(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
<第1の実施形態>
(第1の実施形態における構成および作用)
図1は、本発明の第1の実施形態における課金位置評価用情報提供システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、課金位置評価用情報提供システム1は、課金サーバ装置110と、車両120と、位置検出システム130とを備える。車両120は、車載器121と、信号出力制御装置122と、照明装置123とを備える。位置検出システム130は、カメラ131と、カメラ132と、位置検出装置140とを備える。位置検出装置140は、表示部141と、操作入力部142と、対課金サーバ通信部143と、画像取得部144と、記憶部149と、制御部150とを備える。制御部150は、記憶部管理部151と、課金位置検出部152と、カウント処理部153とを備える。
【0021】
課金位置評価用情報提供システム1は、車載器121が課金処理を行う位置の精度を評価するためのシステムである。課金位置評価用情報提供システム1では課金ポイントが設定されており、車両120が課金ポイントを通過する際に車載器121が課金処理を行う。そして、位置検出システム130は、車載器121が課金処理を行った位置を評価するための情報を提供する。
【0022】
ここでいう課金ポイントとは、課金を行う基準として設定されている位置であり、課金ポイントを通過する車両に対して課金が行われる。例えば、課金ポイントが、道路において幅方向に長さを有する線として設定され、課金ポイント前後の所定範囲内が課金許容範囲として設定される。
例えば、自動課金システムの要求仕様にて、車載器121が課金許容範囲内で課金処理を行う割合が所定の割合以上であることが要求される。課金位置評価用情報提供システム1は、当該要求を満たすか否かの評価のための情報を提供する。
なお、車載器121が課金処理を行った位置を「課金位置」と称する。
【0023】
課金サーバ装置110は、車載器121と通信を行って課金情報を取得し蓄積する。ここでいう課金情報とは、車載器121が行った課金処理の情報である。課金情報には、車載器ID(車載器の識別情報)や、課金時刻情報(課金サーバ装置110が課金処理を行った時刻を示す情報)や、課金額の情報が含まれる。ここでいう「課金時刻」とは、課金が行われた時刻である。
車両120は、例えば自動車や二輪車など、道路を走行可能であり課金対象となり得る乗り物である。課金位置評価用情報提供システム1が備える車両120の数は1台以上であればよい。一方、課金位置評価用情報提供システム1が複数の車両120を備えることで、複数の車両120が同時に走行する、実際の課金の状況に近い状況で、課金の位置の評価を行うことができる。
【0024】
車載器121は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System;全地球航法衛星システム)受信機を備えるなど車両の位置情報を取得し、車両の位置に基づいて課金処理を行う車載器である。車載器121は、課金処理を行うタイミングで、課金処理実行を示す信号を信号出力制御装置122へ出力する。ここでいう課金処理が行われるタイミングは、厳密に課金処理と同時である必要はなく、課金処理の直前、または、課金処理の直後であってもよい。
また、車載器121は、課金情報を課金サーバ装置110へ送信する。車載器121が課金情報を送信するタイミングは任意である。例えば、車載器121が、所定時間周期で、所定時間分の課金情報を纏めて課金サーバ装置110へ送信するようにしてもよい。あるいは、車載器121が、課金処理を行った後速やかに課金情報を送信するようにしてもよい。
【0025】
信号出力制御装置122は、照明装置123を制御する。特に、信号出力制御装置122は、課金処理実行を示す信号を車載器121から取得すると、照明装置123を点灯させる。信号出力制御装置122と車載器121との接続には、USB(Universal Serial Bus)など、車載器121が標準的に有しているポートを用いることが考えられる。これにより、信号出力制御装置122と車載器121とを容易に接続することができる。
照明装置123は、信号出力制御装置122の制御に従って点灯する。これにより、照明装置123は、車両120の位置に基づく課金処理が行われるタイミングで光の信号を出力する。照明装置123は、信号出力部の例に該当する。
【0026】
位置検出システム130は、課金位置を照明装置123からの信号に基づいて検出し、検出した位置の精度を評価するための情報を提供する。
カメラ131は、課金許容範囲の開始位置に向けて道路の脇に設置され、課金許容範囲開始位置付近を走行する車両120を撮影する。カメラ132は、課金許容範囲の終了位置に向けて道路の脇に設置され、課金許容範囲終了位置付近を走行する車両120を撮影する。
なお、課金許容範囲の開始位置を「課金許容範囲開始位置」と称する。また、課金許容範囲の終了位置を「課金許容範囲終了位置」と称する。
【0027】
図2は、カメラ131および132の配置例を示す説明図である。同図において、線L11は、課金ポイントを示し、領域A11は、課金許容範囲を示す。なお、線L11や領域A11は、説明のために図示しているものである。課金ポイントや課金許容範囲が道路に表示されている必要はない。
【0028】
カメラ131は、課金許容範囲開始位置が画面中央に位置するように、課金許容範囲開始位置の真横に、課金許容範囲開始位置の方向に向けて設置されている。
図3は、カメラ131が撮影した画像の第1の例を示す説明図である。同図に示されるように、課金許容範囲開始位置は、カメラ131の画像の中央に、上下に伸びて位置する。従って、画像の左側に撮影されている車両120は、課金許容範囲外に位置すると判定することができる。さらに、当該車両120の照明装置123が点灯しており、課金許容範囲外で課金処理が行われたと判定することができる。
【0029】
なお、以下では、照明装置123が短時間のみ点灯する場合を例に説明する。この場合、比較的容易に照明装置123を明るく点灯させることができる。
一方、照明装置123が点灯を継続するようにしてもよい。この場合、課金許容範囲開始位置、課金許容範囲終了位置のそれぞれにおいて、照明装置123が点灯しているか否かが判れば、課金許容範囲内での照明装置123の状態が不明でも、課金許容範囲内で課金が行われたか否かを判定することができる。
【0030】
図4は、カメラ131が撮影した画像の第2の例を示す説明図である。同図において、車両120は、画像の右側に撮影されており、課金許容範囲内に位置すると判定することができる。さらに、当該車両120の照明装置123が点灯しており、課金許容範囲内で課金処理が行われたと判定することができる。
【0031】
カメラ132は、課金許容範囲終了位置が画面中央に位置するように、課金許容範囲終了位置の真横に、課金許容範囲終了位置の方向に向けて設置されている。
図5は、カメラ132が撮影した画像の第1の例を示す説明図である。同図に示されるように、課金許容範囲終了位置は、カメラ132の画像の中央に、上下に伸びて位置する。従って、画像の左側に撮影されている車両120は、課金許容範囲内に位置すると判定することができる。さらに、当該車両120の照明装置123が点灯しており、課金許容範囲内で課金処理が行われたと判定することができる。
【0032】
図6は、カメラ132が撮影した画像の第2の例を示す説明図である。同図において、車両120は、画像の右側に撮影されており、課金許容範囲外に位置すると判定することができる。さらに、当該車両120の照明装置123が点灯しており、課金許容範囲外で課金処理が行われたと判定することができる。
このように、カメラ131の画像およびカメラ132の画像より、課金許容範囲内で課金処理が行われたか否かを判定することができる。なお、照明装置123が短時間のみ点灯する場合、カメラ131と132とで課金許容範囲全域を撮影する。このために、カメラ131と132とは、画像の端が重なる位置に設置される。
カメラ131および132は、信号取得部の例に該当し、課金許容範囲開始位置の真横や課金許容範囲終了位置の真横といった所定の位置に設置されて、照明装置123からの信号を取得する。このカメラの「所定の位置」とは、例えば、課金ポイントの位置(進行方向に関する位置)に対して、許容できる誤差範囲(本実施形態では「課金許容範囲」)の両端の位置を意味する。また通常、この「所定の位置」は、道路脇(roadside)であるが、道路上の車両を撮影できる位置であれば、道路からある程度離れた位置であってもよい。
【0033】
位置検出装置140は、カメラ131や132が撮影した画像に基づいて課金位置を検出し、検出した課金位置の精度を評価するための情報を提供する。位置検出装置140が、課金位置として、課金許容範囲内か否かを検出するようにしてもよいし、さらに詳細な位置を検出するようにしてもよい。位置検出装置140は、例えばコンピュータを含んで構成される。
【0034】
表示部141は、例えば液晶パネルなどの表示画面を有し、各種画像を表示する。特に、表示部141は、例えば課金許容範囲内で課金処理が行われた割合など、課金位置の精度を評価するための情報を提供する。
また、後述するように、課金位置をユーザが特定する場合、表示部141は、カメラ131や132が撮影した画像を表示する。
【0035】
操作入力部142は、例えばキーボードやマウスなどの入力デバイスを有し、ユーザ操作を受ける。特に、後述するように、課金位置をユーザが特定する場合、操作入力部142は、表示部141の画面表示に対する操作や、課金位置を示す操作を受ける。
対課金サーバ通信部143は、課金サーバ装置110と通信を行って、各種情報を送受信する。特に、対課金サーバ通信部143は、課金サーバ装置110から課金情報を取得する。
画像取得部144は、カメラ131や132とのインタフェースとして機能し、カメラ131や132が撮影した画像を画像データにて取得する。
【0036】
記憶部149は、位置検出装置140の備える記憶デバイスを含んで構成され、各種情報を記憶する。特に、記憶部149は、画像取得部144が取得する画像データや、課金サーバ装置110が取得する課金情報を記憶する。
制御部150は、位置検出装置140の各部を制御して、各種処理を行う。制御部150は、例えば、位置検出装置140の備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部149からプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0037】
記憶部管理部151は、記憶部149への情報の書込や、記憶部149が記憶している情報の検索や、記憶部149からの情報の読出を行う。
課金位置検出部152は、カメラ131や132が撮影した画像に基づいて、課金位置を検出する。課金位置検出部152が、課金位置として、課金許容範囲内か否かを検出するようにしてもよいし、さらに詳細な位置を検出するようにしてもよい。
ここで、
図3〜6を参照して説明したように、カメラ131や132が所定の位置に設置されていることで、画像における車両120の像の位置に基づいて、車両120が課金許容範囲内に位置するか否かを判定することができる。この点において、課金位置検出部152は、カメラ131や132の位置に基づいて課金位置を検出する。課金位置検出部152は、課金位置検出部の例に該当する。
カウント処理部153は、課金位置検出部152が検出した課金位置を、課金許容範囲内、課金許容範囲外の各々についてカウントし、課金処理が課金許容範囲内で行われた割合を算出する。
【0038】
(第1の実施形態における動作)
次に、
図7および8を参照して、課金位置評価用情報提供システム1の動作について説明する。
図7は、車両120に搭載された装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。車載器121や信号出力制御装置122や照明装置123は、例えば、自らの電源がONになって起動すると、同図の処理を開始する。
図7の処理において、車載器121は、位置情報を取得する(ステップS101)。例えば、車載器121は、GNSS受信機を備え、車載器121自らの位置を車両120の位置として算出する。
【0039】
次に、車載器121は、ステップS101で得られた車両120の位置情報に基づいて、車両120が課金ポイントを通過し、かつ、当該通過における課金処理が未実施か否かを判定する(ステップS102)。
課金ポイントを通過していない、または、課金処理が実施済みであると判定した場合(ステップS102:NO)、ステップS101へ戻る。
一方、車両120が課金ポイントを通過し、かつ、当該通過における課金処理が未実施であると判定した場合(ステップS102:YES)、車載器121は、課金処理実行を示す信号を信号出力制御装置122へ出力し、照明装置123が、信号出力制御装置122の制御に従って点灯する(ステップS111)。
【0040】
また、車載器121は、課金処理を行い、当該課金処理の課金情報を生成する(ステップS112)。そして、車載器121は、生成した課金情報を課金サーバ装置110へ送信する(ステップS113)。
ステップS113の後、ステップS101へ戻る。
【0041】
図8は、制御部150が、課金位置の精度を評価するための情報を生成する処理手順の例を示すフローチャートである。例えば、制御部150は、当該情報の生成を指示するユーザ操作が行われると、同図の処理を開始する。
図8の処理において、カウント処理部153は、課金許容範囲内用カウンタ、課金許容範囲外用カウンタの各々の値をゼロにリセットする(ステップS151)。
次に、制御部150は、カメラ131や132に撮影されている車両120の各々について処理を行うループL1を開始する(ステップS152)。以下では、ループにおいて処理対象となっている車両を「対象車両」と称する。
【0042】
ループL1において、課金位置検出部152は、対象車両の照明装置123の点灯開始位置および点灯開始時刻を検出する(ステップS153)。当該点灯開始位置や点灯開始時刻の検出を、課金位置検出部152が自動的に行うようにしてもよいし、ユーザ操作を受けて行うようにしてもよい。
点灯開始時刻や点灯開始位置を自動で検出する場合、課金位置検出部152は、カメラ131や132が撮影した画像の中から、対象車両の照明装置123が点灯を開始したフレームを検出する。例えば、課金位置検出部152は、背景差分法により、各フレームから車両120の像の領域を抽出する。
【0043】
そして、課金位置検出部152は、抽出された領域について、撮影時間が隣接するフレーム間で画素値の差分処理を行う。照明装置123の点灯開始時には、照明装置123の部分に大きな差分が発生する。そこで、差分領域の大きさが一定以上である場合、課金位置検出部152は、照明装置123が点灯したと判定する。
そして、課金位置検出部152は、
図3〜6を参照して説明した方法で、対象車両の位置が課金許容範囲内か否かを判定し、判定結果を課金位置の情報とする。また、課金位置検出部152は、検出したフレームの撮影時刻を取得し、課金時刻の情報とする。
【0044】
なお、課金位置検出部152が、より詳細な課金位置を求めるようにしてもよい。
例えば、課金位置検出部152は、上記の処理に加えて、対象車両が課金許容範囲開始位置を通過するときの画像を検出し、当該画像の撮影時刻を、課金許容範囲開始位置通過時刻として取得する。また、課金位置検出部152は、対象車両が課金許容範囲終了位置を通過するときの画像を検出し、当該画像の撮影時刻を、課金許容範囲終了位置通過時刻として取得する。そして、課金位置検出部152は、課金許容範囲開始位置通過から点灯開始までの時間と、点灯開始から課金許容範囲終了位置通過までの時間との比を求める。
さらに、課金位置検出部152は、課金許容範囲全体のうち、求めた比の分だけ進んだ位置で課金処理が行われたものとして、課金位置を算出する。これにより、課金位置検出部152は、対象車両が課金許容範囲内をおよそ一定の速度で走行している場合の課金位置を、より詳細に得られる。
【0045】
ステップS153の後、課金位置検出部152は、課金情報の中から対象車両の課金の情報を検出し、ステップS153で得られた課金位置と対応付ける(ステップS154)。具体的には、課金位置検出部152は、課金情報の中から、ステップS153で得られた点灯開始時刻と課金時刻が一致する課金の情報を検出する。そして、課金位置検出部152は、記憶部149に、得られた課金の情報と、ステップS153で得られた課金位置の情報とを対応付けて記憶させる。
なお、後述するように、課金位置検出部152が、ステップS153の処理とともにステップS154の処理もユーザ操作を受けて行うようにしてもよい。
なお、課金情報と課金位置との対応付けが不要な場合は、課金位置検出部152がステップS154の処理を行わないようにしてもよい。
【0046】
次に、カウント処理部153は、ステップS153で得られた課金位置が課金許容範囲内か否かを判定する(ステップS155)。課金許容範囲内であると判定した場合(ステップS155:YES)、カウント処理部153は、課金許容範囲内用カウンタの値を1増やす(ステップS161)。
そして、制御部150は、ループL1の終端処理を行う(ステップS181)。具体的には、制御部150は、処理対象となっている画像に撮影されている車両120のうち、ループL1の処理を完了していない車両120の有無を判定する。処理を完了していない車両120があると判定した場合、ステップS151へ戻り、処理を完了していない車両120に対する処理を行う。一方、処理を完了していない車両120がないと判定した場合、ループL1を終了する。
ループL1を終了した後、
図8の処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS155において、ステップS153で得られた課金位置が課金許容範囲外であると判定した場合(ステップS155:NO)、カウント処理部153は、課金許容範囲外用カウンタの値を1増やす(ステップS171)。
ステップS171の後、ステップS181へ進む。
【0048】
次に、
図9〜12を参照して、課金位置検出部152が、ユーザ操作を受けて課金処理置や課金時刻の検出を行う場合の処理について説明する。課金位置検出部152は、例えば
図8のステップS153における処理として、以下に説明する処理を行う。
図9は、課金位置および課金時刻の検出のために表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。
同図の例において、表示部141は、領域A21に、カメラ131が撮影した画像の1フレームを表示している。また、表示部141は、領域A22に、カメラ132が撮影した画像のうち領域A21のフレームと同じ撮影時刻のフレームを表示している。また、表示部141は、領域A24に、領域A21に表示したフレームや領域A22に表示したフレームの撮影時刻を表示している。
【0049】
また、表示部141は、領域A23に、課金情報を表示している。領域A23に示される課金情報は表形式で示されており、1つの行が1つの課金の情報を示している。また、それぞれの行には、トランザクションID、課金時刻、車載器IDおよび車種の項目が含まれる。
トランザクションIDは、課金の各々を識別するための識別情報である。課金時刻、車載器ID、車種の欄には、それぞれ、該当する課金が行われた時刻、当該課金を行った車載器121の識別情報、当該課金の対象である車両120の車種の情報が格納されている。
【0050】
領域A23に示される課金情報において、領域A24に示される時刻に課金が行われている行は、他の行と区別して表示されている。
また、表示部141は、領域A25に、時刻を前後させるための操作ボタンを表示している。また、表示部141は、領域A26に、処理の結果の保存を指示するための操作ボタンを表示している。
【0051】
図9に示される画面において、ユーザは、照明装置123の点灯を開始した車両120の像を選択する。すなわち、ユーザは、照明装置123が点灯している車両120の像のうち、前のフレームでは照明装置123が消灯していた車両120の像を選択する。
課金位置検出部152は、選択された車両120の像の位置に基づいて、ステップS153の処理を自動で行う場合と同様に、課金位置を検出する。また、課金位置検出部152は、領域A24に表示されている時刻を課金時刻とする。
【0052】
図10は、車両120の像の選択が行われた後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された車両120の像にマークを付して表示している。これにより、ユーザは、選択が正しく行われたことを確認することができ、作業ミスを低減させることができる。
【0053】
また、
図9のステップS154の操作に対応して、ユーザは、課金情報の行のうち、像を選択した車両120に対する課金を示す行を選択する。課金情報において、課金時刻が撮影時刻と一致する行が複数ある場合、ユーザは、例えば車種の情報に基づいて、いずれかの行を選択する。一方、課金時刻が撮影時刻と一致する行が1つのみである場合、課金位置検出部152が自動的に当該行を選択するようにしてもよい。
なお、課金情報と課金位置との対応付けが不要な場合は、課金情報の行の選択は不要である。
【0054】
図11は、課金情報の行の選択が行われた後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された行を他の行と区別して表示している。これにより、ユーザは、選択が正しく行われたことを確認することができ、作業ミスを低減させることができる。
【0055】
車両120の像と課金情報の行との選択を完了すると、ユーザは、結果保存ボタンを押下(例えば、マウスクリック)して選択を確定させる。
図12は、結果保存ボタンの押下が行われた後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された像や選択された行を、他と区別して表示している。
以上で、1台の車両120についての処理(従って、ステップS153およびS154の1回分の処理)が完了する。
【0056】
さらに、ループL1における他の対象車両についても、同様にステップS153およびS154の処理を行う。
具体的には、
図12の画面の状態から、ユーザは、像を表示されている他の車両120について、上記と同様の操作を行う。表示されている画像では、照明装置123の点灯を開始した車両120が他にない場合、ユーザは、領域A25(
図9)の操作ボタンを操作し、画像を得られている全ての時刻について同様の処理を行う。
【0057】
以上のように、照明装置123は、車両120に搭載され、当該車両120の位置に基づく課金処理が行われるタイミングで光の信号を出力する。また、カメラ131およびカメラ132は、所定の位置に設置され、照明装置123からの信号を取得する。そして、課金位置検出部152は、カメラ131やカメラ132が取得した信号に基づいて、課金処理が行われた位置を検出する。より具体的には、課金位置検出部152は、光を出力した照明装置123の位置を、カメラ131の画像またはカメラ132の画像の少なくともいずれかに基づいて検出することで、課金位置を検出する。
これにより、課金位置評価用情報提供システム1では、高精度位置標定装置などの高価な装置を必要とせず比較的低コストで、課金位置を評価するための情報を提供することができる。
ここで、高精度位置標定装置は車両に設置する際に調整を必要とする。特に、多数の車両について課金位置の評価を行うために多数の車両の各々に高精度位置標定装置を設置する場合、調整を行う者の負担が大きい。
これに対して、課金位置評価用情報提供システム1では、車両120に搭載する機器について特別な調整を行う必要がなく、特に、多数の車両について課金位置の評価を行う場合でも、車両120に機器を設置する者の負担が比較的小さくて済む。
【0058】
また、照明装置123は信号として光を出力し、カメラ131や132は、車両120の像を含む画像を撮影する。そして、課金位置検出部152は、カメラ131や132が撮影した画像に含まれる、照明装置123が点灯している車両120の像の位置に基づいて、課金処理が行われた位置を検出する。
このように、信号取得部の例であるカメラ131や132が画像を撮影することで、1方向のみでなく画角の範囲で信号を取得することができる。これにより、課金位置評価用情報提供システム1が備える信号取得部の数が少なくて済む。この点で、課金位置評価用情報提供システム1の構成を簡単にすることができ、また、信号取得部を設置する作業者の負担が軽くて済む。
【0059】
なお、照明装置123として近赤外線ライトを用い、カメラ131および132として近赤外線カメラを用いるようにしてもよい。照明装置123を近赤外線ライトとすることで、点灯時に周囲の運転者を幻惑することを防止できる。また、カメラ131や132を近赤外線カメラとすることで、直射日光下でも比較的容易に照明装置123の点灯を撮影できる。
【0060】
(第1の実施形態の変形例)
課金位置評価用情報提供システム1が、照明装置123が出力する光に代えて、あるいは加えて、他の信号を用いるようにしてもよい。この点について、
図13および
図14を参照して説明する。
図13は、信号として音を用いる場合のマイクの設置位置の例を示す説明図である。信号として音を用いる場合、照明装置123に代えてスピーカSPを車両120に搭載する。また、カメラ131および132に代えて、マイクMIを設置する。
【0061】
図13に示すように、マイクMIを、道路の幅方向(車両の進行方向に対して直角方向)に向けて設置する。また、
図13に示すように、少なくとも課金許容範囲の全域に対応させて、複数台のマイクMIを設置する。課金許容範囲外で課金処理が行われたときも課金位置を検出する必要がある場合は、課金許容範囲の外側にも対応させて、さらにマイクMIを設置する。
【0062】
車載器121が課金処理を行ったタイミングでスピーカSPが音を出力し、マイクMIのいずれかがスピーカSPからの音を取得する。課金位置検出部152は、最も大きい音を取得したマイクMIが設置されている位置に基づいて、課金位置を検出することができる。このように、課金位置検出部152は、スピーカSPからの音の情報に基づいて課金位置を検出する。ここでいう音の情報とは、音の有無であってもよいし、ここでいう音の情報とは、音の有無であってもよいし、音圧または複数のマイクにおける音圧分布など音の特性であってもよい。
具体的には、上記のように、課金位置検出部152は、スピーカSPが出力した音取得の有無、または、取得した音の大きさ(音圧)に基づいて、最も大きい音を取得したマイクMIを特定する。そして、課金位置検出部152は、検出したマイクMIの位置に基づいて、音を出力したスピーカSPの位置を検出することで、課金位置を検出する。例えば、マイクMIと当該マイクMIの位置に応じた道路上の位置とが予め対応付けられており、課金位置検出部は、最も大きい音を取得したマイクMIに対応付けられている道路上の位置を、課金位置として検出する。
さらに、課金位置検出部152が、マイクMIが取得した音の音圧、または、複数のマイクMIにおける音圧分布に基づいて、スピーカSPとマイクMIとの距離、または、スピーカSPとマイクMIとの相対位置を検出するようにしてもよい。課金位置検出部152は、スピーカSPに対応付けられている道路上の位置を、スピーカSPとマイクMIとの距離、または、スピーカSPとマイクMIとの相対位置に基づいて補正する。なお、課金位置検出部152が、マイクMIが取得した音の音圧に基づいて、スピーカSPとマイクMIとの距離を推定する場合、設置するマイクMIの数は1つでもよい。
なお、より高精度に課金位置を検出するために、スピーカSPまたはマイクMIの少なくともいずれかは、指向性を有していることが望ましい。
【0063】
図14は、信号としてレーザ光を用いる場合の受光センサアレイの設置位置の例を示す説明図である。信号としてレーザ光を用いる場合、照明装置123に代えてレーザ装置LAを車両120に搭載する。ここでいうレーザ装置とは、レーザ光を出力する装置である。また、カメラ131および132に代えて、受光センサPSを設置する。ここでいう受光センサとは、所定の強さ以上の光を受光していることを検出可能なセンサである。
【0064】
図14に示すように、レーザ装置LAを、道路の幅方向にレーザ光を出力する向きに設置する。また、受光センサPSを、レーザ装置LAが出力するレーザ光の向きに合わせた向きで設置する。
図13のマイクMIの場合と同様、少なくとも課金許容範囲の全域に対応させて、複数台の受光センサPSを、車両120の走行経路の例である道路に沿って設置する。課金許容範囲外で課金処理が行われたときも課金位置を検出する必要がある場合は、
図14に示すように、課金許容範囲の外側にも対応させて、さらに受光センサPSを設置する。
【0065】
車載器121が課金処理を行ったタイミングでレーザ装置LAがレーザ光を出力する。受光センサPSの集合が信号取得部の例に該当し、受光センサPSのいずれかがレーザ装置LAからのレーザ光を受光する。課金位置検出部152は、いずれの受光センサが最初にレーザ光を受光したか(ということに関する情報)に基づいて、課金位置を検出することができる。このように、課金位置検出部152は、レーザ装置LAが出力したレーザ光に基づいて課金位置を検出する。より具体的には、課金位置検出部152は、最初にレーザ光を受光した受光センサPSを特定し、特定したレーザ光受光センサPSの位置に基づいて、レーザ光を出力したレーザ装置LAの位置を検出することで、課金位置を検出する。例えば、受光センサPSと当該受光センサPSの位置に応じた道路上の位置とが予め対応付けられており、課金位置検出部は、最初にレーザ光を取得した受光センサPSに対応付けられている道路上の位置を、課金位置として検出する(すなわち、受光センサPSそのものの位置に基づいて課金位置を検出する)。
さらに、受光センサPSとして、光を受けた方向を検出可能なセンサを用いるようにし、課金位置検出部152が、受光センサPSが(最初に)光を受けた方向に基づいて、課金位置と受光センサPSとの相対位置を検出するようにしてもよい。そして、課金位置検出部152が、光を取得した受光センサPSに対応付けられている道路上の位置を、課金位置と受光センサPSとの相対位置に基づいて補正し、補正された位置を課金位置とする(すなわち、受光センサPSそのものの位置、及び、課金位置と受光センサPSとの相対位置、の両方に基づいて、課金位置を検出する)ようにしてもよい。
なお、レーザ装置LAと受光センサPSとの高さのずれによって受光センサPSがレーザ光を受光できないことを防止するため、レーザ装置LAが、
図14に示すように、高さ方向に広がりのあるレーザ光を出力するようにしてもよい。
なお、レーザ装置LAに代えて、指向性のある光を出力する他の装置を車両120に搭載するようにしてもよい。例えば、車両120に照明装置とスリットとを搭載し、照明装置が出力した光を、スリットを通過させるようにしてもよい。
【0066】
<第2の実施形態>
(第2の実施形態における構成および作用)
図15は、本発明の第2の実施形態における課金位置評価用情報提供システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、課金位置評価用情報提供システム2は、課金サーバ装置110と、車両220と、位置検出装置240とを備える。車両220は、車載器221と、加速度センサ224と、加速度記録装置225とを備える。位置検出装置240は、表示部141と、操作入力部142と、対課金サーバ通信部143と、対車両通信部245と、制御部250とを備える。制御部250は、記憶部管理部151と、課金位置検出部252と、カウント処理部153とを備える。
図15において、
図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(110、141、142、143、149、151、153)を付して説明を省略する。
【0067】
課金位置評価用情報提供システム2は、課金位置評価用情報提供システム1と同様、課金位置の精度を評価するためのシステムである。一方、課金位置評価用情報提供システム2は、車両220における加速度に基づいて課金位置を検出する点で課金位置評価用情報提供システム1と異なる。
車両220は、車両120と同様、道路を走行可能であり課金対象となり得る乗り物である。一方、車両220では、設置される装置が車両120の場合と異なる。
【0068】
車載器221は、車載器121が信号出力制御装置122に対して出力する信号を出力する必要がない点で車載器121と異なる。車載器221の他の機能は、車載器121と同様である。車載器221は、課金処理部の例に該当する。
加速度センサ224は、加速度センサ224自らの加速度を測定する。加速度センサ224の加速度は、車両220の加速度として用いられる。加速度センサ224は、少なくとも鉛直方向の加速度を測定可能である。特に、加速度センサ224は、加速度、または、加速度の変化を検出することで、車両220が走行する経路の所定の位置に設けられた表面の高さの変化による車両220への力の作用を検出する。加速度センサ224は、力検出部の例に該当する。
【0069】
車載器221が加速度センサを備えている場合、当該加速度センサを加速度センサ224として用いるようにしてもよい。位置情報に基づいて課金処理を行う車載器は、位置情報を修正するために加速度センサを備えることが多い。当該加速度センサを加速度センサ224として用いることで、課金位置の検出のために加速度センサを別途用意する必要がない。これにより、コストの削減や装置の小型化を図ることができる。
加速度記録装置225は、加速度センサ224が検出した加速度の履歴を時刻と対応付けて記憶する。また、加速度記録装置225は、対車両通信部245と通信を行う。特に、加速度記録装置225は、加速度の履歴を対車両通信部245へ送信する。
【0070】
位置検出装置240は、加速度センサ224が測定した加速度に基づいて課金位置を検出し、検出した課金位置の精度を評価するための情報を提供する。位置検出装置240が、課金位置として、課金許容範囲内か否かを検出するようにしてもよいし、さらに詳細な位置を検出するようにしてもよい。位置検出装置240は、例えばコンピュータを含んで構成される。
【0071】
対車両通信部245は、加速度記録装置225と通信を行う。
制御部250は、課金位置を検出する具体的な処理において制御部150と異なる。制御部250の他の機能は、制御部150と同様である。制御部250は、例えば、位置検出装置240の備えるCPUが、記憶部149からプログラムを読み出して実行することで実現される。
課金位置検出部252は、車載器221が課金処理を行ったタイミングと、加速度センサ224が力を検出したタイミングとに基づいて、課金処理が行われた位置を検出する。課金位置検出部152が、課金位置として、課金許容範囲内か否かを検出するようにしてもよいし、さらに詳細な位置を検出するようにしてもよい。
【0072】
次に、
図16〜19を参照して、課金位置検出部252が行う課金位置の検出方法について説明する。
図16は、道路の表面に設けられた高さの変化の例を示す説明図である。同図において、線L11は、課金ポイントを示し、領域A11は、課金許容範囲を示す。課金ポイントや課金許容範囲は、第1の実施形態の場合と同様である。なお、線L11や領域A11は、説明のために図示しているものである。課金ポイントや課金許容範囲が道路に表示されている必要はない。
【0073】
図16において、課金許容範囲開始位置に、道路の幅方向に長い突起部分PR1が設けられている。車両220が突起部分PR1を通過する際、加速度センサ224が加速度の変化を検出する。当該加速度の変化により、加速度記録装置225が記憶する加速度の履歴において、車両220が課金許容範囲開始位置を通過するタイミングが示される。
また、課金許容範囲終了位置に、道路の幅方向に長い突起部分PR2が設けられている。車両220が突起部分PR2を通過する際、加速度センサ224が加速度の変化を検出する。当該加速度の変化により、加速度記録装置225が記憶する加速度の履歴において、車両220が課金許容範囲終了位置を通過するタイミングが示される。
【0074】
なお、道路の表面の高さの変化は、加速度センサ224が加速度の変化を検出可能なものであればよく、突起部分による高さの変化など表面の凹凸に限らない。例えば、道路の表面に陥没部分が設けられて高さが変化していてもよい。あるいは、道路の表面に段差が設けられて高さが変化していてもよい。
【0075】
図17は、加速度が変化する時刻と課金時刻との関係の第1の例を示す説明図である。同図のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は加速度を示す。グラフには、加速度センサ224が検出した加速度の履歴が示されている。時刻T11は、課金位置検出部252が加速度の履歴から検出した、課金許容範囲開始位置通過時刻の例を示す。時刻T12は、課金位置検出部252が加速度の履歴から検出した課金許容範囲終了位置通過時刻の例を示す。
また、時刻T21は、課金時刻の例を示す。時刻T21が時刻T11よりも早いことから、課金位置検出部252は、車載器221が課金許容範囲外で課金処理を行ったと判定する。
【0076】
このように、課金位置検出部252は、加速度センサ224が測定した加速度の履歴を、対車両通信部245を介して加速度記録装置225から取得して、課金許容範囲開始位置通過時刻と課金許容範囲終了位置通過時刻とを検出する。また、課金位置検出部252は、車載器221による課金時刻を、対課金サーバ通信部143を介して課金サーバ装置110から取得する。
そして、課金位置検出部252は、課金許容範囲開始位置通過時刻と課金許容範囲終了位置通過時刻と課金時刻との前後関係から、課金許容範囲内で課金処理が行われたか否かを判定し、判定結果を課金位置として取得する。具体的には、課金時刻が、課金許容範囲開始位置通過時刻と課金許容範囲終了位置通過時刻との間に位置する場合、課金位置検出部252は、課金許容範囲内で課金処理が行われたと判定する。一方、課金時刻が課金許容範囲開始位置通過時刻よりも早い場合や、課金時刻が課金許容範囲終了位置通過時刻よりも遅い場合、課金位置検出部252は、課金許容範囲内では課金処理が行われなかったと判定する。
【0077】
図18は、加速度が変化する時刻と課金時刻との関係の第2の例を示す説明図である。同図に示す加速度のグラフや、時刻T11およびT12は、
図17の場合と同様である。一方、
図18の例では、課金時刻を示す時刻T22が、時刻T11と時刻T12との間に位置する点で、
図17の場合と異なる。
図18の例の場合、課金位置検出部252は、車載器221が課金許容範囲内で課金処理を行ったと判定する。
【0078】
図19は、加速度が変化する時刻と課金時刻との関係の第3の例を示す説明図である。同図に示す加速度のグラフや、時刻T11およびT12は、
図17の場合と同様である。一方、
図19の例では、課金時刻を示す時刻T23が、時刻T12よりも遅い点で、
図17の場合と異なる。
図19の例の場合、課金位置検出部252は、車載器221が課金許容範囲外で課金処理を行ったと判定する。
【0079】
なお、課金位置検出部152の場合と同様、課金位置検出部252が、より詳細な点灯開始位置を求めるようにしてもよい。
具体的には、課金位置検出部252は、課金許容範囲開始位置通過から課金処理までの時間と、課金処理から課金許容範囲終了位置通過までの時間との比を求める。そして、課金位置検出部252は、課金許容範囲全体のうち、求めた比の分だけ進んだ位置で課金処理が行われたものとして、課金位置を算出する。これにより、課金位置検出部252は、車両220が課金許容範囲内をおよそ一定の速度で走行している場合の課金位置を、より詳細に得られる。
【0080】
(第2の実施形態における動作)
次に、
図20および21を参照して、課金位置評価用情報提供システム2の動作について説明する。
図20は、車両220に搭載された装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。車載器221や加速度センサ224や加速度記録装置225は、例えば、自らの電源がONになって起動すると、同図の処理を開始する。
図20の処理において、加速度記録装置225は、加速度センサ224が測定した加速度を、時刻と対応付けて記憶する(ステップS201)。
【0081】
ステップS202〜S203は、
図7のステップS101〜S102と同様である。ステップS203において、車両220が課金ポイントを通過し、かつ、当該通過における課金処理が未実施であると判定した場合(ステップS203:YES)、ステップS211へ進む。
ステップS211〜S212は、
図7のステップS112〜S113と同様である。ステップS212の後、ステップS201へ戻る。
【0082】
一方、ステップS203において、車両220が課金ポイントを通過していない、または、課金処理が未実施であると判定した場合(ステップS203:NO)、加速度記録装置225は、未送信の加速度履歴が所定時間分溜まっているか否かを判定する(ステップS221)。
未送信の加速度履歴が所定時間分溜まっていないと判定した場合(ステップS221:NO)、ステップS201へ戻る。
一方、未送信の加速度履歴が所定時間分溜まっていると判定した場合(ステップS221:YES)、加速度記録装置225は、当該未送信の加速度履歴を対車両通信部245へ送信する(ステップS231)。ステップS231の後、ステップS201へ戻る。
【0083】
図21は、制御部250が、課金位置の精度を評価するための情報を生成する処理手順の例を示すフローチャートである。例えば、制御部250は、当該情報の生成を指示するユーザ操作が行われると、同図の処理を開始する。
図21の処理では、制御部250は、
図8のステップS153〜S154の処理に代えて、ステップS253〜S256の処理を行う。また、
図8のループL1では、制御部150が、カメラ131や132に撮影されている車両120の各々について処理を行うのに対し、
図21のループL2では、制御部250は、対車両通信部245が加速度記録装置225から加速度の履歴を取得した車両220の各々について処理を行う。それ以外は、
図8の処理と同様である。
【0084】
ステップS253において、課金位置検出部252は、対象車両の加速度記録装置225から得られた加速度の履歴から、
図17の時刻T11に例示されるように、加速度が所定の大きさ以上変化する1回目の時刻を検出する。
ステップS254において、課金位置検出部252は、対象車両の加速度記録装置225から得られた加速度の履歴から、
図17の時刻T12に例示されるように、加速度が所定の大きさ以上変化する2回目の時刻を検出する。
なお、ステップS253、S254での、加速度が所定の大きさ以上変化する1回目、2回目の時刻の検出を、課金位置検出部252が自動的に行うようにしてもよいし、ユーザ操作を受けて行うようにしてもよい。
【0085】
ステップS255において、課金位置検出部252は、課金情報から、対象車両における課金時刻を検出する。例えば、加速度記録装置225が、加速度の履歴と共に車載器IDを対車両通信部245へ送信し、課金位置検出部252は、課金情報において当該車載器IDに対応付けられている課金時刻を取得する。
ステップS256において、
図17〜19を参照して説明した方法で、対象車両の位置が課金許容範囲内か否かを判定し、判定結果を課金位置の情報とする。
【0086】
次に、
図22〜25を参照して、課金位置検出部252が、ユーザ操作を受けて課金位置の検出を行う場合の処理について説明する。課金位置検出部252は、例えば
図21のステップS253〜S256における処理として、以下に説明する処理を行う。
図22は、課金位置の検出のために表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。
【0087】
同図の例において、表示部141は、領域A31に、加速度の履歴をグラフにて表示している。領域A31のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は加速度を示している。
また、表示部141は、領域A32に、課金情報を表示している。表示部141が、課金情報を表形式で表示している点や、1つの行が1つの課金の情報を示している点や、それぞれの行に含まれる項目は、
図9の場合と同様である。
また、表示部141は、領域A33に、処理の結果の保存を指示するための操作ボタンを表示している。
【0088】
領域A32に示される課金情報において1つの行が選択されており、領域A31には、選択された行に対応する加速度の履歴が示されている。領域A31には、線L31〜L33が示されている。
線L32は、課金時刻を示す。また、線L31は、課金許容範囲開始位置通過の推定時刻を示す。線L33は、課金許容範囲終了位置通過の推定時刻を示す。線L31やL33は参考として表示されるものであり、必須ではない。
【0089】
例えば、課金位置検出部252は、課金ポイントにおける車両220の速度情報を取得する。そして、課金位置検出部252は、課金許容範囲開始位置から課金ポイントまでの距離を速度で除算して、課金許容範囲開始位置から課金ポイントまでの所要時間を算出する。そして、課金位置検出部252は、得られた所要時間を課金時刻から減算して、課金許容範囲開始位置通過の推定時刻とする。
同様に、課金位置検出部252は、課金ポイントから課金許容範囲終了位置までの距離を速度で除算して、課金ポイントから課金許容範囲終了位置までの所要時間を算出する。そして、課金位置検出部252は、得られた所要時間を課金時刻に加算して、課金許容範囲終了位置通過の推定時刻とする。
【0090】
図23は、課金情報の行が選択される前に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、課金情報を表示しているが、加速度の履歴を表示していない。
図23の状態において、ユーザは、課金情報のいずれかの行を選択する。
【0091】
図24は、課金情報の行が選択された後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された行に対応する加速度の履歴を表示している。
図24の状態において、ユーザは、課金許容範囲開始位置通過時刻、および、課金許容範囲終了位置通過時刻を、グラフ上で選択する。例えば、ユーザは、課金許容範囲開始位置通過時刻、課金許容範囲終了位置通過時刻として、それぞれ加速度の変化の大きさが極大の時刻を選択する。
【0092】
図25は、課金許容範囲開始位置通過時刻、および、課金許容範囲終了位置通過時刻が選択された後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された時刻を、グラフにマークを付して示している。これにより、ユーザは、選択が正しく行われたことを確認することができ、作業ミスを低減させることができる。
課金許容範囲開始位置通過時刻、および、課金許容範囲終了位置通過時刻の選択を完了すると、ユーザは、結果保存ボタンを押下(例えば、マウスクリック)して選択を確定させる。
【0093】
当該ユーザ操作により、課金許容範囲開始位置通過時刻、課金許容範囲終了位置通過時刻、および、課金時刻が確定し、課金位置検出部252は、
図17〜19を参照して説明した方法で、対象車両の位置が課金許容範囲内か否かを判定し、判定結果を課金位置の情報とする。
以上で、1台の車両220についての処理(従って、ステップS253〜S256の1回分の処理)が完了する。
さらに、ループL2における他の対象車両についても、同様にステップS253〜S256の処理を行う。
【0094】
以上のように、加速度センサ224は、道路の所定の位置に設けられた表面の高さの変化による車両220への力の作用を検出する。そして、課金位置検出部252は、車載器221が課金処理を行ったタイミングと、加速度センサ224が、力の作用を検出したタイミングとに基づいて、課金処理が行われた位置を検出する。
これにより、課金位置評価用情報提供システム2では、高精度位置標定装置などの高価な装置を必要とせず比較的低コストで、課金位置を評価するための情報を提供することができる。
また、課金位置評価用情報提供システム2では、車両220に搭載する機器について特別な調整を行う必要がなく、特に、多数の車両について課金位置の評価を行う場合でも、車両220に機器を設置する者の負担が比較的小さくて済む。
【0095】
また、加速度センサ224は、車両220が走行する経路の2カ所に設けられた表面の高さの変化による、走行時の車両220への力の作用をそれぞれ検出する。そして、課金位置検出部152は、当該2カ所両端とする範囲内に課金位置が含まれるか否かを検出する。
これにより、課金位置検出部152は、加速度センサ224が力の作用を検出したタイミングと、課金時刻との前後関係を判定するという簡単な操作で課金位置を検出することができる。
【0096】
また、加速度センサ224は、2カ所の間にさらに設けられた表面の高さの変化による、走行時の車両220への力の作用を検出し、課金位置検出部152は、車両220が走行する経路が表面の高さの変化にて分割された区間のうち、課金処理が行われた位置が含まれる区間を検出するようにしてもよい。
これにより、課金位置検出部152は、課金処理が行われた位置を、より詳細に検出することができる。
【0097】
なお、加速度記録装置225が、課金許容範囲の近くでのみ加速度の履歴を記憶するようにしてもよい。例えば、加速度記録装置225は、車載器221から位置情報を取得し、課金許容範囲から所定の距離以内であると判定した場合のみ、加速度の履歴を記憶する。
これにより、加速度記録装置225が記憶するデータの量を削減することができ、加速度記録装置225が備える記憶容量を小さくすることができる。また、加速度の履歴のデータサイズが小さくなるので、課金位置検出部252が加速度の履歴から課金許容範囲開始位置通過時刻や課金許容範囲終了位置通過時刻を検出する処理の負荷が小さくなる。
【0098】
なお、加速度記録装置225が、1回目の加振を検出したときに、車載器221の速度に基づいて2回目の加振までの予想時間を算出し、得られた予想時間の付近のみ加速度の履歴を記憶するようにしてもよい。
これにより、加速度記録装置225が記憶するデータの量をさらに削減することができ、加速度記録装置225が備える記憶容量をさらに小さくすることができる。また、加速度の履歴のデータサイズがさらに小さくなるので、課金位置検出部252が加速度の履歴から課金許容範囲開始位置通過時刻や課金許容範囲終了位置通過時刻を検出する処理の負荷がさらに小さくなる。
あるいは、加速度記録装置225が、加速度の履歴に代えて、所定の大きさ以上の加速度の変化を検出した時刻の情報を記憶するようにしてもよい。
【0099】
なお、課金位置検出部252または加速度記録装置225が、所定の大きさ以上の加速度の変化を検出する際の閾値を、車両220の車種に応じて選択するようにしてもよい。例えば、車両220が大型車両である場合、車両220が小型車両である場合よりも、加振されにくいと考えられる。そこで、車両220が大型車両である場合、課金位置検出部252は、車両220が小型車両である場合よりも小さい閾値を用いる。これにより、課金位置検出部252は、加速度が大きく変化するタイミングを、より正確に検出し得る。
【0100】
(第2の実施形態の変形例)
道路に設けられる表面の高さが変化する箇所は、
図16に例示される2箇所に限らない。この点について、
図26および27を参照して説明する。
図26は、3箇所以上に表面の高さの変化が設けられた道路の例を示す説明図である。
図26の例では、課金許容範囲開始位置および課金許容範囲終了位置に加えて、課金許容範囲内に3箇所、課金許容範囲外に4箇所設けられている。これにより、
図26の例では、等間隔に並ぶ9箇所に、表面の高さの変化が設けられている。
【0101】
図27は、道路の3箇所以上に表面の高さの変化が設けられている場合の加速度の履歴の例を示す説明図である。同図のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は加速度を示す。
図27は、
図26に示される道路を車両220が走行した場合の加速度の例を示している。
図26における9箇所の表面の高さの変化に応じて、
図27では、加速度が大きく変化するタイミングが9回ある。課金位置検出部252は、これら9回のタイミングのうち、どのタイミングとどのタイミングとの間に課金時刻が位置するかを判定することで、課金位置をより詳細に検出することができる。
【0102】
<第3の実施形態>
(第2の実施形態における構成および作用)
図28は、本発明の第3の実施形態における課金位置評価用情報提供システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、課金位置評価用情報提供システム3は、課金サーバ装置110と、車両320と、位置検出装置340とを備える。車両320は、車載器221と、カメラ326と、カメラ制御装置327とを備える。位置検出装置340は、表示部141と、操作入力部142と、対課金サーバ通信部143と、対車両通信部245と、制御部350とを備える。制御部350は、記憶部管理部151と、課金位置検出部352と、カウント処理部153とを備える。
図28において、
図1または
図15の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(110、141、142、143、149、151、153、221、245)を付して説明を省略する。
【0103】
課金位置評価用情報提供システム3は、課金位置評価用情報提供システム1と同様、課金位置の精度を評価するためのシステムである。一方、課金位置評価用情報提供システム3は、車両320から撮影される画像に基づいて課金位置を検出する点で課金位置評価用情報提供システム1と異なる。
車両320は、車両120と同様、道路を走行可能であり課金対象となり得る乗り物である。一方、車両320では、設置される装置が車両120の場合と異なる。
【0104】
カメラ326は、車両320に搭載され、車両320の位置に基づく課金処理が行われるタイミングで車両320から外部を撮影する。カメラ326は、撮影部の例に該当する。カメラ326は、車両320の進行方向に対して直角に向けて設置され、車両320の位置に応じた画像を撮影する。
カメラ制御装置327は、カメラ326を制御する。特に、カメラ制御装置327は、課金処理実行を示す信号を車載器121から取得すると、カメラ326に撮影を行わせる。信号出力制御装置122の場合と同様、カメラ制御装置327と車載器121との接続には、車載器121が標準的に有しているポートを用いることが考えられる。
また、カメラ制御装置327は、カメラ326が撮影した画像を、画像データにて対車両通信部245へ送信する。
【0105】
制御部350は、課金位置を検出する具体的な処理において制御部150と異なる。制御部350の他の機能は、制御部150と同様である。制御部350は、例えば、位置検出装置340の備えるCPUが、記憶部149からプログラムを読み出して実行することで実現される。
課金位置検出部352は、カメラ326が撮影した画像に基づいて、課金処理が行われた位置を検出する。課金位置検出部352が、課金位置として、課金許容範囲内か否かを検出するようにしてもよいし、さらに詳細な位置を検出するようにしてもよい。
【0106】
次に、
図29〜33を参照して、課金位置検出部352が行う課金位置の検出方法について説明する。
図29は、カメラ326が撮影する画像の例を示す説明図である。同図において、線L11は、課金ポイントを示し、領域A11は、課金許容範囲を示す。課金ポイントや課金許容範囲は、第1の実施形態の場合と同様である。なお、線L11や領域A11は、説明のために図示しているものである。課金ポイントや課金許容範囲が道路に表示されている必要はない。
【0107】
図29に示すように、カメラ326は、車両320の位置に応じて異なる画像を撮影する。従って、課金位置検出部352は、カメラ326が撮影する画像に基づいて、課金位置を検出することができる。
例えば、記憶部149が、課金許容範囲開始位置から撮影された画像や、課金許容範囲終了位置から撮影された画像を予め記憶しておき、課金位置検出部352は、これらの画像とカメラ326が撮影した画像とを比較することで、課金位置を検出する。その際、課金位置検出部352が、カメラ326が撮影した画像に対してリアルタイムで処理を行うようにしてもよく、記憶部149が、課金許容範囲開始位置から撮影された画像や、課金許容範囲終了位置から撮影された画像を一時的に記憶するようにしてもよい。
また、カメラ326が撮影する画像に基づいて、課金位置を検出することができる点で、当該画像は、課金処理が行われた位置を評価するための情報の例に該当する。
【0108】
図30は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像と、カメラ326が撮影した画像とを重ね合わせた場合の位置関係の、第1の例を示す説明図である。
同図において、領域A41には、課金許容範囲開始位置から撮影された画像が示されている。また、領域A42は、カメラ326が撮影した画像を課金許容範囲開始位置から撮影された画像に重ね合わせた場合の、カメラ326が撮影した画像の位置を示している。
【0109】
図30の例では、カメラ326が撮影した画像は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像に対して左側にずれて配置される。
ここで、
図30の例では、カメラ326は、車両320の進行方向に対して左側を向いて撮影を行っている。従って、カメラ326は、課金許容範囲開始位置よりも手前(課金許容範囲外)から撮影を行ったと判定できる。
【0110】
図31は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像と、カメラ326が撮影した画像とを重ね合わせた場合の位置関係の、第2の例を示す説明図である。
同図において、領域A41には、
図30の場合と同じく、課金許容範囲開始位置から撮影された画像が示されている。また、領域A43は、カメラ326が撮影した画像を課金許容範囲開始位置から撮影された画像に重ね合わせた場合の、カメラ326が撮影した画像の位置を示している。
【0111】
図31の例では、カメラ326が撮影した画像は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像に対して右側にずれて配置される。
図30の場合と同様、
図31の例では、カメラ326は、車両320の進行方向に対して左側を向いて撮影を行っている。従って、カメラ326は、課金許容範囲開始位置よりも進んだ位置(課金許容範囲内)から撮影を行ったと判定できる。
【0112】
図32は、課金許容範囲終了位置から撮影された画像と、カメラ326が撮影した画像とを重ね合わせた場合の位置関係の、第1の例を示す説明図である。
同図において、領域A51には、課金許容範囲終了位置から撮影された画像が示されている。また、領域A52は、カメラ326が撮影した画像を課金許容範囲終了位置から撮影された画像に重ね合わせた場合の、カメラ326が撮影した画像の位置を示している。
【0113】
図32の例では、カメラ326が撮影した画像は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像に対して左側にずれて配置される。
図30の場合と同様、
図32の例では、カメラ326は、車両320の進行方向に対して左側を向いて撮影を行っている。従って、カメラ326は、課金許容範囲終了位置よりも手前(課金許容範囲内)から撮影を行ったと判定できる。
【0114】
図33は、課金許容範囲終了位置から撮影された画像と、カメラ326が撮影した画像とを重ね合わせた場合の位置関係の、第2の例を示す説明図である。
同図において、領域A51には、
図32の場合と同じく、課金許容範囲終了位置から撮影された画像が示されている。また、領域A53は、カメラ326が撮影した画像を課金許容範囲終了位置から撮影された画像に重ね合わせた場合の、カメラ326が撮影した画像の位置を示している。
【0115】
図33の例では、カメラ326が撮影した画像は、課金許容範囲終了位置から撮影された画像に対して右側にずれて配置される。
図30の場合と同様、
図33の例では、カメラ326は、車両320の進行方向に対して左側を向いて撮影を行っている。従って、カメラ326は、課金許容範囲終了位置よりも進んだ位置(課金許容範囲外)から撮影を行ったと判定できる。
このように、課金位置検出部352は、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置から撮影された画像または課金許容範囲終了位置から撮影された画像とを重ね合わせた場合の、画像の位置関係に基づいて、課金位置を検出する。
【0116】
(第3の実施形態における動作)
次に、
図34および35を参照して、課金位置評価用情報提供システム3の動作について説明する。
図34は、車両320に搭載された装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。車載器121やカメラ326やカメラ制御装置327は、例えば、自らの電源がONになって起動すると、同図の処理を開始する。
【0117】
図34の処理では、車載器121やカメラ326やカメラ制御装置327が、
図7のステップS111の処理に代えて、ステップS311の処理を行う。それ以外は、
図7の処理と同様である。
ステップS311において、車載器121は、課金処理実行を示す信号をカメラ制御装置327へ出力し、カメラ326が、カメラ制御装置327の制御に従って撮影を行う。
【0118】
図35は、制御部350が、課金位置の精度を評価するための情報を生成する処理手順の例を示すフローチャートである。例えば、制御部350は、当該情報の生成を指示するユーザ操作が行われると、同図の処理を開始する。
図35の処理では、制御部350は、
図8のステップS153〜S154の処理に代えて、ステップS353〜S354の処理を行う。また、
図8のループL1では、制御部150が、カメラ131や132に撮影されている車両120の各々について処理を行うのに対し、
図35のループL3では、制御部350は、対車両通信部245がカメラ制御装置327から画像を取得した車両320の各々について処理を行う。それ以外は、
図8の処理と同様である。
【0119】
ステップS353において、課金位置検出部352は、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置の画像や課金許容範囲終了位置の画像とを重ね合わせる。ステップS353での、画像の重ね合わせを、課金位置検出部352が自動的に行うようにしてもよいし、ユーザ操作を受けて行うようにしてもよい。
画像の重ね合わせを自動で行う場合、課金位置検出部352は、重ね合わせる2つの画像から、それぞれ特徴点を抽出し、特徴点同士のマッチングにて、画像の位置関係を検出する。マッチング処理に関して課金位置検出部352は、例えばSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)など、大きさや輝度に対する普遍性を有するアルゴリズムを用いることができる。
【0120】
次に、
図36〜39を参照して、課金位置検出部352が、ユーザ操作を受けて課金位置の検出を行う場合の処理について説明する。課金位置検出部352は、例えば
図35のステップS353〜S354における処理として、以下に説明する処理を行う。
図36は、課金位置の検出のために表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。
【0121】
同図の例において、表示部141は、領域A61に、カメラ326が撮影した画像を表示している。また、表示部141は、領域A62に、課金許容範囲開始位置から撮影された画像と課金許容範囲終了位置から撮影された画像とを表示している。
また、表示部141は、領域A63に、課金情報を表示している。表示部141が、課金情報を表形式で表示している点や、1つの行が1つの課金の情報を示している点や、それぞれの行に含まれる項目は、
図9の場合と同様である。
また、表示部141は、領域A64に、処理の結果の保存を指示するための操作ボタンを表示している。
【0122】
領域A63に示される課金情報において1つの行が選択されており、領域A61には、選択された行に対応する画像が示されている。
領域A61に表示されている画像は、例えばマウスドラッグ操作などのユーザ操作により、左右に動かすことができる。これにより、ユーザは、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置から撮影された画像や課金許容範囲終了位置から撮影された画像との位置合わせを行うことができる。この位置合わせにより、画像の重ね合わせと同様、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置から撮影された画像や課金許容範囲終了位置から撮影された画像との位置関係を把握可能になる。
【0123】
また、線L61は、カメラ326が撮影した画像の中央を示している。また、線L62は、課金許容範囲開始位置から撮影された画像の中央を示している。線L63は、課金許容範囲終了位置から撮影された画像の中央を示している。但し、これらの線は必須ではない。一方、表示部141がこれらの線を表示することで、ユーザは、画像の位置関係をより正確に把握し得る。
【0124】
図37は、課金情報の行が選択される前に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、課金情報や、課金許容範囲開始位置から撮影された画像および課金許容範囲終了位置から撮影された画像を表示しているが、カメラ326が撮影した画像を表示していない。
図37の状態において、ユーザは、課金情報のいずれかの行を選択する。
【0125】
図38は、課金情報の行が選択された後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図において、表示部141は、選択された行に対応する、カメラ326が撮影した画像を表示している。
図38の状態において、ユーザは、カメラ326が撮影した画像を左右に動かして、課金許容範囲開始位置から撮影された画像、または、課金許容範囲終了位置から撮影された画像との位置合わせを行う。
【0126】
図39は、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置から撮影された画像または課金許容範囲終了位置から撮影された画像との位置合わせが行われた後に、表示部141が表示する画面の例を示す説明図である。同図では、カメラ326が撮影した画像と、課金許容範囲開始位置から撮影された画像との位置合わせが行われている。具体的には、
図39に示されるように、カメラ326が撮影した画像と課金許容範囲開始位置から撮影された画像とに同一の建物の像が含まれている。そして、上側に表示されているカメラ326が撮影した画像と、下側に表示されている課金許容範囲開始位置から撮影された画像との間で、当該建物の像の横方向の位置が揃えられている。
画像の位置合わせを完了すると、ユーザは、結果保存ボタンを押下(例えば、マウスクリック)して選択を確定させる。
【0127】
当該ユーザ操作により、課金許容範囲開始位置通過時刻、課金許容範囲終了位置通過時刻、および、課金時刻が確定し、課金位置検出部352は、
図30〜33を参照して説明した方法で、対象車両の位置が課金許容範囲内か否かを判定し、判定結果を課金位置の情報とする。
以上で、1台の車両320についての処理(従って、ステップS353〜S354の1回分の処理)が完了する。
さらに、ループL3における他の対象車両についても、同様にステップS353〜S354の処理を行う。
【0128】
以上のように、カメラ326は、車両320に搭載され、車両320の位置に基づく課金処理が行われるタイミングで車両320から外部を撮影する。
これにより、課金位置評価用情報提供システム3では、高精度位置標定装置などの高価な装置を必要とせず比較的低コストで、課金位置を評価するための情報を提供することができる。
また、課金位置評価用情報提供システム3では、車両320に搭載する機器について特別な調整を行う必要がなく、特に、多数の車両について課金位置の評価を行う場合でも、車両320に機器を設置する者の負担が比較的小さくて済む。
【0129】
また、課金位置検出部352は、カメラ326が撮影した画像と、記憶部149が記憶する画像とに含まれる、同一の物の像の対応付けにより、カメラ326が撮影を行った位置と、記憶部149が記憶する画像が撮影された位置との関係を判定する。
これにより、課金位置評価用情報提供システム3は、課金位置の情報をユーザに提供することができる。特に、カメラ326が課金位置から撮影した画像を提供する場合よりも、ユーザは容易に課金位置を把握することができる。
【0130】
なお、車両320がカメラ326として全方位カメラ、あるいは、複数のカメラを備え、左右両方向の画像を撮影するようにしてもよい。これにより、他の車両が隣に位置する場合など、左右いずれか一方の視界を遮蔽されて道路脇の画像を撮影できない場合でも、カメラ326は、もう一方について道路脇の画像を撮影することができる。課金位置検出部352は、当該画像から、課金位置を検出することができる。
【0131】
(第3の実施形態の変形例)
課金許容範囲開始地点や課金許容範囲終了地点の路側に、他の物体と区別可能な目印が設置されていてもよい。
図40は、路側に目印が設置されている場合に、カメラ326が撮影する画像の例を示す説明図である。
【0132】
同図の例では、課金許容範囲開始地点、課金許容範囲終了地点それぞれの路側に、目印としてパイロンが設置されており、カメラ326が撮影する画像にも、パイロンの像が含まれている。課金位置検出部352またはユーザは、目印が有する特定の形状(
図40の例では三角形)を検出すればよく、比較的簡単な処理で課金位置を検出することができる。
また、
図40の例において、課金許容範囲開始地点と課金許容範囲終了地点とで異なる色のパイロンが設置されている。これにより、課金位置検出部352またはユーザは、課金許容範囲開始地点と課金許容範囲終了地点とを色で区別することができる。
なお、ここでの目印として、パイロンに限らずポールや専用の標識など、画像マッチングが比較的容易な様々なものを用いることができる。
【0133】
また、カメラ326が、上向きに設置されて車両320の上空の画像を撮影するようにしてもよい。この場合、課金許容範囲開始地点、課金許容範囲終了地点それぞれの上空に目印を設置しておく。
図41は、上空に目印が設置されている場合に、カメラ326が撮影する画像の例を示す説明図である。
【0134】
同図の例では、課金許容範囲開始地点、課金許容範囲終了地点それぞれの上空に、目印としてバーが設置されており、カメラ326が撮影する画像にも、バーの像が含まれている。
上空については、他の方向に視界を遮蔽されない点で、カメラ326は、より確実に目印の像を撮影することができる。これにより、課金位置検出部352が課金位置の検出に失敗する可能性を低減させることができる。
【0135】
なお、目印として、バーに代えてレーザ光を、カメラ326が受講可能に照射するようにしてもよい。これにより、道幅にわたってバーを設置する必要がなく、目印の設置工事がより容易になる。
また、レーザとして近赤外線レーザを用い、カメラ326として近赤外線カメラを用いようにしてもおい。これにより、直射日光が照射している場合でも、カメラ326は目印を撮影し得る。
【0136】
なお、制御部150や250や350の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置に代表される非一時的記憶媒体を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持する一時的記憶媒体、及びサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持している非一時的記憶媒体を含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0137】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。