(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
まず、本実施の形態に係る画像処理システムの構成について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る画像処理システム10のブロック図である。
【0016】
図1に示すように、画像処理システム10は、画像を処理する画像処理装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20に接続されていてIC(Integrated Circuit)カードから情報を読み出すICカードリーダー31と、画像の処理としての印刷を実行するプリンター専用機32と、MFP20およびプリンター専用機32に画像の処理を指示するPC(Personal Computer)、スマートフォンなどのコンピューター33と、MFP20およびコンピューター33の利用者の認証および認可を実行するコンピューターとしての認証認可サーバー34と、コンピューター33によって出力された印刷データをスプールするコンピューターとしてのスプールサーバー35と、画像の処理のジョブにおいて処理された画像の履歴を示すイメージログ、および、画像の処理のジョブの履歴を示すジョブログをMFP20およびコンピューター33から受信するコンピューターとしてのレシーブサーバー40と、イメージログおよびジョブログに含まれる特定のキーワードを検索するコンピューターとしての検索サーバー51と、イメージログおよびジョブログを記憶するコンピューターまたはNAS(Network Attached Storage)としてのストレージサーバー52と、セキュリティーに関する違反が発見されたことを検索サーバー51から通知されるPC、スマートフォンなどのコンピューター53とを備えている。
【0017】
イメージログは、例えばPDF(Portable Document Format)ファイルである。
【0018】
ジョブログは、ジョブを実行した利用者の識別情報を含んでいる。ジョブログは、例えばXML(Extensible Markup Language)ファイルである。
【0019】
MFP20は、コンピューター33、認証認可サーバー34、スプールサーバー35およびレシーブサーバー40とネットワークを介して通信可能である。コンピューター33は、MFP20、認証認可サーバー34、スプールサーバー35およびレシーブサーバー40とネットワークを介して通信可能である。検索サーバー51は、レシーブサーバー40、ストレージサーバー52およびコンピューター53とネットワークを介して通信可能である。なお、以上におけるネットワークは、LAN(Local Area Network)、インターネットなど、如何なるネットワークでも良い。
【0020】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、原稿から画像データを読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、ネットワーク経由で外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種のデータを記憶している半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0022】
スキャナー23は、原稿から読み取った画像データを生成するという画像の処理を実行する画像処理部である。プリンター24は、記録媒体に画像を印刷するという画像の処理を実行する画像処理部である。ファックス通信部25は、画像をファックス送信するという画像の処理を実行する画像処理部である。
【0023】
記憶部27は、MFP20によって実行される画像処理装置用プログラム27aと、種々のアプリケーション用プログラム27dとを記憶している。画像処理装置用プログラム27aおよびアプリケーション用プログラム27dは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0024】
画像処理装置用プログラム27aは、プラットフォームを実現するためのプラットフォーム用プログラム27bと、イメージログを取得するためのイメージログアプリケーションを実現するためのイメージログアプリケーション用プログラム27cとを含んでいる。
【0025】
記憶部27は、レシーブサーバー40(
図1参照。)の宛先情報27eを記憶している。
【0026】
図3は、宛先情報27eの一例を示す図である。
【0027】
図3に示すように、宛先情報27eは、プライマリーのレシーブサーバー40のIP(Internet Protocol)アドレスおよびポート番号と、プライマリーのレシーブサーバー40にアクセスができない場合にアクセスするためのセカンダリーのレシーブサーバー40のIPアドレスおよびポート番号とを含んでいる。
図1においては、レシーブサーバー40は、1つのみが描かれているが、実際には、プライマリーのレシーブサーバー40と、セカンダリーのレシーブサーバー40との2つが存在することが可能である。
【0028】
図2に示す制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部27に記憶されているプログラムを実行する。
【0029】
図4は、制御部28(
図2参照。)によって実現される機能の一例を示す図である。
【0030】
図4に示すように、MFP20は、アプリケーションを動作させる機能としてのプラットフォーム28aをプラットフォーム用プログラム27b(
図2参照。)の実行によって実現する。プラットフォーム28aは、例えばJava(登録商標)プラットフォームである。
【0031】
MFP20は、イメージログを取得するためのイメージログアプリケーションとしての常駐イメージログアプリケーション28eをイメージログアプリケーション用プログラム27c(
図2参照。)の実行によって実現する。常駐イメージログアプリケーション28eは、プラットフォーム28aがJavaプラットフォームである場合、Javaアプリケーションである。
【0032】
MFP20は、アプリケーション28fをアプリケーション用プログラム27d(
図2参照。)の実行によって実現する。アプリケーション28fは、プラットフォーム28aがJavaプラットフォームである場合、Javaアプリケーションである。
【0033】
プラットフォーム28aは、常駐イメージログアプリケーション28eやアプリケーション28fを動作させる。プラットフォーム28aは、イメージログを取得するイメージログAPI(Application Program Interface)28bを常駐イメージログアプリケーション28eに提供する。なお、画像処理システム10においては、イメージログAPI28bを利用しない限り、MFP20からイメージログおよびジョブログを取得することができない。
【0034】
また、プラットフォーム28aは、常駐イメージログアプリケーション28eによるサービスが登録されるサービスマネージャー28cを含んでいる。サービスマネージャー28cは、常駐イメージログアプリケーション28eによるサービス、すなわち、イメージログサービス28dをアプリケーション28fに提供する。イメージログサービス28dは、常駐アプリケーションサービスである。
【0035】
MFP20のアプリケーション28fの1つは、操作部21(
図2参照。)または通信部26(
図2参照。)を介して入力された指示に応じて宛先情報27e(
図2参照。)を設定するUI(User Interface)をサポートしている。
【0036】
図5は、コンピューター33(
図1参照。)によって実現される機能の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、コンピューター33は、種々の機能を実行するアプリケーション33aと、印刷データをMFP20、プリンター専用機32およびスプールサーバー35に送信するプリンタードライバー33bと、レシーブサーバー40(
図1参照。)に送信するためのイメージログおよびジョブログを生成するAgent33cとを、それぞれ特定のプログラムの実行によって実現する。Agent33cは、アプリケーション33aと、プリンタードライバー33bとの間に介在している。
【0038】
図6は、レシーブサーバー40のブロック図である。
【0039】
図6に示すように、レシーブサーバー40は、種々の操作が入力されるマウス、キーボードなどの入力デバイスである操作部41と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部42と、ネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶するHDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、レシーブサーバー40全体を制御する制御部45とを備えている。
【0040】
記憶部44は、イメージログの生成のためのイメージログ生成用情報44aと、イメージログの送信のためのイメージログ送信用情報44bとを記憶している。
【0041】
ここで、レシーブサーバー40は、イメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを遠隔地から参照可能なWebサービスを提供している。したがって、管理者は、例えばコンピューター53からレシーブサーバー40上のイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを設定することができる。
【0042】
図7は、イメージログ生成用情報44aの一例を示す図である。
【0043】
図7に示すように、イメージログ生成用情報44aは、例えば、イメージログの生成を保証するレベルを示す保証レベルの設定値と、イメージログの画像の解像度の設定値と、ジョブにおける複数ページの画像のうちイメージログに含めるページ範囲の設定値とを含んでいる。
【0044】
保証レベルの設定値としては、例えば、新たなイメージログを記憶させる空き容量が特定の記憶領域にない場合にジョブの実行を禁止する「High」と、新たなイメージログを記憶させる空き容量が特定の記憶領域になくても特定の記憶領域から古いイメージログを削除して新たなイメージログのための空き容量を生成することによってジョブを実行する「Low」とが存在する。例えば、
図7に示す例では、保証レベルとして、「Low」が設定されている。
【0045】
解像度の設定値としては、例えば、「72dpi」、「100dpi」、「200dpi」および「300dpi」が存在する。例えば、
図7に示す例では、解像度として、「200dpi」が設定されている。
【0046】
ページ範囲の設定値としては、例えば、ジョブにおける全ページの画像をイメージログに含めることを示す「All」と、ジョブにおける先頭ページの画像のみをイメージログに含めることを示す「先頭ページのみ」と、ジョブにおける先頭から2ページ分の画像のみをイメージログに含めることを示す「先頭から2ページ」と、ジョブにおける先頭から3ページ分の画像のみをイメージログに含めることを示す「先頭から3ページ」と、ジョブにおける先頭から4ページ分の画像のみをイメージログに含めることを示す「先頭から4ページ」と、ジョブにおける先頭から5ページ分の画像のみをイメージログに含めることを示す「先頭から5ページ」とが存在する。例えば、
図7に示す例では、ページ範囲として、「先頭ページのみ」が設定されている。
【0047】
図8は、イメージログ送信用情報44bの一例を示す図である。
【0048】
図8に示すように、イメージログ送信用情報44bは、例えば、イメージログの送信のタイミングの設定値を含んでいる。
【0049】
送信のタイミングの設定値としては、例えば、ジョブの終了の度にイメージログを送信することを示す「ジョブ終了後」と、利用者がログアウトする時にイメージログを送信することを示す「ログアウト時」とが存在する。例えば、
図8に示す例では、送信のタイミングとして、「ログアウト時」が設定されている。
【0050】
図6に示す制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、記憶部44またはROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0051】
制御部45は、イメージログに含まれる画像からテキストデータを抽出する機能としてのOCR(Optical Character Recognition)エンジン45aを特定のプログラムの実行によって実現する。
【0052】
図1に示す検索サーバー51は、イメージログおよびジョブログに含まれる特定のキーワードを検索する機能としての検索エンジン51aを特定のプログラムの実行によって実現する。
【0053】
次に、画像処理システム10の動作について説明する。
【0054】
まず、MFP20の操作部21を介した指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の動作について説明する。
【0055】
図9は、MFP20の操作部21を介した指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の処理の流れを示すブロック図である。
【0056】
図9に示すように、利用者の認証のための認証用情報を記憶しているICカードを利用者がICカードリーダー31に読み取らせると、MFP20の制御部28は、ICカードリーダー31によって読み取られた認証用情報を受信する(S101)。
【0057】
次いで、MFP20の制御部28は、S101において受信した認証用情報を認証認可サーバー34に送信する(S102)。認証認可サーバー34は、S102において送信されてきた認証用情報に基づいて利用者の認証を行う。そして、認証認可サーバー34は、利用者の認証が成功すると、認証が成功した利用者の認可情報をMFP20に送信する。
【0058】
MFP20の制御部28は、認証認可サーバー34から認可情報が送信されてきた場合、送信されてきた認可情報に応じた範囲内で利用者に機能の利用を許可する。したがって、利用者は、例えば、スキャナー23によって画像を読み取るスキャンの機能、スキャナー23によって読み取った画像をプリンター24によって印刷するコピーの機能、スキャナー23によって読み取った画像をファックス通信部25によってファックス送信するファックス送信の機能など、制御部28によって許可された機能の実行、すなわち、MFP20によるジョブの実行を操作部21を介して指示することができる。MFP20の制御部28は、操作部21を介した指示に応じたジョブを実行する。
【0059】
そして、MFP20の常駐イメージログアプリケーション28eは、実行したジョブのイメージログおよびジョブログを生成して、生成したイメージログおよびジョブログをレシーブサーバー40に送信する(S103)。なお、常駐イメージログアプリケーション28eは、テキスト検索が可能なサーチャブルPDF形式でイメージログを生成する。ただし、常駐イメージログアプリケーション28eは、サーチャブルPDFではなく、テキスト検索が不可能な通常のPDF形式でイメージログを生成しても良い。
【0060】
レシーブサーバー40のOCRエンジン45aは、S103においてイメージログおよびジョブログが送信されてきた場合、送信されてきたイメージログおよびジョブログから抽出したテキストを含むテキストファイルを生成し、生成したテキストファイルと、イメージログおよびジョブログとを検索サーバー51に送信する(S104)。ここで、OCRエンジン45aは、サーチャブルPDF形式のイメージログをS104において送信する。なお、OCRエンジン45aは、MFP20から受信したイメージログに含まれる画像からOCR処理によってテキストを抽出し、抽出したテキストと、イメージログに含まれる画像とに基づいてサーチャブルPDF形式のイメージログを生成する。そして、OCRエンジン45aは、生成したサーチャブルPDF形式のイメージログを使用して、テキストファイルを生成する。
【0061】
検索サーバー51の検索エンジン51aは、S104においてイメージログ、ジョブログおよびテキストファイルが送信されてきた場合、送信されてきたテキストファイルにおいて特定のキーワードを検索し、検索した特定のキーワードが何れのページに何個含まれるかを判断する。例えば、特定のキーワードは、「印刷禁止」など、イメージログやジョブログに含まれていることが好ましくないワードである。
【0062】
そして、検索エンジン51aは、特定のキーワードに基づいた判断結果が特定の基準を満たしている場合、すなわち、対象のジョブにおける画像の処理がセキュリティー上問題ないと判断した場合、S104において送信されてきたイメージログ、ジョブログおよびテキストファイルをストレージサーバー52に記憶する(S105)。
【0063】
一方、検索エンジン51aは、特定のキーワードに基づいた判断結果が特定の基準を満たしていない場合、すなわち、対象のジョブにおける画像の処理がセキュリティー上問題あると判断した場合、セキュリティーに関する違反が発見されたことを通知する電子メールを特定のメールアドレス宛てに送信する(S106)。したがって、管理者は、S106において送信された電子メールを例えばコンピューター53によって受信することによって、セキュリティーに関する違反が発見されたことを認識することができる。
【0064】
なお、
図9に示す動作においては、認証用情報がICカードから入力されたが、操作部21を介して入力されても良い。
【0065】
次に、コンピューター33からの指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の動作について説明する。
【0066】
図10は、コンピューター33からの指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の処理の流れを示すブロック図である。
【0067】
図10に示すように、利用者の認証のための認証用情報がコンピューター33の図示していない操作部を介して入力されると、コンピューター33は、入力された認証用情報を認証認可サーバー34に送信する(S111)。認証認可サーバー34は、S111において送信されてきた認証用情報に基づいて利用者の認証を行う。そして、認証認可サーバー34は、利用者の認証が成功すると、認証が成功した利用者の認可情報をコンピューター33に送信する。
【0068】
コンピューター33は、認証認可サーバー34から認可情報が送信されてきた場合、送信されてきた認可情報に応じた範囲内で利用者に機能の利用を許可する。したがって、利用者は、例えば、コンピューター33から受信した印刷データに基づいてプリンター24によって印刷するプリントの機能、コンピューター33から受信した画像をファックス通信部25によってファックス送信するネットワークファックス送信の機能など、コンピューター33によって許可された機能の実行、すなわち、ジョブの実行をコンピューター33の操作部を介してMFP20に指示することができる。したがって、コンピューター33は、MFP20によるジョブの実行が操作部を介して指示されると、このジョブの実行をMFP20に指示する(S112)。ここで、このジョブがプリントの機能のジョブである場合、コンピューター33のプリンタードライバー33bは、ジョブの実行の指示に代えて、印刷データをMFP20に送信する。
【0069】
MFP20の制御部28は、S112においてジョブの実行がコンピューター33から指示されると、コンピューター33からの指示に応じたジョブを実行する。
【0070】
以降の処理は、
図9に示す動作におけるS103〜S106の処理と同様である。
【0071】
次に、コンピューター33からの指示に応じてコンピューター33が印刷データをスプールサーバー35に送信した後、MFP20の操作部21を介した指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の動作について説明する。
【0072】
図11は、コンピューター33からの指示に応じてコンピューター33が印刷データをスプールサーバー35に送信した後、MFP20の操作部21を介した指示に応じてMFP20が画像を処理する場合の画像処理システム10の処理の流れを示すブロック図である。
【0073】
図11に示すように、
図10に示す動作におけるS111の処理と同様にコンピューター33が認証用情報を認証認可サーバー34に送信すると、認証認可サーバー34は、コンピューター33から送信されてきた認証用情報に基づいて利用者の認証を行い、利用者の認証が成功すると、認証が成功した利用者の認可情報をコンピューター33に送信する。
【0074】
コンピューター33は、認証認可サーバー34から認可情報が送信されてきた場合、送信されてきた認可情報に応じた範囲内で利用者に機能の利用を許可する。そして、コンピューター33のプリンタードライバー33bは、スプールサーバー35による印刷データの記憶が操作部を介して指示されると、この印刷データを利用者の識別情報とともにスプールサーバー35に送信する(S121)。
【0075】
そして、利用者の認証用情報を記憶しているICカードを利用者がICカードリーダー31に読み取らせると、MFP20の制御部28は、ICカードリーダー31によって読み取られた認証用情報を受信する(S101)。
【0076】
次いで、MFP20の制御部28は、S101において受信した認証用情報を認証認可サーバー34に送信する(S102)。認証認可サーバー34は、S102において送信されてきた認証用情報に基づいて利用者の認証を行う。そして、認証認可サーバー34は、利用者の認証が成功すると、認証が成功した利用者の認可情報をMFP20に送信する。
【0077】
MFP20の制御部28は、認証認可サーバー34から認可情報が送信されてきた場合、送信されてきた認可情報に応じた範囲内で利用者に機能の利用を許可する。MFP20の制御部28は、スプールサーバー35によって記憶されている印刷データの実行が操作部21を介して指示されると、利用者の識別情報をスプールサーバー35に送信する(S122)ことによってスプールサーバー35から利用者の印刷データを受信し、受信した印刷データに基づいた印刷を実行、すなわち、ジョブを実行する。
【0078】
以降の処理は、
図9に示す動作におけるS103〜S106の処理と同様である。
【0079】
なお、
図11に示す動作においては、認証用情報がICカードから入力されたが、操作部21を介して入力されても良い。
【0080】
次に、コンピューター33からの指示に応じてプリンター専用機32が画像を処理する場合の画像処理システム10の動作について説明する。
【0081】
図12は、コンピューター33からの指示に応じてプリンター専用機32が画像を処理する場合の画像処理システム10の処理の流れを示すブロック図である。
【0082】
図12に示すように、
図10に示す動作におけるS111の処理と同様にコンピューター33が認証用情報を認証認可サーバー34に送信すると、認証認可サーバー34は、コンピューター33から送信されてきた認証用情報に基づいて利用者の認証を行い、利用者の認証が成功すると、認証が成功した利用者の認可情報をコンピューター33に送信する。
【0083】
コンピューター33は、認証認可サーバー34から認可情報が送信されてきた場合、送信されてきた認可情報に応じた範囲内で利用者に機能の利用を許可する。そして、コンピューター33のプリンタードライバー33bは、プリンター専用機32によるプリントのジョブの実行が操作部を介して指示されると、この印刷データをプリンター専用機32に送信する(S131)。
【0084】
プリンター専用機32は、S131において印刷データがコンピューター33から送信されてきた場合、コンピューター33から送信されてきた印刷データに応じた印刷を実行する。
【0085】
次いで、コンピューター33のAgent33cは、実行した印刷ジョブのイメージログおよびジョブログを生成して、生成したイメージログおよびジョブログをレシーブサーバー40に送信する(S132)。
【0086】
以降の処理は、
図9に示す動作におけるS104〜S106の処理と同様である。
【0087】
次に、
図9〜
図11におけるS103の処理について詳細に説明する。
【0088】
MFP20によるジョブの実行がMFP20の操作部21またはコンピューター33を介して指示されると、このジョブに対応するアプリケーション28fは、このジョブを実行した後、
図4に示すように、サービスマネージャー28cによって提供されているイメージログサービス28dを利用する(S141)。したがって、常駐イメージログアプリケーション28eが実行される(S142)。
【0089】
そして、常駐イメージログアプリケーション28eは、レシーブサーバー40の宛先情報27eを記憶部27から読み出した後、この宛先情報27eを使用して各種の設定値をレシーブサーバー40から取得する(S143)。すなわち、常駐イメージログアプリケーション28eは、S143の処理において、レシーブサーバー40からイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを取得して、イメージログ生成用情報およびイメージログ送信用情報として制御部28のRAM上で管理する。
【0090】
常駐イメージログアプリケーション28eは、S143の処理の後、イメージログAPI28bを利用してイメージログおよびジョブログを取得する(S144)。ここで、常駐イメージログアプリケーション28eは、S143において取得したイメージログ生成用情報に応じたイメージログを取得する。常駐イメージログアプリケーション28eは、S143において取得したイメージログ生成用情報に応じたイメージログをイメージログAPI28bに生成させることによって、S143において取得したイメージログ生成用情報に応じたイメージログを取得しても良い。また、常駐イメージログアプリケーション28eは、イメージログAPI28bに生成させたイメージログを、S143において取得したイメージログ生成用情報に応じて変更することによって、S143において取得したイメージログ生成用情報に応じたイメージログを取得しても良い。
【0091】
常駐イメージログアプリケーション28eは、S144の処理の後、S144において取得したイメージログおよびジョブログを纏めて暗号化したログファイルを生成し、生成したログファイルを、S143において取得したイメージログ送信用情報に応じてレシーブサーバー40に送信する。常駐イメージログアプリケーション28eは、レシーブサーバー40へのログファイルの送信を失敗した場合、送信を失敗したログファイルを記憶部27に一旦記憶させておき、以降に発生する他のログファイルの送信時に、記憶部27上のログファイルも送信する。レシーブサーバー40は、ログファイルを受信するためのWebサービスを提供しているので、MFP20から送信されたログファイルを受信することができる。レシーブサーバー40は、MFP20からログファイルを受信すると、受信したログファイルを復号してイメージログおよびジョブログを取得する。なお、常駐イメージログアプリケーション28eは、以上において、イメージログおよびジョブログを纏めて暗号化したログファイルをレシーブサーバー40に送信しているが、イメージログおよびジョブログを暗号化せずにレシーブサーバー40に送信しても良い。
【0092】
以上に説明したように、MFP20は、アプリケーション28fに対してイメージログAPI28bを常駐イメージログアプリケーション28eによるイメージログサービス28dとして提供するので、イメージログを使用するアプリケーション28fの追加を容易化することができる。
【0093】
MFP20は、アプリケーション28fに対してイメージログAPI28b自体を非公開にすることによって、アプリケーション28fからイメージログAPI28bを直接利用することができないので、イメージログを使用するアプリケーション28fの追加によるセキュリティーの低下を抑えることができる。
【0094】
また、MFP20は、アプリケーション28fに対してイメージログAPI28bをイメージログサービス28dとして提供するので、アプリケーション28fによるイメージログサービス28dの利用を制限することによって、アプリケーション28fによるイメージログAPI28bの利用を制限することができる。例えば、イメージログサービス28dは、アプリケーション28fを実行する利用者の識別情報に基づいて利用が制限されたり、アプリケーション28fの実行によって実行されるコピー、スキャンなどの機能に応じて利用が制限されたりすることができる。したがって、MFP20は、イメージログを使用するアプリケーション28fの追加によるセキュリティーの低下を抑えることができる。
【0095】
MFP20は、本実施の形態において、画像を処理するジョブを実行する度に、レシーブサーバー40からイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを取得する(S143)ようになっている。しかしながら、MFP20は、MFP20自身が起動されたときや、利用者がログインしたときなど、他のタイミングでレシーブサーバー40からイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを取得しても良い。MFP20は、レシーブサーバー40からイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bを取得する頻度が高いほど、レシーブサーバー40におけるイメージログ生成用情報44aおよびイメージログ送信用情報44bの値の変更が適切に反映されることが可能である。
【0096】
本発明の画像処理装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、コピー専用機、スキャナー専用機、ファックス専用機など、MFP以外の画像処理装置であっても良い。