特許第6395108号(P6395108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6395108-スイッチ装置および時計 図000002
  • 特許6395108-スイッチ装置および時計 図000003
  • 特許6395108-スイッチ装置および時計 図000004
  • 特許6395108-スイッチ装置および時計 図000005
  • 特許6395108-スイッチ装置および時計 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395108
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】スイッチ装置および時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20180913BHJP
   G04B 37/10 20060101ALI20180913BHJP
   G04C 3/00 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G04G21/00 304G
   G04G21/00 303
   G04B37/10 Z
   G04C3/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-156047(P2014-156047)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33470(P2016-33470A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】北原 政昭
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−095578(JP,U)
【文献】 実開昭58−066396(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 21/00
G04B 37/10
G04C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールが組み込まれ、かつ貫通孔が設けられたケースと、
前記ケースの前記貫通孔に回転自在に挿入され、かつ前記ケース内に突出する取付部が設けられた軸部、およびこの軸部の外端部に設けられた頭部を有する操作部材と、
前記操作部材の前記取付部に脱着自在に配置され、かつ前記操作部材と一体的に回転すると共に、前記ケースの前記貫通孔に対する前記操作部材の抜け出しを防ぐ抜止め部材と、
前記取付部に対する前記抜止め部材の脱落を阻止する脱落防止部と、
を備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、前記操作部材の前記取付部は、前記ケースの内部側に位置する前記軸部の内端部に隣接して設けられた装着溝と、この装着溝内に設けられた係止部と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ装置において、前記抜止め部材は、前記取付部の前記装着溝に挿脱自在に挿入する切欠き部が設けられ、かつ前記ケースの前記貫通孔における内端部の内径よりも大きいリング状の本体部と、この本体部の前記切欠き部内に位置する個所に設けられて前記取付部の前記係止部に係脱可能に係合する係合部と、を有していることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記脱落防止部は、前記ケース内に配置され、前記モジュールを前記ケース内に押える押え部材に設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記脱落防止部は、前記抜止め部材の外周面に当接する当接面における円周方向の長さが、前記抜止め部材の前記切欠き部における円周方向の間隔よりも長く形成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記操作部材には、前記ケース内に組み込まれた前記モジュールに差し込まれて連結され、前記操作部材の回転操作に応じて前記モジュールを操作する連動部が取り付けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項のいずれかに記載されたスイッチ装置を備えていることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時計、携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器に用いられるスイッチ装置およびそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計のスイッチ装置においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースの貫通孔にパイプ部材を嵌め込み、このパイプ部材に操作部材の軸部をスライド可能に挿入し、この操作部材の軸部が腕時計ケース内に突出する内端部にEリングなどの抜止め部材を取り付けることにより、操作部材が腕時計ケースの外部に抜け出さないように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−109057号公報
【0004】
この種のスイッチ装置では、腕時計ケースのパイプ部材に操作部材の軸部を挿入し、この軸部の内端部を腕時計ケース内に突出させた状態で、軸部の内端部にEリングなどの抜止め部材を取り付ける際に、軸部の内端部に抜止め部材を圧入により嵌め込むことにより、抜止め部材を3点支持により軸部の内端部に取り付け、この後、腕時計ケース内に時計モジュールを組み付けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような腕時計のスイッチ装置では、腕時計ケースのパイプ部材に操作部材の軸部を挿入し、この軸部の内端部を腕時計ケース内に突出させた状態でなければ、軸部の内端部に抜止め部材を取り付けることができないため、腕時計ケース内に時計モジュールを組み付ける前に、予め操作部材を腕時計ケースに取り付ける必要がある。
【0006】
このため、このスイッチ装置においては、組立作業に制約があり、組立作業が面倒であるばかりか、Eリングなどの抜止め部材を軸部の内端部に圧入により嵌め込んで、3点支持により軸部の内端部に取り付けなければならないため、軸部の内端部に対する抜止め部材の取付作業および取外作業が面倒であるという問題があるほか、腕時計ケース内に突出した操作部材の軸部によって時計モジュールが制約を受けるなどの問題もある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、抜止め部材を簡単に着脱することができ、かつモジュールが制約を受けずに、容易に組立作業および分解作業ができるスイッチ装置およびそれを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、モジュールが組み込まれ、かつ貫通孔が設けられたケースと、このケースの前記貫通孔に回転自在に挿入され、かつ前記ケース内に突出する取付部が設けられた軸部、およびこの軸部の外端部に設けられた頭部を有する操作部材と、この操作部材の前記取付部に脱着自在に配置され、かつ前記操作部材と一体的に回転すると共に、前記ケースの前記貫通孔に対する前記操作部材の抜け出しを防ぐ抜止め部材と、前記取付部に対する前記抜止め部材の脱落を阻止する脱落防止部と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ケースの貫通孔に操作部材を取り付ける前に、予め、ケース内にモジュールを組み付けることができ、この状態でケースの貫通孔に操作部材の軸部を挿入して、ケース内に突出した軸部の取付部に抜止め部材を脱着自在に配置できると共に、脱落防止部によって取付部に対する抜止め部材の脱落を阻止できるので、抜止め部材を操作部材の取付部に対して簡単に着脱することができる。これにより、ケースに操作部材を抜止め部材によって簡単にかつ確実に取り付けることができると共に、容易に取り外すことができる。このため、モジュールが制約を受けずに、容易に組立作業および分解作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した拡大正面図である。
図2図1に示された腕時計のA−A矢視における要部を示した拡大断面図である。
図3図1に示された腕時計の要部を分解して示した拡大斜視図である。
図4図3に示されたスイッチ装置における操作部材と抜止め部材とを分解して示した拡大斜視図である。
図5図3に示されたスイッチ装置において、操作部材の取付部に配置された抜止め部材を押え部材の脱落防止部で押えた状態を示した要部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図5を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、本体ケース2と第1外装ケース3と第2外装ケース4とによって構成されている。本体ケース2は、硬質の合成樹脂からなり、その内部に補強用の金属部材2aが埋め込められた構成になっている。
【0012】
第1外装ケース3は、図1および図2に示すように、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の上部外周に、これを覆って取り付けられるように構成されている。第2外装ケース4は、軟質の合成樹脂からなり、本体ケース2の外周および第1外装ケース3の外周に、これらを覆って取り付けられるように構成されている。
【0013】
腕時計ケース1の上部開口部、つまり本体ケース2の上部開口部には、図2に示すように、時計ガラス5がパッキン5aを介して取り付けられている。この場合、時計ガラス5の上面における外周縁は、図1および図2に示すように、第1外装ケース3と第2外装ケース4とによって覆われている。また、この腕時計ケース1の下部、つまり本体ケース2の下部には、裏蓋6が防水リング6aを介して取り付けられている。
【0014】
この腕時計ケース1の内部、つまり本体ケース2の内部には、図2に示すように、時計モジュール7が押え部材8によって配置されている。時計モジュール7は、指針10および機能針11を駆動するための時計ムーブメントや、時刻などの情報を電気光学的に表示する表示パネルなど、時計機能に必要な各種の部品(いずれも図示せず)を備えている。
【0015】
押え部材8は、図2および図3に示すように、ほぼ円板状に形成された本体部8aと、この本体部8aの外周縁に起立して設けられた複数の押え片8bと、を備えている。この押え部材8は、本体部8aが時計モジュール7と裏蓋6との間に配置され、複数の押え片8bが腕時計ケース1の内周面つまり本体ケース2の内周面と時計モジュール7の外周面との間に配置されることにより、時計モジュール7を腕時計ケース1内に組み付けるように構成されている。
【0016】
この場合、時計モジュール7と時計ガラス5との間には、図2に示すように、リング状の見切り部材12が設けられている。この見切り部材12は、その上面が外周側から内周側に向けて傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面に時字12aが円周方向に沿って等間隔で設けられた構成になっている。また、この見切り部材12と時計モジュール7との間には、第1文字板13と第2文字板14とが上下に重なった状態で配置されている。
【0017】
第1文字板13は、図1図3に示すように、時計モジュール7の上面に配置されている。この第1文字板13には、機能針11の機能を表す機能表示部13aと、表示パネルの表示領域15に対する複数の表示窓部13bと、が設けられている。第2文字板14は、第1文字板13の上側に配置されている。この第2文字板14には、第1文字板13の機能表示部13aに対応する開口部14aと、この開口部14aの周縁部に設けられた目盛部14bと、第1文字板13の複数の表示窓部13bに対応する表示窓部14cと、が設けられている。
【0018】
ところで、腕時計ケース1の12時側と6時側との各側部には、図1および図3に示すように、バンド取付部16がそれぞれ外部に突出して設けられている。また、この腕時計ケース1の3時側の側部には、スイッチ装置17が設けられており、この腕時計ケース1の2時側、4時側、8時側、9時側、および10時側の各側部には、押釦スイッチ18がそれぞれ設けられている。
【0019】
スイッチ装置17は、図2および図3に示すように、腕時計ケース1の本体ケース2に設けられた貫通孔20に挿入される操作部材21を備えている。この場合、貫通孔20は、腕時計ケース1の内部側が小径孔部20aに形成され、腕時計ケース1の外部側が大径孔部20bに形成された構成になっている。
【0020】
この貫通孔20の外端部に位置する本体ケース2の外周面には、図2および図3に示すように、化粧リング22が設けられている。また、腕時計ケース1の外周方向における化粧リング22の両側に位置する個所の第2外装ケース4には、一対の保護カバー部4aが外部に突出して設けられている。
【0021】
操作部材21は、図2図5に示すように、腕時計ケース1の貫通孔20に回転自在に挿入される軸部23と、この軸部23の外端部に設けられた頭部24と、を有している。頭部24は、全体がほぼ円板状に形成されている。この頭部24は、その外径が化粧リング22の外径よりも大きく、かつ本体ケース2の厚み方向(図2では上下方向)の長さとほぼ同じ大きさに形成されている。
【0022】
また、この頭部24は、図1図3に示すように、本体ケース2の外部に突出した状態で、一対の保護カバー部4a間に回転可能な状態で配置されるように構成されている。この場合、頭部24は、腕時計ケース1の外部に突出する長さが、保護カバー部4aの突出長さよりも少し短い長さで形成されている。これにより、頭部24は、その両側が一対の保護カバー部4aによって保護され、上下方向に位置する個所の外周面が回転操作可能な状態で上下方向に露出するように構成されている。
【0023】
一方、軸部23は、図2図5に示すように、腕時計ケース1の内部側が小径部23aに形成され、腕時計ケース1の外部側が大径部23bに形成された構成になっている。この軸部23の小径部23aは、その外径が貫通孔20の小径孔部20aの内径とほぼ同じ大きさに形成されている。この軸部23の大径部23bは、その外径が貫通孔20の大径孔部20bの内径とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0024】
また、この軸部23は、図2に示すように、その軸方向の長さが貫通孔20の軸方向の長さよりも少し長く形成されている。すなわち、この軸部23の小径部23aは、その軸方向の長さが貫通孔20の小径孔部20aの軸方向の長さと同じ長さに形成されている。また、軸部23の大径部23bは、その軸方向の長さが貫通孔20の大径孔部20bの軸方向の長さよりも少し長く形成されている。
【0025】
これにより、軸部23は、図2に示すように、小径部23aが貫通孔20の大径孔部20bを通して小径孔部20aに挿入され、大径部23bが貫通孔20の大径孔部20bに挿入され、この状態で大径部23bが貫通孔20から腕時計ケース1の外部に突出し、この突出した外端部が頭部24の内面に埋め込まれた状態で、頭部24が一体的に取り付けられるように構成されている。
【0026】
この場合、軸部23の大径部23bの外周には、図2図4、および図5に示すように、複数の防水リング25が取り付けられている。これら複数の防水リング25は、軸部23の大径部23bが貫通孔20の大径孔部20bに挿入された際に、外周部が貫通孔20の大径孔部20bの内周面に圧接した状態で回転方向に摺動するように構成されている。
【0027】
また、この操作部材21の軸部23には、図2図4、および図5に示すように、抜止め部材26を脱着可能な状態で配置するための取付部27が、腕時計ケース1の内部に突出して設けられている。この取付部27は、腕時計ケース1内に突出する軸部23の内端部に隣接する個所にその外周に沿って設けられた環状の装着溝28と、この装着溝28内の底部に設けられた係止凹部29と、を有している。
【0028】
抜止め部材26は、図2図5に示すように、取付部27に脱着自在に配置され、この状態で操作部材21と一体的に回転すると共に、腕時計ケース1の貫通孔20に対する操作部材21の抜け出しを防ぐように構成されている。すなわち、この抜止め部材26は、取付部27の装着溝28に挿入する切欠き部31が設けられたほぼリング状の本体部30と、この本体部30における切欠き部31内に設けられて取付部27の係止凹部29に係脱可能に係合する係合凸部32と、を有している。
【0029】
この場合、抜止め部材26の本体部30は、図4および図5に示すように、その軸方向の長さ(厚み)が取付部27の装着溝28の軸方向の長さ(溝幅)とほぼ同じ長さ(厚み)に形成されている。また、この抜止め部材26の本体部30は、その外径が操作部材21の軸部23における小径部23aの外径よりも大きく、かつ腕時計ケース1の貫通孔20における小径孔部20aの内径よりも大きく形成されている。
【0030】
これにより、抜止め部材26は、図4および図5に示すように、本体部30外周縁が腕時計ケース1の貫通孔20における小径孔部20aの内端部に位置する縁部、つまり貫通孔20の縁部に位置する腕時計ケース1の内周面に当接することにより、操作部材21が腕時計ケース1の貫通孔20から外部に抜け出すのを防ぐように構成されている。
【0031】
切欠き部31は、図4および図5に示すように、本体部30の外周から本体部30の中心部に亘って形成されている。すなわち、この切欠き部31は、その円周方向の長さ(溝幅)が装着溝28の内径とほぼ同じ大きさで形成され、径方向の長さ(深さ)が装着溝28の内径よりも長く形成されている。
【0032】
これにより、抜止め部材26は、図4および図5に示すように、本体部30の切欠き部31を操作部材21の取付部27の装着溝28に対応させて挿入することにより、本体部30が装着溝28内に回転自在な状態で配置されるように構成されている。また、この抜止め部材26は、装着溝28に対する本体部30の回転を阻止させた状態で、操作部材21を回転させることにより、装着溝28内の係止凹部29に本体部30の係合凸部32が係合するように構成されている。
【0033】
さらに、この抜止め部材26は、図4および図5に示すように、装着溝28内の係止凹部29に本体部30の係合凸部32が係脱可能に係合することにより、操作部材21の取付部27に対して脱落可能な状態で配置され、この状態で操作部材21と一体的に回転すると共に、操作部材21が腕時計ケース1の貫通孔20から腕時計ケース1の外部に抜け出すのを防ぐように構成されている。
【0034】
この場合、抜止め部材26は、図4および図5に示すように、操作部材21が回転して装着溝28内の係止凹部29が腕時計ケース1の下側、つまり裏蓋6側に位置した際に、本体部30の切欠き部31の開放側が上側に位置するため、この切欠き部31に沿って本体部30が装着溝28から脱落可能な状態になるように構成されている。
【0035】
このため、この抜止め部材26は、図2および図5に示すように、脱落防止部33によって操作部材21の取付部27から脱落しないように構成されている。この脱落防止部33は、図2図3、および図5に示すように、時計モジュール7を腕時計ケース1内に押え付ける押え部材8に一体に設けられている。
【0036】
すなわち、この脱落防止部33は、図2図3、および図5に示すように、押え部材8の3時側に位置する外周縁に起立して設けられた板状部であり、腕時計ケース1の内周面と時計モジュール7の外周面との間に配置され、この状態で上端部が抜止め部材26の下側に位置する外周面に当接するように構成されている。
【0037】
この場合、脱落防止部33は、図2図3、および図5に示すように、操作部材21の軸方向における長さ(厚み)が抜止め部材26の軸方向の長さ(厚み)よりも長く、かつ取付部27の軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。また、この脱落防止部33は、抜止め部材26の下側に位置する外周面に当接する当接面における押え部材8の円周方向の長さ(幅)が、抜止め部材26の切欠き部31における円周方向の長さ(間隔)よりも長く形成されている。
【0038】
一方、操作部材21の軸部23には、図2に示すように、取付穴34が腕時計ケース1の内部側から腕時計ケース1の外部側に向けて軸方向に沿って設けられている。この取付穴34には、連動部35が取り付けられている。この連動部35は、その外径が取付部27の装着溝28の内径よりも小さい棒状に形成されている。また、この連動部35は、腕時計ケース1の外部側に位置する外端部が取付穴34内に螺着され、腕時計ケース1の内部側に位置する内端部が腕時計ケース1内に組み込まれた時計モジュール7に差し込まれるように構成されている。
【0039】
すなわち、連動部35は、図2に示すように、その内端部が時計モジュール7に差し込まれた際に、時計モジュール7の時計ムーブメント(図示せず)に連結され、この状態で操作部材21の回転に伴って軸部23と共に回転して、時計モジュール7の時計ムーブメントを操作することにより、指針10によって指示される時刻などを修正するように構成されている。
【0040】
次に、このような腕時計を組み立てる場合について説明する。
まず、腕時計ケース1の本体ケース2の上部開口部に時計ガラス5を取り付け、この本体ケース2の上部外周に第1外装ケース3を取り付けると共に、この本体ケース2の外周および第1外装ケース3の外周に第2外装ケース4を取り付ける。この状態で、本体ケース2の貫通孔20における外端部の外周に化粧リング22を取り付ける。これにより、腕時計ケース1が組み立てられると共に、時計ガラス5の上面における外周縁が第1外装ケース3および第2外装ケース4によって覆われる。
【0041】
そして、腕時計ケース1の本体ケース2内に、その下側から見切り部材12を時計ガラス5の下面における外周縁に配置すると共に、腕時計ケース1の本体ケース2内に、時計モジュール7を配置する。このときには、予め、時計モジュール7の上面に第1文字板13と第2文字板14とを重ねて配置すると共に、時計モジュール7内の時計ムーブメントにそれぞれ設けられた各針軸(いずれも図示せず)に指針10および機能針11をそれぞれ取り付ける。
【0042】
この状態で、時計モジュール7を腕時計ケース1内に配置する際には、時計モジュール7を腕時計ケース1および見切り部材12に対して位置合わせする。このときには、時計モジュール7に設けられた第1文字板13および第2文字板14を見切り部材12の各時字12aに対応させて位置合わせすると共に、時計モジュール7の外周部を腕時計ケース1に取り付けられるスイッチ装置17および複数の押釦スイッチ18に対応させる。
【0043】
この場合には、操作部材21が腕時計ケース1の貫通孔20に挿入されていないため、見切り部材12、第1文字板13、第2文字板14、および時計モジュール7を腕時計ケース1内に配置する際に、操作部材21が腕時計ケース1内に突出して邪魔をすることがない。このため、見切り部材12、第1文字板13、第2文字板14、および時計モジュール7が操作部材21によって制約を受けることがなく、第1文字板13、第2文字板14、および時計モジュール7を容易にかつ良好に腕時計ケース1内に組み込むことができる。
【0044】
そして、腕時計ケース1にスイッチ装置17の操作部材21および複数の押釦スイッチ18を取り付ける。この場合、スイッチ装置17の操作部材21を腕時計ケース1に取り付ける際には、予め、操作部材21の軸部23における大径部23bの外周に複数の防水リング25を取り付けると共に、軸部23の取付穴34に棒状の連動部35の外端部を螺入させて、軸部23の取付穴34に連動部35をねじ止めによって取り付ける。
【0045】
この状態で、操作部材21の連動部35を腕時計ケース1の貫通孔20にその外部側から挿入させて、操作部材21を腕時計ケース1の貫通孔20に取り付ける。このときには、連動部35が腕時計ケース1の貫通孔20を通過して腕時計ケース1内に突出し、軸部23の小径部23aが貫通孔20の小径孔部20aに挿入し、軸部23の大径部23bが貫通孔20の大径孔部20bに挿入し、頭部24が貫通孔20の外部に突出して配置される。
【0046】
この状態では、軸部23の大径孔部20bに設けられた複数の防水リング25が大径孔部23bの内周面に回転方向に摺動可能な状態で圧接する。また、頭部24は、第2外装ケース4に設けられた一対の保護カバー部4a間に配置された状態で、頭部24の外周面における上下部が上下方向に露出する。また、腕時計ケース1の内部に突出した連動部35は、腕時計ケース1内の時計モジュール7に差し込まれて時計モジュール7内の時計ムーブメント(図示せず)に連結される。
【0047】
このときには、操作部材21の軸部23の内端部に設けられた取付部27が腕時計ケース1内に突出し、この突出した取付部27が腕時計ケース1の内周面と時計モジュール7の外周面との間に配置される。このため、腕時計ケース1の内周面と時計モジュール7の外周面との間に抜止め部材26を挿入させて、操作部材21の取付部27に装着することが可能になる。
【0048】
この状態で、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31の開放側を上に向けて、本体部30の切欠き部31を取付部27の装着溝28に対応させ、この状態で本体部30の切欠き部31を取付部27の装着溝28に挿入させて、本体部30を装着溝28内に回転自在に配置する。
【0049】
そして、取付部27の装着溝28に対する抜止め部材26の本体部30の回転を阻止させた状態で、操作部材21の頭部24を回転させると、これに伴って取付部27が回転することにより、装着溝28内の係止凹部29が回転移動し、この係止凹部29に本体部30の係合凸部32が係合する。これにより、抜止め部材26が操作部材21と一体的に回転する状態になる。
【0050】
この状態では、本体部30の係合凸部32が下部に位置しているので、抜止め部材26がその本体部30の切欠き部31に沿って取付部27の装着溝28から抜け落ちる。これを防ぐために、本体部30の係合凸部32を装着溝28の係止凹部29に係合させた状態で、操作部材21の頭部24を更に回転させる。
【0051】
すると、軸部23と共に抜止め部材26が回転し、装着溝28の係止凹部29と本体部30の係合凸部32とが下部側から上部側に向けて回転移動すると共に、本体部30の切欠き部31の開放側が下側に向けて回転移動する。これにより、抜止め部材26がその本体部30の切欠き部31に沿って取付部27の装着溝28から下側に抜け落ちることがない。
【0052】
この状態で、腕時計ケース1内に押え部材8を下側から挿入して、押え部材8の本体部8aを時計モジュール7の下面に配置すると共に、押え部材8の複数の押え片8bを腕時計ケース1の内周面と時計モジュール7の外周面との間に挿入する。これにより、時計モジュール7が押え部材8によって腕時計ケース1内に固定される。
【0053】
このときには、押え部材8の外周部に設けられた脱落防止部33が腕時計ケース1の内周面と時計モジュール7の外周面との間に挿入されて、脱落防止部33の上端面が抜止め部材26の下部に位置する外周面に当接する。この状態では、操作部材21の頭部24を回転させて、抜止め部材26を軸部23と共に回転させても、抜止め部材26が操作部材21の取付部27から抜け落ちることがない。
【0054】
また、この状態では、抜止め部材26の本体部30の外径が腕時計ケース1の貫通孔20における小径孔部20aの内端部の内径よりも大きいため、抜止め部材26の本体部30の外周部が腕時計ケース1の内周面に当接する。このため、操作部材21が腕時計ケース1の外部に抜け出すことがなく、腕時計ケース1の貫通孔20内に回転可能な状態で取り付けられる。この後、腕時計ケース1の下部に裏蓋6を取り付けることにより、腕時計が組み立てられる。
【0055】
ところで、この腕時計を分解する場合には、腕時計ケース1の下部から裏蓋6を取り外し、腕時計ケース1内から押え部材8を取り出す。このときには、抜止め部材26の下側に配置されていた脱落防止部33が押え部材8と共に腕時計ケース1内から取り出される。このため、抜止め部材26は操作部材21の取付部27から脱落可能な状態になる。この状態で、操作部材21の頭部24を回転させることにより、抜止め部材26を操作部材21の取付部27から取り外すことができる。
【0056】
すなわち、頭部24を回転させて取付部27を回転させ、この取付部27と共に抜止め部材26を回転させることにより、取付部27の装着溝28の係止凹部29を下部側に移動させると共に、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31の開放側を上側に向ける。すると、抜止め部材26の切欠き部31に沿って取付部27の装着溝28が相対的に移動し、本体部30の係合凸部32が装着溝28の係止凹部29から離脱して、抜止め部材26が取付部27から抜け落ちる。
【0057】
これにより、操作部材21の頭部24を腕時計ケース1の外部に引き出すことができる。このときには、操作部材21の連動部35を時計モジュール7内から抜き出しながら、軸部23を腕時計ケース1の貫通孔20内から外部に抜き出す。これにより、時計モジュール7を腕時計ケース1内から取り出すことができる。このため、腕時計を簡単にかつ容易に分解することができる。
【0058】
次に、この腕時計のスイッチ装置17の作用について説明する。
このスイッチ装置17では、操作部材21の頭部24を回転させることにより、指針10などを運針させて時刻修正をすることができる。このときには、操作部材21の頭部24の両側が、腕時計ケース1の第2外装ケース4に設けられた一対の保護カバー部4aによって保護され、頭部24の上下に位置する外周面が上下方向に露出している。このため、頭部24の上下に位置する外周面を指で挟んで回転させる。
【0059】
すると、操作部材21の軸部23が腕時計ケース1の貫通孔20内で回転し、この軸部23の回転に伴って時計モジュール7に差し込まれて時計ムーブメント(図示せず)に連結された連動部35が回転する。これにより、連動部35の回転に応じて時計ムーブメントの針軸(図示せず)などが回転し、指針10などを運針させる。これにより、指針10などによって指示される時刻が修正される。
【0060】
このときには、軸部23と共に抜止め部材26が回転しても、この抜止め部材26の下部に位置する外周面が、押え部材8に設けられた脱落防止部33の上端面に当接していることにより、抜止め部材26が操作部材21の取付部27から抜け落ちることがない。また、このときには、脱落防止部33の上端面における押え部材8の円周方向の長さが抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31の円周方向の長さよりも長く形成されているので、軸部23と共に抜止め部材26を円滑に回転させることできる。
【0061】
すなわち、操作部材21の軸部23と共に抜止め部材26が回転し、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31が脱落防止部33の上端面に当接する際に、切欠き部31の開放側に位置する各端部が、脱落防止部33の上端面の端部に引っ掛かることがないため、抜止め部材26の切欠き部31が下側に移動して脱落防止部33の上端面に到達しても、抜止め部材26の切欠き部31が脱落防止部33の上端面上を円滑に通過する。
【0062】
このように、この腕時計のスイッチ装置17によれば、時計モジュール7が組み込まれ、かつ貫通孔20が設けられた腕時計ケース1と、この腕時計ケース1の貫通孔20に回転自在に挿入され、かつ腕時計ケース1内に突出する取付部27が設けられた軸部23を有する操作部材21と、この操作部材21の取付部27に脱着自在に配置され、かつ操作部材21と一体的に回転すると共に、腕時計ケース1に対する操作部材21の抜け出しを防ぐ抜止め部材26と、取付部27に対する抜止め部材26の脱落を阻止する脱落防止部33と、を備えていることにより、抜止め部材26を簡単に着脱することができ、かつ時計モジュールが制約を受けずに、容易に組立作業および分解作業ができる。
【0063】
すなわち、この腕時計のスイッチ装置17では、腕時計ケース1の貫通孔20に操作部材21を取り付ける前に、予め、腕時計ケース1内に時計モジュール7を組み付けることができ、この状態で腕時計ケース1の貫通孔20に操作部材21の軸部23を挿入して、腕時計ケース1内に突出した軸部23の取付部27に抜止め部材26を脱着自在に配置することができると共に、脱落防止部33によって取付部27に対する抜止め部材26の脱落を阻止できる。
【0064】
これにより、このスイッチ装置17では、抜止め部材26を操作部材21の取付部27に対して簡単にかつ容易に着脱することができるので、腕時計ケース1に操作部材21を抜止め部材26によって簡単にかつ確実に取り付けることができると共に、操作部材21から抜止め部材26を取り外すことができる。これにより、腕時計ケース1から操作部材21を容易に取り外すことができるので、時計モジュール7が制約を受けずに、容易に組立作業および分解作業をすることができる。
【0065】
すなわち、このスイッチ装置17では、腕時計ケース1内に時計モジュール7を組み込んだ状態で、操作部材21の軸部23を腕時計ケース1の貫通孔20に挿入して、軸部23の取付部27に抜止め部材26を配置させるだけで、操作部材21を腕時計ケース1に簡単にかつ容易に取り付けることできるので、時計モジュール7が操作部材21による制約を受けることがなく、容易に組立作業をすることができる。
【0066】
これにより、この腕時計では、時計モジュール7、第1文字板13、第2文字板14、および見切り部材12が操作部材21によって制約を受けことがないので、時計モジュール7、第1文字板13、第2文字板14、および見切り部材12を腕時計ケース1の外形に対して最大限に大きくすることができると共に、時計モジュール7の製作が容易にできるほか、腕時計として、外観的にもデザイン的にも好ましいものを提供することができる。
【0067】
また、このスイッチ装置17では、腕時計ケース1内から脱落防止部33を取り外すだけで、簡単にかつ容易に抜止め部材26を取付部27から脱落させて取り外すことができるので、操作部材21を腕時計ケース1の貫通孔20内から簡単にかつ容易に抜き出して取り外すことができ、これにより腕時計ケース1内から時計モジュール7を簡単にかつ容易に取り出すことができるので、容易にかつ良好に分解することができる。
【0068】
この場合、このスイッチ装置17では、操作部材21の取付部27が、腕時計ケース1の内部側に位置する軸部23の内端部に隣接して設けられた環状の装着溝28と、この装着溝28内に設けられた係止凹部29と、を有し、抜止め部材26が、取付部27の装着溝28に挿脱自在に挿入する切欠き部31が設けられ、かつ腕時計ケース1の貫通孔20の内端部の内径よりも大きいリング状の本体部30と、この本体部30の切欠き部31内に位置する個所に設けられて取付部27の係止凹部29に係脱可能に係合する係合凸部32と、を有していることにより、抜止め部材26を取付部27に対して脱落可能な状態で取り付けることができる。
【0069】
すなわち、このスイッチ装置17では、腕時計ケース1内に時計モジュール7を組み込んだ状態であっても、時計モジュール7の外周面と腕時計ケース1の内周面との間に抜止め部材26を挿入させて、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31の開放側から、本体部30の切欠き部31を取付部27の装着溝28に容易に挿入させることができるので、簡単に抜止め部材26を装着溝28に配置することができ、またこの状態で操作部材21の頭部24を回転させるだけで、本体部30の係合凸部32を装着溝28の係止凹部29に係合させることができる。
【0070】
このため、このスイッチ装置17では、本体部30の係合凸部32を装着溝28の係止凹部29に係合させた状態で、操作部材21の頭部24を更に回転させると、軸部23と共に抜止め部材26が回転し、装着溝28の係止凹部29と本体部30の係合凸部32とを下部側から上部側に向けて回転移動させることができると共に、本体部30の切欠き部31の開放側を下側に向けて回転移動させることができ、これにより抜止め部材26がその本体部30の切欠き部31に沿って取付部27の装着溝28から抜け落ちないように配置することができる。
【0071】
また、このスイッチ装置17では、抜止め部材26を操作部材21の取付部27から取り外す際に、頭部24を回転させて取付部27を回転させ、この取付部27と共に抜止め部材26を回転させることにより、取付部27の装着溝28の係止凹部29を下部側に移動させると共に、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31の開放側を上側に向けることができる。
【0072】
これにより、抜止め部材26の切欠き部31に沿って取付部27の装着溝28を相対的に移動させることができるので、本体部30の係合凸部32を装着溝28の係止凹部29から離脱させて、抜止め部材26を取付部27から脱落させて取り外すことができ、これにより操作部材21の頭部24を腕時計ケース1の外部に引き出すことができるので、腕時計ケース1から操作部材21を容易に取り外すことができる。
【0073】
また、このスイッチ装置17では、脱落防止部33が腕時計ケース1内に配置されて時計モジュール7を腕時計ケース1内に押える押え部材8に設けられていることにより、腕時計ケース1内に押え部材8を配置させ、この押え部材8によって時計モジュール7を腕時計ケース1に固定する際に、押え部材8の脱落防止部33を操作部材21の取付部27に配置された抜止め部材26の下部に配置させることができ、これにより脱落防止部33を備えていても、部品点数が増えることがなく、組立作業および分解作業を容易に行うことができる。
【0074】
この場合、脱落防止部33は、抜止め部材26の外周面に当接する当接面における腕時計ケース1の内周面に沿う円周方向の長さが、抜止め部材26の切欠き部31における円周方向の間隔よりも長く形成されていることにより、操作部材21と共に抜止め部材26が回転し、抜止め部材26の本体部30に設けられた切欠き部31が脱落防止部33の上端面に到達した際に、切欠き部31の開放側に位置する各端部が、脱落防止部33の上端面の端部に引っ掛かるのを防ぐことができ、これにより操作部材21と共に抜止め部材26を円滑に回転させることができる。
【0075】
さらに、このスイッチ装置17では、腕時計ケース1内に組み込まれた時計モジュール7に差し込まれて連結され、操作部材21の回転操作に応じて時計モジュール7を操作する連動部35が操作部材21に取り付けられていることにより、操作部材21の頭部24を回転操作して、連動部35を回転させることができ、これにより時計モジュール7を確実にかつ良好に操作することができる。
【0076】
すなわち、このスイッチ装置17では、操作部材21に連動部35を取り付けた状態で、操作部材21を腕時計ケース1の貫通孔20に挿入する際に、連動部35を時計モジュール7に差し込んで時計モジュール7の時計ムーブメントに連結させることができ、この状態で操作部材21の頭部24を回転操作して、連動部35を回転させると、この連動部35の回転に応じて時計ムーブメントの指針10などを運針させることができるので、簡単にかつ確実に時刻修正ができる。
【0077】
なお、上述した実施形態では、押え部材8に脱落防止部33を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば腕時計ケース1の下部に取り付けられる裏蓋6に設けても良く、また時計モジュール7を腕時計ケース1内に組み付けるための中枠に設けても良い。
【0078】
また、上述した実施形態では、操作部材21に棒状の連動部35を取り付け、この連動部35を時計モジュール7に差し込んで時計ムーブメントに連結するように構成した場合について述べたが、操作部材21は必ずしも連動部35を備えている必要はなく、操作部材21の内端部が時計モジュール7の外周部に設けられたスイッチ部を押圧する押釦スイッチにも適用することができる。
【0079】
さらに、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、必ずしも時計に限らず、例えば携帯電話機、携帯情報端末機などの各種の電子機器に適用することができる。
【0080】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0081】
(付記)
請求項1に記載の発明は、モジュールが組み込まれ、かつ貫通孔が設けられたケースと、このケースの前記貫通孔に回転自在に挿入され、かつ前記ケース内に突出する取付部が設けられた軸部、およびこの軸部の外端部に設けられた頭部を有する操作部材と、この操作部材の前記取付部に脱着自在に配置され、かつ前記操作部材と一体的に回転すると共に、前記ケースの前記貫通孔に対する前記操作部材の抜け出しを防ぐ抜止め部材と、前記取付部に対する前記抜止め部材の脱落を阻止する脱落防止部と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0082】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記操作部材の前記取付部は、前記ケースの内部側に位置する前記軸部の内端部に隣接して設けられた環状の装着溝と、この装着溝内に設けられた係止部と、を有し、前記抜止め部材は、前記取付部の前記装着溝に挿脱自在に挿入する切欠き部が設けられ、かつ前記ケースの前記貫通孔における内端部の内径よりも大きいリング状の本体部と、この本体部の前記切欠き部内に位置する個所に設けられて前記取付部の前記係止部に係脱可能に係合する係合部と、を有していることを特徴とするスイッチ装置である。
【0083】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置において、前記脱落防止部は、前記ケース内に配置され、前記モジュールを前記ケース内に押える押え部材に設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0084】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のスイッチ装置において、前記脱落防止部は、前記抜止め部材の外周面に当接する当接面における円周方向の長さが、前記抜止め部材の前記切欠き部における円周方向の間隔よりも長く形成されていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0085】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記操作部材には、前記ケース内に組み込まれた前記モジュールに差し込まれて連結され、前記操作部材の回転操作に応じて前記モジュールを操作する連動部が取り付けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0086】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載されたスイッチ装置を備えていることを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0087】
1 腕時計ケース
7 時計モジュール
8 押え部材
17 スイッチ装置
20 貫通孔
21 操作部材
23 軸部
24 頭部
26 抜止め部材
27 取付部
28 装着溝
29 係止凹部
30 本体部
31 切欠き部
32 係合凸部
33 脱落防止部
35 連動部
図1
図2
図3
図4
図5