特許第6395097号(P6395097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6395097端末装置、管理システム、誘導方法、ならびに、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6395097
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】端末装置、管理システム、誘導方法、ならびに、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
【請求項の数】20
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-10905(P2018-10905)
(22)【出願日】2018年1月25日
【審査請求日】2018年1月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505265377
【氏名又は名称】株式会社ドリコム
(72)【発明者】
【氏名】松村 和昭
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−041143(JP,A)
【文献】 特開2006−133454(JP,A)
【文献】 特開2015−082814(JP,A)
【文献】 特開2015−099493(JP,A)
【文献】 特開2015−194992(JP,A)
【文献】 特開2008−085510(JP,A)
【文献】 特開2016−018346(JP,A)
【文献】 特開2015−204603(JP,A)
【文献】 特開2014−203395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置を把持する手の振り上げ動作の課題を前記ユーザに出題し、当該課題に応じて前記ユーザが行った回答動作を、計測された前記端末装置の姿勢の変化に応じて評価し、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内に変化した場合に、前記回答動作を正解と評価する、
とを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記実行部は、前記ユーザの視線方向の前記俯角が、前記基準角度以内に一定時間以上維持されている場合に、前記回答動作を正解と評価する、
ことを特徴とする請求項に記載の端末装置。
【請求項3】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
ユーザからの操作を受け付ける操作受付部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、前記操作受付部の操作性を低下させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記操作性の低下割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
ユーザからの操作を受け付ける操作受付部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、前記操作受付部の操作性を低下させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記操作性の低下割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
前記実行部は、前記操作受付部が受け付ける操作について、検出する周期を長くする処理、検出する強度の閾値を上昇させる処理、及び、検出する範囲を狭くする処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、前記操作性を低下させる、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の端末装置。
【請求項6】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、前記表示部に表示する画像の視認性を低下させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記視認性の低下割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項7】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、前記表示部に表示する画像の視認性を低下させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記視認性の低下割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記実行部は、前記表示画面に表示する画像に対して、拡大処理、縮小処理、ぼかし処理、明度を下げる処理、明度を上げる処理、及び、コントラストを下げる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、前記視認性を低下させる、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の端末装置。
【請求項9】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、ゲームの難易度を上昇させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記難易度の上昇割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項10】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて、ゲームの難易度を上昇させ、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記難易度の上昇割合を大きくする、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項11】
前記実行部は、前記ゲームにおいて、プレイヤキャラクタの進行パラメータの何れかを低下させる処理、敵キャラクタの進行パラメータの何れかを上昇させる処理、敵キャラクタとの遭遇頻度を上昇させる処理、ゲーム進行速度を上昇させる処理、及び、所定の抽選における当選確率を低下させる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、前記難易度を上昇させる、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の端末装置。
【請求項12】
ユーザの手で把持されて使用される端末装置と、当該端末装置を管理するサーバ装置と、を備える管理システムであって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記端末装置が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
前記端末装置の姿勢を計測する計測部と、を備え、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置を把持する手の振り上げ動作の課題を前記ユーザに出題し、当該課題に応じて前記ユーザが行った回答動作を、計測された前記端末装置の姿勢の変化に応じて評価し、
前記判別部は、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内に変化した場合に、前記回答動作を正解と評価する、
とを特徴とする管理システム。
【請求項13】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置における誘導方法であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出ステップと、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別ステップと、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行ステップと、
前記端末装置の姿勢を計測する計測ステップと、を備え、
前記実行ステップでは、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置を把持する手の振り上げ動作の課題を前記ユーザに出題し、当該課題に応じて前記ユーザが行った回答動作を、計測された前記端末装置の姿勢の変化に応じて評価し、
前記判別ステップでは、前記端末装置を基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行ステップでは、計測された前記端末装置の姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内に変化した場合に、前記回答動作を正解と評価する、
とを特徴とする誘導方法。
【請求項14】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータを把持する手の振り上げ動作の課題を前記ユーザに出題し、当該課題に応じて前記ユーザが行った回答動作を、計測された前記コンピュータの姿勢の変化に応じて評価し、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内に変化した場合に、前記回答動作を正解と評価する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
ユーザからの操作を受け付ける操作受付部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、前記操作受付部の操作性を低下させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記操作性の低下割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
ユーザからの操作を受け付ける操作受付部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、前記操作受付部の操作性を低下させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記操作性の低下割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、前記表示部に表示する画像の視認性を低下させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記視認性の低下割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、前記表示部に表示する画像の視認性を低下させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記視認性の低下割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、ゲームの難易度を上昇させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、当該基準角度に満たない角度が大きいほど、前記難易度の上昇割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に前記コンピュータの姿勢に応じて所定処理を実行する実行部、
前記コンピュータの姿勢を計測する計測部、として機能させ、
前記実行部は、前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記コンピュータの姿勢に応じて、ゲームの難易度を上昇させ、
前記判別部は、前記コンピュータを基準とした前記ユーザの相対的な視線方向を推定することにより、前記注視状態であるか否かを判別し、
前記実行部は、計測された前記コンピュータの姿勢と、推定された前記相対的な視線方向とに基づいて、実空間における前記ユーザの視線方向の俯角を求め、当該俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、前記難易度の上昇割合を大きくする、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることのできる端末装置、管理システム、誘導方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スマートフォンや携帯型のゲーム機等の端末装置が広く利用されている。このような端末装置の普及に伴って、例えば、ユーザが歩きながら端末装置を使用(注視や操作等)する、いわゆる「歩きスマホ」を行ってしまうことがあった。このような、歩きスマホは、他の歩行者や障害物等との衝突を招くおそれが高いため、各種の対応策が提案されている。
【0003】
例えば、引用文献1には、ユーザが歩きながら端末装置を使用していても、周囲の状況が把握でき、危険を回避できる端末装置(携帯情報端末)の発明が開示されている。また、引用文献2には、移動しながら端末装置を使用するユーザが周囲の人と接触する可能性に応じて、そのユーザに注意喚起を行う端末装置(携帯端末)の発明が開示されている。
【0004】
引用文献1に記載された発明では、端末装置が、前方に存在する物体の方向と、その物体までの距離を測定する距離測定装置を備えており、現在表示している画面(他のアプリケーションの画面等)上に、測定された物体(段差、壁、歩行者等)をマッピングした画面(半透明化した画面)をリアルタイムに重畳して表示する。
また、引用文献1には、測定された物体を表示するだけでなく、その物体との衝突判定を行い、警告音や警告表示によって、事前に危険を回避させることについても開示されている。
【0005】
引用文献2に記載された発明では、各端末装置から情報を収集する判定装置を備えたシステムであり、判定装置が、端末装置側で「歩きスマホ状態」と判定された危険者の位置情報を、識別IDと共にその端末装置から順次収集する。この判定装置は、それら危険者の位置を、収集した位置情報に応じて、メッシュ状に区分けした各エリアにおける対応エリアに割り当てると共に、各エリアに存在する危険者の密度(危険者密度)を算出する。そして、危険者密度が閾値以上となり、危険者同士が接触する可能性が高まると、判定装置は、そのエリアに存在する全ての危険者の端末装置に、警告メッセージ及びヒートマップ(危険者密度に応じて色分けされた地図データ)を送信して表示させる。
また、引用文献2には、更に、通常者(歩きスマホ状態と判定されていないユーザ)の端末装置からも位置情報等を収集して、通常者も含めた危険者密度を算出し、危険者密度が閾値以上となると、同様に危険者の端末装置に、警告メッセージ等を送信して表示させることについても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−183787号公報
【特許文献2】特許第6084243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、引用文献1に記載された発明では、通常の端末装置には備えられていない特殊な距離測定装置を用いることで、前方に存在する物体の方向と、その物体までの距離が測定できるようになっている。具体的にこの距離測定装置には、フェーズドアレー方式によるLIDAR(Light Detection and Ranging)素子が用いられている。
そのため、このような距離測定装置を備えていない通常の端末装置では、前方に存在する物体を計測して、リアルタイムに表示するようなことができなかった。
また、引用文献2に記載された発明では、位置情報を収集できたユーザ(危険者や通常者)の密度だけを判断して、警告メッセージ等を危険者の端末装置に送信している。そのため、危険者の周りに、端末装置を所有していない人や障害物が多く存在していても、何ら警告メッセージが送られることがない。
また、引用文献2に記載された発明は、判定装置を含めたシステム全体の規模が、そもそも、大掛かりであり、その上、ユーザ(危険者や通常者)の位置情報をリアルタイムに収集するとなると、通信負荷や処理負荷が極めて高くなることが予想される。
【0008】
そのため、引用文献1の発明のように、特殊な距離測定装置を用いることなく、また、引用文献2の発明のように、大掛かりとなることなく、歩きスマホを行っているユーザに前方の状況を認識し易くさせ、生じ得る危険を回避させる技術が求められていた。
特に、歩きスマホを行っているユーザは、把持している端末装置を低い位置(腹部程度の高さ)に維持し、端末装置を前方に大きく傾け、頭を下げた(斜め下を向いた)状態でその端末装置(表示部)を注視しながら歩行する場合が少なくない。このようなユーザは、注視する端末装置の周辺視野に捉えられるのが地面(足下の地面)に留まり、前方が全く視野に入らない。
そこで、前方が視野(周辺視野)に入る程度まで、ユーザの視線を上昇させることができたならば、端末装置を注視していたとしても、ユーザが前方の状況を認識し易くなり、他の歩行者や障害物等との衝突を回避させることが期待できる。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることのできる端末装置、管理システム、誘導方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る端末装置は、
表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、
前記ユーザが歩行中であることを検出する検出部と、
前記ユーザにより前記表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する判別部と、
前記歩行中であると検出され、かつ、前記注視状態と判別された場合に、前記端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する実行部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ユーザに把持されるスマートフォンの外観の一例を示す構成図である。
図2】スマートフォンの概要構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態1に係る端末装置の概要構成を示すブロック図である。
図4】(a),(b)共に、端末装置の姿勢を計測する様子を説明するための模式図である。
図5】歩行中における加速度の合成値の変化パターンを説明するための模式図である。
図6】ユーザの相対的な視線方向を説明するための模式図である。
図7】(a)〜(f)共に、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を説明するための模式図である。
図8】(a),(b)共に、課題画像の一例を示す模式図である。
図9】実施形態1に係る誘導処理を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の実施形態2に係る端末装置の概要構成を示すブロック図である。
図11】実施形態2に係る誘導処理を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の実施形態3に係る端末装置の概要構成を示すブロック図である。
図13】実施形態3に係る誘導処理を説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の実施形態4に係る端末装置の概要構成を示すブロック図である。
図15】実施形態4に係る誘導処理を説明するためのフローチャートである。
図16】他の実施形態に係る管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、スマートフォン等に本発明が適用される実施形態を説明するが、この他にも、例えば、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器(携帯型のゲーム機等)、PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であっても、同様に本発明を適用することができる。
すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0014】
(情報処理装置の外観)
図1は、本発明の実施の形態に係る端末装置が実現される典型的な情報処理装置1(一例として、スマートフォン等)の外観を示す模式図である。図示するように、この情報処理装置1は、表示デバイス16や撮像デバイス19等を備えており、ユーザの手で把持されて使用される。表示デバイス16は、種々の画像(後述するような課題画像等)を表示する。また、撮像デバイス19は、把持しているユーザの顔画像(後述するように視線方向を求めるための顔画像)等を撮像する。
【0015】
(情報処理装置の概要構成)
図2は、この情報処理装置1の概要構成を示すブロック図である。
図示するように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、加速度センサ14と、記憶デバイス15と、表示デバイス16と、通信デバイス17と、操作デバイス18と、撮像デバイス19と、を備える。
【0016】
CPU 11は、情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0017】
ROM 12には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、所定のプログラムをRAM 13に読み出してCPU 11による当該プログラムの実行が開始される。
【0018】
RAM 13は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、記憶デバイス15から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0019】
加速度センサ14は、例えば、3軸(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の加速度センサであり、情報処理装置1に加わる加速度を検出する。
例えば、加速度センサ14は、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向に加わるそれぞれの加速度情報を検出する。この際、検出される加速度情報には、重力加速度も含まれている。
なお、情報処理装置1は、このような加速度センサ14に加えて、3軸のジャイロセンサ等も備えていてもよい。その際、加速度センサ14を通じて、3軸のジャイロセンサの値も得られるようにしてもよい。
【0020】
記憶デバイス15は、SSD(Solid State Drive)やハードディスク等であり、種々のデータを記憶する。例えば、記憶デバイス15は、情報処理装置1全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のアプリケーションや付随するデータ等を記憶する。
【0021】
表示デバイス16は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置と、その表示装置に表示するための画像情報を記憶するVRAM(Video Random Access Memory)と、画像情報を処理するための画像処理部とを含んで構成されている。この画像処理部は、記憶デバイス15から読み出されたデータや、CPU 11にて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAMに格納するなどして、画像情報を生成する。
【0022】
通信デバイス17は、例えば、移動体通信網や無線LAN(Local Area Network)等を利用して無線通信を行う。なお、通信デバイス17は、有線LAN等を利用して有線通信を行ってもよい。
【0023】
操作デバイス18は、例えば、タッチスクリーンやタッチパッド、ボタンやキーボード等であり、ユーザの操作を受け付ける。なお、音声によって、ユーザの操作を受け付けてもよい。
【0024】
撮像デバイス19は、例えば、単焦点のレンズ、及び、所定画素数の撮像素子(CMOSやCCD等)等を備えたカメラユニットであり、情報処理装置1の前面及び背面にそれぞれ配置されている。
撮像デバイス19は、撮像した画像(静止画や動画)をRAM 13や記憶デバイス15に記憶する。
【0025】
以下、上記情報処理装置1において実現される端末装置100の構成等について、図3図8を参照して説明する。情報処理装置1に電源が投入されると、本発明に係る端末装置として機能させるプログラムが実行され、本実施形態に係る端末装置100が実現される。
【0026】
(端末装置の概要構成)<実施形態1>
図3は、本発明の実施形態1に係る端末装置100の概要構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置100は、計測部110と、検出部120と、撮像部130と、判別部140と、俯角算定部150と、実行部160と、表示部170とを備えている。
【0027】
計測部110は、ユーザに把持されている端末装置100の姿勢(重力方向を基準とした端末装置100の向き)等を計測する。
例えば、計測部110は、図4(a)に示すように、端末装置100の3軸方向(X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向)に加わる加速度(重力加速度)から、端末装置100の姿勢を計測する。
一例として、端末装置100がユーザによって縦持ち(表示部170の表示画面が縦長状態になる持ち方)にて把持されている場合では、X軸方向の加速度値がほぼ0G(G≒9.8m/s2)となり、Y軸方向の加速度とZ軸方向の加速度との合成値(それぞれの加速度値を二乗して加算し、その平方根を求めた値)がほぼ1Gとなる。そのため、計測部110は、X軸方向の加速度値がほぼ0Gであり、Y軸方向の加速度とZ軸方向の加速度との合成値がほぼ1Gの状態であれば、図4(b)に示すように、Y軸方向の加速度値(この場合、マイナス値)、及び、Z軸方向の加速度値(この場合、マイナス値)から、端末装置100の姿勢(縦持ちされた端末装置100がどの位傾けられているか等)を求めることが可能となっている。
なお、上述した加速度センサ14等が、このような計測部110として機能しうる。
【0028】
図3に戻って、検出部120は、端末装置100を使用するユーザが歩行中であることを検出する。
例えば、検出部120は、端末装置100の3軸方向に加わる加速度の合成値の変化パターンが、特定の変化パターンと一致する場合に、ユーザが歩行中であることを検出する。
一例として、3軸加速度の合成値は、図5に示すように、歩行中において、時刻T1〜T2にて示されるように、1Gを大きく超えた後に、1Gを少し下回るという特定の変化パターンを繰り返すこととなる。そのため、検出部120は、計測された加速度(3軸加速度)の合成値を、例えば、直近の一定時間(一例として、1秒間)分だけ保持しつつ、加速度の合成値の変化パターンを求める。そして、求めた変化パターンが、図5に示すような特定の変化パターンと一致する場合に、検出部120は、ユーザが歩行中であることを検出する。
なお、上述した加速度センサ14及びCPU11等が、このような検出部120として機能しうる。
【0029】
図3に戻って、撮像部130は、例えば、端末装置100の前面(表示部170と同じ面)に配置され、所定の焦点距離(所定の画角)にて、光軸方向に存在する被写体の画像を撮像する。
例えば、ユーザが端末装置100を把持して表示部170を注視している状態であれば、撮像部130は、ユーザの顔面を含む画像を撮像する。
なお、上述した撮像デバイス19等が、このような撮像部130として機能しうる。
【0030】
判別部140は、ユーザにより表示部170が注視される注視状態であるか否かを判別する。
例えば、判別部140は、撮像部130が撮像した画像から、ユーザの顔面を画像認識し、目、鼻、口といった特徴点の位置関係に基づいて、ユーザの視線方向(端末装置100を基準とした相対的な視線方向)を推定することにより、表示部170が注視される注視状態であるか否かを判別する。なお、視線方向を推定する手法は、このような顔面における特徴点の位置関係に基づくもの以外であってもよい。例えば、判別部140は、画像認識した顔画像から眼球及び瞳孔を検出し、検出した眼球内における瞳孔の位置に基づいて、ユーザの視線方向を推定してもよい。
つまり、判別部140は、図6に示すように、撮像部130から撮像した画像によりユーザの視線方向SD(相対的な視線方向)を推定し、その視線方向SDが表示部170に向かっていれば、注視状態であると判別する。
一方、視線方向SDが表示部170に向かっていなければ(表示部170から大きく外れていれば)、判別部140は、注視状態でないと判別する。この他にも、判別部140は、ユーザの顔面が画像認識されなかった場合(ユーザが写っていなかった等)に、注視状態でないと判別する。
なお、上述したCPU 11及びRAM 13等が、このような判別部140として機能しうる。
【0031】
図3に戻って、俯角算定部150は、計測部110が計測した端末装置100の姿勢(重力方向を基準とした端末装置100の向き)と、判別部140が推定したユーザの視線方向(端末装置100を基準とした相対的な視線方向)とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を算定する。
例えば、図7(a),(b)に示す場合において、判別部140が推定した相対的な視線方向SDがそれぞれ同じ方向であったとしても、端末装置100の姿勢が異なっていれば、実空間におけるユーザの視線方向は異なっている。
そのため、俯角算定部150は、重力方向Gを基準とした端末装置100の向きに基づいて、視線方向SDを座標変換し、図7(c),(d)に示すように、重力方向を基準とした実空間におけるユーザの視線方向JSDを得る。
そして、俯角算定部150は、図7(e),(f)に示すように、実空間における水平面Hに対する視線方向JSDの下向きの角度である俯角θを求める。なお、図7(e),(f)では、視線方向JSDが水平面Hよりも下向きであるため、俯角を求めているが、視線方向JSDが水平面Hよりも上向きであれば、俯角算定部150は、仰角を求めることになる。そのような状況が生じるのは、ユーザが端末装置100を目の高さよりも上方に掲げて維持する場合であるため、あまり生じないと思われる。それでも、生じた場合には、俯角算定部150は、便宜上、マイナスの値の俯角θにて、仰角を表すものとする。
なお、上述したCPU 11及びRAM 13等が、このような俯角算定部150として機能しうる。
【0032】
図3に戻って、実行部160は、検出部120によってユーザが歩行中であると検出され、かつ、判別部140によってユーザが表示部170を注視する注視状態であると判別された場合(つまり、ユーザが歩きスマホを行っている場合)に、計測部110が計測した端末装置100の姿勢に応じて所定処理を実行する。
例えば、実行部160は、出題部161と、評価部162とを備えており、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0033】
出題部161は、ユーザが歩きスマホを行っている場合に、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題を、ユーザに出題する。なお、出題部161は、俯角算定部150により算定された俯角が、後述する基準角度以内でない場合(より詳細には、ユーザの視線方向の俯角が下がり過ぎている場合)に、振り上げ動作を要求する課題を出題するようにしてもよい。
例えば、出題部161は、図8(a),(b)に示すような課題画像171,172等を表示部170に表示し、ユーザに対して、振り上げ動作を要求する。なお、課題画像171,172は一例であり、他の内容であってもよい。また、出題部161は、ユーザがイヤホン(ヘッドホン)を繋いで端末装置100を使用している場合に、音声メッセージ等により、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題を、ユーザに出題してもよい。
何れにしても、出題部161が、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題をユーザに出題することで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0034】
図3に戻って、評価部162は、出題部161が出題した課題に応じて、ユーザが行った回答動作を、計測部110により計測された端末装置100の姿勢の変化等に応じて評価する。
例えば、評価部162は、ユーザが端末装置100を把持する手を振り上げることで、計測される端末装置100の姿勢が変化し、俯角算定部150により算定されるユーザの視線方向の俯角が、基準角度(一例として、ユーザが前方を視野に捉えられると実験的に求められた視線方向の俯角)以内に変化した場合に、ユーザの回答動作を正解と評価する。正解と評価した場合に、評価部162は、何らかの報酬をユーザに付与してもよい。
例えば、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているサイトにユーザがログイン中であれば、評価部162は、そのサイトで利用可能な所定のクーポンコードを配布してもよい。また、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているゲーム会社等が提供するオンライン型のゲーム(ネットワークゲームやソーシャルゲーム)をユーザがプレイしている場合であれば、評価部162は、そのゲームにおけるゲーム内通貨(例えば、コインやメダル等)を所定数増加させたり、そのゲームのアイテムをランダムに付与したり、そのゲームのプレイヤキャラクタの経験値やレベル値等を所定数増加させる等の報酬を付与してもよい。
一方、ユーザが課題動作を行わなかった場合や、課題動作を行った場合でも、端末装置100を把持する手の振り上げが足りず、計測される端末装置100の姿勢が変化したものの、俯角算定部150により算定されたユーザの視線方向の俯角が、基準角度以内に変化しなかった場合に、評価部162は、ユーザの回答動作を不正解と評価する。不正解と評価した場合では、評価部162は、何らの報酬もユーザに付与しないものとしてもよく、また、ペナルティとして、画像を見づらく表示させたり、操作しづらくさせたり、実行中のアプリ等を強制終了させたりする。
なお、上述したCPU 11等が、このような構成の実行部160として機能しうる。
【0035】
表示部170は、例えば、端末装置100にて実行されているアプリケーションに応じた種々の画像を表示する。なお、表示部170は、ユーザが歩きスマホを行っている場合に、上述した図8(a),(b)に示すような課題画像171,172等を、表示中の画像よりも優先して表示する。
なお、上述した表示デバイス16等が、このような表示部170として機能しうる。
【0036】
(端末装置の動作)
以下、このような構成の端末装置100の動作について図9を参照して説明する。なお、端末装置100は、種々のアプリケーションを実行可能であり、実行されているアプリケーションと並行して以下の誘導処理が実行される場合について説明するが、誘導処理を含んだ特定のアプリケーションが実行されている場合に限り、以下の誘導処理が実行されるようにしてもよい。
図9は、実施形態1に係る誘導処理の流れを示すフローチャートである。この誘導処理は、例えば、OSの制御の下、ユーザが歩きスマホを行った場合に対応できるように、常時実行されているものとする。
【0037】
まず、端末装置100は、ユーザが歩行中であるか否かを判別する(ステップS11)。
すなわち、検出部120は、端末装置100の3軸方向に加わる加速度の合成値の変化パターンを逐次参照しており、この変化パターンが、図5に示すような特定の変化パターンと一致するかどうかを判別する。
【0038】
端末装置100は、歩行中でないと判別すると(ステップS11;No)、歩行中であると判別されるまで、ステップS11の処理を繰り返す。
【0039】
一方、歩行中であると判別した場合(ステップS11;Yes)に、端末装置100は、ユーザにより表示部170が注視される注視状態であるか否かを判別する(ステップS12)。
例えば、判別部140は、撮像部130が撮像した画像から、ユーザの顔面を画像認識し、目、鼻、口といった特徴点の位置関係に基づいて、ユーザの視線方向を推定することにより、表示部170が注視される注視状態であるか否かを判別する。なお、視線方向を推定する手法は、このような顔面における特徴点の位置関係に基づくもの以外であってもよい。例えば、判別部140は、画像認識した顔画像から眼球及び瞳孔を検出し、検出した眼球内における瞳孔の位置に基づいて、ユーザの視線方向を推定してもよい。
つまり、判別部140は、図6に示すように、撮像部130から撮像した画像によりユーザの視線方向SD(相対的な視線方向)を推定し、注視状態であるか否かを判別する。
【0040】
端末装置100は、注視状態でないと判別すると(ステップS12;No)、上述したステップS11に処理を戻す。
【0041】
一方、注視状態であると判別した場合(ステップS12;Yes)に、端末装置100は、ユーザの視線方向の俯角を算定する(ステップS13)。つまり、端末装置100は、歩きスマホを行っているユーザの視線方向の俯角を算定する。
すなわち、俯角算定部150は、計測部110が計測した端末装置100の姿勢(重力方向を基準とした端末装置100の向き)と、判別部140が推定したユーザの視線方向(端末装置100を基準とした相対的な視線方向)とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を算定する。
例えば、俯角算定部150は、重力方向Gを基準とした端末装置100の向きに基づいて、視線方向SDを座標変換し、図7(c)等のように、重力方向を基準とした実空間におけるユーザの視線方向JSDを得る。
そして、俯角算定部150は、図7(e)等のように、実空間における水平面Hに対する視線方向JSDの下向きの角度である俯角θを求める。なお、図7(e)等では、視線方向JSDが水平面Hよりも下向きであるため、俯角を求めているが、視線方向JSDが水平面Hよりも上向きであれば、俯角算定部150は、仰角を求めることになる。その場合、俯角算定部150は、便宜上、マイナスの値の俯角θにて、仰角を表すものとする。
【0042】
端末装置100は、算定した俯角が、基準角度以内であるか否かを判別する(ステップS14)。
例えば、基準角度として、ユーザが前方を視野に捉えられると実験的に求められた視線方向の俯角が設定されている。そして、端末装置100は、ステップS13にて算定したユーザの視線方向の俯角が、この基準角度以内であるかどうかを判別する。
【0043】
端末装置100は、算定した俯角が、基準角度以内であると判別すると(ステップS14;Yes)、上述したステップS11に処理を戻す。つまり、歩きスマホを行っているユーザの視線方向が、前方を視野に捉えられる程度まで上昇しているため、ステップS11に処理を戻す。
【0044】
一方、算定した俯角が、基準角度以内でないと判別した場合(ステップS14;No)に、端末装置100は、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を、ユーザに出題する(ステップS15)。
例えば、出題部161は、図8(a),(b)に示すような課題画像171,172等を表示部170に表示して、ユーザに対して、振り上げ動作を要求する。なお、課題画像171,172は一例であり、他の内容であってもよい。また、出題部161は、ユーザがイヤホン(ヘッドホン)を繋いで端末装置100を使用している場合に、音声メッセージ等により、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題を、ユーザに出題してもよい。
何れにしても、ステップS15にて、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題をユーザに出題することで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0045】
端末装置100は、ユーザの視線方向の俯角を再び算定する(ステップS16)。
【0046】
端末装置100は、算定した俯角が、基準角度以内に変化したか否かを判別する(ステップS17)。
つまり、端末装置100は、ユーザが端末装置100を把持する手を振り上げることで、計測される端末装置100の姿勢が変化し、算定されるユーザの視線方向の俯角が、基準角度以内に変化したかどうかを判別する。その際、端末装置100は、ユーザの視線方向の俯角が基準角度以内に変化した状態で所定時間が経過することを要件とし、その要件が満たされた場合に、算定した俯角が、基準角度以内に変化したと判別するようにしてもよい。また、端末装置100は、俯角が基準角度以内に変化した状態で所定時間が経過する前に歩行中でないと検出された場合も、算定した俯角が、基準角度以内に変化したと判別するようにしてもよい。
【0047】
端末装置100は、算定した俯角が、基準角度以内に変化していない(一例として、俯角が基準角度以内に変化したとしても、その状態のまま所定時間が経過しなかった場合等も含む)と判別すると(ステップS17;No)、上述したステップS15に処理を戻す。つまり、引き続き、ユーザに対して、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0048】
一方、算定した俯角が、基準角度以内に変化している(一例として、俯角が基準角度以内に変化したまま所定時間が経過した場合等)と判別した場合(ステップS17;Yes)に、端末装置100は、所定の報酬をユーザに付与する(ステップS18)。
例えば、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているサイトにユーザがログイン中であれば、評価部162は、そのサイトで利用可能な所定のクーポンコード等を配布してもよい。また、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているゲーム会社等が提供するオンライン型のゲーム(ネットワークゲームやソーシャルゲーム)をユーザがプレイしている場合であれば、評価部162は、そのゲームにおけるゲーム内通貨(例えば、コインやメダル等)を所定数増加させたり、そのゲームのアイテムをランダムに付与したり、そのゲームのプレイヤキャラクタの経験値やレベル値等を所定数増加させる等の報酬を付与してもよい。
そして、端末装置100は、上述したステップS11に処理を戻す。
【0049】
このような図9に示す誘導処理により、ユーザが歩きスマホを行っていることを検出し、そのユーザの視線方向の俯角を算定して、基準角度以内でなければ、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する課題をユーザに出題することで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
この結果、端末装置100を使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0050】
<実施形態2>
上記の実施形態1に係る端末装置100は、歩きスマホを行っているユーザに対して、図8(a),(b)に示すような課題画像171,172等を表示し、端末装置100を把持する手の振り上げ動作を要求する場合について説明したが、課題画像171,172等を表示する代わりに、端末装置の操作性を低下させることで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導してもよい。
以下、ユーザが歩きスマホを行っている際に、端末装置(操作受付部)の操作性を低下させることを特徴とした本発明の実施形態2に係る端末装置200について、以下、図10を参照して説明する。
【0051】
図10は、本発明の実施形態2に係る端末装置200の概要構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置200は、計測部110と、検出部120と、撮像部130と、判別部140と、俯角算定部150と、実行部260と、表示部170と、操作受付部280を備えている。
【0052】
なお、計測部110〜俯角算定部150、及び、表示部170は、上述した図3の端末装置100の構成と同一である。
【0053】
操作受付部280は、ユーザからの各種操作を受け付ける。例えば、操作受付部280は、タッチスクリーン等から得られる情報に基づいて、ユーザからの操作を受け付ける。
なお、上述した操作デバイス18等が、このような操作受付部280として機能しうる。
【0054】
実行部260は、検出部120によってユーザが歩行中であると検出され、かつ、判別部140によってユーザが表示部170を注視する注視状態であると判別された場合(つまり、ユーザが歩きスマホを行っている場合)に、計測部110が計測した端末装置200の姿勢に応じて所定処理を実行する。
例えば、実行部260は、受付制御部261を備えており、操作受付部280の操作性(操作受付部280が、ユーザから受け付けた操作の操作性)を低下させることで、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0055】
受付制御部261は、ユーザが歩きスマホを行っている場合に、計測部110により計測された端末装置200の姿勢に応じて、操作受付部280の操作性を低下させる。
例えば、受付制御部261は、操作受付部280が受け付ける操作について、検出する周期を長くする処理、検出する強度の閾値を上昇させる処理、及び、検出する範囲を狭くする処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、操作受付部280の操作性を低下させる。なお、操作受付部280の操作性を低下させる手法は、これらに限られず、他の手法であってもよい。
また、受付制御部261は、このように操作受付部280の操作性を低下させている間、表示部170に、ユーザへのメッセージを表示し、このような操作性の低下がどうすれば解除されるかについて伝えるようにしてもよい。例えば、受付制御部261は、端末装置200を把持する手を振り上げ、それに伴ってユーザの視線が上昇することで、操作性の低下が解除される旨のメッセージを表示する。
また、何度かメッセージを表示して、ユーザが操作性の低下を解除する要件を把握した後であれば、受付制御部261は、ユーザへのメッセージを表示することを省略してもよい。
何れにしても、受付制御部261は、操作受付部280の操作性を低下させることで、その操作性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0056】
また、受付制御部261は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度以内でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、操作受付部280の操作性をより低下させてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、操作性がより低下するため、ユーザは、操作性の低下を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0057】
この他にも、受付制御部261は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度以内でない場合に、最初、操作受付部280の操作性を初期の低下割合にて低下させ、時間の経過に応じて、操作性の低下割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、操作性がより低下していくため、ユーザは、操作性の低下を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0058】
以下、図10に示すような構成の端末装置200の動作について図11を参照して説明する。なお、端末装置200でも、種々のアプリケーションを実行可能であり、実行されているアプリケーションと並行して以下の誘導処理が実行される場合について説明するが、誘導処理を含んだ特定のアプリケーションが実行されている場合に限り、以下の誘導処理が実行されるようにしてもよい。
図11は、実施形態2に係る誘導処理の流れを示すフローチャートである。この誘導処理は、例えば、OSの制御の下、ユーザが歩きスマホを行った場合に対応できるように、常時実行されているものとする。
なお、図11の誘導処理において、図9と同じ内容の処理は、同じステップ番号(ステップS11〜S14,S16,S17)にて示されている。これら図9と同じ処理内容については、簡略化して説明する。
【0059】
端末装置200は、ステップS11にて、ユーザが歩行中であると判別し(ステップS11;Yes)、かつ、ステップS12にて、注視状態であると判別すると(ステップS12;Yes)、ユーザの視線方向の俯角を算定する(ステップS13)。
そして、ステップS14にて、算定した俯角が、基準角度以内でないと判別すると(ステップS14;No)、端末装置200は、基準角度に満たない角度に応じて、操作受付部280の操作性を低下させる(ステップS25)。
例えば、受付制御部261は、操作受付部280が受け付ける操作について、検出する周期を長くする処理、検出する強度の閾値を上昇させる処理、及び、検出する範囲を狭くする処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、操作受付部280の操作性を低下させる。その際、受付制御部261は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度に満たない場合に、その満たない角度が大きいほど、操作受付部280の操作性をより低下させる。つまり、受付制御部261は、操作性を低下させる処理の程度(レベル等)を大きくするなどして、操作受付部280の操作性をより低下させる。
このように、操作受付部280の操作性を低下させることで、操作性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0060】
端末装置200は、ユーザの視線方向の俯角を再び算定し(ステップS16)、算定した俯角が、基準角度以内に変化していないと判別すると(ステップS17;No)、上述したステップS25に処理を戻す。つまり、引き続き、表示される画像の視認性を低下させることで、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0061】
一方、算定した俯角が、基準角度以内に変化していると判別した場合(ステップS17;Yes)に、端末装置200は、操作受付部280の操作性を元に戻す(ステップS28)。つまり、端末装置200は、操作性の低下を解除する。
そして、端末装置200は、上述したステップS11に処理を戻す。
【0062】
このような図11に示す誘導処理により、ユーザが歩きスマホを行っていることを検出し、そのユーザの視線方向の俯角を算定して、基準角度以内でなければ、操作受付部280の操作性を低下させることで、その操作性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
この結果、端末装置200を使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0063】
<実施形態3>
上記の実施形態2に係る端末装置200は、歩きスマホを行っているユーザに対して、端末装置200(操作受付部280)の操作性を低下させることで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する場合について説明したが、操作性を低下させる代わりに、表示している画像の視認性を低下させることで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導してもよい。
以下、ユーザが歩きスマホを行っている際に、表示している画像の視認性を低下することを特徴とした本発明の実施形態3に係る端末装置300について、以下、図12を参照して説明する。
【0064】
図12は、本発明の実施形態3に係る端末装置300の概要構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置300は、計測部110と、検出部120と、撮像部130と、判別部140と、俯角算定部150と、実行部360と、表示部170とを備えている。
【0065】
なお、計測部110〜俯角算定部150、及び、表示部170は、上述した図3の端末装置100の構成と同一である。
【0066】
実行部360は、検出部120によってユーザが歩行中であると検出され、かつ、判別部140によってユーザが表示部170を注視する注視状態であると判別された場合(つまり、ユーザが歩きスマホを行っている場合)に、計測部110が計測した端末装置300の姿勢に応じて所定処理を実行する。
例えば、実行部360は、表示制御部361を備えており、表示部170に表示される画像の視認性を低下させることで、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0067】
表示制御部361は、ユーザが歩きスマホを行っている場合に、表示部170に表示される画像の視認性を低下させる。
例えば、表示制御部361は、表示部170に表示される画像に対して、拡大処理、縮小処理、ぼかし処理、明度を下げる処理、明度を上げる処理、及び、コントラストを下げる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、視認性を低下させる。なお、表示される画像に対して視認性を低下させる手法は、これらに限られず、他の手法であってもよい。
また、表示制御部361は、このように画像の視認性を低下させている間、一部の表示領域において、視認性を保ったまま、ユーザへのメッセージを表示し、このような視認性の低下がどうすれば解除されるかについて伝えるようにしてもよい。例えば、表示制御部361は、端末装置300を把持する手を振り上げ、それに伴ってユーザの視線が上昇することで、視認性の低下が解除される旨のメッセージを表示する。
また、何度かメッセージを表示して、ユーザが視認性の低下を解除する要件を把握した後であれば、表示制御部361は、ユーザへのメッセージを表示することを省略してもよい。
何れにしても、表示制御部361は、表示される画像の視認性を低下させることで、その視認性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0068】
また、表示制御部361は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度以内でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、画像の視認性をより低下させてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、視認性がより低下するため、ユーザは、視認性の低下を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0069】
この他にも、表示制御部361は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度以内でない場合に、最初、画像の視認性を初期の低下割合にて低下させ、時間の経過に応じて、視認性の低下割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、視認性がより低下していくため、ユーザは、視認性の低下を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0070】
以下、図12に示すような構成の端末装置300の動作について図13を参照して説明する。なお、端末装置300でも、種々のアプリケーションを実行可能であり、実行されているアプリケーションと並行して以下の誘導処理が実行される場合について説明するが、誘導処理を含んだ特定のアプリケーションが実行されている場合に限り、以下の誘導処理が実行されるようにしてもよい。
図13は、実施形態3に係る誘導処理の流れを示すフローチャートである。この誘導処理は、例えば、OSの制御の下、ユーザが歩きスマホを行った場合に対応できるように、常時実行されているものとする。
なお、図13の誘導処理において、図9と同じ内容の処理は、同じステップ番号(ステップS11〜S14,S16,S17)にて示されている。これら図9と同じ処理内容については、簡略化して説明する。
【0071】
端末装置300は、ステップS11にて、ユーザが歩行中であると判別し(ステップS11;Yes)、かつ、ステップS12にて、注視状態であると判別すると(ステップS12;Yes)、ユーザの視線方向の俯角を算定する(ステップS13)。
そして、ステップS14にて、算定した俯角が、基準角度以内でないと判別すると(ステップS14;No)、端末装置300は、基準角度に満たない角度に応じて、画像の視認性を低下させる(ステップS35)。
例えば、表示制御部361は、表示部170に表示される画像に対して、拡大処理、縮小処理、ぼかし処理、明度を下げる処理、明度を上げる処理、及び、コントラストを下げる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、画像の視認性を低下させる。その際、表示制御部361は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が、基準角度に満たない場合に、その満たない角度が大きいほど、画像の視認性をより低下させる。つまり、表示制御部361は、視認性を低下させる処理の程度(レベル等)を大きくするなどして、表示部170に表示される画像の視認性をより低下させる。
このように、表示される画像の視認性を低下させることで、視認性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0072】
端末装置300は、ユーザの視線方向の俯角を再び算定し(ステップS16)、算定した俯角が、基準角度以内に変化していないと判別すると(ステップS17;No)、上述したステップS35に処理を戻す。つまり、引き続き、表示される画像の視認性を低下させることで、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0073】
一方、算定した俯角が、基準角度以内に変化していると判別した場合(ステップS17;Yes)に、端末装置300は、画像の視認性を元に戻す(ステップS38)。つまり、端末装置300は、視認性の低下を解除する。
そして、端末装置300は、上述したステップS11に処理を戻す。
【0074】
このような図13に示す誘導処理により、ユーザが歩きスマホを行っていることを検出し、そのユーザの視線方向の俯角を算定して、基準角度以内でなければ、表示される画像の視認性を低下させることで、その視認性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
この結果、端末装置300を使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0075】
<実施形態4>
上記の実施形態1〜3に係る端末装置100〜300では、並行して実行されているアプリケーションは、任意である場合について説明したが、並行して実行されているアプリがゲームであり、例えば、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているゲーム会社等が提供するオンライン型のゲーム(ネットワークゲームやソーシャルゲーム)である場合には、実施形態2,3のように、操作性や視認性を低下させる代わりに、ゲームの難易度を上昇させるようにしてもよい。
以下、ユーザが歩きスマホを行っている際に、実行しているゲームの難易度を上昇させることを特徴とした本発明の実施形態4に係る端末装置400について、図14を参照して説明する。
【0076】
図14は、本発明の実施形態4に係る端末装置400の概要構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置400は、計測部110と、検出部120と、撮像部130と、判別部140と、俯角算定部150と、実行部460と、表示部170とを備えている。
【0077】
なお、計測部110〜俯角算定部150、及び、表示部170は、上述した図3の端末装置100の構成と同一である。
【0078】
実行部460は、検出部120によってユーザが歩行中であると検出され、かつ、判別部140によってユーザが表示部170を注視する注視状態であると判別された場合(つまり、ユーザが歩きスマホを行っている場合)に、計測部110が計測した端末装置400の姿勢に応じて所定処理を実行する。
例えば、実行部460は、ゲーム制御部461を備えており、実行されているゲームの難易度を上昇させることで、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0079】
ゲーム制御部461は、ユーザが歩きスマホを行っている場合に、実行されているゲームの難易度を上昇させる。
例えば、ゲーム制御部461は、ゲームの進行を管理しているゲームサーバにユーザの識別情報と共にアクセスし、プレイヤキャラクタの進行パラメータの何れかを低下させる処理、敵キャラクタの進行パラメータの何れかを上昇させる処理、敵キャラクタとの遭遇頻度を上昇させる処理、ゲーム進行速度を上昇させる処理、及び、所定の抽選における当選確率を低下させる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、ユーザがプレイしているゲームの難易度を上昇させる。なお、ゲームの難易度を上昇させる手法は、これらに限られず、他の手法であってもよい。
また、ゲームサーバは、このような処理に応答し、端末装置400にてプレイしているゲームの難易度を上昇させると共に、ユーザへのメッセージを表示し、このような難易度の上昇がどうすれば解除されるかについて伝えるようにしてもよい。例えば、ゲームサーバから、端末装置400を把持する手を振り上げ、それに伴ってユーザの視線が上昇することで、難易度の上昇が解除される旨のメッセージを受信すると、ゲーム制御部461は、そのメッセージをゲーム画像に合成して表示する。
また、何度かメッセージを表示して、ユーザが難易度の上昇を解除する要件を把握した後であれば、ゲーム制御部461は、ユーザへのメッセージを表示することを省略してもよい。
何れにしても、ゲーム制御部461は、ゲームの難易度を上昇させることで、その難易度の上昇を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0080】
また、ゲーム制御部461は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が基準角度以内でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、ゲームの難易度を上昇させてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、ゲームの難易度が上昇するため、ユーザは、難易度の上昇を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0081】
この他にも、ゲーム制御部461は、俯角算定部150が算定した実空間におけるユーザの視線の俯角が基準角度以内でない場合に、最初、ゲームの難易度を初期の上昇割合にて上昇させ、時間の経過に応じて、難易度の上昇割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、ゲームの難易度がより上昇していくため、ユーザは、ゲームの難易度の上昇を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0082】
以下、図14に示すような構成の端末装置400の動作について図15を参照して説明する。なお、端末装置400では、例えば、歩きスマホの危険を回避することに協賛しているゲーム会社等が提供するオンライン型のゲーム(ネットワークゲームやソーシャルゲーム)を実行しており、並行して以下の誘導処理が実行される場合について説明するが、誘導処理を含んだゲームアプリが実行されている場合に限り、以下の誘導処理が実行されるようにしてもよい。なお、その場合は、オンライン型のゲームに限られず、スタンドアローン型のゲームであってもよい。
図15は、実施形態4に係る誘導処理の流れを示すフローチャートである。この誘導処理は、例えば、OSの制御の下、ユーザが歩きスマホを行った場合に対応できるように、常時実行されているものとする。
なお、図15の誘導処理において、図9と同じ内容の処理は、同じステップ番号(ステップS11〜S14,S16,S17)にて示されている。これら図9と同じ処理内容については、簡略化して説明する。
【0083】
端末装置400は、ステップS11にて、ユーザが歩行中であると判別し(ステップS11;Yes)、かつ、ステップS12にて、注視状態であると判別すると(ステップS12;Yes)、ユーザの視線方向の俯角を算定する(ステップS13)。
そして、ステップS14にて、算定した俯角が、基準角度以内でないと判別すると(ステップS14;No)、端末装置400は、基準角度に満たない角度に応じて、ゲームの難易度を上昇させる(ステップS45)。
例えば、ゲーム制御部461は、ゲームの進行を管理しているゲームサーバにユーザの識別情報と共にアクセスし、プレイヤキャラクタの進行パラメータの何れかを低下させる処理、敵キャラクタの進行パラメータの何れかを上昇させる処理、敵キャラクタとの遭遇頻度を上昇させる処理、ゲーム進行速度を上昇させる処理、及び、所定の抽選における当選確率を低下させる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、ユーザがプレイしているゲームの難易度を上昇させる。その際、ゲーム制御部461は、俯角算定部150が算定したユーザの視線方向の俯角が、基準角度に満たない角度が大きいほど、ゲームの難易度を上昇させる。
このように、ゲームの難易度を上昇させることで難易度の上昇を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0084】
端末装置400は、ユーザの視線方向の俯角を再び算定し(ステップS16)、算定した俯角が、基準角度以内に変化していないと判別すると(ステップS17;No)、上述したステップS45に処理を戻す。つまり、引き続き、ゲームの難易度を上昇させることで、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
【0085】
一方、算定した俯角が、基準角度以内に変化していると判別した場合(ステップS17;Yes)に、端末装置400は、ゲームの難易度を元に戻す(ステップS48)。つまり、端末装置400は、ゲームの難易度の上昇を解除する。
そして、端末装置400は、上述したステップS11に処理を戻す。
【0086】
このような図15に示す誘導処理により、ユーザが歩きスマホを行っていることを検出し、そのユーザの視線方向の俯角を算定して、基準角度以内でなければ、ユーザがプレイしているゲームの難易度を上昇させることで、その難易度の上昇を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
この結果、端末装置400を使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0087】
(他の実施形態)
上記の実施形態1〜4では、現在において、ユーザが歩きスマホを行っていることを検出し、ユーザの視線が上昇するように誘導する場合について説明したが、スマホを行っていることを検出した履歴を記憶部(記憶デバイス15等)に記憶するようにし、例えば、歩きスマホの回数、頻度、若しくは、時間(累積時間や平均時間等)を判別し、基準よりも多い(長い)場合に、アプリを実行させない等により、歩きスマホをやめさせるようにしてもよい。
すなわち、端末装置100等(端末装置100〜400)は、検出部120によってユーザが歩行中であると検出され、かつ、判別部140によってユーザが表示部170を注視する注視状態であると判別された場合(つまり、ユーザが歩きスマホを行っている場合)に、実行部160等(実行部160〜460)は、ログ情報(例えば、時刻情報や位置情報等)を記憶部に、記憶するようにする。なお、ログ情報には、誘導によって、ユーザの視線が基準角度以内に上昇したか否か等を含めてもよい。
そして、実行部160等は、記憶したログ情報を解析し、歩きスマホの回数、頻度、若しくは、時間を判別し、基準よりも多い場合(若しくは、ユーザの視線が基準角度以内に上昇した割合が低い場合)に、実行しようとするアプリを実行禁止にし、実行するアプリの機能を制限し、若しくは、実行中のアプリを終了させる。
この場合、歩きスマホが常態化しているユーザに対して、アプリを実行させない等により、歩きスマホをやめさせるように強く働きかけることができる。
【0088】
上記の実施形態1〜4では、端末装置100等(端末装置100〜400)が、単独で誘導処理を行いユーザの視線を上昇させるように誘導する場合について説明したが、例えば、各端末装置100等がネットワークを介してサーバ装置と通信し、サーバ装置と端末装置100等とを協働させて、ユーザの視線が上昇するように誘導してもよい。
例えば、図16に示すように、サーバ装置500と端末装置100等(端末装置100〜400)とがインターネット900を介して通信可能に接続された管理システム600においても、上記の実施形態1〜4と同様に、ユーザの視線を上昇させるように誘導することができる。
その際、例えば、サーバ装置500が各端末装置100等の位置情報を収集して、衝突等を予測し、予測された端末装置100等が誘導処理を行いユーザの視線を上昇させるように誘導してもよい。また、サーバ装置500と通信する代わりに、近距離通信(一例として、ブルートゥース(登録商標))により、各端末装置100等がビーコンを送受信して、個々に衝突等を予測し、衝突等が予測された端末装置100等が誘導処理を行いユーザの視線を上昇させるように誘導してもよい。
【0089】
上記の実施形態では、専用の端末装置100〜400を用いる場合について説明したが、このような端末装置100〜400の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等に適用することで、当該パーソナルコンピュータを端末装置100〜400として機能させることも可能である。
【0090】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットといった通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0091】
(まとめ)
本発明の第1の観点に係る端末装置は、表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置であって、検出部、判別部、及び、実行部を備えている。
【0092】
検出部は、ユーザが歩行中であることを検出する。判別部は、ユーザにより表示部が注視される注視状態であるか否かを判別する。
そして、実行部は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された場合に、端末装置の姿勢に応じて所定処理を実行する。例えば、実行部は、振り上げ動作をユーザに出題する処理、操作受付部における操作性を低下させる処理、表示する画像の視認性を低下させる処理、及び、プレイ中にゲームの難易度を上昇させる処理のうち、少なくとも何れかの処理を実行する。
このように、ユーザが歩きスマホを行っていることを把握すると、所定処理を実行し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導する。
この結果、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
また、ユーザの視線を上昇させることができるので、端末装置を注視していたとしても、ユーザが前方の状況を認識し易くなり、他の歩行者や障害物等との衝突を回避させることが期待できる。
【0093】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、実行部は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された場合に、端末装置を把持する手の振り上げ動作の課題を前記ユーザに出題し、その課題に応じてユーザが行った回答動作を、計測された端末装置の姿勢の変化に応じて評価してもよい。
この場合、端末装置を把持する手の振り上げ動作を要求する課題をユーザに出題することで、振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導することができる。
【0094】
また、上記端末装置において、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、この俯角が所定の基準角度(例えば、前方の対象物をユーザが認識できる程度の俯角)以内に変化した場合に、回答動作を正解と評価してもよい。
この場合、前方の対象物をユーザが認識できる程度の俯角まで、ユーザの視線を上昇させることができる。
【0095】
また、上記端末装置において、実行部は、ユーザの視線方向の俯角が、基準角度以内に一定時間以上維持されている場合に、前記回答動作を正解と評価してもよい。
この場合、上昇させたユーザの視線をそのまま維持させることができる。
【0096】
また、上記端末装置は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された履歴を記憶する記憶部を更に備え、実行部は、記憶部に記憶された履歴に基づいて、実行しようとするアプリを実行禁止にし、実行するアプリの機能を制限し、若しくは、実行中のアプリを終了させるようにしてもよい。
この場合、記憶される履歴から、例えば、歩きスマホの回数、頻度、若しくは、時間(累積時間や平均時間等)を判別し、基準よりも多い(長い)場合に、アプリを実行させない等により、歩きスマホをやめさせるようにすることができる。
【0097】
また、上記端末装置は、ユーザからの操作を受け付ける操作受付部を更に備え、実行部は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された場合に、端末装置の姿勢に応じて、操作受付部の操作性を低下させてもよい。
この場合、操作受付部における操作性を低下させることで、その操作性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導することができる。
【0098】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度以内(例えば、前方の対象物をユーザが認識できる程度の俯角)でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、操作性の低下割合を大きしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、操作性がより低下するため、ユーザは、操作性の低下を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0099】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、操作性の低下割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、操作性がより低下していくため、ユーザは、操作性の低下を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0100】
また、上記端末装置において、実行部は、操作受付部が受け付ける操作について、検出する周期を長くする処理、検出する強度の閾値を上昇させる処理、及び、検出する範囲を狭くする処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、操作性を低下させてもよい。
この場合、処理に応じて操作性を適宜低下させることができる。
【0101】
また、上記端末装置において、実行部は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された場合に、端末装置の姿勢に応じて、表示部に表示する画像の視認性を低下させてもよい。
この場合、表示する画像の視認性を低下させることで、その視認性の低下を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導することができる。
【0102】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度(例えば、前方の対象物をユーザが認識できる程度の俯角)以内でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、視認性の低下割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、視認性がより低下するため、ユーザは、視認性の低下を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0103】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、視認性の低下割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、視認性がより低下していくため、ユーザは、視認性の低下を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0104】
また、上記端末装置において、実行部は、表示画面に表示する画像に対して、例えば、拡大処理、縮小処理、ぼかし処理、明度を下げる処理、明度を上げる処理、及び、コントラストを下げる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、視認性を低下させてもよい。
この場合、処理に応じて視認性を適宜低下させることができる。
【0105】
また、上記端末装置において、実行部は、歩行中であると検出され、かつ、注視状態と判別された場合に、端末装置の姿勢に応じて、ゲームの難易度を上昇させてもよい。
この場合、ゲームの難易度を上昇させることで、その難易度の上昇を解除させるべく、ユーザに振り上げ動作を促し、それに伴って、ユーザの視線が上昇するように誘導することができる。
【0106】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度(例えば、前方の対象物をユーザが認識できる程度の俯角)以内でない場合に、その基準角度に満たない角度が大きいほど、難易度の上昇割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が大きくなるほど、難易度が上昇するため、ユーザは、難易度の上昇を解除させるべく、大きく振り上げ動作を行うことになる。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0107】
また、上記端末装置は、端末装置の姿勢を計測する計測部を更に備え、判別部は、端末装置を基準としたユーザの相対的な視線方向を推定することにより、注視状態であるか否かを判別し、実行部は、計測された端末装置の姿勢と、推定された相対的な視線方向とに基づいて、実空間におけるユーザの視線方向の俯角を求め、その俯角が所定の基準角度以内でない場合に、時間の経過に応じて、難易度の上昇割合を大きくしてもよい。
この場合、基準角度に満たない角度が小さくとも、時間が経過するにつれて、難易度がより上昇していくため、ユーザは、難易度の上昇を解除させるべく、迅速に、振り上げ動作を行う。それに伴って、ユーザの視線も上昇する。
【0108】
また、上記端末装置において、実行部は、ゲームにおいて、プレイヤキャラクタの進行パラメータの何れかを低下させる処理、敵キャラクタの進行パラメータの何れかを上昇させる処理、敵キャラクタとの遭遇頻度を上昇させる処理、ゲーム進行速度を上昇させる処理、及び、所定の抽選における当選確率を低下させる処理のうち、少なくとも何れかの処理を行うことにより、難易度を上昇させてもよい。
この場合、処理に応じてゲームの難易度を適宜上昇させることができる。
【0109】
本発明の第2の観点に係る管理システムは、ユーザの手で把持されて使用される端末装置と、その端末装置を管理するサーバ装置と、を備える管理システムであって、検出部、判別部、及び、実行部を備えている。
【0110】
すなわち、第2の観点に係る管理システムは、第1の観点に係る端末装置と同様に、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0111】
本発明の第3の観点に係る誘導方法は、表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用される端末装置における誘導方法であって、検出ステップ、判別ステップ、及び、実行ステップを備えている。
【0112】
すなわち、第3の観点に係る誘導方法は、第1の観点に係る端末装置と同様に、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【0113】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、表示部を有し、ユーザの手で把持されて使用されるコンピュータを、検出部、判別部、及び、実行部として機能させる。
【0114】
すなわち、第4の観点に係るプログラムは、第1の観点に係る端末装置と同様に、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上説明したように、本発明によれば、使用しているユーザの視線を適切に上昇させることのできる端末装置、管理システム、誘導方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 情報処理装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 加速度センサ
15 記憶デバイス
16 表示デバイス
17 通信デバイス
18 操作デバイス
19 撮像デバイス
100,200,300,400 端末装置
110 計測部
120 検出部
130 撮像部
140 判別部
150 俯角算定部
160,260,360 実行部
161 出題部
162 評価部
170 表示部
261 受付制御部
361 表示制御部
461 ゲーム制御部
500 サーバ装置
600 管理システム
【要約】
【課題】使用しているユーザの視線を適切に上昇させることのできる端末装置等を提供する。
【解決手段】計測部110は、ユーザの手で把持されて使用される端末装置100の姿勢を計測する。検出部120は、ユーザが歩行中であることを検出する。判別部140は、ユーザにより表示部170が注視される注視状態であるか否かを判別する。実行部160は、検出部120により歩行中であると検出され、かつ、判別部140により注視状態と判別された場合に、計測部110により計測された端末装置100の姿勢に応じて所定処理を実行する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15
図16