(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(構成)
第1の発明は、四辺形の外周を有する蓋体と、前記蓋体の外周に対応する四辺形の外周を有する開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体とで構成された四辺形の外周を有する容器を、前記容器の外周の四辺形の整数倍の大きさの四辺形の外周を有する底板と、前記底板の外周の四辺上に設けられた四枚の側壁とで構成された梱包箱に詰める箱詰め装置であって、前記蓋体が上となり、前記本体が下となる状態で水平に所定数並んだ前記容器のそれぞれの外周の少なくとも一辺を、隣接する他の容器の外周の一辺に接触させて保持し、保持した所定数の前記容器を前記梱包箱の上方から、該梱包箱に一括して詰める保持部を備え、前記保持部は、前記梱包箱を構成する四枚の前記側壁のうち、前記底板の所定方向に対向する二辺上に設けられた一対の前記側壁と接触する前記容器の外周の一辺が、該一辺と対向する前記容器の外周の他の一辺よりも低くなるように傾けた状態で前記容器を保持する、箱詰め装置である。
【0017】
(作用)
第1の発明に係る箱詰め装置は、所定数並んだ容器を一括して梱包箱に詰める際に、梱包箱の側壁と接触する容器の外周の一辺を、該一辺と対向する容器の他の外周の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器を保持することで、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。
【0018】
(効果)
第1の発明によれば、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱に対して円滑に箱詰めが行える。
【0019】
(構成)
第2の発明は、特に第1の発明において、前記容器が、前記蓋体の外周の辺と、前記本体の前記開口部の外周の辺とが連結または綴じられていない開放辺を有し、前記開放辺が、前記底板の所定方向に対向する二辺上に設けられた一対の前記側壁と接触する前記容器の外周の一辺である、箱詰め装置である。
【0020】
(作用)
第2の発明に係る箱詰め装置は、保持部が、蓋体の外周の辺と、本体の開口部の外周の辺とが連結または綴じられていない開放辺を有する容器を保持する時に、梱包箱の側壁と接触する開放辺が、該開放片と対向する容器の外周の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器を保持して梱包箱に詰めるため、容器の開放辺と梱包箱の側壁とが接触しても、蓋体が開く方向に強い力を受けにくい。
【0021】
(効果)
第2の発明によれば、外部から力を受けると変形しやすい容器の開放辺と、梱包箱の側壁とが接触しても、蓋体が開く方向に力を受けにくいので、容器が大きく変形せず、円滑に箱詰めが行える。
【0022】
(構成)
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記蓋体が、吸盤によって吸着可能な上面を有し、前記保持部は、前記蓋体を吸着する複数の吸盤が設けられた吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドに設けられた複数の前記吸盤のうち、一部の前記吸盤が前記蓋体の一部を吸着した状態の高さとは異なる高さで、他の一部の前記吸盤が前記蓋体の他の一部を吸着した状態となるように、前記吸盤が前記蓋体を吸着した状態の高さを調整する高さ調整部とを有する、箱詰め装置である。
【0023】
(作用)
第3の発明に係る箱詰め装置は、保持部が、蓋体を吸着する吸盤が設けられた吸着ヘッドを有し、前記吸着ヘッドの一部の吸盤が、他の部分の吸盤と異なる高さで蓋体を吸着するため、容器を傾けて保持するための機構を別途備えなくとも容器を傾けて保持することができる。
【0024】
(効果)
第3の発明によれば、保持部が、水平に所定数並んだ容器の姿勢を傾けるための機構を別途備える必要がないため、機構の簡素化によって故障率の低減を図ることができ、円滑に箱詰めが行える。
【0025】
(構成)
第4の発明は、蓋体と、開口部から底面にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体とで構成された所定数の容器を一括して梱包箱に詰める箱詰め装置であって、隣り合う容器同士を接触させながら保持し、保持した容器を梱包箱に詰める保持部を備え、前記保持部は、容器の外周のうち、梱包箱の側壁と接触する部分を水平より下方に傾けた状態で容器を保持する、箱詰め装置である。
【0026】
(作用)
第4の発明に係る箱詰め装置は、所定数の容器を梱包箱に詰める際に、容器の外周のうち、梱包箱の側壁と接触する部分を水平より下方へ傾けた状態で容器を保持することで、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。
【0027】
(効果)
第4の発明によれば、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱に対して円滑に箱詰めが行える。
【0028】
(構成)
第5の発明は、特に第4の発明において、容器の外周が、蓋体と前記開口部とが連結または綴じられていない開放部分を有し、前記開放部分は、梱包箱の側壁と接触する部分である、箱詰め装置である。
【0029】
(作用)
第5の発明に係る箱詰め装置は、保持部が、蓋体と、本体の開口部とが連結または綴じられていない開放部分を有する容器を保持する時に、梱包箱の側壁と接触する開放部分を水平よりも下方に傾けた状態で容器を保持して梱包箱に詰めるため、容器の開放部分と梱包箱の側壁とが接触しても、蓋体が開く方向に強い力を受けにくい。
【0030】
(効果)
第5の発明によれば、外部から力を受けると変形しやすい容器の開放部分と、梱包箱の側壁とが接触しても、蓋体が開く方向に力を受けにくいので、容器が大きく変形せず、円滑に箱詰めが行える。
【0031】
(構成)
第6の発明は、特に第4または第5の発明において、容器を構成する蓋体は、吸盤によって吸着可能な部分を有し、前記保持部は、蓋体を吸着して保持する吸盤が設けられた吸着ヘッドを有し、前記吸着ヘッドの一部の吸盤は、他の部分の吸盤とは異なる高さで蓋体を保持することで容器を傾けた状態にする、箱詰め装置である。
【0032】
(作用)
第6の発明に係る箱詰め装置は、保持部が、蓋体を吸着して保持する吸盤が設けられた吸着ヘッドを有し、前記吸着ヘッドの一部の吸盤が、他の部分の吸盤と異なる高さで蓋体を保持するため、保持部に容器を傾けて保持するための機構を別途備えなくとも容器を傾けた状態にすることができる。
【0033】
(効果)
第6の発明によれば、保持部が、容器の姿勢を傾けるための機構を別途備える必要がないため、機構の簡素化によって故障率の低減を図ることができ、円滑に箱詰めが行える。
【0034】
(構成)
第7の発明は、四辺形の外周を有する蓋体と、前記蓋体の外周に対応する四辺形の外周を有する開口部から底部にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体とで構成された四辺形の外周を有する容器を、前記容器の四辺形の外周より大きな四辺形の外周を有する底板と、前記底板の外周の四辺上に設けられた四枚の側壁とで構成された梱包箱に詰める箱詰め方法であって、前記蓋体が上となり、前記本体が下となる状態で水平に所定数並んだ前記容器のそれぞれの外周の少なくとも一辺を、隣接する他の容器の外周の一辺に接触させて保持するステップと、保持した所定数の前記容器を前記梱包箱の上方から、該梱包箱に一括して詰めるステップとを備え、前記保持するステップは、前記梱包箱を構成する四枚の前記側壁のうち、前記底板の所定方向に対向する二辺上に設けられた一対の前記側壁と接触する前記容器の外周の一辺が、該一辺と対向する前記容器の外周の他の一辺よりも低くなるように傾けた状態で前記容器を保持するステップを含む、箱詰め方法である。
【0035】
(作用)
第7の発明に係る箱詰め方法は、所定数並んだ容器を一括して梱包箱に詰める際に、梱包箱の側壁と接触する容器の外周の一辺が、該一辺と対向する容器の他の外周の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器を保持することで、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。
【0036】
(効果)
第7の発明によれば、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱に対して円滑に箱詰めが行える。
【0037】
(構成)
第8の発明は、蓋体と、開口部から底面にかけて内向きに傾斜する周壁を含む本体とで構成された所定数の容器を一括して梱包箱に詰める箱詰め方法であって、隣り合う容器同士を接触させながら保持するステップと、保持した容器を梱包箱に詰めるステップとを備え、前記保持するステップは、容器の外周のうち、梱包箱の側壁と接触する部分を水平より下方に傾けた状態で容器を保持するステップを含む、箱詰め方法である。
【0038】
(作用)
第8の発明に係る箱詰め方法は、所定数の容器を梱包箱に詰める際に、容器の外周のうち、梱包箱の側壁と接触する部分を水平より下方へ傾けた状態で容器を保持することで、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。
【0039】
(効果)
第8の発明によれば、所定数並んだ容器の幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱に対して円滑に箱詰めが行える。
【0040】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置の構成について、
図1から
図5を参照して説明する。
図1および
図1のA−A線断面図である
図2に示すように、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、容器Pを容器搬送方向60へ搬送する容器搬送部2と、容器搬送部2の終端部分3で容器Pを移送方向61へ移送する移送部6と、所定数の容器Pを吸盤18で吸着して保持し、梱包箱S1に詰める保持部16と、梱包箱S1を梱包箱搬送方向62へ搬送する梱包箱搬送部20とを備える。
【0041】
本実施の形態に係る箱詰め装置1が箱詰めを行う容器および梱包箱の例として、
図7に示す、卵Eを収容する容器Pおよび、
図8に示す梱包箱S1がある。
【0042】
本実施の形態に係る容器Pは、
図7(a)に示すように、合成樹脂製の本体31と蓋体32とからなる。容器Pは、卵Eを収容した後に本体31と蓋体32がテープ39などによって綴じられて
図7(b)の状態になる。容器Pが綴じられた後、蓋体32の上面にはラベル40が吸盤18によって吸着可能な部分となるように貼付され、
図7(c)の状態で梱包箱S1に詰められて出荷される。
【0043】
容器Pの本体31は、卵Eを収容する部分に卵Eの形状に沿った10箇所の凹部が形成されており、1箇所の凹部に1個の卵Eを収容できる。容器Pは、四辺形の外周42を有する蓋体32と、蓋体32の外周42に対応する四辺形の外周42を有する開口部33aから底部34にかけて内向きに傾斜する周壁36aを含む本体31とで構成された四辺形の外周42を有している。本体31の外周42の一辺はフランジ37aとなっている。
【0044】
また、蓋体32は、頂部35と、開口部33bから頂部35にかけて内向きに傾斜する周壁36bと、フランジ37bによって構成されており、本体31と蓋体32とは、それぞれの外周42の一辺である連結部分38で連結され、フランジ37の部分でテープ39によって綴じられている。一方、連結部分38およびフランジ37の部分とは別の外周42の一辺である開放辺41は連結されておらず、また、綴じられてもいない。すなわち、容器Pは、蓋体32の外周42の辺と、本体31の開口部33aの外周42の辺とが連結または綴じられていない開放部分である開放辺41を有し、開放辺41が、底板53の所定方向である短手幅51の方向に対向する二辺上に設けられた一対の側壁50と接触する容器Pの外周42の一辺となっている。なお、
図1〜5に記載されている容器Pは形状を簡略化して記載している。
【0045】
本実施の形態に係る容器Pは、物品として10個の卵Eを収容しているが、これに限らず、8個や、6個など様々な個数に対応した容器であってよい。また、容器の材質も合成樹脂に限らず、たとえば、紙製であってもよい。さらに、収容する物品も卵に限らず、農畜産物や工業製品等を収容する容器であってもよい。
【0046】
本実施の形態に係る梱包箱S1は、
図8(a)に示すように、容器Pを市場に流通させるために、輸送および管理を容易にすべく、所定数の容器Pを梱包箱S1の内部に不要のスペースが生じない効率のよい配置で詰めることができるように側壁50の短手幅51および長手幅52が規定された合成樹脂製コンテナである。
図8(b)に示すように、本実施の形態に係る梱包箱S1は、容器Pの外周42の四辺形の整数倍である12倍の大きさの四辺形の外周を有する底板53と、底板53の外周の四辺上に設けられた四枚の側壁50とで構成されている。短手幅51の方向には、2個の容器Pをそれぞれの外周42の一辺である開放辺41が接触する状態で詰めることができ、また、長手幅52の方向に6個の容器Pをそれぞれの外周42の一辺である連結部分38またはフランジ37部分が接触する状態で詰めることができる。したがって、梱包箱S1は12個の容器Pを隙間なく詰めることができる。なお、容器Pの外周42の四辺形の整数倍とは、完全に整数倍である構成に限定されるものではなく、本実施の形態に係る箱詰め装置1の作用効果が生じる程度に略整数倍である構成が含まれる。
【0047】
本実施の形態に係る梱包箱S1は、容器Pを12個詰められるように短手幅51と長手幅52が規定されているが、これに限らず、容器の大きさや数量に合わせて様々な幅の梱包箱であってもよい。また、梱包箱S1の側壁50を高くして、2段以上容器Pを積み上げるようにしてもよいし、合成樹脂製のコンテナに限らず、段ボール箱等であってもよい。
【0048】
次に、容器搬送部2について説明する。
図1に示すように、容器搬送部2は、卵Eを収容して綴じた後の容器Pを容器搬送方向60へ搬送するベルトコンベアである。容器搬送部2には容器Pを容器搬送部2の終端部分3の手前で停留させるための可動ストッパ4aが設けられている。
図1に示すように、容器搬送部2の終端部分3に2個の容器P1が搬送されると、可動ストッパ4aが作動して容器P2を容器搬送部2の終端部分3の手前で止め、容器搬送方向60の上流側に存在する容器P2,P3,P4,・・・を停留させる。また、容器搬送部2の終端部分3には、容器Pを終端部分3で停止させるための固定ストッパ5aが設けられている。
【0049】
次に、移送部6について説明する。移送部6は、容器搬送部2の終端部分3に隣接して設けられている。
図2に示すように、移送部6は、可動台11に設けられている集成場所12へ向けて容器Pを移送する移送装置である。移送部6は、容器Pを押して移送するための押圧部材7を有しており、押圧部材7は、電動アクチュエータ9によって移送方向61に動くことで、容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押して移送する。なお、本実施の形態では、電動アクチュエータ9が押圧部材7を動かしているが、これに限らず、同様の機能を有していれば、エアシリンダなどの他の駆動装置を用いてもよい。
【0050】
可動台11は、水平に移動して退避するための駆動装置(図示せず)が設けられており、
図4(a),(b)に示すように、保持部16が容器P1〜6を梱包箱S1へ詰める時に、可動台11が保持部16と干渉しないように退避することができる。この時、可動台11は
図1および
図2において二点鎖線で示す位置まで退避している。また、可動台11には集成場所12が設けられており、移送部6は、容器P1〜6を可動台11上の集成場所12へ移送する。
【0051】
容器搬送部2の終端部分3と、可動台11との間には、移送部6によって押し出された容器Pの待機場所である固定台10が設けられている。可動台11と固定台10とは、容器Pを滑らせて移送することができるように隣接して設けられている。また、固定台10は、容器搬送部2の終端部分3にも隣接する位置に設けられている。なお、可動台11および固定台10は容器搬送部2の終端部分3とほぼ同じ高さで設けられているが、容器Pを円滑に移送するため、終端部分3より固定台10がわずかに低くなるように設けられ、固定台10より可動台11がわずかに低くなるように設けられている。
【0052】
移送部6は、
図1に示すように、容器搬送部2によって搬送されてくる容器Pを終端部分3から2個ずつ押し出して固定台10上に移送するように構成されている。また、
図3(a),(b)に示すように、移送部6は容器P1を固定台10上に押し出した後、容器P2を固定台10上に押し出す。この時、移送部6は容器P2を押すことで、固定台10上に先に押し出されている容器P1を固定台10から可動台11上へ押して移送する。
【0053】
移送部6は、
図3(c)に示すように、固定台10および可動台11上に容器P1〜5が押し出される間は固定台10上までしか容器Pを押し出さないが、容器P6を押し出す時は、
図3(d)に示すように、可動台11上に設けられている集成場所12まで容器P6を押して移送する。このように、移送部6が移送方向61の前後に並んだ容器P1〜6のそれぞれの周壁36(
図7に示す容器Pの構成を参照)を対向させて移送し、容器P1〜6のうち、最後に並んだ容器P6を構成する蓋体32の周壁36bを押すことで、容器Pを押さえる方向に力が加わり、移送する容器P6の浮き上がりを防いで、集成場所12に正確に移送することができる。
【0054】
次に、幅規制部13について説明する。幅規制部13は、
図1に示すように、容器Pの移送方向61と直交する方向の両側に設けられた規制部材15で構成されている。規制部材15は、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制している。本実施の形態に係る規制部材15は板状の部材であるが、これに限らず、移送方向61と直交する方向への容器Pの動きを規制することができる形状の部材であればよい。また、規制部材15の素材としては金属に限らず樹脂等で構成された部材を用いてもよい。なお、規制部材15は摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。
【0055】
本実施の形態において、規制部材15は可動台11の上に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。また、一対の規制部材15が固定されている幅は、
図8に示す梱包箱S1の短手幅51よりもわずかに狭くなっている。このようにすることで、移送方向61と直交する方向に並んだ容器Pを密着させることができ、所定数の容器Pを可動台11の中央に寄せた状態で集成場所12に整列させることができる。
【0056】
また、規制部材15は、
図1に示すように固定台10の近傍で外向きに湾曲している。このような形状にすることで、移送部6が容器Pを固定台10から可動台11へ移送する時に、容器Pが規制部材15の端部に接触するおそれがなくなる。
【0057】
次に、浮き上がり規制部14について説明する。浮き上がり規制部14は、
図2に示すように、可動台11上に設けられた集成場所12の上方に設けられ、移送部6が移送する容器Pが可動台11から浮き上がることを規制している。本実施の形態に係る浮き上がり規制部14は、規制部材15と同様に摩擦係数の低い素材で構成されることが好ましい。また、浮き上がり規制部14は、規制部材15を介して可動台11に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。
【0058】
また、浮き上がり規制部14は、固定台10の近傍で上向きに湾曲している。このような形状にすることで、移送部6が容器Pを固定台10から可動台11へ移送する時に、容器Pが浮き上がり規制部14の端部に接触するおそれがなくなる。なお、浮き上がり規制部14は、板状の部材で構成されているが、これに限らず、可動台11上から容器Pが浮き上がることを規制することができればよいので、たとえば、ローラー状の部材やブラシ状の部材であってもよい。
【0059】
さらに、可動台11には固定ストッパ5bが設けられており、固定ストッパ5bは、移送部6によって移送されてきた容器Pを可動台11上から落ちないように止める位置に固定されている。また、固定ストッパ5bは、可動台11に固定されており、
図4に示すように、可動台11が退避する時には可動台11とともに退避する。なお、
図5(a)では、固定ストッパ5bの記載を省略している。
【0060】
次に、
図2、
図4および
図4のB−B線断面図である
図5を参照して、保持部16について説明する。なお、
図4(a),(b),(c)は、それぞれ
図5(a),(b),(c)に対応している。保持部16は、蓋体32が上となり、本体31が下となる状態で水平に所定数である12個並んだ容器Pのそれぞれの外周42の少なくとも一辺を、隣接する他の容器Pの外周42の一辺に接触させ、すなわち、隣り合う容器P同士を接触させながら保持し、保持した12個の容器Pを梱包箱S1の上方から、梱包箱S1に一括して詰めるように構成されている。
【0061】
保持部16は、
図5(b)に示すように、梱包箱S1を構成する四枚の側壁50のうち、底板53の所定方向である短手幅51の方向に対向する二辺上に設けられた一対の側壁50と接触する容器Pの開放部分である外周42の一辺の開放辺41が、該一辺と対向する容器Pの外周42の他の一辺である開放辺41よりも低くなるように傾けた状態、すなわち、容器Pの外周のうち、梱包箱S1の側壁50と接触する部分を水平より下方に傾けた状態で容器Pを保持する。なお、
図5では容器P6のみ記載されているが、容器P6の紙面に対して垂直下側に容器P1〜5が同じ傾きで保持されている。
【0062】
なお、
図7(c)に示すように、本実施の形態に係る容器Pの蓋体32には、頂部35にラベル40が貼着されており、ラベル40を貼着することにより、吸盤によって吸着可能な上面となっている。なお、蓋体32の頂部35が吸盤によって吸着可能な構造となっていれば、ラベル40を貼着する必要はない。
【0063】
保持部16は、蓋体32を吸着する複数の吸盤18が設けられた吸着ヘッド17を有しており、吸着ヘッド17は、1個の容器Pに対して吸着ヘッド17に6個取り付けられた吸盤18によって容器P1〜6を吸着して保持し、下方に設けられた梱包箱搬送部20によって搬送されてきた梱包箱S1に容器P1〜6を一括して詰める。なお、
図1では保持部16の記載を省略しているが、実際には、
図2に示すように集成場所12の上方に設けられている。本実施の形態に係る保持部16は、吸盤18によって容器Pを吸着することで容器Pを保持しているが、これに限らず、移送部6が集成場所12まで移送した所定数の容器Pを保持して、梱包箱S1に詰めることができればよいので、たとえば、容器を掴んで保持する把持機構であってもよい。
【0064】
吸着ヘッド17に設けられた複数の吸盤18のうち、一部の吸盤18は、蓋体32の一部を吸着した状態の高さとは異なる高さで、他の一部の吸盤18が蓋体32の他の一部を吸着した状態となるように、吸盤18が蓋体32を吸着した状態の高さを調整する高さ調整部24が設けられている。本実施の形態に係る高さ調整部24は、容器Pの蓋体32を吸着する6個の吸盤18のうち、梱包箱S1の側壁50と接触する側の二個の吸盤18に設けられた高さ調整部24aと、容器Pの中央部分を吸着する二個の吸盤18に設けられている高さ調整部24bが含まれる。
【0065】
図5に示すように、本実施の形態では、大きさや形状が同じである吸盤18が容器Pを吸着した状態の高さが異なるように、高さ調整部24a,bが構成されている。これにより、吸盤18は、容器Pを傾けた状態で吸着して保持する。なお、容器Pの中央部分を吸着する二個の吸盤18に高さ調整部24bを設けなくとも、梱包箱S1の側壁50と接触する側の二個の吸盤18に調整部24aを設ければ、容器Pを傾けて保持することができる。また、高さ調整部24は、容器Pを傾ける角度を変更するためにそれぞれの吸盤18ごとに任意に取り付け・取り外しが可能になっている。
【0066】
このように、それぞれの吸盤18ごとに任意に取り付け・取り外し可能な高さ調整部24を有することにより、たとえば、容器Pを傾ける角度を調整したい場合や、本実施の形態に係る保持部16のように、梱包箱S1の短手幅51の方向に対向する側壁50と接触する側を水平より下方へ傾けるのではなく、梱包箱S1の長手幅52の方向に対向する側壁50と接触する側を水平より下方へ傾けたい場合は、高さ調整部24を取り付ける吸盤18の位置を変えることができる。
【0067】
また、本実施の形態では高さ調整部24a,bを設けているが、高さ調整部24を設ける代わりに、大きさや形状が異なる吸盤を吸着ヘッド17に取り付けることで容器Pを傾けた状態で吸着して保持するようにしてもよい。この場合は、大きさや形状が異なる吸盤自体が本実施の形態に係る吸盤18と、高さ調整部24の構成を含むことになる。
【0068】
さらに、容器Pを傾けたい角度に合わせて吸着ヘッド17に高さを調整するための板を設け、高さ調整部としてもよいし、
図5(a)に示すように、浮き上がり規制部14が容器Pの端を押さえることで容器Pが傾けられるようにしてもよい。なお、浮き上がり規制部14を高さ調整部として利用する場合、浮き上がり規制部14は規制部材15を介して可動台11に固定せず、吸着ヘッド17に固定すればよい。
【0069】
高さ調整部はこれらの構成に限定されるものではなく、たとえば、吸着ヘッド17に容器Pの姿勢を傾けて保持するための機構等を別途備えてもよいが、吸盤18を用いることで、機構を簡素化して故障率の低減を図ることができる。さらに、高さを調整する板などを用いる場合は、複数の吸盤18によって容器Pを吸着するのでなく、容器Pの蓋体32の形状または大きさに合わせた吸盤一つで吸着するようにしてもよい。
【0070】
浮き上がり規制部14を高さ調整部24の代わりに用いる場合、浮き上がり規制部14が下降する時に固定台10と干渉しないように、可動台11または浮き上がり規制部14の構造を適宜変更する必要がある。たとえば、固定台10を浮き上がり規制部14と干渉しない形状に変えたり、浮き上がり規制部14を可動台11上と、固定台10上とで分割し、可動台11上の浮き上がり規制部14のみ吸着ヘッド17取り付け、固定台10上の規制部材15は他の部材を介して固定台10に固定したりするなどの構造の変更が考えられる。
【0071】
保持部16には、吸着ヘッド17を上下させるためのアーム19が設けられており、アーム19は、アーム19を駆動することで吸着ヘッド17を上下に動かすための駆動装置(図示せず)に取り付けられている。
【0072】
本実施の形態において、浮き上がり規制部14は、移送部6によって移送される容器P1〜6の浮き上がりを規制するために集成場所12の全体を覆うのではなく、保持部16が容器P1〜6を吸着して保持することを妨げない位置、すなわち、幅規制部13の近傍で、容器P1〜6が集成場所12から浮き上がることを規制している。これにより、浮き上がり規制部14が容器P1〜6の浮き上がりを規制した状態のまま、保持部16が容器P1〜6を保持することができるように構成されている。
【0073】
また、本実施の形態に係る浮き上がり規制部14は、可動台11が退避する時に、保持部16と接触しない位置に設けられている。このようにすることで、
図4(a),(b)に示すように、保持部16が容器P1〜6を保持した状態のまま、浮き上がり規制部14が可動台11とともに集成場所12から退避することができる。
【0074】
次に、梱包箱搬送部20について説明する。梱包箱搬送部20は、
図1に示すように梱包箱S1を梱包箱搬送部20に設けられたローラー軸22を軸として回転するローラー21の回転によって梱包箱搬送方向62へ搬送する駆動ローラーコンベアである。梱包箱搬送部20には、梱包箱S1を集成場所12の下方で、梱包箱S1に所定数の容器Pが詰められるまで停止させるための可動ストッパ4cと、集成場所12の下方に梱包箱S1が停止している時に梱包箱S1を梱包箱搬送方向62の上流側で停留させるための可動ストッパ4bが設けられている。
【0075】
図2に示すように、梱包箱搬送部20上には箱詰めガイド23が設けられている。箱詰めガイド23は、保持部16が所定数の容器Pを一括して梱包箱S1に充填する時に、容器Pを梱包箱S1の中央へ案内するためのガイドである。箱詰めガイド23を設けることにより、所定数の容器Pを梱包箱S1の中央へ案内することができるだけなく、隣り合う容器P同士を密着させる効果が生じる。これにより、所定数の容器Pをさらに円滑に梱包箱S1へ詰めることができる。また、本実施の形態に係る保持部16は容器Pを傾けて保持するため、水平状態で容器Pを保持する場合に比べ、箱詰めガイド23によって容器Pを密着させた時の容器P同士の水平方向への反発力を弱められる。なお、
図2以外の図では、箱詰めガイド23の記載を省略している。
【0076】
また、幅規制部13の規制部材15を可動台11に固定せず、吸着ヘッド17に設けることで、
図5(a)に示すように、幅規制部13の規制部材15が容器P同士を密着させた状態のまま、梱包箱S1へ詰めるようにしてもよい。なお、幅規制部材15を箱詰めガイド23の代わりに利用する場合、規制部材15が下降する時に固定台10と干渉しないように、可動台11または規制部材15の構造を適宜変更する必要がある。たとえば、固定台10を規制部材15と干渉しない形状に変えたり、規制部材15を可動台11上と、固定台10上とで分割し、可動台11上の規制部材15のみ吸着ヘッド17取り付け、固定台10上の規制部材15は固定台10に固定したりするなどの構造の変更が考えられる。さらに、規制部材15の吸着ヘッド17への取り付けも、梱包箱S1の側壁50と干渉しないように可動機構を備えるなどの構造の変更が考えられる。
【0077】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置1が、容器Pを集成場所12まで移送する時の動作について、
図1および
図3を参照して説明する。
【0078】
図1に示すように、容器Pは、容器搬送方向60の上流から容器搬送部2によって搬送され、容器搬送部2の終端部分3に到達する。終端部分3に2個の容器P1が搬送されると、容器搬送部2に設けられている可動ストッパ4aが作動することで容器P2が止められ、容器搬送方向60の上流側に存在する複数の容器Pは容器搬送部2上に停留する。
【0079】
容器搬送部2の終端部分3に搬送された2個の容器P1は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、固定台10上で待機する。押圧部材7は、固定台10上に容器P1を押し出すと、容器搬送部2上に戻る。押圧部材7が容器搬送部2上に戻ると、可動ストッパ4aが作動して、停留させられていた容器P2は、容器搬送部2の終端部分3に送られる。
図3(a)は最初に固定台10上に押し出され、固定台10上で待機する容器P1と、容器搬送部2の終端部分3に搬送されてきた容器P2を示している。
【0080】
その後、容器P2は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、押し出された容器P2は固定台10上で待機する。固定台10上で待機していた容器P1は、移送部6の押圧部材7によって押し出されてきた容器P2によって押され、可動台11上に押し出される。
図3(b)は、容器P2が固定台10上に押し出され、固定台10上で待機していた容器P1が可動台11上に押し出された状態を示している。
【0081】
上記の移送部6の動作は、移送部6の押圧部材7によって可動台11および固定台10の上に容器P1〜5が押し出されるまで繰り返される。
図3(c)は、固定台10および可動台11上に容器P1〜5が押し出された後に、容器搬送方向60の上流から容器搬送部2によって搬送されてきた容器P6を示している。
【0082】
容器P6が容器搬送部2の終端部分3に到達すると、移送部6の押圧部材7によって、
図3(d)に示す位置まで容器P6が押される。この時、押圧部材7によって押される容器P6が、さらに容器P1〜5押すことで、容器P1〜6は可動台11上を滑りながら、集成場所12まで移送される。
【0083】
また、移送される容器Pは、移送方向61と直交する方向の両側に設けられた規制部材15によって、移送方向と直交する方向への容器Pの動きを規制され、さらに、浮き上がり規制部14によって、容器Pは可動台11から浮き上がることを規制される。
【0084】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る箱詰め装置1が、集成場所12に移送された容器P1〜6を梱包箱S1に詰める動作について、
図4、
図5を参照して説明する。
【0085】
容器P1〜6は、可動台11上に設けられた集成場所12まで移送されると、
図4(a)、
図5(a)に示すように、吸着ヘッド17に取り付けられた複数の吸盤18によって吸着されることで、保持部16に一括して保持される。なお、
図4(a)は、保持部16が容器P1〜6を一括して保持した時に、容器P6に接触していた押圧部材7が容器P6から離れた後の状態を示している。
【0086】
この時、容器Pは、蓋体32が上となり、本体31が下となる状態で水平に所定数である12個並んだ容器Pのそれぞれの外周42の少なくとも一辺を、隣接する他の容器Pの外周42の一辺に接触させた状態、すなわち、隣り合う容器P同士が接触しながら保持される(ステップ1)。
【0087】
また、
図5(a)に示すように、容器Pは、幅規制部13の規制部材15によって幅が規制され、さらに、浮き上がり規制部14によって、容器Pが集成場所12から浮き上がらないように規制された状態で保持部16に保持されている。この時、容器Pは高さ調整部24a,bによって、梱包箱S1を構成する四枚の側壁50のうち、底板53の所定方向である短手幅51の方向に対向する二辺上に設けられた一対の側壁50と接触する容器Pの外周42の一辺が、該一辺と対向する容器Pの外周42の他の一辺よりも低くなるように傾けた状態で保持される(ステップ2)。
【0088】
複数の吸盤18によって容器P1〜6が吸着された状態で、可動台11は
図4(a)示す初期位置から矢印方向へ水平に移動して退避する。
図4(b)、
図5(b)は、可動台11が退避した後の状態を示している。可動台11が退避することによって、浮き上がり規制部14も可動台11と一緒に退避するが、容器Pの傾きは高さ調整部24a,bによって保たれるため、浮き上がり規制部14が接触していた時と同じ角度で傾いている。なお、
図5(b)において、退避した後の可動台11等は記載を省略している。
【0089】
可動台11の退避が完了すると吸着ヘッド17は矢印で示す方向へ下降し、容器P1〜6は、梱包箱搬送部20上で停止している梱包箱S1の上方から、梱包箱S1に一括して詰められる(ステップ3)。この時、容器搬送部2の終端部分3には次に集成場所12に移送される最初の容器である容器P7(
図3(a)の容器P1に対応)が、容器搬送部2によって搬送されている。
【0090】
図4(c)、
図5(c)は、吸着ヘッド17が下降し、容器P1〜6が梱包箱S1に詰められている状態を示している。この時、容器搬送部2の終端部分3に搬送されていた容器P7は、移送部6の押圧部材7によって固定台10上に押し出され、固定台10上で待機している。
【0091】
容器P1〜6が梱包箱S1に詰められると、吸着ヘッド17は
図4(a)、
図5(a)に示す初期位置まで上昇する。吸着ヘッド17が初期位置まで上昇すると、可動台11は水平にスライドして、初期位置まで戻ることで、梱包箱S1への箱詰め動作が完了する。
【0092】
梱包箱S1に容器P1〜6が詰められると、可動ストッパ4cが梱包箱S1を停止させている位置から下降して停止を解き、梱包箱S1は、
図1に示す梱包箱搬送方向62へと梱包箱搬送部20によって搬送される。同時に、梱包箱搬送方向62の上流側に設けられている可動ストッパ4bが停留させている梱包箱S1の停留を解き、上流側で停留させられていた梱包箱S1は梱包箱搬送方向62へと梱包箱搬送部20によって搬送され、可動ストッパ4cによって可動台11の下方で停止させられる。
【0093】
以後、本実施の形態に係る箱詰め装置1によって、容器Pを移送するときの動作と、移送された容器Pを梱包箱S1に詰める動作が繰り返されることで、容器搬送部2によって容器搬送方向60の上流から搬送されてくる複数の容器Pは、所定数である12個ずつ円滑に梱包箱S1へと箱詰めされて出荷される。
【0094】
このように、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、所定数並んだ容器Pを一括して梱包箱S1に詰める際に、梱包箱S1の側壁50と接触する容器Pの外周42の一辺を、該一辺と対向する容器Pの他の外周42の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器Pを保持することで、所定数並んだ容器Pの幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。したがって、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、所定数並んだ容器Pの幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱S1に対して円滑に箱詰めが行える。
【0095】
また、蓋体32の外周42の辺と、本体31の開口部33の外周42の辺とが連結または綴じられていない開放部分である開放辺41を有する容器Pは、梱包箱S1の側壁50と接触して蓋体32が開く方向に強い力を受けると変形しやすいが、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、保持部16が容器Pを保持する時に、梱包箱S1の側壁50と接触する開放辺41が、該開放辺41と対向する容器Pの外周42の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器Pを保持して梱包箱S1に詰めるため、容器Pの開放辺41と梱包箱S1の側壁50とが接触しても、蓋体32が開く方向に強い力を受けにくい。したがって、本実施の形態に係る箱詰め装置1は、外部から力を受けると変形しやすい容器Pの開放辺41と、梱包箱S1の側壁50とが接触しても、蓋体32が開く方向に力を受けにくいので、容器Pが大きく変形せず、円滑に箱詰めが行える。
【0096】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る箱詰め装置の構成について、
図6を参照して説明する。なお、本発明の第1の実施の形態と共通する構成および、第1の実施の形態と相違するものの、容器の向きに対して最適化させた寸法などの構成等は
図1〜5を参照しつつ説明を省略する。
【0097】
本実施の形態に係る箱詰め装置101が箱詰めを行う容器および梱包箱の例として、
図7に示す、卵Eを収容する容器Pおよび、
図9に示す梱包箱S2がある。容器Pは第1の実施の形態で説明した容器Pと同一であるため、説明を省略する。なお、
図6に記載されている容器Pは形状を簡略化して記載している。
【0098】
本実施の形態に係る梱包箱S2は、
図9(a)に示すように、容器Pを市場に流通させるために、輸送および管理を容易にすべく、所定数の容器Pを梱包箱S2の内部に不要のスペースが生じない効率のよい配置で詰めることができるように側壁50の短手幅151および長手幅152が規定された合成樹脂製コンテナである。
図9(b)に示すように、本実施の形態に係る梱包箱S2は、容器Pの外周42の四辺形の整数倍である12倍の大きさの四辺形の外周を有する底板153と、底板153の外周の四辺上に設けられた四枚の側壁150とで構成されている。短手幅151の方向には、4個の容器Pをそれぞれの外周42の一辺である、連結部分38またはフランジ37部分が接触する状態で詰めることができ、また、長手幅152の方向に3個の容器Pをそれぞれの外周42の一辺である開放辺41が接触する状態で詰めることができる。したがって、梱包箱S2は12個の容器Pを隙間なく詰めることができる。なお、容器Pの外周42の四辺形の整数倍とは、完全に整数倍である構成に限定されるものではなく、本実施の形態に係る箱詰め装置101の作用効果が生じる程度に略整数倍である構成が含まれる。
【0099】
本実施の形態に係る梱包箱S2は、容器Pを12個詰められるように短手幅151と長手幅152が規定されているが、これに限らず、容器の大きさや数量に合わせて様々な幅の梱包箱であってもよい。また、梱包箱S2の側壁50を高くして、2段以上容器Pを積み上げるようにしてもよいし、合成樹脂製のコンテナに限らず、段ボール箱等であってもよい。
【0100】
図6に示すように、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、一対の規制部材115からなる幅規制部113と、集成場所が設けられた可動台111の上方で容器Pの浮き上がりを規制する浮き上がり規制部114と、所定数の容器Pを保持して梱包箱S2に詰める保持部116と、梱包箱S2を梱包箱搬送方向62へ搬送する梱包箱搬送部120とを備える。
【0101】
また、
図6では省略しているが、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、
図1に示す第1の実施の形態に係る箱詰め装置1と同様に、容器搬送部2を備えている。本実施の形態に係る容器搬送部2は、卵Eを収容して綴じた後の容器Pを容器搬送方向60へ搬送するベルトコンベアである。本実施の形態では、容器搬送部2の終端部分3に3個の容器Pが搬送されると、容器搬送方向60の上流側に存在する複数の他の容器Pを停留させるように寸法等が構成されている。
【0102】
さらに、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、
図1に示す第1の実施の形態に係る箱詰め装置1と同様に移送部6を備えており、終端部分3に3個の容器Pが搬送されると、移送部6は、容器Pを3個同時に押すことができる寸法を有した押圧部材7によって容器Pを構成する蓋体32の周壁36bを押して移送する。
【0103】
可動台111は、水平に移動して退避するための駆動装置(図示せず)が設けられており、保持部116が容器P1〜6を梱包箱S2へ詰める時に、可動台111が保持部116と干渉しないように退避することができる。この時、可動台111は図面6の紙面に対して垂直下側に退避している。また、可動台111には第1の実施の形態に係る可動台11と同様に集成場所12が設けられており、移送部6は、容器Pを可動台111上の集成場所12へ移送する。
【0104】
次に、幅規制部113について説明する。幅規制部113は、3個の容器Pの両側に設けられた規制部材115で構成され、規制部材115は、
図6の紙面に対して左右方向の容器Pの動きを規制している。
【0105】
次に、浮き上がり規制部114について説明する。浮き上がり規制部114は、可動台11上に設けられた集成場所の上方に設けられ、移送部6が移送する容器Pが可動台111から浮き上がることを規制している。また、浮き上がり規制部114は、可動台111に固定されており、
図6(a),(b)に示すように、可動台111が退避する時には可動台111とともに退避する。
【0106】
本実施の形態において、浮き上がり規制部114は、移送部6によって移送される容器P全ての浮き上がりを規制するために可動台111の上方の全体を覆うのではなく、
図6(a)に示すように、保持部116が吸盤118によって容器Pを吸着する時に妨げない位置である、4箇所に設けて容器Pが可動台111から浮き上がることを規制している。これにより、浮き上がり規制部114が容器Pの浮き上がりを規制した状態のまま、保持部116が所定数の容器Pを保持することができるように構成されている。
【0107】
また、本実施の形態に係る浮き上がり規制部114は、可動台111が退避する時に、保持部116と接触しない位置に設けられている。このようにすることで、保持部16が所定数の容器Pを保持した状態のまま、浮き上がり規制部114が可動台111とともに退避することができる。
【0108】
次に、保持部116について説明する。保持部116は、容器Pのそれぞれの外周42の少なくとも一辺を、隣接する他の容器Pの外周42の一辺に接触させて保持し、保持した12個の容器Pを梱包箱S2の上方から、梱包箱S2に一括して詰めるように構成されている。
【0109】
保持部116は、
図6(b)に示すように、梱包箱S2を構成する四枚の側壁150のうち、底板153の所定方向である長手幅152の方向に対向する二辺上に設けられた一対の側壁150と接触する容器Pの開放部分である外周42の一辺の開放辺41が、該一辺と対向する容器Pの外周42の他の一辺である開放辺41よりも低くなるように傾けた状態で容器Pを保持する。本実施の形態では、底板153の長手幅152の方向の側壁150と接触しない容器Pを傾けずに保持しているが、他の傾けられている容器Pと同様に傾けて保持してもよい。この場合、3個並んだ容器Pの幅をより狭くすることが可能となる。なお、
図6(b)では3個の容器Pのみ記載されているが、3個の容器Pのそれぞれの紙面に対して垂直下側に4個の容器Pが同じ傾きで保持されている。
【0110】
保持部116は、蓋体32を吸着する複数の吸盤118が設けられた吸着ヘッド117を有しており、吸着ヘッド117は、1個の容器Pに対して吸着ヘッド117に6個取り付けられた吸盤118によって容器Pを吸着して保持する。
【0111】
吸着ヘッド117に設けられた複数の吸盤118のうち、一部の吸盤118は、蓋体32の一部を吸着した状態の高さとは異なる高さで、他の一部の吸盤118が蓋体32の他の一部を吸着した状態となるように、吸盤118が蓋体32を吸着した状態の高さを調整する高さ調整部124が設けられている。本実施の形態に係る高さ調整部124は、容器Pの蓋体32を吸着する6個の吸盤118のうち、梱包箱S2の側壁150と接触する側の2個の吸盤118に設けられた高さ調整部124aと、容器Pの中央部分を吸着する2個の吸盤118に設けられている高さ調整部124bが含まれる。
【0112】
図6(b)に示すように、高さ調整部124a,bは、容器Pを傾けて吸着するため、それぞれが設けられている吸盤118が容器Pを吸着した状態の高さが異なるように構成されている。なお、本実施の形態では高さ調整部124a,bを設けることにより、それぞれの吸盤118がほぼ同じ吸引力によって容器Pを吸着することができるが、容器Pを傾けるだけであれば、たとえば容器Pの中央部分を吸着する2個の吸盤118に高さ調整部124bを設けなくとも、容器Pを傾けて保持することができる。また、高さ調整部124は、容器Pを傾ける角度を変更するためにそれぞれの吸盤118ごとに任意に取り付け・取り外しが可能になっている。
【0113】
さらに、第1の実施の形態と同様に、吸盤118ごとに高さ調整部124を設けるのではなく、容器Pを傾けたい角度に合わせて吸着ヘッド117に高さを調整するための板を設けたり、大きさや形状が異なる吸盤を吸着ヘッド117に取り付けたりするなどして、高さ調整部の代わりとしてもよい。
【0114】
次に、梱包箱搬送部120について説明する。梱包箱搬送部120は、梱包箱S2を梱包箱搬送部120に設けられたローラー軸122を軸として回転するローラー121の回転によって梱包箱搬送方向62へ搬送する駆動ローラーコンベアである。梱包箱搬送部20には、梱包箱S2を集成場所が設けられている可動台111の下方で、梱包箱S2に所定数の容器Pが詰められるまで停止させるための可動ストッパ4cと、集成場所が設けられている可動台111の下方に梱包箱S2が停止している時に梱包箱S2を梱包箱搬送方向62の上流側で停留させるための可動ストッパ4bが設けられている。
【0115】
本実施の形態に係る箱詰め装置101では、
図2に記載されている箱詰めガイド23を省略しているが、第1の実施の形態と同様に箱詰めガイド23を設けてもよい。
【0116】
このように、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、所定数並んだ容器Pを一括して梱包箱S2に詰める際に、梱包箱S2の側壁150と接触する容器Pの外周42の一辺を、該一辺と対向する容器Pの他の外周42の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器Pを保持することで、所定数並んだ容器Pの幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることができる。したがって、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、所定数並んだ容器Pの幅を水平状態で保持する場合よりも狭くすることにより、梱包箱S2に対して円滑に箱詰めが行える。
【0117】
また、蓋体32の外周42の辺と、本体31の開口部33の外周42の辺とが連結または綴じられていない開放辺41を有する容器Pは、梱包箱S2の側壁150と接触して蓋体32が開く方向に強い力を受けると変形しやすいが、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、保持部116が容器Pを保持する時に、梱包箱S2の側壁150と接触する開放辺41が、該開放辺41と対向する容器Pの外周42の一辺よりも低くなるように傾けた状態で容器Pを保持して梱包箱S2に詰めるため、容器Pの開放辺41と梱包箱S2の側壁50とが接触しても、蓋体32が開く方向に強い力を受けにくい。したがって、本実施の形態に係る箱詰め装置101は、外部から力を受けると変形しやすい容器Pの開放辺41と、梱包箱S2の側壁150とが接触しても、蓋体32が開く方向に力を受けにくいので、容器Pが大きく変形せず、円滑に箱詰めが行える。
【0118】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。