路)500と、を有している。ここで、演算回路部100又は演算回路部200は、上述した実施形態に示した演算回路部10に対応し、電源部500は電源供給回路20又は複合電源回路25に対応する。
【0051】
演算回路部100には、例えばセンサ部(検出部)110と、入力操作部(検出部)120と、メモリ部130と、通信回路部140と、表示パネル310と、光源部400とが接続されている。また、演算回路部200には、少なくとも入力操作部(検出部)220と、メモリ部230と、通信回路部240と、表示パネル320と、光源部400とが接続されている。ここで、センサ部110、入力操作部120、220は上述した実施形態に示したセンサ30、32、36に対応し、通信回路部140、240は無線通信回路34に対応する。
【0052】
演算回路部100は、例えば比較的処理能力が低い演算回路(ローパワー、ローパフォーマンスのプロセッサ)であって、表示パネル310は、演算回路部200の処理能力に対応して、比較的低消費電力で表示駆動することができる、PN(Polymer Network)型やPD(Polymer Dispersed)型の液晶パネル等が適用される。なお、表示パネル310は、低消費電力で表示駆動することができる、時計表示や簡易な図形表示、静止画や画面表示の更新頻度が低い画像等を表示する場合には、PN型やPD型の液晶パネル等に限定されるものではなく、TFTカラー液晶パネル等を適用するものであってもよい。一方、演算回路部200は、例えば比較的処理能力が高い演算回路(ハイパワー、ハイパフォーマンスのプロセッサ)であって、表示パネル320は、演算回路部200の処理能力に対応して、高機能な表示(高精細な静止画や動画のカラー表示や視覚効果等)を実現できる、TFTカラー液晶パネル等が適用される。ここで、表示パネル310、320に表示される画像は、演算回路部100や演算回路部200において実行されるアプリケーションにより生成される画像データに基づくものであって、例えばセンサ部110により取得された、ユーザの運動情報や生態情報、位置情報等が所定の表示形態で表示される。
【0053】
ここで、表示部300に設けられる表示パネル310、320は、少なくともいずれか一方に透過型の表示パネルが適用され、その背面側に光源部400がバックライトとして配置される。ここで、表示パネル310、320は、ユーザの視野側から見て、平面的に重なることなく並列的に、又は、独立して配置された構成を有するものであってもよい。また、表示パネル310、320がいずれも透過型の表示パネルである場合には、例えば平面的に重なるように配置され、最背面側に光源部400が配置された構成を有しているものであってもよい。
【0054】
また、演算回路部100及び演算回路部200はそれぞれ連携通信部150及び連携通信部250を備えている。演算回路部100及び演算回路部200は、連携通信部150及び250を介して、演算回路部100と演算回路部200との間で所定の通知信号を送受信することにより、相互に連携かつ同期して、表示部300(表示パネル310、320)における表示状態や、光源部400の発光状態を制御する。
【0055】
センサ部110は、上述したように、各種のセンサ手段や測位手段等であり、少なくとも演算回路部100のスタンバイモードにおいて、電源部500から供給される駆動電圧によりオン動作を継続して、電子機器DVCの使用状態を検出して、検出信号を割り込み(WKUP)信号として演算回路部100に出力することができるものを含んでいる。ここで、電子機器DVCの使用状態は、ユーザの操作に起因する特定の振動や衝撃、傾斜、位置の変化等であって、例えば加速度センサにより検出されるものである。
【0056】
入力操作部120、220は、例えば電子機器DVCの筐体に設けられたボタンスイッチやスライドスイッチ、マイク等の入力手段や、表示部300の視野側に配置されたタッチパネル等の入力手段であり、ユーザの入力操作に起因する各種の操作信号を演算回路部100、200に出力する。入力操作部120、220は、少なくとも演算回路部100のスタンバイモードにおいて、電源部500から供給される駆動電圧によりオン動作を継続して、電子機器DVCの使用状態を検出して、検出信号を割り込み(WKUP)信号として演算回路部100、200に出力することができるものを含んでいる。
【0057】
メモリ部130は、センサ部110により取得したセンサデータ等を保存する。また、メモリ部130、230は、それぞれ演算回路部100、200において所定の制御プログラムやアルゴリズムプログラムを実行する際に使用するデータやその際に生成されるデータ等を保存する。
【0058】
通信回路部140、240は、電子機器DVCと外部機器との間で各種のデータや信号を送受信する。通信回路部140、240は、少なくとも演算回路部100のスタンバイモードにおいて、電源部500から供給される駆動電圧によりオン動作を継続して、外部機器との通信に基づいて電子機器DVCの使用状態を検出して、受信信号を割り込み(WKUP)信号として演算回路部100、200に出力することができるものを含んでいる。
【0059】
光源部400は、表示部300(表示パネル310、320)における表示状態や、や入力操作部120、220におけるユーザの入力操作に基づいて、演算回路部100又は演算回路部200により発光状態が制御される。
【0060】
電源部500は、バッテリ電源と、上述した電源供給回路20又は複合電源回路25を含み、演算回路部100又は演算回路部200から図示を省略した同期シリアルI/Fを介して送信される制御信号(同期信号、コマンド信号)に基づいて、上述した各構成に所定の駆動電圧を供給することにより各構成がそれぞれの機能を実行する。ここで、バッテリ電源は、携帯型の電子機器DVCにおいては、例えば市販のボタン型電池等の一次電池や、リチウムイオン電池等の二次電池が適用される。また、上記の一次電池や二次電池のほか、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電(エナジーハーベスト)技術による電源等を、バッテリ電源として単独で、あるいは、併用して適用するものであってもよい。
【0061】
このような構成を有する電子機器DVCの制御方法は、通常モードにおいては、演算回路部100又は演算回路部200から電源部500に所定の制御信号を送信することにより、少なくともセンサ部110や入力操作部120、220、表示部300、光源部400に所定の駆動電圧が供給される。これにより、センサ部110は所定のセンシング動作を実行するとともに、入力操作部120、220はユーザによる入力操作を監視し、取得した検出信号を演算回路部100や演算回路部200に出力する。また、表示部300は、演算回路部100及び演算回路部200により生成された画像データに基づく画像を表示パネル310、320に表示する。ここで、処理能力の低い演算回路部100は表示パネル310に簡易な表示を行い、処理能力の高い演算回路部200は表示パネル320に高機能な表示を行う。このとき、演算回路部100と演算回路部200とは、連携通信部150、250を介して通知信号を送受信することにより相互に連携して、各表示パネル310、320の表示状態を連携させるとともに、光源部400の発光状態を制御する。この動作状態においては、上述した実施形態と同様に、演算回路部100又は演算回路部200は、センサ部110におけるセンシング動作や、表示パネル310、320の表示状態(例えば表示部300における画面表示の更新頻度が低い状態)等に応じて、動作モードを通常モードからストップモードに適宜移行させるようにしてもよい。
【0062】
なお、上述した表示部300における画像の表示において、表示パネル310、320が平面的に重なることなく並列的に、又は、独立して配置された構成を有する場合には、透過型の表示パネル(例えば表示パネル310及び表示パネル320)の背面側から光源部400の光を照射することにより、当該表示パネルの画面表示がユーザの視野側に投影されて多様な情報が視認される。また、表示部300が非透過型の表示パネルを有している場合(例えば表示パネル310)には、その画面表示がユーザに直接視認される。一方、透過型の表示パネル310、320が平面的に重なるように配置された構成を有している場合には、表示パネル310、320の最背面側から光源部400の光を照射することにより、当該表示パネル310、320の画面表示が合成されてユーザの視野側に投影されて、より高機能な表示としてユーザに視認される。
【0063】
そして、演算回路部100又は演算回路部200は、センサ部110や入力操作部120、220から出力される検出信号や表示部300における表示状態に基づいて、電子機器DVCが使用されていない状態や、表示部300のいずれかの表示パネル310、320が画像を表示していない状態が所定時間以上、継続した場合には、通常モード又はストップモードからスタンバイモードに移行して低消費電力動作を実行する。ここで、演算回路部100又は演算回路部200は、スタンバイモードへの移行に先立って、演算回路部100又は演算回路部200から電源部500に特定のコマンド信号を含む制御信号を送信することにより、電源部500は、演算回路部100又は演算回路部200がスタンバイモードに移行した後も、センサ部110や入力操作部120、220等に対して所定の駆動電圧を供給するように設定される。これにより、スタンバイモードにおいても、センサ部110によるセンシング動作や、入力操作部120、220によるユーザの入力操作を監視する動作が継続される。そして、スタンバイモードにおいて、センサ部110や入力操作部120、220により電子機器DVCが使用された状態が検出された場合には、演算回路部100又は演算回路部200は、スタンバイモードから通常モードに復帰して、上述した動作を実行する。
【0064】
このように、本適用例に係る電子機器DVCにおいては、演算回路部100及び演算回路部200が相互に連携して、多様な表示形態で画像を表示することができるとともに、電子機器DVCの不使用状態や表示部300への画像の非表示状態が継続した場合には、演算回路部100又は演算回路部200がスタンバイモードに移行して低消費電力動作を実行する。ここで、本適用例においては、上述した実施形態に示したように、スタンバイモードにおいても、少なくとも電子機器DVCの使用状態を検出するためのセンサ部110や入力操作部120、220がオン動作を継続するように設定される。これにより、スタンバイモードにおいて電子機器DVCの使用状態を検出した場合には演算回路部100又は演算回路部200を通常モードに的確に復帰させることができる。したがって、本適用例によれば、演算回路部100や演算回路部200の動作モードに関わらず、電子機器DVCの所望の機能を良好に実行させつつ、電子機器DVCの大幅な省電力化を実現することができる。
【0065】
また、上述した構成を有する電子機器DVCは、例えば
図6(a)〜(c)に示すように、各種のセンサ類や通信機能等(図示を省略)を内蔵し、入力操作部120や表示部300を備えた様々な機器に適用することができる。具体的には、電子機器DVCは、例えば
図6(a)に示すように、腕時計型やリストバンド型の外観を有し、ユーザの身体に装着されるスポーツウォッチやスマートウォッチであってもよいし、
図6(b)に示すようなスマートフォンや携帯電話機であってもよいし、
図6(c)に示すようなアウトドアで使用する携帯機器(例えばGPSロガーやナビゲーター)であってもよい。
【0066】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0067】
(付記)
[1]
第1の動作モードと、消費電力が前記第1の動作モードより少ない第2の動作モードと、を切り替えて所定の動作を実行する演算回路部と、
前記演算回路部から出力される制御信号に基づいて、負荷に駆動電圧を供給する電源供給回路と、
を有し、
前記演算回路部は、前記電源供給回路に特定の前記制御信号を送信した後に、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行し、前記第2の動作モードでは前記特定の制御信号を出力せず、
前記電源供給回路は、前記特定の制御信号に基づいて、前記演算回路部が前記第2の動作モードになっている間に、前記負荷への前記駆動電圧の供給を維持して前記負荷の動作状態を継続させることを特徴とする電源制御装置。
【0068】
[2]
前記演算回路部は、同期シリアルインターフェースを介して、前記電源供給回路に接続され、
前記特定の制御信号は、前記演算回路部と前記電源供給回路とを同期する同期信号と、前記電源供給回路における前記負荷への前記駆動電圧の供給状態を設定するコマンド信号と、を含むことを特徴とする[1]に記載の電源制御装置。
【0069】
[3]
前記演算回路部は、前記第2の動作モードにおいて前記負荷により特定の状態が検出された場合に、前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに移行することを特徴とする[1]又は[2]に記載の電源制御装置。
【0070】
[4]
前記演算回路部は、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの間の消費電力で前記動作を実行する第3の動作モードを有し、前記第1の動作モードと前記第3の動作モードとを所定の周期で切り替えて、前記動作を実行することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の電源制御装置。
【0071】
[5]
前記電源供給回路は、複数の前記負荷に個別に前記所定の駆動電圧を供給する複合電源回路であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の電源制御装置。
【0072】
[6]
前記電源供給回路は、前記演算回路部から送信される前記特定の制御信号に基づいて、前記第2の動作モードにおける前記複数の負荷への前記駆動電圧の供給状態を個別に設定することを特徴とする[5]記載の電源制御装置。
【0073】
[7]
第1の動作モードと、消費電力が前記第1の動作モードより少ない第2の動作モードと、を切り替えて所定の動作を実行する演算回路部と、
利用者の入力操作に関連する信号を検出する検出部と、
前記演算回路部から出力される制御信号に基づいて、前記検出部に所定の駆動電圧を供給する電源供給回路と、
前記演算回路部は、前記電源供給回路に特定の前記制御信号を送信した後に、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行し、前記第2の動作モードでは前記特定の制御信号を出力せず、
前記電源供給回路は、前記特定の制御信号に基づいて、前記演算回路部が前記第2の動作モードになっている間に、前記検出部への前記駆動電圧の供給を維持して前記検出部の動作状態を継続させることを特徴とする電子機器。
【0074】
[8]
前記演算回路部は、前記第2の動作モードにおいて前記検出部により前記利用者の入力操作に関連する状態が検出された場合に、前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに移行することを特徴とする[7]に記載の電子機器。
【0075】
[9]
第1の動作モードと、消費電力が前記第1の動作モードより少ない第2の動作モードと、を切り替えて所定の動作を実行する演算回路部と、前記演算回路部から出力される制御信号に基づいて、負荷に駆動電圧を供給する電源供給回路と、を有し、
前記演算回路部から前記電源供給回路に特定の前記制御信号を送信した後に、前記演算回路部を前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行させて、前記演算回路部を前記特定の制御信号を出力しない状態とし、
前記特定の制御信号に基づいて、前記演算回路部が前記第2の動作モードになっている間に、前記電源供給回路から前記負荷への前記駆動電圧の供給を維持して前記負荷の動作状態を継続する、ことを特徴とする電源制御装置の制御方法。
【0076】
[10]
前記第2の動作モードにおいて前記負荷により特定の状態が検出された場合に、前記演算回路部を前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに移行することを特徴とする[9]に記載の電源制御装置の制御方法。
【0077】
[11]
第1の動作モードと、消費電力が前記第1の動作モードより少ない第2の動作モードと、を切り替えて所定の動作を実行する演算回路部を備えるコンピュータに、
前記演算回路部から出力される制御信号に基づいて、負荷に駆動電圧を供給する電源供給回路に特定の前記制御信号を送信させた後に、前記演算回路部を前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行させて、前記演算回路部を前記特定の制御信号を出力しない状態とさせ、
前記特定の制御信号に基づいて、前記演算回路部が前記第2の動作モードになっている間に、前記電源供給回路から前記負荷への前記駆動電圧の供給を維持して前記負荷の動作状態を継続させる、ことを特徴とする電源制御装置の制御プログラム。
【0078】
[12]
前記第2の動作モードにおいて前記負荷により特定の状態が検出された場合に、前記演算回路部を前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに移行させることを特徴とする
[11]に記載の電源制御装置の制御プログラム。